JP3607217B2 - データキャリア構造及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電磁波を利用して通信を行えるデータキャリアを備えたデータキャリア構造に関し、特に円盤状のアンテナコイルを有するデータキャリアの通信距離を拡大したデータキャリア構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
アンテナコイルとIC回路を埋込んだICカードやRFIDタグ(Radio frequency Identification TAG)等のデータキャリアが各分野に広く普及している。これ等データキャリア(子機)には携帯型、または装置や機械もしくは各種部品に装着する固定型の2種があり、いずれも無線通信領域である高周波の電磁波を利用して、親機であるリーダライタ機(またはリーダ機)との間で非接触によりデータの送受信(通信)を行う。
【0003】
尚、通常、データキャリア自体は作動用としてのバッテリー等の電源を保有せず、リーダライタ機から送信される電磁波の一部を電源として利用するように構成されている。
【0004】
図12はデータキャリアの構造等を説明する図であり、図13はそのブロック図である。図12(a)に示すように、一般的なデータキャリア1は導線を空芯コイルに巻回して形成した円盤状のアンテナコイル2と、そのアンテナコイル2の両端に接続されたIC回路3を有する。
【0005】
IC回路3は図13に示すように送受信回路4、CPU(中央演算装置)5、書き込み可能な不揮発性記憶素子を有するメモリ6及び電力貯蔵用のコンデンサ7を有している。そしてこれ等アンテナコイル2及びIC回路3は非導電性材料である樹脂材を用いて薄い円盤状もしくはカード状に一体成形するか、またはラミネート加工されて外部環境から保護された密封型に形成される。
【0006】
上記データキャリア1の送受信方法を図13により説明すると、先ず図示しないリーダライタ機が最初のステップでデータキャリア1の呼び出し及び電力送信用の電磁波を送信する。するとデータキャリア1はその電磁波をアンテナコイル2と送受信回路4の同調作用により受信し、その電力をコンデンサ7に貯蔵する。これによってデータキャリア1は作動状態になるので、次のステップでリーダライタ機からデータキャリア1に読み出し用の電磁波を送信する。
【0007】
電磁波はデータキャリア1のアンテナコイル2から送受信回路4を経てCPU5に入力し、CPU5はそれに応じて必要な情報をメモリ6から読み出し、その情報を送受信回路4からアンテナコイル2を経て電磁波としてリーダライタ機に送信する。リーダライタ機からデータキャリア1のメモリにデータを書き込むときも上記方法に準じて実行される。尚、これ等一連のステップはほぼ瞬時に行われる。
【0008】
図12(b)はアンテナコイル2と電磁波の関係を説明するものである。一般に電磁波は90度の位相差をもって交流的に伝播する電界と磁界により表すことができ、その磁界とアンテナコイル2が鎖交することにより該アンテナコイル2に流れる電流(高周波電流)を利用して送受信が行われる。
【0009】
例えば、アンテナコイル2から電磁波が送信される場合は、アンテナコイル2に流れる高周波電流により図示のような高周波の磁界成分Hがアンテナコイル2の中心を通るループ(磁束ループ)として分布し、この磁束領域にリーダライタ機のアンテナコイルを置くと、リーダライタ機はデータキャリア1からの情報を受信できる。同様にリーダライタ機から電磁波を送信するときにも、データキャリア1のアンテナコイル2の周囲には図示のような磁界成分Hが分布し、それをアンテナコイル2が受信することになる。
【0010】
上記のように構成されたデータキャリア1がリーダライタ機との間で通信できる距離、即ち、通信距離は通常数mm〜数cm程度である。例えば鉄道の自動改札口の場合には、定期券等のデータキャリアをその挿入口に差し込んで装置内部に設けたリーダ部に近接通過させて読み取ることができるので、通信距離の問題はほとんどない。
【0011】
しかし、データキャリアとしてのRFIDタグ等を物品に装着して管理を行う場合等においては、通信距離が短いとその利用範囲が制限される。また、管理形態によっては特定方向の通信指向性の高いことが要求されることもある。そこで従来からデータキャリアの通信距離の延長方法または指向性向上方法について種々の提案がされている。
【0012】
図14は特開2000−48152号公報で提案されている方法を説明する図である。データキャリア1は、エナメル線等の絶縁電線を巻回して形成した円形空芯コイルからなる円盤状のアンテナコイル2と、その両端に接続されたIC回路3を有し、アンテナコイル2にはアモルファスシートからなる細長いシート状磁性体8が挿通される。そしてシート状磁性体8はその鋭いエッジでアンテナコイル2の表面に形成された絶縁被覆を傷つけないように、その周囲が絶縁シートで覆われている。
【0013】
シート状磁性体8はアンテナコイル2に挿入できるように、アンテナコイル2の中空部の直径より小さい幅のものを選択し、挿入後にアンテナコイル2とシート状磁性体8を平坦に押圧整形する。
【0014】
そしてシート状磁性体8は空中よりも磁気抵抗が著しく小さいので、アンテナコイル2と鎖交する磁束はシート状磁性体8の長手方向に容易に延長してその先端部を通る磁束ループとして空気中に分布する。従って、通信距離は主としてシート状磁性体8の長手方向に延長され、且つ該方向の通信指向性が高くなる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上記提案された方法は、アンテナコイル2にシート状磁性体8を挿通させるので、製造が難しく手間がかかるという問題がある。また、一般にRFIDタグ等のデータキャリア1はアンテナコイル2とIC回路3を一体的に樹脂封止して大量生産され、短い通信距離の標準品が安価な価格で市販流通している。しかし上記方法では製造過程でシート状磁性体8をアンテナコイル2に挿入するので、標準品とは別の特別な製造工程で作らなければならず、コスト的に不利になる。
【0016】
更に、上記方法は、シート状磁性体8をアンテナコイル2に挿入してから両者を平坦に押圧整形する際に、アンテナコイル2の絶縁皮膜を損傷する恐れがあり、その対策が必要になる。そこで本発明は、このような問題を解決することを課題とし、そのための新しいデータキャリア構造及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
前記課題を達成するための本発明に係る第1の発明は、円盤状のアンテナコイルを有し電磁波により通信を行うデータキャリアを備えたデータキャリア構造であり、前記アンテナコイルの片面から外側に向けて第1のシート状磁性体が延長され、反対面から逆方向の外側に向けて第2のシート状磁性体が延長され、前記第1のシート状磁性体と前記第2のシート状の磁性体は前記アンテナコイルを通る連続的な磁束路を形成していることを特徴とする。
【0018】
上記データキャリア構造において、前記第1のシート状磁性体及び前記第2のシート状磁性体を高比透磁率の磁性材料で作ることができる。
【0019】
上記いずれかのデータキャリア構造において、データキャリアを薄型の非導電性材料で作られた密封容器内に封入し、前記第1のシート状磁性体及び前記第2のシート状磁性体を前記密封容器の外面に沿って延長することができる。
【0020】
更に、上記いずれかのデータキャリア構造において、前記第1のシート状磁性体及び前記第2のシート状磁性体を含めた全体を、薄型で磁束が漏洩する保護容器内に収容することができる。そして、その場合、前記保護容器の少なくとも一方の表面部分をアルミニウムもしくはその合金で作ることができる。更に、前記保護容器の少なくとも一方の表面部分を磁性金属で作り、その内面にアルミニウムもしくはその合金の薄層を形成することができる。それ等表面部分は銘板として利用することもできる。
【0021】
また、前記課題を達成するための本発明に係る第2の発明は、データキャリア構造の製造方法であり、薄型の非導電性材料で作られた密封容器に封入されたデータキャリアを使用し、その密封容器の片面から外側に向けて第1のシート状磁性体を延長して配置すると共に、反対面から逆方向の外側に向けて第2のシート状磁性体を延長して配置し、その際、前記第1のシート状磁性体と前記第2のシート状の磁性体が前記アンテナコイルを通る連続的な磁束路を形成するようにし、前記密封容器、前記第1のシート状磁性体及び前記第2のシート状磁性体を含めた全体を薄型で磁束が漏洩する保護容器内に収容することを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に図面により本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明に係るデータキャリア構造の基本的構成を示す平面図、図2は図1を拡大した側面図である。これ等の図において、データキャリア構造10は電磁波により通信を行なうデータキャリア1と、第1のシート状磁性体11と及び第2のシート状磁性体12を備えている。
【0023】
データキャリア1は図12及び図13に示したものと同様に構成され、図2に示すような円盤状のアンテナコイル2とIC回路3を有している。データキャリア1の通信方式には、例えば125kHzと117kHzの2波を使用する周波数偏移変調方式(FSK:Frequency Shift Keying)及び1波のみ使用する振幅偏移変調方式(ASK:Amplitude Shift Keying)の2種存在するが、データキャリア1の近くに金属等の導電性部材が存在しても比較的安定してリーダライタ機等と通信できるASK方式が望ましい。
【0024】
第1のシート状磁性体11及び第2のシート状磁性体12はいずれも10μm〜50μm程度の厚さを有するシート状磁性体を方形に切断加工して形成される。第1のシート状磁性体11はアンテナコイル2の上面に沿って、図1におけるその中央部やや左側から右方向外側まで延長され、その一部がアンテナコイル2の上面側に接着等により固定されている。
【0025】
また第2のシート状磁性体12はアンテナコイル2の下面に沿って、図1におけるその中央部やや右側から左方向外側まで延長され、その一部がアンテナコイル2の下面側に接着等により固定されている。
【0026】
その結果、アンテナコイル2の中央部側に位置する第1のシート状磁性体11と第2のシート状磁性体12の端部は、それ等一部が互いに重なって(オーバラップして)いる。
【0027】
そして図12(b)に示した磁束の少なくとも一部は、この場合には空中よりも著しく磁気抵抗の少ない第1のシート状磁性体11と第2のシート状磁性体12をそれぞれ通り、アンテナコイル2を介する図2の破線で示すような扁平に拡大された磁束路(磁束ループ)φを形成する。
【0028】
尚、図面を見易くするために、図1における第2のシート状磁性体12は第1のシート状磁性体11よりも幅が若干小さくなっているが、実際は同じ幅とされる。
【0029】
図2に示すように、磁束路φはアンテナコイル2の面に平行な方向に拡大されるので、該方向の通信距離が延長し且つその方向への通信指向性が高くなる。尚、このように通信距離が拡大する原理は前記した図14の場合と同様に考えることができる。
【0030】
しかし、図14に示した従来例ではシート状磁性体8をアンテナコイル2に貫通させているが、本実施形態ではそのような貫通方式を採用せず、アンテナコイル2の片面から外側に向けて第1のシート状磁性体11を延長し、更に、反対面から逆方向の外側に向けて第2のシート状磁性体12を延長し、それ等第1、第2のシート状磁性体11,12がアンテナコイル2を通る連続的な磁束路φを形成していることに特徴がある。
【0031】
データキャリア構造10の通信感度は磁束路φの磁束密度に比例し、その磁束密度は第1のシート状磁性体11及び第2のシート状磁性体12の比透磁率に比例する。従って第1のシート状磁性体11及び第2のシート状磁性体12は比透磁率のできるだけ高いものを選択すべきであり、少なくとも1万以上の比透磁率を有する磁性体が望ましい。このような高い比透磁率を有する磁性材料からなる磁性体として、シート状に形成したアモルファス磁性体を挙げることができる。
【0032】
一般にアモルファス磁性体の比透磁率は数万から数百万の範囲にあり、極めて比透磁率が高い。例えば米国のアライドケミカル社から市販されているFe―Ni―Mo―B−S系で比透磁率が80万のシート状アモルファス磁性体があり、更に、類似組成でより高比透磁率のシート状アモルファス磁性体が日立金属(株)から市販されており、いずれも本発明に使用できる。
【0033】
図3は他の実施形態によるデータキャリア構造10である。この例は図1に示すデータキャリア1、第1のシート状磁性体11及び第2のシート状磁性体12を含めた全体を薄型で磁束が漏洩する保護容器13内に収容して構成される。
【0034】
保護容器13は円板状の上蓋14と下蓋15及びそれ等を連結するリング状の中間枠体16により構成される。保護容器13は樹脂のような非導電性材料またはアルミニウムもしくはその合金(例えばジュラルミン)で作ることができる。
【0035】
図3のデータキャリア構造10を構成するには、先ずデータキャリア1の上側と下側にそれぞれ第1のシート状磁性体11と第2のシート状磁性体12を接着等により貼り付けて延長させる。次に下蓋15の上に中間枠体16を配置し、その内側に前記データキャリア1等を収容する。次に容器内に接着剤もしくは充填剤を充填し、上蓋14で封鎖して固化させることにより、下蓋15、中間枠体16及び上蓋14が一体化されると共に、その内部にデータキャリア1等が安定に固定される。
【0036】
このような保護容器13内にデータキャリア構造10の主要部を収容することにより、保管、運搬及び使用上において外部からの物理的、化学的な影響や浸水による影響を回避でき、更に、良好な外観を有するデータキャリア構造10を構成できる。
【0037】
また本発明におけるデータキャリア構造10は、例えば機械、装置またはそれ等を構成する部品等の表面に取り付けて、情報格納型の銘板として利用することができる。その場合には保護容器13の全体または少なくともその表面部分(例えば、上蓋14部分)をアルミニウムもしくはその合金、或いは磁性金属で構成し、該表面部分に文字、記号等を刻印すると耐久性のよい銘板とすることができる。
【0038】
一般に、データキャリア1を導電性部材、特に電気抵抗の小さい金属部材等の保護容器で覆うと、通信に際しての磁束(高周波磁束)により導電性部材に渦電流が発生し、その渦電流により生じる反対方向の打消し磁束により通信に必要な磁束が減少する傾向があり、更に、保護容器の内外に磁束が通らないことにより、多くの場合通信が不可能になる。
【0039】
しかし、本発明者等の実験によれば、保護容器13を導電性部材であるアルミニウムもしくはその合金で作り、更に、保護容器13を磁束漏洩型とすることにより、通信が可能であることが分かった。保護容器13を磁束漏洩型とするには、該保護容器13に何らかの方法で磁束を漏洩させる空隙を形成すればよい。
【0040】
従って、保護容器13を樹脂で形成する場合は、樹脂自体が磁束を漏洩するので問題はない。アルミニウムもしくはその合金で構成する場合には、図3のように保護容器13を上蓋14、下蓋15及び中間枠体16のように分割可能に形成し、例えば上蓋14と中間枠体16の間及び下蓋15と中間枠体16の間に磁束漏洩用の空隙17を設け、その空隙17にゴム等の非導電性物質を介在させるか、またはその空隙17を維持するようにして、前記のような非導電性物質である接着剤等を内部に充填して固定する。
【0041】
尚、空隙17の厚さ、即ち、上蓋14及び下蓋15と中間枠体16の間に形成する隙間量は所望する磁束漏洩量にもよるが、通常の通信には数百μm〜数mm程度の範囲に設定すれば十分である。
【0042】
上記のように構成すると、保護容器13内のデータキャリア1からの磁束は、例えば図3に示すように第2のシート状磁性体12から図3の左側の空隙17を通って外部に漏洩し、図3の右側の空隙17からアンテナコイル2を経て第1のシート状磁性体11に戻る破線のような磁束路φが形成される。そしてこの磁束路φを利用してデータキャリア1と外部のリーダライタ機との間で通信ができる。
【0043】
第1のシート状磁性体11及び第2のシート状磁性体12の先端部を空隙17に近づけるほど通信感度は向上する。例えば、それ等先端部を保護容器13の外部に臨む程度まで空隙17に挿入すると通信感度は最も高くなる。
【0044】
図4は更に、他の実施形態によるデータキャリア構造10を示す断面図、図5は図4の平面図である。この例は大量生産され市場に流通している標準的なデータキャリアを利用し、それに図1と同様な第1のシート状磁性体11及び第2のシート状磁性体12を組み合わせて保護容器13内に収容したものである。これ等の図において、データキャリア1は薄型で樹脂等の非導電性材料で作られた密封容器18内に円盤状のアンテナコイル2とIC回路3を封入して構成される。
【0045】
密封容器18の上面に沿って第1のシート状磁性体11を平行に配置して接着等によって固定し、該密封容器18の下面に沿って第2のシート状磁性体12を同様に平行に配置して接着等によって固定する。
【0046】
そして第1のシート状磁性体11の先端部は密封容器18内に配置されたアンテナコイル2の図5における中央部よりやや右側から左方向の外側まで延長させ、第2のシート状磁性体12の先端部は密封容器18内に配置されたアンテナコイル2の図5における中央部よりやや左側から右方向の外側まで延長させる。
【0047】
そして、それ等第1のシート状磁性体11及び第2のシート状磁性体12を密封容器18と共に保護容器13内に収容し、接着剤等を充填してモールドすることにより図4に示すデータキャリア構造10が形成される。尚、図4の保護容器13も図3と同様に構成され、それを金属材料で構成する場合には、例えば、上蓋14及び下蓋15と中間枠体16の間に同様に空隙17を形成する。
【0048】
上記のように構成されたデータキャリア構造10は、図1の例と同様に、アンテナコイル2の中央部側に位置する第1のシート状磁性体11と第2のシート状磁性体12の端部は一部が互いに重なって(オーバラップして)いる。
【0049】
そして、図4に示すように、磁束の少なくとも一部は空中よりも著しく磁気抵抗の少ない第1のシート状磁性体11と第2のシート状磁性体12、及びアンテナコイル2を通って破線で示すような扁平で拡大された磁束路(磁束ループ)φを形成する。
【0050】
尚、この例においても図3と同様に、第1のシート状磁性体11及び第2のシート状磁性体12の先端部を保護容器13の外部に臨む程度まで空隙17に挿入すると通信感度は最も高くなる。
【0051】
保護容器13を導電性材料で形成する場合には、前記のようにアルミニウムもしくはその合金を用いることにより良好な通信を確保できることが分かっている。しかし実験によれば、それ以外の導電性材料、例えば鉄、ステンレス、銅、真鍮等の磁性金属で作られた保護容器13であっても、その内面にアルミニウムもしくはその合金の薄層19を形成することによって使用できることが分かった。
【0052】
図6はそのようなデータキャリア構造10を示す断面図である。尚、図6は図4に準じて描かれており、図4と同じ部分には同一符号が付されている。保護容器13は上蓋14、下蓋15及び中間枠体16により構成され、上蓋14及び下蓋15と中間枠体16の間に磁束を漏洩するための空隙17が形成される。
【0053】
これ等は鉄、ステンレス、銅、真鍮等の導電性材料(磁性金属)で作られ、その上蓋14と下蓋15の内面にそれぞれアルミニウムもしくはその合金の薄層19が接着等により固定される。このような薄層19を設けると、理由は明らかではないが、アルミニウムもしくはその合金で作られた図4の保護容器13と同様に作用して通信可能になる。
【0054】
尚、この例においても図3と同様に、第1のシート状磁性体11及び第2のシート状磁性体12の先端部を保護容器13の外部に臨む程度まで空隙17に挿入すると通信感度は最も高くなる。
【0055】
図7は更に、他の実施形態によるデータキャリア構造10を示す平面図である。この例では第1のシート状磁性体11及び第2のシート状磁性体12の形状を三角形とし、それぞれの1つの頂部をアンテナコイル2の中央部に対向させ、そこから面積が次第に拡大するように外側に延長させている。
【0056】
このように構成した場合においても、図1及び図2と同様にアンテナコイル2の面方向外側に磁束路φが拡大され、それによって通信距離が広がり、その方向における通信指向性も向上する。
【0057】
尚、図7にはアンテナコイル2、第1のシート状磁性体11及び第2のシート状磁性体12が二点鎖線で示す保護容器13に収容される場合を示しているが、この例においても図4のような密封容器18を用いて構成できる。
【0058】
図8は更に、他の実施形態によるデータキャリア構造10を示す平面図である。この例でも第1のシート状磁性体11及び第2のシート状磁性体12の形状を三角形とし、それぞれの1つの辺部をアンテナコイル2の中央部に対向させ、そこから面積が次第に縮小するように外側に延長させている。
【0059】
このように構成しても図1及び図2と同様にアンテナコイル2の面方向外側に磁束路φが拡大され、それによって通信距離が広がり、その方向における通信指向性が向上する。
【0060】
尚、図8もアンテナコイル2、第1のシート状磁性体11及び第2のシート状磁性体12が二点鎖線で示す保護容器13に収容される場合を示しているが、この例においても図4のような密封容器18を用いて構成できる。
【0061】
図9は更に、他の実施形態によるデータキャリア構造10を示す平面図である。この例では第1のシート状磁性体11及び第2のシート状磁性体12の形状をL型に形成している。
【0062】
第1のシート状磁性体11は1辺を図9の左右方向に平行に配置し、その先端部をアンテナコイル2の上面側中央部に位置させ、他辺を図9の上方(縦方向)に延長するように配置する。第2のシート状磁性体12は1辺を図9の左右方向に平行に配置し、その先端部をアンテナコイル2の下面側中央部に位置させ、他辺を図9の下方(縦方向)に延長するように配置する。
【0063】
第1のシート状磁性体11の先端部と第2のシート状磁性体12の先端部はアンテナコイル2を上下から挟んで一部が互いに重なって配置される。そしてアンテナコイル2を挟んで第1のシート状磁性体11における図9の左右方向の辺と、第2のシート状磁性体12における図9の左右方向の辺により第1の磁束路φ1が形成され、アンテナコイル2を挟んで第1のシート状磁性体11における図9の左右方向及び縦方向の辺と第2のシート状磁性体12における図9の左右方向及び縦方向の辺により第2の磁束路φ2が形成される。
【0064】
このように構成することにより、通信距離は磁束路φ1による図9の左右方向及び磁束路φ2による図9の上下方向のいずれにも延長できると共に、それ等両方向における通信指向性も向上する。従って、このように構成することにより、平面的な方向における方向性のない(もしくは少ない)データキャリア構造10を得ることができる。
【0065】
尚、図9もアンテナコイル2、第1のシート状磁性体11及び第2のシート状磁性体12が二点鎖線で示す保護容器13に収容される場合を示しているが、この例においても図4のような密封容器18を用いて構成できることは言うまでもない。
【0066】
図10は図4及び図5に示すデータキャリア構造10の通信距離を測定した結果である。実験に使用したデータキャリア構造10は次のように製造した。先ず円盤状のアンテナコイル2とASK方式で通信を行うIC回路3を樹脂製の密封容器18でモールドしたデータキャリア1を用意し、その密封容器18の上面に第1のシート状磁性体11を接着し、下面に第2のシート状磁性体12を接着し、次にそれ等を一体としてアルミニウム製の保護容器13に収容した。
【0067】
第1のシート状磁性体11と第2のシート状磁性体12は前記したアライドケミカル社の比透磁率80万のシート状アモルファス磁性体を使用した。保護容器13は図4のように上蓋14、下蓋15及び中間枠体16により構成し、それ等全てをアルミニウム材で作った。
【0068】
そして、上蓋14と中間枠体16の連結部に磁束漏洩路として厚さ数百μm程度の空隙17を全周に沿って設けた。尚、保護容器13は、横方向の長さ(図5の左右方向の長さ)85mm、縦方向の長さ55mm、厚さ1mmとした。
【0069】
上記のようなデータキャリア構造10を3種、即ち、アンテナコイル2の口径(平均直径)が10mm、25mm及び50mmの3種のものについて、それぞれ第1のシート状磁性体11と第2のシート状磁性体12の重なり関係を変えて通信距離を測定した。
【0070】
尚、第1のシート状磁性体11と第2のシート状磁性体12の幅はそれぞれ対応するアンテナコイル2の口径に一致させ、長さは保護容器13の横方向の長さ(図5の左右方向の長さ)85mmに略一致させた。
【0071】
図10の横軸は、アンテナコイル2の中心部における第1のシート状磁性体11と第2のシート状磁性体12の重なり関係で、+は重なり幅(オーバラップ幅)、−は間隙幅(離反幅)である。また縦軸は測定された通信距離である。通信距離の測定はリーダライタ機を各データキャリア構造10の長手方向延長上(図4の左右方向)に配置し、データキャリア1との間で電磁波により送受信が可能な距離をmm単位で計測した。
【0072】
図10の結果から、アンテナコイル2の口径にもよるが、アンテナコイル2の中心部における第1のシート状磁性体11と第2のシート状磁性体12の端部関係が、5mm程度の間隙幅を有するものから25mm程度重なり幅を有するものまで通信可能であることが分かった。
【0073】
しかし、好ましい範囲は0mm〜20mm程度の重なり幅の範囲であり、より好ましくは10mm±5mm程度の範囲である。但し最適な範囲はアンテナコイル2の口径に比例して重なり幅の大きい領域にシフトする傾向がある。更に、アンテナコイル2の口径が大きくなるほど通信距離が拡大することも分かった。
【0074】
参考までに、口径50mmφのアンテナコイル2を有するデータキャリア構造10について、その第1のシート状磁性体11と第2のシート状磁性体12の重なり幅を0mmとしたときに、それ等シートの幅を10mm、5mmとした場合の通信距離を測定したところ、それぞれ150mm、90mmであった。
【0075】
更に、各データキャリア構造10について、保護容器13の上蓋14のみをアルミニウム性から非導電性材料の樹脂製に代えて同様に通信距離の測定をした。その結果、通信距離は図10に比べて約2倍程度それぞれ拡大した。
【0076】
図11は図9に示すデータキャリア構造10を図4及び図5のように保護容器13に収容して図10の場合と同様にして通信距離を測定した結果である。データキャリア構造10は、口径25mmφのアンテナコイル2と、ASK方式で通信するIC回路3を樹脂製の密封容器18に封入したデータキャリア1を使用し、それに第1のシート状磁性体11及び第2のシート状磁性体12としてL型で幅20mmの前記アライドケミカル社シート状アモルファス磁性体を接着してからアルミニウム製の保護容器13内にモールドした。
【0077】
また、第1のシート状磁性体11と第2のシート状磁性体12におけるそれぞれのL型の寸法は図9のように保護容器13の長さ及び幅に一致させた。図11の結果から、第1のシート状磁性体11と第2のシート状磁性体12の重なり0mm〜20mmの範囲で図9の縦方向及び左右方向共に100mm以上の通信距離が得られることが分かった。
【0078】
この場合において、データキャリア構造10における保護容器13の上蓋14のみをアルミニウム製から非導電性材料の樹脂製に代えて同様に通信距離の測定をしたところ、通信距離は図11に比べて約2倍程度拡大することが分かった。
【0079】
更に、図7または図8に示すデータキャリア構造10を図4及び図5のように保護容器13に収容して同様に通信距離を測定した。実験に使用したデータキャリア構造10は、先ず口径25mmφのアンテナコイル2と、ASK方式で通信するIC回路3を樹脂製の密封容器18に封入したデータキャリア1を用意し、第1のシート状磁性体11と第2のシート状磁性体12として、前記アライドケミカル社シート状アモルファス磁性体を、図7及び図8の縦方向における辺長が55mm、左右方向の垂線長が45mmとなるように三角形型に加工した。
【0080】
次にそれ等シートを前記密封容器18の上下の面に沿って接着し、最後にそれ等を一体としてアルミニウム製の保護容器13内にモールドすることにより製造した。
【0081】
尚、第1のシート状磁性体11と第2のシート状磁性体12との重なり幅はそれぞれ10mmとした。その結果、図7、図8のデータキャリア構造10における図面左右方向の通信距離はそれぞれ120mm、60mmであった。
【0082】
これ等の場合において、データキャリア構造10における保護容器13の上蓋14のみをアルミニウム製から非導電性材料の樹脂製に代えて同様に通信距離の測定をした結果、通信距離は上述の通信距離と比べて約2倍程度拡大した。
【0083】
これまでの説明では、図3、図4及び図6に示す保護容器13は上蓋14、下蓋15及び中間枠体16により構成され、それ等は同じ材料で作られている。しかし、これ等各部材は互いに別の材料を組み合わせて作ることもできる。また場合によっては上蓋14を省略することもできる。上蓋14を省略する場合には下蓋15と中間枠体16で構成される保護容器13の内部を耐久性のある樹脂などで封鎖する。
【0084】
また、図6の保護容器13における上蓋14をアルミニウムもしくはその合金、或いは樹脂で作る場合には、その内面に設けるアルミニウムもしくはその合金の薄層19を省略できる。
【0085】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係るデータキャリア構造は、アンテナコイルの片面から外側に向けて第1のシート状磁性体が延長され、反対面から逆方向の外側に向けて第2のシート状磁性体が延長され、それ等磁性体はアンテナコイルを通る連続的な磁束路を形成していることを特徴とする。
【0086】
そのため磁性体を延長した方向に通信距離を拡大することができる。またアンテナコイルの上面とした面にそれぞれシート状磁性体を配置するだけでよいので、製造が簡単で手間がかからない。更に、従来のようにシート状磁性体をアンテナコイルに挿入しないので構造が簡単になり、アンテナコイルがシート状磁性体によって損傷を受ける恐れもない。
【0087】
上記データキャリア構造において、第1のシート状磁性体及び第2のシート状磁性体をアモルファス磁性体のような高比透磁率の磁性材料で作ることができ、それによって通信距離をより拡大することができる。
【0088】
上記いずれかのデータキャリア構造において、データキャリアを薄型の非導電性材料で作られた密封容器内に封入し、第1のシート状磁性体及び第2のシート状磁性体を密封容器の外面に沿って延長することができる。このように構成すると、標準品として市販され流通している樹脂封入のデータキャリアをそのまま利用することができ、低コストで信頼性の高いデータキャリア構造を提供することができる。
【0089】
更に、上記いずれかのデータキャリア構造において、第1のシート状磁性体及び第2のシート状磁性体を含めた全体を薄型で磁束が漏洩する保護容器内に収容することができる。そのように構成すると、保管、運搬及び使用上において、データキャリアに対する外部からの物理的、化学的な影響や浸水による影響を回避でき、更に、良好な通信性及び外観性を有するデータキャリア構造とすることができる。
【0090】
上記データ構造において、保護容器の少なくとも一方の表面部分をアルミニウムもしくはその合金で作ることができる。そのように構成すると、物理的強度がより向上すると共に、耐久性を有する銘板として使用することができる。
【0091】
また、本発明に係るデータキャリア構造の製造方法は、薄型の非導電性材料で作られた密封容器に封入されたデータキャリアを使用し、その密封容器の片面から外側に向けて第1のシート状磁性体を延長して配置すると共に、反対面から逆方向の外側に向けて第2のシート状磁性体を延長して配置し、その際、第1のシート状磁性体と第2のシート状の磁性体がアンテナコイルを通る連続的な磁束路を形成するようにし、密封容器、第1のシート状磁性体及び第2のシート状磁性体を含めた全体を薄型で磁束が漏洩する保護容器内に収容することを特徴とする。
【0092】
そのため市販され流通している樹脂封入のデータキャリアをそのまま利用してデータキャリア構造を低コストで且つ容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るデータキャリア構造の基本的構成を示す平面図である。
【図2】図1の側面図である。
【図3】本発明に係るデータキャリア構造の他の実施形態によるデータキャリア構造を示す断面図である。
【図4】本発明に係るデータキャリア構造の更に、他の実施形態によるデータキャリア構造を示す断面図である。
【図5】図4の平面図である。
【図6】本発明に係るデータキャリア構造の他の実施形態によるデータキャリア構造を示す断面図である。
【図7】本発明に係るデータキャリア構造の他の実施形態によるデータキャリア構造を示す平面図である。
【図8】本発明に係るデータキャリア構造の他の実施形態によるデータキャリア構造を示す平面図である。
【図9】本発明に係るデータキャリア構造の他の実施形態によるデータキャリア構造を示す平面図である。
【図10】図4及び図5に示すデータキャリア構造の通信距離を測定した結果を示すグラフである。
【図11】図9に示すデータキャリア構造の通信距離を測定した結果を示すグラフである。
【図12】一般的なデータキャリアの構造を説明する図である。
【図13】図12のデータキャリアのブロック図である。
【図14】通信距離を拡大した従来のデータキャリアの構造を説明する図である。
【符号の説明】
1…データキャリア
2…アンテナコイル
3…IC回路
4…送受信回路
5…CPU
6…メモリ
7…コンデンサ
8…シート状磁性体
10…データキャリア構造
11…第1のシート状磁性体
12…第2のシート状磁性体
13…保護容器
14…上蓋
15…下蓋
16…中間枠体
17…空隙
18…密封容器
19…薄層
φ,φ1,φ2…磁束路
H…磁界成分
Claims (8)
- 円盤状のアンテナコイルを有し電磁波により通信を行うデータキャリアを備えたデータキャリア構造において、前記アンテナコイルの片面から外側に向けて第1のシート状磁性体が延長され、反対面から逆方向の外側に向けて第2のシート状磁性体が延長され、前記第1のシート状磁性体と前記第2のシート状磁性体は前記アンテナコイルを通る連続的な磁束路を形成していることを特徴とするデータキャリア構造。
- 前記第1のシート状磁性体及び前記第2のシート状磁性体が高比透磁率の磁性材料で作られていることを特徴とする請求項1に記載のデータキャリア構造。
- 前記データキャリアが薄型の非導電性材料で作られた密封容器内に封入され、前記第1のシート状磁性体及び前記第2のシート状磁性体が前記密封容器の外面に沿って延長されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のデータキャリア構造。
- 前記データキャリア、前記第1のシート状磁性体及び前記第2のシート状磁性体を含めた全体が薄型で磁束が漏洩する保護容器内に収容されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のデータキャリア構造。
- 前記保護容器の少なくとも一方の表面部分がアルミニウムもしくはその合金で作られていることを特徴とする請求項4に記載のデータキャリア構造。
- 前記保護容器の少なくとも一方の表面部分が磁性金属で作られ、その内面にアルミニウムもしくはその合金からなる薄層が形成されていることを特徴とする請求項4に記載のデータキャリア構造。
- アルミニウムもしくはその合金、または磁性金属で作られた前記保護容器の表面部分が銘板を構成することを特徴とする請求項5または請求項6に記載のデータキャリア構造。
- データキャリア構造の製造方法において、薄型の非導電性材料で作られた密封容器に封入されたデータキャリアを使用し、その密封容器の片面から外側に向けて第1のシート状磁性体を延長して配置すると共に、反対面から逆方向の外側に向けて第2のシート状磁性体を延長して配置し、その際、前記第1のシート状磁性体と前記第2のシート状磁性体が前記アンテナコイルを通る連続的な磁束路を形成するようにし、前記密封容器、前記第1のシート状磁性体及び前記第2のシート状磁性体を含めた全体を薄型で磁束が漏洩する保護容器内に収容することを特徴とするデータキャリア構造の製造方法。
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