JP3605373B2 - アークイオンプレーティング装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、真空アーク放電を利用したコーティング装置であるアークイオンプレーティング装置(以下、AIP装置と言う)に関する。
【0002】
【従来の技術】
アークイオンプレーティング法は、真空チャンバ中に配設した陽極(アノード)と蒸発源(ターゲット)である陰極(カソード)との間で真空アーク放電を発生させ、固体である陰極表面に発生するアークスポットから陰極材料を蒸発させ、この蒸気を真空チャンバ中に配したワーク上に堆積させて皮膜をコーティングする方法である。このアークイオンプレーティング法を実現するAIP装置としては、スネーパーやサブレフによってそれぞれ特公昭58−3033号公報や特公昭52−14690号公報に開示された装置があり、その後さまざまな改良が施されている。
【0003】
近年、アークイオンプレーティング法が、大量の個数が製造される部品(例えばピストンリング)に硬質皮膜をコーティングする技術として適用されるようになるにつれて、高い生産性で皮膜をコーティングすることが大きな課題になってきている。
【0004】
高い生産性を実現するための従来のAIP装置としては、例えば、皮膜がコーティングされるワークを真空チャンバ内に出し入れ自在なワークテーブル上に搭載するAIP装置が知られている。
【0005】
このようなAIP装置の基本構成を図23により説明する。同図(a)は上面図、同図(b)は側面の断面図である。真空チャンバ1内に、陽極2と平板形状の蒸発源(陰極)3が固設され、更にワークテーブル4上に載せられたワーク5を配設した構成である。陽極2と蒸発源3にはアーク電源3aが接続され、真空中で陽極2と蒸発源3との間にアーク放電を発生させると、蒸発源3表面のターゲット材は瞬時に蒸発すると同時に金属イオン6となって真空中に飛び出す。一方バイアス電源7をワーク5に印加することにより、金属イオン6は加速され、反応ガス粒子8と共にワーク5の表面に密着し、緻密な硬質皮膜(TiN,TiC,TiCN,ZrN,Cr−N等)を生成する。ワークテーブル4は駆動歯車9と噛み合う歯車装置を内蔵しており、これによってワーク5を自転させると同時にワークテーブル4自身もa方向に回転してワーク5を公転させる。また真空チャンバ1内にはシールド板12が金属イオン6の放射方向の開口を有して内設されている。
【0006】
更に、真空チャンバ1は開閉扉10及びレール11を有している。開閉扉10によって真空チャンバ1を開放すれば、ワーク5を載せたワークテーブル4はレール11に沿ってc方向に引き出すことができる。
【0007】
このAIP装置においては、ワーク5を真空チャンバ1内に搬入・搬出するにあたっては、ワーク5を一つ一つ取り扱うのではなく、予めワークテーブル4上に搭載した状態で複数まとめて搬入・搬出することができるので、ワーク5の設置に伴う時間が大幅に短縮することができ、高い生産性を得る上で非常に有利になっている。
【0008】
また、上記のような平板形状の蒸発源から高い速度で均一に皮膜材料を蒸発させることのできるAIP装置が、例えば特開平4−224671号公報に開示されている。このAIP装置は、複数台設けられたアーク電源から各々独立にアーク電力を蒸発源に供給し、蒸発源の消耗の均一化と大電力の運転を可能とすることで、高い生産性を期待するものである。
【0009】
更にまた、ピストンリングのような高い生産性を要求される用途への適用を可能にするようなAIP装置として、蒸発源をロッド形状にしたタイプのものがある。このようなAIP装置はロッド状蒸発源から皮膜物質の蒸気が放射状に発生するので、蒸発源を取り囲むようにワークを配置することによって、一本の蒸発源によって多数のワークを同時にコーティングすることができるという点で注目されている。従って、このロッド状蒸発源から極めて高い速度で皮膜材料を均一に蒸発させることができれば、極めて高い生産性の実現が可能となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ロッド状蒸発源を採用したAIP装置においては、蒸発源を取り囲む位置にワークが配置されているため、蒸発源が真空チャンバ内に固定されている場合には、ワークテーブルに搭載したワークを搬入・搬出する際にワークと蒸発源が干渉・衝突するので、図23と同様のワークの搬入・搬出を行うことができなかった。
【0011】
そこで、ロッド状蒸発源自体をワークテーブルに搭載することも考えられるが、これによると、ワークと蒸発源との干渉や衝突は回避できるものの、蒸発源の冷却が困難になる等の装置構成上の理由によって、大電流放電で高能率の蒸気生成により高い生産性の皮膜コーティングを行うことができなかった。
【0012】
また、前記特開平4−224671号公報に開示されたAIP装置は、平板形状の蒸発源にのみ対応した装置であり、ロッド状蒸発源を持つAIP装置に適用することについては言及されていなかった。
【0013】
更にまた、図23のAIP装置では、通常ワークの搬入・搬出を人手によって行っており、更にワークの搬入・搬出と同時にしばしば行われる蒸発源・陽極・シールド板等の交換・清掃作業も、人手の介在が不可欠であった。ワークの搬入や搬出は比較的短時間で行われるものの、蒸発源・陽極・シールド板の交換や清掃には多くの時間を必要とし、またこれらの作業を夜間には行うことができないために、AIP装置全体が休止してしまっていた。即ち、AIP装置の稼働率の面からも高い生産性の実現に対しての問題が発生していたのである。
【0014】
本発明は上記の状況に鑑みてなされたものであり、ワークの効率的なハンドリングを行うことで極めて高い生産性を実現できるAIP装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る本発明は、真空チャンバと、該真空チャンバ内に設けられアークを発生させる蒸発源とを含み、ワーク表面に被覆を行うAIP装置において、該装置は前記ワークを保持するワークテーブルを持ち、前記ワークは該テーブル上の周囲に配置されており、該テーブルには、前記真空チャンバへの被覆を防止するシールド板及び前記ワークが配置されていて、該シールド板と前記テーブルとが一緒に前記真空チャンバ内に搬入され、搬出されることを特徴とする。
【0016】
請求項2に係る本発明は、請求項1に記載したAIP装置において、前記テーブルの向きを変えるロータリーテーブルが設けられたことを特徴とする。
【0019】
【作用】
請求項1に係る本発明では、シールド板がワークとともにワークテーブルに搭載されて取り扱われるので、シールド板の交換・清掃が必要である場合でも、これをAIP装置を止めずに外部で行うことができる。
【0020】
請求項2に係る本発明では、請求項1に記載した本発明において更に、ワークテーブルを自動的に搬送することができる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明のAIP装置の要部図である。
【0024】
図1において、真空チャンバ1の本体1aは、架台15の二階部分16の上に固設され、側面に排気ノズル1cが突設されているとともに、底面が開口されている。この真空チャンバ1の本体1aの開口部を開閉する蓋体である下蓋17はリフタ18の上にスプリング18aを介して弾性支持されており、リフタ18の昇降によって、二点鎖線の下降位置と実線の上昇位置との間を昇降することができる。下蓋17が上昇位置にある時には真空チャンバ1は特殊シール19によって密閉状態となる。下蓋17をスプリング18aの如き弾性体を介して支持すると、完全な密閉状態を得やすくなる。また、真空チャンバ1の上蓋1bの中央からロッド状蒸発源14が下向きに突設され、その上端にはアーク電源(図示省略)の陰極に接続される上部マイナス端子14aが固設されている。下蓋17には、駆動されるローラ列からなる、ワーク5の水平移動手段であるローラレール20と、アーク電源の陰極に接続される下部マイナス端子21と、駆動ギア22が設けられている。ワーク5を載せるワークテーブル23は、ローラレール20を介して下蓋17の上に載置されており、ローラレール20の上を転がって紙面厚み方向手前側に搬送可能となっているとともに、駆動ギア22によってワーク5を自転及び公転させることができる。また、下蓋17が実線の上昇位置にあると、下部マイナス端子21がロッド状蒸発源14の下端に接続され、ロッド状蒸発源14の全長表面からの連続した放電が行われる。ワークテーブル23にはシールド板24が搭載されており、ワーク5と共に搬送される。また、更にワークテーブル23にロッド状蒸発源14に対する陽極(図示省略)搭載してもよい。なお25はヒータであり、ワーク5を予熱するために用いられる。
【0025】
つぎに、上述した構成を有するAIP装置におけるワークテーブル23の搬送手順を図2により説明する。
【0026】
まず、図2(a)において、下蓋17がリフト18によって下降すると、ローラレール20に乗ったワークテーブル23は、ワーク5とシールド板24及び/又は陽極を搭載したまま、矢印c方向に下降し、ロッド状蒸発源14はワーク5から離れる。なお、30は走行台車であり、ローラレール31が取り付けられている。
【0027】
続いて、図2(b)において、ローラレール20,31の駆動により、ワークテーブル23が矢印dのように走行台車30の上に引き出される。なお、下蓋17を昇降させずに真空チャンバ1の本体1aを昇降させることもできる(これについては後で詳細に説明する)が、排気ノズル1cにフレキシブルホースを接続することが必要となる等、装置の構成が複雑となるので、下蓋17を昇降させることがより好ましい。
【0028】
上述したようなAIP装置によると、ワーク5はロッド状蒸発源14に対して相対的にロッド状蒸発源14の軸方向に移動(図1及び図2の実施例では、上下方向の相対移動をワークテーブル23が載置された下蓋17の昇降で行っている)できる。この相対移動によって、ワーク5とロッド状蒸発源14とが、ワーク5を載せたワークテーブル23の水平方向への搬送に際して干渉・衝突することのない位置まで互いに離れることができる。そして、この後ワーク5を載せたワークテーブル23が水平方向へ搬送される。従って、ロッド状蒸発源14を採用したAIP装置において、ワークテーブル23によるワーク5の効率的なハンドリングを行うことができ、これによって高い生産性を実現できるのである。
【0029】
更に、ロッド状蒸発源14はワークテーブル23ではなく真空チャンバ1の本体1aに固定している。これによって、ロッド状蒸発源14を昇降するワークテーブル23に固定した場合に発生する、ロッド状蒸発源の冷却装置等を設けることが困難であるという問題を回避して装置を構成することができる。
【0030】
また、シールド板24や陽極をワークテーブル23上に搭載してワーク5とともに搬送するように構成すると、シールド板24や陽極を交換・清掃する必要が生じた場合に、これをAIP装置の外で行うことができるので、AIP装置を休止する必要もなく、これによっても高い生産性を実現できる。
【0031】
また、ロッド状蒸発源14から蒸発する金属イオンは放射状にワーク5に照射されるので、図23の如き平板形状のカソード3に比較して蒸気捕捉率が高くなり、歩留りが80%程度期待できる。図23の平板型カソード3の歩留りは50%以下が普通である。また、ロッド状蒸発源14は単純な円柱又は円筒形状であるので、図23の平板形状のカソード3が最大で数キログラムの重さであるのに対して数十キログラムの重さのものにすることができ、ロッド状蒸発源14におけるターゲット材の製造コストを1/4以下に低減することが期待できる。この製造コスト低減と歩留り向上で、ターゲットのグラム当たりの有効単価を大幅に低下させることができる。
【0032】
ところで、上述したワーク5のロッド状蒸発源14に対する相対移動の形態は図1及び図2の形態に限られず、種々の変更を行ってもよい。例えば、図4(a)に示す如く、真空チャンバ1の本体1aとロッド状蒸発源14がワーク5と下蓋17に対して昇降するものでもよい。図4(b)のものは、ワーク5を垂下する上蓋17Aが真空チャンバ1の本体1aとロッド状蒸発源14に対して昇降するものである。図4(c)のものは、真空チャンバ1がワーク5を出し入れするための開閉自在な扉(2点鎖線部)を有しており、ロッド状蒸発源14が上部の小さな蓋体(17c)と共に真空チャンバ1に対して昇降するものである。図4(d)のものは、横向きになった真空チャンバ1の本体1aにロッド状蒸発源14が水平に突設され、これらに対して横蓋17Bがワーク5と共に水平移動するものである。
【0033】
図1及び図4(a)、(b)、(c)、(d)のものは、ロッド状蒸発源14又は蓋体(下蓋17、上蓋17A、横蓋17B)の相対移動に際して、ロッド状蒸発源14の自由端側に真空チャンバ1に開口部を設け、開口部の蓋体と真空チャンバ1の本体1aとが相対移動を行うようになっている。これに対して、真空チャンバ1の本体1aに対して相対移動する蓋体を設けず、真空チャンバ1内でロッド状蒸発源14とワーク5の相対移動を行って、ロッド状蒸発源14とワーク5が干渉しないようにした後に真空チャンバ1の側面に設けられた扉からワーク5を出し入れする図4の(e)のものは、真空チャンバ1が大型化してしまうという問題を伴う。従って、ロッド状蒸発源14の自由端側に蓋体を設けてこの蓋体と真空チャンバ1の本体1aとが相対移動を行うことがより好ましい。
【0034】
前述のようにロッド状蒸発源14の一端は固定端であり、他端は自由端になっている。このようなロッド状蒸発源14の種々の構成例を図5乃至図8により説明する。図5乃至図8は図1に適用されるロッド状蒸発源の断面図である。
【0035】
図5において、ロッド状蒸発源14のターゲット材71は中空円筒になっている。このターゲット材71の下端には同じ外径を有する下部アーク閉じ込めリング72が取付けられている。ターゲット材71の上端にはターゲット保持部73があり、又その外周側にはこれも蒸発源と同じ外径をもった上部アーク閉じ込めリング74が取付けられている。上下のアーク閉じ込めリング72,74は、ターゲット71から絶縁するために、絶縁構造をもってターゲット保持部73やシャフト77に固定されるが、ここではその詳細構造は省略した。このターゲット材71及びターゲット保持部73には中心穴71a,73aが設けられ、この中心穴71a,73aにシャフト77が通される。そして、シャフト77のフランジ75とナット79によって、ターゲット保持部73を介してターゲット材71を共締めして保持するようになっている。この保持構成によって、ターゲット材71にターゲットの自由端をフランジ75に止めるためのネジ穴加工を施す必要がなくなり、また、消耗品であるターゲット材71を交換する場合にも簡単に取り外し・取り付けができるようになる。
【0036】
図6は、図5に例示したロッド状蒸発源14がアーク電源からの投入電力によって温度が上昇した際にこれを効率良く冷却するための構成例を示す。中心穴71a,73aの内径はシャフト77の外径より大きく、シャフト77の外周77a側に外側通路80が形成される。また、シャフト77の中心には、一端が注入接続口83によって配管に接続可能に開放されるとともに他端が閉塞された中心通路81が形成されている。また、中心通路81の閉塞端側には外側通路80に連通する横穴82が開口し、真空容器1の本体1aの外側であって、外側通路80のターゲット保持部73に至る部分には吐出接続口84が開口している。注入接続口83からの冷却媒体は、中心通路81を上から下へと流れ、横穴82を通って、外側通路80を下から上へと流れて吐出接続口84に至る。冷却媒体は淀みを生じることなくターゲット材71の中心穴71a内周を所定の流速で流れるので、高い熱伝達率で効率的な冷却が行われ、ロッド状蒸発源14への投入電力を大きくして蒸発速度を増すことが可能になる。
【0037】
図7は温度差に起因する熱応力を吸収できるロッド状蒸発源14の構成例を示す。冷却媒体を先端まで送り出すシャフト77は低温であるが、ターゲット材71はこれよりも高温である。ターゲット材71は軸方向に大きく延びようとし、シャフト77は軸方向に少ししか延びないため、ターゲット材71に大きな圧縮応力が作用して破損する恐れがあった。そこで、共締め用のナット79とターゲット保持部73との間に、弾性体として例えば圧縮バネ78を介在させ、ターゲット材71とシャフト77の熱膨張差を圧縮バネ78で吸収するようにしたものである。ターゲット材71には、圧縮バネ78の予圧で決まる圧縮応力しか作用しないので、破損する恐れがない。なお、圧縮バネ78の代わりに、ゴム板等を用いることもできる。
【0038】
図8は熱応力吸収の他の構成例を示す。シャフト77を軸方向に分割し、この間に弾性体として例えばベローズ85を介在させたものである。ベローズ85は板バネを交互に接続したようなものであり、所定の圧縮力を発生させると共に冷却媒体の通路となる。冷却媒体の通路を設けない図5に示したようなロッド状蒸発源14に適用する場合には、弾性体としてバネ、ゴム板等を用いてもよい。
【0039】
高い生産性を有するAIP装置を実現するためには、蒸発源に大きなアーク電流を流すとともに、連続的な放電を発生させる必要が生じてくる。ロッド状蒸発源に大きなアーク電流を流すとともに、連続的な放電を発生させるためには、ロッド状蒸発源の両端からアーク電流を供給することが非常に有効である。上述した本発明のロッド状蒸発源14は下端が自由端であるので、この下端に切り離し自在な電気的接続手段を設けて、ロッド状蒸発源14の両端から(図1では上下部マイナス端子14a,21を介して)アーク電流を供給している。この電気的接続手段の例を図9及び図10により説明する。
【0040】
図9において、ロッド状蒸発源14の上端は真空チャンバ1の本体1aに絶縁構造を介してナット86で固設されているが、ロッド状蒸発源14の下端は下蓋17の開閉によって切り離される自由端になっている。電気的接続手段は、シャフト77のフランジ75に面接触する面部材87を弾性手段(図9ではフレキシブルフランジ88)を介して下蓋17に立設して構成されている。この面部材87が図1における下部マイナス端子21に相当している。フレキシブルフランジ88は大気圧の内圧に耐えて伸縮自在なものであってある程度の弾力を有しており、その内側は下蓋17に形成された孔89を介して外気に連通している。真空チャンバ1の本体1a内が真空引きされると、フレキシブルフランジ88の内側には大気圧が作用し、面部材87をフランジ75に押し付ける。大気圧による押し付けとフレキシブルフランジ88自体の弾力で面接触部において適当な面圧が確保される。また、ロッド状蒸発源14が少し斜めになってフランジ75が水平でないような場合でも、フレキシブルフランジ88で支持された面部材87がフランジ75に沿うので、局所的な接触でその部分が加熱することが防止される。この電気的接続手段の切り離しは、図1で説明した実施例では、下蓋17の下降によって行われる。下蓋17が下降すると、面部材87はフランジ75から離れる。下蓋17が上昇すると、面部材87はフランジ75に当接して面接触部を形成し、大電流を流すことが可能になり、高い生産性が実現できる。
【0041】
大電流を流すために面接触部により大きな面圧が必要であり、図9に示した構成ではこの面圧が得られないという場合には、図10のように付加的な弾性手段を用いることができる。面部材87を広くし、面部材87と下蓋17との間に円周等配分の例えば4個の圧縮バネ90を介在させると、この圧縮バネ90の圧縮力が面圧増大に寄与する。また、面部材87の外部導出部87aの先端に圧縮バネ90を設けて外部導出部87aを介して面部材87をフランジ75に押し付けることもできる。更に必要に応じて、これらの手段を組み合わせてもよい。
【0042】
上記のように、図9及び図10に例示したような構成によってロッド状蒸発源に大きなアーク電流を流すことで高い生産性を実現できる。しかし、ロッド状蒸発源の軸方向に均一に放電が発生しないと、ワークのコーティングにムラが生じることが考えられるので、ロッド状蒸発源に対する陽極の配置を工夫することが有効である。また、ロッド状蒸発源の回りに陽極を配置すると、ワークに放射する金属イオンの影になるため、ワークへの影響の少ない陽極配置にする必要がある。ワークを遮る程度が少なく軸方向に略均一な放電が行える陽極配置例を図11乃至図15により説明する。なお、図11乃至図14の例は、ロッド状蒸発源14の一端のみにアーク電流を供給する装置を例示して上記のような陽極配置の一般例を示すもので、図15の例は、ロッド状蒸発源14の両端からアーク電流を供給するAIP装置にこれを適用した具体例である。
【0043】
図11において、ロッド状蒸発源14の特にターゲット材71から外れた上下対称位置にリング状陽極101,102が配設されている。リング状陽極101,102は共に配線105,106で電源104に並列に接続されている。そして、ロッド状蒸発源14は配線107で一端が電源104に接続されている。この構成によると、上下対称位置に配置されたリング状陽極101,102がロッド状蒸発源14の軸方向の均一な放電に寄与するとともに、リング状陽極101,102はワーク5に対して影を生じず、ワークをムラなくコーティングすることができる。なお、図に破線108で示したように、陰極側も両端から電流供給するのはより好ましい。
【0044】
図11におけるリング状陽極101,102は単なるリング状のプレートであったが、図12のように、円錐面を有する皿型リング状陽極101A,102Aにすると、ロッド状蒸発源14のターゲット材71の表面に於けるアークがよりロッド状蒸発源14の軸方向の中央まで走り易くなり、ターゲット材71の端付近に偏った放電を抑え、ロッド状蒸発源14の軸方向におけるより均一な放電になる。ここでも、配線108により、陰極側においても両端から電力供給するとなお良い。
【0045】
図13における陽極は、ロッド状蒸発源14とワーク5との間のロッド状蒸発源14と同心の円周を任意に等分(図示例では4等分)した位置にロッド状陽極103を配設したものである。ロッド状陽極103の各々は電源104に対して配線105,106で並列に接続されている。そして、ロッド状蒸発源14は配線107で一端が電源104に接続されている。ロッド状陽極103にすると、ロッド状蒸発源14の周方向及び軸方向に均等にロッド状陽極103が配設されるので、放電の偏りが少なくなる。ロッド状陽極103は、ロッド状蒸発源14とワーク5との間に位置しているため、ワーク5に対する影を生じるが、ワーク5はロッド状蒸発源14の回りを公転しながら自転する構成であるため、ワーク5のコーティングにムラを生じることがない。ここでも、配線108により、陰極側においても両端から電力供給するとなお良い。
【0046】
図14における陽極は、図11におけるリング状陽極101,102と図13におけるロッド状陽極103を組み合わせたものである。この例のように陽極の構成を適宜組み合わせることにより、放電の軸方向均一性が更に良くなる。なお、陽極はリングと棒とを一体に構成した構成であるため、配線105,106はリング部に接続するものだけでよい。ここでも、配線108により、陰極側においても両端から電力供給するとなお良い。
【0047】
図15は、図11乃至図14にて例示した陽極を本発明のロッド状蒸発源14に適用した例である。ロッド状蒸発源14の両端はそれぞれ配線107A,107Bで電源104,104に接続されてアーク電流が供給される。これによると、ロッド状蒸発源14両端から大きなアーク電流が供給されて高い生産性に寄与する一方、ロッド状蒸発源14の軸方向の電位差が少なくなり、これに上記図11乃至図14の説明にある効果が加わるので、更に軸方向の放電の均一性が良くなる。また図15によると、蒸発源及び陽極の両端に流れる電流を精度良く制御できるので、放電均一性をより一層精度良く達成できる。なお、陽極の構成は図15のようなリング状陽極101,102の他、先に例示したロッド状陽極103を用いてもよく、また、これらを自由に組み合わせて構成してよい。また、このようにロッド状陽極103を本発明のAIP装置に適用した場合には、ロッド状陽極103は前述したロッド状蒸発源14と同様に、一端を自由端として電気的接続手段を用いるとよい。
【0048】
ところで、ロッド状蒸発源14とワーク5の間にあるロッド状陽極103を用いた場合、ロッド状陽極103の表面にも多量の皮膜が付着することになる。そして、ロッド状陽極103は水冷によって低温であることから、皮膜が剥離又は遊離したり、また、真空チャンバ1の開放時に皮膜に吸着した大気中の水蒸気等がコーティング時に放出されたりして、ワーク5の皮膜の品質に悪影響を及ぼす恐れがある。そこで、図16や図17の如き配線でコーティング開始前にロッド状陽極103をワーク5を予熱するヒータとして利用することで表面に付着した水蒸気等を放出し、またコーティング中は高温を保って皮膜を剥離又は遊離しにくくすることが好ましい。この予熱ヒータ兼用のロッド状陽極103の構成によって、予熱ヒータを別に設ける必要がなくなる。なお、予熱ヒータ兼用の陽極構造は、従来技術で説明した平板状陽極にも適用できる。
【0049】
図16において、放電のための電源104,108をロッド状陽極103のヒータ電源に使用して予熱する場合である。同図(a)は加熱状態を示し、同図(b)は放電状態を示している。放電に必要な回路に加えて、切換のためのスイッチ113,114,115と、バイパス回路116が設けられている。符号104,108,113,114,115,116が予熱手段を構成するようにしている。同図(a)のように、スイッチ113,114,115がa接点にあると、電源104,108が並列になってロッド状陽極103に並列に接続され、ロッド状陽極103がヒータとして加熱され、ワーク5が予熱される。これにより、ロッド状陽極103の皮膜に吸着された水蒸気等が放出され、コーティング時の放出によってワーク5の皮膜の品質に悪影響を及ぼすことがない。この予熱が終わると、スイッチ113,114,115をb接点に切り換え、通常のコーティングを行う。このコーティング中はロッド状陽極103は高温であって皮膜が剥離又は遊離しにくくなる。
【0050】
図17は、真空アーク放電のための直流電源104,108とは別に、陽極をヒータとして利用するための交流電源110を設けたものである。交流電源回路と直流電源回路との間に、スイッチ111,112を設けてロッド状陽極103に対する接続を切り換え可能にしたものである。スイッチ111,112をa接点にすると、ロッド状陽極103は直流電源104,108に接続され、通常のコーティングが行われる。このコーティングに先立って、スイッチ111,112をb接点にすると、ロッド状陽極103は交流電源110に接続され、ロッド状陽極103をヒータとしてワーク5が予熱される。
【0051】
図1及び図2の説明にて述べた通り、ワーク5の取り出しに際しては、ワークテーブル23は下蓋17の上で水平移動を行う。この水平移動手段として、図1及び図2の実施例ではローラレール20が設けられているが、より望ましくは、真空チャンバ1内が真空であることから、真空シールが確実に行える構成及びワークテーブル23の駆動が確実に行える構成にする必要がある。更に、ワークテーブル23が下蓋17の所定位置に搬入された後は下蓋17の上下動にかかわらず水平方向に移動しない位置ずれ防止が、上述した電気的接続手段の安定の観点から必要である。
【0052】
そのための、ワークテーブル23の水平移動手段の変形例を図18により説明する。なお、図18にはワークテーブル23の水平移動手段とともに、ワーク5をワークテーブル23上で回転させる手段の例も併せて図示しているが、これについては後で説明する。
【0053】
下蓋17にはフリーローラ120が列設され、その上にワークテーブル23が転がるようになっている。ワークテーブル23の側面にはラック123が張りつけられ、下蓋17に突設された軸124にラック123に噛み合うピニオン125が嵌入されている。軸124はワークテーブル23を水平移動させるためのものである。軸124は一対のプーリ130及びクラッチ131を経て駆動モータ132に接続されている。また、軸124にはディスクブレーキ133が設けられ、ディスクの回転位置を検出するエンコーダスイッチ134が設けられている。ワークテーブルは、ピニオンにより真空チャンバ内に搬入され、最終的には、ワークテーブル上のワークにバイアス電圧を印加するためのバイアス電力の伝達部が、所定の力で定着する位置まで搬送される。そして、駆動モータ132はドライバ135で制御され、ドライバ135にエンコーダスイッチ134の回転情報が入力される。この位置で、図示のようにピニオン125がラック123に噛み合った状態において、軸124がディスクブレーキ133で固定されると、ワークテーブル23は所定位置で固定され、ワークに対してのバイアス電力の伝達が確実に行われるようになることになる。なお、上述したワークテーブルの水平移動手段は、従来技術で説明した平板状蒸発源を用いるものにも適用できる。
【0054】
ところで、ワークテーブル23を搬入する場合、ラック123とピニオン125が乗り上げて噛み込まない場合がある。そこで、ワークテーブル23の搬出に際してラック123からピニオン125が離れる位置の回転角度をエンコーダスイッチ134を介してドライバ135が記憶しておく。そして、搬入時にクラッチ131をオンにして記憶した回転角度になるように、駆動モータ132を駆動し、クラッチ131をオフにしておく。すると、他の駆動手段で押し込まれるワークテーブル23のラック123はスムーズにピニオン125に噛み合う。
【0055】
つぎに、ワーク5をワークテーブル23上で回転させる手段について説明する。ワークテーブル23にはロータリテーブル121が回転自在に軸支され、回転軸122がワークテーブル23の下まで突設されている。回転軸122にギア126が嵌入され、下蓋17に突設された軸127にギア126に噛み合うギア128が嵌入されている。軸127はロータリテーブル121を回転させるためのものであり、歯車列140及びプーリ141を経て駆動モータ142に接続されている。また軸127の下端にボールジョイント143が設けられ、回転と縁切りした後にエアシリンダ144が接続されている。このエアシリンダ144は上下限のリミットスイッチ145,146を有しており、上下の往復動が可能である。ワークテーブル23の搬入・搬出時にはエアシリンダ144が短縮し、ギア128がギア126から下がった位置に退避する。ワークテーブル23が所定位置になって固定されると、エアシリンダ144が伸長するが、ギア128とギア126が噛み合う位置にある保証はない。そこで、ドライバ147で駆動モータ142を寸動させつつ、エアシリンダ144の短縮及び伸長を数回繰り返すと、ギア128とギア126が噛み合う。
【0056】
上記のようにワークテーブル23の水平移動手段及びワーク5の回転手段を構成すれば、下蓋17には二本の軸124,127が突設されているだけであってこの部分だけ真空シールすればよいので、真空シールを確実に行うことができる。また、ラック123とピニオン125を用いるので、ワークテーブル23の駆動が確実に行えるとともに、このピニオン125が嵌入された軸124を固定することでワークテーブル23を固定することができる。
【0057】
つぎに、上述したワークテーブル23を自動的に交換するためのAIPシステムを図3により説明する。走行台車30はローラレール31,32を有し、ワークテーブル23の第1搭載部Aと第2搭載部Bが設けられている。そして第1及び第2搭載部A,B間の距離Pに等しい距離P′だけ往復走行できるようにレール33に乗せられている。ワークテーブル23の自動交換に際しては、走行台車30は実線位置にあって、第1搭載部Aが空の状態で待機する。そして処理済みのワーク5が搭載されたワークテーブル23が▲1▼方向に搬出され、走行台車30が▲2▼方向に距離P′だけ走行した二点鎖線位置となり、第2搭載部Bが真空チャンバ1に対面する。そして、第2搭載部Bに搭載された未処理のワークテーブル23が▲3▼方向に搬入され、図2(b)→図2(a)→図1の順で真空チャンバ1内にワークテーブル23が搬入される。作業員が図3の第2搭載部Bに未処理のワークテーブル23を乗せるところまで作業すると、ワークテーブル23の交換が自動に行われ、第1搭載部Aに処理済みのワーク5が搭載されたワークテーブル23が乗り、第2搭載部Bが空の状態となる。作業員はサイクルタイムの途中で第1搭載部Aのワークテーブル23のワーク5とシールド板24を交換すればよい。なお、ワークテーブル23には上述したロッド状陽極103が搭載されてもよく、その場合にはロッド状陽極103も交換し易い構成にすると良い。なお、シールド板24と陽極103をワークテーブル23と共に搬出する構成は、従来技術で述べた平板状陽極を用いるものにも適用できる。
【0058】
図19は多数のAIP装置(図示例では4台)に対して一台の走行台車30を用いる場合のAIPシステム図である。レール33に沿って4台のAIP装置35A,35B,35C,35Dが並べられ、レール33の端にターンテーブル36が設置されている。なお、37は分電盤・制御盤、38はバイアス電源ユニット、39はアーク電源ユニット、40はラック配線である。作業員はターンテーブル36に未処理のワーク5と清浄なシールド板24を搭載した4つのワークテーブル23を乗せておく。特定のAIP装置の処理が終わりそうになると、走行台車30の第2搭載部Bがターンテーブル36から未処理のワークテーブル23を受け取り、図3と同じ要領で自動交換し、処理済みのワークテーブル23をターンテーブル36に返しておく。このように、各AIP装置のサイクルが一巡すると、ターンテーブル36には処理済みのワークテーブル23が乗った状態になる。そこで作業員はターンテーブル36に向かってまとめてワーク5とシールド板24及び必要に応じてロッド状陽極103の交換を行えばよい。なお、この例では走行台車30には2つのワークテーブル搭載部があったが、1つのみの搭載部を持ち、まず処理済ワークを受取りターンテーブルまで搬送した後、ターンテーブルから未処理ワークを受取りAIP装置まで搬送することも可能である。
【0059】
図20は走行台車30の代わりにロータリテーブル40を用いたAIPシステムを示す。各AIP装置35A,・・・,35Xの前に、ロータリテーブル40,・・・,40が設置され、各ロータリテーブル40,・・・,40を双方向コンベア41,・・・,41で接続したものである。また、AIP装置35Aの前のロータリテーブル40の双方向コンベア41の逆側に、搬出コンベア42が接続され、この搬出コンベア42の端にはクロステーブル44を介して処理済みのワークテーブル23の多数が貯溜される第1ストッカー45が接続されている。更にまた、AIP装置35Xの前のロータリテーブル40の双方向コンベア41の逆側に、搬入コンベア43が接続され、この搬入コンベア43の端にはクロステーブル46を介して未処理のワークテーブルの多数が貯溜される第2ストッカー47が接続されている。例えばAIP装置35Xの自動交換が必要になると、矢印▲1▼のようにロータリテーブル40の上に処理済みのワークテーブル23が引き出され、ロータリテーブル40が回って矢印▲2▼の方向に処理済みのワークテーブル23を双方向コンベア41へ送り出す。処理済みのワークテーブル23はAIP装置35Aのロータリテーブル40を素通りし、クロステーブル44を経て第1ストッカー45に貯溜される。一方第2ストッカー47からクロステーブル46を経て引き出される未処理のワークテーブル23は、▲3▼方向のようにターンテーブル40に入り、ターンテーブル40が回って▲4▼方向に未処理のワークテーブル23を送り出す。このように順次AIP装置35A,・・・,35Xのワークテーブル23の自動交換が行われる。
【0060】
図3、図19及び図20に例示したAIPシステムによると、処理前及び処理後のワーク5を搭載したワークテーブル23を自動的に搬送することができるので、例えば無人である夜間にでもAIP装置を運転することができ、これによって高い生産性を実現できる。
【0061】
なお、図3、図19及び図20の自動交換システムは、図1のロッド状蒸発源14を採用したAIP装置に限らず、図23の如き平板形状の蒸発源を有するAIP装置にも適用可能である。図21にこの例を示す。同図(a)は上面図、同図(b)は側面図である。真空チャンバ50の両側面に平板型蒸発源51が設けられ、真空チャンバ50の手前には弁板52が昇降するゲートバルブ53が取り付けられている。ワーク5が搭載されたワークテーブル23は開閉扉になる弁板52が上がった状態で走行台車30(又はロータリテーブル40)の上に引き出される。
【0062】
また、ワークを搭載したワークテーブルに更にシールド板を搭載することは、これまでに説明したようなバッチ式AIP装置に限らず、図22の如きインライン式AIP装置にも適用可能である。このインライン式AIP装置は、真空室60と、予熱室61と、コーティング室62と、冷却室63とをゲートバルブ64a,64b,64c,64d,64eを介して接続し、レール65の上をワークテーブル66が各室60〜63内に順次搬送されるものである。ワークテーブル66の上にはワーク5とシールド板67が搭載されており、真空室60には清浄なシールド板67を搭載したワークテーブル66を搬入し、冷却室63からは汚れたシールド板67を搭載したワークテーブル66が搬出される。従って一ライン(走行)毎のシールド板67の交換は、AIP装置を止めずに外部で行え、常に清浄なシールド板67を用いたコーティングができる。更に、陽極をもワークテーブル66に搭載してワーク5及びシールド板67とともに搬送するように構成すれば、陽極の交換・清掃も容易に効率的に行うことができる。
【0063】
本発明の請求されない他の特徴は以下の通りである。
(1)真空チャンバと、該真空チャンバ内に設けられたロッド状蒸発源と、該ロッド状蒸発源を取り囲むように配設され表面に皮膜がコーティングされるワークとを有するAIP装置において、前記真空チャンバが、前記ワークを搭載した下蓋と、前記ロッド状蒸発源の上端が固定された本体とからなり、前記下蓋が前記本体に対して相対的に上下方向に移動可能であることを特徴とするAIP装置。(2)この(1)において、前記下蓋が前記本体に対して昇降可能であることを特徴とするものである。
(3)この(2)において、前記ワークの上端が前記ロッド状蒸発源の下端より下方に位置するまで前記下蓋を降下させた後に、前記ワークが前記下蓋に対して水平移動可能であることを特徴とするものである。
(4)この(3)において、前記ワークは前記下蓋に搭載されるワークテーブルに搭載されており、該ワークテーブルは、該ワークテーブルに設けられたラックと前記下蓋に設けられたピニオンによって前記下蓋に対して水平移動可能であることを特徴とするものである。
(5)この(4)において、前記ワークは前記下蓋に搭載されるワークテーブルに搭載されているとともに、該ワークテーブルには前記ワークとともにシールド板が搭載されていることを特徴とするものである。
(6)この(5)において、前記ワークテーブルには更に陽極が搭載されていることを特徴とするものである。
(7)真空チャンバと、該真空チャンバ内に設けられたロッド状蒸発源と、該ロッド状蒸発源を取り囲むように配設され表面に皮膜がコーティングされるワークとを有するAIP装置において、前記真空チャンバが、前記ロッド状蒸発源の一端が固定された本体と、前記ワークを保持するとともに前記本体に対して相対的に前記ロッド状蒸発源の軸方向に移動可能である蓋体とからなり、前記ロッド状蒸発源の他端が前記蓋体に対して切り離し自在な電気的接続手段を介して接続され、前記ロッド状蒸発源の両端からアーク電力が供給されることを特徴とするAIP装置である。
(8)この(7)において、前記電気的接続手段は、弾性手段を介して前記蓋体に支持される面部材が前記ロッド状蒸発源の他端に当接可能に構成されていることを特徴とするものである。
(9)真空チャンバと、該真空チャンバ内に設けられたロッド状蒸発源と、該ロッド状蒸発源との間にアークを発生させる陽極と、前記ロッド状蒸発源を取り囲むように配設され表面に皮膜がコーティングされるワークとを有するAIP装置において、前記陽極は、前記ロッド状蒸発源の両端に設けられたリング状陽極であることを特徴とするものである。
(10)真空チャンバと、該真空チャンバ内に設けられたロッド状蒸発源と、該ロッド状蒸発源との間にアークを発生させる陽極と、前記ロッド状蒸発源を取り囲むように配設され表面に皮膜がコーティングされるワークとを有するAIP装置において、前記陽極は、前記ロッド状蒸発源の軸心を中心とする円周上の等分位置でかつ前記ロッド状蒸発源と前記ワークとの間の位置に設けられたロッド状陽極であるとともに、前記陽極の両端からアーク電力が供給されることを特徴とするものである。
(11)この(9)又は(10)において、前記ロッド状蒸発源の両端からアーク電力が供給されることを特徴とするものである。
(12)この(10)において、前記ロッド状陽極は、前記ワーク表面に皮膜がコーティングされる前には前記ワークを予熱するヒータとして利用されることを特徴とするものである。
(14)ワークを搭載したワークテーブルを出し入れする一台以上のAIP装置に沿って走行可能な走行台車を設け、該走行台車に前記ワークテーブルを搭載する1以上の搭載部を設け、該搭載部は前記走行台車の走行によって前記AIP装置に対向する位置に移動するとともに、前記ワークテーブルは前記搭載部と前記AIP装置との間で自動的に出し入れされることを特徴とするAIPシステムである。
(15)この(14)において、前記走行台車を前記AIP装置に沿って設けられたレールの上を走行可能に設け、複数の前記ワークテーブルを搭載可能なターンテーブルを前記レールに沿って設け、該ターンテーブルと前記走行台車との間で前記ワークテーブルが自動交換可能であることを特徴とするものである。
(16)複数並べられたAIP装置それぞれの前に、該AIP装置との間でワークを搭載したワークテーブルを出し入れするとともに該ワークテーブルの向きを変えるロータリテーブルを設け、該複数のロータリテーブルの間を接続し前記ワークテーブルを搬送する双方向コンベアを設け、一端に位置する前記ロータリテーブルには処理済みの前記ワークを搭載した複数の前記ワークテーブルを貯溜できる第1ストッカーを搬出コンベアを介して接続し、他端に位置する前記ロータリテーブルには未処理の前記ワークを搭載した複数の前記ワークテーブルを貯溜できる第2ストッカーを搬入コンベアを介して接続していることを特徴とするAIPシステムである。
【0064】
請求されない特徴(1)〜(16)の作用は以下の通りである。
前記(1)では、ワークを真空チャンバ内に搬入・搬出するに際しては、ワークがロッド状蒸発源に対して相対的に上下方向に移動することができるので、ワークをロッド状蒸発源と干渉・衝突させることなく取り扱うことができる。また、ロッド状蒸発源を真空チャンバの本体に固定しているので、ワークを搭載するワークテーブル等を設けた場合にも、これにロッド状蒸発源の取り付けに関する機構、例えばロッド状蒸発源の冷却装置等を集中して設ける必要がない。
前記(2)では、前記(1)において更に、下蓋が真空チャンバの本体に対して昇降する。真空チャンバの本体を移動させる場合には、AIP装置の付帯設備、例えば排気ノズル等の構成が複雑になることが考えられるが、下蓋を昇降させればこの心配はない。
前記(3)では前記(2)において更に、ワークは真空チャンバの本体の外部に完全に降下した後に水平方向に移動するので、ワークとロッド状蒸発源とが干渉・衝突することなくワークを搬入・搬出することができる。従って、ロッド状蒸発源を採用したAIP装置における効率的なワークの取り扱いを行うことができる。
前記(4)では、前記(3)において更に、ワークをワークテーブルに搭載して取り扱い、このワークテーブルをラックとピニオンを利用して水平移動させるので、ワークを確実に移動させることができる。
前記(5)では、前記(3)において更に、シールド板がワークとともにワークテーブルに搭載されて取り扱われるので、シールド板の交換・清掃が必要である場合でも、これをAIP装置を止めずに外部で行うことができる。
前記(6)では、前記(5)において更に、ワークテーブルに陽極を搭載するので、陽極の交換・清掃が必要である場合でも、シールド板と同様に、AIP装置を止めずに外部で行うことができる。
前記(7)では、ロッド状蒸発源の一端を真空チャンバの本体に固定し、他端を蓋体に切り離し自在な電気的接続手段を用いて接続しているので、蓋体が移動可能であるにもかかわらず両端からアーク電力を供給が可能であり、ロッド状蒸発源に大きなアーク電力を供給することができる。
前記(8)では、前記(7)において更に、電気的接続手段に弾性手段で支持された面部材を用いているので、ロッド状蒸発源と電気的接続手段との接続部に傾きが存在しても確実に接続することができる。
前記(9)及び(10)では、陽極にロッド状蒸発源の軸方向の電位差が発生しないように陽極を設けているので、ロッド状蒸発源の軸方向に均一に放電を発生させることができる。
前記(11)では、前記(9)または(10)において更に、ロッド状蒸発源の両端からアーク電力を供給するので、ロッド状蒸発源に大きなアーク電力を供給することができるとともに、ロッド状蒸発源の軸方向に電位差が発生せずロッド状蒸発源の軸方向に更に均一に放電を発生させることができる。
前記(12)では、前記(10)において更に、ロッド状陽極がワークを予熱するヒータとして利用されるので、ヒータを別に設ける必要がなく、また、ロッド状陽極表面に付着した皮膜や大気中の水蒸気によってワークの皮膜の品質に悪影響を及ぼすことがない。
前記(13)乃至(15)では、一台以上のAIP装置を有するAIPシステムにおいて、ワークを搭載したワークテーブルを自動的にAIP装置から搬入・搬出できるように構成したので、夜間でもAIP装置を休止する必要がなくなる。
【0065】
請求されない特徴(1)〜(16)の効果は以下の通りである。
前記(1)によると、ワークを真空チャンバ内に搬入・搬出するに際しては、ワークがロッド状蒸発源に対して相対的に上下方向に移動することができるので、ワークをロッド状蒸発源と干渉・衝突させることなく取り扱うことができる。また、ロッド状蒸発源を真空チャンバの本体に固定しているので、ワークを搭載するワークテーブル等を設けた場合にも、これにロッド状蒸発源の取り付けに関する機構、例えばロッド状蒸発源の冷却装置等を集中して設ける必要がない。従って、装置構成を複雑にすることなく、高い生産性を有するAIP装置を実現することができる。
前記(2)によると、前記(1)において更に、下蓋が真空チャンバの本体に対して昇降する。真空チャンバの本体を移動させる場合には、AIP装置の付帯設備、例えば排気ノズル等の構成が複雑になることが考えられるが、下蓋を昇降させればこの心配はない。従って、簡単な装置構成によって高い生産性を有するAIP装置を実現することができる。
前記(3)によると、前記(2)において更に、ワークは真空チャンバの本体の外部に完全に降下した後に水平方向に移動するので、ワークとロッド状蒸発源とが干渉・衝突することなくワークを搬入・搬出することができる。従って、ロッド状蒸発源を採用したAIP装置における効率的なワークの取り扱いを行うことができ、これによって高い生産性を有するAIP装置を実現することができる。
前記(4)によると、前記(3)において更に、ワークをワークテーブルに搭載して取り扱い、このワークテーブルをラックとピニオンを利用して水平移動させるので、ワークを確実に移動させることができる。即ち、高い生産性を有するAIP装置において、装置のより正確な作動が行われる。
前記(5)によると、前記(3)において更に、シールド板がワークとともにワークテーブルに搭載されて取り扱われるので、シールド板の交換・清掃が必要である場合でも、これをAIP装置を止めずに外部で行うことができる。従って、シールド板の交換・清掃作業に関係なくAIP装置の運転を続けて行うことができ、高い生産性を有するAIP装置を実現することができる。
前記(6)によると、前記(5)において更に、ワークテーブルに陽極を搭載するので、陽極の交換・清掃が必要である場合でも、シールド板と同様に、AIP装置を止めずに外部で行うことができる。従って、陽極の交換・清掃作業に関係なくAIP装置の運転を続けて行うことができ、高い生産性を有するAIP装置を実現することができる。
前記(7)によると、ロッド状蒸発源の一端を真空チャンバの本体に固定し、他端を蓋体に切り離し自在な電気的接続手段を用いて接続しており、この両端からアーク電力を供給するので、ロッド状蒸発源に大きなアーク電力を供給することができる。従って、ロッド状蒸発源を採用したAIP装置において大きなアーク電力を供給することにより、高い生産性を有するAIP装置を実現することができる。
前記(8)によると、前記(7)本発明において更に、電気的接続手段に弾性手段で支持された面部材を用いているので、ロッド状蒸発源と電気的接続手段との接続部に傾きが存在しても確実に接続することができる。従って、ロッド状蒸発源への大きなアーク電力を供給を確実に行って、確実に高い生産性を有するAIP装置を実現することができる。
前記(9)及び前記(10)によると、陽極にロッド状蒸発源の軸方向の電位差が発生しないように陽極を設けているので、ロッド状蒸発源の軸方向に均一に放電を発生させることができる。従って、コーティングをムラなく行うことによりより高い品質を実現するAIP装置を実現することができる。
前記(11)によると、前記(9)または前記(10『において更に、ロッド状蒸発源の両端からアーク電力を供給するので、ロッド状蒸発源に大きなアーク電力を供給することができるとともに、ロッド状蒸発源の軸方向に電位差が発生せずロッド状蒸発源の軸方向に更に均一に放電を発生させることができる。従って、高い生産性を有するAIP装置を実現するとともに、更にワークの皮膜の品質をより一層向上させることができる。
前記(12)によると、前記(10)に記載した本発明において更に、ロッド状陽極がワークを予熱するヒータとして利用されるので、ロッド状陽極表面に付着した皮膜や大気中の水蒸気によってワークの皮膜の品質に悪影響を及ぼすことがない。従って、ワークの皮膜の品質をより一層向上させることができる。
前記(13)乃至前記(14)に係る本発明によると、一台以上のAIP装置を有するAIPシステムにおいて、ワークを搭載したワークテーブルを自動的にAIP装置から搬入・搬出できるように構成したので、夜間でもAIP装置を休止する必要がなくなる。従って、夜間無人運転が可能な稼働率の高い、高い生産性を有するAIP装置を実現することができる。
【0066】
【発明の効果】
請求項1に係る本発明によると、シールド板がワークテーブル上に搭載してワークとともに搬送するように構成され、シールド板を交換・清掃する必要が生じた場合に、これをAIP装置の外で行うことができるので、AIP装置を休止する必要もなく、これによっても高い生産性を実現できる。
【0067】
請求項2に係る本発明によると、請求項1に記載した本発明において更に、ワークテーブルを自動的に搬送することができるので、例えば無人である夜間にでもAIP装置を運転することができ、これによって高い生産性を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のAIP装置の要部図である。
【図2】ワークテーブルの搬送図である。
【図3】走行台車を用いたAIPシステムの上面図である。
【図4】ワークとロッド状蒸発源との相対移動例を示す図である。
【図5】ロッド状蒸発源の断面図である。
【図6】他のロッド状蒸発源の断面図である。
【図7】他のロッド状蒸発源の断面図である。
【図8】他のロッド状蒸発源の断面図である。
【図9】ロッド状蒸発源の電気的接続手段を示す図である。
【図10】他のロッド状蒸発源の電気的接続手段を示す図である。
【図11】ロッド状蒸発源に対する陽極を示す図である。
【図12】ロッド状蒸発源に対する他の陽極を示す図である。
【図13】ロッド状蒸発源に対する他の陽極を示す図である。
【図14】ロッド状蒸発源に対する他の陽極を示す図である。
【図15】ロッド状蒸発源と陽極の電源に対する接続回路図である。
【図16】陽極予熱のための接続回路図である。
【図17】陽極予熱のための他の接続回路図である。
【図18】ワークテーブル及びロータリテーブルの駆動系統図である。
【図19】走行台車を用いた他のAIPシステムの上面図である。
【図20】ロータリーテーブルによるAIPシステムの上面図である。
【図21】ゲートバルブ付AIP装置にかかるAIPシステムの側面図である。
【図22】インライン式AIP装置に対するシールド板の適用を示す概念図である。
【図23】従来のAIP装置の要部図である。
【符号の説明】
1…真空チャンバ、1a…本体、5…ワーク、14…ロッド状蒸発源、17…下蓋(蓋体)、23…ワークテーブル、24…シールド板、30…走行台車、A…第1搭載部、B…第2搭載部、33…レール、36…ターンテーブル、40…ロータリテーブル、41…双方向コンベア、42…搬出コンベア、43…搬入コンベア、45…第1ストッカー、47…第2ストッカー、71…ターゲット材、71a,72a,73a…中心穴、72,74…アーク閉じ込めリング、77…シャフト、80…外側通路、81…中心通路、82…横穴、79…ナット、87…面部材、88…フレキシブルフランジ(弾性手段)、101,102…リング状陽極、101A,102A…皿型リング状陽極、103…ロッド状陽極、123…ラック、125…ピニオン
Claims (2)
- 真空チャンバと、該真空チャンバ内に設けられアークを発生させる蒸発源とを含み、ワーク表面に被覆を行うアークイオンプレーティング装置において、該装置は前記ワークを保持するワークテーブルを持ち、前記ワークは該テーブル上の周囲に配置されており、該テーブルには、前記真空チャンバへの被覆を防止するシールド板及び前記ワークが配置されていて、該シールド板と前記テーブルとが一緒に前記真空チャンバ内に搬入され、搬出されることを特徴とするアークイオンプレーティング装置。
- 前記テーブルの向きを変えるロータリーテーブルが設けられたことを特徴とする請求項1記載のアークイオンプレーティング装置。
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