JP3602946B2 - ゴム組成物及びタイヤ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に市場が要望する優れた氷上性能を有するタイヤ、及び、該タイヤのトレッド等に好適なゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
スパイクタイヤが規制されて以来、氷雪路面上でのタイヤの制動・駆動性能(氷上性能)を向上させるため、特にタイヤのトレッドについての研究が盛んに行われてきている。
前記氷雪路面においては、該氷雪路面と前記タイヤとの摩擦熱等により水膜が発生し易く、該水膜が、タイヤと氷雪路面との間の摩擦係数を低下させる原因になっている。このため、前記タイヤのトレッドの水膜除去能やエッヂ効果が、前記氷上性能に大きく影響する。したがって、タイヤにおける前記氷上性能を向上させるためには、前記トレッドの水膜除去能やエッヂ効果を改良することが必要である。
【0003】
近時、ゴム組成物に熱溶融性の有機短繊維を配合し、該ゴム組成物の加硫時に該有機短繊維を溶融させ、気泡化させ、前記水膜除去能やエッヂ効果を発揮し得る長尺状気泡を有する加硫ゴムを得て、この加硫ゴムをタイヤのトレッド等に用いることにより、該タイヤの前記氷上性能を向上させる旨が提案されている。
しかし、この場合、前記長尺状気泡のトレッドにおける配向を制御し、該長尺状気泡が前記トレッドの表面に露出する割合を高くする必要がある。このためには、該長尺状気泡を形成するのに基礎となる有機短繊維の前記ゴム組成物中での配向を十分にかつ容易に制御し得ることが望まれるが、現在のところ、そのような技術は依然として提供されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、前記水膜の除去能力に優れ、氷面との間の摩擦係数が大きく、氷上性能及び耐摩耗性に優れたタイヤを提供することを目的とする。また、本発明は、氷上性能及び耐摩耗性に優れ、前記水膜除去能やエッヂ効果を発揮し得る長尺状気泡をその配向が十分に制御された状態で含み、タイヤのトレッドなど、前記氷雪路面上でのスリップを抑えることが必要な構造物に好適なゴム組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。即ち、
<1> 天然ゴム及びジエン系合成ゴムから選ばれた少なくとも1種からなるゴム成分と、該ゴム成分100重量部に対し、分子内に炭素間二重結合を少なくとも2個有する不飽和脂肪酸0.1〜10重量部及び液状ポリマー0.5〜10重量部の少なくとも一方とを含むゴムマトリックスと、該ゴム成分100重量部に対し、加硫時に前記ゴムマトリックスの温度が加硫最高温度に達するまでの間にその粘度が該ゴムマトリックスの粘度よりも低くなる有機短繊維0.5〜30重量部とを含有してなり、
該不飽和脂肪酸において、不飽和に由来する全プロトン量に占める共役二重結合由来のプロトンの割合が少なくとも10%であり、該液状ポリマーが、ジエン系ポリマーを含んでなることを特徴とするゴム組成物である。
<2> 液状ポリマーの重量平均分子量が大きくとも5万である前記<1>に記載のゴム組成物である。
<3> 不飽和脂肪酸が、分子内に共役二重結合を少なくとも1組有する共役ジエン系酸を少なくとも25%含む前記<1>又は<2>に記載のゴム組成物である。
<4> 有機短繊維が結晶性高分子を含んでなり、その融点が加硫最高温度よりも低い前記<1>から<3>のいずれかに記載のゴム組成物である。
<5> 有機短繊維がポリオレフィンからなる前記<1>から<4>のいずれかに記載のゴム組成物である。
<6> ポリオレフィンが、ポリエチレン及びポリプロピレンのいずれかである前記<5>に記載のゴム組成物である。
<7> ゴムマトリックスが発泡剤を含む前記<1>から<6>のいずれかに記載のゴム組成物である。
<8> 発泡率が3〜40%である前記<1>から<7>のいずれかに記載のゴム組成物である。
【0006】
<9> 1対のビード部、該ビード部にトロイド状をなして連なるカーカス、該カーカスのクラウン部をたが締めするベルト及びトレッドを有してなり、少なくとも前記トレッドが前記<1>から<8>のいずれかに記載のゴム組成物を含んでなることを特徴とするタイヤである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のゴム組成物及びタイヤについて詳細に説明する。
(ゴム組成物)
本発明のゴム組成物には、未加硫のもの及び加硫後のものが含まれ、該ゴム組成物は、ゴムマトリックスと有機短繊維とを含んでなる。
【0008】
−−ゴムマトリックス−−
前記ゴムマトリックスは、前記ゴム組成物における前記有機短繊維を除く成分を含み、具体的には、天然ゴム及びジエン系合成ゴムから選ばれた少なくとも1種からなるゴム成分と、不飽和脂肪酸及び液状ポリマーの少なくとも一方とを含み、更に必要に応じて発泡剤、発泡助剤等のその他の成分を含む。
【0009】
−ゴム成分−
前記ゴム成分は、天然ゴムのみを含んでいてもよいし、ジエン系合成ゴムのみを含んでいてもよいし、両者を含んでいてもよい。
前記ジエン系合成ゴムとしては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ポリイソプレン(IR)、ポリブタジエン(BR)などが挙げられる。これらのジエン系合成ゴムの中でも、ガラス転移温度が低く、氷上性能の効果が大きい点で、シス−1,4−ポリブタジエンが好ましく、シス含有率が90%以上のものが特に好ましい。
【0010】
−不飽和脂肪酸−
前記不飽和脂肪酸においては、不飽和に由来する全プロトン量に占める共役二重結合由来のプロトンの割合が少なくとも10%(10%以上)である必要があり、少なくとも25%(25%以上)であるのが好ましい。
また、本発明において、前記割合は、前記数値範囲のいずれかの上限値若しくは下限値又は後述の実施例で採用した該割合のいずれかの値を下限とし、前記数値範囲のいずれかの上限値若しくは下限値又は後述の実施例で採用した該割合のいずれかの値を上限とする数値範囲も好ましい。
なお、前記割合の上限値は100%が好ましい。
【0011】
前記不飽和脂肪酸において、前記不飽和に由来する全プロトン量に占める共役二重結合由来のプロトンの割合が、10%未満であると前記ゴムマトリックスの粘度を低下させることができず、その流動性が十分でないため、押出時等において前記有機短繊維を一定の方向に容易にかつ十分に配向させることができない。また、得られる加硫ゴムについても弾性率、破断強度の改良効果が十分でないことがある。
なお、前記含有量は、例えば、NMRを用いて測定することができる。
【0012】
前記不飽和脂肪酸としては、直鎖状のものであってもよいし、分岐状のものであってもよい。
また、前記不飽和脂肪酸の炭素数としては、10〜22程度が好ましい。
【0013】
前記不飽和脂肪酸における前記共役ジエン系酸を除く成分は、非共役ジエン系酸であり、該非共役ジエン系酸においては、少なくとも2個(2個以上)の炭素間二重結合が互いに共役していない。
前記非共役ジエン系酸としては、例えば、リノール酸、リノレン酸などが挙げられる。これらは1種単独で含まれていてもよく、2種以上が含まれていてもよい。
なお、本発明においては、前記不飽和脂肪酸に、目的に応じてステアリン酸、ジオキシステアリン酸等の飽和脂肪酸類が含まれていてもよい。
【0014】
前記共役ジエン系酸は、分子内に共役関係にある2個の炭素間二重結合(例えば、−CH=CH−CH=CH−)を少なくとも1組(1組以上)含む不飽和モノカルボン酸を意味する。
前記共役ジエン系酸としては、例えば、2,4−ペンタジエン酸、2,4−ヘキサジエン酸、2,4−デカジエン酸、2,4−ドデカジエン酸、9,11−オクタデカジエン酸、エリオステアリン酸、9,11,13,15−オクタデカテトラエン酸、9,11,13−オクタデカトリエン酸等が挙げられる。
これらは1種単独で含まれていてもよく、2種以上が含まれていてもよい。
【0015】
前記不飽和脂肪酸、即ち共役ジエン系酸を含んでなる不飽和脂肪酸の具体例としては、とうもろこし油、綿実油、落花生油、大豆油、ひまし油等を脱水反応させることにより得られる脱水油脂肪酸などが好ましく挙げられるが、これらの中でも、ひまし油を脱水反応させることにより得られる脱水ひまし油脂肪酸などが特に好ましく挙げられる。
【0016】
前記ひまし油は、トウゴマの種子から圧搾法によって得られる不乾性油であり、飽和脂肪酸として少量のステアリン酸及びジオキシステアリン酸、不飽和脂肪酸としてリシノール酸を主成分とし、このほか少量のオレイン酸、リノール酸、リノレン酸等を含む。
前記脱水ひまし油脂肪酸は、脱水の仕方により共役ジエン系酸を含んでなるものが得られる。この脱水ひまし油脂肪酸の場合、含まれる共役ジエン系酸は、9,11−オクタデカジエン酸が主であり、その他の不飽和脂肪酸としては、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等である。
なお、前記不飽和脂肪酸としては、例えば公知の方法に従って適宜調製したものを使用することができ、天然物であってもよいし、合成物であってもよい。
【0017】
前記不飽和脂肪酸の前記ゴムマトリックスにおける含有量としては、前記ゴム成分100重量部に対して、0.1〜10重量部であり、0.5〜6重量部が好ましく、1〜4重量部がより好ましい。
また、本発明において、前記不飽和脂肪酸の前記ゴムマトリックスにおける含有量としては、前記数値範囲のいずれかの上限値若しくは下限値又は後述の実施例で採用した含有量のいずれかの値を下限とし、前記数値範囲のいずれかの上限値若しくは下限値又は後述の実施例で採用した含有量のいずれかの値を上限とする数値範囲も好ましい。
【0018】
前記含有量が、0.1重量部未満であると、前記ゴムマトリックスの粘度を低下させることができず、その流動性が十分でないため、押出時等において前記有機短繊維を一定の方向に配向させることができない。また、加硫後のゴム組成物の弾性率も十分でなく、破断強度の改良効果も十分でない。一方、10重量を越えても、それに見合う効果が得られない上、得られる加硫ゴムの耐摩耗性が低下してしまう。
【0019】
−液状ポリマー−
前記液状ポリマーの具体例としては、液状ポリイソプレンゴム、液状ポリブタジエンゴム、液状スチレン・ブタジエン共重合体又はこれらの混合物等が挙げられる。
これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0020】
前記液状ポリマーとしては、公知の方法に従って適宜調製したものであってもよいし、市販品であってもよい。市販品としては、例えば、クラレ(株)製のLIR−20(重量平均分子量=2万)、LIR−30(重量平均分子量=3万)、LIR−50(重量平均分子量=5万)などが挙げられる。
【0021】
前記液状ポリマーの重量平均分子量としては、大きくとも5万(5万以下)が好ましく、1.5〜2.5万が特に好ましい。
また、本発明において、前記液状ポリマーの重量平均分子量としては、前記数値範囲のいずれかの上限値若しくは下限値又は後述の実施例で採用した重量平均分子量のいずれかの値を下限とし、前記数値範囲のいずれかの上限値若しくは下限値又は後述の実施例で採用した重量平均分子量のいずれかの値を上限とする数値範囲も好ましい。
前記液状ポリマーの重量平均分子量が、5万を越えると、前記ゴムマトリックスの粘度を低下させる効果が十分でなく、添加した有機短繊維の配向性を十分に向上させることができないことがある。
【0022】
前記液状ポリマーの前記ゴムマトリックスにおける含有量としては、前記ゴム成分100重量部に対して、0.5〜10重量部であり、1〜6重量部がより好ましい。
また、本発明において、前記含有量としては、前記数値範囲のいずれかの上限値若しくは下限値又は後述の実施例で採用した含有量のいずれかの値を下限とし、前記数値範囲のいずれかの上限値若しくは下限値又は後述の実施例で採用した含有量のいずれかの値を上限とする数値範囲も好ましい。
【0023】
前記含有量が、0.5重量部未満であると、前記ゴムマトリックスの粘度を低下させることができず、その流動性が十分でないため、押出時等において前記有機短繊維を一定の方向に配向させることができない。一方、10重量を越えても、それに見合う効果が得られない上、加硫後のゴム組成物の耐摩耗性が低下してしまうことがある。
【0024】
前記不飽和脂肪酸及び前記液状ポリマーは、それぞれを単独で前記特定量使用してもよいし、両者を前記特定量づつ併用してもよい。
前記不飽和脂肪酸及び前記液状ポリマーは、前記ゴムマトリックス中において可塑剤乃至加工性改良剤として機能する。このため、前記ゴムマトリックスに、前記不飽和脂肪酸及び前記液状ポリマーの少なくとも一方の前記特定量を配合してなるゴム組成物は、その流動性の制御が容易であり、含まれる有機短繊維を一定の方向に容易にかつ十分に配向させることができる。例えば、該ゴム組成物に押出等を行うと、前記有機短繊維を押出方向に容易に配向させることができる。
【0025】
−その他の成分−
前記その他の成分としては、本発明の目的を害しない範囲で使用することができ、例えば、カーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウム等の無機充填材、シランカップリング剤等のカップリング剤、軟化剤、硫黄等の加硫剤、ジベンゾチアジルジスルフィド等の加硫促進剤、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジル−スルフェンアミド、N−オキシジエチレン−ベンゾチアジル−スルフェンアミド等の老化防止剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、オゾン劣化防止剤等の添加剤等の他、通常ゴム業界で用いる各種配合剤などを適宜使用することができる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、本発明においては、前記その他の成分については市販品を使用することができる。
【0026】
本発明においては、前記その他の成分として、発泡剤を特に好ましく使用することができる。少なくとも前記発泡剤を使用すると、加硫後のゴム組成物中に、所望の長尺状気泡を効率的に形成することができる点で有利である。
【0027】
前記発泡剤としては、例えば、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)、アゾジカルボンアミド(ADCA)、ジニトロソペンタスチレンテトラミンやベンゼンスルホニルヒドラジド誘導体、オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、二酸化炭素を発生する重炭酸アンモニウム、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、窒素を発生するニトロソスルホニルアゾ化合物、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソフタルアミド、トルエンスルホニルヒドラジド、P−トルエンスルホニルセミカルバジド、P,P’−オキシービス(ベンゼンスルホニルセミカルバジド)等が挙げられる。
【0028】
これらの発泡剤の中でも、製造加工性を考慮すると、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)、アゾジカルボンアミド(ADCA)が好ましく、特にアゾジカルボンアミド(ADCA)が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記発泡剤により、加硫後のゴム組成物を発泡率に富む発泡ゴムとすることができる。
【0029】
また、本発明においては、効率的な発泡を行う観点から、前記その他の成分として発泡助剤を用い、該発泡助剤を前記発泡剤に併用するのが好ましい。
前記発泡助剤としては、例えば、尿素、ステアリン酸亜鉛、ベンゼンスルフィン酸亜鉛や亜鉛華等、通常、発泡製品の製造に用る助剤等が挙げられる。これらの中でも、尿素、ステアリン酸亜鉛、ベンゼンスルフィン酸亜鉛等が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0030】
−−有機短繊維−−
前記有機短繊維としては、前記ゴムマトリックスが加硫最高温度に達するまでの間に溶融(軟化を含む)する熱特性を有していること、換言すれば、前記ゴム組成物の加硫時に前記ゴムマトリックスの温度が加硫最高温度に達するまでの間に前記有機短繊維の粘度が該ゴムマトリックスの粘度よりも低くなる熱特性を有していることが特に好ましい。
【0031】
前記加硫最高温度とは、前記ゴム組成物の加硫時における前記ゴムマトリックスが達する最高温度を意味する。例えば、モールド加硫の場合には、該ゴム組成物がモールド内に入ってからモールドを出て冷却されるまでに前記ゴムマトリックスが達する最高温度を意味する。前記加硫最高温度は、例えば、前記ゴムマトリックス中に熱電対を埋め込むこと等により測定することができる。
【0032】
なお、前記ゴムマトリックスの粘度は流動粘度を意味し、前記有機短繊維の粘度は溶融粘度を意味し、これらは、例えばコーンレオメーター、キャピラリーレオメーター等を用いて測定することができる。
【0033】
前記有機短繊維の素材としては、前記熱特性を有している限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記熱特性を有する素材としては、例えば、その融点が前記加硫最高温度よりも低い結晶性高分子からなる樹脂などが好適に挙げられる。
【0034】
該結晶性高分子からなる樹脂を例に説明すると、該樹脂の融点と、前記ゴムマトリックスの前記加硫最高温度との差が大きくなる程、前記ゴム組成物の加硫中に速やかに該樹脂が溶融するため、該樹脂の粘度が前記ゴムマトリックスの粘度よりも低くなる時期が早くなる。このため、該樹脂が溶融すると、該ゴム組成物中に含まれる発泡剤等により生じたガスは、前記ゴムマトリックスよりも低粘度である該樹脂の内部に移動し、滞留する。その結果、加硫後のゴム組成物中には、該樹脂で被覆された長尺状気泡が多く存在する。
【0035】
一方、前記有機短繊維の融点が、前記ゴムマトリックスの前記加硫最高温度に近くなり過ぎると、加硫初期に速やかに該有機短繊維が溶融せず、加硫終期に該有機短繊維が溶融する。加硫終期では、該ゴム組成物に含まれる前記発泡剤等により生じたガスの一部は加硫ゴム中に取り込まれており、溶融した該有機短繊維の内部に移動・滞留せず、溶融した有機短繊維内でのガスの保持が不十分になることがある。
他方、前記有機短繊維の融点が低くなり過ぎると、該ゴム組成物の混練り時の熱で該有機短繊維が溶融し、混練りの段階で該有機短繊維同士が融着し分散性が低下してしまう、混練りの段階で該有機短繊維が複数に分断されてしまう、あるいは該有機短繊維が前記ゴム組成物中に溶け込んでミクロに分散してしまうことがある。
【0036】
前記有機短繊維の融点の上限としては、特に制限はないものの、以上の点を考慮して選択するのが好ましく、一般的には、前記ゴムマトリックスの前記加硫最高温度よりも、10℃以上低いのが好ましく、20℃以上低いのがより好ましい。ゴム組成物の工業的な加硫温度は、一般的には最高で約190℃程度であるが、例えば、加硫最高温度がこの190℃に設定されている場合には、前記有機短繊維の融点としては、通常190℃以下の範囲で選択され、180℃以下が好ましく、170℃以下がより好ましい。
【0037】
一方、ゴム組成物の混練りを考慮すると、前記有機短繊維の融点としては、混練り時の最高温度に対して、5℃以上が好ましく、10℃以上がより好ましく、20℃以上が特に好ましい。前記ゴム組成物の混練りでの最高温度を例えば95℃と想定した場合には、前記有機短繊維の融点としては、100℃以上が好ましく、105℃以上がより好ましく、115℃以上が特に好ましい。
【0038】
なお、前記有機短繊維の融点は、それ自体公知の融点測定装置等を用いて測定することができ、例えば、DSC測定装置を用いて測定した融解ピーク温度を前記融点とすることができる。
【0039】
前記有機短繊維は、結晶性高分子から形成されていてもよいし、非結晶性高分子から形成されていてもよいし、結晶性高分子と非結晶性高分子とから形成されていてもよいが、本発明においては、相転移があるために粘度変化がある温度で急激に起こり、粘度制御が容易な点で結晶性高分子を含む有機素材から形成されているのが好ましく、結晶性高分子のみから形成されるのがより好ましい。
【0040】
前記結晶性高分子の具体例としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレン、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、シンジオタクティック−1,2−ポリブタジエン(SPB)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ塩化ビニル(PVC)等の単一組成重合物や、共重合、ブレンド等により融点を適当な範囲に制御したものも使用でき、更にこれらに添加剤を加えたものも使用できる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの結晶性高分子の中でも、ポリオレフィン、ポリオレフィン共重合体が好ましく、汎用で入手し易い点でポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)がより好ましく、融点が低く、取扱いが容易な点でポリエチレン(PE)が特に好ましい。
【0041】
前記非結晶性高分子としては、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)、ポリスチレン(PS)、ポリアクリロニトリル、これらの共重合体、これらのブレンド物等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0042】
前記有機短繊維には、本発明の目的を害しない範囲において、必要に応じて公知の添加剤が添加されていてもよい。
【0043】
前記有機短繊維の素材の分子量としては、該素材の化学組成、分子鎖の分岐の状態等によって異なり一概に規定することはできないが、一般に、該有機短繊維は、同じ素材で形成されていてもその分子量が高い程、ある一定の温度における粘度(溶融粘度)は高くなる。本発明においては、前記有機短繊維における素材の分子量は、前記ゴムマトリックスの加硫最高温度における粘度(流動粘度)よりも該有機短繊維の粘度(溶融粘度)が高くならないような範囲で選択するのが好ましい。
【0044】
なお、一試験例では、前記有機短繊維が、1〜2×105 程度の重量平均分子量のポリエチレンの場合の方が、7×105 以上の重量平均分子量のポリエチレンの場合よりも、加硫後のゴム組成物中に含まれる、発泡剤等により生じたガスが、該有機短繊維の内部に多量に取り込まれていた。この相違は、該有機短繊維の素材であるポリエチレンの分子量の違いに起因する粘度(溶融粘度)の差に基づくものと推測される。
【0045】
前記有機短繊維の前記ゴム組成物における含有量としては、前記ゴム成分100重量部に対して、0.5〜30重量部が好ましく、1.0〜10重量部がより好ましい。
また、本発明においては、前記有機短繊維の前記ゴム組成物における含有量として、前記数値範囲のいずれかの下限値若しくは上限値又は後述の実施例において採用した含有量のいずれかの値を下限とし、前記数値範囲のいずれかの下限値若しくは上限値又は後述の実施例において採用した含有量のいずれかの値を上限とする数値範囲も好ましい。
【0046】
前記含有量が、0.5重量部未満であると、加硫後のゴム組成物中に取り込み乃至保持されるガスの量が少なく、該ゴム組成物をタイヤのトレッド等に使用した場合、前記氷上性能を十分に向上させることができないことがあり、30重量部を越えると、該有機短繊維の前記ゴム組成物中での分散性が悪化する、ゴム押出時の作業性が悪化する、前記トレッドにクラックが発生する等の不都合が生ずることがある。一方、前記含有量が前記好ましい数値範囲内にあると、そのようなことがない点で好ましい。
【0047】
前記有機短繊維のデニールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記氷上性能を向上させる観点からは、1〜1000デニールが好ましく、2〜800がより好ましい。
なお、前記有機短繊維の平均長さ(L)及び平均径(D)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0048】
−ゴム組成物の調製−
前記ゴム組成物は、以上の各成分を適宜選択した条件、手法にて混練り、熱入れ、押出等することにより調製される。
【0049】
前記ゴム組成物の混練り中の最高温度、熱入れ中の最高温度、及び押出直後の最高温度を、それぞれ該有機短繊維の融点未満に、好ましくは該融点よりも5℃以上低く設定して、前記混練り、熱入れ及び押出を行うことが好ましい。こうすると、前記混練り、熱入れ及び押出の後においても、ゴム組成物中において有機短繊維の形態を保持することができる。
【0050】
前記混練り中の最高温度、前記熱入れ中の最高温度、又は前記押出直後の最高温度が、前記有機短繊維の融点を越える温度であると、該有機短繊維の形態を保持できず、加硫後において、長尺状気泡を含有するゴム組成物が得られない場合があり、該ゴム組成物をタイヤのトレッドに用いても前記氷上性能を十分に向上させることができない。
【0051】
前記混練りは、混練り装置への投入体積、ローターの回転速度、ラム圧等、混練り温度、混練り時間、混練り装置等の諸条件について特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記混練り装置としては、市販品を好適に使用することができる。
【0052】
前記熱入れ又は押出は、熱入れ又は押出の時間、熱入れ又は押出の装置等の諸条件について特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記熱入れ又は押出の装置としては、市販品を好適に使用することができる。
ただし、熱入れ又は押出の温度は、目的に応じて適宜選択される。なお、前記押出温度は、一般的には90〜110℃程度である。
【0053】
前記ゴム組成物においては、前記有機短繊維が押出方向に配向しているため、このゴム組成物をタイヤのトレッドに使用すると、詳しくは該トレッドにおける地面と接触する表面に平行な方向、より好ましくは該タイヤの周方向に、前記有機短繊維を配向させた状態で用いると、該タイヤの走行方向の排水性が高まり、前記氷上性能が向上させることができる点で好ましい。
【0054】
前記有機短繊維の配向を揃える方法としては、例えば、図1に示すように、有機短繊維14を含むゴム組成物15を、流路断面積が出口に向かって減少する押出機の口金16から押し出すことにより、該有機短繊維14を一定の方向に配向させればよい。この場合における有機短繊維14のゴム組成物15中での配向の程度は、流路断面積の減少程度、押出速度、ゴム組成物15の粘度等によって変化する。本発明のゴム組成物においては、押し出される前のゴム組成物15中の有機短繊維14は、口金16へ押し出されていく過程でその長手方向が押出方向(A方向)に沿って除々に揃うようになり、口金16から押し出されるときには、その長手方向が押出方向(A方向)にほぼ完全に配向させることができる。
【0055】
−ゴム組成物の加硫−
前記ゴム組成物の加硫の条件乃至方法等については、特に制限はなく、前記ゴム成分の種類等に応じて適宜選択することができるが、前記トレッドを製造する場合にはモールド加硫が好ましい。
前記加硫の温度としては、一般に前記加硫中の前記ゴム組成物の加硫最高温度が前記有機短繊維の融点以上になるように選択される。前記加硫最高温度が前記有機短繊維の融点未満であると、前記有機短繊維が溶融せず、発泡等により生じたガスを該有機短繊維中に保持させることができず、加硫後のゴム組成物中に長尺状気泡を効率良く形成することができない。
なお、前記加硫を行う装置としては、特に制限はなく、市販品を好適に使用することができる。
【0056】
前記加硫前の前記ゴム組成物においては、該ゴム組成物よりも前記有機短繊維の方が粘度が高い。該ゴム組成物の加硫開始後であって前記ゴム組成物が加硫最高温度に達するまでの間に、前記ゴムマトリックスは加硫によりその粘度が上昇していき、前記有機短繊維は溶融して粘度が大幅に低下していく。そして、加硫途中において、前記ゴムマトリックスよりも該有機短繊維の方が粘度が低くなる。即ち、加硫前の前記ゴムマトリックスと該有機短繊維との間における粘度の関係が、加硫途中の段階で逆転する現象が生ずる。
【0057】
この間、前記ゴム組成物中では、前記発泡剤等による発泡が生じ、ガスが生ずる。このガスは、加硫反応が進行して粘度が高くなった前記ゴムマトリックスに比べ、溶融して相対的に粘度が低下した前記有機短繊維の内部に留まる。その結果、加硫後のゴム組成物においては、前記有機短繊維が存在していた場所に長尺状気泡が形成されている。
この長尺状気泡は、その周囲(長尺状気泡の壁面)が前記有機短繊維の素材によって覆われ、カプセル状になっている。なお、前記有機短繊維によるカプセル状の被覆層は、以下において「保護層」と称することがある。前記長尺状気泡は、加硫後のゴム組成物内において独立して存在している。前記ゴム組成物において前記発泡剤等を使用した場合、加硫後のゴム組成物は、発泡率に富む発泡ゴムである。
【0058】
なお、前記有機短繊維の素材樹脂をポリエチレン、ポリプロピレン等とした場合、加硫したゴムマトリックスと前記有機短繊維の素材とは強固に接着している。なお、前記接着の力を向上させる必要がある場合には、例えば、前記有機短繊維に前記ゴムマトリックスとの接着性を向上させ得る成分を添加してもよい。
【0059】
加硫後の前記ゴム組成物においては、図2に示すように、加硫したゴムマトリックス6A中に長尺状気泡11が存在している。前記有機短繊維14の前記ゴム組成物中での配向を押出方向(A方向)に揃えた場合には、長尺状気泡11が一方向に配向した状態で存在している。長尺状気泡11は、溶融した有機短繊維14が、加硫したゴムマトリックス6Aに接着してなる保護層13により囲まれている。保護層13内には、前記発泡剤等から発生したガスが取り込まれている。なお、前記ゴムマトリックス中に前記発泡剤等を添加した場合には、加硫後のゴム組成物(加硫ゴム6)中においては、長尺状気泡11の外、長尺状気泡11内に取り込まれなかったガスが、球状の気泡17として存在している。
【0060】
本発明のゴム組成物をタイヤのトレッド等に使用した場合においては、長尺状気泡11が表面に露出して形成される凹部が、効率的な排水を行う排水路として機能する。
また、該凹部の表面が保護層13で形成されているため、該凹部が耐剥離性に優れ、水路形状保持性、水路エッジ部摩耗性、荷重入力時の水路保持性等にも優れる。保護層13の厚みとしては、0.5〜50μmが好ましい。
【0061】
本発明のゴム組成物においては、長尺状気泡11の1個当たりの長手方向最大長さ(L)(図2参照)と、前記平均径(D)との比(L/D)としては、小さくとも3(即ち、3以上)である必要がある。なお、前記比(L/D)の上限は、特に制限はないが、8〜17程度が選択される。
また、本発明においては、前記比(L/D)として、前記数値範囲のいずれかの下限値若しくは上限値又は後述の実施例において採用した該比(L/D)のいずれかの値を下限とし、前記数値範囲のいずれかの下限値若しくは上限値又は後述の実施例において採用した該比(L/D)のいずれかの値を上限とする数値範囲も好ましい。
【0062】
前記比(L/D)が3未満であると、摩耗したゴム組成物の表面に現れる長尺状の排水溝としての長尺状気泡11の長さを長くすることができず、また容積を大きくすることができないため、該ゴム組成物をタイヤのトレッド等に用いる場合には、該タイヤ等の水排除性能を向上させることができない点で好ましくない。
【0063】
本発明のゴム組成物をタイヤのトレッド等に用いる場合、長尺状気泡11の長手方向最大長さ(L)が短すぎると、該タイヤ等の水排除性能が低下し、長すぎると、該ゴム組成物の耐カット性、ブロック欠けが悪化し、乾燥路面での耐摩耗性が悪化するため、いずれも好ましくない。
【0064】
本発明のゴム組成物においては、長尺状気泡11の平均径(D)(=保護層13の内径、図2参照)としては、20〜500μmが好ましい。
前記平均径(D)が、20μm未満であると、該ゴム組成物をタイヤのトレッド等に用いる場合には、該タイヤ等の水排除性能が低下し、500μmを越えると、該ゴム組成物の耐カット性、ブロック欠けが悪化し、乾燥路面での耐摩耗性が悪化するため、いずれも好ましくない。
【0065】
加硫後の前記ゴム組成物における平均発泡率Vsとしては、3〜40%が好ましく、5〜35%がより好ましい。
また、本発明においては、前記平均発泡率Vsとして、前記数値範囲のいずれかの下限値若しくは上限値又は後述の実施例で採用した平均発泡率Vsのいずれかの値を下限とし、前記数値範囲のいずれかの下限値若しくは上限値又は後述の実施例で採用した平均発泡率Vsのいずれかの値を上限とする数値範囲も好ましい。
【0066】
前記平均発泡率をVsとは、長尺状気泡11の発泡率Vs2 を意味し(図2に示すように、球状の気泡17が形成されている場合には、球状の気泡17の発泡率Vs1 と長尺状気泡11の発泡率Vs2 との合計を意味し)、次式により算出できる。
Vs=(ρ0 /ρ1 −1)×100(%)
ここで、ρ1 は、ゴム組成物(加硫後の発泡ゴム)の密度(g/cm3 )を表す。ρ0 は、ゴム組成物(加硫後の発泡ゴム)における固相部の密度(g/cm3 )を表す。
なお、前記ゴム組成物(加硫後の発泡ゴム)の密度及び前記ゴム組成物(加硫後の発泡ゴム)における固相部の密度は、例えば、エタノール中の重量と空気中の重量を測定し、これらから算出した。
【0067】
前記平均発泡率Vsが3%未満であると、発生する水膜に対し、前記長尺状気泡による凹部体積の絶対的な不足により十分な水排除機能が得られず、該ゴム組成物の前記氷上性能を十分に向上させることができない可能性がある。一方、前記平均発泡率Vsが40%を越えると、前記氷上性能を向上させることができるものの、該ゴム組成物中の気泡の量が多くなり過ぎるために、該ゴム組成物の破壊限界が大巾に低下し、耐久性の点で好ましくない。
なお、前記平均発泡率Vsは、前記発泡剤の種類、量、組み合わせる前記発泡助剤の種類、量、樹脂の配合量等により適宜変化させることができる。
【0068】
本発明においては、前記平均発泡率Vsが3〜40%であると共に、長尺状気泡11が前記平均発泡率Vsにおける10%以上を占めることが好ましく、50%以上を占めることがより好ましい。換言すれば、長尺状気泡11がゴム組成物中の全気泡の少なくとも10体積%(10体積%以上)を占めることが好ましく、長尺状気泡11がゴム組成物中の全気泡の少なくとも50体積%(50体積%以上)を占めることがより好ましい。
前記比率が10%未満であると、長尺状気泡11による排水路が少ないために、水排除機能が十分でないことがある。
【0069】
本発明のゴム組成物は、各種分野において好適に使用することができるが、氷上でのスリップを抑えることが必要な構造物に特に好適に使用でき、空気入りタイヤのトレッド等に最も好適に用いることができる。
前記氷上でのスリップを抑えることが必要な構造物としては、例えば、更生タイヤの貼り替え用のトレッド、中実タイヤ、氷雪路走行に用いるゴム製タイヤチェーンの接地部分、雪上車のクローラー、靴底等が挙げられる。
【0070】
(タイヤ)
本発明のタイヤは、少なくともトレッドを有してなり、少なくとも該トレッドが前記本発明のゴム組成物を含んでなる限り、他の構成としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。換言すれば、前記ゴム組成物によるトレッドを有するタイヤが、本発明のタイヤである。
【0071】
本発明のタイヤの一例を図面を用いて説明すると以下の通りである。図3に示すように、本発明のタイヤ4は、一対のビード部1と、該一対のビード部1にトロイド状をなして連なるカーカス2と、該カーカス2のクラウン部をたが締めするベルト3と、トレッド5とを順次配置したラジアル構造を有する。なお、トレッド5以外の内部構造は、一般のラジアルタイヤの構造と変わりないので説明は省略する。
【0072】
トレッド5には、図4に示すように、複数本の周方向溝7及びこの周方向溝7と交差する複数本の横溝8とによって複数のブロック9が形成されている。また、ブロック9には、氷上でのブレーキ性能及びトラクション性能を向上させるために、タイヤの幅方向(B方向)に沿って延びるサイプ10が形成されている。
【0073】
トレッド5は、図5に示すように、直接路面に接地する上層のキャップ部5Aと、このキャップ部5Aのタイヤの内側に隣接して配置される下層のベース部5Bとから構成されており、いわゆるキャップ・ベース構造を有する。
【0074】
キャップ部5Aは、図2及び図7に示すように、長尺状気泡11を無数に含んだ発泡ゴムであり、ベース部5Bには発泡されていない通常のゴムが使用されている。前記発泡ゴムが、加硫後の前記ゴム組成物である。
長尺状気泡11は、図2に示すように、実質的にタイヤの周方向(矢印A方向)に配向されており、その周囲が前記有機短繊維の素材による保護層13で被覆されている。なお、本発明においては、保護層13で被覆された長尺状気泡11の配向の向きは、総てタイヤの周方向となっていなくてもよく、一部タイヤの周方向以外の向きになっていてもよい(図5参照)。
【0075】
タイヤ4は、その製造方法については特に制限はないが、例えば、以下のようにして製造することができる。即ち、まず、前記ゴム組成物を調製する。このゴム組成物においては、前記有機短繊維を一方向に配向させておく。該ゴム組成物を、生タイヤケースのクラウン部に予め貼り付けられた未加硫のベース部の上に貼り付ける。このとき、前記有機短繊維の配向の方向を、タイヤの周方向と一致させておく。そして、所定のモールドで所定温度、所定圧力の下で加硫成形する。その結果、本発明のゴム組成物で形成されたキャップ部5Aを、加硫されたベース部5B上に有してなるタイヤ4が得られる。
【0076】
なお、このとき、未加硫のキャップ部がモールド内で加熱されると、前記ゴムマトリックス中で前記発泡剤等による発泡が生じ、ガスが生ずる。一方、前記有機短繊維14は溶融(又は軟化)し、その粘度(溶融粘度)がゴムマトリックスの粘度(流動粘度)よりも低下することにより(図6参照)、前記ガスは、溶融して相対的に粘度が低下した有機短繊維の内部に移動し、滞留する。図2に示すように、冷却後のキャップ部5Aは、実質的にタイヤの周方向に配向した長尺状気泡11が多数存在する発泡率に富むゴム組成物となっている。この長尺状気泡11の含有率に富むゴム組成物は、前記本発明のゴム組成物である。
【0077】
次に、タイヤ4の作用について説明する。氷雪路面上でタイヤ4を走行させる。タイヤ4と前記氷雪路面との摩擦により、タイヤ4のトレッド5の表面が摩耗する。すると、図7に示すように、長尺状気泡11による溝状の凹部12(球状の気泡17が存在するときは該球状の気泡17による凹部18も含む。)が、トレッド5のキャップ部5Aの接地面に露出する。更にタイヤ4を走行させると、タイヤ4とその接地面との間の接地圧及び摩擦熱によりタイヤ4と氷雪路面との間に生じた水膜は、トレッド5のキャップ部5Aの接地面に露出する無数の凹部12により、素早く排除され、除去される。このため、タイヤ4は、前記氷雪路面上でもスリップ等することがない。
【0078】
タイヤ4においては、実質的にタイヤの周方向に配向している溝状の凹部12が効率的な排水を行う排水溝として機能する。凹部12は、その表面(周囲)が耐剥離性に優れる保護層13で形成されているため、高荷重時でも潰れ難く、高い排水溝形状保持性、水排除性能を保持しており、この凹部12により、タイヤ4の回転方向後側への水排除性能が向上するため、タイヤ4は、氷上ブレーキ性能に特に優れる。タイヤ4においては、保護層13の引っ掻き効果によって横方向の氷上μが向上し、氷上ハンドリングが良好である。
【0079】
本発明のタイヤは、いわゆる乗用車用のみならず、トラック・バス用等の各種の乗物にも好適に適用できる。
【0080】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これの実施例に何ら限定されるものではない。
【0081】
(実施例1〜15及び比較例1〜5)
表1及び表2に示す組成の各ゴム組成物を調製し、加硫した。
各ゴム組成物の加硫時における加硫最高温度は、該ゴム組成物中に熱電対を埋め込んで測定したところ総て175℃であった。
【0082】
実施例1〜8及び比較例1〜2の有機短繊維は、通常の溶融紡糸法に従って製造されたものであり、軸に直交する方向の断面がほぼ円形である。有機短繊維は、実施例1〜8及び比較例1〜2では、ポリエチレン(HDPE)であり、Dupont社製DSCにより、昇温速度10℃/分、サンプル重量約5mgの条件にて測定した融点ピーク温度(融点)が135℃であり、3デニールであった。
【0083】
実施例9〜15及び比較例3〜5の有機短繊維は、通常の溶融紡糸法に従って製造されたものであり、軸に直交する方向の断面がほぼ円形である。有機短繊維は、実施例9〜15及び比較例3〜5では、ポリプロピレンであり、Dupont社製DSCにより、昇温速度10℃/分、サンプル重量約5mgの条件にて測定した融点ピーク温度(融点)が167℃であり、3デニールであった。
【0084】
したがって、前記各実施例及び比較例における有機短繊維の融点は、前記ゴム組成物の加硫時における加硫最高温度よりも低くなっている。
前記各ゴム組成物の加硫時において、前記各ゴム組成物の温度が加硫最高温度に達するまでの間に、前記有機短繊維の粘度が、前記ゴムマトリックスの粘度よりも低くなった。
なお、前記有機短繊維の前記加硫最高温度における粘度(溶融粘度)は、コーンレオメーターを用いて測定(スタート温度を190℃とし、5℃ずつ温度を下げながら発生するトルクを有機短繊維の粘度として、該粘度の温度依存性を測定し、得られたカーブからトレッドの最高温度での有機短繊維の粘度を読み取り、ゴムマトリックスの粘度と比較した。温度以外は、後述のゴムマトリックスの粘度の測定と同条件で行った。)したところ、実施例1〜8では、5〜6kg・cmであり、実施例9〜15では3〜4kg・cmであった。
【0085】
前記ゴムマトリックスの前記加硫最高温度における粘度(流動粘度)は、モンサント社製コーンレオメーター型式1−C型を使用し、温度を変化させながら100サイクル/分の一定振幅入力を与えて経時的にトルクを測定し、その際の最小トルク値を粘度としたところ(ドーム圧力0.59MPa、ホールディング圧力0.78MPa、クロージング圧力0.78MPa、振り角±5°)、各実施例及び比較例において、表1のゴムマトリックスは26〜27kg・cmであり、表2のゴムマトリックスは24〜25kg・cmであった。
【0086】
次に、表1〜2に示す組成の各ゴム組成物を製造した。得られた各ゴム組成物を用いてタイヤのトレッドを形成し、通常のタイヤ製造条件に従って各試験用のタイヤを製造した。
【0087】
このタイヤは、乗用車用ラジアルタイヤであり、そのタイヤサイズは185/70R13であり、その構造は図3に示す通りである。即ち、一対のビード部1と、該一対のビード部1にトロイド状をなして連なるカーカス2と、該カーカス2のクラウン部をたが締めするベルト3と、トレッド5とを順次配置したラジアル構造を有する。
【0088】
このタイヤにおいて、カーカス2のコードは、タイヤの周方向に対し90°の角度で配置され、その打ち込み数は50本/5cmである。タイヤ4のトレッド5には、図4に示す通り、タイヤの幅方向に4個のブロック9が配列されている。ブロック9のサイズは、タイヤの周方向の寸法が35mmであり、タイヤの幅方向の寸法が30mmである。ブロック9に形成されているサイプ10は、幅が0.4mmであり、タイヤの周方向の間隔が約7mmになっている。
なお、このタイヤ4のトレッド5には、長尺状気泡11が含まれており、その長手方向が実質的にタイヤの周方向(A方向)に配向されており、その周囲が有機短繊維の素材による保護層13で被覆されている。
【0089】
なお、各ゴム組成物(未加硫)について、引張試験を行った。
<引張試験>
押出後の未加硫のゴム組成物をスライスし、ゲージ2mmの未加硫のゴムシートを得た。押出方向Pとその垂直方向Vについて、JIS−3号ダンベルサンプルを打ち抜き、引張強度100mm/min、常温で引っ張り、25%変形時の応力をそれぞれM25P、M25Vとし、その比を表1及び2に示した。
なお、引張試験の結果は、数値が大きくなる程、有機短繊維の配向が良好であることを意味する。
【0090】
また、得られたタイヤについて氷上性能及び耐摩耗性について評価した。その結果を表1及び表2に示した。
なお、トレッド5における発泡ゴムについての発泡率は、既述の計算式より算出(測定)した。
【0091】
<氷上性能>
タイヤを国産1600CCクラスの乗用車に装着し、該乗用車を、一般アスファルト路上に200km走行させた後、氷上平坦路を走行させ、時速20km/hの時点でブレーキを踏んでタイヤをロックさせ、停止するまでの距離を測定した。結果は、距離の逆数を比較例1及び比較例3のタイヤを100として指数表示した。なお、数値が大きいほど氷上性能が良いことを示す。
【0092】
<耐摩耗性>
タイヤを国産1600ccクラスの乗用車(FF車)の前輪に装備し、一般路を2万km走行させた後のタイヤ溝深さを測り、摩耗量を算出した。比較例1のタイヤを100として逆数指数を表1及び2に示した。
なお、数値が大きいほど耐摩耗性が良好であることを示す。
【0093】
【表1】
【0094】
【表2】
【0095】
表1及び表2において、配合内容の欄における数値(量)は、「重量部」を意味する。「BR」は、シス−1,4−ポリブタジエン(日本合成ゴム(株)製、BR01)を意味し、「SBR」は、スチレン・ブタジエンゴム(日本合成ゴム(株)製、#1500)を意味し、カーボンN220は、カーボンブラック(旭カーボン(株)製、カーボンN220)を意味し、「老化防止剤」は、大内新興化学工業(株)製、ノクラック6Cを意味し、上段の「加硫促進剤」は、ジベンゾチアジルジスルフィドを意味し、下段の「加硫促進剤」は、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジル−スルフェンアミドを意味し、「発泡剤DPT」は、ジニトロペンタメチレンテトラミンを意味し、「発泡剤ADCA」は、アゾジカルボンアミドを意味し、「発泡助剤A」は、ベンゼンスルフィン酸亜鉛を意味し、「発泡助剤B」は、ステアリン酸:尿素=15:85の混合物を意味し、「発泡助剤C」は、尿素を意味する。
【0096】
「繊維」は、有機短繊維を意味し、「種」の「PE」は、ポリエチレンを意味し、「PP」は、ポリプロピレンを意味する。
「液状ポリマー」に関し、「分子量」は重量平均分子量を意味し、該欄の数値の単位は「万」を意味する。そして、2.0万のものは(株)クラレ製LIR−20である。3.0万のものは(株)クラレ製LIR−30である。5.0万のものは(株)クラレ製LIR−50である。
「不飽和脂肪酸」に関し、「共役ジエン系成分」は、該不飽和脂肪酸に含まれる「分子内に共役二重結合を少なくとも1組有する共役ジエン系酸」を意味する。ここで用いた「不飽和脂肪酸」は、常法に従って調製したものである。
【0097】
表1及び表2の結果から、以下のことが明らかである。即ち、
前記不飽和脂肪酸及び前記液状ポリマーを使用しない比較例1及び比較例3では、ゴム組成物中の有機短繊維の配向を十分に制御することができず、加硫後のゴム組成物乃至トレッドの氷上性能及び耐摩耗性が十分でない。
また、前記液状ポリマーを用いるがその含有量が10重量部を越える比較例2及び比較例4では、ゴム組成物中の有機短繊維の配向は十分に制御でき、加硫後のゴム組成物乃至トレッドの氷上性能は向上するものの、耐摩耗性が劣化してしまう。
【0098】
また、前記不飽和脂肪酸を用いるが、そこに含まれる共役ジエン系酸の含有量が10%未満である比較例5では、ゴム組成物中の有機短繊維の配向は十分に制御でき、加硫後のゴム組成物乃至トレッドの氷上性能は向上するものの、耐摩耗性が劣化してしまう。
一方、本発明の場合、即ち、不飽和に由来する全プロトン量に占める共役二重結合由来のプロトンの割合が少なくとも10%である不飽和脂肪酸を0.1〜10重量部及び/又は液状ポリマーを0.5〜10重量部用いる実施例1〜15では、ゴム組成物中の有機短繊維の配向を十分に制御することができ、加硫後のゴム組成物乃至トレッドの氷上性能及び耐摩耗性をバランス良く十分に向上させることができる。
【0099】
【発明の効果】
本発明によると、前記従来における諸問題を解決することができる。また、本発明によると、前記水膜の除去能力に優れ、氷面との間の摩擦係数が大きく、氷上性能及び耐摩耗性に優れたタイヤを提供することができる。また、本発明によると、氷上性能及び耐摩耗性に優れ、前記水膜除去能やエッヂ効果を発揮し得る長尺状気泡をその配向が十分に制御された状態で含み、タイヤのトレッドなど、前記氷雪路面上でのスリップを抑えることが必要な構造物に好適なゴム組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、有機短繊維の配向を揃える原理を説明する説明図である。
【図2】図2は、本発明のゴム組成物(加硫後)の断面概略説明図である。
【図3】図3は、本発明のタイヤの一部断面概略説明図である。
【図4】図4は、本発明のタイヤの周面の一部概略説明図である。
【図5】図5は、本発明のタイヤのトレッドの一部断面概略説明図である。
【図6】図6は、加硫時間とゴムマトリックスの粘度及び有機短繊維の粘度との関係を示したグラフである。
【図7】図7は、本発明のタイヤの摩耗したトレッドの一部断面拡大概略説明図である。
【符号の説明】
1 一対のビード部
2 カーカス
3 ベルト
4 タイヤ
5 トレッド
5A キャップ部
5B ベース部
6 加硫ゴム
6A 加硫したゴムマトリックス
7 周方向溝
8 横溝
9 ブロック
10 サイプ
11 長尺状気泡
12 凹部
13 保護層
14 有機短繊維
15 ゴムマトリックス
16 口金
17 球状の気泡
18 凹部
Claims (9)
- 天然ゴム及びジエン系合成ゴムから選ばれた少なくとも1種からなるゴム成分と、該ゴム成分100重量部に対し、分子内に炭素間二重結合を少なくとも2個有する不飽和脂肪酸0.1〜10重量部及び液状ポリマー0.5〜10重量部の少なくとも一方とを含むゴムマトリックスと、該ゴム成分100重量部に対し、加硫時に前記ゴムマトリックスの温度が加硫最高温度に達するまでの間にその粘度が該ゴムマトリックスの粘度よりも低くなる有機短繊維0.5〜30重量部とを含有してなり、
該不飽和脂肪酸において、不飽和に由来する全プロトン量に占める共役二重結合由来のプロトンの割合が少なくとも10%であり、該液状ポリマーが、ジエン系ポリマーを含んでなることを特徴とするゴム組成物。 - 液状ポリマーの重量平均分子量が大きくとも5万である請求項1に記載のゴム組成物。
- 不飽和脂肪酸が、分子内に共役二重結合を少なくとも1組有する共役ジエン系酸を少なくとも25%含む請求項1又は2に記載のゴム組成物。
- 有機短繊維が結晶性高分子を含んでなり、その融点が加硫最高温度よりも低い請求項1から3のいずれかに記載のゴム組成物。
- 有機短繊維がポリオレフィンからなる請求項1から4のいずれかに記載のゴム組成物。
- ポリオレフィンが、ポリエチレン及びポリプロピレンのいずれかである請求項5に記載のゴム組成物。
- ゴムマトリックスが発泡剤を含む請求項1から6のいずれかに記載のゴム組成物。
- 発泡率が3〜40%である請求項1から7のいずれかに記載のゴム組成物。
- 1対のビード部、該ビード部にトロイド状をなして連なるカーカス、該カーカスのクラウン部をたが締めするベルト及びトレッドを有してなり、少なくとも前記トレッドが請求項1から8のいずれかに記載のゴム組成物を含んでなることを特徴とするタイヤ。
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