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JP2002096605A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

Info

Publication number
JP2002096605A
JP2002096605A JP2000291129A JP2000291129A JP2002096605A JP 2002096605 A JP2002096605 A JP 2002096605A JP 2000291129 A JP2000291129 A JP 2000291129A JP 2000291129 A JP2000291129 A JP 2000291129A JP 2002096605 A JP2002096605 A JP 2002096605A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
short fibers
performance
pneumatic tire
snow
fiber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000291129A
Other languages
English (en)
Inventor
Naohiro Sasaka
尚博 佐坂
Eiji Nakamura
英二 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP2000291129A priority Critical patent/JP2002096605A/ja
Publication of JP2002096605A publication Critical patent/JP2002096605A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Tires In General (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 乾燥路面、雨天路面、氷路面、雪路面等の如
何にかかわらず安定な性能を発揮し、優れたICE性
能、SNOW性能を維持しつつ、WET性能、DRY性
能を向上させた空気入りタイヤの提供。 【解決手段】 スノー・トラクション・インデックス
(STI)が150以上であるトレッドパターンが形成
されたトレッド部を少なくとも有してなり、該トレッド
部が、ゴム成分100重量部に対し短繊維を0.5〜1
0重量部少なくとも含有してなることを特徴とする空気
入りタイヤである。短繊維の平均径が0.01〜0.1
mm、平均長さが0.5〜10mmである態様、短繊維
が、ポリエチレン短繊維、ポリプロピレン短繊維、脂肪
族ポリアミド短繊維、芳香族ポリアミド短繊維、ポリエ
ステル短繊維及びポリビニルアルコール短繊維から選択
された少なくとも1種である態様、などが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乾燥路面、雨天路
面、氷路面、雪路面等の如何にかかわらず安定な性能を
発揮し、優れたICE性能、SNOW性能を維持しつ
つ、WET性能、DRY性能を向上させた空気入りタイ
ヤに関する。
【0002】
【従来の技術】スパイクタイヤが規制されて以来、IC
E性能・SNOW性能(氷路面上・雪路面上におけるタ
イヤの制動・駆動性能)を向上させるため、空気入りタ
イヤのトレッドについての研究が盛んに行われてきてい
る。ところで、空気入りタイヤのトレッドにおいて、前
記ICE性能・SNOW性能の向上を図ると、該トレッ
ドのブロック剛性が低下し、DRY性能・WET性能
(乾燥路面上・雨天路面上におけるタイヤの制動・駆動
性能)が低下してしまう傾向がある。このため、これら
の各性能をバランス良く高いレベルで保持し得る空気入
りタイヤの提供が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記要望に
応え、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、
本発明は、乾燥路面、雨天路面、氷路面、雪路面等の如
何にかかわらず安定な性能を発揮し、優れたICE性
能、SNOW性能を維持しつつ、WET性能、DRY性
能を向上させた空気入りタイヤを提供することを目的と
する。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段は、以下の通りである。即ち、 <1> スノー・トラクション・インデックス(ST
I)が150以上であるトレッドパターンが形成された
トレッド部を少なくとも有してなり、該トレッド部が、
ゴム成分100重量部に対し短繊維を0.5〜10重量
部少なくとも含有してなることを特徴とする空気入りタ
イヤである。 <2> 短繊維の平均径が0.01〜0.1mmである
前記<1>に記載の空気入りタイヤである。 <3> 短繊維の平均長さが0.5〜10mmである前
記<1>又は<2>に記載の空気入りタイヤである。 <4> 短繊維が熱溶融性乃至熱軟化性である前記<1
>から<3>のいずれかに記載の空気入りタイヤであ
る。 <5> 短繊維の融点乃至軟化点が100〜190℃で
ある前記<4>に記載の空気入りタイヤである。 <6> 短繊維が、ポリエチレン短繊維、ポリプロピレ
ン短繊維、脂肪族ポリアミド短繊維、芳香族ポリアミド
短繊維、ポリエステル短繊維及びポリビニルアルコール
短繊維から選択された少なくとも1種である前記<1>
から<5>のいずれかに記載の空気入りタイヤである。 <7> 短繊維がタイヤ周方向に配向された前記<1>
から<6>のいずれかに記載の空気入りタイヤである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の空気入りタイヤ
について以下に詳細に説明する。本発明の空気入りタイ
ヤは、スノー・トラクション・インデックス(STI)
が150以上であるトレッドパターンが形成されたトレ
ッド部を少なくとも有してなる限り、他の構成としては
特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ
る。
【0006】−トレッド部− 前記トレッド部は、スノー・トラクション・インデック
ス(STI)が150以上であるトレッドパターンが形
成されたこと以外は特に制限はなく、適宜選択した構造
等を採用することができる。
【0007】前記スノー・トラクション・インデックス
(STI)とは、トレッドパターン表面の溝及びカーフ
の長さのタイヤ断面方向(タイヤ幅方向)成分と溝深さ
とにより算出される雪上性能レベルを示す指数を意味
し、SAE Technical Paper Ser
ies 820345に詳述されている。
【0008】前記スノー・トラクション・インデックス
(STI)としては、150以上である必要があり、1
50〜260が好ましく、150〜200がより好まし
い。前記スノー・トラクション・インデックス(ST
I)が、150未満であると前記SNOW性能、前記I
CE性能が十分でなく、一方、150以上であればその
ようなことはなく、前記SNOW性能、前記ICE性
能、前記WET性能及び前記DRY性能がバランス良く
発揮され、なお、260を超えると、前記トレッド部の
剛性が低下し、前記DRY性能、前記WET性能が低下
することがある。
【0009】なお、前記スノー・トラクション・インデ
ックス(STI)は、下記式により算出することができ
る。 STI=−6.8+2202ρg+672ρs+7.6
Dg ただし、前記式において、ρg=(ラテラル方向に投影
した全溝長さ)/(接地幅×周長)(1/mm)、ρs
=(ラテラル方向に投影した全サイプ長さ)/(接地幅
×周長)(1/mm)、Dg=平均溝深さ(mm)、を
それぞれ表す。
【0010】前記トレッドパターンとしては、前記スノ
ー・トラクション・インデックス(STI)が150以
上である限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択す
ることができる。例えば、前記トレッド部の表面には、
複数本の周方向溝及びこの周方向溝と交差する複数本の
横溝とによって複数のブロックが形成されていてもよ
く、該ブロックには、氷上でのブレーキ性能及びトラク
ション性能を向上させるために、タイヤの幅方向に沿っ
て延びるサイプが形成されていてもよい。また、前記ト
レッド部は、直接路面に接地する上層のキャップ部と、
このキャップ部のタイヤの内側に隣接して配置される下
層のベース部とから構成されたキャップ・ベース構造を
有していてもよい。
【0011】前記トレッド部は、ゴム成分100重量部
に対し短繊維を0.5〜10重量部少なくとも含有して
なり、目的に応じて適宜選択したその他の成分を含有し
てなる。
【0012】−−ゴム成分−− 前記ゴム成分としては、特に制限はなく、目的に応じて
適宜選択することができ、例えば、天然ゴム、合成ゴム
などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよ
いし、2種以上を併用してもよい。前記合成ゴムとして
は、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて
適宜選択することができ、例えば、ジエン系合成ゴムが
好適に挙げられる。
【0013】前記ジエン系合成ゴムとしては、例えば、
スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ポリイソプ
レン(IR)、ポリブタジエン(BR)などが挙げられ
る。これらのジエン系合成ゴムの中でも、ガラス転移温
度が低く、前記SNOW性能、前記ICE性能の点で、
シス−1,4−ポリブタジエンが好ましく、シス含有率
が90%以上のものが特に好ましい。なお、前記ゴム成
分のガラス転移温度としては、−60℃以下が好まし
い。前記ガラス転移温度が−60℃を超えると、該トレ
ッド部が低温域においても十分なゴム弾性を維持し、良
好な前記SNOW性能、前記ICE性能を示す点で有利
である。
【0014】本発明においては、前記ゴム成分が、天然
ゴム(NR)、スチレン−ブタジエン共重合体(SB
R)及びポリブタジエン(BR)から選択した少なくと
も1種を含むのが好ましく、前記ゴム成分がスチレン−
ブタジエン共重合体(SBR)60〜90重量%及びポ
リブタジエン(BR)10〜40重量%含むのがより好
ましい。
【0015】−−短繊維−− 前記短繊維の平均長さ(L)としては、10mm以下が
好ましく、0.5〜10mmがより好ましく、1〜5m
mが特に好ましい。前記平均長さ(L)が10mmを超
えると、ゴム混練り時の分散不良や、押出時の配向乱れ
が発生し、前記トレッド部の剛性が十分に向上せず、前
記WET性能及び前記DRY性能の向上効果が十分でな
いことがあり、一方、10mm以下であればそのような
ことはないが、0.5mm未満であると、機械的な切断
が困難になり、前記短繊維の生産性が非常に悪化し、ま
た、前記短繊維を配合した効果が十分に得られない傾向
がある。前記短繊維の平均長さ(L)は、例えば、光学
顕微鏡等により測定できる。
【0016】前記短繊維の平均径(D)としては、0.
01〜0.1mmが好ましく、0.01〜0.05mm
がより好ましい。前記平均径(D)が、0.01mm未
満であると、前記短繊維の製造時に糸切れが多く発生
し、また、前記短繊維を配合した効果が十分に得られな
い傾向があり、前記トレッド部の剛性が十分に向上せ
ず、前記WET性能及び前記DRY性能の向上効果が十
分でないことがあり、0.1mmを超えると、前記短繊
維の平均径(直径)が大きくなり過ぎ、ゴム混練り時の
分散不良や、押出時の配向乱れが発生することがあり、
前記トレッド部の剛性が十分に向上せず、前記WET性
能及び前記DRY性能の向上効果が十分でないことがあ
る。一方、前記平均径(D)が0.01〜0.1mmで
あるとそのようなことはなく、前記トレッド部の剛性を
十分に向上させることができ、前記SNOW性能、前記
ICE性能、前記WET性能及び前記DRY性能を高度
にバランス良く発揮させることが可能となる点で好まし
い。なお、前記短繊維の平均径(D)は、光学顕微鏡を
用いて測定することができる。
【0017】前記短繊維としては、有機短繊維及び無機
短繊維が挙げられる。前記無機短繊維は、無機材料で形
成されたものであり、例えば、炭素繊維、グラスファイ
バー、スチールファイバー、などが挙げられる。
【0018】前記有機短繊維は、合成樹脂で形成された
ものであり、結晶性高分子系短繊維、非結晶性高分子系
短繊維、などが挙げられる。
【0019】前記結晶性高分子系短繊維としては、例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン等の
ポリオレフィン短繊維、ナイロン6、ナイロン66、ナ
イロン6−ナイロン66共重合体、ナイロン610、ナ
イロン612、ナイロン46、ナイロン11、ナイロン
12、ナイロンMXD6、脂肪族ジアミンと芳香族ジカ
ルボン酸との重縮合体等の脂肪族ポリアミド短繊維、ケ
ブラー等の芳香族ポリアミド短繊維/アラミド短繊維、
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ート、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシ
ネート、芳香族ポリエステル等のポリエステル短繊維、
ビニロン等のポリビニルアルコール短繊維、シンジオタ
クティック−1,2−ポリブタジエン(SPB)短繊
維、ポリエーテル短繊維、ポリウレア短繊維、ポリウレ
タン短繊維、ポリエチレンスルフィド短繊維、ポリ塩化
ビニル短繊維、などが挙げられる。これらは、1種単独
で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0020】前記非結晶性高分子系短繊維としては、例
えば、ポリメチルメタクリレート短繊維、アクリロニト
リルブタジエンスチレン共重合体短繊維、ポリスチレン
短繊維、ポリアクリロニトリル短繊維、などが挙げられ
る。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上
を併用してもよい。
【0021】前記短繊維が前記有機短繊維である場合、
該有機短繊維を構成する樹脂の分子量としては、該樹脂
の化学組成、分子鎖の分岐の状態等によって異なり一概
に規定することはできないが、前記ゴム成分の加硫最高
温度における粘度(流動粘度)よりも該樹脂の粘度(溶
融粘度)が高くならないような範囲で選択するのが好ま
しい。
【0022】前記短繊維の中でも、熱溶融性乃至熱軟化
性である有機短繊維が好ましく、前記結晶性高分子系短
繊維がより好ましく、ポリエチレン短繊維、ポリプロピ
レン短繊維、芳香族ポリアミド短繊維、脂肪族ポリアミ
ド短繊維、ポリエステル短繊維及びポリビニルアルコー
ル短繊維から選択される少なくとも1種が特に好まし
い。
【0023】前記短繊維が熱溶融性乃至熱軟化性である
場合、該短繊維の融点乃至軟化点としては、前記ゴム成
分の加硫最高温度よりも、10℃以上低いのが好まし
く、20℃以上低いのがより好ましく、具体的には、1
00〜190℃が好ましく、135〜180℃がより好
ましい。前記融点が低いという観点からは、前記ポリエ
チレン短繊維(135℃)、ポリプロピレン短繊維(1
70℃)が好ましい。
【0024】なお、前記融点乃至熱軟化点は、それ自体
公知の融点測定装置等を用いて測定することができ、例
えば、DSC測定装置を用いて測定した融解ピーク温度
を前記融点乃至熱軟化点とすることができる。
【0025】前記短繊維の前記トレッド部における含有
量としては、前記ゴム成分100重量部に対し、0.5
〜10重量部である必要があり、1〜8重量部が好まし
く、1.5〜5.0重量部がより好ましい。前記短繊維
の含有量が、0.5重量部未満であると、該短繊維を配
合した効果が十分に得られず、前記トレッド部の剛性が
十分に向上せず、前記WET性能及び前記DRY性能の
向上効果が得られないことがあり、10重量部を超える
と、ゴム混練り時の分散性に劣り、押出が困難になるた
め、いずれも好ましくない。
【0026】前記短繊維としては、適宜製造したものを
使用してもよいし、市販品を使用してもよい。前者の場
合、前記短繊維の製造方法としては、特に制限はなく、
目的に応じて公知の紡糸法の中から適宜選択することが
できるが、前記短繊維が前記有機短繊維である場合に
は、例えば、溶液紡糸法、ゲル紡糸法、溶融紡糸法など
が好適に挙げられる。
【0027】これらの紡糸法の場合、所定の加熱温度の
下、有機溶媒に前記有機短繊維を構成する樹脂を溶解乃
至分散させて得た紡糸原液を紡糸ノズルから押し出して
なる糸状体を急冷し、脱溶媒等を行って紡糸することに
より前記有機短繊維を製造することができる。
【0028】前記加熱温度(前記有機短繊維の製造工程
における温度)としては、40〜180℃が好ましく、
40〜150℃がより好ましく、40〜130℃が特に
好ましい。なお、前記有機短繊維がポリエチレン短繊維
である場合、前記加熱温度としては100〜150℃が
好ましい。
【0029】前記有機溶媒としては、前記樹脂の種類に
応じて適宜選択することができ、例えば、デカリン、ア
セトン、ベンゼンなどが挙げられる。これらの有機溶媒
は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用して
もよい。
【0030】前記紡糸原液は、前記樹脂を前記有機溶媒
に溶解乃至分散させることにより得られる。前記溶解及
び前記分散は、公知の機器、装置、例えば攪拌装置等を
用いて行うことができる。前記溶解乃至分散を行う時
間、具体的には攪拌等を行う時間としては、前記紡糸原
液における各成分の種類や量、攪拌速度、フィン形状、
攪拌装置の内壁材質等に応じて異なり一概に規定するこ
とはできないが、5〜60分間程度が好ましい。
【0031】なお、前記溶融紡糸法又は前記ゲル紡糸法
による場合には、前記紡糸原液は、前記紡糸ノズルから
水等の液体中に(湿式)、あるいは空気中に(乾式)等
に押し出され、糸状体の形態に紡糸(成形)され、紡糸
された糸状体は、例えば巻き取り機等を用いて巻き取ら
れる。
【0032】前記紡糸ノズルとしては、特に制限はな
く、目的に応じて適宜選択することができるが、該紡糸
ノズルの吹出口の直径としては、例えば、0.05〜1
mmが好ましく、0.1〜0.8mmがより好ましい。
なお、前記紡糸ノズルは、通常、紡糸装置や押出装置に
おける紡糸原液の吹出口に装着される。前記紡糸装置と
しては、特に制限はなく、公知の紡糸装置やスクリュー
型押出装置等の押出装置の中から適宜選択することがで
きる。
【0033】以上により得られた前記糸状体は、急冷さ
れて固化される。この急冷速度としては、特に制限はな
く、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、
水中で急冷する場合には、前記糸状体は瞬間的に冷却さ
れる。前記冷却中又は冷却後に前記糸状体は脱溶媒され
る。前記脱溶媒の方法としては、特に制限はなく、目的
に応じて適宜選択することができるが、例えば、メタノ
ール浴を用いる方法、熱風筒を用いる方法などが好適に
挙げられる。
【0034】前記脱溶媒の前後いずれかに前記糸状体を
延伸するのが好ましいが、前記脱溶媒の前に前記糸状体
を延伸するのが、該糸状体の延伸倍率を上げられる点で
好ましい。前記延伸の際の温度としては、40〜180
℃の加熱下であるのが好ましく、40〜150℃の加熱
下であるのがより好ましい。なお、前記延伸を行う装置
としては、特に制限はなく、公知の延伸装置の中から適
宜選択することができる。
【0035】こうして得られた有機短繊維は、通常、長
繊維であるため、適宜選択した切断具を用いて所望の長
さに切断することにより短繊維化することができる。
【0036】−−その他の成分−− 前記その他の成分としては、例えば、カーボンブラッ
ク、シリカ等の補強性充填材、硫黄等の加硫剤、ジベン
ゾチアジルジスルフィド等の加硫促進剤、亜鉛華等の加
硫助剤、シランカップリング剤、N−シクロヘキシル−
2−ベンゾチアジル−スルフェンアミド、N−オキシジ
エチレン−ベンゾチアジル−スルフェンアミド等の老化
防止剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、オゾン劣化防止剤、
着色剤、帯電防止剤、分散剤、ワックス等の滑剤、酸化
防止剤、軟化剤、アルミナ、水酸化アルミニウム、タル
ク、クレー等の無機充填材等の添加剤等の他、通常ゴム
業界で用いる各種配合剤などが挙げられる。前記その他
の成分としては、本発明の効果を害しない範囲で、目的
に応じて適宜選択することができ、市販品を好適に使用
することができる。
【0037】−−トレッド部のゴム組成物の調製−− 前記トレッド部のゴム組成物は、以上の各成分を配合
し、適宜選択した条件、手法にて混練り、熱入れ、押出
等することにより得られる。
【0038】前記混練りは、混練り装置への投入体積、
ローターの回転速度、ラム圧等、混練り温度、混練り時
間、混練り装置等の諸条件について特に制限はなく、目
的に応じて適宜選択することができる。前記混練り装置
としては、市販品を好適に使用することができる。
【0039】前記熱入れ又は押出は、熱入れ又は押出時
間、熱入れ又は押出装置等の諸条件について特に制限は
なく、目的に応じて適宜選択することができる。前記熱
入れ又は押出装置としては、市販品を好適に使用するこ
とができる。
【0040】前記トレッド部においては、前記押出等に
より前記短繊維をタイヤ周方向に容易にかつ十分に配向
させるのが好ましい。この場合、該空気入りタイヤの走
行方向の排水性を高めることができ、前記ICE性能及
び前記SNOW性能を向上させることができる点で有利
である。前記トレッド部において前記短繊維をタイヤ周
方向に配向させる場合、該トレッド部のゴム組成物中
に、アロマ系オイル、ナフテン系オイル、パラフィン系
オイル、エステル系オイル等の可塑剤等を適宜添加する
ことができる。
【0041】なお、前記短繊維の配向を揃える方法とし
ては、例えば、該短繊維を含む前記ゴム成分を、流路断
面積が出口に向かって減少する押出機の口金から押し出
す、などの方法が挙げられる。
【0042】−他の構成− 本発明の空気入りタイヤにおける前記トレッド部以外の
他の構成としては、特に制限はなく、目的に応じて公知
のものの中から適宜選択することができ、例えば、一対
のビード部、該一対のビード部にトロイド状をなして連
なるカーカス、該カーカスのクラウン部をたが締めする
ベルト、などが挙げられる。前記空気入りタイヤは、ラ
ジアル構造であってもよいし、バイアス構造であっても
よい。
【0043】前記空気入りタイヤの製造方法としては、
特に制限はないが、例えば、以下のようにして製造する
ことができる。即ち、まず、前記トレッド部のゴム組成
物を調製する。このゴム組成物においては、前記短繊維
を一方向に配向させておく。該ゴム組成物を、生タイヤ
ケースのクラウン部に予め貼り付けられた未加硫のベー
ス部の上に貼り付ける。このとき、前記短繊維の配向の
方向を、タイヤの周方向と一致させておく。そして、所
定のモールドで所定温度、所定圧力の下で加硫成形する
と、空気入りタイヤが製造される。
【0044】本発明の空気入りタイヤにおいては、スノ
ー・トラクション・インデックス(STI)が150以
上であるトレッドパターンが形成されたトレッド部を少
なくとも有してなる。このため、該トレッド部において
は、エッヂ成分に富み、前記SNOW性能及び前記IC
E性能に優れる。また、該トレッド部は、ゴム成分10
0重量部に対し短繊維を0.5〜10重量部少なくとも
含有してなる。このため、エッヂ成分に富むことにより
剛性が低下する傾向にあるトレッド部におけるブロック
剛性を向上させることができ、該トレッド部において
は、前記WET性能及び前記DRY性能が向上される。
その結果、本発明の空気入りタイヤの場合、乾燥路面、
雨天路面、氷路面、雪路面等の如何にかかわらず安定に
性能が発揮され、前記ICE性能、前記SNOW性能、
前記WET性能及び前記DRY性能を高度にかつ同時に
発揮され得る。
【0045】本発明の空気入りタイヤは、いわゆる乗用
車用のみならず、トラック・バス用等の各種の乗物に好
適に適用できる。
【0046】
【実施例】以下に、本発明の空気入りタイヤの実施例に
ついて説明するが、本発明は、これの実施例に何ら限定
されるものではない。
【0047】(実施例1〜4及び比較例1〜3)表1に
示す組成のトレッド部用の各ゴム組成物を製造した。得
られた各ゴム組成物を用いて空気入りタイヤのトレッド
部を形成し、加硫条件を170℃、12分として各試験
用の空気入りタイヤを製造した。このタイヤは、乗用車
用ラジアルタイヤであり、そのタイヤサイズは195/
65R15であり、その構造は、一対のビード部と、該
一対のビード部にトロイド状をなして連なるカーカス
と、該カーカスのクラウン部をたが締めするベルトと、
トレッド部とを順次配置したラジアル構造である。
【0048】得られた各試験用の空気入りタイヤについ
て、前記SNOW性能、前記ICE性能、前記WET性
能、及び前記DRY性能について評価した。その結果を
表2に示した。
【0049】<SNOW性能>各試験用の空気入りタイ
ヤを、国産1600CCクラスの乗用車に装着し、該乗
用車を、一般アスファルト路上に200km走行させた
後、雪上平坦路を走行させ、時速40km/hの時点で
ブレーキを踏んでタイヤをロックさせ、停止するまでの
距離を測定した。結果は、距離の逆数を比較例1のタイ
ヤを100として指数表示した。また、雪上平坦路を0
〜100m走行させた時の加速時間を測定した。結果
は、比較例1のタイヤを100として指数表示した。こ
れらの結果の平均値をSNOW性能とした。なお、この
数値が大きいほど前記SNOW性能が良いことを示す。
【0050】<ICE性能>各試験用の空気入りタイヤ
を、国産1600CCクラスの乗用車に装着し、該乗用
車を、一般アスファルト路上に200km走行させた
後、氷上平坦路を走行させ、時速20km/hの時点で
ブレーキを踏んでタイヤをロックさせ、停止するまでの
距離を測定した。結果は、距離の逆数を比較例1のタイ
ヤを100として指数表示した。なお、数値が大きいほ
ど前記ICE性能が良いことを示す。
【0051】<WET性能>各試験用の空気入りタイヤ
を、国産1600CCクラスの乗用車に装着し、該乗用
車を、一般アスファルト路上に200km走行させた
後、雨天平坦路を走行させ、テストドライバーが、駆動
性、制動性、直進安定性、コントロール性を総合評価し
た。結果は、比較例1のタイヤを100として指数表示
した。なお、数値が大きいほど前記WET性能が良いこ
とを示す。
【0052】<DRY性能>各試験用の空気入りタイヤ
を、国産1600CCクラスの乗用車に装着し、該乗用
車を、一般アスファルト路上に200km走行させた
後、乾燥平坦路を走行させ、テストドライバーが、駆動
性、制動性、直進安定性、コントロール性を総合評価し
た。結果は、比較例1のタイヤを100として指数表示
した。なお、数値が大きいほど前記WET性能が良いこ
とを示す。
【0053】
【表1】
【0054】表1において、数値は「重量部」を表す。
「SBR1712(JSR)」は、スチレン・ブタジエ
ンゴム(ジェイ・エス・アール(株)製、1712)を
意味する。「BR」は、シス−1,4−ポリブタジエン
(ジェイ・エス・アール(株)製、BR01)を意味す
る。「C/B N220」は、カーボンブラック(旭カ
ーボン(株)製、カーボンN220)を意味し、「シリ
カ」は、日本シリカ工業(株)製、ニプシル−VN3を
意味する。「カップリング剤」は、シランカップリング
剤(デグッサ社製、Si69)を意味する。「老防6
C」は、老化防止剤(大内新興化学工業(株)製、ノク
ラック6C)を意味する。「促進剤DPG」は、加硫促
進剤(大内新興化学工業(株)製、ノクセラーD)を意
味する。「促進剤DM」は、加硫促進剤(大内新興化学
工業(株)製、ノクセラーDM)を意味する。「Sul
fur」は、粉末硫黄を意味する。「ポリエチレン繊
維」は、平均径が0.02〜0.03mmであり、「ポ
リプロピレン繊維」は、平均径が0.02〜0.03m
mである。
【0055】
【表2】
【0056】
【発明の効果】本発明によると、乾燥路面、雨天路面、
氷路面、雪路面等の如何にかかわらず安定な性能を発揮
し、優れたICE性能、SNOW性能を維持しつつ、W
ET性能、DRY性能を向上させた空気入りタイヤを提
供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 AC011 AC021 AC031 AC061 AC081 BB032 BB122 BB172 BC032 BC062 BD052 BE022 BE062 BG062 BG102 BL002 CC162 CF032 CF042 CF062 CF072 CH002 CL012 CL032 CL062 CN012 DA016 DA066 DL006 FA042 FA046 GN01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スノー・トラクション・インデックス
    (STI)が150以上であるトレッドパターンが形成
    されたトレッド部を少なくとも有してなり、該トレッド
    部が、ゴム成分100重量部に対し短繊維を0.5〜1
    0重量部少なくとも含有してなることを特徴とする空気
    入りタイヤ。
  2. 【請求項2】 短繊維の平均径が0.01〜0.1mm
    である請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 【請求項3】 短繊維の平均長さが0.5〜10mmで
    ある請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 【請求項4】 短繊維が熱溶融性乃至熱軟化性である請
    求項1から3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 【請求項5】 短繊維の融点乃至軟化点が100〜19
    0℃である請求項4に記載の空気入りタイヤ。
  6. 【請求項6】 短繊維が、ポリエチレン短繊維、ポリプ
    ロピレン短繊維、脂肪族ポリアミド短繊維、芳香族ポリ
    アミド短繊維、ポリエステル短繊維及びポリビニルアル
    コール短繊維から選択された少なくとも1種である請求
    項1から5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  7. 【請求項7】 短繊維がタイヤ周方向に配向された請求
    項1から6のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100582005B1 (ko) 2005-06-03 2006-05-22 한국타이어 주식회사 스터드리스 타이어의 트레드용 고무 조성물
KR100696288B1 (ko) 2005-06-03 2007-03-19 금호타이어 주식회사 내마모성이 개선된 트럭 및 버스 타이어용 림 플랜지 고무조성물
JP2008308010A (ja) * 2007-06-14 2008-12-25 Sumitomo Rubber Ind Ltd スタッドレスタイヤ
JP2013189131A (ja) * 2012-03-14 2013-09-26 Yokohama Rubber Co Ltd:The 空気入りタイヤ

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