JP3602317B2 - 動圧型多孔質含油軸受ユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、動圧型の多孔質含油軸受をハウジングに固定してユニット化した動圧型多孔質含油軸受ユニットに関する。この軸受ユニットは、磁気ディスク装置(HDD、FDD等)、光ディスク装置(CD−ROM、DVD−ROM/RAM等)、光磁気ディスク装置(MD、MO等)などの情報記憶装置や、情報処理装置(レーザビームプリンタ等)のスピンドルモータを初めとして、高回転精度が要求される機器の支持装置として好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
上記各種情報機器のスピンドルモータには、高回転精度の他、高速化、低コスト化、低騒音化などが求められている。これらの要求性能を決定付ける構成要素の一つに当該モータのスピンドルを支持する軸受があり、従来では、当該軸受としてボールベアリングか焼結含油軸受が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ボールベアリングを用いた場合には、以下の不具合がある。
【0004】
▲1▼この種のスピンドル用モータは8000〜10000rpm程度、特にレーザビームプリンタでは数万rpmの高速で使用される場合が多い。ボールベアリングには特有のレース音(ボールが軌道輪を転がる音)や、保持器の自励振動による騒音発生があり、高速で使用すると騒音レベルが大きく、低騒音化は限界にきている。
【0005】
▲2▼ボールベアリングは、外輪、内輪、ボール、保持器、シール、グリース等の多くの構成部品からなるため、低コスト化には限界がある。
【0006】
一方、焼結含油軸受の場合は、性能的には低騒音であること、部品点数が少なく管理しやすいこと、などの点ではボールベアリングより優れているが、次のような欠点がある。
【0007】
▲1▼CD−ROMやDVD−ROM等のスピンドルモータでは、ディスクのアンバランス荷重により、軸受に振れ回り荷重が加わる。回転数が高く、振れ回りが大きい場合には、回転に伴って荷重負荷域が周方向に移動するため、油膜がこれに追従することができない。また、焼結含油軸受では、回転に伴って空気も巻き込まれるが、高速回転下ではこの巻き込み量が多くなり、油膜形成を阻害する。油膜形成が不十分である場合には、金属接触が発生して摩耗が進行し、この摩耗によって振れ回りが大きくなるため、さらに油膜の形成が困難になるという悪循環に陥る。従って、耐久性の点で問題がある。
【0008】
▲2▼HDD、LBP等のスピンドルモータのように、アンバランス荷重が小さく、スピンドルの軸姿勢が縦軸で使われることが多い場合には軸の偏心が小さくなる。焼結含油軸受は真円軸受の一種であるから、このような条件下では、ホワールなどの不安定振動が発生しやすく、高回転精度を達成することができない。
【0009】
そこで、本発明はボールベアリングや焼結含油軸受が抱える前記問題点を解決することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するものとして、本発明にかかる動圧型多孔質含油軸受ユニットは、回転軸の外径面と軸受隙間を介して対向する軸受面を有する、銅あるいは鉄、または両者を主成分とする焼結金属製の軸受本体に、潤滑油あるいは潤滑グリースを含浸させた多孔質含油軸受を、ハウジングの内径面に固定したものであって、複数の軸受面を軸方向に離隔させて設け、軸受本体の各軸受面に動圧溝を軸方向に対して傾斜させて設け、各軸受面を圧縮成形することにより、軸受面表面の開孔部を均一に分布させると共に、その表面層の密度を内部よりも大きくし、軸受本体の軸受面を含む部分の表面層の密度を、軸受面間の領域を含む部分の表面層の密度よりも大きくし、動圧溝で軸受隙間に油の動圧油膜を形成して回転軸を非接触支持すると共に、軸受面の開孔部を介して油を軸受本体の内部と軸受隙間との間で循環させるようにし、動圧溝の、油を軸方向中央側に押し込む力によって集められた油を軸受隙間から軸受本体内部に還流させるようにしたものである。
【0011】
多孔質含油軸受では、回転軸の回転に伴って軸受本体の内部の潤滑剤(潤滑油または潤滑グリース)が軸受本体の内周面(内径チャンファ部も含む)からにじみ出し、軸受隙間に引き込まれる。軸受隙間に引き込まれた油は潤滑油膜を形成して回転軸を非接触支持する。この際、軸受面に、軸方向に傾斜した複数の動圧溝(例えばへリングボーン型やスパイラル型とする)を設けると、その動圧作用によってさらに軸受本体内部の潤滑剤を軸受隙間に引き込むと共に、軸受面に潤滑剤を押し込み続けるので、油膜力が高まり、軸受の剛性を向上させることができる。また、ホワールなどの不安定振動の発生を防止することもできる。
【0012】
軸受隙間に正圧が発生すると、軸受面の表面に孔(開孔部:多孔質体組織の細孔が外表面に開口した部分をいう)があるため、潤滑剤は軸受本体の内部に還流するが、次々と新たな潤滑剤が押し込まれ続けるので油膜力および剛性は高い状態で維持される。したがって高回転精度が達成され、軸振れやNRRO(非繰り返し精度)、ジッタ等が低減される。また、軸と軸受本体が非接触で回転するために低騒音であり、しかも低コストである。さらに、油膜内に気泡が発生したり巻き込まれた場合でも、油が循環しているために気泡が軸受本体の内部に吸収され、軸受機能が不安定化することもない。
【0013】
多孔質含油軸受としては、銅または鉄、あるいは両者を主成分とする焼結含油軸受が適している。このような焼結含油軸受であれば、製作が容易で低コストに供給することができる。
ハウジングに2個の多孔質含油軸受を収納する場合、2個の軸受の同軸度、円筒度などの精度が問題となる。精度が悪い場合、軸と軸受が線接触したり、最悪の場合には軸が2個の軸受を貫通しない場合も起こり得る。
【0014】
この場合には、軸受本体の軸受面間の領域の内径寸法を軸受面の内径寸法よりも大きくするとよい。この軸受は、軸受本体を1個とし、その内径面の複数箇所に動圧軸受面を設けたものであるから、複数個の軸受を別体に配置したことに起因する精度不良等の上記弊害を回避することが可能となる。
【0015】
軸受面間の領域が軸受面と同径のストレート面であると、油の粘性抵抗によってトルク上昇を招きかねないが、当該領域の内径寸法を軸受面の内径寸法よりも大きく設定しておけば、トルク上昇を確実に回避することができる。
【0016】
なお、必ずしも複数の軸受面の全てに前記動圧溝を形成する必要はなく、使用条件等によっては少なくとも一つの軸受面に動圧溝を形成することもできる。
多孔質含油軸受のハウジング内径面への固定は、多孔質含油軸受をハウジングの内径面に圧入することによって行うことができる。この圧入作業は、動圧溝のない通常の焼結含油軸受であれば、図9に示すように、軸受21に圧入ピン(22:矯正ピン)を挿入すると共に、軸受21の一端面を圧入治具23で加圧することにより行うことができる。すなわち、加圧に伴って収縮する軸受内径面を圧入ピン22に食いつかせ、軸受内径面を矯正しつつ軸受外径面をハウジング24の内径面に圧入するのである。
【0017】
しかし動圧溝を有する場合、この方法では軸受の内外径の同軸度の狂い(偏り、偏肉)などの影響により、圧入時の矯正によって動圧溝の一部がつぶれかねない。圧入ピン22を使用せずに圧入すれば動圧溝がつぶれるという不具合を回避できるが、その場合には、圧入時の軸受21の収縮度合いが軸受精度(軸受各部の偏肉、密度の違いなど)やハウジング24の形状(肉厚の変化など)に影響され、軸受面同士の円筒度や同軸度などが狂うおそれがある。
【0018】
これを解決するには、軸受本体の外径面のうち軸受面間の領域に対応した外径部と、これに対向するハウジングの内径面との間に圧入締め代を形成すると共に、軸受本体の外径面のうち軸受面に対応した外径部と、これに対向するハウジング内径面との間に前記圧入締め代よりも小さい締め代もしくは隙間を形成すればよい。この構成であれば、圧入という低コストの組立方法を採用しつつも、圧入の前後で軸受面の寸法や精度が変化することがないので、低コスト化と軸受面精度の確保を同時に達成することができる。
【0019】
また、多孔質含油軸受をハウジングの内径面に接着して固定しても同様の効果が得られる。このように接着する場合は、接着剤成分を含む油の軸受内部への侵入等が懸念されるが、これらを防止するには、軸受本体の外径面のうちハウジングの内径面に接着される部分の表面開孔率を12%以下、望ましくは8%以下にし、塗付した接着剤の軸受内部への侵入を防止すればよい。また、接着剤としては、嫌気性接着剤あるいは紫外線硬化型接着剤、またはその双方の性質を有する接着剤を用いるのがよい。
【0020】
軸受本体の軸受面の表面開孔率を、前記軸受面間の領域の表面開孔率よりも小さくすれば、軸受面の剛性を高めると共に、油膜強度を向上させることができる。また、軸受面間領域での油含有量を増加させて耐久性の向上を図ることができる。
【0021】
軸受本体の外径面とハウジングの内径面との間には、軸受本体の軸方向の両端部に開口する通気路を設けておくのが望ましい。
【0022】
軸受本体の一方の端面に組立方向を識別するための識別マークを形成しておけば、多孔質含油軸受をハウジングに固定する際の方向が容易に判別可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図1乃至図8に基いて説明する。
【0024】
図1に示すように、本発明にかかる動圧型多孔質含油軸受ユニットは、多孔質含油軸受1をハウジング2の内径面2aに固定することにより構成される。
【0025】
ハウジング2は、その内径面に小径部2a1と大径部2a2とを有する厚肉円筒状をなし、銅やアルミニウム等の軟質金属を切削加工等して成形される。
【0026】
図2に示すように、多孔質含油軸受1は、回転軸(3:図4および図5参照)の外径面と軸受隙間4を介して対向する軸受面1bを有する多孔質の軸受本体1aに、潤滑油あるいは潤滑グリースを含浸させて構成される。軸受本体1aは、粉末冶金、鋳鉄、合成樹脂、セラミックスなどを焼結または発泡成形等することにより、多数の細孔を有する厚肉円筒状の多孔質体として成形されたもので、例えば銅系あるいは鉄系、またはその双方を主成分とする焼結金属で形成される。
【0027】
潤滑油、あるいは潤滑グリースの基油としては、40℃での動粘度が5〜60cStに設定されたものを使用する。40℃での動粘度を60cStより大きくすると、高速での駆動に支障を来す。逆に5cStより小さくすると、動粘度が小さすぎて油が飛散しやすく、耐久性に問題を生じる。潤滑剤を潤滑グリースとすると、剪断力を受ける軸受隙間以外では見かけの粘度が油に比べて著しく大きくなり、周囲へ流出しにくくなる。しかし、油に混合分散させる増稠剤の量を5wt%より大きくすると見かけの粘度が高すぎて軸受本体に含浸しにくくなり、また含浸後に表面に付着した過剰なグリースの除去作業が煩雑なものとなる。一方、増稠剤量を0.5wt%より小さくすると、グリースとした効果が少なく、流出度合いが油を使用する場合と変わらなくなる。したがって、潤滑グリースの増稠剤濃度は0.5〜5.0wt%に設定されたものを使用する。潤滑油あるいは潤滑グリース基油の種類は特に限定されるものではないが、ポリαオレフィン系、エーテル系、あるいはエステル系合成油(ジエステル、ポリオールエステル系合成油)が適している。また、潤滑グリースの増稠剤としては、取り扱いが簡便で生産性に優れるリチウム系増稠剤が適している。
【0028】
軸受本体1aの内周には、軸方向に離隔する2つの軸受面1bが形成され、2つの軸受面1bの双方に、それぞれ軸方向に対して傾斜させた複数の動圧溝1c(へリングボーン型)が円周方向に配列形成される。この実施形態の軸受面1bは、一方に傾斜する動圧溝1cが配列された第1の溝領域m1と、第1の溝領域m1から軸方向に離隔し、他方に傾斜する動圧溝1cが配列された第2の溝領域m2と、2つの溝領域の間に位置する環状の平滑部nとを備え、2つの溝領域m1、m2の動圧溝1cは平滑部nで区画されて非連続になっている。平滑部nと動圧溝1c間の背の部分1eは同一レベルにある。
【0029】
この非連続型の動圧溝は、連続型、すなわち平滑部nを省略し、動圧溝1cを両溝領域m1、m2間で互いに連続するV字状に形成した場合に比べ、平滑部nに油が集められるために油膜圧力が高く、また溝のない平滑部nを有するので軸受剛性も高いという利点を有する。なお、特に支障がなければ連続型の動圧溝を採用しても構わない。
【0030】
一般にへリングボーン型の動圧溝では、連続型の方が軸受内に負圧を生じる部分がなく、したがって気泡が発生せず、油のシール性に優れるといわれているが、本発明のように軸受本体1aが多孔質体の場合には、油が軸受隙間と軸受内部との間で循環するため、気泡が発生しても軸受隙間に滞留せず、したがって、油が気泡によって軸受隙間4から押し出され、シール性を損なうという不具合は生じないと考えられる。
【0031】
平滑部nの軸受幅方向の比率Rは、個々の軸受面1bの軸方向幅を1とした場合、R=0.1〜0.6の範囲、望ましくは、R=0.2〜0.4の範囲に設定するのが良い。軸受面幅1に対して0.1未満では、平滑部nを設けたことによる効果(動圧の増加、軸受剛性の増加)が顕著に現れず、連続した溝の場合と変わらない。また、軸受け幅1に対してRを0.6より大きくすると、動圧溝が少なくなり、油を軸方向中央部に押し込む力が弱くなって動圧効果が有効に発揮されない。
【0032】
動圧溝1cの溝深さ(h:図4参照)と半径隙間cとの比、および軸受隙間(半径隙間:c)と回転軸3の半径rとの比には最適な範囲があり、この範囲外では充分な動圧効果が得られない。この最適範囲を明らかにすべく、CD−ROM実機モータおよびLBP実機モータを用いて軸振れを測定した結果、c/hが0.5〜4.0の範囲内、c/rが0.0005〜0.003の範囲内であれば、軸振れを実用上十分なレベルに抑えられることが判明した。したがって、高精度を維持するためには、c/h=0.5〜4.0に設定し、かつc/r=0.0005〜0.003に設定するのが望ましい。なお、図4では、半径隙間cや溝深さhは実際よりも誇張して描かれている。
【0033】
以上説明した動圧溝1cは、例えば圧縮成形により形成することができる。すなわち、コアロッド(例えばサイジングピン)の外周面に動圧溝1c形状に対応した凹凸形状の溝型を形成し、コアロッドの外周面に軸受本体1aの素材である多孔質材を供給し、多孔質材に圧迫力を加えてその内径部をコアロッドの溝型に加圧し、当該内径部に溝型の形状に対応した動圧溝1cを転写する。この時、背の部分1eを動圧溝1cと同時成形することができる。動圧溝の形成後は、圧迫力を除去することによる多孔質材のスプリングバックを利用してコアロッドを多孔質材の内径部から離型する。
【0034】
この時、動圧溝1cを転写するサイジングピンを精度良く仕上げておけば、軸受の精度も良くなる。サイジングピンの精度を必要とされる精度、例えば真円度1μm以内、円筒度2μm以内などに仕上げることはさほど難しくなく、容易に達成できる。
【0035】
なお、以上の動圧溝サイジングを行なう前に、多孔質材の内径部に回転サイジングを施し、当該内径面の開孔部の分布を予め均一化させておくのが望ましい。
【0036】
軸受本体1aにおける軸受面1b間の領域1dの内径寸法D1は、軸受面1bの内径寸法D2(厳密には、動圧溝1c間の背部分1eの領域の内径寸法)よりも大きく設定される。図面では、領域1dの軸方向断面は軸受面1bに連続した1つの円弧で描かれ、その円弧の最大径部は領域1dの軸方向中央部に位置している。但し、その断面形状は任意に選択することができ、円弧の他、楕円、放物線等の他の曲線や直線で描いてもよく、あるいはこれらの組み合わせとしてもよい。さらに領域1dの最大径部は、一方の軸受面1b側に偏在していてもよい。
【0037】
軸受本体1aの軸受面1bを含む部分の密度は、軸受面間の領域1dを含む部分の密度よりも大きくすると良い(ここでの「密度」は、軸受面や軸受面間領域から深さ0.1mmまでの表面層の密度をいう)。多孔質体の密度は単位体積当たりの細孔率に関係し、密度が大きいほど組織内における細孔の体積割合が小さくなり、同時に表面における表面開孔率が小さくなる。これにより、軸受面1bでの油膜強度を向上させると共に、軸受剛性を向上させることができ、同時に領域1dでの油含有量を増加させて耐久性の向上を図ることができる。具体的には、軸受面1bの表面密度を6.5〜7.2[g /cm3 ]、領域1dの表面密度を6.0〜6.6[g /cm3 ]の範囲内に設定し、軸受面1bでの表面開孔率を2〜30%、望ましくは2〜12%の範囲内に設定するのがよい。なお、表面開孔率の設定は、密度の設定により、あるいは表面処理(回転サイジング等による開孔率の調整)、さらには密度の設定と表面処理との併用により行なうことができる。
【0038】
軸受本体1aの外径面は、一方の軸受面1bに対応する外径面1b1が小径で、軸受面間の領域1dに対応する外径面1d1および他方の軸受面1bに対応する外径面1b2が大径になった段付き円筒状に形成される。図1に示すように、多孔質含油軸受1をハウジング2の内周に圧入すると、領域1dに対応した外径部1d1がハウジング内径面2aの小径部2a1に、一方の軸受面に対応した外径部1b1がハウジング内径面2aの小径部2a1に、他方の軸受面に対応した外径部1b1がハウジング内径面2aの大径部2a2にそれぞれ対向する。この時、領域1dに対応した外径部1d1とハウジング内径面2aの小径部2a1との間に圧入締め代を形成しておけば、両者の密着嵌合によって軸受1の固定力を確保することができる。領域1dは軸受面1bよりも大径に形成されており、軸の支持には直接関与しないので、当該1dに圧入力に見合う程度の変形が生じても軸受の精度には影響がない。一方、2つの軸受面1bに対応する外径面1b1、1b2とこれに対向するハウジング内径面2a1、2a2との間に、前記圧入締め代よりも小さい締め代(軸受精度に影響しない程度の締め代)もしくは半径方向の隙間を形成しておけば(本実施形態では半径方向の隙間9a、9bを設けた場合を例示する)、圧入力による軸受面1bの変形を防止しまたは緩和することができ、軸受精度の低下を防止することができる。
【0039】
実際に圧入前後で軸受面の寸法および精度変化を測定しても、内径寸法、真円度、円筒度、同軸度の何れについてもほとんど変化がなかった。具体的に、圧入の前後において、内径寸法はφ3.002、円筒度は2μm以下、同軸度(一方の軸受面に対する他方の軸受面の軸ずれ量を意味する)は2μm以下でそれぞれ変化がなく、また、真円度は圧入前に0.9μmであったものが圧入後に1.0μmに変化したにすぎなかった。
【0040】
図5は、上述の軸受ユニットをスピンドルモータ(図面はCD−ROM装置のスピンドルモータを示す)に組み込んだ状態を示している。多孔質含油軸受1の内径部に挿入されたシャフト3(回転軸)は、軸受隙間4に形成された動圧油膜によって非接触支持され、ロータ5とステータ6との間に生じる励磁力によって回転駆動される。シャフト3は、ハウジング2の一方の開口部に嵌め込んだスラスト板7によって接触支持されている。
【0041】
ところで、通常、シャフト3はハウジング2にスラスト板7を装着した状態で軸受1の内径部に挿入される。この挿入時には、空気は軸受1とシャフト3の間の軸受隙間4から逃げることになるが、軸受隙間4は数μm程度しかないため、空気がハウジング2の下方空間に閉じ込められ、シャフト3の挿入が難しくなる。また、モータを駆動すると発熱するが、この発熱によって閉じ込められた空気が膨張し、シャフト3を押し上げて軸受性能を不安定化させるおそれもある。
【0042】
この場合には、図1および5に示すように、軸受本体1aの外径面とハウジング2の内径面2aとの間に、軸受本体1aの軸方向両端に開口する通気路8を設ければよい。通気路8は、軸受本体1aの外径面に軸方向の溝1gを設けることによって形成することができるが、軸受本体1aの外径面とハウジング2の内径面2aとの間に隙間(例えば外径面1b1とハウジング内径面2a1との間の隙間9aや、外径面1b2とハウジング内径面2a2との間の隙間9b)があれば、当該隙間9a、9bと溝1gとで通気路8を構成してもよい。この時の溝1gは、軸受本体1aの外径面のうち、少なくともハウジング内径面2aへの圧入部分(本実施形態では、軸受面間の領域1dに対応する外径部1d1)に形成されていれば足りる。溝1gは、軸受本体1aの外径面の1箇所だけでなく、円周方向の複数箇所(図面では3箇所)に設けることもでき、また、ハウジング内径面2aに設けてもよい。
【0043】
多孔質含油軸受1は、ハウジング2の内径面2aに圧入する他、接着で固定してもよい。図6は、このような接着時に使用する接着装置の一例を示すもので、ハウジング2内に軸受1を挿入して治具11で位置決め保持し、図示しないディスペンサで軸受本体1aの外径面とハウジング内径面2aとの間に接着剤を注入するものである。この場合の軸受1やハウジング2としては、図1に示すものをそのまま使用することができる。ただし、軸受本体1aの外径面やハウジング2の内径面2aは、段部のないストレート面としてもよい。接着剤の注入は、通気路8を避けて行なわれる。注入した接着剤は毛細管現象で接合面に浸透して広がる。なお、接着は、軸受本体の外径面に付着した油をウェスなどで拭き取るか、あるいは遠心分離機などで除去した上で行なうのが望ましい。
【0044】
ところで、このように接着する場合は、軸受本体1a外径面のうち、ハウジング2の内径面2aとの接着部において接着剤成分と油とが混じり合うため、接着力が低下したり、あるいは接着剤成分を含む油が接合部から軸受内部に侵入し、さらにこれが軸受面に滲出して軸受機能上好ましくない影響を与えるおそれもある。
【0045】
これを回避するには、軸受本体1a外径面のうちハウジング2の内径面2aに接着される部分の表面開孔率を12%以下、望ましくは8%以下にするとよい。この程度の表面開孔率であれば、塗布した接着剤のほとんどが接合面に残り、軸受内部に侵入することがなくなる。したがって、接着力が落ちることはなく、また、潤滑に対して悪影響を及ぼすこともない。なお、表面開孔率は、前記動圧サイジング工程でのサイジング代を0.1mm以上とすれば実現することができる。
【0046】
接着剤としては、嫌気性接着剤や紫外線硬化型接着剤、あるいは双方の性質を有する接着剤が使用される。これらは、油面での接着力に優れており、軸受本体1aやハウジング2の素材としてよく使用される銅系材料に対する反応性もよい。また、固着スピードが速いため、軸受1やハウジング2を治具11で位置決め保持する時間を短くすることができる。さらには、何れも1液性で、例えばエポキシ接着剤のように2液を混合する必要がなく、作業性に優れる。特に紫外線硬化型接着剤の場合は、仮に軸受外径部のチャンファなどに接着剤が付着して残っても紫外線を照射することにより、そこで固めてしまうことができる。
【0047】
実際に図6に示す装置を用いて軸受1をハウジング2に接着固定し、抜去力や軸振れ等を計測する試験を行なった。但し、この試験では軸受本体1aの外径面のサイジング代を0.15mmとし、これにより軸受本体の外径面の表面開孔率を6〜10%に設定した。また、軸受(φ3×φ6×9)とハウジング2(C3602)との間の隙間は直径で20μmとし、接着剤として日本ロックタイト社製嫌気性接着剤603を使用した。接着剤1.0mgを注入した後、約30秒で軸受は固着し、約1分後に治具11から軸受ユニットを外したが、軸受1がずれるような不具合は生じなかった。
【0048】
接着後24hで抜去力を測定したところ、50kgf以上となった。通常、上記寸法程度の軸受に求められる抜去力は5〜10kgfであるから、十分にこの要求を満足できることが判明した。また、接着後の軸受ユニットをLBPモータに組み込み、機能評価試験を実施した。15000rpmで軸振れは2μm以下となり、非繰り返し回転精度(NRRO)も0.03μm以下であり、動圧軸受として満足できる性能を示した。また、連続運転試験でも3000hを経過しても性能の劣化はなく、十分実用に耐えるものであることが判明した。
【0049】
多孔質含油軸受1をハウジング2に圧入あるいは接着といった方法で固定する際には、所定の動圧を発生させるため、軸受1をハウジング2内で回転軸3の回転方向に合った向きに配置する必要がある。軸受1の向きを目視で判別するとすれば、見づらく固定時の作業性が悪化する。
【0050】
そこで、この場合には、図7および図8に示すように、軸受本体1aの一方の端面に、組立方向を識別するための識別マーク12を形成すればよい。図面は識別マーク12としてリング溝を形成した場合を例示するが、識別マーク12の形状は任意に選択することができる。識別マーク12の有無の判別は目視で行なう他、画像処理装置等を用いて機械的に行なうことも可能である。
【0051】
この識別マーク12は、例えば動圧サイジング時において多孔質材を軸方向両側からパンチで加圧する際に、一方のパンチ(例えば下パンチ)の加圧面にマーク形状に対応した型を予め形成しておくことにより成形することができる。
【0052】
以上の軸受ユニットは上述の各種スピンドルモータ等の他、軸流ファンや換気扇、扇風機などの電気製品、自動車用電装品など、各種のモータに広範囲に利用することができる。
【0053】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、
▲1▼ボールベアリングを使用した軸受ユニットに比べて、低騒音化および低コスト化を図ることができる。
【0054】
▲2▼動圧溝の動圧作用によって軸受剛性を高くすることができ、また、回転精度を向上させて軸振れ、NRRO、ジッタの低減を図ることできる。軸受面には良好な油膜が常時形成されるので、耐久寿命を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる軸受ユニットの軸方向断面図である。
【図2】上記軸受ユニットで使用する多孔質含油軸受の軸方向断面図である。
【図3】図2中のA矢視図である。
【図4】上記多孔質含油軸受の半径方向断面図である。
【図5】CD−ROM装置のスピンドルモータの軸方向断面図である。
【図6】接着装置の一例を示す軸方向断面図である。
【図7】軸受に識別マークを設けた動圧型多孔質含油軸受ユニットの軸方向断面図である。
【図8】図7中のB部分の拡大図である。
【図9】軸受の圧入方法を示す軸方向断面図である。
【符号の説明】
1 多孔質含油軸受
1a 軸受本体
1b 軸受面
1c 動圧溝
1d 軸受面間領域
2 ハウジング
2a ハウジング内径面
3 回転軸(シャフト)
4 軸受隙間
8 通気路
9a 隙間
9b 隙間
12 識別マーク
Claims (10)
- 回転軸の外径面と軸受隙間を介して対向する軸受面を有する、銅あるいは鉄、または両者を主成分とする焼結金属製の軸受本体に、潤滑油あるいは潤滑グリースを含浸させた多孔質含油軸受を、ハウジングの内径面に固定したものであって、
複数の軸受面を軸方向に離隔させて設け、軸受本体の各軸受面に動圧溝を軸方向に対して傾斜させて設け、各軸受面を圧縮成形することにより、軸受面表面の開孔部を均一に分布させると共に、その表面層の密度を内部よりも大きくし、軸受本体の軸受面を含む部分の表面層の密度を、軸受面間の領域を含む部分の表面層の密度よりも大きくし、動圧溝で軸受隙間に油の動圧油膜を形成して回転軸を非接触支持すると共に、軸受面の開孔部を介して油を軸受本体の内部と軸受隙間との間で循環させるようにし、動圧溝の、油を軸方向中央側に押し込む力によって集めた油を軸受隙間から軸受本体内部に還流させる動圧型多孔質含油軸受ユニット。 - 軸受本体の軸受面間の領域の内径寸法を軸受面の内径寸法よりも大きくした請求項1記載の動圧型多孔質含油軸受ユニット。
- 多孔質含油軸受をハウジングの内径面に圧入して固定した請求項1または2記載の動圧型多孔質含油軸受ユニット。
- 軸受本体の外径面のうち軸受面間の領域に対応した外径部と、これに対向するハウジングの内径面との間に圧入締め代を形成すると共に、軸受本体の外径面のうち軸受面に対応した外径部と、これに対向するハウジング内径面との間に前記圧入締め代よりも小さい締め代もしくは隙間を形成した請求項3記載の動圧型多孔質含油軸受ユニット。
- 多孔質含油軸受をハウジングの内径面に接着して固定した請求項1または2記載の動圧型多孔質含油軸受ユニット。
- 軸受本体の外径面のうちハウジングの内径面に接着される部分の表面開孔率を12%以下にした請求項5記載の動圧型多孔質含油軸受ユニット。
- 嫌気性接着剤あるいは紫外線硬化型接着剤、またはその双方の性質を有する接着剤を用いて多孔質含油軸受をハウジングの内径面に接着した請求項5または6記載の動圧型多孔質含油軸受ユニット。
- 軸受面の表面開孔率を、軸受面間の領域の表面開孔率よりも小さくした請求項2乃至7何れか記載の動圧型多孔質含油軸受ユニット。
- 軸受本体の外径面とハウジングの内径面との間に、軸受本体の軸方向の両端部に開口する通気路を設けた請求項1乃至8何れか記載の動圧型多孔質含油軸受ユニット。
- 軸受本体の一方の端面に組立方向を識別するための識別マークを形成した請求項1乃至9何れか記載の動圧型多孔質含油軸受ユニット。
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