JP3601491B2 - 画像処理装置、画像処理方法、記録媒体、およびプログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、階調画像データを各種ドットの形成有無によって表現された画像データに変換する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
印刷媒体や液晶画面といった表示媒体上に、ドットを形成することによって画像を表現する画像表示装置は、各種画像機器の出力装置として広く使用されている。かかる画像表示装置は、局所的にはドットを形成するか否かのいずれかの状態しか表現し得ないが、画像の階調値に応じてドットの形成密度を適切に制御することによって、多階調の画像を表現することが可能となっている。
【0003】
画像の階調値に応じて適切な密度でドットが形成されるように、各画素についてのドット形成の有無を判断するための手法としては、誤差拡散法と呼ばれる手法が広く使用されている。誤差拡散法は、着目画素にドットを形成したこと、あるいはドットを形成しなかったことによって生じる階調表現の誤差を、該着目画素周辺の未判断画素に拡散して記憶しておき、未判断画素についてのドット形成の有無を判断するにあたっては、周辺画素から拡散されてきた誤差を解消するようにドット形成有無を判断する手法である。誤差拡散法はこのように誤差を解消するようにドットの形成有無を判断するので、画像の階調値に応じた適切な密度でドットを形成することができ、画像表示装置で高画質の画像を表示することが可能となる。
【0004】
また近年では、個々のドットで表現される階調値を積極的に制御可能な画像表示装置も広く使用されている。例えば、大きさの異なる各種ドットを形成可能としたり、あるいはインクを用いてドットを形成する場合には濃度の異なるインクを使い分けるといったことにより、単ドットあたりに表現される階調値を制御することができる。これら画像表示装置では、個々のドットで表現される階調値を画像の階調値に応じて制御することで誤差の発生を抑制することができる。更には、誤差拡散法を用いてドット形成の有無を判断すれば、周辺画素から拡散されてきた誤差に応じて適切な階調値のドットを形成することで、誤差を速やかに解消することが可能である。このため、表現する階調値の異なる各種ドットを形成可能な画像表示装置におけるドット形成有無の判断に誤差拡散法を適用すれば、より一層、高画質の画像を表示することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、表現する階調値の異なる各種ドットを用いた場合、ドットの種類が多い分だけ処理が複雑となるので、画像データをドット形成有無による表現形式の画像データに迅速に変換することが困難になるという問題がある。
【0006】
この発明は、従来技術における上述の課題を解決するためになされたものであり、画質を維持したまま、画像データを各種ドットの形成有無による表現形式のデータに、迅速に変換する技術を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の画像処理装置は、次の構成を採用した。すなわち、
各画素の階調値を示す画像データを、単ドットあたりに表現可能な階調値の異なる各種ドットについてのドット形成密度に関する中間データに変換し、得られた該中間データに基づいて画素毎に該各種ドットの形成有無を判断することにより、該画像データを該各種ドットの形成有無によって表現されたドットデータに変換する画像処理装置であって、
前記画像データを、前記各種ドット中の第1のドットについてのドット形成密度と前記各種ドット中の第3のドットについてのドット形成密度との合計値に関する第1の中間データに変換する第1の中間データ変換手段と、
前記画像データを、前記各種ドット中の第2のドットについてのドット形成密度と前記第3のドットについてのドット形成密度との合計値に関する第2の中間データに変換する第2の中間データ変換手段と、
前記第1の中間データに基づいて、前記第1のドットの形成有無を画素毎に判断する第1のドット形成判断手段と、
前記第2の中間データに基づいて、前記第2のドットの形成有無を画素毎に判断する第2のドット形成判断手段と、
前記第1のドットと前記第2のドットとが共に形成される画素については、これらドットに代えて前記第3のドットを形成すると判断する第3のドット形成判断手段と
を備えることを要旨とする。
【0008】
また、上記の画像処理装置に対応する本発明の画像処理方法は、
各画素の階調値を示す画像データを、単ドットあたりに表現可能な階調値の異なる各種ドットについてのドット形成密度に関する中間データに変換し、得られた該中間データに基づいて画素毎に該各種ドットの形成有無を判断することにより、該画像データを該各種ドットの形成有無によって表現されたドットデータに変換する画像処理方法であって、
前記画像データを、前記各種ドット中の第1のドットについてのドット形成密度と前記各種ドット中の第3のドットについてのドット形成密度との合計値に関する第1の中間データに変換し、
前記画像データを、前記各種ドット中の第2のドットについてのドット形成密度と前記第3のドットについてのドット形成密度との合計値に関する第2の中間データに変換し、
前記第1の中間データに基づいて、前記第1のドットの形成有無を画素毎に判断し、
前記第2の中間データに基づいて、前記第2のドットの形成有無を画素毎に判断し、
前記第1のドットと前記第2のドットとが共に形成される画素については、これらドットに代えて前記第3のドットを形成すると判断して画像データを変換することを要旨とする。
【0009】
かかる画像処理装置および画像処理方法においては、画像データを第1の中間データと第2の中間データとに一旦変換し、該第1の中間データに基づいて第1のドットの形成有無を画素毎に判断し、該第2の中間データに基づいて第2のドットの形成有無を画素毎に判断する。次いで、該第1のドットと該第2のドットとが同じ画素に重ねて形成される画素については、それらドットに代えて第3のドットを形成すると判断する。該第1の中間データおよび第2の中間データは、このようにドットの一部が他のドットに置き換えられことを考慮して設定されている。
【0010】
このように簡便な方法を用いて第3のドットの形成有無を判断すれば、迅速な判断を行うことができる。その結果、画像データを各種ドットの形成有無による表現形式のデータに変換する処理全体も迅速に行うことが可能となる。
【0011】
かかる画像処理装置においては、誤差拡散法を用いて第1のドットの形成有無および第2のドットの形成有無を判断することとしても良い。誤差拡散法は、ドットの形成有無を判断したことによって生じる階調誤差を周辺画素に拡散し、拡散誤差を解消するようにドットの形成有無を判断するので、高画質の画像を得ることができるが、その一方で、階調誤差を拡散させるために処理に時間がかかる傾向がある。そこで、第1のドットの形成有無および第2のドットの形成有無の判断に誤差拡散法を適用することで画質の向上を図るとともに、第1のドットと第2のドットとが重ねて形成された画素にはこれらドットに代えて第3のドットを形成することとすれば、画質の向上と迅速な処理とを両立させることが可能となるので好適である。
【0012】
第1のドットの形成有無と第2のドットの形成有無とを誤差拡散法を適用して判断する画像処理装置においては、各種ドットの中でもっとも目立ち難いドットを第3のドットとしてもよい。
【0013】
第3のドットは、第1のドットと第2のドットとが偶然重ねて形成される画素に形成される。このように、第3のドットの形成には確率の要素が加わるために、誤差拡散法を適用してドットの形成有無を直接判断する第1のドットおよび第2のドットに比べれば、ドット形成の制御が困難となる。各種ドットの中でもっともドットの目立ち難いドットを第3のドットとすれば、ドットが最適な状態で形成されなくても、画質に与える影響を最小限に抑制することができるので好ましい。
【0014】
かかる画像処理装置は、画像データを、大きさの異なる各種ドットの形成有無による表現形式のドットデータに変換する装置であり、該各種ドットの中でもっとも大きいドットを第3のドットとしてもよい。
【0015】
各種ドットの中でもっとも大きなドットは、他のドットが高い密度で形成された上から形成され始めるドットである。このような状態で大きなドットを形成してもドットは目立ち難いことから、もっとも大きなドットは各種ドットの中ではもっとも目立ち難いドットであり、ドットが最適な状態で形成されなくても画質に与える影響を最小限に抑制可能なドットであると言える。従って、もっとも大きなドットを第3のドットとすれば、画質を悪化させることなく、画像データを迅速に変換することが可能となる。
【0016】
上述の画像処理装置においては、次のようにしてもよい。すなわち、ドットの形成有無を判断しようとしている画素が、前記第3のドットの形成に適さない画素か否かを、該画素の階調値に基づいて判断する。そして、該第3のドットの形成に適さない画素に、前記第1のドットあるいは前記第2のドットのいずれか一方のドットを形成すると判断されている場合には、該画素への他方のドットの形成を抑制することとしても良い。
【0017】
こうすれば、ドットの形成有無を判断しようとしている画素が第3のドットの形成に適さない画素である場合に、第1のドットと第2のドットとが重ねて形成され難くなる。その結果、該画素に第3のドットが発生することを抑制することが可能となり、画質を維持することができる。
【0018】
尚、第3のドットの形成に適さない画素に第1のドットあるいは第2のドットのいずれか一方のドットが形成される場合に、他方のドットの形成を抑制する代わりに次のようにしても良いのはもちろんである。すなわち、第1のドットあるいは第2のドットのいずれか一方が形成された場合には、他方のドットが形成され難くなるようにしておき、ドットの形成有無を判断している画素が第3のドットの形成に不適な画素でなければ、ドットの形成を促進するようにしてもよい。
【0019】
かかる画像処理装置においては、ドットの形成有無を判断しようとしている画素が第3のドットの形成に適さない画素である場合に、誤差拡散法においてドット形成有無の判断に使用する閾値を変更することによって、前記第2のドットあるいは前記第1のドットの形成を抑制してもよい。
【0020】
上述の画像処理装置においては、次のようにしてもよい。すなわち、ドットの形成有無を判断しようとしている画素が、前記第3のドットの形成に適さない画素か否かを、該画素の階調値に基づいて判断する。そして、該第3のドットの形成に適さない画素に、前記第1のドットあるいは前記第2のドットのいずれか一方のドットを形成すると判断されている場合には、該画素への他方のドットの形成を禁止しても良い。
【0021】
こうすれば、ドットの形成有無を判断しようとしている画素が第3のドットの形成に適さない画素である場合に、第1のドットと第2のドットとが重ねて形成されることがなくなる。その結果、該画素に第3のドットが発生することを回避することが可能となり、画質を維持することができる。
【0022】
上述した画像データが、各色の画像データを、大きさの異なる各種ドットについての形成有無によって表現されたドットデータに、各色毎に変換する画像データである場合には、本発明の画像データを、以下のような構成とすることもできる。すなわち、
各色毎に各画素の階調値を示す画像データを、単ドットあたりに表現可能な階調値の異なる各種ドットについてのドット形成密度に関する中間データに変換し、得られた該中間データに基づいて画素毎に該各種ドットの形成有無を判断することにより、該画像データを該各種ドットの形成有無によって表現されたドットデータに該各色毎に変換する画像処理装置であって、
前記各色の中から、前記ドットデータに従って画像を形成したときに、前記各色毎に表現可能な階調値の最も大きなドットの目立ち易さが許容範囲内にある予め選択された第1の色の画像データについて、前記ドットデータへの変換を各色毎に行う第1の画像データ変換部と、
前記各色の中から前記第1の色を除いた第2の色の画像データについて、前記ドットデータへの変換を各色毎に行う第2の画像データ変換部と
を備え、
前記第1の画像データ変換部は、
前記第1の色の画像データを、前記各種ドット中で表現する階調値が最も小さなドットたる第1のドットのドット形成密度と、前記各種ドット中で表現する階調値が最も大きなドットたる第3のドットのドット形成密度との合計値に関する第1の中間データに変換する第1の中間データ変換手段と、
前記第1の画像データを、前記各種ドット中の第2のドットについてのドット形成密度と前記第3のドットについてのドット形成密度との合計値に関する第2の中間データに変換する第2の中間データ変換手段と、
前記第1の中間データに基づいて、前記第1のドットの形成有無を画素毎に判断する第1のドット形成判断手段と、
前記第2の中間データに基づいて、前記第2のドットの形成有無を画素毎に判断する第2のドット形成判断手段と、
前記第1のドットと前記第2のドットとが共に形成される画素については、これらドットに代えて前記第3のドットを形成すると判断する第3のドット形成判断手段と
を備えており、
前記第2の画像データ変換部は、
前記第2の色の画像データを、前記第1ないし第3の各種ドット毎に、ドット形成密度に関する中間データに変換する各種中間データ変換手段と、
前記第1ないし第3の各種ドット毎に、前記中間データに基づいて前記各種ドットの形成有無を画素毎に判断する各種ドット判断手段と
を備えている画像処理装置とすることもできる。
【0023】
かかる画像処理装置は、第1の画像データ変換部と第2の画像データ変換部とを備えている。該第1の画像データ変換部は、画像データを、前記第1の中間データおよび前記第2の中間データに変換し、これら中間データに基づいて、前記第1のドットおよび第2のドットについての形成有無を判断する。その後、該第1のドットと該第2のドットとが重ねて形成されている画素には、これらドットに代えて第3のドットを形成すると判断することにより、該画像データを該第1のドット、該第2のドット、および該第3のドットについてのドットデータに変換する。また、前記第2の画像データ変換部は、画像データを前記第1ないし第3の各種ドットについての各種中間データに変換し、これら各種中間データに基づいて、該第1ないし該第3のドットについての形成有無を判断する。
【0024】
ここで、前記各色中の第1の色の画像データ、すなわち、前記ドットデータに従って画像を形成したときに、各色毎に表現する階調値の最も大きなドットの目立ち易さが許容範囲内にある予め選択された色についての画像データは、前記第1の画像データ変換部で前記ドットデータに変換する。また、前記各色中から前記第1の色を除いた第2の色の画像データについては、前記第2の画像データ変換部で前記ドットデータに変換する。
【0025】
こうすれば、表現する階調値の最も大きなドットが目立ち難い前記第1の色の画像データについては、前記第1の画像データ変換部を用いることで迅速にドットデータに変換することができる。また、それ以外の画像データについては、前記第2の画像データ変換部を用いてドットデータに変換する。該第2の画像データ変換部は該第1の画像データ変換部と異なり、表現する階調値の大きなドットについても中間データに基づいてドット形成の有無を判断しているので、表現する階調値の大きなドットをより適切に分散して形成されるよう判断することができる。従って、第1の画像データ変換部と第2の画像データ変換部とを用いて画像データを変換すれば、画像データをドットデータに、迅速に且つ適切に変換することが可能となって好ましい。
【0026】
こうした第1の画像データ変換部および第2の画像データ変換部を備えた画像処理装置においては、前記第1の画像データ変換部で、少なくともシアン色、マゼンタ色、イエロ色、黒色の中のいずれかの色の画像データを変換することとし、また、前記第2の画像データ変換部では、少なくとも淡いシアン色、淡いマゼンタ色、暗いイエロ色の中のいずれかの色の画像データを変換することとしてもよい。
【0027】
シアン色、マゼンタ色、黒色については、表現する階調値の大きなドットは暗い(明度の低い)画像中に形成されることから、これらドットは目立ち難いと言える。また、イエロ色は、元々がドットの目立ち難い色であるため、表現する階調値の大きなドットであってもドットは目立ち難い。従って、これら色の画像データについては、前記第1の画像データ変換部を用いて変換することで、得られたドットデータに基づいて画像を表示したときにもドットが目立つことのないドットデータに、迅速に変換することが可能となる。一方、淡いシアン色、淡いマゼンタ色、暗いイエロ色については、表現する階調値の大きなドットは明るい(明度の高い)画像中に形成されることから、これらドットは比較的目立ち易いと言える。従って、これら色の画像データは、前記第2の画像データ変換部を用いてドットデータに変換すれば、得られたドットデータに基づいて画像を表示してもドットの目立たない適切なドットデータに変換することが可能となる。
【0028】
また、印刷媒体上にインクドットを形成して画像を印刷する印刷部に対して、ドットの形成を制御するためのドットデータを出力することにより、該印刷部を制御する印刷制御装置においては、本発明の画像処理装置を好適に適用することができる。すなわち、上述の画像処理装置は、画質を維持したまま画像データを各種ドットによるドットデータに迅速に変換することができるので、かかる印刷制御装置に上述の画像処理装置を適用すれば、高画質の画像を迅速に印刷することが可能となって好適である。
【0029】
更に本発明は、上述した画像処理方法を実現するプログラムをコンピュータに読み込ませ、コンピュータを用いて実現することも可能である。従って、本発明は次のような記録媒体としての態様も含んでいる。すなわち、上述の画像処理方法に対応する本発明の記録媒体は、
各画素の階調値を示す画像データを、単ドットあたりに表現可能な階調値の異なる各種ドットについてのドット形成密度に関する中間データに変換し、得られた該中間データに基づいて画素毎に該各種ドットの形成有無を判断することにより、該画像データを該各種ドットの形成有無によって表現されたドットデータに変換する方法を実現するコンピュータプログラムを記録した記録媒体であって、
前記画像データを、前記各種ドット中の第1のドットについてのドット形成密度と前記各種ドット中の第3のドットについてのドット形成密度との合計値に関する第1の中間データに変換する機能と、
前記画像データを、前記各種ドット中の第2のドットについてのドット形成密度と前記第3のドットについてのドット形成密度との合計値に関する第2の中間データに変換する機能と、
前記第1の中間データに基づいて、前記第1のドットの形成有無を画素毎に判断する機能と、
前記第2の中間データに基づいて、前記第2のドットの形成有無を画素毎に判断する機能と、
前記第1のドットと前記第2のドットとが共に形成される画素については、これらドットに代えて前記第3のドットを形成すると判断する機能と
を実現するコンピュータプログラムを記録していることを要旨とする。
【0030】
かかる記録媒体に記録されているプログラムをコンピュータに読み込ませ、該コンピュータを用いて上述の各種機能を実現すれば、画質を維持したまま、画像データをドット形成の有無による表現形式に迅速に変換することが可能となる。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明の作用・効果をより明確に説明するために、本発明の実施の形態を、次のような順序に従って以下に説明する。
A.実施の形態:
B.装置構成:
C.画像データ変換処理:
C−1.ドット密度データ変換処理:
C−2.階調数変換処理:
C−3.大ドット生成処理:
D.変形例:
D−1.第1の変形例:
D−2.第2の変形例:
D−3.第3の変形例:
【0032】
A.実施の形態:
図1を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。図1は、印刷システムを例にとって、本発明の実施の形態を説明するための説明図である。本印刷システムは、画像処理装置としてのコンピュータ10と、カラープリンタ20等から構成されている。コンピュータ10は、デジタルカメラやカラースキャナなどの画像機器からRGBカラー画像の階調画像データを受け取ると、該画像データを、カラープリンタ20で印刷可能な各色ドットの形成有無により表現された印刷データに変換する。かかる画像データの変換は、プリンタドライバ12と呼ばれる専用のプログラムを用いて行われる。尚、RGBカラー画像の階調画像データは、各種アプリケーションプログラムを用いてコンピュータ10で作成することもできる。
【0033】
カラープリンタ20は、各色毎に小ドット,中ドット,大ドットの3種類のドットを形成可能なプリンタである。このことに対応して、プリンタドライバ12は、RGB画像データを受け取ると、各色毎に小ドット,中ドット,大ドットのドット形成有無により表現された印刷データに変換してカラープリンタ20に供給する。
【0034】
プリンタドライバ12は、解像度変換モジュール,色変換モジュール,ドット密度データ変換モジュール,階調数変換モジュール,大ドット生成モジュール,インターレースモジュールといった複数のモジュールから構成されている。詳細には後述するが、RGB画像データは、解像度変換モジュールおよび色変換モジュールで所定の処理を施された後、ドット密度データ変換モジュールにおいて、ドット密度データと呼ばれる中間的なデータに一旦変換される。ドット密度データとは、画像データに応じて印刷用紙上に形成すべきドットの密度を示すデータである。ドット密度データ変換モジュールには、階調画像データに対して各種ドットについてのドット密度が設定されたドット密度テーブルと呼ばれる数表が内蔵されていて、かかるテーブルを参照することによって、階調画像データをドット密度データに変換する。
【0035】
ここで、カラープリンタ20は小ドット,中ドット,大ドットの3種類のドットを形成可能なプリンタであるが、ドット密度データ変換モジュールに内蔵されたドット密度テーブルには大ドットのドット密度は設定されていない。そのかわり、大ドットのドット密度は、小ドットおよび中ドットのドット密度に含めた形で設定されている。すなわちモジュールに内蔵されたドット密度テーブルには、小ドットのドット密度として、小ドットおよび大ドットを合計したドット密度が設定され、中ドットのドット密度として、中ドットおよび大ドットを合計したドット密度が設定されている。図1のドット密度データ変換モジュールの中に表示されたグラフは、このようなテーブルを概念的に示したものである。図中の左側のグラフに実線で示しているのは小ドットのドット密度であり、破線で示されているのは大ドットのドット密度に相当する部分である。図示されているように、小ドットのドット密度には、大ドットのドット密度が含まれている。また、図中の右側のグラフに実線で示しているのは中ドットのドット密度であり、破線で示されているのは大ドットのドット密度相当分である。
【0036】
続く階調数変換モジュールでは、このようなドット密度テーブルを参照することによって得られた小ドットおよび中ドットのドット密度データに対して、いわゆる誤差拡散法を適用することによって、小ドットおよび中ドットのドットの形成有無による表現形式に変換する。更に、大ドット生成モジュールでは、得られた小ドットおよび中ドットのドット形成有無を示すデータから大ドットのドット形成有無を示すデータを生成することにより、小ドット,中ドット,大ドットについてのドット形成有無による表現形式にデータを得る。
【0037】
このように、プリンタドライバ12では、画像データを、ドット形成有無による表現形式に変換するまでの処理は、小ドットおよび中ドットのみのデータとして取り扱っており、大ドットのデータを取り扱わない分だけ迅速に処理を行うことができる。また、小ドットおよび中ドットのドット形成有無を表現しているデータから大ドットについてのドット形成有無を表現したデータを生成する処理は、後述するように簡便な方法によって行うことができるので、プリンタドライバ12が行う処理全体として、処理を迅速化することが可能となる。以下、このような本発明の形態について、実施例に基づき詳細に説明する。
【0038】
B.装置構成:
図2は、本実施例の画像処理装置としてのコンピュータ100の構成を示す説明図である。コンピュータ100は、CPU102を中心に、ROM104やRAM106などを、バス116で互いに接続して構成された周知のコンピュータである。
【0039】
コンピュータ100には、フレキシブルディスク124やコンパクトディスク126などからデータを読み込むためのディスクコントローラDDC109や、周辺機器とデータの授受を行うための周辺機器インターフェースP・I/F108、CRT114を駆動するためのビデオインターフェースV・I/F112等が接続されている。P・I/F108には、後述するカラープリンタ200や、ハードディスク118等が接続されている。また、デジタルカメラ120や、カラースキャナ122等をP・I/F108に接続すれば、デジタルカメラ120やカラースキャナ122で取り込んだ画像を印刷することも可能である。また、ネットワークインターフェースカードNIC110を装着すれば、コンピュータ100を通信回線300に接続して、通信回線に接続された記憶装置310に記憶されているデータを取得することもできる。
【0040】
図3は、第1実施例のカラープリンタ200の概略構成を示す説明図である。カラープリンタ200はシアン,マゼンタ,イエロ,染料濃度の低いシアン(淡シアン)インク,染料濃度の低いマゼンタ(淡マゼンタ)インク,明度の低いイエロ(暗イエロ)インク,ブラックの7色インクのドットを形成可能なインクジェットプリンタである。尚、以下では場合によって、シアンインク,マゼンタインク,イエロインク,ブラックインク,淡シアンインク,淡マゼンタインク,暗イエロインクのそれぞれを、Cインク,Mインク,Yインク,Kインク,LCインク,LMインク,DYインクと略称するものとする。
【0041】
カラープリンタ200は、図示するように、キャリッジ240に搭載された印字ヘッド241を駆動してインクの吐出およびドット形成を行う機構と、このキャリッジ240をキャリッジモータ230によってプラテン236の軸方向に往復動させる機構と、紙送りモータ235によって印刷用紙Pを搬送する機構と、ドットの形成やキャリッジ240の移動および印刷用紙の搬送を制御する制御回路260とから構成されている。
【0042】
キャリッジ240には、Kインクを収納するインクカートリッジ242と、Cインク,Mインク,Yインク,LCインク,LMインク,DYインクの各種インクを収納するインクカートリッジ243とが装着されている。尚、本実施例では、インクカートリッジ242にはKインクが収納されており、インクカートリッジ243には、C,M,Y,LC,LM,DYインクが収納されているが、もちろん、各色インクの組合せは図5に示す例に限らない。例えば、C,M,Y,Kの各色インクを組み合わせて1つのインクカートリッジに収納し、LC,LM,DYインクを組み合わせて他のインクカートリッジに収納することとしてもよい。キャリッジ240にインクカートリッジ242,243を装着すると、カートリッジ内の各インクは図示しない導入管を通じて、印字ヘッド241の下面に設けられた各色毎のインク吐出用ヘッド244ないし250に供給される。各色毎のインク吐出用ヘッド244ないし250には、48個のノズルNz が一定のノズルピッチkで配列されたノズル列が1組ずつ設けられている。各色のノズル配列については後述する。
【0043】
制御回路260は、CPU261とROM262とRAM263等から構成されており、キャリッジモータ230と紙送りモータ235の動作を制御することによってキャリッジ240の主走査と副走査とを制御するとともに、コンピュータ100から供給される印刷データに基づいて、各ノズルから適切なタイミングでインク滴を吐出する。こうして、制御回路260の制御の下、印刷媒体上の適切な位置に各色のインクドットを形成することによって、カラープリンタ200はカラー画像を印刷することができる。
【0044】
尚、各色のインク吐出ヘッドからインク滴を吐出する方法には、種々の方法を適用することができる。すなわち、ピエゾ素子を用いてインクを吐出する方式や、インク通路に配置したヒータでインク通路内に泡(バブル)を発生させてインク滴を吐出する方法などを用いることができる。また、インクを吐出する代わりに、熱転写などの現象を利用して印刷用紙上にインクドットを形成する方式や、静電気を利用して各色のトナー粉を印刷媒体上に付着させる方式のプリンタを使用することも可能である。
【0045】
カラープリンタ200は、吐出するインク滴の大きさを制御することにより、印刷用紙上に形成されるインクドットの大きさを制御することができる。以下、カラープリンタ200で大きさの異なるインクドットを形成している方法について説明するが、その準備として、先ず、各色インクを吐出するノズルの内部構造について説明する。図4(a)は各色インクを吐出するノズルの内部構造を示した説明図である。各色のインク吐出用ヘッド244ないし250には、このようなノズルが複数設けられている。図示するように、各ノズルにはインク通路255と、インク室256と、インク室の上にピエゾ素子PEとが設けられている。キャリッジ240にインクカートリッジ242,243を装着すると、カートリッジ内のインクがインクギャラリ257を経由して、インク室256に供給される。ピエゾ素子PEは、周知のように電圧を印加すると、結晶構造が歪んで極めて高速に電気−機械エネルギの変換を行う素子である。本実施例では、ピエゾ素子PEの両端に設けられた電極間に所定波形の電圧を印加することで、インク室256の側壁を変形させる。その結果、インク室256の容積が減少し、容積の減少分に相当するインクがインク滴IpとなってノズルNzから吐出される。このインク滴Ipがプラテン236に装着された印刷用紙Pに染み込むことで、印刷用紙上にインクドットが形成される。
【0046】
図4(b)は、ピエゾ素子PEに印加する電圧波形を制御することで、吐出するインク滴の大きさを変更する原理を示した説明図である。ノズルからインク滴Ipを吐出するためには、ピエゾ素子PEに負の電圧を印加してインクギャラリ257からインク室256内に一旦インクを吸入し、その後、ピエゾ素子PEに正電圧を印加してインク室容積を減少させて、インク滴Ipを吐出させる。ここで、インクの吸引速度が適正であればインク室容積の変化量に相当するインクが流入するが、吸引速度が速すぎると、インクギャラリ257とインク室256との間には通路抵抗があるためにインクギャラリ257からのインクの流入が間に合わなくなる。その結果、インク通路255のインクがインク室内に逆流して、ノズル付近のインク界面が大きく後退した状態となる。図4(b)に実線で示した電圧波形aは、適正な速度でインクを吸引する波形を示し、破線で示した電圧波形bは適正速度より大きな速度で吸引する波形の一例を示している。
【0047】
充分なインクがインク室256内に供給された状態で、ピエゾ素子PEに正電圧を印加すると、インク室256の容積減少に相当する体積のインク滴IpがノズルNzから吐出される。これに対して、インクの供給量が不足してインク界面が大きく後退した状態で正電圧を印加すると、吐出されるインク滴は小さなインク滴となる。このように、本実施例のカラープリンタ200では、インク滴の吐出前に印加する負の電圧波形を制御してインクの吸引速度を変更することで、吐出するインク滴の大きさを制御し、大ドット,中ドット,小ドットの3種類のインクドットを形成することが可能となっている。
【0048】
もちろん、3種類に限らずより多種類のドットを形成することも可能である。更には、微細なインク滴を一度に複数吐出して、吐出するインク滴の数を制御するといった方法を用いて、印刷用紙上に形成されるインクドットの大きさを制御してもよい。
【0049】
図5は、インク吐出用ヘッド244ないし250におけるインクジェットノズルNzの配列を示す説明図である。図示するように、インク吐出用ヘッドの底面には、各色毎のインクを吐出する7組のノズルアレイが形成されており、各組のノズルアレイには、ノズルNzが一定のノズルピッチで千鳥状に配列されている。こうしてノズルが千鳥上に配列されているので、ノズルピッチを小さな値に製造することが容易になる。もっとも、これらノズルが、一直線上に配列されていても構わない。
【0050】
図6は、本実施例のカラープリンタ20で用いられるインク成分の一例を示したものである。図示するように、各色のインクは、サーフィノールの水溶液に、粘度調整用のジエチレングリコールと、各色毎の染料とを適量ずつ添加した混合溶液である。本実施例で用いたDYインクは、Yインクの染料であるダイレクトイエロ86に、Cインクの染料であるダイレクトブルー199とMインクの染料であるアシッドレッド289とを略等量ずつ添加した組成となっている。もっとも、DYインクの組成はこれに限定されるものではなく、例えば、ダイレクトブルー199とアシッドレッド289の比率や添加量を変えたインク、または、ダイレクトイエロ86に黒インクの染料であるフードブラック2を少量添加したインクを使用することもできる。
【0051】
図7は、図6に示した組成の各種インクについて、明度の測定結果を示した説明図である。図7の横軸に取ったドット記録率とは、単位面積当たりに形成されるドットの割合を示す指標である。例えば、ドット記録率100%とはすべての画素にドットが形成されている状態を示し、ドット記録率50%とは半分の画素にドットが形成されている状態を、ドット記録率0%とはいずれの画素にもドットが形成されていない状態を示している。縦軸にとった明度は、印刷用紙の地色を基準とした画像の明るさを示している。例えば、明度100%とは印刷用紙の地色そのままの状態を示し、明度が小さくなるにつれて画像の明るさは暗くなっていく。図示するように、いずれのドットも、ドット記録率0%の時は明度100%であり、ドット記録率が増加するにつれて、すなわちドットを形成するにつれて、明度は小さくなっていく。同一のドット記録率で各種ドットによる画像の明度を比較すれば、各種インクの明るさを知ることができる。図7に示されているように、図6に示した組成のDYインクは、Yインク,LCインク,LMインクよりは暗く、Cインク,Mインク,Kインクよりは明るいインクとなっている。
【0052】
以上のようなハードウェア構成を有するカラープリンタ200は、キャリッジモータ230を駆動することによって、各色のインク吐出用ヘッド244ないし250を印刷用紙Pに対して主走査方向に移動させ、また紙送りモータ235を駆動することによって、印刷用紙Pを副走査方向に移動させる。制御回路260は、印刷データに従って、キャリッジ240の主走査および副走査を繰り返しながら、適切なタイミングでノズルを駆動してインク滴を吐出することによって、カラープリンタ200は印刷用紙上にカラー画像を印刷している。
【0053】
C.画像データ変換処理の概要:
図8は、本実施例の画像処理装置としてのコンピュータ100が、受け取った画像データに所定の画像処理を加えることにより、印刷データに変換する処理の流れを示すフローチャートである。かかる処理は、コンピュータ100のオペレーティングシステムがプリンタドライバ12を起動することによって開始される。以下、図8に従って、本実施例の画像データ変換処理について簡単に説明する。
【0054】
プリンタドライバ12は、画像データ変換処理を開始すると、先ず初めに、変換すべきRGBカラー画像データの読み込みを開始する(ステップS100)。次いで、取り込んだ画像データの解像度を、カラープリンタ200が印刷するための解像度に変換する(ステップS102)。カラー画像データの解像度が印刷解像度よりも低い場合は、線形補間を行うことで隣接画像データ間に新たなデータを生成し、逆に印刷解像度よりも高い場合は、一定の割合でデータを間引くことによって画像データの解像度を印刷解像度に変換する。
【0055】
こうして解像度を変換すると、カラー画像データの色変換処理を行う(ステップS104)。色変換処理とは、R,G,Bの階調値の組み合わせによって表現されているカラー画像データを、C,M,Y,K,LC,LM,DYのカラープリンタ200で使用する各色の階調値の組み合わせによって表現された画像データに変換する処理である。色変換処理は、色変換テーブル(LUT)と呼ばれる3次元の数表を参照することで迅速に行うことができる。
【0056】
C−1.ドット密度データ変換処理:
色変換処理に続いて、ドット密度データ変換処理を開始する(ステップS106)。この処理では、色変換処理を施した画像データを、プリンタが印刷用紙上に形成可能な各種ドットについてのドット密度データに変換する。かかる変換は、前述したように、ドット密度テーブルと呼ばれる数表を参照することによって迅速に行うことができる。
【0057】
図9(a)は、色変換後の画像データをドット密度に変換する際に参照されるドット密度テーブルを概念的に示した説明図である。図示されているようにドット密度テーブルには、小ドットのドット密度および中ドットのドット密度が、C,M,Y,K,LC,LM,DY各色の階調値に対して設定されている。前述したように、本実施例のカラープリンタ200では小ドットおよび中ドットに加えて大ドットも形成可能であるが、大ドットのドット密度は単独ではなく、小ドットのドット密度と中ドットのドット密度とに含まれた状態で設定されている。これを図9(b)を参照しながら説明する。
【0058】
図9(b)は、画像の階調値に対して小ドット,中ドット,大ドットの3種類のドット密度が設定されたドット密度テーブルを示す説明図である。このようなドット密度テーブルを参照すれば、画像データの階調値に対して各種ドットを如何なる密度で形成すればよいかを知ることができる。例えば、画像データの階調値Aに対しては、中ドットをドット密度Amで、大ドットをドット密度ALでそれぞれ形成すればよい。小ドットのドット密度は0であるから、階調値Aに対しては小ドットは形成されない。
【0059】
これに対して、図9(a)に示す本実施例のドット密度テーブルには、中ドットを形成すべき密度と大ドットを形成すべき密度とを加算した値が、中ドットのドット密度として設定されている。同様に、小ドットを形成すべき密度と大ドットを形成すべき密度とを加算した値が小ドットのドット密度として設定されている。例えば階調値Aに対しては、中ドットを形成すべき密度(図9(b)におけるAm)と大ドットを形成すべき密度(図9(b)におけるAL)とを加算した値Am+ALが、中ドットのドット密度として設定されている。また、小ドットについては、階調値Aに対して小ドットを形成すべき密度の値が0であるから、大ドットを形成すべき密度(図9(b)におけるAL)の値が、小ドットのドット密度として設定されている。
【0060】
図8のステップS106では、このようなドット密度テーブルを参照することによって、色変換された各色の画像データを小ドットについてのドット密度データと、中ドットについてのドット密度データとに変換する。
【0061】
尚、以上では説明の便宜から、図9(b)の小ドットのドット密度と大ドットのドット密度とを合計した値が図9(a)の小ドットのドット密度と完全に一致し、同様に、図9(b)の中ドットのドット密度と大ドットのドット密度とを合計した値が図9(a)の中ドットのドット密度と完全に一致するものとして説明した。しかし、必ずしも完全には一致していなくてもよい。例えば、画像データの階調値の大きい領域では、小ドットのドット密度あるいは中ドットのドット密度を若干大きめの値に設定しておいても良い。こうすれば、大ドットを形成すべき領域で小ドットと中ドットとがたまたま同一画素に形成されない確率を補うことが可能となるので好適である。
【0062】
C−2.階調数変換処理:
ドット密度データ変換処理を終了すると、続いて階調数変換処理を開始する(ステップS108)。階調数変換処理とは次のような処理である。ドット密度データは、階調値0から255の256階調を有するデータとして表現されているが、実際には、ドットは印刷用紙上に「形成する」か「形成しない」かのいずれかの状態しか取り得ない。そこで、256階調を有するドット密度データを、ドットの形成有無に対応する2階調のデータに変換する必要がある。このように階調数変換処理とは、256階調のドット密度データをドットの形成有無を示す画像データに変換する処理である。本実施例の階調数変換処理では、小ドットのドット密度データと中ドットのドット密度データを受け取り、これらデータを、小ドットおよび中ドットのドット形成有無を示す画像データに変換する。
【0063】
図10は、階調数変換処理の流れを示すフローチャートである。以下、図10に従って、階調数変換処理について説明する。尚、階調数変換処理は、各色毎に同様な処理を行うが、説明の煩雑化を避けるために、以下では色を特定せずに説明する。
【0064】
階調数変換処理を開始すると、先ず初めに、ドット形成の有無を判断しようとする着目画素について、中ドットのドット密度データDmと小ドットのドット密度データDsを読み込む(ステップS200)。
【0065】
次いで、中ドットあるいは小ドットの形成有無を判断したことによって周辺画素から拡散されてきた中ドットあるいは小ドットの拡散誤差を、着目画素についての中ドットあるいは小ドットのドット密度データDm,Dsとそれぞれ加算して、中ドットの補正データDxmおよび小ドットの補正データDxsを算出する(ステップS202)。中ドットあるいは小ドットについての拡散誤差については後述する。
【0066】
続いて、中ドットの補正データDxmと所定の閾値thとの大小関係を比較して(ステップS204)、中ドットの補正データDxmの方が大きければ(ステップS204:yes)着目画素に中ドットを形成すると判断して、中ドットの形成有無についての判断結果を示す変数Drmに、中ドットを形成することを意味する値「1」を代入する(ステップS206)。そうでなければ(ステップS204:no)、着目画素には中ドットを形成しないと判断して、中ドットの形成有無についての判断結果を示す変数Drmに、中ドットを形成しないことを意味する値「0」を代入する(ステップS208)。
【0067】
こうして、着目画素について中ドットのドット形成有無を判断したら、判断に伴って生じた階調誤差を算出し、得られた誤差の拡散処理を開始する(ステップS210)。すなわち、中ドットを形成すると判断したこと、あるいは形成しないと判断したことによって着目画素に表現される階調値(このような階調値を中ドットの結果値と呼ぶ)は、着目画素に表現すべき中ドットの補正データとは通常、異なっているので、中ドットの補正データから中ドットの結果値を減算した値の階調誤差が発生する。この階調誤差を、着目画素の周辺にある未判断画素に、図11に例示するような所定の重みをつけて拡散させる。図中の斜線を付して示した画素が着目画素である。ステップS202において、中ドットの補正データDxmを算出するために用いた中ドットの拡散誤差は、このようにして周辺から拡散されて着目画素に蓄積された誤差である。
【0068】
以上のようにして中ドットについてのドット形成有無の判断と、誤差の拡散処理が終了したら、小ドットについても同様の処理を行う。以下、簡単に説明すると、先ず、小ドットの補正データDxsと所定の閾値thとを比較する(ステップS212)。小ドットの補正データDxsは、先にステップS202で算出されている。小ドットの補正データの方が大きければ(ステップS212:yes)着目画素に小ドットを形成すると判断し、小ドットについての判断結果を示す変数Drsにドットを形成することを意味する値「1」を代入する(ステップS214)。そうでなければ(ステップS212:no)、着目画素には小ドットを形成しないと判断して、判断結果を示す変数Drsにドットを形成しないことを意味する値「0」を代入する(ステップS216)。小ドットのドット形成有無を判断したら、判断によって生じた階調誤差の拡散処理を開始する(ステップS218)。すなわち、小ドットの補正データDxsから、着目画素についての小ドットの結果値を減算して階調誤差を算出し、得られた階調誤差を図11に示すような重みを付けて周辺画素に拡散させる。ステップS202において、小ドットの補正データDxsを算出するために用いた小ドットの拡散誤差は、以上のようにして周辺の画素から着目画素に拡散されて蓄積された階調誤差である。
【0069】
こうして着目画素について、中ドットおよび小ドットについてのドット形成有無を判断したら、すべての画素についてドット形成有無の判断を終了したか否かを判断し(ステップS220)、判断を行っていない画素が残っていればステップS200に戻って続く一連の処理を行う。全ての画素についてドット形成有無の判断を終了したら階調数変換処理を抜けて、図8の画像データ変換処理に復帰する。
【0070】
C−3.大ドット生成処理:
以上のようにして階調数変換処理を終了すると、大ドット生成処理を行う(図8のステップS110)。すなわち、本実施例のカラープリンタ200は各色毎に小ドット,中ドット,大ドットの3種類のドットを形成可能であるが、上述の階調数変換処理では小ドットおよび中ドットについてのみドット形成有無を判断し、大ドットについてはドット形成有無の判断を行っていない。そこで大ドット生成処理では、以下のようにして小ドットおよび中ドットについてのドット形成有無を示すデータから、大ドットについてのドット形成有無を示すデータを生成するのである。
【0071】
図12は、大ドット生成処理の流れを示すフローチャートである。尚、この処理も、カラープリンタ200が形成可能な各色毎に行われるが、説明が煩雑化することを避けるために以下では色を特定することなく説明する。
【0072】
大ドット生成処理を開始すると、先ず初めに着目画素について、中ドットの形成有無の判断結果Drmと、小ドットの形成有無の判断結果Drsとを読み込む(ステップS300)。次いで、着目画素に中ドットを形成すると判断しているか(ステップS302)、および小ドットを形成すると判断しているか(ステップS304)を判断する。着目画素に、中ドットを形成し、かつ小ドットも形成している場合には(ステップS302:yesかつステップS304:yes)、これらドットに代えて大ドットを形成することとして、大ドットの形成有無の判断結果を示す変数DrLにドットを形成することを意味する値「1」を代入する(ステップS306)。その後、小ドットの形成有無の判断結果を示す変数Drsおよび中ドットの形成有無の判断結果を示す変数Drmに、それぞれドットを形成しないことを意味する値「0」を代入する(ステップS308)。こうすることにより、着目画素に小ドットおよび中ドットを重ねて形成すると判断されている場合には、これらドットに代えて大ドットが形成されることになる。判断結果を示す変数Drs,Drmにドットを形成しないことを意味する値「0」を代入したら、全ての画素についての処理を終了したか否かの判断を行う(ステップS310)。
【0073】
一方、着目画素に中ドットを形成しない場合(ステップS302:no)、あるいは中ドットは形成するが小ドットは形成しない場合(ステップS304:no)には、判断結果を示す変数を書き換えることなく、直ちに、全ての画素についての処理を終了したか否かを判断する(ステップS310)。未処理の画素が残っていればステップS300に戻って、すべての画素の処理が終了するまで続く一連の処理を繰り返し、全画素の処理を完了したら大ドット生成処理を抜けて、図8の画像データ変換処理に復帰する。
【0074】
このようにして、小ドットおよび中ドットのドット形成有無の判断結果に基づいて大ドットのドット形成有無を判断したら、プリンタドライバはインターレース処理を開始する(ステップS112)。インターレース処理とは、ドットの形成有無を表す形式に変換された画像データを、ドットの形成順序を考慮しながらカラープリンタ200に転送すべき順序に並べ替える処理である。プリンタドライバは、インターレース処理を行って最終的に得られた画像データを、印刷データとしてカラープリンタ200に出力する(ステップS114)。カラープリンタ200は、印刷データに従って、各色のインクドットを印刷媒体上に形成する。その結果、画像データに対応したカラー画像が印刷用紙上に印刷される。
【0075】
以上に説明したように、本実施例の画像データ変換処理では、小ドットおよび中ドットについては誤差を拡散させながらドット形成の有無を判断する。大ドットについては、小ドットと中ドットとが重ねて形成される画素を検出して、これらドットに代えて大ドットを形成すると判断する。すなわち、大ドットについては誤差を拡散させることなく、たいへんに簡単な処理でドットの形成有無を判断することができる。その結果、小ドット,中ドット,大ドットの3種類のドットについてドット形成有無の判断を行っているにもかかわらず、迅速に判断することができ、その分だけ画像データ変換処理も迅速化されて、延いては迅速の画像を表示することが可能となる。
【0076】
上述した階調数変換処理では、小ドットおよび中ドットについては誤差を拡散しながらドットの形成有無を判断し、小ドットと中ドットとが重ねて形成される場合には、これらドットに代えて大ドットを形成すると判断した。もちろん例えば、中ドットおよび大ドットについては誤差を拡散しながらドットの形成有無を判断し、中ドットと大ドットとが重ねて形成される場合に、これらドットに代えて小ドットを形成すると判断しても構わない。この場合には、小ドットと中ドットのドット密度データの合計値を中ドットのドット密度データとして設定し、小ドットと大ドットのドット密度データの合計値を大ドットのドット密度データとして設定しておけばよい。
【0077】
小ドット,中ドット,大ドットの中の第3のドット、すなわち他の2つのドットが重ねて形成される場合に置き換えられるドットは、できるだけ目立ち難いドットを選択することが望ましい。なぜなら、次の理由により、誤差を拡散しながらドットの形成有無を判断すると、そのドットについてはおのずからドットがまばらに形成されて良好な分散性が得られるのに対し、第3のドットは他の2つのドットが偶然重ねて形成される画素に発生するので、おのずから良好な分散性が得られるわけではないからである。
【0078】
すなわち、ドットを形成することにより画素に表現される階調値は、補正データの値よりも通常は大きいので、ドットが形成された画素では大きな負の階調誤差が発生して周辺画素に拡散される。負の誤差が拡散された画素では補正データが小さな値となるのでドットが形成され難くなる。換言すれば、誤差を周辺画素に拡散しながらドットの形成有無を判断すると、ドットを形成した画素の周辺ではドットが形成され難くなって、おのずからドットが分散した状態でまばらに形成されるようになる。これに対して第3のドットは、他の2つのドットのように誤差を拡散することで積極的にドットの分散性を改善しているわけではない。このことから、ドットの分散性が多少悪くなったとしても画質に悪影響をあまり与えることのないよう、目立ち難いドットを第3のドットとして選択することが望ましいのである。
【0079】
本実施例の画像データ変換処理ではこのようなことを考慮して、小ドット,中ドット,大ドットの中から第3のドットとして大ドットを選択している。つまり、図9(b)にも示されているように、大ドットは中ドットが高い密度で形成された状態で少しずつ形成される。このような使われ方をしている限りは、大ドットは目立ち難いドットであると言え、大ドットの分散性が多少悪くなったとしても、画質への悪影響を最小限とすることができる。
【0080】
尚、ドット単独で考えれば、小さなドットほど目立ち難いドットである。このことから、小ドット,中ドット,大ドットの中から小ドットを第3のドットとして選択することも充分に起こり得る。いずれのドットについても実際に画像を印刷してみて、良好な画質が得られる方を選択すればよい。
【0081】
D.変形例:
上述した画像データ変換処理においては、小ドットおよび中ドットが重ねて形成される画素については、大ドットを形成すると判断している。このため、小ドットおよび中ドットのみを用いて画像を表現し、大ドットの形成を予定していない階調値においても、小ドットと中ドットとが偶然同じ画素に形成された結果、大ドットが発生してしまう可能性がないではない。以下に説明する変形例の階調数変換処理においては、大ドットの形成を予定していない階調領域で大ドットが発生することのないように、小ドットおよび中ドットの形成有無の判断を制御している。
【0082】
D−1.第1の変形例:
図13は、第1の変形例における階調数変換処理の流れを示すフローチャートである。図13に示す変形例の階調数変換処理は、図10を用いて前述した階調数変換処理に対して、中ドットの形成有無を判断する閾値と小ドットの形成有無を判断する閾値とを使い分けている点が大きく異なっている。以下、図13を参照しながら、図10の階調数変換処理と異なる部分を中心に、第1の変形例の階調数変換処理について説明する。
【0083】
変形例の階調数変換処理においても、先ず初めに、ドット形成の有無を判断しようとする着目画素について、中ドットのドット密度データDmと小ドットのドット密度データDsを読み込み(ステップS400)、続いて、中ドットの補正データDxm、および小ドットの補正データDxsを算出する(ステップS402)。
【0084】
続いて、中ドットの補正データDxmと、中ドット用の閾値thmとの大小関係を比較して(ステップS404)、中ドットの補正データDxmの方が大きければ、着目画素に中ドットを形成すると判断し、中ドットの形成有無についての判断結果を示す変数Drmに、中ドットを形成することを意味する値「1」を代入した後(ステップS406)、小ドット用の閾値thsの値を設定する(ステップS408)。
【0085】
中ドットを形成すると判断した場合は、所定の閾値thに補正係数f(data)を加算して、得られた値を小ドット用の閾値thsとして設定する。補正係数f(data)は、図14に示すように、階調値dataの関数として設定されている。図14に示されている階調値DtLは、大ドットを形成する境界となる階調値である。すなわち、画像データの階調値がDtLより小さな値では、大ドットの形成は予定されておらず、小ドットあるいは中ドットのみを形成して画像が表現される。参考として、図9(a)および(b)に、階調値DtLを表示した。すなわち、中ドットを形成すると判断した場合には、画像データを読み込んで補正係数f(data)を算出し、得られた補正係数f(data)と所定の閾値thを加算した値を小ドット用の閾値thsに設定する。図13のステップS408においては、このような処理を行う。尚、図14において、階調値DtLより大きな階調値となる領域で、補正係数f(data)の値が緩やかに減少しているのは、画像データが階調値DtL付近の値を取るときに、大ドットが急に発生しないようにするためである。もちろん、必ずしも補正係数f(data)を滑らかに減少させずに、階調値DtLを境に急激に変化させても構わない。こうすれば、補正係数を算出する処理を簡便化することができるので好適である。
【0086】
これに対して、中ドット用の閾値thmと中ドットの補正データDxmとを比較した結果、補正データDxmの方が小さいと判断された場合は(ステップS404:no)、着目画素には中ドットを形成しないと判断して、中ドットの形成有無についての判断結果を示す変数Drmに、中ドットを形成しないことを意味する値「0」を代入する(ステップS410)。次いで、所定の閾値thの値をそのまま小ドット用の閾値thsとして設定する(ステップS412)。
【0087】
こうして、着目画素について中ドットのドット形成有無を判断したら、判断に伴って生じた階調誤差を算出し、得られた誤差を周辺の画素に拡散させる(ステップS414)。階調誤差は、前述した階調数変換処理と同様に、中ドットの補正データから中ドットの結果値を減算することで求めることができる。
【0088】
中ドットについてのドット形成有無の判断と、誤差の拡散処理が終了したら、同様にして小ドットについてのドット形成有無の判断を開始する。すなわち、小ドットの補正データDxsと、先に設定した小ドット用の閾値thsとを比較し(ステップS416)、小ドットの補正データDxsの方が大きければ着目画素に小ドットを形成すると判断し、小ドットについての判断結果を示す変数Drsにドットを形成することを意味する値「1」を代入する(ステップS418)。そうでなければ(ステップS416:no)、着目画素には小ドットを形成しないと判断して、判断結果を示す変数Drsにドットを形成しないことを意味する値「0」を代入する(ステップS420)。小ドットのドット形成有無を判断したら、判断によって生じた階調誤差の拡散処理を開始する(ステップS422)。
【0089】
ここで、着目画素に中ドットを形成すると判断した場合で、かつ画像データの階調値が階調値DtLよりも小さい場合には、小ドット用の閾値thsは大きな値が設定されるので、小ドットは形成され難くなる。従って、大ドットの形成を予定していない領域では、中ドットおよび小ドットが同じ画素に重ねて形成され難くなっている。
【0090】
こうして着目画素について、中ドットおよび小ドットについてのドット形成有無を判断したら、すべての画素についてドット形成有無の判断を終了したか否かを判断し(ステップS424)、判断を行っていない画素が残っていればステップS400に戻って続く一連の処理を行う。全ての画素についてドット形成有無の判断を終了したら階調数変換処理を抜けて、図8の画像データ変換処理に復帰する。
【0091】
以上に説明したように、第1の変形例の階調数変換処理では、中ドットの形成有無に応じて、小ドットの形成有無を判断するための閾値thsを設定することによって、小ドットと中ドットとが重なって形成される確率、すなわち大ドットが発生する確率を制御することができる。その結果、大ドットの発生を予定していない領域で大ドットが形成されることを回避して、良好な画像を得ることができる。
【0092】
D−2.第2の変形例:
上述の第1の変形例においては、小ドットの形成有無を判断するための閾値thsの値を変更したが、大ドットの形成を予定していない領域で中ドットを形成すると判断した場合には、より簡便に、小ドットを形成しないものとしてもよい。以下、このような第2の変形例の階調数変換処理について説明する。
【0093】
図15は、第2の変形例における階調数変換処理の流れを示すフローチャートである。図15を参照しながら、図10の階調数変換処理と異なる部分を中心として、第2の変形例の階調数変換処理について説明する。
【0094】
第2の変形例の階調数変換処理においても、先ず初めに、ドット形成の有無を判断しようとする着目画素について、中ドットのドット密度データDmと小ドットのドット密度データDsを読み込み(ステップS500)、中ドットの補正データDxm、および小ドットの補正データDxsを算出した後(ステップS502)、中ドットの補正データDxmと、所定の閾値thとを比較する(ステップS504)。中ドットの補正データDxmの方が大きければ、着目画素に中ドットを形成すると判断し、中ドットの形成有無についての判断結果を示す変数Drmに、中ドットを形成することを意味する値「1」を代入し(ステップS506)、そうでなければ、判断結果を示す変数Drsにドットを形成しないことを意味する値「0」を代入する(ステップS508)。
【0095】
こうして着目画素について中ドットのドット形成有無を判断したら、判断に伴って生じた階調誤差を算出し、得られた誤差を周辺の画素に拡散させる(ステップS510)。階調誤差は、前述した階調数変換処理と同様に、中ドットの補正データから中ドットの結果値を減算することで求めることができる。
【0096】
中ドットの誤差を拡散したら、中ドットについての判断結果Drmの値が「1」となっており、かつ着目画素の画像データが階調値DtLよりも大きいか否かを判断する(ステップS512)。階調値DtLは、前述の第1の変形例と同様、大ドットの発生を開始する階調値である。着目画素の画像データが階調値DtLよりも大きければ、大ドットの形成を予定していない領域を処理していることになるから、中ドットを形成すると判断している場合には(ステップS512:yes)、直ちに、小ドットは形成しないと判断して、小ドットについての判断結果を示す変数Drsにドットを形成しないことを意味する値「0」を代入する(ステップS518)。
【0097】
一方、着目画素の画像データが階調値DtLよりも小さいか、あるいは中ドットを形成しないと判断している場合には(ステップS512:no)、小ドットの補正データDxsと、所定の閾値thとを比較して(ステップS514)、小ドットの補正データDxsの方が大きければ着目画素に小ドットを形成すると判断し、小ドットについての判断結果を示す変数Drsにドットを形成することを意味する値「1」を代入する(ステップS516)。そうでなければ、着目画素には小ドットを形成しないと判断して、判断結果を示す変数Drsにドットを形成しないことを意味する値「0」を代入する(ステップS518)。小ドットのドット形成有無を判断したら、判断によって生じた階調誤差の拡散処理を行った後(ステップS520)、全画素の処理を終了したか否かを判断する(ステップS522)。未処理の画素が残っていればステップS500に戻って、全画素の処理が終了するまで続く一連の処理を繰り返す。全ての画素の処理を終了したら、第2の変形例の階調数変換処理を抜けて、図8の画像データ変換処理に復帰する。
【0098】
以上に説明したように、第2の変形例の階調数変換処理では、画像データが階調値DtLよりも小さな画素に中ドットを形成すると判断した場合は、小ドットは直ちに形成しないと判断するので、大ドットの形成を予定していない画素に中ドットと小ドットとが同時に形成されることがない。その結果、大ドットの発生を予定していない領域で大ドットが形成されることを回避して、良好な画像を得ることができる。
【0099】
D−3.第3の変形例:
上述の各種実施例においては、各色の画像データに、いずれも同じ画像処理を行うものとして説明したが、色によって適切な画像処理を行うこととしてもよい。以下、このような第3の変形例について説明する。
【0100】
図16は、第3の変形例における画像データ変換処理の流れを示すフローチャートである。第3の変形例の画像データ変換処理は、図8を用いて前述した画像データ変換処理に対して、色変換処理を行って以降、インターレース処理を行うまでの各種処理を、何色の画像データかに応じて切り換えている点が大きく異なっている。以下では、この点を中心として、第3の変形例の画像データ変換処理について説明する。
【0101】
第3の変形例の画像データ変換処理を開始すると、前述の画像データ変換処理と同様に、RGB画像データを読み込み(ステップS600)、画像データの解像度を印刷解像度に変換する(ステップS602)。次いで、色変換テーブルを参照して、カラープリンタ200が形成可能な各色インクについてのデータに色変換する(ステップS604)。
【0102】
続いて、得られた画像データが何色の画像データかを判断し(ステップS606)、C,M,Y,Kのいずれかの画像データである場合は、第1のドット密度データ変換処理(ステップS608)および第1の階調数変換処理(ステップS610)を行った後、大ドット生成処理を行う(ステップS612)。これら、第1のドット密度データ変換処理、第1の階調数変換処理、大ドット生成処理の内容は、前述した画像データ変換処理における処理と同じであり、ここでは説明を省略する。
【0103】
これに対して、画像データが、LC,LM,DYのいずれかの画像データである場合は、第2のドット密度データ変換処理を行う(ステップS614)。第2のドット密度データ変換処理と第1のドット密度データ変換処理とは、参照するドット密度テーブルが異なっている。すなわち、図9を用いて前述したように、第1のドット密度データ変換処理では、図9(a)に示すようなドット密度テーブルを参照することにより、画像データを小ドットのドット密度を示すデータ(ドット密度データ)と、および中ドットのドット密度データとに変換する。これに対して、第2のドット密度データ変換処理では、図9(b)に示すようなドット密度テーブルを参照することにより、画像データを小ドット、中ドット、大ドットのそれぞれのドットについてのドット密度データに変換する。
【0104】
図16に示す第3の変形例の画像データ変換処理は、こうして第2のドット密度データ変換処理を終了すると、第2の階調数変換処理を開始する(ステップS616)。第2の階調数変換処理は、前述した第1の階調数変換処理に対して、大ドットについての階調数変換処理を行う点のみが異なっている。すなわち、第1の階調数変換処理では、図10,図13,図15を用いて説明したように、中ドットおよび小ドットについてのみ階調数変換処理を行うのに対して、第2の階調数変換処理では、ステップS614の第2のドット密度データ変換処理において小ドット、中ドット、大ドットのそれぞれについてのドット密度データが得られることに対応して、これら各種ドットについて階調数変換処理を行うのである。尚、各種ドットについての階調数変換処理の内容は、第1の階調数変換処理と同様であり、ここでは説明を省略する。
【0105】
以上に説明したように、LC,LM,DYの画像データについては、S614,S616の各処理を行うことで、小ドット,中ドット,大ドットの各種ドットについてドット形成有無により表現されたデータに変換される。また、C,M,Y,Kの画像データについても、S608,S610の処理を行うことで小ドットおよび中ドットについてのドット形成有無により表現されたデータに変換され、更にS612の処理で小ドットおよび中ドットの一部が大ドットに置き換えられて、結局、小ドット,中ドット,大ドットの各種ドットについてのドット形成有無により表現されたデータに変換される。こうして、いずれの画像データについても各種ドットの形成有無により表現されたデータに変換したら、インターレース処理を行った後(ステップS618)、得られた印刷データをカラープリンタ200に出力する(ステップS620)。
【0106】
以上に説明したように、第3の変形例の画像データ変換処理では、LC,LM,DYの各色については、小ドット,中ドット,大ドットのいずれについても、ドット密度データに基づいて直接にドット形成の有無を判断している。従って、以下に説明する理由から、より高画質の画像を得ることが可能となっている。すなわち、これらLC,LM,DY各色の大ドットは、画像中では比較的目立ち易いドットであるといえる。なぜなら、LC,LMのドットはC,Mのドットが形成されるに先立って、比較的明るい(明度の高い)画像中に形成されるため、大ドットが目立ち易くなっている。また、DYインクは、Cインク、Mインク、Kインクよりは明るいインクであるが、Yインクほどには明るくないので、大ドットがちょうど目立ち易くなっていると言える。つまり、Yインクのように明るければ、大ドットを形成してもほとんど目立つことはないが、DYインクはYインクよりは暗いインクであることから、大ドットが目立ち易くなっている。逆に、C,M,Kドットのように暗いインクは、大ドットが形成される条件では十分に暗い(明度の低い)画像となっているため、大ドットが画像中で目立つことはほとんどないが、DYインクは、これらインクほどには暗くないため、画像中で大ドットが目立ち易くなっているのである。
【0107】
上述した第3の変形例の画像データ変換処理では、画像中で大ドットが比較的目立ち易いLC,LM,DY各色の画像データについては、大ドットについてもドット密度データに基づいて直接にドット形成の有無を判断している。このため、大ドットの分散性を最適化することができ、よりドットの目立たない高画質の画像を印刷することが可能となっている。もちろん、画像中で大ドットの目立ち難い色の画像データについては、前述したように、小ドットおよび中ドットが同時に形成されている場合に、大ドットに置き換えてやることで、画像データを迅速に変換することが可能である。
【0108】
以上、各種の実施例について説明してきたが、本発明は上記すべての実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することができる。例えば、上述の機能を実現するソフトウェアプログラム(アプリケーションプログラム)を、通信回線を介してコンピュータシステムのメインメモリまたは外部記憶装置に供給し実行するものであってもよい。もちろん、CD−ROMやフレキシブルディスクに記憶されたソフトウェアプログラムを読み込んで実行するものであっても構わない。
【0109】
上述した各種実施例では、ドットの大きさの異なる3種類のドットを形成するものとしたが、ドットの大きさを変えるのではなく、例えばインクの濃度を変えて、濃ドット,淡ドット,極淡ドットの3種類のドットを形成するプリンタに適用することもできる。更には、ドットの大きさとインク濃度を組み合わせて、単ドットあたりに表現可能な階調値の異なる各種ドットを形成するプリンタに適用しても良い。例えば、淡インクの小ドット,淡インクの大ドット,濃インクの大ドットといった3種類のドットを形成可能なプリンタに適用しても良い。
【0110】
また、上述した各種実施例では、画像データ変換処理はコンピュータ内で実行されるものとして説明したが、画像データ変換処理の一部あるいは全部をプリンタ側、あるいは専用の画像処理装置を用いて実行するものであっても構わない。
【0111】
更には、画像表示装置は、必ずしも印刷媒体上にインクドットを形成して画像を印刷する印刷装置に限定されるものではなく、例えば、液晶表示画面上で輝点を適切な密度で分散させることにより、階調が連続的に変化する画像を表現する液晶表示装置であっても構わない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の印刷システムの概略構成図である。
【図2】本実施例の画像処理装置としてのコンピュータの構成を示す説明図である。
【図3】本実施例の画像表示装置としてのプリンタの概略構成図である。
【図4】本実施例のプリンタが大きさの異なるドットを形成する原理を示す説明図である。
【図5】本実施例の各色ヘッドのノズル配列を例示した説明図である。
【図6】本実施例のプリンタに搭載された各色インクの組成を例示した説明図である。
【図7】本実施例のプリンタで使用されている各色インクの明度を計測した結果を例示した説明図である。
【図8】本実施例の画像処理装置で行われる画像データ変換処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】ドット密度データ変換処理で参照するテーブルの設定方法を示す説明図である。
【図10】階調数変換処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】発生した階調誤差を周辺画素に拡散させる重み係数を例示した説明図である。
【図12】大ドット生成処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】第1の変形例の階調数変換処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】第1の変形例の階調数変換処理で用いられる補正係数が設定されている様子を例示する説明図である。
【図15】第2の変形例の階調数変換処理の流れを示すフローチャートである。
【図16】第3の変形例の画像データ変換処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
10…コンピュータ
12…プリンタドライバ
20…カラープリンタ
100…コンピュータ
102…CPU
104…ROM
106…RAM
108…周辺機器インターフェースP・I/F
109…ディスクコントローラDDC
110…ネットワークインターフェースカードNIC
112…ビデオインターフェースV・I/F
114…CRT
116…バス
118…ハードディスク
120…デジタルカメラ
122…カラースキャナ
124…フレキシブルディスク
126…コンパクトディスク
200…カラープリンタ
230…キャリッジモータ
235…紙送りモータ
236…プラテン
240…キャリッジ
241…印字ヘッド
242,243…インクカートリッジ
244…インク吐出用ヘッド
255…インク通路
256…インク室
257…インクギャラリ
260…制御回路
261…CPU
262…ROM
263…RAM
300…通信回線
310…記憶装置
Claims (12)
- 各画素の階調値を示す画像データを、単ドットあたりに表現可能な階調値の異なる各種ドットについてのドット形成密度に関する中間データに変換し、得られた該中間データに基づいて画素毎に該各種ドットの形成有無を判断することにより、該画像データを該各種ドットの形成有無によって表現されたドットデータに変換する画像処理装置であって、
前記画像データを、前記各種ドット中の第1のドットについてのドット形成密度と前記各種ドット中の第3のドットについてのドット形成密度との合計値に関する第1の中間データに変換する第1の中間データ変換手段と、
前記画像データを、前記各種ドット中の第2のドットについてのドット形成密度と前記第3のドットについてのドット形成密度との合計値に関する第2の中間データに変換する第2の中間データ変換手段と、
前記第1の中間データに基づいて、前記第1のドットの形成有無を画素毎に判断する第1のドット形成判断手段と、
前記第2の中間データに基づいて、前記第2のドットの形成有無を画素毎に判断する第2のドット形成判断手段と、
前記第1のドットと前記第2のドットとが共に形成される画素については、これらドットに代えて前記第3のドットを形成すると判断する第3のドット形成判断手段と
を備える画像処理装置。 - 請求項1記載の画像処理装置であって、
前記第1のドット形成判断手段および前記第2のドット形成判断手段は、誤差拡散法を用いて、前記第1のドットおよび前記第2のドットそれぞれの形成有無を判断する手段である画像処理装置。 - 前記第3のドットは、前記各種ドットの中でもっとも目立ち難いドットである請求項2記載の画像処理装置。
- 請求項2記載の画像処理装置であって、
前記各種ドットは、大きさの異なるドットであり、
前記第3のドットは、前記各種ドットの中でもっとも大きいドットである画像処理装置。 - 請求項1記載の画像処理装置であって、
前記各画素が前記第3のドットの形成に適さない画素か否かを、該画素の階調値に基づいて判断する不適画素判断手段と、
前記第3のドットの形成に適さない画素に、前記第1のドットあるいは前記第2のドットのいずれか一方のドットを形成すると判断されている場合に、該画素への他方のドットの形成を抑制するドット形成抑制手段と
を備える画像処理装置。 - 請求項5記載の画像処理装置であって、
前記第1のドット形成判断手段および前記第2のドット形成判断手段は、誤差拡散法によってドット形成有無の判断を判断する手段であり、
前記ドット形成抑制手段は、前記第1のドット形成判断手段あるいは前記第2ドット形成判断手段においてドット形成有無の判断に使用される閾値を高くする手段である画像処理装置。 - 請求項1記載の画像処理装置であって、
前記各画素が前記第3のドットの形成に適さない画素か否かを、該画素の階調値に基づいて判断する不適画素判断手段と、
前記第3のドットの形成に適さない画素に、前記第1のドットあるいは前記第2のドットのいずれか一方のドットを形成すると判断されている場合に、該画素への他方のドットの形成を禁止するドット形成禁止手段と
を備える画像処理装置。 - 各色毎に各画素の階調値を示す画像データを、単ドットあたりに表現可能な階調値の異なる各種ドットについてのドット形成密度に関する中間データに変換し、得られた該中間データに基づいて画素毎に該各種ドットの形成有無を判断することにより、該画像データを該各種ドットの形成有無によって表現されたドットデータに該各色毎に変換する画像処理装置であって、
前記各色の中から、前記ドットデータに従って画像を形成したときに、前記各色毎に表現可能な階調値の最も大きなドットの目立ち易さが許容範囲内にある予め選択された第1の色の画像データについて、前記ドットデータへの変換を各色毎に行う第1の画像データ変換部と、
前記各色の中から前記第1の色を除いた第2の色の画像データについて、前記ドットデータへの変換を各色毎に行う第2の画像データ変換部と
を備え、
前記第1の画像データ変換部は、
前記第1の色の画像データを、前記各種ドット中で表現する階調値が最も小さなドットたる第1のドットのドット形成密度と、前記各種ドット中で表現する階調値が最も大きなドットたる第3のドットのドット形成密度との合計値に関する第1の中間データに変換する第1の中間データ変換手段と、
前記第1の色の画像データを、前記各種ドット中の第2のドットについてのドット形成密度と前記第3のドットについてのドット形成密度との合計値に関する第2の中間データに変換する第2の中間データ変換手段と、
前記第1の中間データに基づいて、前記第1のドットの形成有無を画素毎に判断する第1のドット形成判断手段と、
前記第2の中間データに基づいて、前記第2のドットの形成有無を画素毎に判断する第2のドット形成判断手段と、
前記第1のドットと前記第2のドットとが共に形成される画素については、これらドットに代えて前記第3のドットを形成すると判断する第3のドット形成判断手段と
を備えており、
前記第2の画像データ変換部は、
前記第2の色の画像データを、前記第1ないし第3の各種ドット毎に、ドット形成密度に関する中間データに変換する各種中間データ変換手段と、
前記第1ないし第3の各種ドット毎に、前記中間データに基づいて前記各種ドットの形成有無を画素毎に判断する各種ドット判断手段と
を備えている画像処理装置。 - 請求項8記載の画像処理装置であって、
前記ドットデータは、前記画像データを、大きさの異なる各種ドットの形成有無による表現形式に変換したデータであり、
前記第1の画像データ変換部は、前記第1の色の画像データとして、少なくともシアン色、マゼンタ色、イエロ色、黒色の中のいずれかの色の画像データを、前記ドットデータに変換する変換部であり、
前記第2の画像データ変換部は、前記第2の色の画像データとして、少なくとも淡いシアン色、淡いマゼンタ色、暗いイエロ色の中のいずれかの色の画像データを、前記ドットデータに変換する変換部である画像処理装置。 - 各画素の階調値を示す画像データを、単ドットあたりに表現可能な階調値の異なる各種ドットについてのドット形成密度に関する中間データに変換し、得られた該中間データに基づいて画素毎に該各種ドットの形成有無を判断することにより、該画像データを該各種ドットの形成有無によって表現されたドットデータに変換する画像処理方法であって、
前記画像データを、前記各種ドット中の第1のドットについてのドット形成密度と前記各種ドット中の第3のドットについてのドット形成密度との合計値に関する第1の中間データに変換し、
前記画像データを、前記各種ドット中の第2のドットについてのドット形成密度と前記第3のドットについてのドット形成密度との合計値に関する第2の中間データに変換し、
前記第1の中間データに基づいて、前記第1のドットの形成有無を画素毎に判断し、
前記第2の中間データに基づいて、前記第2のドットの形成有無を画素毎に判断し、
前記第1のドットと前記第2のドットとが共に形成される画素については、これらドットに代えて前記第3のドットを形成すると判断する
画像処理方法。 - 各画素の階調値を示す画像データを、単ドットあたりに表現可能な階調値の異なる各種ドットについてのドット形成密度に関する中間データに変換し、得られた該中間データに基づいて画素毎に該各種ドットの形成有無を判断することにより、該画像データを該各種ドットの形成有無によって表現されたドットデータに変換する方法を実現するコンピュータプログラムを記録した記録媒体であって、
前記画像データを、前記各種ドット中の第1のドットについてのドット形成密度と前記各種ドット中の第3のドットについてのドット形成密度との合計値に関する第1の中間データに変換する機能と、
前記画像データを、前記各種ドット中の第2のドットについてのドット形成密度と前記第3のドットについてのドット形成密度との合計値に関する第2の中間データに変換する機能と、
前記第1の中間データに基づいて、前記第1のドットの形成有無を画素毎に判断する機能と、
前記第2の中間データに基づいて、前記第2のドットの形成有無を画素毎に判断する機能と、
前記第1のドットと前記第2のドットとが共に形成される画素については、これらドットに代えて前記第3のドットを形成すると判断する機能と
を実現するコンピュータプログラムを記録した記録媒体。 - 各画素の階調値を示す画像データを、単ドットあたりに表現可能な階調値の異なる各種ドットについてのドット形成密度に関する中間データに変換し、得られた該中間データに基づいて画素毎に該各種ドットの形成有無を判断することにより、該画像データを該各種ドットの形成有無によって表現されたドットデータに変換する方法を、コンピュータを用いて実現するプログラムであって、
前記画像データを、前記各種ドット中の第1のドットについてのドット形成密度と前記各種ドット中の第3のドットについてのドット形成密度との合計値に関する第1の中間データに変換する機能と、
前記画像データを、前記各種ドット中の第2のドットについてのドット形成密度と前記第3のドットについてのドット形成密度との合計値に関する第2の中間データに変換する機能と、
前記第1の中間データに基づいて、前記第1のドットの形成有無を画素毎に判断する機能と、
前記第2の中間データに基づいて、前記第2のドットの形成有無を画素毎に判断する機能と、
前記第1のドットと前記第2のドットとが共に形成される画素については、これらドットに代えて前記第3のドットを形成すると判断する機能と
を実現するためのプログラム。
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