[go: up one dir, main page]

JP3601166B2 - 燃料電池システム - Google Patents

燃料電池システム Download PDF

Info

Publication number
JP3601166B2
JP3601166B2 JP06177896A JP6177896A JP3601166B2 JP 3601166 B2 JP3601166 B2 JP 3601166B2 JP 06177896 A JP06177896 A JP 06177896A JP 6177896 A JP6177896 A JP 6177896A JP 3601166 B2 JP3601166 B2 JP 3601166B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel cell
warm
motor
power
secondary battery
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP06177896A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09231991A (ja
Inventor
康宏 野々部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP06177896A priority Critical patent/JP3601166B2/ja
Publication of JPH09231991A publication Critical patent/JPH09231991A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3601166B2 publication Critical patent/JP3601166B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M8/00Fuel cells; Manufacture thereof
    • H01M8/04Auxiliary arrangements, e.g. for control of pressure or for circulation of fluids
    • H01M8/04007Auxiliary arrangements, e.g. for control of pressure or for circulation of fluids related to heat exchange
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M2250/00Fuel cells for particular applications; Specific features of fuel cell system
    • H01M2250/20Fuel cells in motive systems, e.g. vehicle, ship, plane
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T90/00Enabling technologies or technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02T90/40Application of hydrogen technology to transportation, e.g. using fuel cells

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Sustainable Development (AREA)
  • Sustainable Energy (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Arrangement Or Mounting Of Propulsion Units For Vehicles (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池システムおよび電気自動車に関し、詳しくは燃料電池と2次電池とを備える燃料電池システムおよび電気自動車に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は、燃料の有するエネルギを直接に電気エネルギに変換する装置として知られている。燃料電池では、水素を含む燃料ガスをアノードに供給し、酸素を含む酸化ガスをカソードに供給して、両極で起こる電気化学反応によって起電力を得る。以下に、燃料電池で起こる電気化学反応を示す。(1)式はアノードにおける反応、(2)式はカソードにおける反応を示し、(3)式は電池全体で起こる反応を表わす。
【0003】
→ 2H+2e …(1)
(1/2)O+2H+2e → HO …(2)
+(1/2)O → HO …(3)
【0004】
このような燃料電池を用いた発電は、高い発電効率を得ることが可能であることに加え、窒素酸化物などの排出や発電時の騒音が少ないなど環境性にも優れているため、種々の用途に適用されている。大型の発電プラントのような定置発電だけでなく、例えば、車両に搭載して車両駆動用のモータの電源として用いるなど、移動用電源としての利用も図られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような利点を有する燃料電池も、その始動時においては、大きな負荷に接続して発電を行なう場合には正常に運転しないおそれがあるという問題があった。燃料電池は一般に常温よりも高い温度で運転されるものであり、効率よく電池反応が進行するためには所定の運転温度に昇温されて定常状態に達する必要がある。図5に、燃料電池の発電時における電流と電圧との関係を表わす出力特性を模式的に示す。正常に運転可能な定常状態にある燃料電池を用いて発電を行なうと、電流値を上げるに従って電圧値は低下するものの、広い電流値にわたって高い電圧で出力することができる。しかしながら、始動直後で定常状態に達していない状態で、燃料電池から出力する電流値を上げようとすると、急激に電圧が降下するという現象が見られる。そのため、燃料電池の使用開始直後に負荷を接続する場合には、電圧の降下が起こって電源として機能しなくなるおそれがあった。
【0006】
燃料電池の使用開始直後に所定量以上の電流を流そうとした場合には上記のように電圧降下が見られるが、更に、このとき燃料電池スタックを構成する単セルの中には転極などの異常反応を起こすものが生じる。転極とは正極と負極とが逆転する現象をいう。このような異常反応が起きたときには、電圧が不安定になるばかりでなく、発電に用いられなかったエネルギが熱に換わることによって部分的に異常発熱が起こり、そのため燃料電池が損傷を受けて燃料電池の短寿命化が引き起こされるおそれがあった。
【0007】
他方、燃料電池と2次電池とを併設し、燃料電池は2次電池を充電するために用い、2次電池が車両駆動用のモータに電力を供給することによって、燃料電池の暖機中にも車両のモータを駆動可能にする構成が提案されている(例えば、特開平6−124720号公報等)。この場合には、燃料電池の出力電流を所定範囲に制限することが可能となり、燃料電池の始動時に電圧降下を起こすおそれがなくなるが、車両駆動用モータの電源として2次電池だけを用いることになり、大容量の2次電池を備えておく必要がある。急加速時や坂道登坂時のように負荷が急に変動して、大きな電圧を要する場合にも対応可能にするためには、その予想される負荷に応じた容量の2次電池を搭載しておかねばならない。2次電池の容量は、その重量および体積と相関関係があるため、搭載可能な重量や体積に限界のある車両においては採用し難い場合がある。
【0008】
上述したように燃料電池と2次電池とを併設して、燃料電池は2次電池の充電用に用いる場合には、2次電池をある程度小型化することが可能であるが、この場合には複数個の2次電池を設置しなくてはならない。モータを駆動する2次電池の他に、燃料電池によって充電する2次電池を要し、各2次電池について充電と放電とを交互に切り替える必要があった。このように複数個の2次電池を備えることは結果的に大きなスペースを要することになり、燃料電池システムを車載する上で不利であった。
【0009】
本発明の燃料電池システムは、こうした問題を解決し、システムの始動時に電池が出力する電圧が低下したり電池反応が異常になることを防止し、システムの始動時にも負荷に対して正常に電気を供給することを可能にし、電源全体の大型化を防ぐことを目的としてなされ、次の構成を採った。
【0010】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
本発明の燃料電池システムは、
燃料電池と2次電池とを備え、少なくともいずれかの電池により負荷に対して電力の供給を行なう燃料電池システムにおいて、
前記負荷と前記燃料電池との電気的な接続を入り切りするスイッチと、
前記燃料電池の暖機運転を行なう際、該燃料電池の暖機状態を検出する暖機状態検出手段と、
該暖機状態検出手段における検出結果を基に、前記スイッチを駆動して、前記負荷と前記燃料電池とを接続する接続制御手段とを備え、
少なくとも前記燃料電池が暖機運転を行なう間は、前記2次電池が前記負荷に対して電力の供給を行なうと共に、前記暖機運転時には、前記燃料電池は、所定の低電流で足りる副負荷に対してだけ電力を供給するよう接続される
ことを要旨とする。
【0011】
ここで、燃料電池の始動時に燃料電池が負荷に対して出力する際に、所定以上の電流を出力しようとすると電圧降下が起こる理由について説明する。このような電圧降下は、以下のように燃料電池内の温度が低いことに起因して起こると考えられる。すなわち、燃料電池の始動時には電池内の温度が低く、燃料電池内において燃料ガスとともに導入した水蒸気が容易に凝縮してしまい、凝縮した水が燃料電池内のガス流路を塞いでしまうことがある。このようにガス流路が塞がれてしまうと、供給された燃料ガスや酸化ガスの拡散が妨げられ、電池反応の効率が低下して電圧降下を引き起こす。
【0012】
また、燃料電池が固体高分子電解質型である場合には、燃料電池の温度が低い間は電解質膜が充分な湿潤状態となることができないため、電池反応が充分に進行しない。電解質膜は、始動時に水蒸気を与えて湿潤化するが、その時の温度の飽和蒸気圧以上の水蒸気を与えることはできない。従って、燃料電池の温度が所定の温度以上に上昇し、飽和蒸気圧が充分高まらないと電解質膜を充分に湿潤化することができない。そのため、燃料電池の温度が低い間は電解質膜の湿潤化が不十分であって、燃料電池の内部抵抗が大きくなり、高い電圧が得られなくなる。
【0013】
燃料電池のかかる特性に対して本発明の燃料電池システムは、システムの始動時には、燃料電池の暖機運転を行ない、2次電池が負荷に対して電力を供給する。2次電池が負荷に電力を供給している間、暖機状態検出手段が暖機中の燃料電池の暖機状態を検出する。この検出結果から燃料電池が充分に暖機されたと判断されると、燃料電池と負荷とが接続され、燃料電池から負荷に対して電力の供給が行なわれるようになる。
【0014】
このような燃料電池システムによれば、システムの始動時においては2次電池が負荷に対して電力を供給するので、システムの始動時であっても負荷は、電圧降下や電池反応の異常などの問題を生じることなく必要な電力の供給を受けることができる。また、燃料電池が充分に暖機されたことを暖機状態検出手段によって検出してから燃料電池と負荷との接続を行なうため、燃料電池の温度が低いことに起因して電圧が降下するといった不都合が生じることがない。さらにここでは、2次電池は燃料電池が充分に暖機されるまでの間だけ単独で負荷に対して電力を供給可能であればよいので、大型の2次電池を備える必要がなく、2次電池の容量を抑えることができる。
【0015】
ここで、本発明の燃料電池システムは、車両に搭載されており、前記負荷は前記車両を駆動するためのモータであることとしてもよい。このような場合には、システムの始動時には2次電池がモータを駆動するため、システムの始動時であってもモータは、電圧降下や電池反応の異常などの問題を生じることなく必要な電力の供給を受け、ただちに車両を発進させることができる。また、2次電池が単独でモータに電力を供給するのは燃料電池の暖機時においてだけなので、大容量の2次電池は必要なく電池の大型化を抑えることができ、車両搭載時に不利になることがない。ここで、燃料電池の暖機が終了した後は燃料電池と2次電池との両方によってモータを駆動することとすれば、車両のモータのように変動が大きな負荷の場合にも、安定した電圧で電力を供給することができる。さらに、車両の加速時や坂道走行時のように負荷が大きくなるときでも、高い電圧を維持することができる。
【0016】
また、本発明の燃料電池システムによれば、燃料電池は暖機中には所定の低電流で足りる副負荷に対してだけ電力の供給を行なうため、大電流で発電しようとして電圧が降下してしまうという不都合が生じない。また、低い出力で発電を行なうことによって燃料電池の暖機を行なうため、燃料電池を昇温するために外部から特別にエネルギを供給する必要がなく、システム全体のエネルギ効率が低下することがない。ここで、所定の低電流とは、充分に暖機されていない燃料電池が出力しても電圧降下を起こさない程度の低電流であれば良い。このような副負荷は、少なくとも、燃料電池冷却用のウオータポンプまたは酸化ガス供給用のコンプレッサを含むこととしても良い。
【0017】
本発明の電気自動車は、
燃料電池と2次電池とを備え、少なくともいずれかの電池により車両駆動用のモータに対して電力の供給を行なう電気自動車において、
前記モータと前記燃料電池との電気的な接続を入り切りするスイッチと、
前記燃料電池が暖機運転を行なう際、該燃料電池の暖機状態を検出する暖機状態検出手段と、
該暖機状態検出手段における検出結果を基に、前記スイッチを駆動して、前記モータと前記燃料電池とを接続する接続制御手段とを備え、
少なくとも前記燃料電池が暖機運転を行なう間は、前記2次電池が前記モータに対して電力の供給を行なうと共に、前記暖機運転時には、前記燃料電池は、所定の低電流で足りる補機類に対してだけ電力を供給するよう接続される
ことを要旨とする。
【0018】
以上のように構成された本発明の電気自動車は、システムの始動時には、燃料電池の暖機運転が行なわれ、2次電池はモータに対して電力を供給する。2次電池がモータに電力を供給している間、暖機状態検出手段が暖機中の燃料電池の暖機状態を検出する。この検出結果から燃料電池が充分に暖機されたと判断されると、燃料電池とモータとが接続され、燃料電池からモータに対して電力の供給が行なわれるようになる。
【0019】
このような燃料電池システムによれば、システムの始動時においては2次電池がモータに対して電力を供給するので、システムの始動時であってもモータは、電圧降下や電池反応の異常などの問題を生じることなく必要な電力の供給を受け、ただちに車両を発進させることができる。また、燃料電池が充分に暖機されたことを暖機状態検出手段によって検出してから燃料電池とモータとの接続を行なうため、燃料電池の温度が低いことに起因して電圧が降下するといった不都合が生じることがない。さらにここでは、2次電池は燃料電池が充分に暖機されるまでの間だけ単独でモータに対して電力を供給可能であればよいので、大型の2次電池を備える必要がなく、2次電池の容量を抑えることができる。ここで、燃料電池の暖機が終了した後は燃料電池と2次電池との両方によってモータを駆動することとすれば、車両の走行時にモータの負荷が大きく変動した場合にも、安定した電圧で電力を供給することができる。さらに、車両の加速時や坂道走行時のようにモータの負荷が大きくなるときでも、高い電圧を維持することができる。
【0020】
また、本発明の電気自動車によれば、燃料電池は暖機中には所定の低電流で足りる補機類に対してだけ電力の供給を行なうため、大電流で発電しようとして電圧が降下してしまうという不都合が生じない。また、低い出力で発電を行なうことによって燃料電池の暖機を行なうため、燃料電池を昇温するために外部から特別にエネルギを供給する必要がなく、システム全体のエネルギ効率が低下することがない。ここで、所定の低電流とは、充分に暖機されていない燃料電池が出力しても電圧降下を起こさない程度の低電流であれば良い。このような補機類は、少なくとも、燃料電池冷却用のウオータポンプまたは酸化ガス供給用のコンプレッサを含むこととしても良い。
【0021】
【発明の実施の形態】
以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにするために、以下本発明の実施の形態を実施例に基づき説明する。図1は、本発明の好適な一実施例である燃料電池システム10の構成を表わすブロック図である。本実施例の燃料電池システム10は、車両に搭載されてこの車両を駆動するために働く。燃料電池システム10は、燃料電池12、2次電池14、車両駆動用のモータ16、冷却水を循環させるポンプなどで構成された補機類18、切り替えスイッチ20、燃料電池12の温度を測定する温度センサ22、各電池とモータ16との接続等を制御する制御部24を主な構成要素とする。以下、燃料電池システム10の各構成要素について説明する。
【0022】
燃料電池12は、固体高分子電解質型の燃料電池であり、構成単位である単セルを複数積層したスタック構造を有している。図2は、燃料電池12を構成する単セル40の構成を例示する断面図である。単セル40は、電解質膜41と、アノード42およびカソード43と、セパレータ44、45とから構成されている。
【0023】
アノード42およびカソード43は、電解質膜41を両側から挟んでサンドイッチ構造を成すガス拡散電極である。セパレータ44および45は、このサンドイッチ構造をさらに両側から挟みつつ、アノード42およびカソード43との間に、燃料ガスおよび酸化ガスの流路を形成する。アノード42とセパレータ44との間には燃料ガス流路44Pが形成されており、カソード43とセパレータ45との間には酸化ガス流路45Pが形成されている。セパレータ44、45は、図2ではそれぞれ片面にのみ流路を形成しているが、実際にはその両面にリブが形成されており、片面はアノード42との間で燃料ガス流路44Pを形成し、他面は隣接する単セルが備えるカソード43との間で酸化ガス流路45Pを形成する。このように、セパレータ44、45は、ガス拡散電極との間でガス流路を形成するとともに、隣接する単セル間で燃料ガスと酸化ガスの流れを分離する役割を果たしている。
【0024】
ここで、電解質膜41は、固体高分子材料、例えばフッ素系樹脂により形成されたプロトン伝導性のイオン交換膜であり、湿潤状態で良好な電気伝導性を示す。本実施例では、ナフィオン膜(デュポン社製)を使用した。電解質膜41の表面には、触媒としての白金または白金と他の金属からなる合金が塗布されている。この触媒塗布の方法としては、本実施例では白金または白金と他の金属からなる合金を担持したカーボン粉を作製し、この触媒担持カーボンを含むペーストを電解質膜41上にスクリーン印刷するという方法をとったが、他の方法であっても構わない。また、白金などの触媒は、電解質膜41ではなく、電解質膜41と接するアノード42およびカソード43側に塗布することとしてもよい。
【0025】
アノード42およびカソード43は、共に炭素繊維からなる糸で織成したカーボンクロスにより形成されている。なお、本実施例では、アノード42およびカソード43をカーボンクロスにより形成したが、炭素繊維からなるカーボンペーパまたはカーボンフエルトにより形成する構成も好適である。
【0026】
セパレータ44、45は、ガス不透過の導電性部材、例えば、カーボンを圧縮してガス不透過とした緻密質カーボンにより形成されている。セパレータ44、45はその両面に、平行に配置された複数のリブを形成しており、既述したように、アノード42の表面とで燃料ガス流路44Pを形成し、隣接する単セルのカソード43の表面とで酸化ガス流路45Pを形成する。ここで、各セパレータの表面に形成されたリブは、両面ともに平行に形成する必要はなく、面毎に直行するなど所定の角度をなすこととしてもよい。また、リブの形状は平行な溝状である必要はなく、ガス拡散電極に対して燃料ガスまたは酸化ガスを供給可能であればよい。
【0027】
以上、燃料電池12の基本構造である単セル40の構成について説明した。実際に燃料電池12として組み立てるときには、セパレータ44、アノード42、電解質膜41、カソード43、セパレータ45の順序で構成される単セル40を複数組積層し(本実施例では100組)、その両端に緻密質カーボンや銅板などにより形成される集電板46、47を配置することによって、スタック構造を構成する。
【0028】
図1に示したブロック図では図示しなかったが、実際に燃料電池を用いて発電を行なうには、上記スタック構造を有する燃料電池本体の他に所定の周辺装置を必要とする。図3は、燃料電池12とその周辺装置とからなる燃料電池部50の構成を例示するブロック図である。燃料電池部50は、燃料の供給を受けて発電する上記燃料電池12と、メタノールタンク51および水タンク52と、改質器54と、エアコンプレッサ56とを主な構成要素とする。
【0029】
改質器54は、メタノールタンク51および水タンク52から、メタノールおよび水の供給を受ける。改質器54では、供給されたメタノールを原燃料として水蒸気改質法による改質を行ない、水素リッチな燃料ガスを生成する。以下に改質器で行なわれる改質反応を示す。
【0030】
CHOH → CO+2H …(4)
CO+HO → CO+H …(5)
CHOH+HO → CO+3H …(6)
【0031】
改質器で行なわれるメタノールの改質反応は、(4)式で表わされるメタノールの分解反応と、(5)式で表わされる一酸化炭素の変成反応とが同時に進行し、全体として(6)式の反応が起きる。このような改質反応は全体として吸熱反応である。生成された水素リッチな燃料ガスは給燃路58を介して燃料電池12に供給され、燃料電池12内では各単セル40において、前記燃料ガス流路44Pに導かれてアノード42における電池反応に供される。アノード42で行なわれる反応は、既述した(1)式で表わされるが、この反応で必要な水を補って電解質膜41の乾燥を防ぐために、給燃路58に加湿器を設け、燃料ガスを加湿した後に燃料電池12に供給することとしてもよい。
【0032】
また、エアコンプレッサ56は、外部から取り込んだ空気を燃料電池12に加圧供給する。エアコンプレッサ56に取り込まれて加圧された空気は、空気供給路59を介して燃料電池12に供給され、燃料電池12内では各単セル40において、前記酸化ガス流路45Pに導かれてカソード43における電池反応に供される。一般に燃料電池では、両極に供給されるガスの圧力が増大するほど反応速度が上昇するため電池性能が向上する。そこで、カソード43に供給する空気は、このようにエアコンプレッサ56によって加圧を行なっている。なお、アノード42に供給する燃料ガスの圧力は、既述した給燃路58に設けた図示しないバルブの開放状態を制御することによって容易に調節可能である。
【0033】
燃料電池12内のアノード42で電池反応に使用された後の燃料排ガスと、エアコンプレッサ56によって圧縮された空気の一部とは改質器54に供給される。既述したように、改質器54における改質反応は吸熱反応であって外部から熱の供給が必要であるため、改質器54内部には図示しないバーナが加熱用に備えられている。上記燃料ガスと圧縮空気とは、このバーナの燃焼のために用いられる。使用済みの燃料排ガスは排燃路61によって改質器54に導かれ、圧縮空気は空気供給路59から分岐する分岐空気路60によって改質器54に導かれる。燃料排ガスに残存する水素と圧縮空気中の酸素とはバーナの燃焼に用いられ、改質反応に必要な熱量を供給する。なお、この排燃路61には既述した温度センサ22が設けられている。
【0034】
以上説明した燃料電池12は、後述する補機類18に接続されており、これらに対して電力を供給可能となっている。さらに燃料電池12は、切り替えスイッチ20の接続状態によってモータ16にも電力を供給可能となる。これら回路の接続状態の制御は、本発明の要部に対応するものであり、後に詳しく説明する。
【0035】
2次電池14は、モータ16に接続されており、このモータ16に電力を供給する電源装置である。本実施例では鉛蓄電池を用いたが、ニッケル−カドミウム蓄電池、ニッケル−水素蓄電池、リチウム2次電池などを用いることもできる。この2次電池14は、所定の期間、詳しくは燃料電池システム10の始動時に燃料電池12が充分に暖機されるまでの間、単独でモータ16を回転させて車両を駆動可能な容量を備えている。また、2次電池14は、モータ16以外にも車両に備えられた各種の機器に接続されており、これらに必要な電力を供給する。通常、車両を駆動するためには10kW程度の電力が必要であるため、2次電池14としては、15kW程度の出力があればモータ16および上記各種の機器に必要な電力を賄うことができる。実際には、予想される車両の運転条件などに基づいて、所定の余裕を持った容量の2次電池14を搭載することになる。
【0036】
モータ16は、燃料電池12あるいは2次電池14から電力の供給を受けて回転駆動力を発生する。この回転駆動力は、燃料電池システム10を搭載する車両における車軸を介して、車両の前輪および/または後輪に伝えられ、車両を走行させる動力となる。
【0037】
補機類18は、燃料電池システム10の起動中に所定範囲内の電力を恒常的に消費する負荷である。例えば、冷却水を循環させるウォータポンプ等がこれに相当する。冷却水は、燃料電池12の運転時に燃料電池12を構成するスタック構造内を循環し、燃料電池12内で熱交換を行なうことで燃料電池12を所定の温度以下に制御しようとするものである。従って、図1のブロック図では燃料電池12と補機類18とは独立して表わされているが、ウオータポンプに関しては燃料電池12の周辺機器と言うこともできる。このような補機類18の電力消費量は、約3から5kwという所定範囲であり、モータ16の消費電力に比べて消費電力も少なく、運転中の電力消費量の変動も小さい。
【0038】
切り替えスイッチ20は、モータ16に対して燃料電池12と2次電池14とを並列に接続する回路中に設けられており、この切り替えスイッチ20を切り替えることによって、モータ16と燃料電池12とを接続したり切り離したりすることができる。切り替えスイッチ20における接続状態は、制御部24によって制御されている。
【0039】
温度センサ22は、既述したように燃料電池部50における排燃路61に設けられており、燃料電池12のカソード43から排出される燃料排ガスの温度を検出する。この燃料排ガスは燃料電池内部と略同一温度であり、この燃料排ガスの温度を検出することによって、燃料電池12内部の温度を感度良く検知することができる。温度センサ22は導電ラインにより制御部24に接続されており、燃料電池12内部の温度に関する情報は、制御部24に伝えられて上記切り替えスイッチ20の切り替え状態の制御のための判断に供される。
【0040】
制御部24は、マイクロコンピュータを中心とした論理回路として構成され、CPU26、ROM28、RAM30および入出力ポート32からなる。CPU26は、予め設定された制御プログラムに従って所定の演算等を実行する。ROM28には、CPU26で各種演算処理を実行するのに必要な制御プログラムや制御データ等が予め格納されており、RAM30には、同じくCPU26で各種演算処理を実行するのに必要な各種データが一時的に読み書きされる。入出力ポート32は、温度センサ22からの検出信号等を入力すると共にCPU26での演算結果に応じて切り替えスイッチ20などに駆動信号を出力する。
【0041】
図1では、制御部24に関しては、温度センサ22からの検出信号の入力と切り替えスイッチ20への駆動信号の出力とのみを示したが、制御部24はこの他にも燃料電池システム10における種々の制御を行なっている。例えば、モータ16の駆動状態を入力して、その結果を基に燃料電池12に供給する燃料ガスの量を調節して発電量を制御したり、温度センサ22が検出した燃料電池12の温度を基に燃料電池12の冷却装置を調整して燃料電池の運転温度を適正範囲内に維持したり、あるいは、車両内で電力を消費する種々の負荷の大きさの変動を検知して、各電池の出力容量に応じて各負荷と各電池との接続を制御したりしている。
【0042】
以上燃料電池システム10の構成について説明したが、次に、この燃料電池システム10の始動時における回路の接続の制御について、図4に例示する始動時処理ルーチンに基づいて説明する。本ルーチンは、燃料電池システム10を搭載する車両において、この車両が走行可能な始動状態にするための所定のスタートスイッチをオンにしたときに、CPU26によって実行される。
【0043】
本ルーチンが実行されると、まず、切り替えスイッチ20において燃料電池12とモータ16との接続が切り離される(ステップS100)。この燃料電池12とモータ16との接続は、前記スタートスイッチをオフにしたときには切り離されることとしておけば、通常の始動時にはステップS100で改めて接続を切り離す必要はない。
【0044】
次に、燃料電池12の発電が開始される(ステップS110)。燃料電池12の発電が開始されると、改質器54がメタノールと水の供給を受けて改質反応を開始し、生成された燃料ガスがアノード42に供給される。また、エアコンプレッサ56が空気を取り込んでカソード43に加圧供給する。燃料電池12の始動時には電解質膜41が充分に湿潤化されていないため、少なくとも電解質膜41が充分に湿潤化されて燃料電池12の運転状態が安定化するまでの間は、燃料ガスまたは燃料ガスと酸化ガスの両方を加湿して、燃料電池12がより早く定常状態に達するようにしても良い。このようなガスの加湿には、2次電池14から供給される電力を用いることができる。
【0045】
ステップS100において燃料電池12とモータ16との接続が切り離されているため、燃料電池12が発電を始めてもこの電力がモータ16の駆動に使われることはないが、車両をすぐに発進させる場合には、モータ16を駆動するための電力は2次電池14から供給される。また、モータ16との接続は切り離されていても、燃料電池12は補機類18とは接続しているため、この補機類18に電力を供給しながら燃料電池12は暖機を行なう。補機類18は、既述したように、燃料電池12を冷却するための冷却水を循環させるウオータポンプなどで構成されており、前記スタートスイッチがオンになって車両が走行可能に準備された状態では所定範囲の電力を消費し続ける。
【0046】
スタートスイッチがオンになると、燃料電池12は発電を開始して、冷却水を燃料電池内に循環させるウオータポンプに対して駆動用の電力の供給を始める。発電を開始した当初は燃料電池12の内部の温度も低く発電量も少ないが、温度が低い間は燃料電池12を冷却する必要がないため、冷却水を循環させるために充分量の電力をポンプに供給することができなくても問題はない。また、冷却水の循環する水路には、冷却水を冷却するためのラジエータへの分岐路の位置にサーモスタットが設けられており、冷却水の温度が低い間は冷却水がラジエータに流れることがなく、不必要に冷却水が冷却されることがない。燃料電池12の温度が上がるに従って発電量も増え、ポンプによって冷却水は燃料電池12内を循環し、燃料電池12の内部は均一に昇温していく。
【0047】
冷却水が昇温して所定の温度以上になると、水路に設けられたサーモスタットの働きで分岐路に通じるバルブが開き、冷却水はラジエータ内に流入して冷却されるようになる。このように燃料電池12は、ウオータポンプを駆動しながら徐々に暖機を行ない、やがて充分に暖機が行なわれると、所定の温度を維持して定常状態で運転可能になる。
【0048】
ウオータポンプなどから構成される補機類18は、負荷としてはモータ16と比べてはるかに小さく、電流値も小さくて済むため、まだ温度が低く定常状態に達する前の燃料電池12によって電力の供給を行なっても電圧の降下が起こることがない。そのため燃料電池12は、負荷としては小さな補機類18に電力を供給することによって内部温度を充分に高め、それと共に電解質膜41も充分に湿潤化して、モータ16の大きな負荷にも対応可能な定常状態となる。
【0049】
ステップS120においては、燃料電池12内部の温度であるTFCと予め設定しておいた温度であるT0 とを比較する。実際にはTFCは、温度センサ22が検知して制御部24に伝えた温度であり、燃料電池12から排出される燃料排ガスの温度であるが、この温度は燃料電池12の内部の温度を精度良く表わしている。T0 は、燃料電池が充分に暖機されて正常に動作可能である温度として予め設定された温度である。本実施例では60℃に設定されている。
【0050】
ステップS120においてTFCがT0 よりも大きいと判断されると、切り替えスイッチ20が切り替えられて燃料電池12とモータ16とが接続され(ステップS130)、本ルーチンを終了する。TFCがT0 よりも大きい時には、燃料電池12は充分に暖機されていることになり、負荷の大きなモータ16に接続しても電圧降下を起こすことなく充分対応可能であると判断される。以後燃料電池12は、補機類18とモータ16との双方に電力を供給することとなる。また、モータ16は、燃料電池12と2次電池14との両方から所定の割合で電力の供給を受けることになる。ここで、燃料電池12と2次電池14とは並列にモータ16と接続していることから、各電池がモータに供給する電力の所定の割合は、各電池の出力容量によって決まる。
【0051】
ステップS120においてTFCがT0 よりも小さいと判断されると、再びステップS120に戻ってTFCがT0 よりも大きいと判断されるまでこのステップを繰り返す。TFCがT0 よりも小さい間は燃料電池12の暖機が充分ではなく、大きな負荷に接続すると電圧降下などを起こしてしまうおそれがある。従って、負荷の小さな補機類18に電力を供給しながら暖機を続け、燃料電池12の内部の温度が充分に上昇するのを待つ。このようにして暖機が充分に行なわれると、ステップS120でTFCがT0 よりも大きいと判断されるようになり、ステップS130に移行して、燃料電池12はモータ16への電力の供給を始める。
【0052】
以上のように構成された燃料電池システム10によれば、このシステムの始動時には2次電池14がモータ16を駆動するための電力を供給するため、燃料電池12が暖機されるのを待つこと無く車両を発進させることができる。また、燃料電池12は、その暖機時には補機類18に対してだけ電力を供給し、モータ16とは接続していないため、大きな負荷に対して大電流を流すことで電圧降下を起こすといったことがない。従って、充分に暖機されていない燃料電池12から大きな電流を取り出そうとすることで、燃料電池12内部で転極が起こったり部分的に異常発熱するという問題が生じることがない。さらに、燃料電池12の暖機は、補機類18という小さな負荷に対して電力を供給することによって自立的に行なわれるため、2次電池からのエネルギ等を用いて燃料電池を加熱する必要がなく、燃料電池12の暖機のためにエネルギ効率が低下することがない。
【0053】
ここで、燃料電池12は常に補機類18に接続されているので、車両が停止してモータ16を駆動する電力を要しない間も燃料電池12は運転を続け、補機類18に電力を供給し続ける。従って、車両が停止しても燃料電池12は定常状態を維持することができ、再発進時にはすぐに燃料電池12からモータ16へ電力を供給可能になる。車両が停止している間には燃料電池12の発電能力に余裕が生じるため、この間は燃料電池12によって2次電池14を充電する構成としても良い。
【0054】
さらに、本実施例の燃料電池システム10では、2次電池14は、燃料電池12の暖機中は単独でモータ16を駆動する必要があるが、燃料電池12の暖機終了後は燃料電池12とともにモータ16を駆動すればよく、また、必要に応じて燃料電池12によって充電可能であるので、2次電池14が大型化することがない。大容量の2次電池を搭載する必要がないことは、燃料電池システム10を車載する場合に有利である。また、燃料電池12の暖機が終了した後は、燃料電池12と2次電池14との両方を用いてモータ16を駆動するため、車両の走行中に急加速や坂道登坂を行なって特に大きな負荷がかかった場合にも、両方の電池で出力を補い合って充分に対応することができる。また、車両のスピードが落ちてモータ16での所要電圧が突然下がった場合にも、燃料電池12が発電した過剰な電力は、並列に接続された2次電池が蓄電するという形で吸収されるため、モータ16の負荷変動に広く対応することができる。
【0055】
また、上記した実施例では、補機類18として、燃料電池12を冷却する冷却水を循環させるためのウオータポンプを例に挙げて説明したが、ウオータポンプの他にも、制御部24のように車両の各部の働きを制御する装置に組み込まれたコンピュータやエアコンプレッサ56等も、補類18として暖機中の燃料電池12の出力の対象となる。これらはいずれも低く一定したレベルの電力を消費するため、燃料電池12を暖機するための負荷として適している。燃料電池12の暖機が進んで、これらの補機類18に電力を供給してもまだ余力が生じる場合には、所定の制御手段によって燃料電池12との接続を制御することで、上記冷却水を冷却するためのラジエータのファンや車両内のスイッチ部の照明用ランプ等にも電力を供給することとしてもよい。
【0056】
上記した実施例では改質器54での改質反応のための加熱にはバーナの燃焼熱を用いたが、改質器54には加熱用のヒータを設けることとし、このヒータへの電力の供給を2次電池14と燃料電池12とで切り替えることとしてもよい。燃料電池12の暖機を始めた当初は2次電池14によってヒータを加熱し、燃料電池12の暖機が進んで発電能力が向上してきたときには燃料電池12とヒータとを接続して、ヒータを補機類18に加えることもできる。このような制御は、温度センサ22から入力される情報を基に、燃料電池12と上記ヒータとを接続する所定のスイッチを制御部24によって駆動させることによって実現可能である。従って、ウオータポンプなど所要電力の小さな一部の機器は常に燃料電池12から電力を供給されて補機類18として働かせ、これらの他にも、必要に応じて燃料電池12と接続することで他の機器類を補機類18に加えることとしてもよい。
【0057】
本実施例の燃料電池システム10では、排燃路61に温度センサ22を設け、燃料電池12から排出される燃料排ガスの温度を検出することによって燃料電池10の暖機状態を検出する構成としたが、このような暖機状態の検出手段としては、燃料電池12内部の運転状態を直接知る手段、あるいは燃料電池12の運転状況を類推する手段等から任意に採用することができる。燃料電池12内部の運転状態を直接知る手段としては、まず、燃料電池内部の温度を測定する方法を挙げることができる。燃料電池内部の温度を測定する方法としては、上記した燃料排ガスの温度を測定する他に、燃料電池12内部に温度センサを設置して直接燃料電池12内部の温度を検出したり、あるいは、燃料電池12の内部を循環した冷却水の水路に温度センサを設置して冷却水の温度を測定するなどの方法があり、燃料電池12内部の温度を反映した部位の温度を測定する方法であればよい。
【0058】
ここで、燃料電池12内部の温度を反映する各部の温度を測定する方法としては、上記したようにセンサを設けることによって実際の温度を測定して、この数値を基に制御部24が判断を行なう構成の他に、センサとは異なる検出手段を所定の位置に設けて、燃料電池の暖機が終了したときには、この検出手段が制御部24に対してスイッチの切り替えを指示する二値的な信号を出力する構成とすることもできる。例えば、排燃路61など燃料電池12の温度を反映する場所にバイメタルやサーモスタットを備えた検出器を設け、この取り付け位置に伝えられる燃料電池12の温度が所定の温度を越えたときに、これらバイメタルなどの形状が物理的に変化するのに伴って、検出器が所定の信号を制御部24に出力することとする。このような構成とすれば、制御部24は具体的なデータを比較して判断を下す処理を行なう必要がなく、検出器から所定の信号を入力されたときに切り替えスイッチ20を駆動する信号を出力すればよい。また、温度を測定する以外に燃料電池12内部の運転状態を直接知る方法としては、電解質膜41の抵抗値を測定する等の方法を挙げることができる。
【0059】
他方、燃料電池12の運転状況を類推する手段としては、例えば、システム始動時からの経過時間や、同じくシステム始動時からのモータ16の累積回転数、あるいはメタノールタンク51や水タンク52から供給されるメタノールや水の累積供給量などを測定して制御部24に伝える方法を挙げることができる。車両用システム始動時のようにある程度一定した条件の下で燃料電池12を運転すれば、経過時間や供給した燃料の量などを基に、所定の確からしさで現在の運転状況を類推することが可能であり、燃料電池12の暖機状態を知ることができる。
【0060】
また、以上説明した本実施例の燃料電池システム10では、燃料電池12とモータ16との接続を制御するときに、上述した各種センサが燃料電池12の暖機状態を検出し、この検出結果を基に制御部24が暖機の完了を判断して切り替えスイッチ20を駆動する構成としたが、センサなどの検出部および暖機状態を判断する制御部を電気的に接続する必要のない構成とすることもできる。例えば、切り替えスイッチ20においてその駆動部にバイメタルやサーモスタット等を備えさせ、切り替えスイッチ20を排燃路61の近傍など燃料電池12の温度の影響を直接受ける部位に設置する。このような構成とすれば、燃料電池12が所定の温度に達したときに、これらバイメタル等の形状が物理的に変化することによって直接燃料電池12とモータ16との接続を切り替えることができる。このような場合には、所定の条件を測定するセンサを別途備える必要がなく、燃料電池システム10における電気的な接続を簡略化することができる。
【0061】
本実施例の燃料電池システム10では、燃料電池12として固体高分子電解質膜型の燃料電池を用いたが、リン酸型燃料電池など車両に搭載可能であって始動と停止を繰り返す使用に耐えるものであればよい。また、本実施例の燃料電池システム10は、車両に搭載する場合だけでなく、種々の用途において、その始動時に上記実施例と同様な効果を奏することができる。
【0062】
以上本発明の実施例について説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々なる様態で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な一実施例である燃料電池システム10の構成を例示するブロック図である。
【図2】燃料電池12を構成する単セル40の構造を示す断面図である。
【図3】燃料電池12を備えた燃料電池部50の構成を示すブロック図である。
【図4】制御部24のCPU26によって実行される始動時処理ルーチンを例示するフローチャートである。
【図5】燃料電池における、暖機終了前および暖機終了後の出力特性を表わす説明図である。
【符号の説明】
10…燃料電池システム
12…燃料電池
14…2次電池
16…モータ
18…補機類
20…切り替えスイッチ
22…温度センサ
24…制御部
26…CPU
28…ROM
30…RAM
32…入出力ポート
40…単セル
41…電解質膜
42…アノード
43…カソード
44、45…セパレータ
44P…燃料ガス流路
45P…酸化ガス流路
46…集電板
50…燃料電池部
51…メタノールタンク
52…水タンク
54…改質器
56…エアコンプレッサ
58…給燃路
59…空気供給路
60…分岐空気路
61…排燃路

Claims (5)

  1. 燃料電池と2次電池とを備え、少なくともいずれかの電池により負荷に対して電力の供給を行なう燃料電池システムにおいて、
    前記負荷と前記燃料電池との電気的な接続を入り切りするスイッチと、
    前記燃料電池の暖機運転を行なう際、該燃料電池の暖機状態を検出する暖機状態検出手段と、
    該暖機状態検出手段における検出結果を基に、前記スイッチを駆動して、前記負荷と前記燃料電池とを接続する接続制御手段とを備え、
    少なくとも前記燃料電池が暖機運転を行なう間は、前記2次電池が前記負荷に対して電力の供給を行なうと共に、前記暖機運転時には、前記燃料電池は、所定の低電流で足りる副負荷に対してだけ電力を供給するよう接続される
    燃料電池システム。
  2. 車両に搭載されており、前記負荷が前記車両を駆動するためのモータである請求項1記載の燃料電池システム。
  3. 請求項1または2記載の燃料電池システムであって、
    前記副負荷は、少なくとも、燃料電池冷却用のウオータポンプまたは酸化ガス供給用のコンプレッサを含む
    燃料電池システム。
  4. 燃料電池と2次電池とを備え、少なくともいずれかの電池により車両駆動用のモータに対して電力の供給を行なう電気自動車において、
    前記モータと前記燃料電池との電気的な接続を入り切りするスイッチと、
    前記燃料電池が暖機運転を行なう際、該燃料電池の暖機状態を検出する暖機状態検出手段と、
    該暖機状態検出手段における検出結果を基に、前記スイッチを駆動して、前記モータと前記燃料電池とを接続する接続制御手段とを備え、
    少なくとも前記燃料電池が暖機運転を行なう間は、前記2次電池が前記モータに対して電力の供給を行なうと共に、前記暖機運転時には、前記燃料電池は、所定の低電流で足りる補機類に対してだけ電力を供給するよう接続される
    電気自動車。
  5. 請求項4記載の電気自動車であって、
    前記補機類は、少なくとも、燃料電池冷却用のウオータポンプまたは酸化ガス供給用のコンプレッサを含む
    電気自動車。
JP06177896A 1996-02-23 1996-02-23 燃料電池システム Expired - Lifetime JP3601166B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06177896A JP3601166B2 (ja) 1996-02-23 1996-02-23 燃料電池システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06177896A JP3601166B2 (ja) 1996-02-23 1996-02-23 燃料電池システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09231991A JPH09231991A (ja) 1997-09-05
JP3601166B2 true JP3601166B2 (ja) 2004-12-15

Family

ID=13180901

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP06177896A Expired - Lifetime JP3601166B2 (ja) 1996-02-23 1996-02-23 燃料電池システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3601166B2 (ja)

Families Citing this family (42)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19810467C1 (de) 1998-03-11 1999-10-14 Daimler Chrysler Ag Hybrid-Antriebskonzept für Brennstoffzellen-Fahrzeuge
JP4244399B2 (ja) 1998-05-14 2009-03-25 トヨタ自動車株式会社 燃料電池システム及びそれを搭載した電気自動車並びに燃料電池システムの起動制御方法
DE19932781C2 (de) * 1999-07-14 2003-07-24 Daimler Chrysler Ag Verfahren und Schaltungsanordnung zur Versorgung eines Bordnetzes eines Kraftfahrzeugs mit elektrischer Energie
JP2001095109A (ja) * 1999-09-21 2001-04-06 Toshiba Corp 電動自転車および電動自転車の駆動方法
JP2001176527A (ja) * 1999-12-16 2001-06-29 Daikin Ind Ltd 燃料電池システム及び燃料電池コジェネレーションシステム
DE19962684A1 (de) * 1999-12-23 2001-07-26 Siemens Ag Brennstoffzellenanlage als Antriebseinheit für ein Fahrzeug
JP2001231108A (ja) * 2000-02-14 2001-08-24 Yamaha Motor Co Ltd 電動車両の充電装置
JP2001266917A (ja) * 2000-03-15 2001-09-28 Toyota Motor Corp 動力装置およびその制御方法
JP3882530B2 (ja) * 2001-05-16 2007-02-21 日産自動車株式会社 燃料電池システムの制御装置
JP4045755B2 (ja) 2001-05-23 2008-02-13 日産自動車株式会社 燃料電池システム
JP3643069B2 (ja) * 2001-10-16 2005-04-27 本田技研工業株式会社 燃料電池の冷却方法
DE10240247A1 (de) * 2002-08-31 2004-03-18 Daimlerchrysler Ag Leistungsgeregelte Brennstoffzelle
JP2004168101A (ja) 2002-11-18 2004-06-17 Honda Motor Co Ltd 燃料電池搭載型電気自動車
JP3929913B2 (ja) * 2003-03-03 2007-06-13 株式会社日本総合研究所 電力供給システム
JP4626125B2 (ja) * 2003-03-14 2011-02-02 日産自動車株式会社 燃料電池システム
JP4666130B2 (ja) * 2003-03-24 2011-04-06 日産自動車株式会社 燃料電池システム
JP3891136B2 (ja) 2003-03-27 2007-03-14 日産自動車株式会社 車両用燃料電池システムの制御装置
US7535118B2 (en) 2003-07-23 2009-05-19 The Japan Research Institute, Limited Power supply system and fuel cell unit
JP4193639B2 (ja) 2003-08-28 2008-12-10 日産自動車株式会社 燃料電池搭載車両の制御装置
JP4534122B2 (ja) * 2003-12-26 2010-09-01 トヨタ自動車株式会社 ハイブリッドシステム
JP4704690B2 (ja) * 2004-02-06 2011-06-15 株式会社日立製作所 燃料電池発電システム
JP4845342B2 (ja) * 2004-03-04 2011-12-28 トヨタ自動車株式会社 燃料電池システム
JP4969029B2 (ja) 2004-08-16 2012-07-04 株式会社日立製作所 電源装置及びその制御方法
KR100599809B1 (ko) * 2004-11-17 2006-07-12 삼성에스디아이 주식회사 연료 전지 시스템
EP1845574B1 (en) 2005-01-24 2015-07-08 Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha Fuel cell system and start method thereof
EP1845575B1 (en) 2005-01-24 2018-04-11 Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha Fuel cell system and start method thereof
JP2006147588A (ja) * 2005-12-09 2006-06-08 Sanyo Electric Co Ltd 燃料電池システム
JP4529948B2 (ja) * 2006-06-07 2010-08-25 日産自動車株式会社 燃料電池システムの制御装置
US8088522B2 (en) 2006-09-01 2012-01-03 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Fuel cell system and mobile body
JP4380676B2 (ja) * 2006-09-12 2009-12-09 トヨタ自動車株式会社 移動体
JP4379922B2 (ja) * 2006-09-12 2009-12-09 トヨタ自動車株式会社 移動体
JP4821662B2 (ja) 2007-03-12 2011-11-24 トヨタ自動車株式会社 燃料電池システム
JP4941167B2 (ja) * 2007-08-13 2012-05-30 トヨタ自動車株式会社 燃料電池の制御装置
JP4656539B2 (ja) * 2007-11-21 2011-03-23 トヨタ自動車株式会社 燃料電池システム
JP4743455B2 (ja) * 2009-05-26 2011-08-10 トヨタ自動車株式会社 燃料電池システム
JP4924910B2 (ja) * 2010-02-26 2012-04-25 Toto株式会社 燃料電池装置
US8450965B2 (en) * 2010-07-20 2013-05-28 GM Global Technology Operations LLC Stack-powered fuel cell monitoring device with prioritized arbitration
JP5736282B2 (ja) * 2011-09-09 2015-06-17 本田技研工業株式会社 燃料電池車両
US9634342B2 (en) 2012-10-01 2017-04-25 Nissan Motor Co., Ltd. Fuel cell system and control method
JP6329202B2 (ja) * 2016-06-08 2018-05-23 本田技研工業株式会社 燃料電池車両及びその起動方法
CN109962313B (zh) * 2017-12-14 2021-06-01 郑州宇通客车股份有限公司 一种燃料电池混合动力车辆及其低温启动控制方法、装置
JP7272162B2 (ja) * 2019-08-02 2023-05-12 スズキ株式会社 燃料電池車

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5823167A (ja) * 1981-08-03 1983-02-10 Nissan Motor Co Ltd 燃料電池動力装置
JPS62222572A (ja) * 1986-03-24 1987-09-30 Toshiba Corp 電力供給装置
JPH06140065A (ja) * 1992-09-08 1994-05-20 Toshiba Corp 燃料電池発電システム
JPH06124720A (ja) * 1992-10-10 1994-05-06 Aqueous Res:Kk ハイブリッド電源装置
FR2709873B1 (fr) * 1993-09-06 1995-10-20 Imra Europe Sa Générateur de tension à pile à combustible.
JP3378081B2 (ja) * 1994-03-30 2003-02-17 マツダ株式会社 燃料電池システムの制御装置
JP3358903B2 (ja) * 1995-02-02 2002-12-24 三菱重工業株式会社 燃料電池の電力供給装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09231991A (ja) 1997-09-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3601166B2 (ja) 燃料電池システム
JP4049833B2 (ja) 電源装置および電気自動車
JP3608017B2 (ja) 電源システム
JP4372235B2 (ja) 燃料電池システムおよび電気自動車
US6087028A (en) Fuel-cells system and method of regulating temperature in fuel-cells system
JP5184083B2 (ja) 燃料電池の高分子膜の加湿制御
JP5157163B2 (ja) 燃料電池システム及び燃料電池システム搭載移動体
KR101135659B1 (ko) 연료전지 시스템
JPH10271706A (ja) 電源装置および電気自動車
KR101136499B1 (ko) 연료전지시스템
JP2005032587A (ja) 燃料電池システム
US20100081022A1 (en) Fuel cell system
EP2915209B1 (en) Fuel cell humidification management method&system
JP2001307758A (ja) 燃料電池システムおよび電気自動車
JP5146639B2 (ja) 燃料電池システム
US20060073367A1 (en) Fuel cell system
JP2007250216A (ja) 燃料電池システム及びその運転方法
JP5229523B2 (ja) 燃料電池システム
JP2004235009A (ja) 燃料電池システムおよび移動装置
JP7367611B2 (ja) 燃料電池システム
JP2005190997A (ja) 燃料電池システム
KR101084078B1 (ko) 연료 전지 시스템 및 그 구동 방법
JP7298541B2 (ja) 燃料電池システム
JP2021182511A (ja) 燃料電池システム
JP2021182512A (ja) 燃料電池システム

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040615

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040802

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040831

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040913

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081001

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081001

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091001

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101001

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111001

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111001

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121001

Year of fee payment: 8