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JP3599611B2 - ドアクローザ - Google Patents

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JP3599611B2
JP3599611B2 JP24348999A JP24348999A JP3599611B2 JP 3599611 B2 JP3599611 B2 JP 3599611B2 JP 24348999 A JP24348999 A JP 24348999A JP 24348999 A JP24348999 A JP 24348999A JP 3599611 B2 JP3599611 B2 JP 3599611B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、引戸の開扉動作によってゼンマイバネが蓄勢され、その蓄勢力で引戸を閉扉方向に付勢して自動的に閉扉するための引戸用のゼンマイ式のドアクローザに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のドアクローザとしては、引戸の開扉によって蓄勢されて引戸を閉扉方向に付勢するゼンマイバネを備えたゼンマイ式のドアクローザが公知である。
【0003】
該ドアクローザは、ゼンマイバネを内蔵しその外側端部(外周側端部)が固定されたドラムを備え、該ドラムにはワイヤー等の索条体がその一端を繋がれて巻き付けられている。そして、引戸を開くと索条体がドラムから繰り出されると共にドラムの回転に応じてゼンマイバネが蓄勢され、この蓄勢力で引戸は閉扉方向に付勢される。その後、開扉された引戸から手を離すと、ゼンマイバネの蓄勢力によってドラムが逆方向に回転し、ドラムの回転によって索条体が巻き取られて引戸が自動的に閉扉される。
【0004】
また、ゼンマイバネのバネ力を調整するためのバネ調整部を備えたものもある。該バネ調整部は、ゼンマイバネの内側端部(中心側端部)が固定された調整軸を有し、該調整軸を回転させることで、ゼンマイバネを巻き上げたり巻き戻したりしてゼンマイバネのバネ力を調整できる構成となっている。
【0005】
このバネ力調整によって、引戸の開扉状態におけるゼンマイバネの蓄勢力を増減でき、引戸の重量に応じてバネ力を増減したり、引戸の閉扉速度を変えること等ができる。
【0006】
また、調整軸を回転させるには、ドライバー等の工具を用いたり、バネ調整部に調整軸と一体に回転する調整用のレバーを設け、そのレバーを手で回転操作すること等によって行われる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
一方、調整軸はゼンマイバネによって付勢されて、ゼンマイバネが巻き戻る方向に回転しようとしているため、バネ力を増加する際には、ゼンマイバネのバネ力に抗して調整軸を回転させることとなる。
【0008】
しかしながら、従来においては、調整軸を回転させている際に、万一操作を誤って工具やレバー等から手が離れると、ゼンマイバネが解放されて調整軸が高速反転してゼンマイバネが急速に巻き戻ることになる。従って、バネ力調整を開始した状態よりもゼンマイバネが巻き戻ったりして、最初からバネ力調整をやり直す必要が生じる。そのため、バネ力調整を極めて慎重に行う必要があり、バネ力調整が不便であるという問題があった。
【0009】
そこで本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされ、その課題とするところは、ゼンマイバネのバネ力調整中に万一操作を誤って手が離れる等してゼンマイバネが解放状態となった場合でも、調整軸部が緩やかに回転するようにして、バネ力調整を簡便に且つ安心して行うことができるドアクローザを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであり、本発明に係るドアクローザは、引戸の開扉によって蓄勢されて引戸を閉扉方向に付勢するゼンマイバネ7と、該ゼンマイバネ7のバネ力を調整するためのバネ調整部とを備え、該バネ調整部は、ゼンマイバネ7の内側端部が固定された調整軸部5を有し、該調整軸部5を回転させてゼンマイバネ7を巻き上げ又は巻き戻しすることによりゼンマイバネ7のバネ力を調整できるよう構成されてなるドアクローザであって、前記調整軸部5の回転に回転抵抗を与える抵抗体6を備えてなることを特徴とする。
【0011】
本発明に係るドアクローザにあっては、ゼンマイバネ7を巻き上げるように調整軸部5を回転するとゼンマイバネ7のバネ力が増し、逆に巻き戻すように回転すればバネ力を減少させることができる。
【0012】
また、調整軸部5は、ゼンマイバネ7によって付勢されてゼンマイバネ7が巻き戻る方向に回転しようとしている。そのため、バネ力を増加させる時には、ゼンマイバネ7のバネ力に抗して調整軸部5を回転させることになるが、抵抗体6が調整軸部5の回転に回転抵抗を与えるため、万一操作を誤って手を離す等してゼンマイバネ7が解放状態となっても、この回転抵抗によって調整軸部5の回転が抑制され、調整軸部5は緩やかに回転し、ゼンマイバネ7も徐々に巻き戻ることになる。尚、解放状態とは、外部からゼンマイバネ7の巻き状態を維持しようとする力がゼンマイバネ7に作用していない状態を意味する。
【0013】
従って、万一回転操作を誤っても、慌てることなく調整を再開することができ、また、必要以上に慎重になることなく安心してバネ力調整を行うことができるのである。更に、逆にバネ力を弱める場合には、抵抗体6による回転抵抗によって調整軸部5が緩やかに回転していくので、所望の状態まで巻き戻った段階で調整軸部5の回転を止めてバネ力調整を終えることができる。
【0014】
尚、バネ力の調整で調整軸部5を過度に回転してゼンマイバネ7を閉扉状態において巻き上げすぎると、開扉によってゼンマイバネ7が蓄勢される際にゼンマイバネ7の有効巻き数を越えてしまって故障の原因となる。そのため、ゼンマイバネ7のバネ力の調整範囲を制限する制限手段を備えることが好ましく、これにより、誤って調整軸部5を過度に回転させてゼンマイバネ7が破損することが防止される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について図1乃至図7を参酌しつつ説明する。
本実施形態におけるドアクローザは、引戸の開扉によって蓄勢されて引戸を閉扉方向に付勢するゼンマイバネと、該ゼンマイバネのバネ力を調整するためのバネ調整部とを備え、前記バネ調整部は、ゼンマイバネの内側端部が固定された調整軸部と、該調整軸部を回転させるための手で回転操作可能に構成された回転操作部とからなる。以下、具体的に説明する。
【0016】
図1及び図2において、1は、ドアクローザを取り付けるための取付板で、該取付板1は、引戸の開閉方向(図1における左右方向)の一端部が折り曲げられて折曲部1aが形成され、全体としてL字状に形成されてなる。また、該取付板1には、取り付け用ビス2が螺合する取付孔3が上下対称位置に形成されてなる。
【0017】
該取付板1には、支持軸4がその基端部をカシメ等されることにより固定されてなり、該支持軸4は取付板1の上下方向中央に位置している。該支持軸4には、前記調整軸部として円筒状の調整軸5が挿入されてなり、調整軸5は支持軸4に軸支されてなる。また、該調整軸5の基端部には、支持軸4の外周面と調整軸5の内周面との間に隙間が形成されてなり、該筒状の隙間には抵抗体としてのOリング6が上下多段に介在されてなる。
【0018】
一方、ゼンマイバネ7を内蔵するドラム8が、調整軸5に基端部側と先端部側の二箇所のベアリング9,9を介して軸支されてなる。前記ゼンマイバネ7は、その外側端部(外周側端部)がドラム8に固定され、その内側端部7a(中心側端部)が前記調整軸5に固定されてなる。
【0019】
また、前記ドラム8には、軸方向両端部に各々フランジ部8aが形成されてなり、両フランジ部8a,8aの間の周壁部8bにはワイヤー等の索条体10が巻き付けられている。該索条体10は、その基端部10bがドラム8に固定されて、互いに重なり合わないように周壁部8bに所定回数巻回してなる。そして、ドラム8と前記取付板1の折曲部1aとの間に位置するローラ11に所定角度巻き付いて水平方向の姿勢とされて折曲部1aの貫通孔1bを貫通してなり、その先端部10aはリング状に形成されると共に、ワッシャ12が取り付けられて貫通孔1bからドラム8側へ抜けることが防止されている。
【0020】
尚、前記貫通孔1bは、ドアクローザの上下方向中央に形成されると共に、図2の如く、折曲部1aの折曲方向(ドラム8の回転中心軸方向)に沿って長い長孔状に形成されてなる。即ち、索条体10の上下方向の引き出し位置は、ドラム8の回転中心と略一致しており、前記上下の取付孔3,3の中間に位置してなる。換言すれば、ドアクローザを図1の状態とは左右逆の状態にして取り付けても、索条体10の引き出し高さが変化しないように、引き出し高さから上下対称の位置に取り付け位置である取付孔3を設けているのである。
【0021】
一方、索条体10の基端部10b側について説明すると、まず、図3のようにドラム8の一方のフランジ部8a(本実施形態では調整軸5の基端部側のフランジ部8a)には、複数の貫通孔13と止まり孔14とが形成されてなる。複数の貫通孔13はフランジ部8aを厚み方向(ドラム8の回転中心軸方向)に貫通し、該貫通孔13を索条体10が順に前後に蛇行するように挿通している。
【0022】
また、前記止まり孔14は、図4及び図5の如く、フランジ部8aと周壁部8bとの境界にドラム8の軸方向に形成され、ドラム8の取付板側端面8cに開口すると共に、その反対側略半分は周壁部8bから側方に開口してなる。そして、前記索条体10の基端部10bには円柱状の端子15が取り付けられ、該端子15が止まり孔14にはまり込んで端子15が止まり孔14から抜けないように構成されることによって、索条体10の基端部10bがドラム8に係止されている。
【0023】
このように、索条体10の基端部10b(ドラム8側の固定部)を、ドラム8の外部及びゼンマイバネ収容空間の何れにも突出させずにドラム8内に収納してなるので、他の部品との干渉を防止できて省スペース化が図れる。しかも、索条体10を複数の貫通孔13に蛇行するように挿通させることで、索条体10が最後まで繰り出されても、直接端子15に負荷がかかり難くなり、索条体10が抜けることなく確実にドラム8との固定状態を維持できる。
【0024】
また一方、前記調整軸5はドラム8を貫通し、ドラム8の端面から突出した調整軸5の先端部には、前記回転操作部としての調整レバー16が調整軸5と一体的に回転するように設けられてなる。該調整レバー16は、調整軸5の軸方向に弾性変形可能な板バネからなり、その基端部が調整軸5の先端部の段部と相対回転不能に係合し且つ、前記支持軸4の先端部に螺着したビス17によって調整軸5からの抜け止めがされている。また、調整レバー16の先端部には、ゴム製の摘み部18がドラム8と反対側の面に取り付けられてなる。
【0025】
このように、調整軸5と調整レバー16とからゼンマイバネ7のバネ力を調整するバネ調整部が構成され、本実施形態では、図1において、調整レバー16を時計回り(図1の矢印P方向)に回転させることでゼンマイバネ7が巻き上げられてそのバネ力を強めることができる。そこで、調整レバー16の先端部は、前記ローラ11のローラ支軸19に当接してその反時計方向の回転が止められている。
【0026】
該ローラ支軸19は、その基端部が前記取付板1にカシメ等されて固定されており、支持軸4と略平行に設けられ、その先端部には係合溝20が形成されている。該係合溝20に調整レバー16の先端部が係合することによって、通常状態において調整レバー16がローラ支軸19の軸方向に移動することが阻止される。
【0027】
次に、以上の構成からなるドアクローザの使用状態について説明する。
図6のように、上枠50に固定されたレール51にドアクローザを取り付けるが、取付孔3に取り付け用ビス2を螺入した状態で、レール51の上下溝に取付板1をはめ込み、取り付け用ビス2を締め込んでレール51に取り付け用ビス2の先端を押しつけていくことにより、取付板1が上下溝の前面側に押圧されて固定される。
この取り付けの際、索条体10の引き出し方向がレール51の長手方向(水平方向)となるようにする。そして、二箇所の滑車52を介してレール51に吊り下げられている引戸53にドアクローザの索条体10の先端部10aを取り付ける。
【0028】
索条体10の先端部10aの取り付け位置は、図6では滑車52に取り付けているが、引戸53自体でもよく、あるいは、引戸53と共に移動する他の部材に取り付けてもよい。また、引戸53側にドアクローザを取り付けて、レール51等の固定側に索条体10の先端部10aを取り付けることも可能である。
【0029】
一方、図6に示す引戸53は図中の左側に開かれるものであるが、右側に開く引戸53にもこのドアクローザを左右反転させることで用いることができる。即ち、索条体10の引き出し高さに対して上下の取付孔3が対称位置にあるため、ドアクローザを左右何れの向きに使用しても、引き出し高さが変化せず、従って、同様に索条体10の先端部10aを滑車52に取り付けて使用することができ、利便性に優れる。
【0030】
また、索条体10の先端部10aを滑車52等に取り付ける場合には、図4に示すように、索条体10がドラム8に斜めに巻き取られるように、索条体10の前後方向の取り付け位置を設定することが好ましく、これにより、ドラム8に巻回される際に索条体10の巻き取り位置が少しずつずれ、索条体10同士が互いに重なり合うことがないので、索条体10同士の接触音を防止することができる。この際、取付板1の折曲部1aの貫通孔1bが前後方向に長い長孔状なるため、ドラム8に対して斜めに設定しやすいという利点がある。
【0031】
尚、索条体10の巻き取り方向がドラム8の回転方向に対して斜めになればよいので、索条体10自体を斜めにする以外にも、ドラム8やローラ11を斜めにしてもよい。
【0032】
一方、このようにしてレール51に取り付けられた後、引戸53を開くと、その開扉動作に応じて索条体10がドラム8から繰り出されると共に、ドラム8の回転によってゼンマイバネ7が蓄勢されていく。そして、その蓄勢されたゼンマイバネ7はドラム8を反対側に回転させようと付勢し、その力が索条体10を介して引戸53に作用する。即ち、ゼンマイバネ7は開扉された引戸53を閉扉方向に付勢することとなるので、引戸53から手を離すと、ゼンマイバネ7の蓄勢力によってドラム8が反転して索条体10を巻き取り、引戸53が自動的に閉扉される。
【0033】
かかる引戸53の閉扉速度あるいは閉扉可能な引戸53の重量等は、ゼンマイバネ7の蓄勢力に左右され、この蓄勢力は、閉扉状態におけるゼンマイバネ7のバネ力の設定によって決定される。本実施形態のドアクローザにあっては、このバネ力を調整するためのバネ調整部を備えてなるので、バネ力の調整を自由に行うことができる。以下、このバネ力調整作業について説明する。
【0034】
通常の状態においては、図1や図2のように、調整レバー16がローラ支軸19に係止されてその回転が止められた状態にあるので、引戸53を開閉してドラム8が回転しても、調整軸5は回転することがない。また、係合溝20に調整レバー16の先端部が係合しているので、不用意に調整レバー16に板厚方向の力が作用しても回転停止状態が維持される。
【0035】
ここからバネ力を強くしたい場合には、調整レバー16の摘み部18を摘んで調整レバー16を時計方向に回転させる。このように調整レバー16を回転させることで自動的に係合溝20との係合が解除されると共に、調整軸5も一体的に回転してゼンマイバネ7が巻き上げられる。尚、本実施形態ではゼンマイバネ7の巻き上げ方向は時計方向となっている。
【0036】
そして、調整レバー16を一回転させる直前(約350度)まで回転させると、ローラ支軸19に接触する位置に到達するが、ここで、図7のように、摘み部18を持ち上げて、調整レバー16をドラム8と反対側(ローラ支軸19の軸方向先端部側)に向けて反らせることによって容易にローラ支軸19を乗り越えることができる。その後、調整レバー16から手を離すと、調整レバー16はその弾性復元力によって自動的に元の撓みのない初期状態に戻ってローラ支軸19の係合溝20に係合する。
【0037】
更に、バネ力を強めたい場合には、調整レバー16を時計方向に繰り返し回転させればよく、調整レバー16の一回転分を最小調整幅として、自由にバネ力を調整することができる。しかも、ドライバー等の工具を一切使用せずに、手で調整レバー16を回転操作するのみで調整できるうえに、調整レバー16が弾性を有してなるので回転操作も容易である。
尚、調整レバー16の一回転分を最小調整幅としたが、例えば、取付板1の幅を大きくして、ローラ支軸19と調整軸5を中心として180度対称の位置に別途ローラ支軸19を設けて、調整レバー16の半回転分を最小調整幅とすることもできる。このように、ローラ支軸19を任意の位置に複数設けることで、より一層バネ力の微調整を行うことができる。
【0038】
しかも、調整軸5の内周面と支持軸4の外周面との間にOリング6を介在させOリング6が調整軸5の回転を抑制する回転抵抗を調整軸5に与えるので、調整レバー16の回転操作中に万一手が滑るなどして調整レバー16を離しても、調整レバー16が急激に反転するということがなく、調整軸5がOリング6から回転抵抗を受けて緩やかに回転する。従って、手で回転操作する部位である調整レバー16も低速で回転することとなり作業者に対して安全である。また、調整中に手を離しても慌てて調整レバー16を手で押さえる等の必要もないので、安心して調整することができるのである。
【0039】
そのうえ、調整レバー16はローラ支軸19に当接してその回転を停止するので、回転操作中に手を離しても一回転以下の戻りで済み、調整開始状態を越えて更にゼンマイバネ7が巻き戻るということがないので、その意味でも安心して調整することができるのである。
【0040】
一方、逆にバネ力を弱くする場合にはより一層簡便にできる。即ち、調整レバー16を持ち上げてローラ支軸19を反時計方向に乗り越えさせる動作のみで、以降は、ゼンマイバネ7の付勢によって自動的に調整レバー16が一回転してローラ支軸19に当接する。従って、作業者はこの動作のみで自動的にバネ力を調整レバー16の一回転分ずつ弱めることができるのである。
【0041】
しかも、Oリング6による回転抵抗によって、調整レバー16が緩やかに反転していくので、作業者にとっても極めて安全である。このようにバネ力を減少させる調整の時においても、調整レバー16の回り止めとしてローラ支軸19を設けていることにより、一度にゼンマイバネ7が全て巻き戻ってしまうことがなく確実に所望の値に調整することができる。
【0042】
また、このバネ力を減少させる調整時において、調整レバー16に弾性を持たせたことによる効果が発揮される。即ち、調整レバー16を撓ませてローラ支軸19を乗り越えた後は、自動的に係合溝20と係合する高さに復帰するので、確実にローラ支軸19に当接して回転が停止するからである。
【0043】
尚、抵抗体はOリング6に限定されるものではなく、Oリング6以外の弾性体を支持軸4と調整軸5との摺動部分に介在させてもよい。また、調整軸5に直接回転抵抗を与えるよう構成したが、回転操作部としての調整レバー16に接触して回転抵抗を与えるように抵抗体を設けてもよく、何れにしても、抵抗体は調整軸部の回転に回転抵抗を与えるものであればよい。
【0044】
また、図8のように、取付板1の折曲部1a外側に弾性体からなる戸当たり具21を取り付けることもでき、この場合には、引戸53の閉扉時において、図6に二点破線で示すように滑車52に戸当たり具21が当接してクッション効果を発揮させることができる。
【0045】
尚、上記実施形態では、調整レバー16をドラム8から離れる方向に反らせることでローラ支軸19による回転停止状態を解除することができる構成としたが、図9の如く、ローラ支軸19の係合溝20の基端部側に調整レバー16が通過可能なように窪み部22を形成し、図9(ロ)のように、調整レバー16をドラム8側に反らせることで窪み部22を通過させてもよい。
【0046】
更に、回転操作部として調整レバー16を設けたが、これ以外にも種々の形態を採用することができ、例えば、図10に示すようにダイヤル式とすることもできる。該形態においては、調整軸5の先端部に調整レバー16にかえて調整ダイヤル23が取り付けられ、調整ダイヤル23の回り止めとして以下の構成が採用されてなる。即ち、調整ダイヤル23とドラム8との間には、取付板1と略水平なカバー板24が設けられ、該カバー板24は取付板1との間の支柱によって支えられて調整軸5の軸方向の位置が決められている。
【0047】
そして、前記調整ダイヤル23には、カバー板24側に開口する凹部25が少なくとも一箇所設けられてなる。該実施形態では、調整軸5(調整ダイヤル23の回転中心)を中心とする同一円状に180度毎に合計二箇所の凹部25が形成されてなり、各凹部25には各々ボール26がはめ込まれ、且つ、該ボール26をカバー板24側に押圧付勢する押圧手段としてのスプリング27も挿入されている。一方、カバー板24には、調整ダイヤル23の凹部25と同一円状に、前記ボール26の一部が入り込む係合孔28が二箇所形成されてなる。該ボール26及び係合孔28が調整ダイヤル23の回り止めとして機能する。
【0048】
そして、通常は、スプリング27によってボール26が押圧されて各係合孔28にボール26の一部がはまり込んだ状態にあり、これにより調整ダイヤル23の回転が止まった状態となる。この状態から調整ダイヤル23を手で回転操作することによって上述と同様にバネ力を調整することができるが、この場合には、調整ダイヤル23を回転させると、ボール26が係合孔28から出てスプリング27を圧縮する。同時に、カバー板24表面を調整ダイヤル23の回転に伴ってボール26が転動し、一定角度(180度)回転すると、次の係合孔28にボール26がはまり込み、その段階で調整ダイヤル23の回転が止まる。更に、バネ力を強める場合には、次の係合孔28にボール26がはまり込むまで調整ダイヤルを半回転すればよい。
【0049】
また、バネ力を弱める場合には、調整ダイヤル23を反対側に僅かに回転させてボール26の係合を解除するだけで、後は自動的に調整ダイヤル23がゼンマイバネ7のバネ力によって回転して、ボール26が他方の係合孔28にはまり込んで自動的に回転が停止する。尚、Oリング6による回転抵抗は上記実施形態の場合と同様である。
【0050】
このように、調整レバー16の場合のローラ支軸19や、調整ダイヤル23の場合の係合孔28とボール26のように、回転操作部の回転を止める回り止めを設けると共に、この回り止めによる回転操作部の回転停止状態を、弾性部材(調整レバー16、スプリング27)の弾性変形によって解除する構成を採用することにより、調整が極めて容易になるという利点がある。
【0051】
以上説明したように、回転操作部の回転操作という単純な操作でバネ力を容易に調整することができるが、回転操作部を過度に回転してゼンマイバネ7を閉扉状態において巻き上げすぎると、引戸53を開扉した時にゼンマイバネ7がその有効巻き数を越えて破損することになる。
【0052】
そこで、ゼンマイバネ7のバネ力の調整範囲を制限する制限手段を備えることが好ましく、以下、調整軸部の回転角度もしくは回転可能数に制限を与える制限手段を備えた形態について説明する。
図11に示すドアクローザは、調整レバー16を備えてなるものであり、ドラム8の手前側にはカバー板24が設けられ、図示しない支柱によって取付板1に固定され、調整レバー16はカバー板24の手前側に位置してなる。また、調整レバー16の回り止めとしては、ローラ支軸19ではなく、別途ストッパーピン29をカバー板24に設けている。尚、調整レバー16が弾性を有して板厚方向に撓むことができる点は上述したのと同様である。
【0053】
そして、該実施形態においては、カバー板24にギヤ軸30が取り付けられ、該ギヤ軸30に略半円状の制限ギヤ31が軸支されてなる。一方、調整軸5には、調整レバー16と一体的に回転するようピン33で調整レバー16と連結され且つ前記制限ギヤ31と噛合する調整ギヤ34が取り付けられてなる。
【0054】
該調整ギヤ34には、制限ギヤ31と噛合する歯部34aが一箇所設けられており、バネ力調整において調整レバー16を回転させると、調整ギヤ34の歯部34aが制限ギヤ31と所定角度のみかみ合うこととなり、その後は制限ギヤ31とはかみ合わずに回転する。従って、調整レバー16が一回転しても、制限ギヤ31は調整ギヤ34の歯部34aとかみ合っている間の所定角度分だけしか回転しない。
【0055】
このようにして調整レバー16を時計方向に所定回数回転させてゼンマイバネ7を巻き上げていくと、やがて、図11(ロ)に示すように、制限ギヤ31に設けられた突起32が調整ギヤ34に当接することになり、これ以降は調整レバー16を時計方向に回転させることができなくなる。つまり、この状態がバネ力の調整範囲の上限である。
【0056】
同様にして、調整レバー16を逆方向(反時計方向)に回転してゼンマイバネ7のバネ力を弱めていくこともできるが、その場合には、制限ギヤ31も調整レバー16の一回転毎に所定角度ずつ逆方向に回転し、やがて、制限ギヤ31に設けたもう一つの反対側の突起32が調整ギヤ34に当接することになる。そして、この状態がバネ力の調整範囲の下限となり、上述した上限とによりバネ力の調整範囲が決定される。
【0057】
以上のように、本実施形態は、制限手段として調整ギヤ34と制限ギヤ31とを備えたことにより、調整レバー16を過度に回転させてゼンマイバネ7を破損させるというおそれがなく、故障を未然に防止することができる。
【0058】
次に、制限手段として別の構成を採用したドアクローザについて図12を用いて説明すると、該実施形態では、制限手段として線形状の渦巻きゼンマイ35を備えてなるものである。該渦巻きゼンマイ35は、一端部35a(外側端部)がカバー板24に固定され、他端部35b(中心側端部)が調整レバー16に固定されて、調整レバー16とカバー板24との間の間隙に設けられてなり、調整レバー16には渦巻きゼンマイ35を支持すべく、その基端部に調整軸5を中心とする円形の円板部36が形成されてなる。該円板部36には、その内側の渦巻きゼンマイ35の状態を外部から部分的に垣間見ることができるように、径方向にスリット状の切欠37が形成されてなる。尚、渦巻きゼンマイ35の巻き上げ方向は、ドラム8に内蔵されたゼンマイバネ7の巻き上げ方向と同じである。
【0059】
そして、調整レバー16を時計方向に回転させてバネ力を強めていくと、渦巻きゼンマイ35が徐々に調整軸5に巻き付けられて巻き上げられていき、調整レバー16を一定回数回転させると、図12(ロ)のように渦巻きゼンマイ35が密着状態となってバネ力の調整範囲の上限となる。このようにバネ力の調整範囲をその上限のみ制限するよう構成することも可能である。
【0060】
更に、切欠37から渦巻きゼンマイ35の巻き状態が確認できるので、調整範囲の上限に対する目安が得られ、また、渦巻きゼンマイ35の一部に着色等の目印部38を設けることにより、より一層容易に渦巻きゼンマイ35の巻き状態を把握でき、バネ力の調整の利便性もより一層向上できる。尚、渦巻きゼンマイ35でなくワイヤー等の索条体を使用することも可能である。
【0061】
尚、上記実施形態では、回転操作部が調整軸部と別体に構成されてなるが、両者が一体であってもよく、また、回転操作部を設けて手で回転操作可能に構成したが、手で回転操作する回転操作部をバネ調整部に設けずに、調整軸部をドライバー等の工具で回転する構成としてもよい。
【0062】
【発明の効果】
以上のように、調整軸部の回転に回転抵抗を与える抵抗体を備えたことにより、バネ力の調整中に万一手が滑ったりしても、調整軸部が緩やかに回転するので、慌てることなく安心して調整作業ができ、必要以上に慎重になる必要もなく簡便に行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるドアクローザを示す一部破断線を含む正面図。
【図2】図1のA−A断面図。
【図3】図1のB−B断面図。
【図4】同実施形態のドアクローザを示す一部破断線を含む底面図。
【図5】図4のC部拡大図。
【図6】同実施形態のドアクローザの使用状態を示す正面図。
【図7】同実施形態のドアクローザの使用状態を示す断面底面図。
【図8】他実施形態のドアクローザを示し、(イ)は正面図、(ロ)は側面図。
【図9】他実施形態のドアクローザを示し、(イ)は通常状態の断面底面図、(ロ)はバネ力調整状態の断面底面図。
【図10】他実施形態のドアクローザを示し、(イ)は正面図、(ロ)は(イ)のD−D断面図。
【図11】他実施形態のドアクローザを示し、(イ)はバネ力の調整範囲内の状態を示す正面図、(ロ)はバネ力の調整範囲の上限の状態を示す正面図。
【図12】他実施形態のドアクローザを示し、(イ)はバネ力の調整範囲内の状態を示す正面図、(ロ)はバネ力の調整範囲の上限の状態を示す正面図。
【符号の説明】
5…調整軸(調整軸部)、6…Oリング(抵抗体)、7…ゼンマイバネ

Claims (1)

  1. 引戸の開扉によって蓄勢されて引戸を閉扉方向に付勢するゼンマイバネ(7)と、該ゼンマイバネ(7)のバネ力を調整するためのバネ調整部とを備え、該バネ調整部は、ゼンマイバネ(7)の内側端部が固定された調整軸部(5)を有し、該調整軸部(5)を回転させてゼンマイバネ(7)を巻き上げ又は巻き戻しすることによりゼンマイバネ(7)のバネ力を調整できるよう構成されてなるドアクローザであって、前記調整軸部(5)の回転に回転抵抗を与える抵抗体(6)と、前記ゼンマイバネ(7)のバネ力の調整範囲を制限する制限手段とを備えてなるを備えてなることを特徴とするドアクローザ。
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