JP3599072B2 - ビニル芳香族重合体含有樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高分子量のビニル芳香族重合体をマトリックス成分に含有しているにもかかわらず良好な流動性を有しており、かつ機械的強度に優れているビニル芳香族重合体樹脂組成物に関する。本発明の組成物は特にシート成形性が良好であり、耐面衝撃性と剛性のバランスに優れ、外観の良好なシートが得られる。更に良好な流動性から射出成形用としても高剛性、高耐衝撃性のグレードが得られる。
【0002】
【従来の技術】
HIPSに代表されるゴム変性ポリスチレンは安価で加工性に優れ、耐衝撃強度、電気絶縁性にすぐれるために家電製品、事務機器、工業部品、日用雑貨など多岐にわたる分野で使用されている。樹脂業界には樹脂の代替に関し、過去に経験則のようなものがあり、これは樹脂の用途は比較的高級、高価な樹脂で始まり、その商品が広く普及するにつれて、より低位な樹脂に移行するというものである。
【0003】
ポリスチレン系樹脂についてもこの傾向があり、例えば従来ABS樹脂が使用されていた用途にHIPSが置き代わる場合、ポリスチレン系樹脂の長所である易成形性をそのままにしてより高耐衝撃性や高剛性化が要求される。しかしながらHIPS樹脂は耐衝撃性に優れたものは剛性が低く、反対に剛性の高いものは耐衝撃性が低いという二律背反の関係があり、特に耐面衝撃性と剛性の両者を同時に満足するようなHIPSは得られていないのが現状である。
【0004】
一般に、このゴム変性ポリスチレンは、ゴム状重合体の存在下スチレンを重合することにより得られるもので、このようにして得られたゴム変性ポリスチレンは線状(リニアー型)のポリスチレンで構成される樹脂連続相に、ゴム状重合体が分散相として存在する形態を成している。
【0005】
周知のごとく、ゴム変性ポリスチレンの耐衝撃強度を高めるためには、樹脂組成物中のゴム状重合体の含量を上げることが有効であるが、その反面、剛性、流動性が低下するという問題がある。このためゴム変性ポリスチレンの耐衝撃強度と剛性のバランス及び流動性を高めるために、出来るだけ少量のゴム状重合体を用いて高い耐衝撃性を付与することが肝要であり、一定のゴム状重合体含有量のもとで耐衝撃性と流動性のバランスを一層高めるための手法が求められている。また耐衝撃性と流動性のバランスを高めるために連続相のポリスチレン部分の分子量や分子量分布を制御する手法も種々検討されているが未だに満足する効果は得られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はビニル芳香族重合体樹脂より上位の樹脂が用いられていた用途に代替可能であり、かつ耐衝撃性と流動性のバランスを高めたビニル芳香族重合体樹脂組成物を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、本発明者等はアニオン重合で作られる重量平均分子量が50万以上の超高分子量の星型分岐構造を有するビニル芳香族重合体(以下、星型ポリマーまたは星型分岐ポリマーという)を、通常のラジカル重合で作られるゴム変性ビニル芳香族重合体にブレンドした樹脂組成物は、超高分子量のビニル芳香族重合体をマトリックス成分に含有しているにもかかわらず良好な流動性を示し、かつ耐衝撃性、剛性などの機械的特性及び耐熱性などの熱特性が通常のラジカル重合ゴム変性ビニル芳香族重合体に比較し、格段に優れた特性を有することを見い出し本発明を完成した。
【0008】
本発明はゴム変性ビニル芳香族重合体の連続相にアニオン重合でつくられた特定構造の星型ポリマーである超高分子量のビニル芳香族重合体を含有することに特徴があり、星型ポリマー以外のビニル芳香族重合体例えば超高分子量のリニアーなアニオン重合ビニル芳香族重合体やリニアーなラジカル重合ビニル芳香族重合体では、樹脂組成物の流動性の低下が大きく本発明の効果が達成されない。
【0009】
本発明にいうアニオン重合で合成される特定構造の星型ポリマーとは、アニオン重合によりリニアーな分子量のそろったリビング状態のプレポリマーを、低分子量多官能化合物(カップリング剤)または少量のジビニルベンゼンなどの多官能モノマー類と反応させることにより得られる。更には多官能のビニルモノマーから合成される多官能のアニオン重合開始触媒を用いても合成することが出来る。
【0010】
本発明における星型ポリマーとは新版高分子辞典(朝倉書店)p432に定義されているstar polymerを言う。本発明の場合多官能低分子量化合物残基またはポリビニル芳香族残基を中心にビニル芳香族重合体がn本結合したラジアル型のポリマーである。ここで多官能化合物残基叉はポリビニル化合物残基の基体化合物は分子量がおよそ2000以下の低分子量化合物である。また分岐重合体の本数としては3〜8である。
星型ポリマーは、例えば3分岐と4分岐重合体の混合物であってもよい。
【0011】
本発明の(A)成分である星型分岐ポリマーの分子量は重量平均分子量(Mw)として50万〜500万の範囲である。通常アニオン重合において分子量の調整は仕込モノマー量に対する触媒に用いる有機リチウム量で調整されるが、本発明の星型分岐ポリマーはカップリング反応により分岐数に応じて分子量がジャンプすることになる。本発明の場合はカップリング反応後の星型分岐ポリマーの重量平均分子量(Mw)が50万〜500万の範囲であり、より好ましくは50万〜200万、更に好ましくは50万〜150万である。
【0012】
星型分岐ポリマーの重量平均分子量が50万以下であると組成物の流動性は高くなるが、シート用途の組成物としては流動性が高くなりすぎて押出し安定性に悪影響が出たり、組成物の剛性や面衝撃強さも低下傾向にあるために好ましくない。また星型分岐ポリマーは後記のカップリング反応により得られるが、カップリング前の枝ポリマーは、分子量分布(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)が1.5以下の鎖長のそろったビニル芳香族重合体が好ましく、得られる星型分岐ポリマーの好ましい分子量分布は1.0以上3.0以下、好ましくは1.0以上2.0以下の範囲であればよい。本発明で用いるアニオン重合法による星型分岐ポリマーの合成は、ビニル芳香族単量体を有機リチウム化合物を用いて炭化水素溶媒中で重合し得られる活性な片末端ビニル芳香族重合体を、低分子量の多官能化合物でカップリング反応させることで得られる。
【0013】
上記方法において有機リチウム化合物としてはn−プロピルリチウム、iso−プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、iso−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、フェニルリチウムなどを挙げることができる。
【0014】
またカップリング反応に用いる多官能化合物は、活性リチウム末端と反応して結合を形成し得る官能基を3〜8個有する低分子量化合物である。これら低分子量化合物の例としてはポリハロゲン化合物、ポリエポキシ化合物、ポリカルボン酸エステル化合物、ポリケトン化合物、ポリカルボン酸無水物などを挙げることが出来、具体的に例示するとシリコンテトラクロライド、ジ(トリクロロシリリル)エタン、1,3,5−トリブロモベンゼン、メチルトリクロロ錫、エポキシ化大豆油、テトラグリシジル1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、シュウ酸ジメチル、トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル、ピロメリット酸二無水物、ジエチルカーボネートなどである。
【0015】
上記アニオン重合法を実施するに際して、上記リチウム化合物はビニル芳香族単量体100重量部に対して0.05〜0.5重量部加えられる。また上記の多官能化合物は有機リチウムに対して0.5〜1.5倍当量添加して反応させる。反応はきわめて速やかに進行し、通常は数分から数十分で完了する。上記反応の溶媒としてはシクロヘキサン、n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン等が用いられる。上記のアニオン重合法の反応温度は−30〜150℃の範囲で実施され、また重合時間は炭化水素溶媒濃度や重合温度にもよるが通常は数秒〜数時間である。これらの反応は回分式または連続式のいずれも適用できるが回分式のほうが分子量分布の狭いものが得られる。
【0016】
上記カップリング反応とは別に、ビニル芳香族単量体を有機リチウム化合物を開始剤に用いて炭化水素溶媒中で重合し、重合完結後リビングで存在する片末端活性ビニル芳香族重合体を開始剤として少量の多官能ビニル芳香族単量体(例えばジビニルベンゼン)を添加し、重合することによって多分岐のビニル芳香族重合体を合成することが可能である。本方法において重合開始剤として用いた有機リチウム化合物に対する添加する多官能ビニル芳香族単量体の割合はモル比で0.1〜1.0の範囲である。この方法ではやや分子量分布の広い多分岐の実質的には星型ポリマーに近い分岐ポリマーを合成することが可能である。
【0017】
上記のような重合法によって得られた成分(A)である星型分岐ポリマーを後記の(B)成分である公知のゴム変性ビニル芳香族重合体と配合することにより本発明のビニル芳香族重合体樹脂組成物が得られる。なをゴム変性ビニル芳香族重合体中のゴム状重合体が星型分岐重合体により希釈されることになるために上記ゴム変性ビニル芳香族重合体中のゴム状重合体の含有量を高めておく事が肝要である。目的とするビニル芳香族重合体樹脂組成物の耐衝撃強度、剛性にもよるがブレンドするゴム変性ビニル芳香族重合体中のゴム状重合体の含有量は一般には6〜30重量%の範囲が好適である。
【0018】
本発明の(B)成分である公知のゴム変性ビニル芳香族重合体は、ゴム状重合体の存在下スチレンやo−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、エチルスチレン、P−tert−ブチルスチレン、などの核アルキル置換スチレン、α−メチルスチレンなどのα−アルキル置換スチレンなどの単独もしくは2種以上の混合物を重合することにより得られるもので、線状(リニアー)ビニル芳香族重合体の成す連続相中にゴム状重合体が分散粒子として存在する重合体を言う。
【0019】
代表的なものとしては、HIPSとして知られるゴム変性ポリスチレンの他、ポリスチレン相のスチレン単位を上記スチレン以外の他のビニル芳香族単量体単位で置き換えたゴム変性スチレン系樹脂組成物を挙げる事が出来る。本発明の目的からは、(A)成分の分岐状ビニル芳香族重合体と(B)成分のゴム変性ビニル芳香族重合体は、同一ビニル芳香族単量体からなっているのが好ましい。
【0020】
上記の(B)成分中のゴム状重合体とは、そのガラス転移温度が−30℃以下のものをいう。具体例としてポリブタジエン、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)などのジエン系ゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、アクリルゴムなどを挙げる事が出来る。またポリブタジエンゴムとしては、ハイシスゴム、ローシスゴムともに好適に用いることが出来る。さらに上記のポリブタジエンゴム、SBR、NBRはその不飽和2重結合の一部または全部を水素添加したものも好適に用いる事が出来る。
【0021】
上記(B)成分の調整は一般にはビニル芳香族単量体を、上記ゴム状重合体の存在下に塊状、塊状・懸濁、または乳化重合することにより得られるが塊状または塊状・懸濁による方法が経済的に優れている。塊状重合の場合には、少量の不活性溶媒、例えばエチルベンゼンやトルエンなどを加えてもよい。
【0022】
上記の方法により、ゴム状重合体の存在下にビニル芳香族単量体を重合することにより、ゴム状重合体粒子の周囲にビニル芳香族重合体が一部グラフトし、かつゴム状重合体粒子の内部に一部のビニル芳香族重合体の粒子が包含された構造の分散相が形成される。分散相中に上記グラフト成分および内包されたビニル芳香族重合体粒子か含まれるためにゴム変性ビニル芳香族重合体の分散相重量はゴム状重合体重量より高くなる。
【0023】
ゴム状重合体重量に対する分散相重量の比は塊状、塊状・懸濁重合ではおよそ1.5〜3.5の範囲の値である。分散相はゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物の連続相を構成するビニル芳香族重合体の良溶媒、例えばメチルエチルケトンに溶解し、遠心分離することにより分別採取する事が出来る。
なを上記(B)成分の連続相を構成するビニル芳香族重合体の重量平均分子量は、定法に従い15万〜30万の範囲のものであればよいが本発明の目的からは20万〜30万の範囲のものが好ましい。さらに(B)成分のゴム状重合体の成す分散相の平均粒子径は0.1〜4.0μmの範囲に調節される。より好ましい粒子径の範囲は0.4〜3μmである。また分散相粒子の架橋度の目安であるトルエンに対する膨潤指数(Swelling Index)は6〜14の範囲に調整される。
【0024】
星型分岐状ビニル芳香族重合体(A)とゴム変性ビニル芳香族重合体(B)を混合することで本発明のビニル芳香族重合体樹脂組成物が得られるが、この際(A)成分と(B)成分の配合割合は最終的に得られるビニル芳香族重合体樹脂組成物中の連続相に対して(A)成分の割合が5重量%以上、更に好ましくは10重量%以上であることが好ましい。
【0025】
(A)成分と(B)成分の混合は、周知の装置例えばニーダー、バンバリーミキサー、単軸または二軸の押出機等で溶融混練されることでなされてもよい。より好ましくはアニオン重合を実施し、カップリング反応により、リビングアニオンを失活させて合成した、星型分岐ポリマーを含有する重合液と塊状重合途中の(B)成分の重合液を混合し、引き続き(B)成分の重合を所望の時間継続し重合を完結後、残モノマー及びエチルベンゼンなどの不活性溶媒を脱揮装置で除去し、本発明のビニル芳香族重合体樹脂組成物を得る事が出来る。
【0026】
本発明のビニル芳香族重合体樹脂組成物には必要に応じて高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、ポリジメチルシロキサン、ヒンダードフェノールなどの安定剤、顔料、可塑剤、帯電防止剤などの添加剤を添加する事が出来る。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施の態様を説明するが、本発明の範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
【0028】
参考例1(ゴム変性ポリスチレンB1の調整)
ポリブタジエン(日本ゼオン(株)、ニポール1220SL)をスチレンに溶解し、次いでエチルベンゼン及び、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートの少量を加え、下記の組成の重合原液を調整した。(単位重量部数)
・ポリブタジエン 9.8
・スチレン 76.8
・エチルベンゼン 13.0
・t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート 0.04
・α−メチルスチレン2量体 0.02
・ポリジメチルシロキサン 0.10
【0029】
上記重合原液を、各々が6.2リットルの撹拌機付きの3槽式反応機に2.2リットル/hrにて連続的に送液した。第1槽反応機出口の固形分濃度が38重量%になるように反応機内温を制御した。同時に最終槽反応機出口の固形分濃度が80重量%となるように反応機内温度を調整した。次いで230℃、真空下の脱揮装置に送り込み、未反応のスチレン及びエチルベンゼンを除去し、押出機にて造粒し、ペレット状のゴム変性ポリスチレンB1を得た。B1中のポリブタジエンの割合は12.3重量%であつた。B1のメチルエチルケトン可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCと略称する)により求めた連続相の重量平均分子量及び数平均分子量はそれぞれ25.4万、9.2万であつた。なを分散相の、平均粒子径は1.5μmであり、トルエンに対する膨潤指数は9.8であった。
【0030】
参考例2(分岐状ポリスチレンA1〜A2の調整)
オートクレーブにスチレン14.0kg、シクロヘキサン60kgを仕込、内温50℃にコントロールした。次いでn−ブチルリチウム7.6gを含有する10%シクロヘキサン溶液を打ち込み反応を開始した。4分後内温は75℃に上昇した。反応液をサンプリングしGPCで分子量測定を実施したところ、この時点での重量平均分子量は17.9万、数平均分子量は17.0万であった。次いでオートクレーブを80℃に上げて、テトラグリシジル1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(以下TEDと略称する。)10.0gを含有する20%シクロヘキサン溶液を2回に分けて添加し、カップリング反応を実施した。20分撹拌後メタノールでポリマーを沈澱させ、分岐状ポリマーA1を回収した。
【0031】
このもののGPCチャートは未カップリングの低分子量を15.2%含有する3及び4分岐ポリスチレンの混合物であった。このものの重量平均分子量は52.8万であり、数平均分子量は35.0万であった。TEDは4官能のカップリング剤であるが3分岐ポリマーが6割強の生成であったことは立体障害で4番目のエポキシ基に活性末端のスチリルリチウムが反応しにくいためと思われる。
参考例2のA1の合成条件を一部変更し、同様に処理することで3分岐状ポリマーを80%含有する重量平均分子量70.6万、数平均分子量53.5万の星型分岐状ポリマーA2を合成した。分析結果とメルトフローレートを表1に示す。
【0032】
参考例3(4分岐状ポリスチレンA3、A4の調整)
オートクレーブにシクロヘキサン60kg、スチレンモノマー10.0kgを仕込、内温を50℃にコントロールした。次いでn−ブチルリチウム5.2gを含有する10%シクロヘキサン溶液を打ち込み重合を開始した。5分後内温は80℃に上昇した。反応液の一部をサンプリングし、GPC分析を実施したところ重量平均分子量18.22万、数平均分子量17.69万のポリマーであった。この後オートクレーブ内温を80℃に上げて、カップリング剤としてジ(トリクロロシリリル)エタン2.8gを含有する10%シクロヘキサン溶液を添加した。20分撹拌しながら反応させた。反応液をメタノール中で処理し、分岐ポリマーA3を回収した。
【0033】
このものの重量平均分子量は70.4万で数平均分子量は61.2万であり、90%以上が4分岐のポリマーであった。カップリング剤とて使用したジ(トリクロロシリリル)エタンは6官能のカップリング剤であるがTEDの場合と同様に立体障害のためか4官能としか作用しなかった。触媒及びカツプリング剤の添加量を調整することにより、同様に処理して重量平均分子量173万、数平均分子量123万の星型分岐状ポリマーA4を得た。
【0034】
参考例4(6分岐ポリスチレン、8分岐ポリスチレンA5,A6の調整)
オートクレーブ中にシクロヘキサン60kg、スチレンモノマー10.0kgを仕込内温50℃でn−ブチルリチウム8.0gを含有する10%シクロヘキサン溶液の触媒を添加し重合を実施した。この時点での重量平均分子量12.1万、数平均分子量11.2万のポリマーを調整し、このものに35gのp−ジビニルベンゼンを含有する10%シクロヘキサン溶液を添加した。20分間反応させた後多量のメタノール中に反応液を投入し、ポリマーを沈澱させ分岐ポリマーA5を得た。このもののGPC分析の結果は重量平均分子量73.8万、数平均分子量44.7万の平均6分岐のほぼ星型に近い分岐ポリマーであった。
【0035】
本参考例同様に、n−ブチルリチウム、及びジビニルベンゼンの添加量をかえて重量平均分子量62.3万、数平均分子量34.7万の平均8分岐ポリマーA6を得た。ジビニルベンゼンを用いて分岐状ポリマーを得る場合は添加ジビニルベンゼン量で分岐数を調整するがカップリング剤を用いる場合に比較して分子量分布の広い、星型状ポリマーに実質的に近い構造のポリマーが得られる。
【0036】
参考例5(リニアーな単分散ポリスチレンL1、L2の調整)
オートクレーブ中にシクロヘキサン60kg、スチレンモノマー10.0kgを仕込反応初期温度50℃でn−ブチルリチウム2.5gを含有するシクロヘキサン溶液を打ち込み重合反応を実施した。20分反応させメタノール中でポリマーを沈澱させリニアーな単分散ポリマーL1を得た。このものの重量平均分子量は53.4万、数平均分子量は51.84万の単分散に近いポリマーであった。同様にして重量平均分子量73.5万、数平均分子量68.05万のリニアーポリマーL2を得た。
【0037】
参考例6(比較例用低分子量3分岐ポリスチレンA7の調整)
オートクレーブにスチレン10kg、シクロヘキサン60kgを仕込、内温を50℃にした。n−ブチルリチウム4.8gを含有する10%シクロヘキサン溶液を打ち込み20分間反応させた。この時点でのプレポリマーの重量平均分子量は15.2万であった。次いで内温を80℃に上げて、スチリルリビングポリマーあたり0.95倍モルのTEDを含有するシクロヘキサン溶液を添加し20分間カップリングを実施しポリマーA7を得た。このものは未カップリング15.8%を含有する重量平均分子量38.5万の主として3分岐のポリスチレンであつた。
表1に参考例で調整したサンプル及び実施例、比較例で用いるサンプル性状を記載する。
【0038】
【表1】
【0039】
表1で明かなようにアニオン重合により合成した星型分岐ポリスチレンはリニアーなポリスチレンと同一分子量で比較して格段に流動性にすぐれており、また分岐数の多いものほど流動性が大であることもわかる。
【0040】
実施例1〜6および比較例1〜4
参考例で調整した(A)成分及び(B)成分を表2に記載の割合で配合し、40mmシート押出機を用いて0.7mm厚さのシート成形し、試験片としてシートの押出し方向及び垂直方向につき測定した引張り弾性率、23℃における面衝撃強さ、組成物のメルトフローを評価した(表2)。なお、各種評価の方法は以下の通りである。
引張り弾性率:JISK−6872に準拠して、シートの押出し方向及び垂直方向につき測定した。(単位Kg/cm2 )
面衝撃強さ:重錘形状が1/2インチのものを用いてASTMD1709に準拠して測定した(単位Kg・cm)
メルトフローレート:ISO−R1133に準拠(200℃、5Kg荷重)
【0041】
【表2】
【0042】
結果は表2に記載するように、成分(A)としてアニオン重合の分岐状ポリスチレンを用いたスチレン系樹脂組成物は、ほぼ同一分子量のアニオン重合リニアーポリスチレンを用いたスチレン系樹脂組成物に比較して、著しく流動性が大であり、また、引張り弾性率の値で押出し方向と垂直方向の値の差が少ないという特徴を示している。
更に、ラジカル重合のポリスチレンを用いたスチレン系樹脂組成物に比較して弾性率及び面衝撃強さ共に格段に優れた効果を示している。
【0043】
【発明の効果】
ゴム変性ビニル芳香族重合体にアニオン重合の星型分岐構造を有するビニル芳香族重合体を配合することにより、得られたビニル芳香族重合体樹脂組成物は、良好な流動性を有し、かつ耐面衝撃性と剛性のバランスに優れた効果を有し、家電製品、事務機器、工業部品、日用雑貨など多岐にわたる分野で利用可能である。
Claims (5)
- 成分(A)重量平均分子量(Mw)が50万〜500万のアニオン重合によって得られる星型分岐構造を有するビニル芳香族重合体1〜50重量%、及び
成分(B)ラジカル重合によって得られるゴム変性ビニル芳香族重合体99〜50重量%からなることを特徴とするビニル芳香族重合体樹脂組成物。 - 成分(A)が10〜50重量%、成分(B)が90〜50重量%である請求項1記載のビニル芳香族重合体樹脂組成物。
- 成分(A)が重量平均分子量(Mw)が50万〜200万であり、分子量分布が1.0以上3.0以下である請求項1又は2に記載のビニル芳香族重合体樹脂組成物。
- 成分(A)が多官能低分子量化合物残基を中心に枝ポリマーとして分子量分布(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)が1.5以下の鎖長のそろったビニル芳香族重合体が3〜8本結合している星型分岐構造を有し、重量平均分子量(Mw)が50万〜500万であり、分子量分布が1.0以上3.0以下である分岐状ビニル芳香族重合体からなる請求項1〜3のいずれかに記載のビニル芳香族重合体樹脂組成物。
- 成分(B)の連続相を構成するビニル芳香族重合体の重量平均分子量(Mw)が15万〜30万であり、ゴム状重合体の成す分散相平均粒子径が0.1〜4.0μm、かつゴム状重合体の含有量が6〜30重量%であるゴム変性ビニル芳香族重合体からなる請求項1〜4のいずれかに記載のビニル芳香族重合体樹脂組成物。
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