JP3598826B2 - ディーゼルエンジンの駆動制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディーゼルエンジン自体またはディーゼルエンジンにより駆動される機構の駆動速度を制限速度以下に制御するディーゼルエンジンの駆動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ディーゼルエンジンやその駆動系の保護、あるいはこれらの速度制限を望む社会的要請等により、ディーゼルエンジンやその駆動系の最高速度を制限する技術が提案されている。
【0003】
例えば、自動車に搭載されたディーゼルエンジンの場合、走行速度が最高速度を越えると燃料噴射をカットして減速させるものが知られてる。しかし、このように燃料カットにより減速させる装置は、燃料カット時にディーゼルエンジンの出力トルクが急激に低下してショックを生じると共に、走行速度が最高速度以下となれば燃料噴射が再開されて出力トルクが急激に上昇して再度ショックを生じる。このようにディーゼルエンジンの出力トルクが極端に変化するので、車速のハンチングを生じたりして、ドライバビリティに問題を生じるものであった。
【0004】
このような、ショックを防止するための技術として、車両が制限速度を越えると、燃料噴射量の上限値、すなわち最高燃料噴射量を下げる装置が提案されている(特開平5−79352号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この従来技術は、ディーゼルエンジンの回転数の変動とは無関係に、単純に最高燃料噴射量を一律に下げる処理を行っているため、ディーゼルエンジンの回転数が急激に上昇した場合には、迅速に対処することができず、長期間、制限速度以上の状態を継続するおそれがある。
【0006】
本発明は、ディーゼルエンジンの運転状態に対応して、ディーゼルエンジン自体またはディーゼルエンジンにより駆動される機構の駆動速度を迅速に制限速度以下に制御することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のディーゼルエンジンの駆動制御装置は、ディーゼルエンジン自体またはディーゼルエンジンにより駆動される機構の駆動速度を制限速度以下に制御するディーゼルエンジンの駆動制御装置であって、ディーゼルエンジンの回転数が高いほど最高燃料噴射量が小さくなる傾向に設定されている回転数と最高燃料噴射量との対応関係に基づいてディーゼルエンジンの実回転数から求められた最高燃料噴射量を上限として、ディーゼルエンジンの燃料噴射量を制限する燃料噴射量制限手段と、前記駆動速度と前記制限速度とを比較する比較手段と、
前記比較手段による比較結果に応じて、前記燃料噴射量制限手段にて用いられる前記対応関係における回転数に対する最高燃料噴射量の大きさを変更する対応関係変更手段とを備え、前記対応関係変更手段は、実燃料噴射量が前記最高燃料噴射量に一致しているか否かに基づき前記対応関係における回転数に対する最高燃料噴射量の大きさを変更することを特徴とする。
【0008】
ディーゼルエンジン自体またはディーゼルエンジンにより駆動される機構の駆動速度を制限速度以下に制御するに際して、対応関係変更手段は、比較手段による駆動速度と制限速度との比較結果に応じて、燃料噴射量制限手段にて用いられる前記対応関係における回転数に対する最高燃料噴射量の大きさを変更している。
【0009】
すなわち、対応関係変更手段は、燃料噴射量制限手段がディーゼルエンジンの燃料噴射量を制限するために用いているところの、回転数と最高燃料噴射量との対応関係を変更することにより、実燃料噴射量を最高燃料噴射量にて抑制する新たな対応関係を形成し、駆動速度を制限速度以下に制御している。
【0010】
この回転数と最高燃料噴射量との対応関係は、ディーゼルエンジンの回転数が高いほど最高燃料噴射量が小さくなる傾向に設定されていることから、ディーゼルエンジンの回転数が急速に上昇しても、これに対応して最高燃料噴射量も急速に低下する。このため、ディーゼルエンジンの回転数が急激に上昇した場合にも迅速に対処することができ、ディーゼルエンジン自体またはディーゼルエンジンにより駆動される機構の駆動速度を迅速に制限速度以下に制御することができる。
【0011】
請求項2記載のディーゼルエンジンの駆動制御装置は、請求項1記載の構成に対して、前記対応関係変更手段は、前記比較手段の比較結果が前記駆動速度が前記制限速度よりも大きいものであった場合には、前記燃料噴射量制限手段にて用いられる前記対応関係を、回転数に対する最高燃料噴射量の大きさが小さくなる方向へシフトし、前記比較手段の比較結果が前記駆動速度が前記制限速度よりも小さいものであった場合には、前記燃料噴射量制限手段にて用いられる前記対応関係を、回転数に対する最高燃料噴射量の大きさが大きくなる方向へシフトすることを特徴とする。
【0012】
対応関係変更手段は、具体的な例としては、請求項2に記載のごとく前記対応関係をシフトすることにより、実燃料噴射量を最高燃料噴射量にて抑制する新たな対応関係を形成し、駆動速度を制限速度以下に制御している。このことで、請求項1で述べた作用効果を生じる。
【0013】
請求項3記載のディーゼルエンジンの駆動制御装置は、請求項2記載の構成に対して、前記対応関係変更手段は、前記比較手段の比較結果が前記駆動速度が前記制限速度よりも大きいものであった場合において、実回転数に基づいて前記対応関係から求められる最高燃料噴射量と実燃料噴射量とが異なる場合には、回転数に対する最高燃料噴射量の大きさが小さくなる方向へ前記対応関係を、前記最高燃料噴射量と前記実燃料噴射量とが一致する場合よりも迅速にシフトすることを特徴とする。
【0014】
このように回転数に対する最高燃料噴射量の大きさが小さくなる方向へ前記対応関係をシフトするに際して、実回転数に基づいて前記対応関係から求められる最高燃料噴射量と実燃料噴射量との差が大きい場合、具体的には、実燃料噴射量が最高燃料噴射量よりも小さい場合には、燃料噴射量制限手段による最高燃料噴射量の制限では実燃料噴射量を直ちに抑制できず、駆動速度を制限速度以下に迅速に制御することができない。このため回転数に対する最高燃料噴射量の大きさが小さくなる方向への前記対応関係のシフトを、実燃料噴射量が最高燃料噴射量よりも小さい場合には前記最高燃料噴射量と前記実燃料噴射量とが一致する場合よりも迅速に行うことにより、早期に駆動速度を制限速度以下に制御することができる。
【0015】
請求項4記載のディーゼルエンジンの駆動制御装置は、請求項2または3記載の構成に対して、前記対応関係変更手段は、前記比較手段の比較結果が前記駆動速度が前記制限速度よりも小さいものであった場合において、実回転数に基づいて前記対応関係から求められる最高燃料噴射量より実燃料噴射量が小さい場合には、前記対応関係を初期状態に戻すことを特徴とする。
【0016】
駆動速度が制限速度よりも小さい場合には、前記対応関係を、回転数に対する最高燃料噴射量の大きさが大きくなる方向へシフトするに際しては、最高燃料噴射量より実燃料噴射量が小さい場合には、請求項4に示したごとく、直ちに前記対応関係を初期状態に戻すこととしてもよい。
【0017】
駆動速度が制限速度よりも小さく、かつ実燃料噴射量が最高燃料噴射量より小さい場合には、ディーゼルエンジンは問題のない駆動状態であり、通常のディーゼルエンジンの駆動制御に戻すべきだからである。
【0018】
請求項5記載のディーゼルエンジンの駆動制御装置は、請求項1記載の構成に対して、前記燃料噴射量制限手段にて用いられる前記対応関係は、次式で表されることを特徴とする。
【0019】
【数2】
eqgovsp
=(eneqctsp−ene)×EMQGNSP+EQGVSPO
ここで、eqgovspは最高燃料噴射量、eneqctspは最高回転数、eneは回転数、EMQGNSPは正の係数、EQGVSPOは正の定数である。
【0020】
前記対応関係は、具体的な例としては、このような最高燃料噴射量eqgovspと回転数eneとの1次式にて表すことができ、この式をシフトすることにより請求項1で述べた作用効果を生じさせることができる。
【0021】
請求項6記載のディーゼルエンジンの駆動制御装置は、請求項5記載の構成に対して、前記対応関係変更手段は、前記比較手段の比較結果が前記駆動速度が前記制限速度よりも大きいものであった場合には、前記燃料噴射量制限手段にて用いられる前記式の最高回転数eneqctspを小さくし、前記比較手段の比較結果が前記駆動速度が前記制限速度よりも小さいものであった場合には、前記燃料噴射量制限手段にて用いられる前記式の最高回転数eneqctspを大きくすることを特徴とする。
【0022】
このように前記式の最高回転数eneqctspの大きさを変更することにより前記式をシフトさせることができ、請求項2と同様な作用効果を生じさせることができる。
【0023】
請求項7記載のディーゼルエンジンの駆動制御装置は、請求項6記載の構成に対して、前記対応関係変更手段は、前記比較手段の比較結果が前記駆動速度が前記制限速度よりも大きいものであった場合において、実回転数に基づいて前記式から求められる最高燃料噴射量と実燃料噴射量とが異なる場合には、前記燃料噴射量制限手段にて用いられる前記式の最高回転数eneqctspを、前記最高燃料噴射量と前記実燃料噴射量とが一致する場合よりも迅速に小さくすることを特徴とする。
【0024】
このことにより、請求項3に述べたと同じ作用効果により、早期に駆動速度を制限速度以下に制御することができる。
請求項8記載のディーゼルエンジンの駆動制御装置は、請求項6または7記載の構成に対して、前記対応関係変更手段は、前記比較手段の比較結果が前記駆動速度が前記制限速度よりも小さいものであった場合において、実回転数に基づいて前記式から求められる最高燃料噴射量より実燃料噴射量が小さい場合には、前記式の最高回転数eneqctspを初期値に戻すことを特徴とする。
【0025】
このことにより、請求項4に述べたと同じ作用効果が生じる。
請求項9記載のディーゼルエンジンの駆動制御装置は、請求項1〜8のいずれか記載の構成に対して、前記ディーゼルエンジンは自動車に搭載されて該自動車を駆動するとともに、前記駆動速度は自動車の走行速度であることを特徴とする。
【0026】
このような構成として具体化することにより、自動車の走行速度を制限速度に制限する最高速度制御において、前述した各請求項における作用効果を生じさせることができる。
【0027】
請求項10記載のディーゼルエンジンの駆動制御装置は、請求項1〜8のいずれか記載の構成に対して、前記駆動速度はディーゼルエンジンの回転数であることを特徴とする。
【0028】
このような構成として具体化することにより、ディーゼルエンジンの回転数を制限速度に制限する最高回転数制御において、前述した各請求項における作用効果を生じさせることができる。
【0029】
なお、このようなディーゼルエンジンの駆動制御装置の各手段をコンピュータシステムにて実現する場合は、例えば、コンピュータシステム側で起動するプログラムとして備えることができる。このようなプログラムの場合、例えば、ROMやバックアップRAMをコンピュータ読み取り可能な記録媒体として前記プログラムを記録しておき、このROMあるいはバックアップRAMをコンピュータシステムに組み込んで用いることができる。この他、フロッピーディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、ハードディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、必要に応じてコンピュータシステムにロードして起動することにより用いてもよい。
【0030】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
図1は、上述した発明が適用されたディーゼルエンジン制御装置2の概略構成を表すブロック図である。
【0031】
ディーゼルエンジン4は自動車の駆動用として車両に搭載されている。このディーゼルエンジン4は、ターボチャージャー6を備えており、エアクリーナー8を介して吸気管10に導入された空気は、ターボチャージャー6によって過給され、インタークーラー12、ベンチュリー14を介して、シリンダー16内の燃焼室18に導かれる。
【0032】
燃焼室18内にて燃料噴射弁20から燃料が噴射され、燃焼した後の排気は、排気管22に排出され、ターボチャージャー6を駆動させて外部に排出される。
なお、ターボチャージャー6より上流側の排気管22と、ベンチュリー14よりも下流の吸気管10との間には、排気環流管24が設けられている。この排気環流管24には、ECU51の指示により電気式負圧調整弁(EVRV)74を介して開閉が調整されるEGRバルブ26が設けられている。排気環流管24は、EGRバルブ26が開状態の場合に、その開度に応じて排気を排気管22から吸気管10へ供給し、排気再循環を実現している。
【0033】
燃料噴射弁20へは、分配型燃料噴射ポンプ28から高圧燃料が、燃料噴射タイミングと燃料噴射量とが調整されて供給されている。この分配型燃料噴射ポンプ28にはタイミングコントロールバルブ30が設けられて、ECU51により駆動されて燃料噴射タイミングが調整される。更に、分配型燃料噴射ポンプ28には電磁スピル弁32が設けられ、ECU51により駆動されて燃料噴射量が調整される。
【0034】
また、ベンチュリー14内の第1絞り弁34はアクセルペダル36と連動して開閉すると共に、第1絞り弁34の回動軸にはアクセルセンサ38が設けられて、アクセル開度ACCP、すなわち、運転者によるアクセルペダル36の操作量を検出している。ベンチュリー14内に第1絞り弁34と並列に設けられた第2絞り弁40はダイヤフラム機構42と負圧切換弁72とを介して、ECU51により調整される。
【0035】
ECU51の電気的構成について、図2のブロック図に従って説明する。
ECU51は、中央処理制御装置(CPU)52、所定のプログラムやマップ等を予め記憶した読出専用メモリ(ROM)53、CPU52の演算結果等を一時記憶するランダムアクセスメモリ(RAM)54、予め記憶されたデータ等を保存するバックアップRAM55、およびタイマカウンタ56等を備えているとともに、入力インターフェース57および出力インターフェース58等を備えている。また、上記各部52〜56と入力インターフェース57および出力インターフェース58とは、バス59によって接続されている。
【0036】
前述したアクセルセンサ38、ベンチュリー14より下流の吸入空気の圧力を検出する吸気圧センサ62、ディーゼルエンジン4のエンジン冷却水温THWを検出する水温センサ64、分配型燃料噴射ポンプ28内で燃料の温度を検出する燃温センサ66、吸気管10に設けられて吸入空気の温度を検出する吸気温センサ67、その他のセンサは、それぞれバッファ、マルチプレクサ、A/D変換器(いずれも図示せず)を介して入力インターフェース57に接続されている。
【0037】
また、分配型燃料噴射ポンプ28の回転からディーゼルエンジン4のエンジン回転数NEを検出する回転数センサ68、ディーゼルエンジン4のクランクシャフトの基準角度位置を検出するクランクポジションセンサ70、車速センサ71、その他のセンサは、波形整形回路(図示せず)を介して入力インターフェース57に接続されている。さらに、図示していないがスタータスイッチ等は入力インターフェース57に直接接続されている。このことで、CPU52は、上記各センサの信号を読み込むことができる。
【0038】
また、前述した電磁スピル弁32、ダイヤフラム機構42の動作を前記バキュームポンプ27が発生する負圧と大気圧との供給状態にて調整することで第2絞り弁40の開度を調整する負圧切換弁72、EGRバルブ26の開度を前述したごとくバキュームポンプ27の負圧と大気圧との供給状態にて調整することで排気環流管24による排気の環流量を調整するEVRV74は、それぞれ駆動回路(図示せず)を介して出力インターフェース58に接続されている。
【0039】
したがって、CPU52は、前述のごとく入力インターフェース57を介して読み込んだセンサ類の検出値に基づき、出力インターフェース58を介して電磁スピル弁32、負圧切換弁72、EVRV74等を好適に調整し、ディーゼルエンジン4の駆動状態を適切に制御している。
【0040】
次に、本実施の形態において、ECU51により実行される制御のうち、燃料噴射量の制御について説明する。図3および図4は燃料噴射量設定処理のフローチャートを示す。この処理は、時間周期あるいは180゜クランク角毎(爆発行程毎)の割り込みで実行される。なお個々の処理に対応するフローチャート中のステップを「S〜」で表す。
【0041】
処理が開始されると、まず、車速センサ71にて検出されている現在の車速espdをRAM54の作業領域に読み込む(S100)。そして、回転数センサ68にて検出されているディーゼルエンジン4の回転数eneを読み込む(S105)。
【0042】
次に、車速espdが制限車速である最高車速ESPDMXを越えているか否かが判定される(S110)。espd>ESPDMXであれば(S110で「YES」)、車速制限実行フラグexspmxに「ON」が設定される(S120)。espd≦ESPDMXであれば(S110で「NO」)、車速制限実行フラグexspmxに「OFF」が設定される(S130)。
【0043】
次に、車速制限実行フラグexspmxが「ON」か否かが判定される(S140)。車速espdが最高車速ESPDMXを越えていることで車速制限実行フラグexspmxに「ON」が設定されていれば(S140で「YES」)、次に、現在の分配型燃料噴射ポンプ28による実燃料噴射量eqgovが最高車速燃料噴射量(最高燃料噴射量に相当する)eqgovspに一致しているか否かが判定される(S150)。
【0044】
eqgov=eqgovspであれば(S150で「YES」)、次式1のごとく最高回転数eneqctspが変更される(S160)。
【0045】
【数3】
ここで、eneqctsp(i)は今回の最高回転数を表し、eneqctsp(i−1)は前回の最高回転数を表し、ENEQCDS1は適合定数(>0)を表す。すなわち、ステップS160が実行されると最高回転数eneqctspは減少する。
【0046】
一方、ステップS150にてeqgov≠eqgovspであれば(S150で「NO」)、次式2のごとく最高回転数eneqctspが変更される(S170)。
【0047】
【数4】
なお、ここでENEQCDS2は適合定数(>0)を表し、前記式1における適合定数ENEQCDS1よりも大きい値が設定されている。すなわち、ステップS170が実行されると最高回転数eneqctspはステップS160の場合よりも速く減少する。
【0048】
また、ステップS140にて、車速espdが最高車速ESPDMX以下であるために車速制限実行フラグexspmxに「OFF」が設定されていれば(S140で「NO」)、次に、現在の分配型燃料噴射ポンプ28による実燃料噴射量eqgovが最高車速燃料噴射量eqgovspに一致しているか否かが判定される(S180)。
【0049】
eqgov=eqgovspであれば(S180で「YES」)、次式3のごとく最高回転数eneqctspが変更される(S190)。
【0050】
【数5】
ここで、ENEQCAS1は適合定数(>0)を表す。すなわち、ステップS190が実行されると最高回転数eneqctspは増加する。
【0051】
一方、ステップS180にてeqgov≠eqgovspであれば(S180で「NO」)、次式4のごとく最高回転数eneqctspが変更される(S200)。
【0052】
【数6】
eneqctsp(i) ← ENEQCMX … [式4]
ここで、ENEQCMXは最高回転数eneqctspの初期値を表す。この値ENEQCMXは、ECU51が起動した際の初期設定により最高回転数eneqctspに設定される値であり、例えば最高回転数eneqctspが取り得る最大の値が設定されている。
【0053】
ステップS160,S170,S190,S200のいずれかの処理が終了すると、次に、最高回転数eneqctspが下限ガード値ENEQCSMNより小さいか否かが判定される(S210)。eneqctsp<ENEQCSMNであれば(S210で「YES」)、最高回転数eneqctspに下限ガード値ENEQCSMNが設定されることにより、最高回転数eneqctspに下限ガードがかけられる(S220)。
【0054】
ステップS210にて「NO」と判定された場合、あるいはステップS220の次に、最高車速燃料噴射量eqgovspが次式5に示すごとく算出される(S230)。
【0055】
【数7】
ここでeneは回転数、EMQGNSPは係数(>0)、EQGVSPOは定数(>0)である。
【0056】
次に、ステップS230にて求められた最高車速燃料噴射量eqgovspと走行用燃料噴射量eqgovgnとの内で、小さい方が、新たな実燃料噴射量eqgovとして設定される(S240)。ここで、走行用燃料噴射量eqgovgnとは、図5に例示するごとく回転数センサ68にて検出された回転数eneおよびアクセルセンサ38にて検出されたアクセル開度ACCPから求められるものである。
【0057】
このように実燃料噴射量eqgovが得られると、図示していない燃料噴射処理にて電磁スピル弁32の調整により、実燃料噴射量eqgovの燃料量が燃焼室18内に噴射される。なお、実燃料噴射量eqgovは、燃料噴射前に、更に各種補正がなされて噴射処理されることもある。
【0058】
こうして、一旦処理を終了し、再度、ステップS100から繰り返す。
ここで、車速が最高車速を越える場合の処理の流れについて図6に基づいて説明する。図6は、ディーゼルエンジン4の運転状態を回転数eneと実燃料噴射量eqgovとの関係で表している。また実線で表される斜めの直線は、回転数eneと最高車速燃料噴射量eqgovspとの対応関係を表す前記式5のラインを表している。
【0059】
実燃料噴射量eqgovがP1の状態であり、車速espdが最高車速ESPDMX以下であれば、ステップS110で「NO」と判定されて、ステップS130にて車速制限実行フラグexspmxが「OFF」となり、ステップS140にて「NO」と判定されて、ステップS180の判定がなされる。ステップS180では、実燃料噴射量eqgovが最高車速燃料噴射量eqgovspに一致しているか否かが判定されるが、図6に示したごとく、P1は実線で表される回転数eneと最高車速燃料噴射量eqgovspとの対応関係を表すラインよりも下であり、eqgov≠eqgovspであるので(S180で「NO」)、今回の最高回転数eneqctsp(i)に最高回転数初期値ENEQCMXが設定される(S200)。
【0060】
したがって、回転数eneと最高車速燃料噴射量eqgovspとの対応関係を表す前記式5のラインはECU51の起動初期の状態から変化せず、図6に実線で表される状態のままであるので、ステップS230で計算された最高車速燃料噴射量eqgovspと図5から求められた走行用燃料噴射量eqgovgnとの内で小さい方は走行用燃料噴射量eqgovgnとなり、実燃料噴射量eqgovに走行用燃料噴射量eqgovgnが設定される(S240)。
【0061】
すなわち、車速espdが最高車速ESPDMX以下であり、実燃料噴射量eqgovが最高車速燃料噴射量eqgovspに一致していなければ、図5に基づいてアクセル開度ACCPと回転数eneとから求められる走行用燃料噴射量eqgovgnにてディーゼルエンジン4が運転される。
【0062】
もし、このP1の運転状態において、車速espdが最高車速ESPDMXを越えると(S110で「YES」)、ステップS120にて車速制限実行フラグexspmxが「ON」となり、ステップS140にて「YES」と判定されて、ステップS150の判定がなされる。
【0063】
ステップS150では、実燃料噴射量eqgovが最高車速燃料噴射量eqgovspに一致しているか否かが判定されるが、図6に示したごとく、現時点ではP1は実線で表される回転数eneと最高車速燃料噴射量eqgovspとの対応関係を表すラインよりも下であり、eqgov≠eqgovspであるので(S150で「NO」)、今回の最高回転数eneqctsp(i)として、前回の最高回転数eneqctsp(i−1)から適合定数ENEQCDS2を減じて小さくした値が設定される(S170)。
【0064】
したがって、回転数eneと最高車速燃料噴射量eqgovspとの対応関係を表す前記式5のラインは図6に矢印で示すごとく状態点P1に向かって、比較的急速にシフトする。
【0065】
しかし、eqgovgn≦eqgovspである限りは、ステップS240にて、実燃料噴射量eqgovに走行用燃料噴射量eqgovgnが設定される。以後、espd>ESPDMXである限り、この燃料噴射料設定処理のステップS170を繰り返すことで、回転数eneと最高車速燃料噴射量eqgovspとの対応関係を表すラインは急速に状態点P1に近づき、一瞬、eqgovgn>eqgovspとなって、ステップS240にて実燃料噴射量eqgovに最高車速燃料噴射量eqgovspが設定される。
【0066】
このことで、次の制御周期では、eqgov=eqgovspとなることから(S150で「YES」)、次に今回の最高回転数eneqctsp(i)として、前回の最高回転数eneqctsp(i−1)から適合定数ENEQCDS1(<ENEQCDS2)を減じて小さくした値が設定される(S160)。このように、eqgov=eqgovspとなった後に、最高回転数eneqctsp(i)は減少することから、ステップS240では、eqgov>eqgovspであるため、実燃料噴射量eqgovに最高車速燃料噴射量eqgovspが設定される。
【0067】
したがって、espd>ESPDMXである限り、回転数eneと最高車速燃料噴射量eqgovspとの対応関係を表す前記式5のラインは図7に矢印で示すごとく状態点P1とともに、比較的緩慢に低回転数側へシフトする。この時、ディーゼルエンジン4の実回転数がほぼ一定であったり、あるいは上昇している場合には、実燃料噴射量eqgovは破線の矢印にて示すごとく比較的急速に低下してゆく。
【0068】
このようにして、回転数eneと最高車速燃料噴射量eqgovspとの対応関係を表すラインが低回転数側へシフトすることにより、実燃料噴射量eqgovは減少してディーゼルエンジン4の出力トルクが低下する。このことで車速espdが低下する。
【0069】
そして、車速espdが最高車速ESPDMX以下となれば(S110で「NO」)、車速制限実行フラグexspmxに「OFF」が設定され(S130)、ステップS140では「NO」と判定されて、ステップS180の判定に移る。
【0070】
この時まで、前回の制御周期での処理結果によりeqgov=eqgovspの状態が継続しているので、ステップS180では「YES」と判定されて、今回の最高回転数eneqctsp(i)として、前回の最高回転数eneqctsp(i−1)に適合定数ENEQCAS1(たとえば、適合定数ENEQCDS1と同じ値)を加えて大きくした値が設定される(S190)。
【0071】
したがって、ステップS230で求められる最高車速燃料噴射量eqgovspの値は増加に転じて、図5のマップから求められる走行用燃料噴射量eqgovgnが最高車速燃料噴射量eqgovspよりも大きい状態にある限りは、ステップS240にて求められる実燃料噴射量eqgovも最高車速燃料噴射量eqgovspの増加とともに増加する。
【0072】
したがって、回転数eneと最高車速燃料噴射量eqgovspとの対応関係を表す前記式5のラインは図8に矢印で示すごとく運転状態P1とともに、比較的緩慢にシフトする。この時、実回転数がほぼ一定あるいは低下している場合は、実燃料噴射量eqgovは破線の矢印にて示すごとく次第に上昇する。このことで、ディーゼルエンジン4の出力トルクが上昇し、車速espdが上昇する。
【0073】
そして、以後、運転者がアクセルペダル36を十分に戻さない限り、車速espdが最高車速ESPDMXを越えれば(S110,S140で「YES」)、ステップS160が実行されて図7のごとく実燃料噴射量eqgovが低下される。一方、車速espdが最高車速ESPDMX以下となれば(S110,S140で「NO」)、ステップS190が実行されて図8のごとく実燃料噴射量eqgovが上昇される。
【0074】
上述したごとく、回転数eneと最高車速燃料噴射量eqgovspとの対応関係を表すラインのシフトが繰り返されることにより、最高車速ESPDMXに対する車速espdのフィードバック制御がなされる。
【0075】
また、上述したラインのシフトによるフィードバック制御がなされている時に、運転者がアクセルペダル36を十分に戻すと、図5のマップに基づいて、走行用燃料噴射量eqgovgnが低下する。したがって、ステップS240では、実燃料噴射量eqgovには走行用燃料噴射量eqgovgnが設定されて、ディーゼルエンジン4の出力トルクが十分に低くなり、車速espdが最高車速ESPDMXよりも小さくなって(S110で「NO」)、車速制限実行フラグexspmxに「OFF」が設定され(S130)、ステップS140にて「NO」と判定されて、ステップS180の判定処理がなされる。
【0076】
ここでは、直前の制御サイクルにて最高車速燃料噴射量eqgovspよりも小さい実燃料噴射量eqgovが設定されているので、ステップS180では「NO」と判定されて、今回の最高回転数eneqctsp(i)には最高回転数初期値ENEQCMXが設定される(S200)。
【0077】
したがって、前記式5により求められる最高車速燃料噴射量eqgovspのラインは回転数eneの高い方にある図6に実線で表される状態に戻り、その状態で固定される。このためステップS230で計算された最高車速燃料噴射量eqgovspと図5から求められた走行用燃料噴射量eqgovgnとの内で小さい方は走行用燃料噴射量eqgovgnとなり、実燃料噴射量eqgovには走行用燃料噴射量eqgovgnが設定されるようになる(S240)。
【0078】
すなわち、車速espdが最高車速ESPDMX以下となり、実燃料噴射量eqgovが最高車速燃料噴射量eqgovspに一致しなくなったので、図5に基づいて運転者が操作するアクセル開度ACCPと回転数eneとから求められる走行用燃料噴射量eqgovgnにてディーゼルエンジン4が運転される状態に戻されることになる。
【0079】
上述した実施の形態1の内容と請求項との関係は、前記式5が回転数と最高燃料噴射量との対応関係に相当し、ステップS240が燃料噴射量制限手段としての処理に相当し、ステップS110が比較手段としての処理に相当し、ステップS160,S170,S190,S200が対応関係変更手段としての処理に相当する関係にある。
【0080】
以上説明した本実施の形態1によれば、以下の効果が得られる。
(イ).ディーゼルエンジン4により走行駆動される自動車の走行速度を最高車速ESPDMX以下に制御するに際して、ステップS110での車速espdと最高車速ESPDMXとの比較結果に応じて、前記式5における最高回転数eneqctspを変更している。
【0081】
このことにより、式5は、図7および図8に示したごとく、回転数eneの軸方向にシフトされて、実燃料噴射量eqgovを最高車速燃料噴射量eqgovspにて抑制する新たな対応関係を形成し、その関係の下に、車速espdを最高車速ESPDMX以下に制御している。実際には、車速espdが最高車速ESPDMXよりも高い場合には式5の最高回転数eneqctspを小さくして(S160:図7)実燃料噴射量eqgovを小さくし(S240)、車速espdが最高車速ESPDMXよりも低い場合には式5の最高回転数eneqctspを大きくして(S190:図8)実燃料噴射量eqgovを大きくしている(S240)。
【0082】
この回転数と最高車速燃料噴射量との対応関係を表す式5は、図7,8に示したごとく、ディーゼルエンジン4の回転数eneが高いほど最高車速燃料噴射量eqgovspが小さくなる傾向に設定されていることから、式5にて車速espdを最高車速ESPDMXまたはそれ以下にフィードバック制御している際に、ディーゼルエンジン4の回転数eneが急速に上昇しても、これに対応して最高車速燃料噴射量eqgovspも急速に低下させることができる。このため、ディーゼルエンジン4の回転数eneが急激に上昇した場合にも迅速に対処することができ、応答性良く車速を最高車速ESPDMXまたはそれ以下に制御することができる。またこのことから、ディーゼルエンジン4に駆動される自動車の各種機構の耐久性を向上させることができる。
【0083】
(ロ).また、車速espdが最高車速ESPDMXを越えていても、実際の運転状態が式5の対応関係から図6に示したごとく離れいて、ステップS240では燃料噴射量を直ちに抑制できない状態である場合には、最高回転数eneqctspを迅速に小さくして(S170)、燃料噴射量を抑制できる位置に式5を迅速にシフトさせている。このため早期に実燃料噴射量eqgovを減少に移らせることができ、応答性良く、車速espdを最高車速ESPDMX以下に制御することができる。
【0084】
(ハ).車速espdが最高車速ESPDMX以下であって実燃料噴射量eqgovが最高車速燃料噴射量eqgovspよりも小さい時には、式5の最高回転数eneqctspを直ちに最高回転数初期値ENEQCMXに戻している(S200)。このように通常の運転状態では、図5のマップにより得られる走行用燃料噴射量eqgovgnが実燃料噴射量eqgovとして設定できるようになる。
【0085】
[実施の形態2]
本実施の形態2は、実施の形態1と異なり、車速を制御するのではなくディーゼルエンジン4の回転数eneを制限回転数に制御する処理である。このため、実施の形態1に対しては、ステップS100を行わず、ステップS110にては回転数eneが制限回転数を越えているか否かを判定する点が異なる。他の構成は実施の形態1と同じである。なお、本実施の形態2の場合は、前記実施の形態1における最高車速燃料噴射量eqgovspは、最高回転数燃料噴射量eqgovspと表現される。
【0086】
以上説明した本実施の形態2によれば、以下の効果が得られる。
(イ).回転数eneの最高回転数フィードバック制御として、前記実施の形態1の(イ)〜(ハ)と同じ作用効果が得られる。
【0087】
[その他の実施の形態]
・前記実施の形態1において、ステップS190の処理の直後に、eneqctsp(i)の上限ガードを、例えば、最高回転数初期値ENEQCMXにてガードしてもよい。
【0088】
・前記実施の形態2は、自動車走行駆動用のディーゼルエンジンについての制御であったが、実施の形態2はディーゼルエンジンの回転数の制御であるので、車両走行駆動以外の用途のディーゼルエンジンに対しても適用できる。
【0089】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の実施の形態には、特許請求の範囲に記載した技術的事項以外に次のような各種の技術的事項の実施形態を有するものであることを付記しておく。
【0090】
(1).前記対応関係変更手段は、
前記比較手段の比較結果が前記駆動速度が前記制限速度よりも大きいものであった場合において、実回転数に基づいて前記対応関係から求められる最高燃料噴射量と実燃料噴射量との差が大きい場合には、回転数に対する最高燃料噴射量の大きさが小さくなる方向へ前記対応関係を迅速にシフトすることを特徴とする請求項2記載のディーゼルエンジンの駆動制御装置。
【0091】
(2).前記対応関係変更手段は、
前記比較手段の比較結果が前記駆動速度が前記制限速度よりも大きいものであった場合において、実回転数に基づいて前記式から求められる最高燃料噴射量と実燃料噴射量との差が大きい場合には、前記燃料噴射量制限手段にて用いられる前記式の最高回転数eneqctspを迅速に小さくすることを特徴とする請求項6記載のディーゼルエンジンの駆動制御装置。
【0092】
(3).請求項1〜10のいずれか記載のディーゼルエンジンの駆動制御装置の各手段としてコンピュータシステムを機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【0093】
【発明の効果】
請求項1記載のディーゼルエンジンの駆動制御装置は、ディーゼルエンジン自体またはディーゼルエンジンにより駆動される機構の駆動速度を制限速度以下に制御するに際して、対応関係変更手段は、比較手段による駆動速度と制限速度との比較結果に応じて、燃料噴射量制限手段にて用いられる前記対応関係における回転数に対する最高燃料噴射量の大きさを変更している。すなわち、対応関係変更手段は、燃料噴射量制限手段がディーゼルエンジンの燃料噴射量を制限するために用いているところの、回転数と最高燃料噴射量との対応関係を変更することにより、実燃料噴射量を最高燃料噴射量にて抑制する新たな対応関係を形成し、駆動速度を制限速度以下に制御している。この回転数と最高燃料噴射量との対応関係は、ディーゼルエンジンの回転数が高いほど最高燃料噴射量が小さくなる傾向に設定されていることから、ディーゼルエンジンの回転数が急速に上昇しても、これに対応して最高燃料噴射量も急速に低下する。このため、ディーゼルエンジンの回転数が急激に上昇した場合にも迅速に対処することができ、ディーゼルエンジン自体またはディーゼルエンジンにより駆動される機構の駆動速度を迅速に制限速度以下に制御することができる。
【0094】
請求項2記載のディーゼルエンジンの駆動制御装置においては、請求項1記載の構成に対して、前記対応関係変更手段は、前記比較手段の比較結果が前記駆動速度が前記制限速度よりも大きいものであった場合には、前記燃料噴射量制限手段にて用いられる前記対応関係を、回転数に対する最高燃料噴射量の大きさが小さくなる方向へシフトし、前記比較手段の比較結果が前記駆動速度が前記制限速度よりも小さいものであった場合には、前記燃料噴射量制限手段にて用いられる前記対応関係を、回転数に対する最高燃料噴射量の大きさが大きくなる方向へシフトすることにより、実燃料噴射量を最高燃料噴射量にて抑制する新たな対応関係を形成し、駆動速度を制限速度以下に制御している。このことで、請求項1で述べた作用効果を生じる。
【0095】
請求項3記載のディーゼルエンジンの駆動制御装置においては、請求項2記載の構成に対して、前記対応関係変更手段は、回転数に対する最高燃料噴射量の大きさが小さくなる方向へ前記対応関係をシフトするに際して、実燃料噴射量が最高燃料噴射量よりも小さい場合には前記最高燃料噴射量と前記実燃料噴射量とが一致する場合よりも迅速に行っている。このことにより、早期に駆動速度を制限速度以下に制御することができる。
【0096】
請求項4記載のディーゼルエンジンの駆動制御装置においては、請求項2または3記載の構成に対して、前記対応関係変更手段は、駆動速度が制限速度よりも小さい場合に前記対応関係を回転数に対する最高燃料噴射量の大きさが大きくなる方向へシフトするに際しては、最高燃料噴射量より実燃料噴射量が小さい場合には直ちに前記対応関係を初期状態に戻すこととしている。駆動速度が制限速度よりも小さく、かつ実燃料噴射量が最高燃料噴射量より小さい場合には、ディーゼルエンジンは問題のない駆動状態であるので、直ちに前記対応関係を初期状態に戻すことにより、通常のディーゼルエンジンの駆動制御に戻すことができる。
【0097】
請求項5記載のディーゼルエンジンの駆動制御装置においては、請求項1記載の構成に対して、前記燃料噴射量制限手段にて用いられる前記対応関係は、請求項5に示した式で表している。前記対応関係は、このような最高燃料噴射量eqgovspと回転数eneとの1次式にて表すことができ、この式をシフトすることにより請求項1で述べた作用効果を生じさせることができる。
【0098】
請求項6記載のディーゼルエンジンの駆動制御装置においては、請求項5記載の構成に対して、前記対応関係変更手段は、前記式の最高回転数eneqctspの大きさを変更することにより前記式をシフトさせることができ、請求項2と同様な作用効果を生じさせることができる。
【0099】
請求項7記載のディーゼルエンジンの駆動制御装置においては、請求項6記載の構成に対して、前記対応関係変更手段は、前記比較手段の比較結果が前記駆動速度が前記制限速度よりも大きいものであった場合において、実回転数に基づいて前記式から求められる最高燃料噴射量と実燃料噴射量とが異なる場合には、前記燃料噴射量制限手段にて用いられる前記式の最高回転数eneqctspを、前記最高燃料噴射量と前記実燃料噴射量とが一致する場合よりも迅速に小さくしている。このことにより、請求項3に述べたと同じ作用効果により、早期に駆動速度を制限速度以下に制御することができる。
【0100】
請求項8記載のディーゼルエンジンの駆動制御装置においては、請求項6または7記載の構成に対して、前記対応関係変更手段は、前記比較手段の比較結果が前記駆動速度が前記制限速度よりも小さいものであった場合において、実回転数に基づいて前記式から求められる最高燃料噴射量より実燃料噴射量が小さい場合には、前記式の最高回転数eneqctspを初期値に戻している。このことにより、請求項4に述べたと同じ作用効果が生じる。
【0101】
請求項9記載のディーゼルエンジンの駆動制御装置においては、請求項1〜8のいずれか記載の構成に対して、前記ディーゼルエンジンは自動車に搭載されて該自動車を駆動するとともに、前記駆動速度は自動車の走行速度であることとしている。このような構成とすることにより、自動車の走行速度を制限速度に制限する最高速度制御において、前述した各請求項における作用効果を生じさせることができる。
【0102】
請求項10記載のディーゼルエンジンの駆動制御装置においては、請求項1〜8のいずれか記載の構成に対して、前記駆動速度はディーゼルエンジンの回転数であることとしている。このような構成とすることにより、ディーゼルエンジンの回転数を制限速度に制限する最高回転数制御において、前述した各請求項における作用効果を生じさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1としてのディーゼルエンジンの駆動制御装置の概略構成を表すブロック図。
【図2】実施の形態1で用いられるECUの電気的構成を示すブロック図。
【図3】実施の形態1でECUにより実行される燃料噴射量設定処理を示すフローチャート。
【図4】実施の形態1でECUにより実行される燃料噴射量設定処理を示すフローチャート。
【図5】実施の形態1で用いられるアクセル開度Accpおよび回転数NEに基づいて走行用燃料噴射量eqgovgnを設定するマップの構成説明図。
【図6】実施の形態1の燃料噴射量設定処理で行われる式5のシフト動作の説明図。
【図7】実施の形態1の燃料噴射量設定処理で行われる式5のシフト動作の説明図。
【図8】実施の形態1の燃料噴射量設定処理で行われる式5のシフト動作の説明図。
【符号の説明】
2…ディーゼルエンジン制御装置、4…ディーゼルエンジン、6…ターボチャージャー、8…エアクリーナー、10…吸気管、12…インタークーラー、14…ベンチュリー、16…シリンダー、18…燃焼室、20…燃料噴射弁、22…排気管、24…排気環流管、26…EGRバルブ、27…バキュームポンプ、28…分配型燃料噴射ポンプ、30…タイミングコントロールバルブ、32…電磁スピル弁、34…第1絞り弁、36…アクセルペダル、38…アクセルセンサ、40…第2絞り弁、42…ダイヤフラム機構、51…ECU、52…中央処理制御装置(CPU)、53…読出専用メモリ(ROM)、54…ランダムアクセスメモリ(RAM)、55…バックアップRAM、56…タイマカウンタ、57…入力インターフェース、58…出力インターフェース、59…バス、62…吸気圧センサ、64…水温センサ、66…燃温センサ、67…吸気温センサ、68…回転数センサ、70…クランクポジションセンサ、71…車速センサ、72…負圧切換弁、74…電気式負圧調整弁(EVRV)
Claims (10)
- ディーゼルエンジン自体またはディーゼルエンジンにより駆動される機構の駆動速度を制限速度以下に制御するディーゼルエンジンの駆動制御装置であって、
ディーゼルエンジンの回転数が高いほど最高燃料噴射量が小さくなる傾向に設定されている回転数と最高燃料噴射量との対応関係に基づいてディーゼルエンジンの実回転数から求められた最高燃料噴射量を上限として、ディーゼルエンジンの燃料噴射量を制限する燃料噴射量制限手段と、
前記駆動速度と前記制限速度とを比較する比較手段と、
前記比較手段による比較結果に応じて、前記燃料噴射量制限手段にて用いられる前記対応関係における回転数に対する最高燃料噴射量の大きさを変更する対応関係変更手段とを備え、
前記対応関係変更手段は、実燃料噴射量が前記最高燃料噴射量に一致しているか否かに基づき前記対応関係における回転数に対する最高燃料噴射量の大きさを変更する
ことを特徴とするディーゼルエンジンの駆動制御装置。 - 前記対応関係変更手段は、
前記比較手段の比較結果が前記駆動速度が前記制限速度よりも大きいものであった場合には、前記燃料噴射量制限手段にて用いられる前記対応関係を、回転数に対する最高燃料噴射量の大きさが小さくなる方向へシフトし、
前記比較手段の比較結果が前記駆動速度が前記制限速度よりも小さいものであった場合には、前記燃料噴射量制限手段にて用いられる前記対応関係を、回転数に対する最高燃料噴射量の大きさが大きくなる方向へシフトすることを特徴とする請求項1記載のディーゼルエンジンの駆動制御装置。 - 前記対応関係変更手段は、
前記比較手段の比較結果が前記駆動速度が前記制限速度よりも大きいものであった場合において、実回転数に基づいて前記対応関係から求められる最高燃料噴射量と実燃料噴射量とが異なる場合には、回転数に対する最高燃料噴射量の大きさが小さくなる方向へ前記対応関係を、前記最高燃料噴射量と前記実燃料噴射量とが一致する場合よりも迅速にシフトすることを特徴とする請求項2記載のディーゼルエンジンの駆動制御装置。 - 前記対応関係変更手段は、
前記比較手段の比較結果が前記駆動速度が前記制限速度よりも小さいものであった場合において、実回転数に基づいて前記対応関係から求められる最高燃料噴射量より実燃料噴射量が小さい場合には、前記対応関係を初期状態に戻すことを特徴とする請求項2または3記載のディーゼルエンジンの駆動制御装置。 - 前記対応関係変更手段は、
前記比較手段の比較結果が前記駆動速度が前記制限速度よりも大きいものであった場合には、前記燃料噴射量制限手段にて用いられる前記式の最高回転数eneqctspを小さくし、
前記比較手段の比較結果が前記駆動速度が前記制限速度よりも小さいものであった場合には、前記燃料噴射量制限手段にて用いられる前記式の最高回転数eneqctspを大きくすることを特徴とする請求項5記載のディーゼルエンジンの駆動制御装置。 - 前記対応関係変更手段は、
前記比較手段の比較結果が前記駆動速度が前記制限速度よりも大きいものであった場合において、実回転数に基づいて前記式から求められる最高燃料噴射量と実燃料噴射量とが異なる場合には、前記燃料噴射量制限手段にて用いられる前記式の最高回転数eneqctspを、前記最高燃料噴射量と前記実燃料噴射量とが一致する場合よりも迅速に小さくすることを特徴とする請求項6記載のディーゼルエンジンの駆動制御装置。 - 前記対応関係変更手段は、
前記比較手段の比較結果が前記駆動速度が前記制限速度よりも小さいものであった場合において、実回転数に基づいて前記式から求められる最高燃料噴射量より実燃料噴射量が小さい場合には、前記式の最高回転数eneqctspを初期値に戻すことを特徴とする請求項6または7記載のディーゼルエンジンの駆動制御装置。 - 前記ディーゼルエンジンは自動車に搭載されて該自動車を駆動するとともに、前記駆動速度は自動車の走行速度であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか記載のディーゼルエンジンの駆動制御装置。
- 前記駆動速度はディーゼルエンジンの回転数であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか記載のディーゼルエンジンの駆動制御装置。
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