JP3598610B2 - 電磁弁およびこれを用いた燃料ポンプ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高圧流体の制御に適する電磁弁および、例えばコモンレール内に高圧燃料を圧送する吐出量可変式高圧燃料ポンプに用いて有効な燃料ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、ディーゼル機関に燃料を噴射する燃料噴射装置として、コモンレールと呼ばれる蓄圧配管に高圧燃料を蓄積し、この蓄圧燃料を電磁式インジェクタを通じて機関に噴射するようにしたシステムが特開昭64−73166号公報などに示されている。
【0003】
この種のコモンレール式燃料噴射装置は、図12に示すように、燃料タンク1内の燃料を低圧燃料ポンプ2により高圧燃料ポンプ3に送り、この高圧燃料ポンプ3で上記低圧燃料ポンプ2から送られてきた燃料を噴射圧に相当する100MPa程度の高圧に加圧し、この高圧燃料を逆止弁4および吐出管5を介してコモンレール6に送るようになっている。コモンレール6には分配管7…が連結されており、これら分配管7…はエンジン8の各気筒に設置された電磁式インジェクタ9…に接続されている。これら電磁式インジェクタ9…は電磁制御弁10を作動させると図示じないインジェクタニードルが開弁作動され、これにより上記コモンレール6内の高圧燃料がインジェクタ9…を介してエンジン8の各気筒に噴射されるようになっている。
【0004】
上記インジェクタ9の電磁制御弁10は、電子制御ユニットECU20により制御されるようになっている。ECU20は、例えばエンジン回転数センサ21や負荷センサ22によりエンジンの回転数や負荷状態の情報が入力され、これらの信号によりエンジンの運転状態を判断し、このエンジンの運転状態に応じて最適噴射時期および噴射量を演算して上記電磁制御弁10に制御信号を発する。よって、エンジン8の各気筒には、エンジンの運転状態に応じた最適噴射時期および最適噴射量の燃料が噴射されるようになっている。
【0005】
また、コモンレール6内では噴射によって消費された燃料分の圧力低下が生じ、この消費分を補ってコモンレール6内の燃料圧力を常に噴射圧に相当するほぼ100MPaに維持しておく必要がある。このため、上記消費分の燃料を高圧燃料ポンプ3からコモンレール6に供給するようになっている。
【0006】
すなわち、コモンレール6にはコモンレール内の燃料圧力を検出する圧力センサ23が設けられており、この圧力センサ23からの信号により上記ECU20が上記高圧燃料ポンプ3に指令信号を送り、高圧燃料ポンプ3の吐出量を制御するようになっている。したがって、高圧燃料ポンプ3は、エンジンの負荷や回転数に応じて吐出量を制御できるポンプでなければならず、このため、この種の高圧ポンプは、前記公報に記載されているような構造が採用されている。
【0007】
つまり、この種の高圧燃料ポンプ3は、シリンダと、このシリンダ内に摺動自在に嵌挿されエンジンの回転により往復駆動されるポンププランジャとを備えており、ポンププランジャの吸入行程でこれらシリンダとプランジャとにより形成されたポンプ室に上記低圧燃料ポンプ側から燃料を導入し、ポンププランジャの圧縮行程で上記ポンプ室の燃料を加圧してコモンレールに圧送する構造となっている。
【0008】
この場合、上記高圧燃料ポンプには上記ポンプ室に面して電磁弁が設置されており、この電磁弁はポンプ室と低圧側の燃料溜り部とを連通する低圧通路を備えており、通常は上記低圧通路を開いてポンプ室の燃料を低圧側の燃料溜り部に逃がすとともに、プランジャの加圧作動中に電磁弁に通電すると弁体が作動されて低圧通路を閉じ、これによりポンプ室の燃料をコモンレール側に供給するように構成されている。この電磁弁が前記ECU20により制御されるようになっている。
【0009】
ところで上記公報に記載されている従来の電磁弁について、概略的構造を図13にもとづき説明する。図13において30は、バルブボディであり、中央部に摺動孔31が形成されているとともに下面に弁座部32が形成されている。33は弁体であり、上記バルブボディ30の摺動孔31に摺動自在に嵌挿されている。弁体33の下端には上記弁座部32に離着するシート部34が形成されているとともに、上端にはアーマチャ35が一体的に連結されている。この弁体33は図示しないばねによって図中下方に付勢されており、係合部36がシム37に係合して開弁位置に保持される。この状態で図示しない電磁アクチュエータの電磁コイルヘ通電がなされると、アーマチュア35が上記ばねの付勢力に抗して吸引され、弁体33のシート部34が上記バルブボディ30の弁座部32に着座して閉弁する。上記バルブボディ30の弁座部32は、高圧燃料ポンプのポンプ室38に面しており、またバルブボディ30の摺動孔31は低圧通路39を介して低圧側燃料溜り部40に通じている。したがって、弁体33のシート部34がバルブボディ30の弁座部32から離れている場合は、高圧燃料ポンプのポンプ室38で加圧された燃料は、バルブボディ30の摺動孔31から低圧通路39を通じて燃料溜り部40へ逃がされる。このため、高圧燃料ポンプからコモンレールへの燃料供給は生じない。電磁コイルヘ通電すると、アーマチャ35および弁体33が図示しないばねの付勢力に抗して上昇し、弁体33のシート部34が弁座部32に着座して閉弁される。この場合、ポンプ室38で加圧された燃料は吐出通路41を通じてコモンレールへ圧送される。
【0010】
したがって、前記ECU20によりソレノイドコイルヘの通電を制御すれば、高圧燃料ポンプ3からコモンレール6へ吐出される燃料量をエンジンの負荷や回転数に応じて制御することができ、コモンレール6内の燃料圧を常に噴射圧となるように維持することができる。
【0011】
ところで、上記従来の電磁弁は、高圧燃料ポンプのポンププランジャ42が吸入行程に移ると、ポンププランジャ42が吸入孔43を通過して吸入孔43を開口するまでは燃料溜り部40から低圧通路39および摺動孔31を通じてポンプ室38に燃料を導入する必要がある。このため、ポンププランジャ42が吸入行程に移ると、吸入不良が発生しないように弁体33のシート部34はバルブボディ30の弁座部32から大きく離れて燃料の導入通路を大きく確保する必要がある。つまり、弁体33は吸入不良を防止するため大きなストロークが必要である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、電磁弁の開閉動作の高速化が求められており、例えば、車両用の内燃機関のように運転状態が時間とともに著しく変化する場合には、この種の内燃機関の燃料供給装置に適用される電磁弁の高速応答性が要求される。
【0013】
ところが、図13に示す従来の電磁弁の場合、吸入行程でポンプ室38に燃料を導入する際に吸入不良が発生しないように弁体33を大きなストロークで移動させなければならないが、弁体33とアーマチャ35がー体構造となっているので、アーマチャ35も大きなストロークで移動させなければならない。
【0014】
このような弁体33とアーマチャ35がー体構造であると、慣性も大きいので大きなストロークを確保しようとすると、それだけ作動が遅くなり、電磁弁の高速化を制約するという問題がある。
【0015】
また、図13に示す構造のままで電磁弁を高速化しようとすると、電磁弁の駆動電圧を高くする必要がある。しかし、車両用コモンレール式燃料噴射装置は車載用のバッテリによって駆動されるようになっており、その電圧は12Vあるいは24Vでー定である。よって、車載用のバッテリを変更せずに電磁弁の駆動電圧を高くしようとすると昇電圧回路が必要になる。このような昇電圧回路を採用するとコストアップにつながるという不具合がある。
【0016】
本発明はこのような事情にもとづきなされたもので、吸入不良の防止および高速作動化を両立させることを目的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、請求項1の発明に係る電磁弁は、
ポンププランジャの往復動にしたがい燃料溜り部からの燃料の吸入、同燃料の加圧、吐出孔から送出が可能なシリンダのポンプ室と連通する高圧燃料室と;
上記高圧燃料室に形成され、上記燃料溜り部と連通する弁座部と;
一端側に上記弁座部と離着可能なシート部を有し、上記弁座部に、上記高圧燃料室の圧力が閉弁方向に作用するように、軸方向に沿って摺動可能に設けられた、所定ストローク範囲で摺動可能なチェック弁体と;
上記チェック弁体の上記シート部を弁座部に着座させて閉塞する方向に付勢する第1の付勢手段と;
上記チェック弁体の他端側に、当該チェック弁体、上記高圧燃料室と共に、軸方向に並んで上記チェック対のストロークより小さなストローク範囲で軸方向に移動可能に設けられ、チェック弁体側へストロークしたとき、上記チェック弁体を全開以下の開度で上記シート部が上記弁座部から離れる開位置に停止させることが可能な電磁プランジャと;
上記電磁プランジャを電磁吸引力により駆動する電磁アクチュエータと;
を具備し、
上記プランジャの吸入工程では、上記電磁プランジャが上記チェック弁体から離れており、上記高圧燃料室の圧力が低下することによって上記チェック弁体が全開し、
上記プランジャの加圧工程では、上記電磁プランジャが上記チェック弁体に当接し、上記シート部と上記弁座部との間に上記吸入行程時よりも小さい間隙を確保したままでの状態となることによって、上記ポンプ室で加圧される燃料が上記間隙を介して上記燃料溜り部へ逃されるモードと、上記電磁プランジャが上記チェック弁体から離れており、上記チェック弁が全閉となることによって、上記ポンプ室内の燃料が加圧されて上記吐出孔から圧送するモードとを有するように構成したことを特徴とする。
【0018】
請求項1の発明によれば、本来は高圧側である方の圧力が低下して本来は低圧側である方の圧力より低くなると、その圧力差によりチェック弁体が第1の付勢手段に抗して開弁方向に大き<変位し、よって弁座部の開度を大きく確保するので、本来は低圧側である方から本来は高圧側である方へ流体を流す。したがって、弁座部の開度が大きく確保されることからこの方向への流体の吸入不良を防止することができる。
【0019】
高圧側が低圧側よりも圧力が高くなると、この差圧力によってチェック弁は閉弁方向に動かされる。この際、上記電磁アクチュエータへの通電または通電停止により電磁プランジャがチェック弁側に移動させているので、チェック弁は、所定量の開度で開弁状態が保持される。
【0020】
高圧側から低圧側へ流体が逃げるのを阻止するときは、上記ソレノイド部へ通電または通電停止を解除すると電磁プランジャがチェック弁体から離れる方向に移動するので、チェック弁体が高圧側と低圧側の差圧力によって移動し、シート部が弁座部に着座することにより閉弁する。
【0021】
以上のように、吸入不良が防止でき、かつ電磁プランジャの通電または通電停止に対する応答作動が迅速になり、高速応答が可能となる。
【0022】
したがって、吸入不良の防止と電磁弁の高速化を、コストアップにつながる格別な昇電圧回路を用いることなく両立することができる。
請求項2の発明は、請求項1に記載の電磁弁において、電磁プランジャは、第2の付勢手段で、上記チェック弁体から離れる方向へ付勢されることを特徴とする。
【0023】
請求項2の発明によれば、電磁アクチュエータに通電しない場合、電磁プランジャはチェック弁体から離れる方向へ付勢されるからチェック弁体は閉弁作動し、いわゆる常閉弁となる。
【0024】
よって、電磁アクチュエータへの通電が何らかの原因により遮断された場合は、弁座部が閉じられているから高圧側から低圧側に流体を送るのを停止することができる。
【0025】
請求項3の発明は、請求項1に記載の電磁弁において、電磁プランジャは、第2の付勢手段で、上記チェック弁体に接近する方向へ付勢されることを特徴とする。
請求項3の発明によれば、電磁アクチュエータに通電しない場合、電磁プランジャはチェック弁体に接近する方向へ付勢されるからチェック弁体は所定開度で開弁作動し、いわゆる常開弁となる。
【0026】
請求項4の発明に係る燃料ポンプは、
シリンダに請求項1ないし請求項3のいずれか一に記載の電磁弁を取付け、この電磁弁のチェック弁はポンプ室の圧力を閉弁方向の押圧力として受けるとともに、上記チェック弁の低圧側は低圧燃料溜り部の圧力を受けるように設けられていることを特徴とする。
【0027】
請求項4の発明によると、ポンプ室の圧力が低下して燃料溜り部の圧力より低くなると、その圧力差によりチェック弁体が第1の付勢手段に抗して開弁方向に大き<変位し、よって弁座部の開度を大きく確保するので、燃料溜り部からポンプ室側に燃料を吸引する。したがって、弁座部の開度が大きく確保されることから吸入不良を防止することができる。
【0028】
ポンプ室から燃料溜り部へ燃料を逃がすとき、つまり吐出量を制御する時は、ポンプ室が燃料溜り部よりも圧力が高くなるので、この差圧力によってチェック弁は閉弁方向に動かされる。この際、上記電磁アクチュエータへの通電または通電停止により電磁プランジャがチェック弁側に移動させているので、チェック弁は所定量の開度で開弁状態が保持される。
【0029】
ポンプ室から燃料溜り部へ燃料が逃げるのを阻止するとき、つまりコモンレール側に燃料を圧送するときは、上記電磁アクチュエータへ通電または通電停止を解除すると電磁プランジャがチェック弁体から離れる方向に移動するので、チェック弁体が差圧力によって移動し、シート部が弁座部に着座するようになり電磁弁は閉弁する。よってポンプ室の燃料はコモンレール側に圧送されるようになる。
【0030】
このような燃料ポンプによれば、吸入不良が防止でき、かつ電磁プランジャの通電または通電停止に対する応答作動が迅速になり、高速応答が可能となる。したがって、吸入不良の防止と電磁弁の高速化を、コストアップにつながる格別な昇電圧回路を用いることなく両立させることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下本発明について、図1ないし図8に示す第1の実施例にもとづき説明する。
図1は本発明の高圧燃料ポンプ3の構成を示す図であり、この高圧燃料ポンプ3は図12に示すコモンレール式燃料噴射装置の高圧燃料ポンプとして使用される。なお、図12に示すコモンレール式燃料噴射装置についてはすでに説明した通りであってよいのでその説明は省略する。
【0032】
図1に示す高圧燃料ポンプ3について説明すると、図において50はポンプハウジングであり、下端にカム室51が形成されている。カム室51には機関の回転数の1/2の速度で回転するカム軸52が挿通されており、このカム軸52にはカム53が形成されている。このカム53はカム軸52の1回転に4度の上昇行程を発揮するカム面が形成されている。
【0033】
ポンプハウジング50内にはシリンダ54が取付けられており、このシリンダ54内にはポンププランジャ55が往復移動可能に嵌挿されている。このポンププランジャ55は、従来の列型燃料噴射ポンプのプランジャと異なり、外周面にリード面となる切欠は形成されていなく、単なる円柱形状をなしている。
【0034】
ポンププランジャ55の上端面とシリンダ54の内周面とによりポンプ室56が形成されており、このポンプ室56には吐出孔57が連通されている。また、シリンダ54にはポンププランジャ55が所定ストローク下降した場合に開口される燃料導入孔58が形成されており、この燃料導入孔58は燃料溜り部59に連通している。この燃料溜り部59は導入管60を介して、図12に示す低圧燃料ポンプ2に連通している。したがって、燃料溜り部59には低圧燃料ポンプ2から低圧燃料が供給される。
【0035】
上記シリンダ54には吐出弁61が取付けられており、この吐出弁61は吐出孔57を介して上記ポンプ室56に連通している。ポンプ室56内で加圧された高圧燃料は吐出弁61の弁体62を復帰用ばね63の付勢力に抗して押し開き、これによりポンプ室56で加圧された高圧燃料がコモンレール6に圧送される。
【0036】
ポンププランジャ55の下端はばね座金64に連結されており、このばね座金64は復帰用ばね65により摺動子66に押付けられている。摺動子66はカムローラ67を有し、このカムローラ67は前記カム53に摺接している。したがって、カム軸52の回転によりカム53が回転されると、カムローラ67およびばね座64を介してポンププランジャ55が往復駆動される。
【0037】
ポンププランジャ55の往復ストロークは前記カム53の高低差により決定され、ポンププランジャ55がシリンダ54内を往復移動することによりポンププランジャ55の外周面が燃料導入孔58を開閉し、ポンププランジャ55の外周面が燃料導入孔58を開いている時に燃料導入孔58から低圧燃料溜り部59の燃料がポンプ室56に導入される。
【0038】
シリンダ54の上端には、ポンプ室56に対向した位置に電磁弁70が取付けられている。本実施例の電磁弁70は、通電した時に閉弁位置から開弁位置に移動する形式のものである。
【0039】
電磁弁70の構造は、図2に示されており、これについて説明する。
71は電磁弁ケーシングであり、この電磁弁ケーシング71はポンプシリンダ54の上端部にねじ係合して取付けられている。電磁弁ケーシング71には、バルブボディ72、アクチュエータホルダ73および電磁弁カバー74が軸方向に沿って設置されており、これらバルブボディ72、アクチュエータホルダ73および電磁弁カバー74は上記電磁弁ケーシング71の上下端部をかしめるなどの手段で電磁弁ケーシング71に固定されている。バルブボディ72の下端面とポンプシリンダ54の上端面との間には円盤状のストッパ75が挾持されており、これらバルブボディ72とストッパ75との間には高圧燃料室76が形成されている。そして、上記ストッパ75には高圧燃料室76と前記ポンプ室56とを連通させる燃料通路75aが形成されている。
【0040】
バルブボディ72の中央部には案内孔77が形成されており、この案内孔77の下端には上記高圧燃料室76に面して弁座部78が形成されている。案内孔77の途中には低圧側燃料通路72aが開口されており、この低圧側燃料通路72aは、バルブボディ72とポンプシリンダ54との間に形成された前記燃料溜り部59に連通している。
【0041】
上記案内孔77にはチェック弁体80が軸方向に摺動可能に嵌挿されている。チェック弁体80の下端は上記高圧燃料室76に臨まされているとともにこの下端は大径に形成されており、この大径部には前記弁座部78に離着するシート部81が形成されている。この大径シート部81の下面には上記高圧燃料室76の燃料圧が加わるようになっている。
【0042】
また、チェック弁体80の途中には上記低圧側燃料通路72aに連通する小径部80aが形成されている。
上記チェック弁体80の下端面と前記ストッパ75との間には第1の付勢手段に相当する圧縮コイルばね82が介挿されており、この圧縮コイルばね82は上記チェック弁体80をそのシート部81が弁座部78に当接する方向に押圧しており、したがってチェック弁体80は案内孔77を閉塞する方向に付勢されている。
【0043】
ストッパ75の中央部には上記チェック弁体80の下端面が接離可能に当接する衝止突起75bが形成されている。
上記チェック弁体80は、シート部81が弁座部78に当接する上動位置と、シート部81の下端が上記ストッパ75の衝止突起75bに当接する下動位置の範囲を移動可能であり、このストロークはシート部81が弁座部78から十分に大きく離れるように設定してある。
【0044】
前記アクチュエータホルダ73には本発明の電磁アクチュエータの主体となるコイル巻線90が取付けられているとともに、電磁弁カバー74には上記コイル巻線90に電流を供給するターミナル91が固定されている。
【0045】
アクチュエータホルダ73の中央部には摺動孔73aが開口されており、この摺動孔73aには電磁プランジャ92が摺動自在に嵌挿されている。電磁プランジャ92の上端部にはばね座92aが形成されており、このばね座92aとアクチュエータホルダ73の間には第2の付勢手段に該当する圧縮コイルばね93が介挿されている。この圧縮コイルばね93は上記電磁プランジャ92を上向きに押圧付勢している。電磁プランジャ92の上端にはアーマチャ94が連結されており、このアーマチャ94はアクチュエータホルダ73と電磁弁カバー74との間に形成された空間内に上下に移動自在に収容されている。
【0046】
電磁プランジャ92の下端は、前記チェック弁体80の上端に接離可能に対向されている。この電磁プランジャ92は、上記アーマチャ94の下端がアクチュエータホルダ73の上面に当接する下動位置と上記アーマチャ94の上端が電磁弁カバー74の下面に当たる上動位置との範囲で移動可能であり、このような電磁プランジャ92のストロークは、前記チェック弁体80のストロークより小さくなるように設定されている。
【0047】
アクチュエータホルダ73の下面とバルブボディ72の間には低圧燃料室95が形成されており、この低圧燃料室95はバルブボディ72に形成した燃料通路96を介して前記燃料溜り部59に連通している。そして、上記チェック弁体80の上端面は上記低圧燃料室95に臨まされており、よってチェック弁体80の上端面には低圧燃料室95の低圧燃料圧力が加わるようになっている。
【0048】
このような構成の電磁弁70について、作用を説明する。
図2はポンププランジャ55が上死点にある状態であり、ポンプ室56の燃料圧が高く、したがって高圧燃料室76の燃料圧も高くなっており、このためチェック弁体80のシート部81がバルブボディ72の弁座部78に着座して案内孔77を閉塞している。
【0049】
なお、このときは、電磁アクチュエータのコイル巻線90に電流が流されていなく、よってアーマチャ94がコイル巻線90により下向きに吸引される力が解放されているから電磁プランジャ92は圧縮コイルばね93の押圧力を受けて上向きに移動している。このため、電磁プランジャ92の下端はチェック弁体80の上端から離れている。
【0050】
このような図2の状態からポンププランジャ55が下降を始めて吸入行程に移ると、図1に示された燃料導入孔58が未だポンププランジャ55の外周面で閉塞されている段階では、ポンプ室56の容積が増大して圧力が低下するから、高圧燃料室76の圧力も低下する。このときの高圧燃料室76の圧力は、低圧燃料室95の燃料圧力よりも低くなる。そして、低圧燃料室95と高圧燃料室76の圧力差はチェック弁体80を下向き(開弁方向)に押す力となり、この押し下げ力が圧縮コイルばね82の押上力よりも大きくなるとチェック弁体80は図3に示すように下降する。したがって、チェック弁体80のシート部81が弁座部78から離れ、案内孔77を開く。
【0051】
このため、燃料溜り部59の燃料が低圧燃料通路72aから案内孔77、弁座部78を介して高圧燃料室76に導入され、この燃料は燃料通路75aからポンプ室56に導入される。
【0052】
よって、ポンププランジャ55の吸入行程中に、図1に示された燃料導入孔58が未だ閉じられているときにポンプ室56が負圧になるのが防止される。
この時、図3に示すように、チェック弁体80の下端面はストッパ75の衝止突起75bに当接し、この場合チェック弁体80のストロークは十分大きく取ってあるので、弁座部78は大きく開口されるようになり、よってポンプ室56に燃料が供給されている最中に吸入不良が発生することはない。
【0053】
上記チェック弁体80が開弁した後、図12に示すECU20から所定のタイミングで電磁アクチュエータのコイル巻線90に通電すると、コイル巻線90の励磁によりアクチュエータホルダ73およびアーマチャ94内に磁気回路が形成され、アクチュエータホルダ73の上端の磁気ギャップに生じる吸引作用によりアーマチャ94に下向きの付勢力が発生する。このためアーマチャ94および電磁プランジャ92が圧縮コイルばね93の押上げ力にに抗して、図3のように下方に移動される。
【0054】
この場合、電磁プランジャ92のストロークはチェック弁体80のストロークより小さく設定されているため、チェック弁体80の上端に当接しない。そして、このような電磁プランジャ92の下動は、チェック弁体80のストロークよりも小さく取ってあり、しかもチェック弁体80と離れているから高速で作動する。
【0055】
ポンププランジャ55がさらに下降して燃料導入孔58がポンププランジャ55の外周面により開かれると、燃料溜り部59の燃料は燃料導入孔58からも導入されポンプ室56に補給される。
【0056】
ポンププランジャ55が下死点に達し、逆に上昇に移るとポンプ室56の容積が減少する。そして、ポンププランジャ55の外周面が燃料導入孔58を閉じるとポンプ室56の燃料が加圧されて圧力が上昇する。このような加圧行程においては、ポンプ室56の圧力上昇に伴い高圧燃料室76の圧力も上昇する。
【0057】
上記高圧燃料室76と低圧燃料室95との圧力差によるチェック弁体80が圧縮コイルばね82に抗する力がなくなると、チェック弁体80は圧縮コイルばね82に押されて上動する。
【0058】
しかし、コイル巻線90に通電したままであると、図4に示すように、チェック弁体80の上端面が電磁プランジャ92の下端に当接し、チェック弁体80はこの位置で止まり、シート部81が弁座部78との間に間隙を確保したままの状態となる。このため、ポンプ室56で加圧される燃料は燃料通路75a、高圧燃料室76、シート部81と弁座部78との間隙、小径部80aの周囲、低圧燃料通路72aを通って燃料溜り部59へ逃がされる。
【0059】
したがって、ポンプ室56で燃料が加圧されても、燃料が吐出孔57、吐出弁61を通じて図12に示すコモンレール65へ圧送されることはない。
図4の状態において、図12に示すECU20からから所定のタイミングでコイル巻線90への通電が停止されると、圧縮コイルばね93の付勢力によりアーマチャ94および電磁プランジャ92が上方に移動される。すると、チェック弁体80を上方へ移動するのを制限していた力がなくなるので、チェック弁体80は圧縮コイルばね82の付勢力を受けて上方へ移動し、チェック弁体80のシート部81が弁座部78に当接する。
【0060】
よって、図2に示すように、弁座部78が閉弁され、このためポンプ室56内の燃料は案内孔77から逃げられないからポンプ室56内で加圧されることになる。この加圧された高圧燃料は吐出孔57、吐出弁61を通じて図12に示すコモンレール65へ圧送される。
【0061】
この時、チェック弁体80の下面がポンプ室56の高圧の燃料圧を受けるので、チェック弁体80のシート部81は弁座部78に強く押され、よって加圧行程中にチェック弁体80が開弁することはない。
【0062】
このような構成の電磁弁70を備えた高圧燃料ポンプ3によれば、以下のような効果がある。
吸入行程で吸入不良が発生しないように、燃料流路の開口面積、すなわち弁座部の開き度を大きく確保するためにはシート部のストロークを大きく取らなければならない。バルブストロークと、流路開口面積の間には、図5に示すような関係があり、吸入不良が発生しない流路開口面積SB を確保しようとすると、バルブストロークをB以上に設定する必要がある。
また、アーマチャのストロークと、達成可能な応答時間との間には図6に示す関係がある。ここで、応答時間とは、図7に示すように、駆動電圧を与えてから、バルブがフルストロークするまでの時間t1 と、駆動電圧をカットし、バルブが駆動電圧を与える前の状態に戻るまでの時間t2 との和t1 +t2 を指す。
【0063】
図13に示す従来の電磁弁の場合は、弁体33とアーマチャ35が一体的に連結されているから、バルブストロークをBに設定した場合はアーマチャストロークもBであり、この場合応答時間をTB までしか高速化できないことになる。
【0064】
また、バルブストロークはBのままで、応答時間を図6におけるTA まで高速化するには、駆動電圧と、応答時間との間には図8の関係があるので、駆動電圧をVB からVA に昇圧しなければならない。しかし、電磁弁の駆動電圧は車載用のバッテリによって供給されており、その電圧は12Vあるいは24Vでー定である。よって、車載用のバッテリをそのまま使用して駆動電圧をアップさせるには、格別な昇電圧回路が必要となり、このような昇電圧回路はコストアップにつながるという不具合がある。
【0065】
それに対し本発明品では、従来の電磁弁における弁体33を、チェック弁体80と、アーマチャ94を備える電磁プランジャ92に分割したことにより、図5における吸入不良防止に必要なバルブストロークBは、チェック弁体80独自のストロークBで確保することができ、これにより吸入不良を防止することができる。また、図6から判るように、電磁プランジャ92のアーマチャストロークをAにすれば、応答時間をTA まで高速化することができる。これにより、図8からわかるように、応答時間TA を達成するための駆動電圧はVB のままでよく、すなわち車載用のバッテリの電源電圧を使用でき、コストアップにつながる格別な昇電圧回路は必要ない。
よって、上記実施例の電磁弁70を使用すれば、吸入不良の防止と高速化を両立できることになる。
【0066】
次に、本発明の第2の実施例を、図9ないし図11にもとづいて説明する。
前記第1の実施例の電磁弁70は、電流を供給している時に電磁弁は開いており、電流を遮断すると電磁弁が閉じてコモンレール側に高圧燃料を圧送するようにしたが、本実施例の電磁弁70aは、電流を供給した時に電磁弁70aが閉じてコモンレール側に高圧燃料を圧送するようにしたものである。
【0067】
本実施例で第1の実施例と異なる点を説明すると、第1の実施例の場合、アーマチャ94がアクチュエータホルダ73と電磁弁カバー74との間に設けられており、圧縮コイルばね93の付勢力によりアーマチャ94および電磁プランジャ92はチェック弁体80から離れる方向に付勢されていた。
【0068】
これに対し、本実施例では、電磁プランジャ92に連結されたアーマチャ94が、バルブボディ72とアクチュエータホルダ73との間に形成された作動室97内に上下移動自在に収容されており、これらアーマチャ94および電磁プランジャ92は第2の付勢手段に相当する圧縮コイルばね93により下向きの付勢力を受けている。
【0069】
この場合も、アーマチャ94および電磁プランジャ92のストロークは、チェック弁体80のストロークより小さく設定されている。
上記圧縮コイルばね93の下向きの付勢力は、チェック弁体80を押し上げる他の圧縮コイルばね82の上向きの付勢力より大きく設定してある。
【0070】
なお、電磁プランジャ92の下端は先細りテーパ面98となっており、この先端面はチェック弁体80の上端面より小さな面積をなしている。これら電磁プランジャ92の先細りテーパ面98およびチェック弁体80の上端面は、バルブボディ72に形成した低圧燃料室(孔)95に臨まされている。
【0071】
その他の構成は、第1の実施例と同様であってよく、同一部材は同一番号を用いて説明を省略する。
このような構成の第2の実施例の電磁弁70aの作動について説明する。
【0072】
図9はポンププランジャ55が上死点にある状態であり、ポンプ室56の燃料圧が高く、したがって高圧燃料室76の燃料圧も高くなっており、このためチェック弁体80のシート部81がバルブボディ72の弁座部78に着座して案内孔77を閉塞している。
【0073】
なお、このときは、電磁アクチュエータのコイル巻線90に電流が流されている状態であり、アーマチャ94がコイル巻線90により上向きに吸引されており、このため、電磁プランジャ92の下端はチェック弁体80の上端から離れている。
【0074】
このような図9の状態からポンププランジャ55が下降を始めて吸入行程に移ると、図1に示された燃料導入孔58が未だポンププランジャ55の外周面で閉塞されている段階では、ポンプ室56の容積が増大して圧力が低下し、高圧燃料室76の圧力も低下する。このときの高圧燃料室76の圧力は、低圧燃料室95の燃料圧力よりも低くなる。そして、低圧燃料室95と高圧燃料室76の圧力差はチェック弁体80を下向き(開弁方向)に押す力となり、この押し下げ力が圧縮コイルばね82の押上力よりも大きくなるとチェック弁体80は図10に示すように下降する。したがって、チェック弁体80のシート部81が弁座部78から離れ、案内孔77を開く。
【0075】
このため、燃料溜り部59の燃料が低圧燃料通路72aから案内孔77、弁座部78を介して高圧燃料室76に導入され、この燃料は燃料通路75aからポンプ室56に導入される。
【0076】
よって、ポンププランジャ55の吸入行程中に、図1に示された燃料導入孔58が未だ閉じられているときにポンプ室76が負圧になるのが防止される。
この時、図10に示すように、チェック弁体80の下端面はストッパ75の衝止突起75bに当接し、この場合チェック弁体80のストロークは十分大きく取ってあるので、弁座部78は大きく開口されるようになり、よってポンプ室56に燃料が供給されている最中に吸入不良が発生することはない。
【0077】
上記チェック弁体80が開弁した後、図12に示すECU20から所定のタイミングで電磁アクチュエータのコイル巻線90への通電を遮断すると、コイル巻線90の励磁が解除され、圧縮コイルばね93の付勢力によりアーマチャ94が下向きに押され、アーマチャ94および電磁プランジャ92は図10のように下方に移動される。
【0078】
この場合、電磁プランジャ92のストロークはチェック弁体80のストロークより小さく設定されているため、チェック弁体80の上端に当接しない。そして、このような電磁プランジャ92の下動は、チェック弁体80のストロークよりも小さく取ってあり、しかもチェック弁体80と離れているから高速で作動する。
【0079】
ポンププランジャ55がさらに下降して燃料導入孔58がポンププランジャ55の外周面により開かれると、燃料溜り部59の燃料は燃料導入孔58からも導入されポンプ室56に補給される。
【0080】
ポンププランジャ55が下死点に達し、逆に上昇に移るとポンプ室56の容積が減少する。そして、ポンププランジャ55の外周面が燃料導入孔58を閉じるとポンプ室56の燃料が加圧されて圧力が上昇する。このような加圧行程においては、ポンプ室56の圧力上昇に伴い高圧燃料室76の圧力も上昇する。
【0081】
上記高圧燃料室76と低圧燃料室95との圧力差によるチェック弁体80が圧縮スプリング82に抗する力がなくなると、チェック弁体80は圧縮コイルばね82に押されて上動する。
【0082】
しかし、電磁アクチュエータのコイル巻線90への通電を遮断したままであると、図11に示すように、チェック弁体80の上端面が電磁プランジャ92の下端に当接し、圧縮コイルばね93の下向きの付勢力がチェック弁体80を押し上げる他方の圧縮コイルばね82の上向きの付勢力より大きく設定してあるから、チェック弁体80はこの位置で止まり、シート部81が弁座部78との間に間隙を確保したままの状態となる。このため、ポンプ室56で加圧される燃料は燃料通路75a、高圧燃料室76、シート部81と弁座部78との間隙、小径部80aの周囲、低圧燃料通路72aを通って燃料溜り部59へ逃がされる。
【0083】
したがって、ポンプ室56で燃料が加圧されても、燃料が吐出孔57、吐出弁61を通じて図12に示すコモンレール65へ圧送されることはない。
図11の状態において、図12に示すECU20からから所定のタイミングで電磁アクチュエータのコイル巻線90へ通電がなされると、コイル巻線90の励磁によりアクチュエータホルダ73およびアーマチャ94内に磁気回路が形成され、アクチュエータホルダ73の下端の磁気ギャップに生じる吸引作用によりアーマチャ94が上向きの付勢力を受ける。このためアーマチャ94および電磁プランジャ92が圧縮コイルばね93の押下げ力に抗して、図9のように上方に移動される。
【0084】
すると、チェック弁体80を上方へ移動するのを制限していた力がなくなるので、チェック弁体80は圧縮コイルばね82の付勢力を受けて上方へ移動し、チェック弁体80のシート部81が弁座部78に当接する。
【0085】
よって、図9に示すように、弁座部78が閉弁され、このためポンプ室56内の燃料は案内孔77から逃げられないためポンプ室56内で加圧されることになる。この加圧された高圧燃料は吐出孔57、吐出弁61を通じて図12に示すコモンレール65へ圧送される。
【0086】
この時、チェック弁体80の下面がポンプ室56の高圧の燃料圧を受けるので、チェック弁体80のシート部81は弁座部78に強く押され、よって加圧行程中にチェック弁体80が開弁することはない。以上のように作動することによって、第1の実施例と同様の効果が得られる。
以上のように作動することによって、第1の実施例と同様の効果が得られる。
【0087】
なお、上記第1および第2の実施例は、それぞれ電磁弁70,70aをポンプシリンダ54に一体的に組み込んで吐出量可変型高圧燃料ポンプ3として構成した場合を説明したが、本発明の電磁弁は吐出量可変型高圧燃料ポンプ3に一体的に組み込まれるものに限らず、例えば列型燃料噴射ポンプの吐出孔とコモンレールの間などのように、流体経路の高圧側と低圧側との間に設置される電磁弁として適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係わる高圧燃料ポンプの全体の断面図。
【図2】同実施例のポンプに用いられた電磁弁の構造を示し、吸入開始前の状態の断面図。
【図3】同実施例の電磁弁における吸入時の状態の断面図。
【図4】同実施例の電磁弁における吐出量可変時の断面図。
【図5】バルブストロークと流路開口面積との関係を示す特性図。
【図6】アーマチャストロークと応答時間との関係を示す特性図。
【図7】応答時間を解説する特性図。
【図8】駆動電圧と応答時間との関係を示す特性図。
【図9】本発明の第2の実施例に係る電磁弁の構造を示し、吸入開始前の状態の断面図。
【図10】同実施例の電磁弁における吸入時の状態の断面図。
【図11】同実施例の電磁弁における吐出量可変時の断面図。
【図12】コモンレール式燃料噴射装置の概略的構成を示す図。
【図13】従来の電磁弁の主要部を示す断面図。
【符号の説明】
3…高圧燃料ポンプ
50…ポンプハウジング
52…カム軸 53…カム
55…ポンププランジャ
56…ポンプ室
57…吐出孔
58…燃料導入孔
59…低圧燃料溜り部
70,70a…電磁弁
71…電磁弁ケーシング
72…バルブボディ
73…アクチュエータホルダ
74…電磁弁カバー
75…ストッパ
76…高圧燃料室
77…案内孔
78…弁座部
80…チェック弁体
81…シート部
82…圧縮コイルばね(第1の付勢手段)
90…コイル巻線(電磁アクチュエータ)
91…ターミナル
92…電磁プランジャ
93…圧縮コイルばね(第2の付勢手段)
94…アーマチャ
95…低圧燃料室
Claims (4)
- ポンププランジャの往復動にしたがい燃料溜り部からの燃料の吸入、同燃料の加圧、吐出孔から送出が可能なシリンダのポンプ室と連通する高圧燃料室と;
上記高圧燃料室に形成され、上記燃料溜り部と連通する弁座部と;
一端側に上記弁座部と離着可能なシート部を有し、上記弁座部に、上記高圧燃料室の圧力が閉弁方向に作用するように、軸方向に沿って摺動可能に設けられた、所定ストローク範囲で摺動可能なチェック弁体と;
上記チェック弁体の上記シート部を弁座部に着座させて閉塞する方向に付勢する第1の付勢手段と;
上記チェック弁体の他端側に、当該チェック弁体、上記高圧燃料室と共に、軸方向に並んで上記チェック対のストロークより小さなストローク範囲で軸方向に移動可能に設けられ、チェック弁体側へストロークしたとき、上記チェック弁体を全開以下の開度で上記シート部が上記弁座部から離れる開位置に停止させることが可能な電磁プランジャと;
上記電磁プランジャを電磁吸引力により駆動する電磁アクチュエータと;
を具備し、
上記プランジャの吸入工程では、上記電磁プランジャが上記チェック弁体から離れており、上記高圧燃料室の圧力が低下することによって上記チェック弁体が全開し、
上記プランジャの加圧工程では、上記電磁プランジャが上記チェック弁体に当接し、上記シート部と上記弁座部との間に上記吸入行程時よりも小さい間隙を確保したままでの状態となることによって、上記ポンプ室で加圧される燃料が上記間隙を介して上記燃料溜り部へ逃されるモードと、上記電磁プランジャが上記チェック弁体から離れており、上記チェック弁が全閉となることによって、上記ポンプ室内の燃料が加圧されて上記吐出孔から圧送するモードとを有するように構成してある
ことを特徴とする電磁弁。 - 請求項1に記載の電磁弁であって、上記電磁プランジャは、第2の付勢手段で、上記チェック弁体から離れる方向へ付勢されることを特徴とする電磁弁。
- 請求項1に記載の電磁弁であって、前記電磁プランジャは、第2の付勢手段で、上記チェック弁体に接近する方向へ付勢されることを特徴とする電磁弁。
- シリンダと;
このシリンダ内に往復移動可能に嵌挿され、このシリンダと協同してポンプ室を構成し、往復動により低圧燃料溜り部から上記ポンプ室に燃料を吸引するとともにこのポンプ室の燃料を加圧して吐出孔から送出するポンププランジャと;
上記シリンダに連結された請求項1ないし請求項3のいずれか一に記載の電磁弁と;
を具備し、上記電磁弁は、チェック弁が上記ポンプ室の圧力を閉弁方向の押圧力として受けるとともに、低圧側が上記低圧燃料溜り部の圧力を受けるように設けられていることを特徴とする燃料ポンプ。
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