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JP3598330B2 - 記録媒体管理方法および再生装置並びに記録装置および記録方法並びに再生方法 - Google Patents

記録媒体管理方法および再生装置並びに記録装置および記録方法並びに再生方法 Download PDF

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圭司 松永
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ミニディスクなどの記録媒体を管理する記録媒体管理方法および記録媒体の再生,記録を行なう再生装置並びに記録装置および記録方法並びに再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、デジタルオーディオの分野において、デジタルオーディオデータを高能率符号化を用いて記録/再生する記録/再生装置が開発されている。図1はこの種の記録/再生装置の一例を示す図である。図1を参照すると、この記録/再生装置では、記録媒体100として、ミニディスク(MD)が用いられており、ミニディスク100へのデジタルオーディオデータの記録,再生を行なうために、オーディオ入力をデジタルオーディオデータに変換するA/D変換器2と、デジタルオーディオデータをアナログ信号に変換するD/A変換器3と、ATRAC部(Adaptive Transform Acoustic Coding 部)4と、ショックプルーフメモリ5と、ショックプルーフメモリコントローラ6と、EFMエンコーダ/デコーダ部7と、全体の制御を行なうコントローラ部(CPU)8とが設けられている。
【0003】
ここで、ATRAC部4は、音声圧縮技術の新方式であるコーディング(符号化)によるエンコーダの機能とデコーダの機能とを有し、帯域分割と直交変換を組合せ、聴覚上のマスキング効果を応用して高い圧縮効率を得るようになっている。
【0004】
すなわち、エンコーダの機能が用いられる場合、ATRAC部4は、デジタルオーディオデータを先ず3つの帯域に分割し、次に、サンプリング時系列に換算して512サンプル(約11m秒)を最長の時間として帯域ごとに直交変換の一種であるMDCTによってデジタルオーディオデータを周波数軸上のスペクトル係数データに変換する。
【0005】
図2(a)にはデジタルオーディオデータを3つの帯域に分割したときの1つの帯域のデータ(時間軸上のデジタルオーディオデータDT(各データは例えば16ビット表現)が示されており、ATRAC部4は、図2(a)に示すようなデジタルオーディオデータをある大きさの単位ブロック(例えば512ポイントのデータを含むブロック)に分けて、図2(b)に示すように、この単位ブロックを圧縮単位ブロックとして、圧縮単位ブロック内のデジタルオーディオデータにMDCT(Modified Discrete Cosine Transform)を施し、図2(c)に示すような周波数軸上のスペクトル係数データ(周波数成分データ)に変換圧縮するようになっている。このように変換されたスペクトル係数データは、ATRAC部4において、聴覚分析に基づく最小可聴限特性Kやマスキング効果Kを反映させて、さらに情報量が圧縮される。このように圧縮された情報(圧縮単位ブロックごとに圧縮された情報)は、サウンドグループと呼ばれ、図2(d)に示すようなフォーマットに編集される。
【0006】
このようにして、サウンドグループ毎に、圧縮前2チャンネル512サンプルの情報量2048バイトが424バイト,すなわち約1/5に圧縮され、このサウンドグループは、後述のようなショックプルーフメモリ5,ショックプルーフメモリコントローラ6,EFMエンコーダ/デコーダ部7を介して、ミニディスク100に、最終的に記録される。
【0007】
なお、図2(d)において、オーディオスペクトラムデータ(スペクトラムデータ)は、図2(c)より得られた各スペクトル係数データであり、サウンドパラメータは、各伝送用分割帯域のスケールファクタ,ワードレングス(ワード長)などの補助データである。また、図3に示すように、ワードレングス(ワード長)は、スペクトル係数を再量子化したビット数であり、スケールファクタは、伝送用分割帯域の最大スペクトルレベルの近似値である。
【0008】
また、ATRAC部4のデコーダの機能が用いられる場合、ATRAC部4は、上述した圧縮の仕方とは逆に、ミニディスク100から読出された図4(a)に示すようなサウンドグループから図4(b)に示すようなスペクトル係数データを取得し、このスペクトル係数データに図4(c)に示すようなIMDCT(Inverse Modified Discrete Cosine Transform)を施して、時間軸上のデータに変換し、変換されたデータに対し、ブロック連結,フィルタ合成を行なって、図4(d)に示すようなデジタルオーディオデータDTに再生するようになっている。
【0009】
また、ショックプルーフメモリ5は、ミニディスクを用いたデジタルオーディオシステムを例えばアウトドアで用いるときの振動による音の途切れ(ミニディスク上の光学ピックアップの機械的振動による音の途切れなど)を防止するためのバッファとして設けられており、ショックプルーフメモリコントローラ6は、ショックプルーフメモリ5へのスペクトル係数データのバッファリングを制御するようになっている。また、EFMエンコーダ/デコーダ部7は、ミニディスク100への記録信号を生成するために設けられており、この変調方式には、コンパクトディスク(CD)の変調方式であるEFM(Eight to Fourteen Moduration)がそのまま用いられている。また、訂正符号には、CDにおけるCIRC(Cross Interleave Reed−Solomon Code)のインターリーブを戻したACIRCが用いられている。
【0010】
次に、このような構成の記録/再生装置の記録動作(録音動作),再生動作について説明する。先ず、録音動作時には、オーディオ入力が例えばマイク(図示せず)を介してA/D変換器2に入力すると、A/D変換器2では、オーディオ入力をデジタルオーディオデータに変換し、ATRAC部4に与える。ATRAC部4では、そのエンコード機能により、デジタルオーディオデータを変換圧縮して図2(d)に示すようなサウンドグループにする。このようにATRAC部4から出力されるサウンドグループは、ショックプルーフメモリコントローラ6(ショックプルーフメモリ5),EFMエンコーダ/デコーダ部7を介して、ミニディスク100に記録(録音)される。
【0011】
また、再生動作時には、光学ピックアップ(図示せず)によってミニディスク100に記録(録音)されているデータ(サウンドグループ)を読み出し、EFMエンコーダ/デコーダ部7,ショックプルーフメモリコントローラ6(ショックプルーフメモリ5)を介してATRAC部4に与える。ATRAC部4では、そのデコード機能により、ミニディスク100からのデータを伸張再生し、デジタルオーディオデータにする。このようにATRAC部4から出力されるデジタルオーディオデータは、D/A変換器3に加わり、D/A変換器3においてアナログ信号に変換され、例えばスピーカ(図示せず)からオーディオ出力として再生出力される。
【0012】
また、このような記録/再生装置において、ミニディスク100の編集などを行なうために、外部への送信出力機能,外部からの受信機能を備えたデジタルオーディオインタフェース(DAI)20がさらに設けられており、このデジタルオーディオインタフェース20を介してミニディスク100のコピー(複製)などをとることもできる。
【0013】
ところで、記録媒体としてのミニディスク(MD)には、再生専用MD(プリマスターMD)と記録可能MD(録音用MD:レコーダブルMD)との2種類があり、記録可能MDでは、そのデータ構造は、図5に示すようなものとなっている。すなわち、記録可能MDでは、ディスクに書き込む変調方法として、前述のように、EFM(eight to fourteen modulation),誤り訂正符号としてACIRCを採用し、このフォーマットに、圧縮したオーディオデータをブロックごとにまとめて記録するようになっており、CD−ROMの「モード2」規格に非常に近い方式となっているが、CD−ROMはCDの98フレームを1セクタとし、再生時間に換算すると13.3m秒になるのに対し、記録可能MDでは、例えば、CIRCのインタリーブ長は108フレーム(14.5m秒)でCD−ROMの1セクタよりも長くなっていることから、CIRCの誤り訂正符号を使ってデータを記録するには、データを記録し始める前に、108フレーム(1セクタ+α)以上のリンク領域(リンクセクタ),すなわち「捨て領域」を用意しなければならない。また、データを記録し終わった後も、誤り訂正のインタリーブを完結するため、同じように108フレーム以上の領域を確保する必要がある。
【0014】
この際、記録可能MDに任意の場所からデータを記録し始めるようにすると、リンク領域がディスクのあちこちに散らばりデータの利用効率が悪くなるので、ある程度大きなまとまりごとにデータを記録するのが良く、このため、ミニディスクでは、図5に示すように、データは、「クラスタ」と呼ばれる記録単位にまとめられて記録されるようになっている。1クラスタは36セクタからなり、書き換えは必ず1クラスタの整数倍で行ない、記録するデータを一旦RAMに蓄積し、ディスクに書き込むようにしている。このRAMは、ショックプルーフメモリ5と併用することができる。
【0015】
換言すれば、記録可能MDでは、1クラスタ(=36セクタ)の中で、先頭3セクタをリンク領域(リンクセクタ)とし、次の1セクタをサブデータ用にし、残りの32セクタに圧縮データを記録するようにしており、データを記録するときには、3セクタからなるリンクセクタのうちの2番目のリンクセクタの途中から記録し始め、また、36セクタ目を書き終わるときは、次のクラスタの1番目のリンクセクタと2番目のリンクセクタの途中まで誤り訂正用のデータを書くようにしている。
【0016】
なお、再生専用MDにおいても、そのデータ構造は、基本的に図5と同様のものとなっているが、再生専用MDでは、データが一筆書きで書かれていることにより、リンク領域の3セクタは必要なく、この3セクタを加えて先頭4セクタをサブデータ用に割り当てることができて、この先頭4セクタにグラッフィックスのデータなどを入れて、カラオケなどに使うことができる。
【0017】
このように、再生専用MDと記録可能MDのデータ構造は、リンク領域を設けるか否かにおいてのみ相違し、基本的なデータ構造は同じであるので、図1のデジタルオーディオシステムの記録媒体(ミニディスク)100に、再生専用MD,記録可能MDのいずれの記録媒体をも用いることができ、記録媒体100に記録可能MDが用いられる場合には、オーディオデータを、ATRAC部4により圧縮して、圧縮データ(ATRACデータ)として記録媒体100に記録し、また、再生することができ、また、記録媒体100に再生専用MDを用いる場合には、ATRAC部4により記録媒体100に記録されている圧縮データ(ATRACデータ)を読出すことができる。
【0018】
なお、圧縮データ(ATRACデータ)の各トラック情報は、再生専用MD(プリマスターMD)の場合はTOCにより、記録可能MD(レコーダブルMD)の場合はユーザTOC(UTOC)により管理されている。
【0019】
例えば、記録可能MDでは、図6に示すように、その内周の所定の領域にリードイン領域が設けられ、最外周側にリードアウト領域が設けられている。そして、このリードイン領域とリードアウト領域の間に、ユーザが所定のデータを記録可能な領域が設けられており、この領域の最内周側に、ユーザTOC(UTOC)領域が設けられ、そこにユーザが必要とするTOCデータを随時記録することができるようになされている。なお、このUTOC領域には、通常のミニディスクの場合、記録されている曲番のアドレス等が記録される。
【0020】
より詳細には、記録可能MDの最内周に位置するUTOC領域には、3クラスタ繰り返して所定の内容が記録される。UTOC領域に記録されてる内容は、セクタ0がATRACにより圧縮された各データトラックのアドレス情報、セクタ1がアルファベット(ASCIIコード)による各トラックネーム(曲名)、セクタ2が各トラックの録音日時、セクタ3がトラックのISRC、セクタ4がISO−8859−1またはシフトJISによる各トラックネーム(曲名)というようになっており、記録可能MDでは、録音時、圧縮データ用の管理情報(圧縮データの記録がなされたトラックのアドレス情報)をセクタ0に記録し、再生時はこの管理情報(アドレス情報)に基づいてデータの検索,再生が行なわれる。
【0021】
図7には、UTOC領域のセクタ0のフォーマットが示されている。図7を参照すると、プログラムエリア内のATRACデータ領域を示すアドレスは、セクタデータの78×4バイト目(セクタ先頭を0バイト目とする)以降に、8バイト単位で書かれており、この各8バイトをアドレススロットと呼ぶ。アドレススロットには、ディスク上の領域を示すアドレス情報(スタートアドレス(Start address),エンドアドレス(End address),リンクポインタ(Link−P),トラックモード(Track Mode))が書き込まれ、ミニディスク(MD)では、255個のアドレススロットを設定可能となっている。すなわち、MDの記録領域に最大255個のアドレス情報,すなわち記録単位を作成可能となっている。
【0022】
また、各アドレススロットに関し、スタートアドレスはトラックの先頭の位置を示すアドレス、エンドアドレスはトラックの終了の位置を示すアドレス、トラックモードはそのトラックがモノラルかステレオかといった各モードの定義である。また、トラックが複数領域にわたる場合は、リンクポインタLINK−Pには続きのスタートアドレスが記録されており、そのスタートアドレスを読み出してそこから引き続き再生を行なうようになっており、このようにMDでは、従来のコンパクトディスクやレーザディスクのようにトラックの単位は連続した一領域で構成されるだけでなく、分割された複数の領域が組合わさって一つのトラックを形成することが可能となっている。
【0023】
各アドレススロットは、11×4+2バイト目から始まるポインタ“P−”によって指し示されている。ここで、ポインタP−DFAは、ディスク上に欠陥があって記録再生できない欠陥領域のアドレスを指示するアドレススロットの位置、P−EMPTYは、記録されてないアドレススロットの位置、P−FRAは、まだ記録されていない領域のアドレスを指示するアドレススロットの位置、P−TNO1,2,…255は、各トラック単位のアドレススロットの位置をそれぞれ示すものである。
【0024】
これにより、例えば、12×4+1バイト目のポインタ“P−TNO1”で指定されたアドレススロットは、トラック1のアドレスを記したスロットであることを意味し、このポインダ“P−TNO1”のデータが“1”であった場合、トラック1の領域を指示するアドレススロットが、76×4+(1)×8=78×4バイト目の位置から書かれていることを示している。同様に、“P−TNO2”,“P−TNO3”,…,“P−TNO255”は、それぞれ、トラック2,トラック3,…,トラック255の領域を指示するアドレススロットの位置を示すものである。
【0025】
一方、ディフェクトにより正常に記録再生できない欠陥領域については、これを、P−DFA(ディフェクトポインタ)で指し示すアドレススロットによって指定することができる。例えば、11×4+2バイト目のポインタ“P−DFA”で指定されたアドレススロットは、前述のように、ディフェクトアドレスを記したスロットであることを意味し、このアドレススロットにより指示される領域は、ディフェクト領域であることを意味している。このポインタ“P−DFA”の計算方法は、前述したトラックポインタにおける計算方法と同様である。ミニディスク装置では、ディフェクト領域を、このようにして記録,再生の対象から外すことが可能である。
【0026】
また、前述のように、1つのトラックが複数の領域にわたるときや、ディフェクト領域が複数存在するときなどは、スロット中のリンクポインタに、続きのアドレススロットを指定させることにより、複数のアドレススロットを用いて複数の領域を指定することができる。
【0027】
このUTOC領域のデータ(管理情報;TOCデータ)は、在来のミニディスク記録/再生装置において、再生時には、次のように利用される。すなわち、ミニディスクを再生装置へ挿入(装着)し、再生ボタンを押して、再生処理を開始させると、まず、先頭のトラック番号であるFirstTNOの値を読む。この値は通常は“1”の場合が多く、“1”であればトラック1のトラックナンバーポインタ“P−TNO1”を読む。また、この値が“2”であれば、P−TNO2を読むことになる。P−TNOには、各トラックの記録エリアを示すアドレススロットの位置がコード化されて記録されているので、このコードに従ってアドレススロットを読みにいく。
【0028】
アドレススロットには、各トラックのディスク上のスタートアドレス(およびエンドアドレス)や、トラックモードバイト、リンクポインタが記録されている。ここで、スタートアドレスおよびエンドアドレスは、クラスタ,セクタ,サウンドグループ番号からなり、ディスク上の位置を示している。また、トラックモードバイトはエンファシスの有無,モノラルかステレオか等の各トラックの属性情報を示しており、また、リンクポインタはトラックがディスク上の複数領域にまたがるとき、その続きの領域を示すアドレススロットの位置コードを示す。
【0029】
以上の情報を読み込んだ後、スタートアドレスへアクセスし、トラックモードバイト情報に従って、再生処理を制御し、エンドアドレスまでの再生を開始する。この再生処理において、リンクポインタが“0”以外のときは、1トラックが複数の領域にまたがることを意味するので、このリンクポインタが指すアドレススロットの領域を続いて再生する。一方、リンクポインタが“0”であれば、そのトラックはそのエンドアドレスで終了であり、続くトラックの再生動作に移る。このようにして、UTOC領域の管理情報(TOCデータ)を用いて、所定の再生処理を行なうことができる。
【0030】
また、UTOC領域のTOCデータは、在来のミニディスク記録/再生装置において、記録時には、次のように利用される。すなわち、ミニディスクを記録装置へ挿入(装着)し、停止状態から録音ボタンを押して、記録ポーズ状態にすると、まずP−FRAが指すアドレススロット、P−DFAが指すアドレススロット、および有効なP−TNOが指すアドレススロットを読み込む、P−FRAはフリーエリアの開始アドレスを指しており、システムコントローラは、そのアドレスへシークを行なった後、1トラックジャンプ等により録音待機状態に入る。また、これとともに、ユーザのスイッチ操作等により、記録属性(エンファシス、ステレオ/モノラル等)の設定を行なう。P−DFAの指すスロットにはディフェクト領域に関するアドレスが記述され、また、P−TNOの指すスロットには記録トラックに関するアドレスなどが記述されており、録音ポーズ状態では、これらがメモリへ読み込まれた状態となっている。録音状態に入ると(録音ポーズ状態で再生または一時停止ボタンを押すと)、システムコントローラは、ユーザが指定した属性で記録されるように制御しながらフリーエリアへのデータの記録を開始させる。録音中は常に記録するアドレスを、P−DFAやP−TNOの指すスロットのアドレスと比較しこれらに上書きしないよう記録位置を制御する。録音が終了すると、記録したアドレス、およびその属性をP−EMPTYの指すスロットから記録し、新たなP−TNOでそのアドレススロットを示すとともにLastTNOを増加する。例えばすでに3曲記録されたディスクに4曲目を記録した場合には、P−TNO4を更新し、LastTNOを“4”とする。最後に空いてるアドレススロットの1つにディスクのフリーエリアの先頭アドレスを記録するとともに、そのスロットを指すようP−FRAを更新し、空きアドレススロットを指すようP−EMPTYを更新して記録処理を完了する。このようにして、ミニディスクの記録時には、記録されたデータの管理情報(TOCデータ)がUTOC領域に記録される。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】
本来、ミニディスクは民生用音楽媒体として開発されており、直径64mmという小型のディスクでありながら、ATRACと呼ばれる音声圧縮技術を用いることにより、データを圧縮し、CD1枚分の74分の録音時間を達成している。
【0032】
また、その操作性の良さから業務用機器としても受け入れられようとしているが、業務用として用いる場合、ATRACによる圧縮オーディオデータ(ATRACデータ)の他に、非ATRACデータをも録音できる機能が望まれている。例えば、非圧縮のディジタルオーディオデータを録音できたり、あるいは、MPEGオーディオデータやAC−3等、他の圧縮方式によるデータの録音機能が望まれている。
【0033】
しかしながら、従来のミニディスクでは、符号化オーディオデータであるATRACデータ以外の特殊データ(例えば非圧縮データ、MPEGオーディオデータ等)をミニディスクに記録し、そのデータを再生することは規定されていない。もし、ATRACデータ以外の特殊データをミニディスクに記録した後に、従来と同様の形式でUTOC領域にトラックの登録を行なったならば、このミニディスクを従来のミニディスク再生装置によって再生した場合にUTOC領域に記録された情報を読んで特殊データのトラックをトラックとして認識したとしても、データとして認識ができず、異音を発生したり、再生装置が異常動作してしまう。また、もし、ATRACデータ以外の特殊データをミニディスクに記録した後に、従来と異なった形成でトラックの登録を行なったならば、このミニディスクを従来のミニディスク記録装置によって記録した場合、特殊データのトラックをトラックとして認識できず、特殊データのトラックにATRACデータが上書きされたり、特殊データが消去されたりする。このように、ATRACデータ以外の特殊データをミニディスクに記録した場合、従来の装置では記録再生に問題があるという欠点があった。
【0034】
また、従来のミニディスク装置では、記録内容(情報データ)を秘匿することができないという問題があった。
【0035】
本発明は、記録媒体(ミニディスク)の一部または全部に標準データ(ATRACによる圧縮データ)以外の特殊データ(例えば、非圧縮PCMオーディオデータ等)を、在来の記録媒体(ミニディスク)に対して上位互換性を保ちつつ、記録,再生することの可能な記録媒体管理方法および再生装置並びに記録装置および記録方法並びに再生方法を提供することを目的としている。
【0036】
すなわち、本発明は、記録媒体としてのミニディスクに標準圧縮データ(ATRACデータ)以外の特殊データをも記録可能であって、ミニディスクにATRACデータの他にさらに特殊データが記録されている場合、このミニディスクを在来のミニディスク記録再生装置によって再生するときにも、このミニディスクに記録されている特殊データによって装置が誤動作等の悪影響を受けず、また、ミニディスクに記録されている特殊データが在来の記録再生装置によって上書き,消去されてしまうのを防止することの可能な記録媒体管理方法および再生装置並びに記録装置および記録方法並びに再生方法を提供することを目的としている。
【0037】
また、本発明は、特定の記録内容(情報データ)を秘匿,保護することの可能な記録方法並びに再生方法および記録装置並びに再生装置を提供することを目的としている。
【0038】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1,請求項2記載の発明では、標準データのみを記録する記録媒体専用の記録/再生装置に、標準データのみならず特殊データをも記録可能な記録媒体がセットされるときに、標準データのみを記録する記録媒体専用の記録/再生装置にとって、特殊データが記録される領域が隠され、特殊データが記録される領域が該記録/再生装置から保護されるように、特殊データが記録される領域を管理するようになっているので、標準(圧縮)データ,特殊データを1つの記録媒体に記録する場合にも、記録媒体内に標準(圧縮)データ,特殊データを混乱なく共存させることができ、この記録媒体への標準(圧縮)データ,特殊データの記録,再生動作の管理を容易に行なうことができる。
【0039】
さらに、請求項1,請求項2記載の発明では、特殊データが記録される領域をディフェクト領域として指定する場合に、該ディフェクト領域を、真の欠陥部分のディフェクト領域と識別可能に指定するので、特殊データが記録される領域をディフェクト領域として指定する場合にも、これを真の欠陥部分の領域と区別させることができる。
【0040】
また、請求項3,請求項4記載の発明では、記録媒体に標準データを記録する場合は、記録媒体の管理領域に標準データが記録される領域を特定する管理情報を、該管理情報が標準データ記録領域を指示するものであるように書き込み、また、標準データ以外の特殊データを記録する場合あるいは記録媒体上に欠陥部分が含まれる場合は、記録媒体の管理領域に特殊データが記録される領域を特定する管理情報を、また、記録媒体上の欠陥部分の領域を特定する管理情報を、これらの管理情報が記録媒体上のディフェクト領域を指示するものであるように管理領域に書込み、さらに、特殊データを記録する場合は、上記管理情報に特殊データである旨の識別情報を付加して該管理情報を管理領域に書込み、また、記録媒体上の欠陥部分の領域を記録する場合は、上記管理情報に真のディフェクト領域である旨の識別情報を付加して該管理情報を管理領域に書込む。これにより、管理領域に記録された各管理情報が、標準データに関するものであるのかディフェクト領域に関するものであるのかを認識させ、また、ディフェクト領域として認識された場合、これが特殊データに関するものであるのか、真のディフェクト領域に関するものであるのかを認識させることが可能となる。
【0041】
また、請求項5,請求項6記載の発明では、記録媒体の管理領域から管理情報を読み取り、読み取った管理情報が標準データが記録された領域を指示するものであると判断された場合は、該領域のデータを標準データとして認識して標準データ用の再生処理を行ない、読み取った管理情報が特殊データが記録された領域を指示するものであると判断された場合は、該領域のデータを特殊データとして認識して特殊データ用の再生処理を行ない、また、読み取った管理情報が真のディフェクト領域を指示するものであると判断された場合は、該領域のデータについて再生処理を行なわない。これにより、1つの記録媒体内に標準データと特殊データとが混在して記録されている場合にも、この記録媒体から標準データ,特殊データを正しく再生することができる。
【0042】
また、請求項7,請求項8,請求項11記載の発明では、秘匿を行なう情報データを記録する場合あるいは記録媒体上に欠陥部分が含まれる場合は、記録媒体の管理領域に秘匿を行なう情報データが記録される領域を特定する管理情報を、また、記録媒体上の欠陥部分の領域を特定する管理情報を、これらの管理情報が記録媒体上のディフェクト領域を指示するものであるように管理領域に書込み、さらに、秘匿を行なう情報データを記録する場合は、上記管理情報に秘匿を行なう情報データである旨の識別情報を付加して該管理情報を管理領域に書込み、また、記録媒体上の欠陥部分の領域を記録する場合は、上記管理情報に真のディフェクト領域である旨の識別情報を付加して該管理情報を管理領域に書込む。これにより、特定の情報データを秘匿し、保護することができる。
【0043】
また、請求項9,請求項10,請求項12記載の発明では、記録媒体の管理領域から管理情報を読み取り、読み取った管理情報が秘匿を行なわない情報データが記録された領域を指示するものであると判断された場合は、該領域の情報データの再生を行ない、読み取った管理情報が秘匿を行なうデータが記録された領域または真のディフェクト領域を指示するものであると判断された場合は、該領域のデータを秘匿し、該領域のデータについて再生処理を行なわない。これにより、特定の情報データを秘匿し、保護することができる。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図8は本発明に係る記録/再生装置の構成例を示す図である。なお、図8において、図1と同様の箇所には同じ符号を付している。図8の記録/再生装置は、基本的には、図1に示した記録/再生装置と同様の構成のものとなっているが、図8の記録/再生装置では、記録媒体100に、標準データ(標準圧縮データ(ATRACデータ))の他に、さらに、標準圧縮データ(ATRACデータ)以外の所望のデータをも記録/再生することが可能に構成されている。
【0045】
すなわち、図8の記録/再生装置では、図1の記録/再生装置において、さらに、標準圧縮データ(ATRACデータ)以外の特殊データ(例えば、非圧縮PCMオーディオデータなど)を装置内に取り込み、また、装置から出力させるための特殊データインタフェース手段(特殊データ取込手段)9が、切替部10においてATRAC部4(データ処理手段)と切替可能に設けられ、また、コントローラ(CPU)部8は、圧縮データ(ATRACデータ)に対する制御処理の他に、さらに、特殊データに対する制御処理も行なうようになっており、記録媒体100に対し、標準圧縮データ(ATRACデータ)の記録,再生を行なうときには、ATRAC部4が使用されるように切替部10を切替える一方、特殊データの記録,再生を行なうときには、ATRAC部4ではなく、特殊データインタフェース手段9が使用されるよう切替部10を切替るようになっている。
【0046】
ここで、特殊データインタフェース手段9としては、例えば、先入先出方式のFIFOメモリが用いられ、記録または再生時には特殊データをこのFIFOメモリに一旦バッファリングし、所定の同期をとってショックプルーフメモリコントローラ6またはデジタルオーディオインタフェース20などに与えるようになっている。なお、図8の記録/再生装置では、さらに、記録媒体100の駆動機構,サーボ機構,光学系が必要とされるが、これらについては簡単のため図示を省略している。
【0047】
このような記録/再生装置により、記録媒体100に、標準圧縮データの他に、さらに、標準圧縮データ以外の特殊データをも記録,再生することができる。
【0048】
また、本発明では、記録媒体(ミニディスク)100に、標準圧縮データ(ATRACデータ)の他に、標準圧縮データ以外の特殊データをも記録する場合、特殊データが記録されたこの記録媒体(ミニディスク)100を例えば図1に示すような在来の記録/再生装置(標準圧縮データ(ATRACデータ)のみを記録する記録媒体専用の記録/再生装置)にセットするときに、在来の記録/再生装置にとって特殊データが記録された領域が隠され、特殊データが記録された領域が在来の記録/再生装置から保護されるように、特殊データが記録された領域を管理するようにしている。
【0049】
換言すれば、本発明では、記録媒体100に、標準圧縮データの他に、さらに、標準圧縮データ以外の特殊データをも記録するとき、標準圧縮データ用の管理情報が記録される記録媒体100の管理領域(例えばUTOC領域)に、標準圧縮データ用の管理情報(TOCデータ)とは異質の形態で、特殊データ用の管理情報(TOCデータ)を記録させるようになっている。
【0050】
より具体的に、標準データ用の管理情報が記録される記録媒体の管理領域に、特殊データが記録される領域をディフェクト領域として指定可能になっていることを特徴とする。
【0051】
さらに、特殊データが記録される領域をディフェクト領域として指定する場合に、該ディフェクト領域を、真の欠陥部分のディフェクト領域と識別可能に指定できるようになっている。
【0052】
図9は本発明に係る記録/再生装置において特殊データを記録媒体(ミニディスク)100に記録するための構成例を示す図である。図9を参照すると、特殊データを記録媒体(ミニディスク)100に記録するため、この記録装置は、特殊データインタフェース手段9からの特殊データを所定のメモリ手段11に記憶するメモリ入力手段12と、メモリ手段11に記憶されている特殊データを記録媒体100に書込む特殊データ書込手段13と、特殊データが記録された記録媒体100の領域に関する情報(特殊データ書込手段13によって記録媒体100に書込まれた特殊データのトラックアドレス情報等のTOCデータ)を記憶するUTOC記憶手段14と、UTOC記憶手段14に記憶されている特殊データ用の情報(特殊データのトラックアドレス情報等のTOCデータ)を特殊データが記録された領域がディフェクト領域(記録,再生を禁止する領域)として認識されるように、UTOC領域の在来の部分(セクタ0)に書込むUTOC書込手段15とを備えている。
【0053】
ここで、UTOC領域書込手段15は、特殊データが記録される領域をディフェクト領域として指定する場合に、該ディフェクト領域を、真の欠陥部分のディフェクト領域と識別可能に指定するようなっている。
【0054】
また、図10は本発明に係る記録/再生装置において、記録媒体に記録されている特殊データを再生するための構成例を示す図である。図10を参照すると、記録媒体に記録されている特殊データを再生するために、この再生装置は、記録媒体のUTOC領域の所定部分(セクタ0)のTOCデータを読み出すUTOC読出手段16と、読出されたUTOC領域の部分(セクタ0)のTOCデータを記憶するUTOC記憶手段17と、UTOC記憶手段17に記憶されたUTOC領域の部分(セクタ0)のTOCデータのうち、ディフェクト領域を指定するTOCデータを参照し、該ディフェクト領域を指定するTOCデータにおいて真の欠陥部分とは異なるものとして識別されているTOCデータに基づいて記録媒体100に記録されている特殊データを読出し再生する特殊データ再生手段18とを備えている。
【0055】
なお、図9の記録装置,図10の再生装置において、メモリ手段11,UTOC記憶手段14,UTOC記憶手段17には、図8に示したショックプルーフメモリ5の一部を用いることができ、また、メモリ入力手段12,特殊データ書込手段13,UTOC書込手段15,UTOC読出手段16,特殊データ再生手段18は、図8においてコントローラ部(CPU)8,ショックプルーフメモリコントローラ6により実現できる。
【0056】
この場合、メモリ入力手段12,特殊データ書込手段13,UTOC書込手段15,UTOC読出手段16,特殊データ再生手段18は、標準圧縮データ(ATRACデータ)およびそのUTOC領域のTOCデータの記録,読出し,再生を行なう場合と同様にして、特殊データおよびそのUTOC領域のTOCデータの記録,読出し,再生を行なうことができ、従って、これらの各手段には、ATRACデータおよびそのUTOC領域のTOCデータの記録,読出し,再生を行なう手段を共用することができる。
【0057】
図11はショックプルーフメモリ5の構成例を示す図であり、図11の例では、標準圧縮データ(ATRACデータ),特殊データは、ショックプルーフメモリ5のアドレス“NU”〜“N−1”のメインデータ領域に記憶され、標準圧縮データ(ATRACデータ)用の管理情報(TOCデータ),特殊データ用の管理情報(TOCデータ)は、ショックプルーフメモリ5のアドレス“0”〜“NL”の領域に記憶されるようになっている。
【0058】
このように、本発明の記録装置,記録方法では、標準データ(ATRACデータ)を記録する場合は、UTOC領域に標準データが記録される領域の各トラックの位置を特定するTOCデータを書き込んで標準データトラック(ATRACデータトラック)として認識させ、また、標準データ(ATRACデータ)以外の特殊データ(非ATRACデータ)を記録する場合あるいはディスク上に欠陥部分が含まれる場合は、UTOC領域に特殊データが記録される領域の各トラックの位置を特定するTOCデータを、また、ディスク上の欠陥部分の領域の各トラックの位置を特定するTOCデータを、これらのTOCデータがディフェクト領域を指示するものであるように書込み、さらに、特殊データ(非ATRACデータ)を記録する場合は上記TOCデータに、特殊データである旨の識別信号を付加してUTOC領域に書込み、また、ディスク上の欠陥部分の領域を記録する場合は上記TOCデータに真のディフェクト領域である旨の識別信号を付加してUTOC領域に書込む。これにより、各TOCデータが、標準データ(ATRACデータ)に関するものであるのかディフェクト領域に関するものであるのかを認識させ、また、ディフェクト領域として認識された場合、これが特殊データに関するものであるのか、真のディフェクト領域に関するものであるのかを認識させることが可能となる。
【0059】
また、上記のような記録管理がなされることにより、本発明の再生装置,再生方法では、記録媒体のUTOC領域からTOCデータを読み込み、読み込んだTOCデータが標準データ(ATRACデータ)が記録されたトラックを指示するものであると判断された場合は、切替部10をATRAC部4に切替えて標準データ用の再生処理を行ない、また、読み込んだTOCデータが特殊データ(非ATRACデータ)が記録されたトラックを指示するものであると判断された場合は、切替部10を特殊データインタフェース手段9に切替えて特殊データ用の再生処理を行ない、また、読み込んだTOCデータが真のディフェクト領域を指示するものであると判断された場合は、再生処理を行なわないようにすることができる。
【0060】
具体的には、本発明では、ATRACデータ以外の特殊データを記録したトラックを隠し、保護するため、図7に示すUTOC領域のセクタ0において、特殊データを記録したトラックに関するアドレススロットを、トラックナンバーポインタ(P−TNO)で指定せずに、ディフェクトアドレスポインタP−DFAで指定するか、またはリンクポインタLINK−Pによって示される上記ディフェクトアドレススロットの続きのアドレススロットで指定し、かつそのポインタが指定したアドレススロットのトラックモードバイト情報を、真の(本当の)ディフェクト領域とは異なる状態にセットする。
【0061】
例えば、このトラックモードバイト情報のビットd4を在来のミニディスクでは設定されない値、すなわち“1”とすることにより、これを真のディフェクト領域から区別し、さらに、このトラックモードバイト情報のビットd5を使って、このようにディフェクト領域で示したトラックの区切りを表わすようにする。
【0062】
図12はトラックモードバイトのd4,d5,d6の各ビットの扱いを説明するための図である。ここで、図7からわかるように、d4とはMSBから4ビット目を指し、d5とはMSBから5ビット目を指し、d6とはMSBから6ビット目を指す。
【0063】
図12を参照すると、d4が“1”の時は、そのアドレススロットは保護トラック(reserved,concealed Track)であることを示す。さらに、d5が“1”である時は、公開(保護解除)時、当該トラックには続きの部分が存在し、そのアドレススロットのリンクポインタLINK−Pが示すスロットが同じトラックの一部であることを示す。また、d5が“0”である時は、公開時、そのアドレススロットで当該トラックが終了することを示すものとする。さらに、d6が“1”の時は、当該トラックはATRACデータトラックであり、d6が、“0”の時は、当該トラックはATRAC以外の特殊データトラック(例えば非圧縮PCMオーディオトラック)であるとする。なお、d4,d5に関してはディフェクトポインタP−DFA、またはそのリンクポインタLINK−Pによって示されたアドレススロットの時に上記の意味をもつものとする。
【0064】
図13はミニディスクのUTOC領域の記録例を示す図である。図13の例では、先頭トラック番号FirstTNO(00000001)は“1”であることからトラック1(Track1)のトラックナンバーポインタP−PTNO1(00000001)を読み、このトラックナンバーポインタP−TNO1が指定するアドレススロット(76×4+×8=78×4からのスロット)により、トラック1のデータをアクセスできる。
【0065】
また、図13の例では、この最終トラック番号LastTNO(00000011)は“3”であり、3曲の記録がなされていることを示している。従って、この場合、在来のミニディスク再生装置で再生可能なトラックはTrack1,Track2,Track3の3トラックであり、Track2,Track3についてのアドレススロットは、Track1についてのアドレススロットと同様にして、トラックナンバーポインタP−TNO2(00000010),P−TNO3(00000011)により、80×4からのスロット,82×4からのスロットとして割り出すことができる。
【0066】
また、図13の例では、さらに、ディフェクトアドレスポインタP−DFA(00000100)が指定するアドレススロット(76×4+×8=84×4からのスロット)のトラックモードバイトを参照すると、このトラックモードバイトのd4が“1”であるので、このアドレススロットにより指示されるトラックが保護されたトラック(Concealed Track)であることを示している。さらに、このアドレススロットのトラックモードバイトのd5,d6がそれぞれ“1”,“0”であるので、それがATRACデータ以外のデータトラックであり、リンクポインタLINK−Pで示されているアドレスがその秘匿されたトラックの続きの部分であることがわかる。そこで、このアドレススロット(84×4からのスロット)のリンクポインタLINK−P(00000101)を見ると、続く(86×4)からのスロット(76×4+×8=86×4)を指しており、そのスロットのトラックモードバイトのd4は“1”であり、また、d5,d6はそれぞれ、“0”,“0”であることから、そこが上記保護トラックの続きの部分でありかつこのスロットで当該保護トラックは終了することを示している。さらに、このアドレススロット(84×4からのスロット)のリンクポインタLINK−P(00000110)を見ると、続く(88×4)からのスロット(76×4+6×8=88×4)を指しており、そのスロットのトラックモードバイトのd4は“1”であり、d5,d6はそれぞれ、“0”,“0”であることから、(88×4)からのアドレススロットまで、保護された特殊データトラックの全部分であることがわかる。さらに(88×4)からのアドレススロットのリンクポインタLINK−P(00000111)を見ると、続く(90×4)からのスロット(76×4+×8=90×4)を指しており、そのスロットのトラックモードバイトのd4は“0”であることから、(90×4)からのアドレススロットは、真のディフェクト領域(defective area)を指示するものであると認識できる。
【0067】
このように、本発明の記録媒体管理方法によれば、在来のミニディスク記録/再生装置ではATRACデータ以外の記録部分はディフェクト領域として認識され、保護されて、読み出し、および上書きをすることができなくなる。これに対し、本発明の記録/再生装置では、このディフェクトアドレスポインタP−DFA、またはリンクポインタLINK−Pによって示されるその続きのアドレススロットのトラックモードバイトを読むことで、そのスロットが真のディフェクト領域を指示するものであるのか、あるいは特殊データが記録された保護された領域であるのかを判別でき、保護された領域であれば、そこをトラックとして再生することで、特殊データの再生を行なうことが可能になる。
【0068】
従って、本発明のこのような記録媒体管理方法,記録装置(記録方法),再生装置(再生方法)では、UTOCのセクタ0のTOCデータに基づいて、ATRACデータ以外の特殊データ(例えば非圧縮PCMオーディオデータ)についてもATRACデータと同様に記録(録音),再生が可能となる。
【0069】
また、特殊データが記録されている領域を、UTOC領域のセクタ0に、ディフェクト領域として指定することで、在来の記録/再生装置は、UTOC領域を参照してATRACデータの再生あるいは記録を行なうとき、特殊データが記録されている領域をディフェクト領域として認識し、特殊データが記録されている領域を参照しないので、記録媒体に特殊データが記録されている場合にも、この特殊データを誤って読み込んでノイズを発生させたり、また、記録されている特殊データに新たな標準データ(ATRACデータ)を上書きすることもない。すなわち、本発明の記録/再生装置によって記録(録音)されたミニディスク(MD)のATRACデータ以外の特殊データ(例えば非圧縮PCMオーディオデータ)は、従来の記録/再生装置(例えばMDレコーダ)から隠され、保護されているので、これが間違って読み出されたり、上書き,消去されることがなくなる。
【0070】
換言すれば、本発明では、UTOC領域のセクタ0において、特殊データを記録した領域をディフェクト領域として指定するため、この記録媒体を在来のミニディスク記録/再生装置に用いた場合、特殊データを記録した領域をディフェクト領域(記録,再生の禁止領域)と判断し、特殊データを記録した領域への記録,再生を行わず、他の領域に記録されたATRACデータのみを記録,再生することができる。
【0071】
このように、本発明では、現行のミニディスクのフォーマットに対して上位互換性を保ちつつ、この記録媒体(ATRACデータのみならず特殊データも記録されている記録媒体(ミニディスク))に対して、在来の記録/再生装置(ミニディスク記録再生装置)でATRACデータの記録,再生を行なうことができ、また、この記録媒体専用の記録/再生装置,すなわち本発明の記録/再生装置では、ATRACデータと特殊データとの両方の記録,再生を行なうことができる。例えば、本発明の記録/再生装置を用いて、音声圧縮した信号を長時間記録したり、短時間の記録であるが音質の高い記録をしたりするというように、同一の記録/再生装置を用いて同一の記録媒体に目的に応じた数種類のフォーマットのデータを記録させ、再生することが可能となる。
【0072】
なお、従来、例えば特開平6−295532号公報には、ATRACオーディオ信号が記録されるMD−Audioフォーマットの通常のミニディスク(MD)と、MPEG方式でビデオデータとオーディデータとが記録されているMD−DATAフォーマットの異なるディスクを、1台の再生装置で再生できる技術が示されている。すなわち、特開平6−295532号の技術では、再生装置は、MD−DATAドライブであり、異なるフォーマットで記録されている互いに異なる種類の複数枚のミニディスクを、1台の再生装置で再生する際に、予めミニディスクのUTOC領域に記録されている識別データに基づき、そのデータのフォーマットに対応するプログラムを専用再生装置のメモリから読みだして、データを再生するようにしている。
【0073】
しかしながら、特開平6−295532号の再生装置では、1台の再生装置で、互いに異なるフォーマットの複数のディスクを再生することはできるものの、互いに異なるフォーマットの複数種類のデータが記録されるディスクの再生を行なうことはできない。
【0074】
これに対し、本発明では、1台の記録/再生装置で、互いに異なるフォーマットの複数種類のデータが記録されるディスクの記録,再生をも行なうことができる。
【0075】
すなわち、本発明では、ATRACデータとATRACデータ以外の特殊データとを1枚のミニディスクに混在させて記録可能となっており、また、本発明の再生装置では、このミニディスク(すなわち、ATRACデータとATRACデータ以外の特殊データとが混在して記録された本発明の1枚の記録媒体)のUTOC領域に記録されたTOCデータだけに基づいてこのミニディスクからATRACデータ,特殊データを互いに識別可能に再生するようにしており、従って、本発明の再生装置では、特別なプログラム等を用いずとも、ミニディスクのUTOC領域を参照するだけで、ATRACデータと特殊データとが混在したミニディスクから、現行のミニディスクに対して上位互換を保ちつつ、ATRACデータあるいは特殊データを再生することができる。
【0076】
また、特開平6−295532号公報の技術においては、オーディオ用MDディスクとデータ用MDディスクを対象としており、ATRACデータ以外のデータ(特殊データ)は、データ用MDディスクに、MD−DATAフォーマットで記録され、その特殊データを再生する場合は、MD−DATAドライブを使用しなければならない。この場合、MD−DATAドライブは、SCSI(Small Computor System Interface)インターフェースを制御するパソコン等のコントローラ、また、信号処理用のDSP(Digital Signal Processor)ボード等を追加する必要がある。このように、再生装置以外の付加装置が必要となるため、システムの立ち上げに時間がかかり、システムとして大型化する。これに対し、本発明では、ATRACデータ以外の特殊データも、オーディオ用MDディスクに、MD−Audioフォーマットで記録され、通常のMDレコーダにわずかな改造を施すことにより、リニアオーディオデータ等の特殊データの記録再生ができる。従って、記録再生装置としての小型化、スタンドアロン化(単独動作化)が可能となり有効である。
【0077】
図14は、本発明の記録媒体管理方法,記録/再生装置を適用したミニディスク記録再生装置の具体例を示す図である。図14を参照すると、このミニディスク記録再生装置は、記録媒体100としてのミニディスクをスピンドルモータ42によって回転駆動し、また、ミニディスク100に対し、例えば、光学ヘッド43よりレーザ光を照射した状態で記録データに応じた変調磁界を磁気ヘッド44により印可することによってデータの記録を行ない、また、上記ミニディスク100の記録トラックを、例えば上記光学ヘッド43によりレーザ光でトレースすることにより、磁気光学的に情報の再生を行なうようになっている。
【0078】
ここで、光学ヘッド43は、レーザ光源,レンズ等の光学部品や光検出器等からなり、上記ミニディスク100に対し、磁気ヘッド44とは反対の側に設けられている。また、上記光学ヘッド43からの出力(光検出器からの出力)は、再生アンプ(RFアンプ)46に加わり、再生アンプ46では、上記光学ヘッド43の出力からフォーカスエラー信号やトラッキングエラー信号を抽出してサーボ制御回路45に与えるとともに再生信号を2値化して、デコーダ(EFMデコーダ)77へ供給するようになっている。
【0079】
また、サーボ制御回路45は、例えば、フォーカスサーボ,トラッキングサーボ,スピンドルサーボ,スライドサーボ制御回路等から構成され、フォーカスサーボ及びトラッキングサーボ制御回路は、それぞれ、フォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号が0になるように制御を行ない、レーザ光の焦点を記録トラックへ正しくトレースさせる機能を有している。また、スピンドルサーボ制御回路は、ミニディスク100を所定の回転速度で回転駆動させるようにスピンドルモータ42を制御するようになっている。すなわち、スピンドルサーボ制御回路は、ミニディスク100を、ATRACデータか、特殊データ(例えば非圧縮PCMデータ)かによって、それぞれ所定の回転速度で回転駆動させるように、スピンドルモータ42を制御するようになっている。また、スライドサーボ制御回路は、システムコントローラ(CPU)47により指定されるミニディスク100の目的トラックへ光学ヘッド43及び磁気ヘッド44を移動させる機能を有している。サーボ制御回路45は、また、上記のような各種サーボ制御される各部の動作状態を示す情報を、システムコントローラ(CPU)47に供給するようになっている。
【0080】
システムコントローラ(CPU)47にはキーボード48が接続され、このキーボード48からは、この記録再生装置の動作モード(記録モードや再生モードなど)を入力指定することができ、キーボード48から入力指定される動作モードに従って、システムコントローラ(CPU)47は、記録制御,再生制御を行なうようになっている。また、システムコントローラ(CPU)47は、ミニディスク100のUTOC領域に記録されているアドレス情報(例えばセクタ、クラスタ、サウンドグループ)に基づき、光学ヘッド43および磁気ヘッド44がトレースしている位置を管理するようになっている。また、システムコントローラ(CPU)47にはディスプレイ49が接続され、ミニディスク100のアドレス情報(例えばセクタ、クラスタ)に基づき、記録あるいは再生時間等の表示を行なうようになっている。
【0081】
また、この記録再生装置では、記録処理を行なうために、ローパスフィルタ(LPF)61、A/Dコンバータ62、ATRACエンコーダ(圧縮器)63、FIFOメモリ64、データセレクタ(切替スイッチ)65、RAM(ランダムアクセスメモリ)66、エンコーダ(EFMエンコーダ)67、磁気ヘッド駆動回路68が設けられている。
【0082】
また、再生処理を行なうために、デコーダ(EFMデコーダ)77、RAM(ランダムアクセスメモリ)78、ATRACデコーダ(伸張器)79、FIFOメモリ80、データセレクタ(切替スイッチ)81、D/Aコンバータ82、ローパスフィルタ(LPF)83が設けられている。
【0083】
ここで、システムコントローラ47は図8におけるコントローラ部8およびショックプルーフメモリコントローラ6に対応し、ATRACエンコーダ63,ATRACデコーダ79は、図8におけるATRAC部4に対応し、また、FIFOメモリ64,80は図8における特殊データインタフェース手段9に対応し、また、データセレクタ(切替スイッチ)65,81は図8における切替部10に対応し、また、RAM66,78は図8におけるショックプルーフメモリ5に対応し、また、エンコーダ67,デコーダ77は図8におけるEFMエンコーダ/デコーダ部7に対応している。
【0084】
次に、このような構成のミニディスク記録再生装置の処理動作について説明する。
【0085】
このミニディスク記録再生装置において、このミニディスク記録再生装置に挿入(装着)されているミニディスク100へのデータの記録がなされる場合、入力されたアナログ入力信号Ainは、先ず、ローパスフィルタ61を介してA/Dコンバータ62でサンプリング,量子化されて、ATRACエンコーダ63およびFIFOメモリ64へ出力される。
【0086】
上記ローパスフィルタ61はサンプリング周波数の1/2以上の周波数成分をよく遮断するようにカットオフ特性が設定されておりエリアシングノイズを防止する。また、上記ATRACエンコーダ63は、所定のサンプリング周波数(例えば44.1kHz)のデジタルデータ(例えばPCMディジタルオーディオデータ)がA/Dコンバータ62から送られると、このデジタルデータに対してATRAC方式のデータ圧縮を行なう。なお、A/Dコンバータ62のサンプリング周波数が44.1kHzでなければ、44.1kHzへサンプリング周波数変換処理を行なってATRACエンコーダ63へデータを供給する必要がある。
【0087】
また、上記FIFOメモリ64には、A/Dコンバータ62からのデジタルデータ(例えばPCMディジタルオーディオデータ)が連続的に入力され、FIFOメモリ64はこれを保持する。
【0088】
しかる後、ATRACエンコーダ63からの圧縮データ、または、FIFOメモリ64に保持されたデータがRAM66に出力されるが、RAM66へ出力されるデータは、ATRACエンコーダ63からの圧縮データ,FIFOメモリ64からのデータのいずれか一方のものであり、データセレクタ65は、システムコントローラ47の制御下で、これらのいずれか一方を選択する。すなわち、システムコントローラ47は、キーボード48の記録モードスイッチの状態に応じて、ATRAC圧縮モードであればATRACエンコーダ63からの圧縮データをRAM66に出力し、また、非圧縮モードであればFIFOメモリ64からのデータをRAM66に出力するようデータセレクタ65を制御する。
【0089】
これにより、ATRACエンコーダ63からの圧縮データが選択されると、ATRACエンコーダ63により圧縮されたデータがRAM66に出力される。具体的には、例えば、ステレオ2チャンネル分の1サウンドブロック(512サンプル)のディジタルオーディオデータが、ATRACエンコーダ63により、424バイトにコーディングされて、RAM66に出力される。また、FIFOメモリ64からのデータが選択されると、FIFOメモリ64からは、RAM66が要求するタイミングでデータが読み出されて、RAM66に出力される。
【0090】
RAM66は、データの書き込みおよび読み出しが上記システムコントローラ47により制御され、ATRACモードの時は上記ATRACエンコーダ63から供給されるデータを一時的に記憶し、また、非圧縮PCMモードの時はFIFOメモリ64から供給されるデータを一時的に記憶しておき、必要に応じてディスク100にデータを送出し、ディスク100に記録する。
【0091】
具体的に、ミニディスクでは、32セクタ(74624バイト)のデータに4セクタのリンキング,サブデータセクタを付加して1クラスタとし、このクラスタ単位でバースト的にミニディスク100への読み書きを行なう。従って、RAM66は少なくとも1クラスタ分のデータを記憶し、システムコントローラ47の指示により、クラスタ単位でEFMエンコーダ67へデータを供給する。またこのバースト転送中の転送レートは、ATRACモードではATRACデータの平均転送速度よりも高くする必要があり、また非圧縮モードでは、非圧縮PCMデータの平均転送レートより高くする必要がある。
【0092】
EFMエンコーダ67では、RAM66から供給されたデータをリアルタイムにディスク100上の記録フォーマットであるEFM信号にエンコードし、磁気ヘッド駆動回路68へ供給し、磁気ヘッド駆動回路68は、上記記録データに応じた変調磁界をミニディスク100に印加するよう磁気ヘッド44を駆動する。また、システムコントローラ47は、RAM66に対する上述のようなメモリ制御を行なうとともに、このRAM66からバースト的に読み出される上記記録データをミニディスク100の記録トラックに連続的に記録されるよう記録位置の制御を行なう。この記録位置の制御は、システムコントローラ47がRAM66からバースト的に読み出される上記記録データの記録位置を管理して、上記ミニディスク100の記録位置を指定する制御信号をサーボ制御回路45へ供給することによって行なわれる。
【0093】
さらにシステムコントローラ47は、キーボード48の状態を監視しており、録音停止の操作があれば、その時点までの入力信号の記録処理を完了させた後、UTOC領域へのトラック登録処理を行なう。これは、トラックモードバイトのd6が特殊データ(非圧縮データ)の記録時に“0”になる以外は、前述した在来のミニディスクのUTOC領域への登録処理と同じである。すなわち、ATRACエンコーダ63からの標準データ(圧縮データ)の記録時には、この標準データの記録トラックのアドレスを指定するアドレススロットのトラックモードバイトのd6には“1”を設定し、また、FIFOメモリ64からの特殊データ(非圧縮データ)の記録時には、この特殊データの記録トラックのアドレスを指定するアドレススロットのトラックモードバイトのd6に“0”を設定すること以外は、UTOC領域へのTOCデータの記録処理に関し、標準データと特殊データとで同じである。
【0094】
図14のミニディスク記録再生装置において、このようにして記録処理がなされた後、例えばこのミニディスク記録再生装置からのミニディスク100の排出(取り出し)時に、システムコントローラ47は、UTOC領域のTOCデータの書き換え処理(更新処理)を行なう。図15はTOCデータの書き換え処理の処理流れを示すフローチャートである。
【0095】
この書き換え処理では、先ず、先頭のトラックから順次にトラックを調べ、現在のトラック(トラック番号:N)が特殊データ(非圧縮PCMデータ)のトラックか否かを判断する(ステップS51)。すなわち、現在のトラック(トラック番号:N)のアドレススロットのトラックモードバイトにおいてd6が“0”であるか否かを判断する。
【0096】
この結果、このトラック(トラック番号:N)のアドレススロットのトラックモードバイトのd6が“0”であり、このトラックが特殊データのトラックであると判断されると、このトラック(トラック番号:N)のトラックナンバーポインタ(P−TNON)をクリアし(ステップS52)、続いて、このトラックのアドレススロットをディフェクトポインタ(P−DFA)、またはディフェクト領域と指定されたアドレススロットのリンクポインタLINK−Pで指定する(ステップS53)。さらに、このトラックのアドレススロットのトラックモードバイトを更新する(ステップS54)。すなわち、このトラックのアドレススロットのトラックモードバイトのd4を“1”にする。また、このとき当該秘匿トラックが複数のアドレススロットを使用しているならば、その各スロットに対し当該トラックの最後のスロットであるかを判断し、最後のスロットならばd5を“0”とし、最後のスロットでなければd5を“1”とする。これにより、1トラック分の保護を終了し、ステップS55に進む。
【0097】
また、ステップS51において、現在のトラックのアドレススロットのトラックモードバイトにおいてd6が“1”(標準データ(ATRACデータ)のトラック)である場合には、ステップS52乃至S54の保護処理を行なわずに、ステップS55に進む。
【0098】
ステップS55では、処理中のトラックが最終トラックか否かを判断し、最終トラックでなければ次のトラックに関して上述したと同様の処理を繰り返し行なうため、再びステップS51に戻る。これに対し、最終トラックである場合には、標準データ(ATRACデータ)のトラックのトラック番号をリナンバリングする。例えば、5トラック中、2トラックが特殊データ(非圧縮PCMデータ)のトラックであった場合、残った3つのトラック(標準データのトラック)のアドレススロットをそれぞれ指示するようにトラックナンバーポインタP−TNO1,P−TNO2,P−TNO3を書き換える。さらに、FirstTNOを“1”にし、LastTNOを“3”に更新する(ステップS56)。このようにして、UTOC領域のTOCデータの書き換え処理を完了する。
【0099】
また、図14のミニディスク記録再生装置において、このミニディスク記録再生装置へのミニディスクの挿入(装着)時には、システムコントローラ47は、このミニディスクに対し、イニシャル処理を行なう。図16はイニシャル処理の処理流れを示すフローチャートである。
【0100】
イニシャル処理では、先ず、LastTNOの確認を行なう(ステップS71)。すなわち、最終のトラック番号(トラックナンバー)を調べ、公開(保護解除)される特殊データ(非圧縮PCMオーディオデータ)のトラックのトラックナンバーの初期値を(最終トラックナンバー+1)とする。次に、ディフェクト領域のアドレススロット(P−DFAで示されたアドレススロット)及びそのリンクポインタLINK−Pが指すアドレススロットの中でトラックモードバイトのd4が“1”のスロットを抽出する(ステップS72)。d4が“1”のスロットを抽出できた場合は、そのアドレススロットを新規のトラックナンバーポインタ(P−TNO)で指定する(ステップS73)。例えば、標準データ(ATRACデータ)のトラックが3まであるとするとP−TNO4で指定し、すでにトラック4の公開処理を行なったならばP−TNO5で指定する。続いて、当該アドレススロットをディフェクトアドレスから外すよう、当該アドレススロットを指すディフェクトアドレスポインタP−DFA、またはディフェクトアドレススロットのリンクポインタLINK−Pを更新する(ステップS74)。さらに、抽出されたスロットのトラックモードバイトのd4を“0”とし、d5が“1”の場合は、これを“0”に戻す(ステップS75)。なお、d5が当初から“0”であった場合、そのスロットのリンクポインタLINK−Pをクリアする。これにより、1トラック分の特殊データトラックの公開処理を完了し、再びステップS52に戻り、さらに、次のスロットの抽出を行なう。
【0101】
このようにして、全ての保護アドレススロット(トラックモードバイトのd4が“1”であるスロット)の抽出が終了し、d4が“1”のスロットがなくなると、特殊データトラックの公開により増加したトラック番号(トラックナンバー)も含むようにラストトラックナンバーLastTNOを更新する(ステップS76)。例えば、ATRACデータのトラックが3トラック、隠された特殊データのトラックが2トラック存在するディスクの場合、LastTNOを“5”に更新する。このようにして、保護されている特殊データのトラックの公開を完了する。このイニシャライズを行なったディスクは、特殊データのトラックをATRACデータのトラックと同様にアクセスすることが可能になる。
【0102】
次に、図14のミニディスク記録再生装置によって、標準データ(ATRACデータ),特殊データ(非圧縮PCMデータ)が記録された記録媒体(ミニディスク)を再生する動作について図17のフローチャートを用いて説明する。例えばオペレータによりキーボード48から再生ボタンが押下されると(ステップS21)、システムコントローラ47は、先ず記録媒体100のUTOC領域のセクタ0のTOCデータを検索する。すなわち、FirstTNO,LastTNOを確認し(ステップS22)、しかる後、FirstTNO,LastTNOに基づき、前述したように、P−TNOを確認して、アドレススロットを検索する(ステップS23)。1つのアドレススロットを検索し、このアドレススロットに記述されているスタートアドレス,エンドアドレス,トラックモードバイト,リンクポインタを確認して(ステップS24)、この結果、トラックモードバイトのd6が“1”であれば(ステップS25)、システムコントローラ47は、このアドレススロットにより指示されるトラックに標準データ(ATRACデータ)が記録されていると判断し、ATRACデコーダ79からの出力がD/Aコンバータ82へ送られるように、データセレクタ81を制御する(ステップS26)。これに対し、ステップS25において、トラックモードバイトのd6が“0”であれば、システムコントローラ47は、このアドレススロットにより指示されるトラックに特殊データが記録されていると判断し、FIFOメモリ80からの出力がD/Aコンバータ82へ送られるように、データセレクタ81を制御する(ステップS27)。
【0103】
このようにして、1つのアドレススロットが検索されて、このアドレススロットにより指示される領域(トラック)に記録されているデータの種類がd6によって判断されてステップS26またはステップS27の処理がなされた後、このアドレススロットのスタートアドレスで指示された領域位置(トラック位置)からエンドアドレスで指示された領域位置(トラック位置)までを再生する(ステップS28)。
【0104】
ステップS28の再生処理は、具体的には、次のようになされる。すなわち、システムコントローラ47は、このアドレススロットのスタートアドレスで指示されたトラック位置からエンドアドレスで指示されたトラック位置まで、データが順次に連続的に読み出されるよう光学ヘッド43の位置すなわち再生位置をサーボ制御回路により制御して再生を行なう。
【0105】
光学ヘッド43がミニディスク100の記録トラックをトレースすることによって得られる再生出力は、再生アンプ46により2値化され、EFMデコーダ77へ供給され、EFMデコーダ77は、ディスク上の記録フォーマットであるEFM信号をデコードし、クラスタ単位のデータをRAM78へ供給する。RAM78はデータの書き込み、読み出しがシステムコントローラ47により制御され、RAM78には、EFMデコーダ77からクラスタ単位で転送される標準データ(ATRACデータ)、または特殊データ(非圧縮PCMデータ)が書き込まれ、また、RAM78に書き込まれたデータは、ATRACデコーダ79の必要とするタイミングで読み出され、ATRACデコーダ79およびFIFOメモリ80へ出力される。
【0106】
ATRACデコーダ79は、RAM78から標準データ(ATRACデータ)が出力される場合、出力された標準データ(ATRACデータ)を、デジタルデータ(デジタルオーディオデータ)へデコードする。また、FIFOメモリ80は、RAM78から特殊データ(非圧縮PCMデータ)がバースト的に出力される場合、出力された特殊データ(非圧縮PCMデータ)を一時的に記憶する。
【0107】
ところで、現在再生中のデータの種類は、前述のように、このデータが記録されている領域を指定するアドレススロットのトラックモードバイト情報のd6により、予め判別されており、d6が“1”であるか“0”であるかにより、ステップS26またはS27の処理がなされている。従って、d6が“1”であって現在再生中のデータの種類が標準データ(ATRACデータ)であれば、ATRACデコーダ79からのデータがD/Aコンバータ82へ送られる。また、d6が“0”であって現在再生中のデータの種類が特殊データ(非圧縮データ)であれば、FIFOメモリ80に記憶されているデータがD/Aコンバータ82に必要なタイミングでD/Aコンバータ82へ送られる。
【0108】
従って、D/Aコンバータ82は、現在再生中のデータが標準データ(ATRACデータ)である時は、ATRACデコーダ79からのデジタルデータ(デジタルオーディオデータ)をアナログ信号に変換し、また、現在再生中のデータが特殊データ(非圧縮PCMデータ)である時は、FIFOメモリ80からのデジタルデータ(デジタルオーディオデータ)をアナログ信号に変換して、アナログ信号(アナログオーディオ信号)を形成する。このD/Aコンバータ82より得られるアナログ信号Aoutはローパスフィルタ83を介して出力される。
【0109】
このようにして、ステップS28において、1つのアドレススロットのスタートアドレスとエンドアドレスとによって指示された領域(トラック)に記録されているデータについての再生を行なった後、このアドレススロットのリンクポインタLINK−Pが“0”か否かを調べ(ステップS29)、これが“0”でないときには、このリンクポインタLINK−Pにより示される続きのアドレススロットを検索し(ステップS30)、再びステップS24に戻り、この続きのアドレススロットで指示される領域(トラック)について、同様にして再生処理を行なう。
【0110】
また、ステップS29において、リンクポインタLINK−Pが“0”であるときには、最終トラックであるか否かを調べ、(ステップS31)、最終トラックでないときには、次のトラックナンバーポインタP−TNOを確認して次のアドレススロットを検索するため、再びステップS23に戻し、次のアドレススロットで指示される領域(トラック)について、同様にして再生処理を行なう。
【0111】
一方、ステップS31において、最終トラックである場合には、この記録媒体に記録されているデータの再生が全てなされたと判断され、再生処理を終了する。
【0112】
このように、本発明によれば、ATRACデータ以外の特殊データが記録されている一部または全部のトラックをディフェクト領域として指定することにより、ATRACデータしか記録再生できない在来のミニディスク装置にこのディスクが装着されても、特殊データが記録されているトラックが再生されたり上書きされるのを防止し、このトラックを保護することができる。一方、本発明のミニディスクは、在来のミニディスクとの互換性を維持しているため、ATRACデータが記録されたトラックについては在来のミニディスク装置でも再生できるとともに、ミニディスクの空き領域には、在来のミニディスク記録装置によってATRACデータを記録することができる。
【0113】
また、本発明の記録/再生装置によれば、装着されたミニディスクに対しイニシャライズ処理を行なうことによって、特殊データのトラックへもATRACデータのトラックと同様にアクセスすることができる。すなわち、ミニディスク内にATRACデータおよびそれ以外の特殊データを混乱なく共存させることができる。
【0114】
また、上述の実施形態において、ミニディスクに記録可能な特殊データとしては、リニアPCMデータの他に、AC−3による圧縮データ、MPEGオーディオによる圧縮データも考えられる。ミニディスク(MD)に、特殊データとして、AC−3による圧縮データ、あるいは、MPEGオーディオによる圧縮データを記録する場合、通常必要とされる圧縮・伸長処理を行なうことなく、圧縮データ(特殊データ)を、そのままミニディスク(MD)に記録することが可能となる。そのため、特殊データにおける音質の劣化がないという点で効果がある。例えば、SD(Super Density Disc:東芝方式のDVD(Digital Video Disc))に記録されたAC−3による圧縮データを、MDにコピー記録し、そのMDに記録した圧縮データをバックアップとして保有する場合等において、MDに記録したAC−3による圧縮データの音質劣化がないという点で効果がある。また、ビデオCDに記録されたMPEGオーディオを、MDにコピー記録する場合も、同様の効果が得られる。
【0115】
また、図18は本発明に係る記録/再生装置の他の構成例を示す図である。なお、図18において、図1と同様の箇所には同じ符号を付している。図18の記録/再生装置は、基本的には、図1に示した記録/再生装置と同様の構成のものとなっているが、図18の記録/再生装置では、記録媒体100に、秘匿を行なうように情報データを記録可能であって、秘匿を行なう情報については、これが許可なく再生されることのないよう、保護可能に構成されている。
【0116】
すなわち、図18の記録/再生装置では、図1の記録/再生装置において、さらに、記録される情報データに対して秘匿を行なうか否かを指定する指定手段(例えばキーボード等の入力手段)30と、秘匿を行なう情報を再生するための許可確認を行なう確認手段(例えばキーボード,ディスプレイ等の入力表示手段)31とが設けられており、記録媒体100への情報データの記録時には、記録される情報データに対して、秘匿を行なうか否かを指定手段30から指定させ、指定手段30から秘匿を行なわない情報データを記録する旨の指示がある場合は、記録媒体100の管理領域に秘匿を行なわない情報データが記録される領域を特定する管理情報を、該管理情報が秘匿を行なわない情報データの記録領域を指定するものであるように書き込み、また、指定手段30から秘匿を行なう情報データを記録する旨の指示がある場合あるいは記録媒体100上に欠陥部分が含まれる場合は、記録媒体100の管理領域に秘匿を行なう情報データが記録される領域を特定する管理情報を、また、記録媒体100上の欠陥部分の領域を特定する管理情報を、これらの管理情報が記録媒体100上のディフェクト領域を指示するものであるように管理領域に書込み、さらに、秘匿を行なう情報データを記録する場合は、上記管理情報に秘匿を行なう情報データである旨の識別情報を付加して該管理情報を管理領域に書込み、また、記録媒体上の欠陥部分の領域を記録する場合は、上記管理情報に真のディフェクト領域である旨の識別情報を付加して該管理情報を管理領域に書込むように構成されている。
【0117】
換言すれば、図18の記録/再生装置では、記録媒体100に、秘匿を行なう情報データを記録するとき、秘匿を行なわない通常の情報データ用の管理情報が記録される記録媒体100の管理領域(例えばUTOC領域)に、秘匿を行なわない通常の情報データ用の管理情報(TOCデータ)とは異質の形態で、秘匿を行なう情報データ用の管理情報(TOCデータ)を記録させるようになっている。
【0118】
より具体的に、秘匿を行なわない通常の情報データ用の管理情報が記録される記録媒体の管理領域に、秘匿を行なう情報データが記録される領域をディフェクト領域として指定可能になっている。
【0119】
さらに、秘匿を行なう情報データが記録される領域をディフェクト領域として指定する場合に、該ディフェクト領域を、真の欠陥部分のディフェクト領域と識別可能に指定するようになっている。
【0120】
図19は図18の記録/再生装置において情報データ(秘匿を行なわない情報データあるいは秘匿を行なう情報データ)を記録媒体(ミニディスク)100に記録するための構成例を示す図である。図19を参照すると、情報データを記録媒体(ミニディスク)100に記録するため、この記録装置は、記録媒体100に記録されようとしている情報データあるいは記録された情報データに対して、秘匿を行なうか否かを指定する指定手段30と、ATRAC部4でエンコードされメモリ手段32に記憶されている情報データを記録媒体100に書込む書込手段33と、情報データが記録された記録媒体100の領域に関する情報(書込手段33によって記録媒体100に書込まれた情報データのトラックアドレス情報等のTOCデータ)を記憶するUTOC記憶手段34と、指定手段30によって秘匿を行なう旨の指定がなされるとき、UTOC記憶手段34に記憶されている情報データ用の情報(情報データのトラックアドレス情報等のTOCデータ)を、秘匿を行なう情報データが記録された領域がディフェクト領域(記録(例えば上書き),再生,消去を禁止する領域)として認識されるように、UTOC領域の在来の部分(セクタ0)に書込むUTOC書込手段35とを備えている。
【0121】
ここで、UTOC書込手段35は、秘匿を行なう情報データが記録される領域をディフェクト領域として指定する場合に、該ディフェクト領域を、真の欠陥部分のディフェクト領域と識別可能に指定するようなっている。
【0122】
また、図18の記録/再生装置では、記録媒体100に記録されている情報データの再生時には、記録媒体の管理領域から管理情報を読み取り、読み取った管理情報が秘匿を行なわない情報データが記録された領域を指示するものであると判断された場合は、該領域の情報データの再生を行ない、読み取った管理情報が秘匿を行なうデータが記録された領域または真のディフェクト領域を指示するものであると判断された場合は、該領域のデータを秘匿し、該領域のデータについて再生処理を行なわないようになっている。
【0123】
但し、読み取った管理情報が秘匿を行なうデータが記録された領域である場合には、許可確認が得られた場合に限って、該領域のデータについて再生処理を行なうことができる。
【0124】
図20は図18の記録/再生装置において、記録媒体に記録されている情報データを再生するための構成例を示す図である。図20を参照すると、記録媒体に記録されている情報データを再生するために、この再生装置は、記録媒体のUTOC領域の所定部分(セクタ0)のTOCデータを読み出すUTOC読出手段36と、読出されたUTOC領域の部分(セクタ0)のTOCデータを記憶するUTOC記憶手段37と、情報データを再生する再生手段38と、秘匿を行なう情報データを再生するための許可確認を行なう確認手段31とを有し、確認手段31によって許可確認が得られたとき、上記再生手段38は、UTOC記憶手段37に記憶されたUTOC領域の部分(セクタ0)のTOCデータのうち、ディフェクト領域を指定するTOCデータを参照し、該ディフェクト領域を指定するTOCデータにおいて真の欠陥部分とは異なるものとして識別されているTOCデータに基づいて記録媒体100に記録されている秘匿情報データを読出し再生するようになっている。
【0125】
すなわち、再生手段38は、読み取った管理情報が秘匿を行なわない情報データが記録された領域を指示するものであると判断された場合は、該領域のデータを秘匿を行なわないデータとして認識して再生処理を行ない、また、再生手段38は、読み取った管理情報が秘匿を行なう情報データが記録された領域を指示するものであると判断された場合は、該領域のデータを秘匿を行なう情報データとして認識して、確認手段31によって許可確認が得られた場合にのみ、該情報データについて再生処理を行ない、また、再生手段38は、読み取った管理情報が真のディフェクト領域を指示するものであると判断された場合は、該領域のデータについて再生処理を行なわないようになっている。
【0126】
また、図18の記録/再生装置では、指定手段30は、秘匿を行なう旨の指定の解除(秘匿情報データの公開)をも行なうことができるように構成されている。但し、秘匿を行なう旨の指定の解除は、例えば確認手段31による許可確認が得られることを条件として、指定手段30によってなされるようになっている。換言すれば、例えば、秘匿を行なう旨の指定した本人のみしか、指定の解除がなされないようになっている。
【0127】
なお、図19の記録装置,図20の再生装置において、メモリ手段32,UTOC記憶手段34,UTOC記憶手段37には、図18に示したショックプルーフメモリ5の一部を用いることができ、また、書込手段33,UTOC書込手段35,UTOC読出手段36,再生手段38は、図18においてコントローラ部(CPU)8,ショックプルーフメモリコントローラ6により実現できる。
【0128】
このように、本発明の記録装置,記録方法では、秘匿を行なわない情報データ(ATRACデータ)を記録する場合は、UTOC領域に通常の情報データが記録される領域の各トラックの位置を特定するTOCデータを書き込んで通常の情報データトラック(ATRACデータトラック)として認識させ、また、秘匿を行なう情報データ(ATRACデータ)を記録する場合あるいはディスク上に欠陥部分が含まれる場合は、UTOC領域に秘匿を行なう情報データが記録される領域の各トラックの位置を特定するTOCデータを、また、ディスク上の欠陥部分の領域の各トラックの位置を特定するTOCデータを、これらのTOCデータがディフェクト領域を指示するものであるように書込み、さらに、秘匿を行なう情報データを記録する場合は上記TOCデータに、秘匿を行なう情報データである旨の識別信号を付加してUTOC領域に書込み、また、ディスク上の欠陥部分の領域を記録する場合は上記TOCデータに真のディフェクト領域である旨の識別信号を付加してUTOC領域に書込む。これにより、各TOCデータが、秘匿を行なわない情報データに関するものであるのかディフェクト領域に関するものであるのかを認識させ、また、ディフェクト領域として認識された場合、これが秘匿を行なう情報データに関するものであるのか、真のディフェクト領域に関するものであるのかを認識させることが可能となる。
【0129】
また、上記のような記録管理がなされることにより、本発明の再生装置,再生方法では、記録媒体のUTOC領域からTOCデータを読み込み、読み込んだTOCデータが秘匿を行なわない情報データが記録されたトラックを指示するものであると判断された場合は、再生処理を行ない、また、読み込んだTOCデータが秘匿を行なう情報データが記録されたトラックを指示するものであると判断された場合、または、読み込んだTOCデータが真のディフェクト領域を指示するものであると判断された場合は、再生処理を行なわないようにすることができる。但し、読み込んだTOCデータが秘匿を行なう情報データが記録されたトラックを指示するものであると判断された場合において、確認手段31から許可確認が得られたときには、再生処理を行なうことができる。
【0130】
すなわち、本発明では、ユーザは、データを秘匿するために、記録媒体100にデータを記録する前に、あるいは、記録した後、UTOC領域に各トラックの公開または非公開を指定する入力をそれぞれ行なうことができる。そして、この記録媒体100,例えばMDに対し、従来のMDプレーヤを用いて記録再生を行なった場合は、公開されているデータが記録されている領域に対しては通常の記録再生及び消去を行なうことができるが、公開されていないデータが記録されている領域に対しては記録再生および消去を行なうことができず、公開されていないデータを保護することができる。
【0131】
また、このMDに対し、本発明の記録/再生装置を用いて記録,再生を行なう場合、例えば、トラックを非公開にした当人は、確認手段31から例えばパスワードなどを入力することにより、公開されていないにかかわらず全てのデータの記録,再生および消去を行なうことができる。一方、トラックを非公開にした当人以外は、確認手段31から正しいパスワードなどを入力できないため、記録,再生および消去を行なうことができない。また、トラックを非公開にした当人のみが、例えば指定手段30と確認手段31とを用いて、非公開のトラックの公開または非公開を改めて指定することができる。
【0132】
具体的には、本発明では、情報データを記録したトラックの秘匿を行なうため、図7に示すUTOC領域のセクタ0において、秘匿を行なう情報データを記録したトラック(秘匿トラック)に関するアドレススロットを、トラックナンバーポインタ(P−TNO)で指定せずに、ディフェクトアドレスポインタP−DFAで指定するか、またはリンクポインタLINK−Pによって示される上記ディフェクトアドレススロットの続きのアドレススロットで指定し、かつそのポインタが指定したアドレススロットのトラックモードバイト情報を、真の(本当の)ディフェクト領域とは異なる状態にセットする。
【0133】
例えば、このトラックモードバイト情報のビットd4を在来のミニディスクでは設定されない値、すなわち“1”とすることにより、これを真のディフェクト領域から区別する。また、このとき、当該秘匿トラックが複数のアドレススロットを使用している場合には、その各スロットに対し当該トラックの最後のスロットならばd5,d6ビットを0,1とし、最後のスロットでなければd5,d6ビットを1,1として設定する。
【0134】
従って、図18の記録/再生装置においても、ミニディスクのUTOC領域には、図13に示した記録例とほぼ同様の記録がなされる。
【0135】
このように、本発明の記録方法,再生方法によれば、在来のミニディスク記録/再生装置では、秘匿を行なわない情報データ以外の記録部分はディフェクト領域として認識され、保護されて、読み出し、および上書きをすることができなくなる。これに対し、本発明の記録/再生装置では、このディフェクトアドレスポインタP−DFA、またはリンクポインタLINK−Pによって示されるその続きのアドレススロットのトラックモードバイトを読むことで、そのスロットが真のディフェクト領域を指示するものであるのか、あるいは、秘匿を行なう情報データが記録された保護された領域であるのかを判別でき、保護された領域であれば、許可確認が得られる場合に限って、秘匿データの上書き,再生を行なうことが可能になる。従って、他人が無断で秘匿データを上書き,再生してしまうという事態を有効に防止できる。
【0136】
図21は、トラック記録後(情報データを記録後)のミニディスクに対しユーザが指定する任意のトラックを、他人が再生できないよう秘匿する秘匿処理の一例を示すフローチャートである。
【0137】
秘匿処理では、まず、どのトラックを秘匿するかの入力,すなわち秘匿するトラックのトラック番号の指定を指定手段30により行なう(ステップS81)。秘匿するトラックのトラック番号として、例えばNが指定されると、次に、当該トラック(トラック番号N)のトラックナンバーポインタ(P−TNON)をクリアする(ステップS82)。続いて、その秘匿対象のトラックアドレススロット,すなわちP−TNONの指していたスロットを、ディフェクトアドレスポインタ(P−DFA)またはディフェクトアドレススロットのリンクポインタLINK−Pで指定する(ステップS83)。さらに、このトラックアドレススロットのトラックモードバイトを更新する(ステップS84)。すなわち、秘匿トラックアドレススロットのトラックモードバイトd4を1にする。また、このとき、当該秘匿トラックが複数のアドレススロットを使用している場合には、その各スロットに対し当該トラックの最後のスロットならばd5,d6ビットを0,1とし、最後のスロットでなければd5,d6ビットを1,1として設定する。このようにして、1トラック分の秘匿を終了する。
【0138】
続いて、他に秘匿したいトラックがあるか否かの確認を行なう。すなわち、秘匿したいトラックナンバーを全て入力したか否かの確認を行なう(ステップS85)。この結果、他に秘匿したいトラックがあれば、ステップS81乃至S84の処理を繰り返し行ない、他に秘匿したいトラックがなくなれば、トラックのトラック番号をリナンバリングする(ステップS86)。例えば、5トラック中、2トラックが秘匿されたならば、残った3つのトラックのアドレススロットをそれぞれ指示するように、すなわち、残った3つのトラックのトラックナンバーが1,2,3となるようトラックナンバーポインタP−TNO1,P−TNO2,P−TNO3を書き換える。さらにFirstTNOを“1”に、LastTNOを“3”に更新する。このようにして、秘匿処理を完了する。このように秘匿処理のなされたディスクは、後述する公開処理が行なわれない限り、秘匿されずに残ったトラック1,2,3しか再生することができない。
【0139】
図22は、いくつかのトラックが秘匿処理されたミニディスクに対し、ユーザが秘匿トラックを再生できるよう公開する秘匿トラック公開処理の一例を示すフローチャートである。
【0140】
秘匿トラック公開処理では、まず、LastTNOの確認を行なう(ステップS91)。すなわち、最終のトラック番号(トラックナンバー)を調べ、公開(秘匿解除)されるトラックのトラックナンバーの初期値を(最終トラックナンバー−1)とする。次に、ディフェクト領域のアドレススロット(P−DFAで示されたアドレススロット)及びそのリンクポインタLINK−Pが指すアドレススロットの中でトラックモードバイトのd4が“1”のスロットを抽出する(ステップS92)。d4が“1”のスロットを抽出できた場合は、そのアドレススロットを新規のトラックナンバーポインタ(P−TNO)で指定する(ステップS93)。例えば、通常のトラック(秘匿のなされていないトラック)が3まであるとするとP−TNO4で指定し、すでにトラック4の公開処理を行なったならばP−TNO5で指定する。続いて、公開されたアドレススロットをディフェクトアドレスから外すよう、当該アドレススロットを指すディフェクトアドレスポインタP−DFA、またはディフェクトアドレススロットのリンクポインタLINK−Pを更新する(ステップS94)。さらに、抽出されたスロットのトラックモードバイトのd4を“0”とし、d5,d6の組み合わせが1,1の場合は、これを0,1に戻す。なお、d5,d6の組み合わせが当初から0,1であった場合、そのスロットのリンクポインタLINK−Pをクリアする(ステップS95)。これにより、1トラック分の公開処理を完了し、再びステップS92に戻り、さらに次のスロット(秘匿トラックアドレススロット)の抽出を行なう。
【0141】
このようにして、全ての秘匿アドレススロット(トラックモードバイトのd4が“1”であるスロット)の抽出が終了し、d4が“1”のスロットがなくなると、秘匿トラックの公開により増加したトラック番号(トラックナンバー)も含むようにラストトラックナンバー(LastTNO)を更新してすべての秘匿トラックの公開を完了する(ステップS96)。
【0142】
このように、図18の装置では、秘匿トラックについては、公開処理を行なわない限り、再生や上書きがなされないよう、これを秘匿保護することができる。そして、秘匿したトラックは公開処理を行なうことにより再生可能な通常の状態に戻すことができる。具体的には、公開処理に条件を付けることなどにより、例えばパスワードを入力しそれと一致することなどを条件として、再生可能な状態に戻すことができる。
【0143】
すなわち、全てのトラックに対し公開または非公開の選択を行なうことができ、公開されているデータについては、これを記録,再生,消去することができるが、公開されていないデータに対しては記録,再生,消去を行なうことができず、記録データの秘匿ができる。通常のMDプレーヤは、秘匿を行なったデータはディフェクト領域として確認するため、誤って秘匿を行なったデータを読み込むことがなく、また、新たにデータを上書きすることもない。このように、通常のMDと互換性を有しつつ、かつ、他の信号データの記録,再生を行なうことができる。
【0144】
なお、図8,図18の記録/再生装置では、再生,記録の両方の機能が備わっているとしたが、これを再生機能だけを備えた再生装置として構成することもでき、また、記録機能だけを備えた記録装置として構成することもできる。すなわち、図8,図18の各装置を再生機能のみを持つ再生装置,記録機能のみをもつ記録装置というようにそれぞれ別個の装置として構成することもできる。
【0145】
ここで、再生機能のみをもつ再生装置として構成する場合には、ATRAC部4,EFMエンコーダ/デコーダ部7は、少なくともデコーダの機能をもつものであれば良く、また、デジタルオーディオインタフェース20は、少なくともデジタルオーディオインタフェース信号の送信出力機能をもつものであれば良い。
【0146】
また、記録機能のみをもつ記録装置として構成する場合には、ATRAC部4,EFMエンコーダ/デコーダ部7は、少なくともエンコーダの機能をもつものであれば良く、また、デジタルオーディオインタフェース20は、少なくともデジタルオーディオインタフェース信号の受信機能をもつものであれば良い。
【0147】
また、上述の実施形態では、記録媒体100がミニディスクであるとしたが、ミニディスクに限らず、任意の記録媒体に対して本発明を適用することもできる。
【0148】
また、図21,図22の処理例では、トラック記録がなされた後、すなわち情報データの記録がなされた後、記録のなされたトラック(情報データ)に対して秘匿を行なう旨の指定を行なっているが、トラック記録がなされるに先立って、すなわち情報データの記録がなされるに先立って、秘匿を行なう旨の指定を行なうことも可能である。
【0149】
【発明の効果】
以上に説明したように、請求項1,請求項2記載の発明によれば、標準データのみを記録する記録媒体専用の記録/再生装置に、標準データのみならず特殊データをも記録可能な記録媒体がセットされるときに、標準データのみを記録する記録媒体専用の記録/再生装置にとって、特殊データが記録される領域が隠され、特殊データが記録される領域が該記録/再生装置から保護されるように、特殊データが記録される領域を管理するようになっているので、標準(圧縮)データ,特殊データを1つの記録媒体に記録する場合にも、記録媒体内に標準(圧縮)データ,特殊データを混乱なく共存させることができ、この記録媒体への標準(圧縮)データ,特殊データの記録,再生動作の管理を容易に行なうことができる。
【0150】
さらに、請求項1,請求項2記載の発明によれば、特殊データが記録される領域をディフェクト領域として指定する場合に、該ディフェクト領域を、真の欠陥部分のディフェクト領域と識別可能に指定するので、特殊データが記録される領域をディフェクト領域として指定する場合にも、これを真の欠陥部分の領域と区別させることができる。
【0151】
また、請求項3,請求項4記載の発明によれば、記録媒体に標準データを記録する場合は、記録媒体の管理領域に標準データが記録される領域を特定する管理情報を、該管理情報が標準データ記録領域を指示するものであるように書き込み、また、標準データ以外の特殊データを記録する場合あるいは記録媒体上に欠陥部分が含まれる場合は、記録媒体の管理領域に特殊データが記録される領域を特定する管理情報を、また、記録媒体上の欠陥部分の領域を特定する管理情報を、これらの管理情報が記録媒体上のディフェクト領域を指示するものであるように管理領域に書込み、さらに、特殊データを記録する場合は、上記管理情報に特殊データである旨の識別情報を付加して該管理情報を管理領域に書込み、また、記録媒体上の欠陥部分の領域を記録する場合は、上記管理情報に真のディフェクト領域である旨の識別情報を付加して該管理情報を管理領域に書込むので、管理領域に記録された各管理情報が、標準データに関するものであるのかディフェクト領域に関するものであるのかを認識させ、また、ディフェクト領域として認識された場合、これが特殊データに関するものであるのか、真のディフェクト領域に関するものであるのかを認識させることが可能となる。
【0152】
また、請求項5,請求項6記載の発明によれば、記録媒体の管理領域から管理情報を読み取り、読み取った管理情報が標準データが記録された領域を指示するものであると判断された場合は、該領域のデータを標準データとして認識して標準データ用の再生処理を行ない、読み取った管理情報が特殊データが記録された領域を指示するものであると判断された場合は、該領域のデータを特殊データとして認識して特殊データ用の再生処理を行ない、また、読み取った管理情報が真のディフェクト領域を指示するものであると判断された場合は、該領域のデータについて再生処理を行なわないので、1つの記録媒体内に標準データと特殊データとが混在して記録されている場合にも、この記録媒体から標準データ,特殊データを正しく再生することができる。
【0153】
また、請求項7,請求項8,請求項11記載の発明によれば、記録媒体に情報データの記録を行なう記録方法において、秘匿を行なう情報データを記録する場合あるいは記録媒体上に欠陥部分が含まれる場合は、記録媒体の管理領域に秘匿を行なう情報データが記録される領域を特定する管理情報を、また、記録媒体上の欠陥部分の領域を特定する管理情報を、これらの管理情報が記録媒体上のディフェクト領域を指示するものであるように管理領域に書込み、さらに、秘匿を行なう情報データを記録する場合は、上記管理情報に秘匿を行なう情報データである旨の識別情報を付加して該管理情報を管理領域に書込み、また、記録媒体上の欠陥部分の領域を記録する場合は、上記管理情報に真のディフェクト領域である旨の識別情報を付加して該管理情報を管理領域に書込むので、特定の情報データを秘匿し、保護することができる。
【0154】
また、請求項9,請求項10,請求項12記載の発明によれば、記録媒体に記録されている情報データを再生する再生方法において、記録媒体の管理領域から管理情報を読み取り、読み取った管理情報が秘匿を行なわない情報データが記録された領域を指示するものであると判断された場合は、該領域の情報データの再生を行ない、読み取った管理情報が秘匿を行なうデータが記録された領域または真のディフェクト領域を指示するものであると判断された場合は、該領域のデータを秘匿し、該領域のデータについて再生処理を行なわないので、特定の情報データを秘匿し、保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】在来の一般的な記録/再生装置の構成例を示す図である。
【図2】ATRAC部のエンコーダの処理を説明するための図である。
【図3】サウンドグループを説明するための図である。
【図4】ATRAC部のデコーダの処理を説明するための図である。
【図5】記録可能MDのデータ構造を説明するための図である。
【図6】記録可能MDの構成例を示す図である。
【図7】UTOC領域のセクタ0のフォーマットを示す図である。
【図8】本発明に係る記録/再生装置の構成例を示す図である。
【図9】本発明に係る記録/再生装置において特殊データを記録媒体(ミニディスク)に記録するための構成例を示す図である。
【図10】本発明に係る記録/再生装置において、記録媒体に記録されている特殊データを再生するための構成例を示す図である。
【図11】ショックプルーフメモリの構成例を示す図である。
【図12】トラックモードバイトのd4,d5,d6の各ビットの扱いを説明するための図である。
【図13】ミニディスクのUTOC領域の記録例を示す図である。
【図14】本発明の記録媒体管理方法,記録/再生装置を適用したミニディスク記録再生装置の具体例を示す図である。
【図15】本発明の記録再生装置によるTOCデータの書き換え処理の処理流れを示すフローチャートである。
【図16】本発明の記録再生装置によるイニシャル処理の処理流れを示すフローチャートである。
【図17】本発明の記録再生装置による再生処理の処理流れを示すフローチャートである。
【図18】本発明に係る記録/再生装置の他の構成例を示す図である。
【図19】図18の記録/再生装置において、情報データ(秘匿を行なわない情報データあるいは秘匿を行なう情報データ)を記録媒体に記録するための構成例を示す図である。
【図20】図20は図18の記録/再生装置において、記録媒体に記録されている情報データを再生するための構成例を示す図である。
【図21】図18の記録/再生装置における秘匿する秘匿処理の一例を示すフローチャートである。
【図22】図18の記録/再生装置における秘匿トラック公開処理の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
2 A/D変換器
3 D/A変換器
4 ATRAC部(データ圧縮手段)
5 ショックプルーフメモリ
6 ショックプルーフメモリコントローラ
7 EFMエンコーダ/デコーダ部
8 コントローラ部
9 特殊データインタフェース手段(特殊データ取込手段)
10 切替部
20 デジタルオーディオインタフェース(DAI)
30 指定手段
31 確認手段
32 メモリ手段
33 書込手段
34 UTOC記憶手段
35 UTOC書込手段
36 UTOC読出手段
37 UTOC記憶手段
38 再生手段
100 記録媒体

Claims (12)

  1. 標準データのみを記録する記録媒体専用の記録/再生装置に、標準データのみならず特殊データをも記録可能な記録媒体がセットされるときに、標準データのみを記録する記録媒体専用の記録/再生装置にとって、特殊データが記録される領域が隠され、特殊データが記録される領域が該記録/再生装置から保護されるように、特殊データが記録される領域を管理するようになっている記録媒体管理方法であって、標準データ用の管理情報が記録される記録媒体の管理領域に、特殊データが記録される領域をディフェクト領域として指定可能になっており、特殊データが記録される領域をディフェクト領域として指定する場合に、該ディフェクト領域を、真の欠陥部分のディフェクト領域と識別可能に指定することを特徴とする記録媒体管理方法。
  2. 記録媒体に、標準データの他に、さらに、標準データ以外の特殊データをも記録可能であって、特殊データを記録する場合には、標準データ用の管理情報が記録される記録媒体の管理領域に、標準データ用の管理情報とは異質の形態で、特殊データ用の管理情報を記録させるようになっていることを特徴とする記録媒体管理方法であって、標準データ用の管理情報が記録される記録媒体の管理領域に、特殊データが記録される領域をディフェクト領域として指定可能になっており、特殊データが記録される領域をディフェクト領域として指定する場合に、該ディフェクト領域を、真の欠陥部分のディフェクト領域と識別可能に指定することを特徴とする記録媒体管理方法。
  3. 記録媒体に、標準データの他に、さらに、標準データ以外の特殊データをも記録可能な記録装置であって、標準データを記録する場合は、記録媒体の管理領域に標準データが記録される領域を特定する管理情報を、該管理情報が標準データ記録領域を指定するものであるように書き込み、また、標準データ以外の特殊データを記録する場合あるいは記録媒体上に欠陥部分が含まれる場合は、記録媒体の管理領域に特殊データが記録される領域を特定する管理情報を、また、記録媒体上の欠陥部分の領域を特定する管理情報を、これらの管理情報が記録媒体上のディフェクト領域を指示するものであるように管理領域に書込む書込手段を備え、該書込手段は、さらに、特殊データを記録する場合は、上記管理情報に特殊データである旨の識別情報を付加して該管理情報を管理領域に書込み、また、記録媒体上の欠陥部分の領域を記録する場合は、上記管理情報に真のディフェクト領域である旨の識別情報を付加して該管理情報を管理領域に書込むことを特徴とする記録装置。
  4. 記録媒体に、標準データの他に、さらに、標準データ以外の特殊データをも記録可能な記録方法であって、標準データを記録する場合は、記録媒体の管理領域に標準データが記録される領域を特定する管理情報を、該管理情報が標準データ記録領域を指示するものであるように書き込み、また、標準データ以外の特殊データを記録する場合あるいは記録媒体上に欠陥部分が含まれる場合は、記録媒体の管理領域に特殊データが記録される領域を特定する管理情報を、また、記録媒体上の欠陥部分の領域を特定する管理情報を、これらの管理情報が記録媒体上のディフェクト領域を指示するものであるように管理領域に書込み、さらに、特殊データを記録する場合は、上記管理情報に特殊データである旨の識別情報を付加して該管理情報を管理領域に書込み、また、記録媒体上の欠陥部分の領域を記録する場合は、上記管理情報に真のディフェクト領域である旨の識別情報を付加して該管理情報を管理領域に書込むことを特徴とする記録方法。
  5. 標準データの他に、さらに、標準データ以外の特殊データが記録されている記録媒体を再生する再生装置であって、記録媒体の管理領域から管理情報を読み取る管理情報読取手段と、読み取った管理情報が標準データが記録された領域を指示するものであると判断された場合は、該領域のデータを標準データとして認識して標準データ用の再生処理を行ない、読み取った管理情報が特殊データが記録された領域を指示するものであると判断された場合は、該領域のデータを特殊データとして認識して特殊データ用の再生処理を行なう再生手段とを有し、該再生手段は、読み取った管理情報が真のディフェクト領域を指示するものであると判断された場合は、該領域のデータについて再生処理を行なわないことを特徴とする再生装置。
  6. 標準データの他に、さらに、標準データ以外の特殊データが記録されている記録媒体を再生する再生方法であって、記録媒体の管理領域から管理情報を読み取り、読み取った管理情報が標準データが記録された領域を指示するものであると判断された場合は、該領域のデータを標準データとして認識して標準データ用の再生処理を行ない、読み取った管理情報が特殊データが記録された領域を指示するものであると判断された場合は、該領域のデータを特殊データとして認識して特殊データ用の再生処理を行ない、また、読み取った管理情報が真のディフェクト領域を指示するものであると判断された場合は、該領域のデータについて再生処理を行なわないことを特徴とする再生方法。
  7. 記録媒体に情報データの記録を行なう記録方法において、秘匿を行なう情報データを記録する場合あるいは記録媒体上に欠陥部分が含まれる場合は、記録媒体の管理領域に秘匿を行なう情報データが記録される領域を特定する管理情報を、また、記録媒体上の欠陥部分の領域を特定する管理情報を、これらの管理情報が記録媒体上のディフェクト領域を指示するものであるように管理領域に書込み、さらに、秘匿を行なう情報データを記録する場合は、上記管理情報に秘匿を行なう情報データである旨の識別情報を付加して該管理情報を管理領域に書込み、また、記録媒体上の欠陥部分の領域を記録する場合は、上記管理情報に真のディフェクト領域である旨の識別情報を付加して該管理情報を管理領域に書込むことを特徴とする記録方法。
  8. 請求項7記載の記録方法において、秘匿を行なう情報データが記録された領域については、記録,再生,消去が禁止されることを特徴とする記録方法。
  9. 記録媒体に記録されている情報データを再生する再生方法において、記録媒体の管理領域から管理情報を読み取り、読み取った管理情報が秘匿を行なわない情報データが記録された領域を指示するものであると判断された場合は、該領域の情報データの再生を行ない、読み取った管理情報が秘匿を行なうデータが記録された領域または真のディフェクト領域を指示するものであると判断された場合は、該領域のデータを秘匿し、該領域のデータについて再生処理を行なわないことを特徴とする再生方法。
  10. 請求項9記載の再生方法において、記録媒体の管理領域から管理情報を読み取り、読み取った管理情報が秘匿を行なうデータが記録された領域である場合には、許可確認が得られた場合に限って、該領域のデータについて再生処理を行なうことを特徴とする再生方法。
  11. 記録媒体に情報データの記録を行なう記録装置において、記録される情報データに対して、秘匿を行なうか否かを指定する指定手段と、指定手段から秘匿を行なわない情報データを記録する旨の指示がある場合は、記録媒体の管理領域に秘匿を行なわない情報データが記録される領域を特定する管理情報を、該管理情報が秘匿を行なわない情報データの記録領域を指定するものであるように書き込み、また、前記指定手段から秘匿を行なう情報データを記録する旨の指示がある場合あるいは記録媒体上に欠陥部分が含まれる場合は、記録媒体の管理領域に秘匿を行なう情報データが記録される領域を特定する管理情報を、また、記録媒体上の欠陥部分の領域を特定する管理情報を、これらの管理情報が記録媒体上のディフェクト領域を指示するものであるように管理領域に書込む書込手段を備え、該書込手段は、さらに、秘匿を行なう情報データを記録する場合は、上記管理情報に秘匿を行なう情報データである旨の識別情報を付加して該管理情報を管理領域に書込み、また、記録媒体上の欠陥部分の領域を記録する場合は、上記管理情報に真のディフェクト領域である旨の識別情報を付加して該管理情報を管理領域に書込むことを特徴とする記録装置。
  12. 記録媒体に記録されている情報データを再生する再生装置において、記録媒体の管理領域から管理情報を読み取る管理情報読取手段と、記録媒体に記録されている情報データの再生を行なう再生手段と、秘匿を行なう情報データを再生するための許可確認を行なう確認手段とを有し、前記再生手段は、読み取った管理情報が秘匿を行なわない情報データが記録された領域を指示するものであると判断された場合は、該領域のデータを秘匿を行なわないデータとして認識して再生処理を行ない、また、前記再生手段は、読み取った管理情報が秘匿を行なう情報データが記録された領域を指示するものであると判断された場合は、該領域のデータを秘匿を行なう情報データとして認識して、前記確認手段によって許可確認が得られた場合にのみ、該情報データについて再生処理を行ない、また、前記再生手段は、読み取った管理情報が真のディフェクト領域を指示するものであると判断された場合は、該領域のデータについて再生処理を行なわないことを特徴とする再生装置。
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