JP3597622B2 - ウレトジオン基を含有し、二量化ジオールで変性された粉末塗料用架橋剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、二量化ジオールで変性されたウレトジオン基を含有する重付加化合物、その製造方法、並びに熱架橋性粉末塗料用の架橋剤としての用途に関する。
【0002】
【従来の技術】
ブロックトポリイソシアネートと有機ポリヒドロキシル化合物との組み合わせは、室温では固体状態であるが、熱架橋性粉末塗料のバインダーとして有用である(例えば、ドイツ特許出願公開明細書第2,105,777号、同第2,542,191号、同第3,143,060号、同第2,735,497号、同第2,842,641号、欧州特許出願公開明細書第286,799号、同第218,040号、同第460,963号、ドイツ特許出願公開明細書第2,801,126号、欧州特許出願公開明細書第403,779号、PCT国際公開第WO91/15532号、米国特許発明明細書第3,857,818号、同第4,375,539号、欧州特許出願公開明細書第409,745号、ドイツ特許出願公開明細書第2,812,252号、同第2,946,085号、及び同第3,434,881号参照)。
上述の先行刊行物に記載された系は、熱架橋の際に、ブロッキング剤として使用される化合物が分解し、外界に逃れてしまうという共通の欠点を有する。従って、環境及び健康の面から、排気空気の精製及び/またはブロッキング剤の回収のために、このような物質を扱う際には特別な予防対策が必要となる。
この欠点を克服する手段の一つとして、ウレトジオン基を含有するが、ブロッキング剤を含まないポリイソシアネート架橋剤を使用する方法が挙げられる。
【0003】
上述の粉末架橋剤の製造は公知である。例えば、ドイツ特許出願公開明細書第2,420,475号には、焼付ポリウレタン(PUR)用の架橋剤が記載されている。この架橋剤はブロッキング剤を含まず、ウレトジオン基を含有するポリイソシアネートまたはポリイソシアネート混合物を、1個または2個、好ましくは2個のイソシアネート反応性基を有する脂肪族または脂環式化合物と反応させることによって得られる。特に、エーテル基を任意に含有する単純ジオール(simple diol) と、トルイレンジイソシアネート(TDI)のような芳香族ジイソシアネートから調製されたウレトジオン基を含有するポリイソシアネートとを反応させることにより、140〜260℃の融点を有する固体架橋剤が得られる。
ヒドロキシ官能性反応物の存在下では、ウレトジオン基の分解は約110℃の低温度で起こるため、架橋剤は溶融状態では製造できず、イソシアネートに対して不活性な溶剤中にて調製しなければならない。そのため、添加溶剤を除去する追加工程が必要となる。
【0004】
欧州特許出願公開明細書第0,045,994号、同第0,045,996号並びに同第0,045,998号には、直鎖状二官能性IPDIウレトジオン、エーテル基を任意に含有する単純ジオール、及び任意に連鎖停止モノアミンまたはモノアルコールから調製されたウレトジオン基を含有する粉末架橋剤が開示されている。このような重付加物の製造では、ウレトジオン基の分解を防ぐため、反応温度は110℃を越えてはならない。さらに、高ウレトジオン官能価と高架橋密度とを有する架橋剤に必要な鎖伸長度が高くなる場合には、即ち、二官能性IPDIウレトジオン中のNCO基のうち少なくとも70%がジオールと反応して鎖伸長を生じる場合には、分解温度またはそれ以上の温度で溶融する物質が製造される。従って、溶液中以外では重付加化合物を確実かつ再現性よく製造することはできず、このためさらに蒸発工程が必要となる。
上述の先行刊行物に記載されたIPDIウレトジオン粉末架橋剤は、分解温度よりもかなり低い約80℃の融点を有するが、適切な攪拌を行うことができないため、最大許容反応温度である110℃では工場規模における溶融状態での製造の可能性を制限するような高溶融粘度を有する。
また、溶融粘度が高いため、ウレトジオン基を含有する公知の架橋剤から製造された粉末ラッカーは、光学特性、特にレベリング特性に劣る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述した先行技術の重付加物の欠点を伴わないウレトジオン基を含有するPUR粉末架橋剤を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の目的は、以下に詳細に記載する本発明の重付加化合物によって達成される。この重付加化合物は、ジオール化合物を二量化アルコールの形態で付加的に使用して製造されたウレトジオン基を含有する重付加化合物が、その融点よりわずかに高い温度でも、溶融状態で容易に製造できるほど低い溶融粘度を有し、さらに、この重付加化合物を使用すると、優れたレベリング特性と非常に高い光沢とを有する粉末塗料を得ることができるという驚くべき観察に基づいている。特に驚くべきことに、本発明の重付加化合物を架橋剤として含有するPUR粉末塗料は、二量化アルコールを用いずに製造された先行技術の重付加化合物の場合よりも明らかに低い焼付温度で硬化し、完全に架橋した被膜を形成するのである。
本発明は、40℃未満では固体であり、かつ125℃より高い温度では液体である重付加化合物に関するものであり、前記重付加化合物は、
a)0〜2重量%の遊離イソシアネート基(NCOで計算、分子量42)、
b)3〜16重量%のウレトジオン基(C2 N2 O2 で計算、分子量84)、及び
c)10〜22重量%のウレタン基(−NH−CO−O−で計算、分子量59、このうち少なくとも1重量%は二量化ジオールとイソシアネート基との反応により得られたものである)
を含有する。
【0007】
また、本発明は、
A)ウレトジオン基を含有し、かつ平均イソシアネート官能価が少なくとも2.0であるポリイソシアネート、並びに
B)成分A)及びB)の全重量に対し任意に70重量%までの成分A)以外のジイソシアネートと、
C)二量化ジオール、
D)成分C)及びD)の全重量に対し任意に70重量%までの成分C)以外の分子量が62〜300のジオール、並びに
E)成分C)、D)及びE)の全重量に対し任意に40重量%までのイソシアネート反応性基を1個有する化合物とを
1.2:1〜0.6:1のイソシアネート基:イソシアネート反応性基の当量比にて反応させることからなる上述の重付加化合物の製造方法にも関する。
さらに、本発明は、上述の重付加化合物をポリウレタンプラスチックの製造において出発成分として使用すること、特に耐熱性支持体を被覆する熱架橋性二成分ポリウレタン粉末塗料において架橋剤として使用することにも関する。
【0008】
出発化合物A)は、ウレトジオン基を含有し、かつ平均イソシアネート官能価が少なくとも2.0、好ましくは2.0〜2.5であり、NCO含有量が10〜30重量%であるポリイソシアネートから選択される。このポリイソシアネートは、単量体ジイソシアネートのイソシアネート基の一部を触媒二量化する公知の方法にて得られる。好ましくは、過剰の未反応ジイソシアネートを薄層蒸留等により分離して残留分を0.5重量%以下にする。
出発化合物A)は、分子量が140〜400である脂肪族性、脂環式性、芳香脂肪族性及び/または芳香族性結合イソシアネート基を含有するあらゆるジイソシアネート、例えば、1,4−ジイソシアナトブタン、1,6−ジイソシアナトヘキサン、1,5−ジイソシアナト−2,2−ジメチルペンタン、2,2,4−または2,4,4−トリメチル−1,6−ジイソシアナトヘキサン、1,10−ジイソシアナトデカン、1,3−及び1,4−ジイソシアナトシクロヘキサン、1,3−ジイソシアナト−2(4)−メチルシクロヘキサン、1−イソシアナト3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート)、1−イソシアナト−1−メチル−4(3)−イソシアナトメチルシクロヘキサン、4,4’−ジイソシアナトジシクロヘキシルメタン、1,3−及び1,4−フェニレンジイソシネート、2,4−及び/または2,6−トルイレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4’−及び/または−4,4’−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、並びにこれらの混合物といったジイソシアネートから調製される。
【0009】
上述のジイソシアネートからイソシアネート基の二量化により出発化合物A)を調製するための触媒は公知であり、米国特許発明明細書第4,614,785号、第4欄、第11行〜第47行及びドイツ特許出願公開明細書第1,934,763号及び同第3,900,053号に記載されている第三級有機ホスフィン、ドイツ特許出願公開明細書第3,030,513号、同第3,227,779号及び同第3,37,635号に記載されているトリス−(ジアルキルアミノ)−ホスフィン、ドイツ特許出願公開明細書第1,081,895号及び同第3,739,549号に記載されている置換ピリジン、欧州特許出願公開明細書第471,603号に記載されている置換イミダゾールまたはベンズイミダゾール等が含まれる。
好適な出発化合物A)は、ウレトジオン基を含有するポリイソシアネートであり、脂肪族性及び/または脂環式性結合イソシアネートを有するジイソシアネートから調製されたものである。
【0010】
NCO含有量が19.5〜25.0重量%でありウレトジオン基含有量(C2 N2 O2 )が15.0〜25重量%である1,6−ジイソシアナトヘキサン(HDI)に基づくウレトジオン基を含有するポリイソシアネート、またはNCO含有量が15.0〜18.9重量%でありウレトジオン基含有量が12.0〜18.9重量%である1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン(IPDI)に基づくウレトジオン基を含有するポリイソシアネートを用いるのが特に好適である。ウレトジオン基を含有するポリイソシアネートの混合物も好適であり、特にNCO含有量が16.0〜24.0重量%かつウレトジオン基含有量が13.0〜24.0重量%でありHDIとIPDIの混合物の二量化により得られるポリイソシアネートが好適である。
ウレトジオン基を含有するポリイソシネートを触媒二量化により調製する公知の方法では、二量化反応はしばしば三量化反応を伴い、二官能性よりも高官能性のイソシアネート基含有ポリイソシアネートが得られる。従って、成分A)の平均NCO官能価は、遊離のNCO基に基づいて、好ましくは2.0〜2.5である。
【0011】
他のジイソシアネートB)は、成分A)と混合して任意に使用することができる。例としては、出発化合物A)の調製に用いる上述のジイソシアネートが挙げられ、前記ジイソシアネートは脂肪族性、脂環式性、芳香脂肪族性及び/または芳香族性結合イソシアネートを含有するものである。ジイソシネートB)を使用する場合、その量は、成分A)及びB)の全重量に対して70重量%まで、好ましくは50重量%までである。
出発成分A)及びB)の混合物は、ウレトジオン基を含有するポリイソシアネートの単量体ジイソシアネート溶液とすることができ、出発成分A)の製造にて、触媒二量化の後に過剰の未反応ジイソシアネートを分離しない場合に得られる。出発成分A)及びB)の全量におけるジイソシアネートB)の割合は、70重量%までとすることができる。ジイソシアネートB)は、好ましくは脂環式結合性イソシアネート基を有するジイソシアネートから選択される。1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン及び/または4,4’−ジイソシアナトジシクロヘキシルメタンを、ジイソシアネートB)として用いるのが特に好適である。
【0012】
出発化合物C)は、ドイツ特許出願公告明細書第1,768,313号に記載されているように、二量化脂肪酸及び/またはその対応するエステルの水素添加等の公知の方法により得られる二量化ジオールから選択される。オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、パルミトール酸(palmitoleic acid)、エライジン酸、エルカ酸及び/またはこれらのエステルの二量化物が好適である。例えば、オリーブ油、ひまわり油、大豆油、綿実油及び/またはトール油等の天然脂肪及び/または油のクラッキングの際に得られるようなモノ−またはポリ−不飽和脂肪酸混合物の二量化物がさらに好ましい。
二量化反応の条件によって、二量化脂肪酸は、少量から多量のオリゴマー脂肪酸及び/または微量の単量体脂肪酸またはこれらのエステルを伴う。二量化脂肪酸または脂肪酸エステルが、比較的多量の単量体脂肪酸または脂肪酸エステルを含む場合、水素添加して二量化ジオールとする前または後に、蒸留により単量体物質を、好ましくは1〜4個の炭素原子を含有する低級アルコールの脂肪酸エステルとして、分離するのが有利である。
【0013】
二量化脂肪酸またはこれらのエステルは、ドイツ特許出願公告明細書第1,768,313号に従い、従来のガス循環を備えた連続操作加圧水素添加装置内で銅含有及び/または亜鉛含有触媒の存在下にて水素添加することができる。この条件下では、脂肪酸のカルボキシル基は水素添加されて水酸基となり、任意に二量化脂肪酸またはこれらのエステル中の二重結合も部分的にまたは完全に水素添加される。また、水素添加の際に二重結合を完全に保持するように水素添加を行うこともできる。この場合、不飽和二量化ジオールが生成し、任意に三量化トリオール及び残存モノマーも含んでいる。しかしながら、二重結合が少なくとも部分的にまたは完全に水素添加されるように水素添加を行うのが好ましい。
完全に飽和した二量化ジオールを製造する別の方法は、飽和二量化脂肪酸を水素添加によって対応する飽和二量化ジオールに転換するものである。
シリカ/アルミナ触媒の存在下での不飽和アルコールの二量化による二量化ジオールの製造は、PCT国際公開第WO91/13981号に開示されている。使用する不飽和アルコールは、パルミトレイル(palmitoleyl) 、オレイル、エライジル、リノリル、リノレイル及びエルシルアルコール等のモノ−及び/またはポリ−不飽和脂肪アルコールである。この方法で得られた不飽和二量化ジオール中の二重結合を、任意に部分的にまたは完全に水素添加することができる。
【0014】
本発明の方法に使用する出発化合物C)は、好ましくは、18個の炭素原子を有する脂肪酸またはこれらのエステルまたは脂肪アルコールから上述の方法のいずれかにて得られる36個の炭素原子を有する二量化ジオールである。
上述したように、上述の方法で製造される二量化ジオールも、少量から多量の三量化トリオール及び残存モノマーを含有し、真の二量化ジオールの割合は通常70重量%よりも多い。本発明では「二量化ジオール」という語は、真の二量化ジオールだけでなく対応する単量体アルコール及び対応する高級同族体、特に対応するトリオールと二量化ジオールとの工業用混合物も包含する。二量化ジオールC)は、好ましくは、水酸基含有量及びヒドロキシル官能価から計算した平均分子量が500〜670であり、平均ヒドロキシル官能価が1.9〜2.2である。
最も好適な二量化ジオールは、上述の方法で製造された90〜99重量%の二量化ジオールを含有するものである。これらのうち、とくに好ましいのは、二重結合が少なくとも部分的にまたは完全に水素添加された二量化ジオールである。
出発化合物C)は、好ましくは成分A)〜E)の全重量に対して20〜45重量%、さらに好ましくは25〜40重量%の量で使用される。
【0015】
ジオールD)は、本発明の方法に任意に使用することができる。例としては、62〜300の分子量を有する二価アルコール、例えば1,2−エタンジオール、1,2−及び1,3−プロパンジオール、異性体ブタンジオール、異性体ペンタンジオール、異性体ヘキサンジオール、異性体ヘプタンジオール、異性体オクタンジオール、1,2−及び1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール並びに4,4’−(1−メチルエチリデン)ビシクロヘキサノール等が挙げられる。
ジオールD)は、任意に、成分C)及びD)の全重量に対して70重量%まで、好ましくは50重量%までの量で使用される。
【0016】
イソシアネート基に対して単官能性の反応性を有する化合物E)も、本発明の方法に任意に使用することができる。例としては、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、異性体ブチルアミン、異性体ペンチルアミン、異性体ヘキシルアミン、異性体オクチルアミン、n−ドデシルアミン、n−テトラデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、n−オクタデシルアミン、シクロヘキシルアミン、異性体メチルシクロヘキシルアミン及びアミノメチルシクロヘキサン等の脂肪族または脂環式第一級モノアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ビス−(2−エチルヘキシル)−アミン、N−メチル及びN−エチルシクロヘキシルアミン及びジシクロヘキシルアミン等の脂肪族または脂環式第二級モノアミン、並びにメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、異性体ペンタノール、異性体ヘキサノール、異性体オクタノール、異性体ノナノール、n−デカノール、n−ドデカノール、n−テトラデカノール、n−ヘキサデカノール、n−オクタデカノール、シクロヘキサノール、異性体メチルシクロヘキサノール及びヒドロキシメチルシクロヘキサン等の脂肪族または脂環式モノアルコールが挙げられる。
単官能性化合物E)は、任意に、成分C)、D)及びE)の全重量に対して40重量%まで、好ましくは25重量%までの量で使用される。好ましくは、化合物は脂肪族または脂環式モノアルコールである。
【0017】
本発明の反応では、ウレトジオン基を含有するポリイソシアネートA)及び任意にジイソシアネートB)と、二量化ジオールC)及び任意にジオールD)及び単官能性化合物E)とを、イソシアネート基:イソシアネート反応性基の当量比が1.2:1〜0.6:1、好ましくは1.1:1〜0.8:1となるような量で、40℃〜110℃、好ましくは60℃〜105℃の温度にて反応させる。
当量あるいは過剰量のイソシアネート基を使用する場合には、残留NCO含有量が2.0重量%以下、このましくは1.2重量%未満、さらに好ましくは0.9重量%未満となるまで反応を続ける。化学量論量未満のイソシアネート基を使用する場合には、残留NCO含有量が0.5重量%未満、このましくは0.2重量%未満となるまで、さらに好ましくは全てのイソシアネート基が完全に反応するまで反応を続ける。出発化合物の性質及び割合を、得られる重付加化合物が基a)〜c)を必要量含有するように選択する。重付加化合物中の遊離のイソシアネート基a)の含有量は好ましくは1.2重量%未満、さらに好ましくは0.9重量%未満であり、ウレトジオン基b)の含有量は好ましくは5〜15重量%、さらに好ましくは7〜14重量%であり、ウレタン基c)の含有量は好ましくは11〜20重量%、さらに好ましくは12〜17重量%であり、このうち好ましくは少なくとも2重量%、さらに好ましくは2〜11重量%は二量化ジオールとイソシアネート基との反応により得られたものである。重付加化合物は40℃未満では固体、125℃より高い温度では液体であり、好ましくは示差熱分析(DTA)にて測定して40℃〜110℃、さらに好ましくは50℃〜100℃の融点または融点範囲を有する。
【0018】
融点または融点範囲よりわずかに高い温度では、ウレトジオン基を含有する本発明の重付加物は非常に低い溶融粘度を有する。従って、ウレトジオン基の分解温度未満の温度にて本発明の方法により溶融状態で重付加物を容易に製造することができる。
必ずしも必要ではないが、任意に、イソシアネート基に対して不活性である好適な溶剤中にて反応を行うこともできる。これはあまり好ましい態様ではないが、この場合に適した溶剤の例としては、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノメチルまたはモノエチルエーテルアセテート、1−メトキシプロピル−2−アセテート、2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロヘキサノン、トルエン、プロピレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルまたはブチルエーテルアセテート、n−メチルピロリドン、n−メチルカプロラクタム及びこれらの混合物等の公知のラッカー溶剤が挙げられる。
反応の最後に、吸引、スプレードライまたは溶融物の蒸発スクリューへの押出等により、得られた生成物からこの任意の溶剤を分離しなければならない。
【0019】
トリエチルアミン、ピリジン、メチルピリジン、ベンジルジメチルアミン、N,N−エンドエチレンピペラジン、N−メチルピペリジン、ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N−ジメチルアミノシクロヘキサン及びN,N’−ジメチルピペラジン等の第三級アミン、並びに塩化鉄(III) 、塩化亜鉛、2−エチルカプロン酸亜鉛、エチルカプロン酸スズ(II)、ジラウリン酸ジブチルスズ(IV)及びグリコール酸モリブデン等の金属塩といったポリウレタン化学の分野で公知慣用の触媒を使用して反応を促進することができる。
触媒は、任意に、出発化合物の全重量に対して0.001〜2.0重量%、好ましくは0.01〜0.2重量%の量で使用される。
【0020】
本発明の重付加化合物は、イソシアネート重付加方法によるポリウレタンプラスチックの製造において有用な出発材料である。好ましくはブロッキング剤を含まない熱硬化性PUR粉末塗料用の架橋成分として使用される。
本発明の重付加化合物に適した反応物には、粉末ラッカー技術から公知のイソシアネート基と反応可能な基(水酸基、カルボキシル基、アミノ基、チオール基、ウレタン基または尿素基等)を含有するバインダーが含まれる。40℃未満で固体であり130℃より高い温度で液体であるヒドロキシ官能性粉末ラッカーバインダーを使用するのが好ましい。このヒドロキシ官能性樹脂の軟化温度は、示差熱分析(DTA)により求めることができ、好ましくは30℃〜120℃、さらに好ましくは35℃〜110℃である。
この共反応物のヒドロキシル価は25〜200、好ましくは30〜130であり、数平均分子量(Mn 、官能価及び水酸基含有量から計算したもの)は通常400〜10,000、好ましくは1000〜5000である。
上述の先行技術刊行物並びに欧州特許出願公開明細書第0,045,998号及び同第0,254,152号に記載されているように、好適な粉末ラッカーバインダーには、水酸基を含有するポリエステル、ポリアクリレート及びポリウレタンが含まれる。これらの共反応物の混合物も使用することができる。
【0021】
すぐに使用できる粉末塗料を製造するために、本発明の重付加化合物を、共反応物である好適なヒドロキシ官能性粉末ラッカーバインダー、及び任意に触媒、顔料、充填剤またはレベリング剤といった他の公知の添加剤と混合する。各成分の融点範囲より高い温度(例えば70℃〜130℃、好ましくは70℃〜110℃)にて、例えば押出機またはニーダー中で成分を配合し、均一な材料を調製する。
溶融物を冷却した後得られた固体を粉砕し、所望の粒度よりも大きな顆粒成分(例えば0.1mmより大きなもの)をスクリーニングにより取り除く。
本発明の重付加化合物及びヒドロキシ官能性バインダーは、イソシアネート基:イソシアネート反応性基の当量比が0.6:1〜1.4:1、好ましくは0.8:1〜1.2:1となるような量にて含まれる。この比の中で「イソシアネート基」とは、遊離のイソシアネート基と二量化ウレトジオン基の形態のイソシアネート基の両者を含めたものである。
【0022】
任意に触媒を使用して硬化工程を活性化することができる。例としては、本発明の重付加化合物の生成反応を促進する上述のものが挙げられる。この触媒は、任意に、有機バインダー、即ち、本発明の重付加化合物及びヒドロキシ官能性粉末ラッカーバインダーの全重量(但し任意の添加剤は除く)に対して0.01〜5.0重量%、好ましくは0.05〜1.0重量%の量で使用される。
得られた吹付用粉末塗料は、静電粉末吹付または回転焼結(whirl sintering) といった従来慣用の方法にて支持体に塗布することができる。110℃〜220℃、好ましくは130℃〜200℃の温度に約10〜30分間加熱し、被膜を硬化させる。得られた被膜は硬くかつ弾性があり、溶剤及び化学物質に対する耐性に優れているという特徴を有する。
ウレトジオン基を含有する本発明の重付加化合物は溶融粘度が低いため、この重付加化合物から製造される粉末塗料は、優れたレベリング特性並びに高光沢を有する。二量化ジオールを用いずに製造された対応する先行技術の重付加化合物を使用する場合に比べ、相当に低い焼付温度でも完全に架橋した被膜を得ることができる。
本発明によれば、ガラスや金属のような耐熱性支持体であればどの様なものでも被覆することができる。
【0023】
以下実施例により本発明をさらに詳細に記載する。特に記載がないかぎり、光沢値を除く全ての部及び%は重量部及び重量%である。
【0024】
【発明の実施の形態】
実施例1
1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン(IPDI)に基づき、遊離のイソシアネート基含有量が17.9%、平均NCO官能価が2.0、ウレトジオン基含有量が19.1%(熱時滴定により測定)であるウレトジオン基を含有するポリイソシアネート1000g(4.3当量)を乾燥窒素雰囲気下にて80℃に加熱した。
続いて、二量化ジオール含有量が90重量%以上、23℃での粘度が2500mPa.s 、平均ヒドロキシル官能価が2、OH価が205mgKOH/g である二量化ジオール464g(1.7当量)、1,4−ブタンジオール76.5g(1.7当量)、及び2−エチル−1−ヘキサノール117g(0.9当量)の混合物を30分以内に添加し、100℃以下の反応温度にて7〜8時間攪拌した。反応混合物のNCO含有量は0.9%に減少した。
溶融物を金属シート上に流して冷却し、実質的に無色固体樹脂状の本発明の重付加化合物を得た。特性は以下の通りである。
【0025】
【表1】
NCO含有量 0.9%
ウレトジオン基含有量(計算値) 11.5%
全NCO含有量 12.4%
融点 71〜73℃
全ウレタン基含有量(計算値) 14.0%
二量化ジオールから得られた
ウレタン基の含有量(計算値) 少なくとも4.8%
【0026】
実施例2(比較)
実施例1のウレトジオン基を含有するポリイソシアネート1000g(4.3当量)を乾燥窒素雰囲気下にて80℃に加熱した。続いて、1,4−ブタンジオール153g(3.4当量)と2−エチル−1−ヘキサノール117g(0.9当量)との混合物を30分以内に添加した。反応混合物の粘度が急激に増加したため、混合物の攪拌を可能にするため熱浴温度を110℃まで上げなければならなかった。約40分後、反応混合物のNCO含有量は2.8%であった。60分後、粘度の上昇及び攪拌時の剪断力効果のために、周囲温度が一定であるにもかかわらず反応混合物の温度は110℃から127℃まで上昇していた。NCO含有量は4.1%に増加し、反応時間を延長してもこれ以上は減少しなかった。
比較実施例2から明らかなように、ウレトジオン基を含有するポリイソシアネートと単純ジオールとを実施例1に記載の方法に従って溶融状態で反応させると、かなりのウレトジオン基が分解してイソシアネート基に転化していることが判る。
【0027】
実施例3(比較)
実施例1のウレトジオン基を含有するポリイソシアネート1000g(4.3当量)を乾燥窒素雰囲気下、80℃にて無水トルエン1270g中に添加した。1,4−ブタンジオール153g(3.4当量)と2−エチル−1−ヘキサノール117g(0.9当量)との混合物を30分以内に添加し、100℃の反応温度にて攪拌した。反応混合物のNCO含有量は0.2%に減少した。次いで市販の研究用スプレードライヤー(ビューヒ製)であるミニスプレードライヤー190中で、得られた黄色液体からスプレードライによって完全に溶剤を除去し、淡黄色の生成物を得た。特性は以下の通りである。
【0028】
【表2】
NCO含有量 0.3%
ウレトジオン基含有量(計算値) 15.0%
全NCO含有量 15.3%
融点 105〜111℃
【0029】
実施例4
実施例1のウレトジオン基を含有するポリイソシアネート1000g(4.3当量)を乾燥窒素雰囲気下にて80℃に加熱した。続いて、実施例1の二量化ジオール697g(3.4当量)と2−エチル−1−ヘキサノール117g(0.9当量)との混合物を30分以内に添加し、105℃までの反応温度にて約3時間攪拌した。反応混合物のNCO含有量は0.7%に減少した。
溶融物を金属シート上に流して冷却し、実質的に無色固体樹脂状の本発明の重付加化合物を得た。特性は以下の通りである。
【0030】
【表3】
NCO含有量 0.7%
ウレトジオン基含有量(計算値) 10.5%
全NCO含有量 11.2%
融点 65〜67℃
全ウレタン基含有量(計算値) 13.0%
二量化ジオールから得られた
ウレタン基の含有量(計算値) 少なくとも10.1%
【0031】
実施例5
1,6−ジイソシアナトヘキサン(HDI)に基づき、遊離のイソシアネート基含有量が21.6%、平均NCO官能価2.3、ウレトジオン基含有量が15.0%(熱時滴定により測定)であるウレトジオン基を含有するポリイソシアネート1000g(5.1当量)を、4,4’−ジイソシアナトジシクロヘキシルメタン66g(0.5当量)と共に乾燥窒素雰囲気下にて80℃に加熱した。続いて、n−ブタノール113g(1.5当量)、実施例1の二量化ジオール683g(2.5当量)及び1,6−ヘキサンジオール94g(1.6当量)の混合物を30分以内に添加し、108℃までの反応温度にて約3時間攪拌した。反応混合物のNCO含有量は0.8%に減少した。
溶融物を金属シート上に流して冷却し、無色固体樹脂状の重付加化合物を得た。特性は以下の通りである。
【0032】
【表4】
NCO含有量 0.8%
ウレトジオン基含有量(計算値) 7.7%
全NCO含有量 8.5%
融点 70〜73℃
全ウレタン基含有量(計算値) 15.8%
二量化ジオールから得られた
ウレタン基の含有量(計算値) 少なくとも6.4%
【0033】
実施例6(使用例)
テレフタル酸66.6重量部、ネオペンチルグリコール38.2重量部、1,6−ヘキサンジオール5.3重量部及び1,1,1−トリメチロールプロパン4.5重量部から調製され、OH価が50であり、融点範囲が55℃〜60℃(示差熱分析により測定)である水酸基を含有するポリエステル75.6重量部を、実施例1で得られた重付加化合物22.9重量部(NCO:OH当量比1:1)、市販のレベリング剤(ペレノールF30P、ヘンケル製、デュッセルドルフ)1.0重量部、及びオクタン酸スズ(II)触媒0.5重量部と十分に混合した。次いで Buss Cokneter型PLK46を用いて、150rpm 、40℃の原料供給部及びシャフトのケーシング温度かつ80℃の処理部温度にて混合物をホモジナイズした。内部温度は95℃〜100℃に達した。固化した溶融物をACM2分離ミル(ホソカワミクロパル製)にて粉砕し、90μm のスクリーンでスクリーニングを行った。得られた粉末を、ESBカップガンを使用して70kVの高電圧にて脱脂処理を施したステンレス鋼に吹付けた。160℃及び170℃の各温度にて30分間硬化させ、平滑、透明な被膜を得た。
比較試験では、水酸基を含有する上記ポリエステル79.1重量部、比較実施例3で得られた重付加化合物19.4重量部、市販のレベリング剤(ペレノールF30P、ヘンケル製、デュッセルドルフ)1.0重量部、及びオクタン酸スズ(II)触媒0.5重量部から同様にして透明粉末塗料を調製し、脱脂処理を施したステンレス鋼に吹付け、同様に160℃及び170℃の各温度にて30分間硬化させた。NCO:OH当量比1:1。
約60μm の膜厚にて以下のラッカー特性を得た。
【0034】
【表5】
【0035】
比較試験から明らかなように、低い焼付温度でも、本発明の重付加化合物により完全に架橋した弾性被膜を得ることができる。この被膜はより優れたレベリング特性及び高光沢を有する。
【0036】
実施例7(使用例)
実施例4で得られた本発明の重付加化合物15.8重量部、市販のレベリング剤(モーダフローP III)1.0重量部、オクタン酸スズ(II)触媒1重量部及び白色顔料(バイエルチタンR−KB4)35.0重量部を用いて、実施例6に記載の水酸基を含有するポリエステル47.2重量部から実施例6に記載の方法により白色着色塗料に調製した。粉末を、ESBカップガンを使用して70kVの高電圧にて脱脂処理を施したステンレス鋼に吹付け、180℃で20分間硬化させた。
約70μm の膜厚にて以下のフィルム特性を得た。
【0037】
【表6】
【0038】
以上、本発明を明確にするために詳細に記述してきたが、このような詳細は単に発明を明確にするためのものにすぎず、当業者であれば、特許請求の範囲で制限される範囲を除いて、本発明の思想及び範囲からはずれることのない様々な例も実施可能である。
【0039】
本発明の主なる特徴及び態様は以下の通りである。
1.40℃未満では固体かつ125℃より高い温度では液体であり、
a)0〜2重量%の遊離イソシアネート基(NCOで計算、分子量42)、
b)3〜16重量%のウレトジオン基(C2 N2 O2 で計算、分子量84)、及び
c)10〜22重量%のウレタン基(−NH−CO−O−で計算、分子量59、このうち少なくとも1重量%は二量化ジオールとイソシアネート基との反応により得られたものである)
を含有する重付加化合物。
【0040】
2.40℃未満では固体かつ125℃より高い温度では液体であり、
a)0〜2重量%の遊離イソシアネート基(NCOで計算、分子量42)、
b)3〜16重量%のウレトジオン基(C2 N2 O2 で計算、分子量84)、及び
c)10〜22重量%のウレタン基(−NH−CO−O−で計算、分子量59、このうち少なくとも1重量%は二量化ジオールとイソシアネート基との反応により得られたものである)
を含有する重付加化合物を製造する方法であって、
A)ウレトジオン基を含有し、かつ平均イソシアネート官能価が少なくとも2.0であるポリイソシアネート、並びに
B)成分A)及びB)の全重量に対し任意に70重量%までの成分A)以外のジイソシアネートと、
C)二量化ジオール、
D)成分C)及びD)の全重量に対し任意に70重量%までの成分C)以外の分子量が62〜300のジオール、並びに
E)成分C)、D)及びE)の全重量に対し任意に40重量%までのイソシアネート反応性基を1個有する化合物とを
1.2:1〜0.6:1のイソシアネート基:イソシアネート反応性基の当量比にて反応させることからなる上記重付加化合物の製造方法。
【0041】
3.ポリイソシアネートA)が、脂肪族性及び/または脂環式性結合イソシアネート基を有する1種またはそれ以上のジイソシアネートに基づくものである上記2に記載の方法。
4.ポリイソシアネートA)が、1,6−ジイソシアナトヘキサン及び/または1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサンに基づくものである上記2に記載の方法。
5.二量化ジオールC)が、平均分子量が500〜670かつ平均ヒドロキシル官能価が1.9〜2.2であり、一価のオレフィン系不飽和脂肪族アルコールの二量化またはオレフィン系不飽和脂肪族モノカルボン酸二量化物の水素添加によって得られるものである上記2に記載の方法。
6.二量化ジオールC)が、平均分子量が500〜670かつ平均ヒドロキシル官能価が1.9〜2.2であり、一価のオレフィン系不飽和脂肪族アルコールの二量化またはオレフィン系不飽和脂肪族モノカルボン酸二量化物の水素添加によって得られるものである上記3に記載の方法。
7.二量化ジオールC)が、平均分子量が500〜670かつ平均ヒドロキシル官能価が1.9〜2.2であり、一価のオレフィン系不飽和脂肪族アルコールの二量化またはオレフィン系不飽和脂肪族モノカルボン酸二量化物の水素添加によって得られるものである上記4に記載の方法。
【0042】
8.上記1に記載の重付加化合物及びヒドロキシ官能性共反応物を含有するポリウレタン被膜を調製するための塗料。
9.ヒドロキシ官能性共反応物及び架橋剤として作用する上記1に記載の重付加化合物を、バインダーとして含有する粉末塗料。
Claims (4)
- 40℃未満では固体かつ125℃より高い温度では液体であり、
a)0〜2重量%の遊離イソシアネート基(NCOで計算、分子量42)、
b)3〜16重量%のウレトジオン基(C2 N2 O2 で計算、分子量84)、及び
c)10〜22重量%のウレタン基(−NH−CO−O−で計算、分子量59、このうち少なくとも1重量%は二量化ジオールとイソシアネート基との反応により得られたものである)
を含有する重付加化合物。 - 40℃未満では固体かつ125℃より高い温度では液体であり、
a)0〜2重量%の遊離イソシアネート基(NCOで計算、分子量42)、
b)3〜16重量%のウレトジオン基(C2 N2 O2 で計算、分子量84)、及び
c)10〜22重量%のウレタン基(−NH−CO−O−で計算、分子量59、このうち少なくとも1重量%は二量化ジオールとイソシアネート基との反応により得られたものである)
を含有する重付加化合物を製造する方法であって、
A)ウレトジオン基を含有し、かつ平均イソシアネート官能価が少なくとも2.0であるポリイソシアネート、並びに
B)成分A)及びB)の全重量に対し任意に70重量%までの成分A)以外のジイソシアネートと、
C)二量化ジオール、
D)成分C)及びD)の全重量に対し任意に70重量%までの成分C)以外の分子量が62〜300のジオール、並びに
E)成分C)、D)及びE)の全重量に対し任意に40重量%までのイソシアネート反応性基を1個有する化合物とを
1.2:1〜0.6:1のイソシアネート基:イソシアネート反応性基の当量比にて反応させることからなる上記重付加化合物の製造方法。 - 請求項1に記載の重付加化合物及びヒドロキシ官能性共反応物を含有するポリウレタン被膜を調製するための塗料。
- ヒドロキシ官能性共反応物並びに架橋剤として作用する請求項1に記載の重付加化合物を、バインダーとして含有する粉末塗料。
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