JP3596842B2 - 可逆性感熱発色組成物およびそれを用いた可逆性感熱記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物との間の発色反応を利用した可逆性感熱発色組成物に関する。また、本発明は、その可逆性感熱発色組成物を用い、熱エネルギーを制御することにより発色画像の形成と消去が可能な可逆性感熱記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子供与性呈色性化合物(以下、発色剤またはロイコ染料ともいう)と電子受容性化合物(以下、顕色剤ともいう)との間の発色反応を利用した感熱記録媒体は広く知られており、ファクシミリ、ワードプロセッサー、科学計測機などのプリンターに使用されている。しかし、これらの実用化されている従来の記録媒体はいずれも不可逆的な発色であり、一度記録した画像を消去して繰り返して使用することはできない。
【0003】
ただ、特許公報によれば発色と消色を可逆的に行うことができる記録媒体も提案されており、たとえば、顕色剤として没食子酸とフロログルシノールの組合せを用いる特開昭60−193691号公報、顕色剤にフェノールフタレインやチモールフタレインなどの化合物を用いる特開昭61−237684号公報、発色剤と顕色剤とカルボン酸エステルの均質相溶体を記録層に含有する特開昭62−138556号、特開昭62−138568号および特開昭62−140881号各公報、顕色剤にアスコルビン酸誘導体を用いる特開昭63−173684号公報、顕色剤にビス(ヒドロキシフェニル)酢酸または没食子酸と高級脂肪族アミンとの塩を用いる特開平2−188293号および特開平2−188294号各公報などが開示されている。しかし、以上に示した従来の可逆性感熱記録媒体は、発色の安定性と消色性の両立という点、あるいは発色の濃度や繰り返しにおける安定性という点で問題を残しており、実用的な記録媒体として満足し得るものではない。
【0004】
本発明者らは、先に特開平5−124360号公報において、顕色剤として長鎖脂肪族炭化水素基をもつ有機リン酸化合物、脂肪族カルボン酸化合物またはフェノール化合物を用い、これと発色剤であるロイコ染料とを組み合わせることによって、発色と消色を加熱冷却条件により容易に行わせることができ、しかもその発色状態と消色状態を常温において安定に保持させることが可能であり、その上発色と消色を安定して繰り返すことが可能な可逆性感熱発色組成物、およびこれを記録層に用いた可逆性感熱記録媒体を提案した。これは発色の安定性と消色性のバランスや発色濃度の点で従来の記録媒体に比べ優れていた。しかしながら、実用性を考えると、消去速度の点で不充分であり、発色の安定性が維持され、しかも高速に消去可能な可逆性感熱記録の開発が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の課題は、安定な発色性と消色性を保持し、高速消去に対応できる可逆性感熱発色組成物および可逆性感熱記録媒体を提供することである。
【0006】
【課題を解決する手段】
本発明者らは、このような発色剤と顕色剤の組成物の可逆的な発色消色現象では、長鎖脂肪族基をもつ顕色剤の発色剤を発色させる能力と分子間の凝集力のバランスが重要であると考え、種々の構造の化合物を検討した。その結果、特定の構造をもつカルボン酸化合物を顕色剤として用いることにより、上記の課題が解決できることを見出した。
【0007】
すなわち、電子供与性呈色性化合物の電子受容性化合物による発色反応を利用した可逆性感熱発色組成物において、本発明では電子受容性化合物として下記一般式(1)で表されるカルボン酸化合物を用いるものである。
【化1】
R1−X−R2−COOH (1)
式中、Xは、
のいずれかの基を表し、R 1 は、脂肪族炭化水素基を表し、R 2 は、炭素数が6以下の脂肪族炭化水素基を表す。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
まず、上記一般式(1)で表される化合物について、詳細に説明する。
上記式中、R1 は脂肪族炭化水素基でも芳香族炭化水素基であり、この脂肪族炭化水素基は直鎖でも分枝していてもよく、不飽和結合を有していてもよい。
また、R1の炭素数が7以下では発色の安定性や消色性が低下するため、炭素数は8以上が好ましく、11以上であることがより好ましい。
【0009】
R1の好ましい例としては、以下の表1に示すものが挙げられる。
【表1】
尚、式中のp、p′、p″およびp′′′は、それぞれ前記の炭素数を満足する整数であることが好ましい。
【0010】
R2 は炭素数が6以下の脂肪族炭化水素基を表し、この脂肪族炭化水素基は直鎖でも分枝していてもよく、不飽和結合を有していてもよい。
R2 の炭素数が7以上では発色性が低下するため、炭素数は6以下であることが好ましい。
【0011】
R2の好ましい例としては、以下の表2に示すものが挙げられる。
【表2】
尚、式中のq、q′はそれぞれ前記R2の炭素数を満足する整数を表し、q″、q′′′は特に限定された整数ではないが、5以下であることが好ましい。
【0012】
また、Xは、下記表3に示すものが挙げられる。
【0013】
【表3】
【0014】
本発明で用いられる前記一般式(1)で示されるカルボン酸化合物の好ましい例としては、下記一般式(2)で表される化合物が挙げられる。
【化2】
式中のmは8〜22を、またnは0〜6の整数を示す。
【0015】
本発明の前記一般式(1)で示されるカルボン酸化合物のさらに具体的な例としては、たとえば上記一般式(2)を例として表4に示した化合物が挙げられる。しかし、本発明は何等これらに限定されるものではない。
【0016】
【表4−(1)】
【0017】
【表4−(3)】
【0018】
【表4−(4)】
【0019】
【表4−(5)】
【0020】
【表4−(6)】
【0021】
【表4−(7)】
【0022】
【表4−(8)】
【0023】
【表4−(9)】
【0024】
【表4−(10)】
【0025】
【表4−(11)】
【0026】
【表4−(12)】
【0027】
【表4−(13)】
【0028】
【表4−(14)】
【0037】
本発明の可逆性感熱発色組成物は、基本的に前記の顕色剤と発色剤を組み合わせることによって構成されるものである。本発明で用いる発色剤は電子供与性を示すものであり、それ自体無色あるいは淡色の染料前駆体(ロイコ染料)であり、とくに限定されず、従来公知のもの、たとえばフタリド系化合物、アザフタリド系化合物、フルオラン系化合物、フェノチアジン系化合物、ロイコオーラミン系化合物などから選択できる。その発色剤の具体例を以下に示す。
【0038】
本発明に用いる好ましい発色剤として下記一般式(11)または(12)の化合物がある。
【化4】
【化5】
(ただし、R3は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、R4は炭素数1〜6のアルキル基、シクロアルキル基または置換されていてもよいフェニル基を示す。フェニル基に対する置換基としては、メチル基、エチル基などのアルキル基、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基またはハロゲン原子等が示される。R5は水素原子、炭素数1〜2のアルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表す。R6は水素原子、メチル基、ハロゲン原子または置換されていてもよいアミノ基を表す。アミノ基に対する置換基としては、例えば、アルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアラルキル基を示す。ここでの置換基はアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基などである)。
このような発色剤の具体例としては、たとえば次の化合物が挙げられる。
【0039】
2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン
2−アニリノ−3−メチル−6−(ジ−n−ブチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソプロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソブチル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−sec−ブチル−N−エチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−iso−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−イソプロピルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−(m−トリクロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−(2,4−ジメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(N−エチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、
2−(N−メチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6−(N−プロピル−p−トルイジノ)フルオラン、
【0040】
2−アニリノ−6−(N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ)フルオラン、
2−(o−クロルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(o−ブロモアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(o−クロルアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン、
2−(o−フロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン、
2−(m−トリフルオロメチルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、 2−(p−アセチルアニリノ)−6−(N−n−アミル−N−n−ブチルアミノ)フルオラン、
2−ベンジルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−ベンジルアミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、
2−ベンジルアミノ−6−(N−エチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、
2−ジベンジルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−ジベンジルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−(ジ−p−メチルベンジルアミノ)−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−(α−フェニルエチルアミノ)−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−メチルアミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、
2−メチルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、
2−メチルアミノ−6−(N−プロピルアニリノ)フルオラン、
2−エチルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−メチルアミノ−6−(N−メチル−2,4,−ジメチルアニリノ)フルオラン、
2−エチルアミノ−6−(N−エチル−2,4,−ジメチルアニリノ)フルオラン、
2−ジメチルアミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、
2−ジメチルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、
2−ジエチルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−ジエチルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−ジプロピルアミノ−6−(N−メチル−アニリノ)フルオラン、
2−ジプロピルアミノ−6−(N−エチル−アニリノ)フルオラン、
2−アミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、
2−アミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、
2−アミノ−6−(N−プロピルアニリノ)フルオラン、
2−アミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−アミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−アミノ−6−(N−プロピル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−アミノ−6−(N−メチル−p−エチルアニリノ)フルオラン、
2−アミノ−6−(N−エチル−p−エチルアニリノ)フルオラン、
2−アミノ−6−(N−プロピル−p−エチルアニリノ)フルオラン、
2−アミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、
2−アミノ−6−(N−エチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、
2−アミノ−6−(N−プロピル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、 2−アミノ−6−(N−メチル−p−クロルアニリノ)フルオラン、
2−アミノ−6−(N−エチル−p−クロルアニリノ)フルオラン、
2−アミノ−6−(N−プロピル−p−クロルアニリノ)フルオラン、
【0041】
2,3−ジメチル−6−ジメチルアミノフルオラン、
3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−クロル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−ブロモ−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−クロル−6−ジプロピルアミノフルオラン、
3−クロル−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、
3−ブロモ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、
2−クロル−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン、
2−クロル−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−アニリノ−3−クロル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(o−クロルアニリノ)−3−クロル−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、
2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−3−クロル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(2,3−ジクロルアニリノ)−3−クロル−6−ジエチルアミノフルオラン、
1,2−ベンゾ−6−ジエチルアミノフルオラン、
1,2−ベンゾ−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン、
1,2−ベンゾ−6−ジブチルアミノフルオラン、
1,2−ベンゾ−6−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)フルオラン、
1,2−ベンゾ−6−(N−エチル−トルイジノ)フルオラン、
その他。
【0042】
本発明において好ましく用いられる他の発色剤の具体例を示すと以下の通りである。
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−2−エトキシプロピル−N−エチルアミノ)フルオラン、
2−(p−クロルアニリノ)−6−(N−n−オクチルアミノ)フルオラン、 2−(p−クロルアニリノ)−6−(N−n−パルミチルアミノ)フルオラン、
2−(p−クロルアニリノ)−6−(ジ−n−オクチルアミノ)フルオラン、 2−ベンゾイルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−(o−メトキシベンゾイルアミノ)−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−ジベンジルアミノ−4−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−ジベンジルアミノ−4−メトキシ−6−(N−メチル−P−トルイジノ)フルオラン、
2−ベンジルアミノ−4−メチル−6−(N−エチル−P−トルイジノ)フルオラン、
2−(α−フェニルエチルアミノ)−4−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(p−トルイジノ)−3−(t−ブチル)−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−(o−メトキシカルボニルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、 2−アセチルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−(m−トリフルオルメチルアニリノ)フルオラン、 4−メトキシ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−エトキシエチルアミノ−3−クロル−6−ジブチルアミノフルオラン、
2−ジベンジルアミノ−4−クロル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−(α−フェニルエチルアミノ)−4−クロル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(N−ベンジル−p−トリフロロメチルアニリノ)−4−クロル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−ピロリジノフルオラン、
2−アニリノ−3−クロル−6−ピロリジノフルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)フルオラン、
2−メシジノ−4′,5′−ベンゾ−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ピロリジノフルオラン、
2−(α−ナフチルアミノ)−3,4−ベンゾ−4′−ブロモ−6−(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミノ)フルオラン、
2−ピペリジノ−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(N−n−プロピル−p−トリフロロメチルアニリノ)−6−モルフォリノフルオラン、
2−(ジ−N−p−クロルフェニル−メチルアミノ)−6−ピロリジノフルオラン、
2−(N−n−プロピル−m−トリフロロメチルアニリノ)−6−モルフォリノフルオラン、
1,2−ベンゾ−6−(N−エチル−N−n−オクチルアミノ)フルオラン、 1,2−ベンゾ−6−ジアリルアミノフルオラン、
1,2−ベンゾ−6−(N−エトキシエチル−N−エチルアミノ)フルオラン、
【0043】
ベンゾロイコメチレンブルー、
2−〔3,6−ビス(ジエチルアミノ)〕−6−(o−クロルアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム、
2−〔3,6−ビス(ジエチルアミノ)〕−9−(o−クロルアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム、
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−フタリド、
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(別名クリスタルバイオレットラクトン)、
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド、
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−クロルフタリド、
3,3−ビス(p−ジブチルアミノフェニル)フタリド、
3−(2−メトキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−ヒドロキシ−4,5−ジクロルフェニル)フタリド、
3−(2−ヒドロキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メトキシ−5−クロルフェニル)フタリド、
3−(2−ヒドロキシ−4−ジメトキシアミノフェニル)−3−(2−メトキシ−5−クロルフェニル)フタリド、
3−(2−ヒドロキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メトキシ−5−ニトロフェニル)フタリド、
3−(2−ヒドロキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(2−メトキシ−5−メチルフェニル)フタリド、
3−(2−メトキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−ヒドロキシ−4−クロル−5−メトキシフェニル)フタリド、
3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3′)−6′−ジメチルアミノフタリド、
6′−クロロ−8′−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン、
6′−ブロモ−2′−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン、
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)3−(2−エトキシ−4−ジエチルジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、
3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
その他。
【0044】
本発明の可逆性感熱発色組成物は、加熱温度および/または加熱後の冷却速度により、相対的に発色した状態と消色した状態を形成しうるものである。この基本的な発色・消色現象を説明する。図1は、この組成物の発色濃度と温度との関係を示したものである。はじめ消色状態(A)にある組成物を昇温していくと、溶融し始める温度T1で発色が起こり、溶融発色状態(B)となる。溶融発色状態(B)から急冷すると、発色状態のまま室温に下げることができ、固まった発色状態(C)となる。この発色状態が得られるかどうかは、溶融状態からの降温の速度に依存しており、徐冷では降温の過程で消色が起き、はじめと同じ消色状態(A)あるいは急冷発色状態(C)より相対的に濃度の低い状態が形成される。一方、急冷発色状態(C)をふたたび昇温していくと、発色温度より低い温度T2で消色が起き(DからE)、ここから降温すると、はじめと同じ消色状態(A)に戻る。実際の発色温度、消色温度は、用いる顕色剤と発色剤の組合せにより変化するので、目的に合わせて選択できる。また、溶融発色状態の濃度と急冷したときの発色濃度は、必ずしも一致するものではなく、異なる場合もある。
【0045】
本発明の組成物では、溶融状態から急冷して得た発色状態(C)は、顕色剤と発色剤が分子どうしで接触反応しうる状態で混合された状態であり、これは固体状態を形成していることが多い。この状態は顕色剤と発色剤が凝集して発色を保持した状態であり、この凝集構造の形成により発色が安定化していると考えられる。一方、消色状態は両者が相分離した状態である。この状態は少なくとも一方の化合物の分子が集合してドメインを形成したり結晶化したりした状態であり、凝集あるいは結晶化することにより発色剤と顕色剤が分離して安定化した状態であると考えられる。本発明では多くの場合、両者が相分離し顕色剤が結晶化することによってより完全な消色が起きる。図1に示した溶融状態から徐冷による消色および発色状態からの昇温による消色は、いずれもこの温度で凝集構造が変化し、相分離や顕色剤の結晶化が起きている。
【0046】
本発明の組成物を可逆性感熱記録媒体として用いる場合、発色記録の形成はサーマルヘッドなどによりいったん溶融混合する温度に加熱し、急冷すればよい。また、消色は加熱状態から徐冷する方法と発色温度よりやや低い温度に加熱する方法の二つである。しかし、これらは両者が相分離したり、少なくとも一方が結晶化する温度に一時的に保持するという意味で同じである。発色状態の形成で急冷するのは、この相分離温度または結晶化温度に保持しないようにするためである。ここにおける急冷と徐冷はひとつの組成物に対して相対的なものであり、その境界は発色剤と顕色剤の組合せにより変化する。
【0047】
組成物中の発色剤と顕色剤の割合は、使用する化合物の組合せにより適切な範囲が変化するが、おおむねモル比で発色剤1に対し顕色剤が0.1から20の範囲であり、好ましくは0.2から10の範囲である。この範囲より顕色剤が少なくても多くても発色状態の濃度が低下し問題となる。
【0048】
本発明の可逆性感熱記録媒体は、支持体上に前記の組成物を主成分として含む記録層を設けたものである。支持体としては、紙、樹脂フィルム、合成紙、金属箔、ガラスまたはこれらの複合体などであり、記録層を保持できるものであればよい。
【0049】
記録層は本発明の組成物が存在していればどのようなものでもよいが、一般的にはバインダー樹脂中に発色剤と顕色剤が細かく均一に分散した状態が用いられる。発色剤と顕色剤は個々に粒子を形成していてもよいが、より好ましくは複合された粒子として分散された状態を形成する。これは発色剤と顕色剤をいったん溶融したり溶解することによって達成できる。このような記録層の形成は、各材料をそれぞれ溶剤中で分散溶解したのち混合した液、あるいは各材料を混合して溶剤中で分散または溶解した液を支持体上に塗布し、乾燥することによって行なわれる。発色剤と顕色剤はマイクロカプセル中に内包して用いることもできる。
【0050】
本発明の可逆性感熱記録媒体には、必要に応じて記録層の塗布特性や発色消色特性を改善したり制御するための添加剤を用いることができる。これらの添加剤には、たとえば分散剤、界面活性剤、導電剤、充填剤、滑剤、酸化防止剤、光安定化剤、紫外線吸収剤、発色安定化剤、消色促進剤などがある。
【0051】
記録層の形成に用いられるバインダー樹脂としては、たとえばポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、エチルセルロース、ポリスチレン、スチレン系共重合体、フェノキシ樹脂、ポリエステル、芳香族ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、アクリル酸系共重合体、マレイン酸系共重合体、ポリピニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプン類などがある。これらのバインダー樹脂の役割は、組成物の各材料が記録消去の熱印加によって片寄ることなく均一に分散した状態を保つことにある。したがって、バインダー樹脂には耐熱性の高い樹脂を用いることが好ましい。たとえば、熱、紫外線、電子線などで、バインダー樹脂を架橋させてもよい。
【0052】
本発明の可逆性感熱記録媒体は、基本的に支持体上に上記の記録層が設けられたものであるが、記録媒体としての特性を向上するため、保護層、接着層、中間層、アンダーコート層、バックコート層などを設けることができる。
【0053】
サーマルヘッドを用いた印字では、熱と圧力のため記録層の表面が変形し、いわゆる打痕ができる場合がある。これを防止するため、表面に保護層を設けることが好ましい。保護層には、ポリビニルアルコール、スチレン無水マレイン酸共重合体、カルボキシ変性ポリエチレン、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂のほか、紫外線硬化樹脂および電子線硬化樹脂などが使用できる。また、保護層中には紫外線吸収剤などの添加剤を含有させることができる。
【0054】
記録層と保護層の接着性向上、保護層の塗布による記録層の変質防止、保護層中の添加剤の記録層への移行を防止する目的で、両者の間に中間層を設けることも好ましい。また、記録層の上に設置される保護層、中間層には、酸素透過性の低い樹脂を用いることが好ましい。このことにより、記録層中の発色剤および顕色剤の酸化を防止または低減することが可能になる。
【0055】
また、印加した熱を有効に利用するため、支持体と記録層の間に断熱性のアンダーコート層を設けることができる。断熱層は、有機または無機の微小中空体粒子をバインダー樹脂を用いて塗布することにより形成できる。支持体と記録層の接着性の改善や支持体への記録層材料の浸透防止を目的としたアンダーコート層を設けることもできる。
【0056】
中間層、アンダーコート層には、前記の記録層用の樹脂と同様の樹脂を用いることができる。また、保護層、中間層、記録層およびアンダーコート層には、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化ケイ素、水酸化アルミニウム、カオリン、タルクなどのフィラーを含有させることができる。その他、滑剤、界面活性剤、分散剤などを含有させることもできる。
【0057】
本発明の可逆性感熱記録媒体を用いて発色画像を形成させるためには、いったん発色温度以上に加熱したのち急冷されるようにすればよい。具体的には、たとえばサーマルヘッドやレーザー光で短時間加熱すると記録層が局部的に加熱されるため、直ちに熱が拡散し急激な冷却が起こり、発色状態が固定できる。一方、消色させるためには適当な熱源を用いて比較的長時間加熱し冷却するか、発色温度よりやや低い温度に一時的に加熱すればよい。長時間加熱すると記録媒体の広い範囲が昇温し、その後の冷却は遅くなるため、その過程で消色が起きる。この場合の加熱方法には、熱ローラー、熱スタンプ、熱風などを用いてもよいし、サーマルヘッドを用いて長時間加熱してもよい。記録層を消色温度域に加熱するためには、例えばサーマルヘッドへの印加電圧やパルス幅を調節することによって、印加エネルギーを記録時よりやや低下させればよい。この方法を用いれば、サーマルヘッドだけで記録・消去ができ、いわゆるオーバーライトが可能になる。もちろん、熱ローラー、熱スタンプによって消色温度域に加熱して消去することもできる。
【0058】
【実施例】
以下、実施例によって本発明をさらに詳しく説明する。なお、実施例中の「部」および「%」はいずれも重量を基準とするものである。
【0059】
実施例1
発色剤として、2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオランを用い、顕色剤としてN’−(n−オクタデシルアミノカルボニル)グリシルグリシンを用いて、本発明の組成物を以下のように作成した。まず、発色剤と顕色剤を1:3の混合比(モル比)となるように秤量し、乳鉢で粉砕混合した。厚さ1.2mmのガラス板をホットプレート上で温度190℃に加熱した。続いて、溶融混合物の上からカバーグラスをかぶせ、融液を一様な厚さに広げ、すぐにガラス板ごと全体を用意しておいた氷水中に沈め、急冷した。降温後、すぐに氷水上から取り出し、付着した水を除き、薄膜状の発色した本発明の組成物を得た。次に、上記の発色状態の組成物試料を120℃に加熱したホットプレート上に置くと、瞬時に消色した。再びこの消色した組成物試料を190℃に加熱すると、黒色を呈した。このことから、本発明の組成物は発色消色の繰り返し特性を有することが確認された。
【0060】
実施例2
実施例1において、顕色剤としてN’−(n−オクタデシルアミノカルボニル)グリシルグリシンの代わりに、N’−(n−オクタデシルアミノカルボニル)グリシルグリシルグリシンを用いた以外は実施例1と同様にして行ったところ、本実施例の組成物も発色消色の繰り返し特性を有することが確認された。
【0061】
実施例3
実施例1において、顕色剤としてN’−(n−オクタデシルアミノカルボニル)グリシルグリシンの代わりに、ステアリルチオグリコール酸を用いた以外は実施例1と同様にして行ったところ、本実施例の組成物も発色消色の繰り返し特性を有することが確認された。
【0062】
実施例4
実施例1において、顕色剤としてN’−(n−オクタデシルアミノカルボニル)グリシルグリシンの代わりに、ステアリルチオプロピオン酸を用いた以外は実施例1と同様にして行ったところ、本実施例の組成物も発色消色の繰り返し特性を有することが確認された。
【0063】
実施例5
実施例1において、顕色剤としてN’−(n−オクタデシルアミノカルボニル)グリシルグリシンの代わりに、ステアロイルグリシンを用いた以外は実施例1と同様にして行ったところ、本実施例の組成物も発色消色の繰り返し特性を有することが確認された。
【0064】
実施例6
実施例1において、顕色剤としてN’−(n−オクタデシルアミノカルボニル)グリシルグリシンの代わりに、ステアロイルアラニンを用いた以外は実施例1と同様にして行ったところ、本実施例の組成物も発色消色の繰り返し特性を有することが確認された。
【0065】
実施例7
実施例1において、顕色剤としてN’−(n−オクタデシルアミノカルボニル)グリシルグリシンの代わりに、アジピン酸モノドデシルアミドを用いた以外は実施例1と同様にして行ったところ、本実施例の組成物も発色消色の繰り返し特性を有することが確認された。
【0066】
実施例8
実施例1において、顕色剤としてN’−(n−オクタデシルアミノカルボニル)グリシルグリシンの代わりに、アジピン酸モノステアリルアミドを用いた以外は実施例1と同様にして行ったところ、本実施例の組成物も発色消色の繰り返し特性を有することが確認された。
【0067】
実施例9
実施例1において、顕色剤としてN’−(n−オクタデシルアミノカルボニル)グリシルグリシンの代わりに、ステアリルスルホニルプロピオン酸を用いた以外は実施例1と同様にして行ったところ、本実施例の組成物も発色消色の繰り返し特性を有することが確認された。
【0068】
実施例10
実施例1において、顕色剤としてN’−(n−オクタデシルアミノカルボニル)グリシルグリシンの代わりに、エイコシルスルホニルプロピオン酸を用いた以外は実施例1と同様にして行ったところ、本実施例の組成物も発色消色の繰り返し特性を有することが確認された。
【0069】
実施例11
実施例1において、顕色剤としてN’−(n−オクタデシルアミノカルボニル)グリシルグリシンの代わりに、ステアリルスルホニルグリコール酸を用いた以外は実施例1と同様にして行ったところ、本実施例の組成物も発色消色の繰り返し特性を有することが確認された。
【0070】
実施例12
実施例1において、顕色剤としてN’−(n−オクタデシルアミノカルボニル)グリシルグリシンの代わりに、エイコシルスルホニルグリコール酸を用いた以外は実施例1と同様にして行ったところ、本実施例の組成物も発色消色の繰り返し特性を有することが確認された。
【0071】
実施例13〜24
実施例1〜12において、発色剤として2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオランの代わりに、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−p−トリルアミノフルオランを用いた以外は実施例1と同様にして行ったところ、いずれの組成物も発色消色の繰り返し特性を有することが確認された。
【0072】
実施例25
下記組成物をボールミルを用いて粒径1〜4μmまで粉砕分散して記録層塗布液を調整した。
【0073】
実施例26
実施例25において、N’−(n−オクタデシルアミノカルボニル)グリシルグリシンのかわりにN’−(n−オクタデシルアミノカルボニル)グリシルグリシルグリシンを用いた以外は、実施例25と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
【0074】
実施例27
実施例25において、N’−(n−オクタデシルアミノカルボニル)グリシルグリシンのかわりにステアロイルグリシンを用いた以外は、実施例25と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
【0075】
実施例28
実施例25において、N’−(n−オクタデシルアミノカルボニル)グリシルグリシンのかわりにステアロイルアラニンを用いた以外は、実施例25と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
【0076】
実施例29
実施例25において、N’−(n−オクタデシルアミノカルボニル)グリシルグリシンのかわりにアジピン酸モノドデシルアミドを用いた以外は、実施例25と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
【0077】
実施例30
実施例25において、N’−(n−オクタデシルアミノカルボニル)グリシルグリシンのかわりにアジピン酸モノステアリルアミドを用いた以外は、実施例25と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
【0078】
実施例31
実施例25において、N’−(n−オクタデシルアミノカルボニル)グリシルグリシンのかわりにステアリルスルホニルプロピオン酸を用いた以外は、実施例25と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
【0079】
実施例32
実施例25において、N’−(n−オクタデシルアミノカルボニル)グリシルグリシンのかわりにエイコシルスルホニルプロピオン酸を用いた以外は、実施例25と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
【0080】
実施例33
実施例25において、2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオランの代わりに、2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオランを用いた以外は、実施例25と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
【0081】
実施例34
実施例25において、2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオランの代わりに、2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオランを用いた以外は、実施例25と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
【0082】
実施例35
実施例25において、2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオランの代わりに、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−p−トリルアミノフルオランを用い、N’−n−オクタデシルウレイド酢酸の代わりに、ステアリルチオグリコール酸を用いた以外は、実施例33と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
【0083】
実施例36
実施例25において、2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオランの代わりに、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−p−トリルアミノフルオランを用い、N’−(n−オクタデシルアミノカルボニル)グリシルグリシンの代わりに、エイコシルスルホニルグリコール酸を用いた以外は、実施例25と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
【0084】
実施例37
実施例25において、2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオランの代わりに、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−p−トリルアミノフルオランを用い、N’−(n−オクタデシルアミノカルボニル)グリシルグリシンの代わりに、ステアリルチオグリコール酸を用いた以外は、実施例33と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
【0085】
実施例38
実施例25において、2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオランの代わりに、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−p−トリルアミノフルオランを用い、N’−(n−オクタデシルアミノカルボニル)グリシルグリシンの代わりに、ステアリルチオプロピオン酸を用いた以外は、実施例25と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
【0086】
実施例39
実施例25において、2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオランの代わりに、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−p−トリルアミノフルオランを用い、N’−(n−オクタデシルアミノカルボニル)グリシルグリシンの代わりに、ステアロイルアミノメチルチオプロピオン酸を用いた以外は、実施例25と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
【0087】
実施例25〜39で作製された記録媒体を、8ドット/mmのサーマルヘッドによって印加電圧13.3V、印加パルス幅1.2ミリ秒の条件で印字し、発色画像を得た。この発色画像の光学濃度をマクベス濃度計RD−914を使用し測定した。次に、この発色した記録媒体を熱傾斜試験機を用いて表6に示す消去温度で、1秒間加熱したのち濃度を測定した。これらの結果を表6に示す。表6より、本発明の記録媒体が、1秒間の加熱で地肌濃度と同レベルまで消色することがわかる。また、印字、消去が安定して繰り返されることがわかる。したがって、本発明の記録媒体が高速に消去可能な可逆性感熱記録媒体であることが明らかになった。
【0088】
比較例1
本発明の顕色剤の代わりにエイコシルホスホン酸を、また、ロイコ染料として2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−N−p−トリルアミノ)フルオラン用いた以外は、実施例25と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。この記録媒体について、実施例25と同様に印字、消去を行った。この記録媒体は、表6に示すように1秒の加熱では初期地肌濃度まで消色せず、消し残りが生じる。また、この発色した記録媒体は、地肌濃度とほぼ等しい0.16まで低下させるのに1分間の加熱が必要であった。
【0089】
比較例2
本発明の顕色剤の代わりに2−(エイコシルチオ)こはく酸を用いた以外は、実施例25と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。この記録媒体について、実施例25と同様に印字、消去を行った。この記録媒体は、表6に示すように1秒の加熱では初期地肌濃度まで消色せず、消し残りが生じる。また、この発色した記録媒体は、地肌濃度とほぼ等しい0.21まで低下させるのに10秒間の加熱が必要であった。
【0090】
比較例3
本発明の顕色剤の代わりにα−ヒドロキシオクタデカン酸を用いた以外は、実施例25と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。この記録媒体について、実施例25と同様に印字、消去を行った。この記録媒体は、表6に示すように1秒の加熱では初期地肌濃度まで消色せず、消し残りが生じる。また、この発色した記録媒体は、地肌濃度とほぼ等しい0.17まで低下させるのに10秒間の加熱が必要であった。
【0091】
比較例4
本発明の顕色剤の代わりにオクタデシルマロン酸を用い、また、ロイコ染料として2−(o−クロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン用いた以外は、実施例25と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。この記録媒体について、実施例25と同様に印字、消去を行った。この記録媒体は、表6に示すように1秒の加熱では初期地肌濃度まで消色せず、消し残りが生じる。また、この発色した記録媒体は、1分間の加熱では地肌濃度まで低下しなかった。
【0092】
【表6】
【0093】
【発明の効果】
本発明の可逆性感熱発色組成物は、安定な発色状態と良好な消色状態を繰り返して形成できる。このため、実施例で示されたように、これを用いた可逆性感熱記録媒体はコントラストの高い画像の形成と消去が容易な操作により可能になる。また、発色画像は通常の使用条件下で安定であり、しかも高速消去性を有し、さらに記録消去の繰り返しに対する耐久性も高く、実用性の高い書替え型記録が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可逆性感熱発色組成物の発色・消色特性を示す図である。
Claims (10)
- 電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物を用い、加熱温度および/または加熱後の冷却速度の違いにより相対的に発色した状態と消色した状態を形成しうる可逆性感熱発色組成物において、電子受容性化合物として下記一般式(1)で表されるカルボン酸化合物を用いたことを特徴とする可逆性感熱発色組成物。
【化1】
R1−X−R2−COOH (1)
式中、Xは、
のいずれかの基を表し、R1は、脂肪族炭化水素基を表し、R2は、炭素数が6以下の脂肪族炭化水素基を表す。 - 請求項1の可逆性感熱発色組成物を主成分として含有する記録層を支持体上に設けたことを特徴とする可逆性感熱記録媒体。
- バインダーを含有し、該バインダーが架橋されていることを特徴とする請求項2に記載の可逆性感熱記録媒体。
- 磁気記録層および/または非可逆性感熱記録層が設けられたことを特徴とする請求項2または3に記載の可逆性感熱記録媒体。
- 保護層、接着層、断熱層および/またはアンダーコート層が設けられたことを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体。
- 請求項2〜5のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体の表面の少なくとも一部を、発色開始温度以上に加熱した後急冷して発色画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
- 請求項6に記載の発色画像が形成された可逆性感熱記録媒体を、発色開始温度よりも低い温度で加熱して発色画像を消色することを特徴とする画像消去方法。
- 請求項2〜5のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体の表面の少なくとも一部を、発色開始温度以上に加熱した後急冷して発色画像を形成し、次いで発色開始温度よりも低い温度で加熱して前記発色画像を消色することを特徴とする画像形成消去方法。
- サーマルヘッドまたはレーザー光で加熱して発色画像を形成することを特徴とする請求項6または8に記載の画像形成方法。
- サーマルヘッド、熱ローラー、熱スタンプまたは熱風で加熱して前記発色画像を消色することを特徴とする請求項7又は8に記載の画像消去方法。
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