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JP3596709B2 - 可逆性感熱記録媒体 - Google Patents

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JP3596709B2
JP3596709B2 JP24686296A JP24686296A JP3596709B2 JP 3596709 B2 JP3596709 B2 JP 3596709B2 JP 24686296 A JP24686296 A JP 24686296A JP 24686296 A JP24686296 A JP 24686296A JP 3596709 B2 JP3596709 B2 JP 3596709B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物との間の発色反応を利用した可逆性感熱記録媒体に関し、更に詳しくは、熱エネルギーを制御することにより発色画像の形成と消去が可能な可逆性感熱記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子供与性呈色性化合物(以下、発色剤ともいう)と電子受容性化合物(以下、顕色剤ともいう)との間の発色反応を利用した感熱記録媒体は広く知られ、電子計算機のアウトプット、ファクシミリ、自動券売機、科学計測機のプリンター、CRT医療計測用プリンター等に広く応用されている。しかし、従来の製品はいずれもその発色が不可逆的なもので、発色と消色を交互に繰り返し行わせることができない。
【0003】
一方、特許公報等によれば発色剤と顕色剤との間の発色反応を利用した感熱記録媒体において、発色と消色を可逆的に行わせるものもいくつか提案されている。たとえば、特開昭60−193691号公報によれば顕色剤として没食子酸とフロログルシノールとの組み合わせを用いたものが示されている。このものを熱発色させて得られる発色体は、水又は水蒸気で消色するものである。しかし、この感熱記録媒体の場合、その耐水化に困難が伴う上に記録保存性に難点があり、更に発色体を消色させるための消色装置が大型になるという問題がある。
【0004】
特開昭61−237684号公報には、顕色剤にフェノールフタレン、チモールフタレイン、ビスフェノール等の化合物を用いた書き換え形光記録媒体が示されている。このものは、これを加熱後に徐冷することにより発色体を形成し、一方、発色体を発色温度よりも一旦高い温度に加熱した後、急冷することにより消色させることができる。しかし、この記録媒体の場合、その発色及び消色の工程が複雑である上、発色体を消色させて得られる消色体に未だ幾分の着色が見られ、コントラストのよい発色画像を得ることができない。
【0005】
特開昭62−140881号公報、特開昭62−138568号公報及び特開昭62−138556号公報には、発色剤と顕色剤とカルボン酸エステルの均質相溶体が示されている。このものは低温で完全着色状態、高温で完全消色状態を示し、それらの中間温度で着色又は消色状態を保持されることができるもので、この媒体にサーマルヘッドで印字することにより、着色地肌(発色体)の上に白色文字(消色体)を記録することができる。したがって、この記録媒体の場合、記録される画像がネガ画像であることからその用途が限定される上、記録画像の保持のために画像を特定の温度範囲内に保持する必要がある。
【0006】
特開平2−188294号公報及び特開平2−188293号公報には、それぞれ顕色剤として顕色作用と減色作用を可逆的に行う没食子酸と高級脂肪族アミンとの塩、及びビス(ヒドロキシフェニル)酢酸又は酪酸と高級脂肪族アミンとの塩を用いたものが示されている。このものは、特定温度域で熱発色させ、それより高温での加熱により消色させることができるが、その顕色作用と減色作用とは競合的に起るためこれらの作用と熱的に制御することが難しく、良好な画像コントラストが得られにくい。
以上のように、発色剤と顕色剤との反応を利用した従来の可逆的感熱記録媒体は種々の問題点を含み、未だ不満足のものであった。
【0007】
我々は、先に、顕色剤として長鎖脂肪族基を持つ有機リン酸やカルボキシル化合物、フェノール化合物を用い、これを発色剤としてのロイコ化合物等と組み合わせることによって、その発色と消色を加熱のみで容易に行わせることができ、しかもその発色状態と消色状態を常温において保持することが可能で、且つ消色温度が発色温度よりも低く、その上、画像の形成及び消去を温度変化により何度も繰り返すことのできる可逆的熱発色性組成物、及びこれを記録層に含有する可逆的感熱記録媒体を提案した(特開平5−124360号公報)。我々が提案した前記の可逆的感熱記録媒体は、従来の可逆的感熱記録媒体とは比較にならないほど利点の多い可逆的感熱記録媒体であるが、発色状態にある該記録媒体に光が当たると発色色相が変化したり、発色温度より低温に加熱して消色させる場合に消色が円滑に進行しない等の問題が見い出された。
この問題を解決するために酸化防止剤や紫外線吸収剤を単独若しくは併用して使用するとある程度は解決されるが、このような記録媒体は記録画像の耐熱保存性が悪化する欠点が生じ、品質に未だ問題が残されていることが判明した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、発色剤と顕色剤との間の反応を利用した可逆的熱発色性組成物において、光が当たっても発色状態の色相変化を起したり消色不良が起ったりせず、耐光性のよく、また発色状態の耐熱保存性に優れた可逆的感熱記録媒体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
我々は、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、発色剤と顕色剤を主成分として含有し、加熱・溶融によって発色状態を形成すると共に、発色温度より低い温度に加熱することで消色状態を形成する可逆性感熱記録媒体において、記録層及び/又は記録層と隣接する層中にビタミンK 、ビタミンK 又はビタミンK を添加したことを特徴とする可逆性感熱記録媒体が提供される。
【0010】
本発明の可逆的熱発色性組成物(以下、単に組成物ともいう)は加熱により瞬時に発色し、その発色状態は常温でも安定的に存在する。一方、発色状態にある組成物は発色温度以下の加熱で消色させることができ、その消色状態は常温でも安定的に保持されるものである。
【0011】
本発明の組成物を記録層に含有する可逆的感熱記録媒体について、その発色と消色、即ち画像形成と画像消去の原理を図1のグラフで説明する。
グラフの縦軸は発色濃度を表わし横軸は温度を表わしており、実線1は加熱による画像形成過程を、破線3は加熱による画像消去過程を示したものである。(A)は完全消去状態の濃度であり、(B)は(T)以上の温度に加熱した時の飽和発色状態の濃度であり、(C)は完全発色状態の(T)以下の温度における濃度であり、(D)は(T)〜(T)間の温度で加熱消去した時の濃度を示している。
【0012】
本発明の可逆的感熱記録媒体は、(T)以下の温度では無色の状態(A)にある。記録を行うには、サーマルヘッド等で(T)以上の温度に加熱すればよく、発色(B)して記録画像を形成する。この記録画像は実線2に従って(T)以下の温度に戻してもそのままの状態(C)を保ち、記録のメモリー性は失われない。
なお、記録画像形成時の発色濃度は、(T)以上の温度において温度上昇と共に増加しB点で飽和濃度に到達する。
【0013】
次に記録画像の消去を行うには、形成された記録画像を発色温度よりも低い(T)〜(T)間の温度に加熱すればよく、無色の状態(D)になる。この状態は(T)以下の温度に戻してもそのまま保持される(A)。即ち、記録画像の形成過程は実線(A)(B)(C)の経路により、(C)に至り記録が保持される。記録画像の消去過程は破線(C)(D)(A)の経路により、(A)に至り消去状態が保持される。この記録画像の形成と消去の挙動特性は可逆性を持ち、何回も繰り返し行うことができる。
【0014】
図2は、本発明の可逆的感熱記録媒体による画像形成及び画像消去の一例を示した説明図であって、(4)は支持体、(5)は記録層である。画像形成工程(A)→(B)は画像形成用熱源、例えばサーマルヘッド(7)によって図1の(T)以上の温度で記録印字を行うことによって達成される。次に画像消去工程(B)→(A)は画像消去熱源、例えば加熱ローラ(8)によって、(T)〜(T)間の温度に加熱することにより達成される。図2においては、(3)は発色画像を示す。
【0015】
本発明の組成物は発色剤と顕色剤とビタミンK 、ビタミンK 又はビタミンK を必須成分としている。該組成物の発色は、顕色剤と発色剤が加熱・溶融・混合して形成される発色体組成物を室温まで冷却して得られるものである。この発色体組成物は、溶融温度より低温側に消色温度領域を持つため、溶融発色状態から発色を保持したまま冷却して常温にするには急冷が好ましい。徐冷になると消色温度領域をとおるときに多少の消色が起き、濃度が低下することが多い。
【0016】
発色体組成物は、発色剤と顕色剤の分子が相互作用し、発色剤のラクトン環が開環して発色しているものと考えられる。溶融状態から急冷された状態の組成物は、発色体分子のほか発色体の形成には直接関与していない顕色剤分子と発色剤分子を含んでいる。本発明の可逆的感熱記録媒体において、常温時の発色体組成物はこれらの分子間に凝集力が働き固化した状態にある。また、発色体組成物の凝集構造は何らかの規則性を示すが、非常に規則性の高い場合とあまり規則性の高くない場合がある。これは、顕色剤と発色剤の組み合わせや量比あるいは冷却条件に依存する。このような凝集構造の形成は、発色体を形成している顕色剤分子の長鎖構造部分、及び発色体を形成していない過剰分の顕色剤分子の長鎖構造部分の間に働く凝集力が主に作用しているものと推定される。
【0017】
発色体組成物は、その発色状態を特定の温度領域に加熱することにより消色させることができる。この消色過程では、発色状態の凝集構造が変化し、最終的に発色体組成物から顕色剤分子が分離結晶化して顕色剤単独の結晶を作り、安定した消色状態となることがX線解析によって確認されている。
このように本発明の可逆的感熱記録媒体では、発色状態の形成とその消色過程に対し、顕色剤の長鎖部分が大きな役割を果していることが明白であり、これが本発明の可逆的感熱記録媒体に形成される発色体組成物の特徴である。
【0018】
本発明の組成物は、前記顕色剤と発色剤とビタミンK 、ビタミンK 又はビタミンK 又はビタミンK 、ビタミンK 又はビタミンK とグラニジン誘導体とを組み合わせた組成物であり、個々の顕色剤に対して好ましい発色剤が存在する。この組成物に用いる顕色剤と発色剤の組み合わせは、両者を溶融温度以上に加熱して得られる発色状態組成物を、溶融温度より低い温度へ加熱した時に起きる消色のし易さ、即ち消色性と、発色状態の色調等の特性により適当に選択される。このうち消色性については、その組み合わせで得られた発色状態組成物の示差熱分析(DTA)、又は示差走査熱量分析(DSC)における昇温過程に現われる発熱ピークの有無で判断できる。この発熱ピークは本発明を特徴づける消色現象と対応するものであり、消色性の良好な組合せを選択する基準となる。なお、本発明の組成物においてビタミンK 、ビタミンK 又はビタミンK は専ら耐光性に関与するものであり、発色状態及び消色状態の形成に直接関与することはない。また、該組成物にはビタミンK 、ビタミンK 又はビタミンK 等の第3物質が存在しても、その可逆的な消発色挙動を保つことができる。同様に、本発明の可逆的感熱記録媒体の感熱記録層に第3物質が存在してもよく、例えば高分子化合物が存在してもその可逆的消発色挙動を保つことができる。
【0019】
次に本発明の可逆性感熱記録媒体において発色剤と組み合わせて用いられる顕色剤について説明する。顕色剤には、すでに特開平5−124360に長鎖炭化水素基をもつリン酸化合物、脂肪酸化合物フェノール化合物の代表例とともに開示されているように、分子内に発色剤を発色させることができる顕色能をもつ構造と、分子間の凝集力をコントロールする構造を併せ持つ化合物が使用される。顕色能をもつ構造としては、一般の感熱記録媒体と同様に、たとえば、フェノール性水酸基、カルボキシル基、リン酸基などの酸性の基が用いられるが、これらに限らず発色剤を発色できる基をもてばよい。これらには、たとえばチオ尿素基、カルボン酸金属塩などがある。分子間の凝集力をコントロールする代表的な構造としては長鎖アルキル基などの炭化水素基がある。この炭化水素基の炭素数は、一般的には8以上であることが良好な発色・消色特性を得る上で好ましい。また、この炭化水素基には不飽和結合が含まれていてもよく、また分枝状の炭化水素基も包含される。この場合も、主鎖部分は炭素数8以上であることが好ましい。また、この炭化水素基は、たとえば、ハロゲン原子、水酸機、アルコキシ基などの基で置換されていてもよい。
【0020】
上記のように顕色剤は、顕色能を持つ構造と炭化水素基で代表される凝集力を制御する構造が連結した構造をもつ。この連結部分には下記に示すようなヘテロ原子を含む2価の基、または、これらの基が複数個組合せた基をはさんで結合していてもよい。
また、フェニレン、ナフチレンなどの芳香環または複素環などをはさんで結合していてもよいし、これら両方をはさんでいてもよい。
炭化水素基は、その鎖状構造中に上記と同様な2価の基、すなわち芳香環やヘテロ原子を含む2価の基を有するものであってもよい。
【0021】
以下、本発明に用いられる顕色剤について具体的に例示する。
有機リン酸系の顕色剤としては以下のような化合物が例示できる。
ドデシルホスホン酸、テトラデシルホスホン酸、ヘキサデシルホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、エイコシルホスホン酸、ドコシルホスホン酸、テトラコシルホスホン酸、リン酸ジテトラデシルエステル、リン酸ジヘキサデシルエステル、リン酸ジオクタデシルエステル、リン酸ジエイコシルエステル、リン酸ジベヘニルエステルなど。
【0022】
脂肪族カルボン化合物としては以下のような化合物が例示できる。
2−ヒドロキシテトラデカン酸、2−ヒドロキシヘキサデカン酸、2−ヒドロキシオクタデカン酸、2−ヒドロキシエイコサン酸、2−ヒドロキシドコサン酸、2−ブロモヘキサデカン酸、2−ブロモオクタデカン酸、2−ブロモエイコサン酸、2−ブロモドコサン酸、3−ブロモオクタデカン酸、3−ブロモドコサン酸、2、3−ジブロモオクタデカン酸、2−フルオロデカン酸、2−フルオロテトラデカン酸、2−フルオロヘキサデカン酸、2−フルオロオクタデカン酸、2−フルオロエイコサン酸、2−フルオロドコサン酸、2−ヨードヘキサデカン酸、2−ヨードオクタデカン酸、3−ヨードヘキサデカン酸、3−ヨードオクタデカン酸、パーフルオクタデカン酸など。
【0023】
脂肪族ジカルボン酸およびトリカルボン酸化合物としては以下のような化合物が例示できる。
2−ドデシルオキシこはく酸、2−テトラデシルオキシこはく酸、2−ヘキサデシルオキシこはく酸、2−オクタデシルオキシこはく酸、2−エイコシルオキシこはく酸、2−ドデシルオキシこはく酸、2−ドデシルチオこはく酸、2−テトラデシルチオこはく酸2−ヘキサデシルチオこはく酸、2−オクタデシルチオこはく酸、2−エイコシルチオはく酸、2−ドコシルチオこはく酸、2−テトラコシルチオこはく酸、2−ヘキサデシルチオこはく酸、2−オクタデシルジチオこはく酸、2−エイコシルジチオこはく酸、ドデシルこはく酸、テトラデシルこはく酸、ペンタデシルこはく酸、ヘキサデシルこはく酸、オクタデシルこはく酸、エイコシルこはく酸、ドコシルこはく酸、2,3−ジヘキサデシルこはく酸、2,3−ジオクタデシルこはく酸、2−メチル−3−ヘキサデシルこはく酸、2−メチル−3−オクタデシルこはく酸、2−オクタデシル−3−ヘキサデシルこはく酸、ヘキサデシルマロン酸、オクタデシルマロン酸、エイコシルマロン酸、ドコシルマロン酸、ジヘキサデシルマロン酸、ジオクタデシルマロン酸、ジドコシルマロン酸、メチルオクタデシルマロン酸、2−ヘキサデシルグルタル酸、2−オクタデシルグルタル酸、2−エイコシルグルタル酸、ドコシルグルタル酸、2−ペンタデシルアジピン酸、2−オクタデシルアジピン酸、2−エイコシルアジピン酸、2−ドコシルアジピン酸、2−ヘキサデカノイルオキシプロパン−1,2,3−トリカルボン酸、2−オクタデカノイルオキシプロパン−1,2,3−トリカルボン酸など。
【0024】
カルボン酸化合物としては下記一般式(3)で表される化合物も用いることができる。
【0025】
【化3】
Figure 0003596709
一般式(3)で表されるカルボン酸化合物の具体例を下記表1にp,q,r,s,A、B、X、Yの数または構造で示す。
【0026】
【表1−1】
Figure 0003596709
【0027】
【表1−2】
Figure 0003596709
【0028】
【表1−3】
Figure 0003596709
【0029】
【表1−4】
Figure 0003596709
【0030】
【表1−5】
Figure 0003596709
【0031】
【表1−6】
Figure 0003596709
【0032】
【表1−7】
Figure 0003596709
【0033】
【表1−8】
Figure 0003596709
【0034】
【表1−9】
Figure 0003596709
【0035】
【表1−10】
Figure 0003596709
【0036】
【表1−11】
Figure 0003596709
【0037】
【表1−12】
Figure 0003596709
【0038】
また、顕色剤に用いるカルボン酸化合物としては、下記一般式(4)で表される化合物が例示できる。
【0039】
【化4】
Figure 0003596709
一般式(4)で表されるカルボン酸化合物の具体例を下記表2にn、p、q、r、R、X、Yの数または構造で示す。
【0040】
【表2−1】
Figure 0003596709
【0041】
【表2−2】
Figure 0003596709
【0042】
【表2−3】
Figure 0003596709
【0043】
【表2−4】
Figure 0003596709
【0044】
【表2−5】
Figure 0003596709
【0045】
【表2−6】
Figure 0003596709
【0046】
顕色剤には、分子間凝集力を制御する構造をもつフェノール化合物も好ましく用いられる。これには、たとえば下記の一般式(5)で表されるフェノール化合物が例示できる。
【0047】
【化5】
Figure 0003596709
一般式(5)で表されるフェノール化合物の具体例を下記表3にp,q,r,s,X,A,Y,Zの数または構造で示す。ただし、これらのそれぞれの具体例においてフェノール部のnは1から3であり、たとえば4−ヒドロキシフェニル、3−ヒドロキシフェニル、2−ヒドロキシフェニル、2,4−ジヒドロキシフェニル、3,4−ジヒドロキシフェニルまたは3,4,5−トリヒドロキシフェニルなどの水酸基を少なくとも一つ以上有するフェニル基である。このフェニル基には、水酸基以外の置換基を有していてもよい。また、フェノール性水酸基を有するものであれば、他の芳香環であってもよい。
【0048】
【表3−1】
Figure 0003596709
【0049】
【表3−2】
Figure 0003596709
【0050】
【表3−3】
Figure 0003596709
【0051】
【表3−4】
Figure 0003596709
【0052】
【表3−5】
Figure 0003596709
【0053】
【表3−6】
Figure 0003596709
【0054】
【表3−7】
Figure 0003596709
【0055】
【表3−8】
Figure 0003596709
本発明においては顕色剤として上記に記載した化合物に限られるものではなく、その他の電子受容性の種々の化合物を使用することができる。
【0056】
本発明の可逆性感熱発色組成物は、基本的に前記の顕色剤と発色剤を組み合わせることによって構成されるものである。本発明で用いる発色剤は電子供与性を示すものであり、それ自体無色あるいは淡色の染料前駆体(ロイコ染料)であり、特に限定されず、従来公知のもの、例えばトリフェニルメタンフタリド系化合物、フルオラン系化合物、フェノチアジン系化合物、ロイコオーラミン系化合物、インドリノフタリド系化合物などから選択できる。その発色剤を以下に示す。
本発明に用いる好ましい発色剤として次の一般式の化合物がある。
【0057】
【化6】
Figure 0003596709
【0058】
【化7】
Figure 0003596709
(ただし、Rは水素または炭素数1〜4のアルキル基、Rは炭素数1〜6のアルキル基、シクロアルキル基又は置換されていてもよいフェニル基を示す。フェニル基に対する置換基としては、メチル基、エチル基などのアルキル基、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基又はハロゲン等が示される。Rは水素、炭素数1〜2のアルキル基、アルコキシ基又はハロゲンを表わす。Rは水素、メチル基、ハロゲン又は置換されていてもよいアミノ基を表わす。アミノ基に対する置換基としては、例えば、アルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアラルキル基を示す。ここでの置換基はアルキル基、ハロゲン、アルコキシ基などである。)このような発色剤の具体例としては、例えば次の化合物が挙げられる。
【0059】
2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−ジ(n−ブチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソプロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソブチル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−sec−ブチル−N−エチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソアミル−N−エチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−イソプロピルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−(m−トリクロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(m−トリフルオロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(m−トリクロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−(2,4−ジメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(N−エチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、
2−(N−エチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6−(N−プロピル−p−トルイジノ)フルオラン、
【0060】
2−アニリノ−6−(N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ)フルオラン、
2−(o−クロロアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(o−クロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン、
2−(m−トリフルオロメチルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(p−アセチルアニリノ)−6−(N−n−アミル−N−n−ブチルアミノ)フルオラン、
2−ベンジルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−ベンジルアミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、
2−ベンジルアミノ−6−(N−エチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、
2−ジベンジルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−ジベンジルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−(ジ−p−メチルベンジルアミノ)−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−(α−フェニルエチルアミノ)−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−メチルアミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、
2−メチルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、
2−メチルアミノ−6−(N−プロピルアニリノ)フルオラン、
2−エチルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−メチルアミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、
2−エチルアミノ−6−(N−エチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、
2−ジメチルアミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、
2−ジメチルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、
2−ジエチルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−ジエチルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−ジプロピルアミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、
2−ジプロピルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、
2−アミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、
2−アミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、
2−アミノ−6−(N−プロピルアニリノ)フルオラン、
2−アミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−アミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−アミノ−6−(N−プロピル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−アミノ−6−(N−メチル−p−エチルアニリノ)フルオラン、
2−アミノ−6−(N−エチル−p−エチルアニリノ)フルオラン、
2−アミノ−6−(N−プロピル−p−エチルアニリノ)フルオラン、
2−アミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、
2−アミノ−6−(N−エチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、
2−アミノ−6−(N−プロピル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、
2−アミノ−6−(N−メチル−p−クロロアニリノ)フルオラン、
2−アミノ−6−(N−エチル−p−クロロアニリノ)フルオラン、
2−アミノ−6−(N−プロピル−p−クロロアニリノ)フルオラン、
【0061】
2,3−ジメチル−6−ジメチルアミノフルオラン、
3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−ブロモ−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−クロロ−6−ジプロピルアミノフルオラン、
3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、
3−ブロモ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、
2−クロロ−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン、
2−クロロ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−アニリノ−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(o−クロロアニリノ)−3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、
2−(m−トリフルオロメチルアニリノ)−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(2,3−ジクロロアニリノ)−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、
1,2−ベンゾ−6−ジエチルアミノフルオラン、
1,2−ベンゾ−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン、
1,2−ベンゾ−6−ジブチルアミノフルオラン、
1,2−ベンゾ−6−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エチル−N−トルイジノ)フルオラン、その他。
【0062】
本発明において好ましく用いられる他の発色剤の具体例を示すと以下のとおりである。
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−2−エトキシプロピル−N−エチルアミノ)フルオラン、
2−(p−クロロアニリノ)−6−(N−n−オクチルアミノ)フルオラン、
2−(p−クロロアニリノ)−6−(N−n−パルミチルアミノ)フルオラン、
2−(p−クロルアニリノ)−6−(ジ−n−オクチルアミノ)フルオラン、
2−ベンゾイルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−(o−メトキシベンゾイルアミノ)−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−ジベンジルアミノ−4−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−ジベンジルアミノ−4−メトキシ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−ベンジルアミノ−4−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−(α−フェニルエチルアミノ)−4−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(p−トルイジノ)−3−(t−ブチル)−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−(o−メトキシカルボニルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−アセチルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、
4−メトキシ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−エトキシエチルアミノ−3−クロロ−6−ジブチルアミノフルオラン、
2−ジベンジルアミノ−4−クロロ−6−(N−エチル−pートルイジノ)フルオラン、
2−(α−フェニルエチルアミノ)−4−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(N−ベンジル−p−トリフルオロメチルアニリノ)−4−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−ピロリジノフルオラン、
2−アニリノ−3−クロロ−6−ピロリジノフルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)フルオラン、
2−メシジノ−4’,5’−ベンゾ−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(m−トリフルオロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ピロリジノフルオラン、
2−(α−ナフチルアミノ)−3,4−ベンゾ−4’−ブロモ−6−(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミノ)フルオラン、
2−ピペリジノ−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(N−n−プロピル−p−トリフロロメチルアニリノ)−6−モルフォリノフルオラン、
2−(ジ−N−p−クロロフェニル−メチルアミノ)−6−ピロリジノフルオラン、
2−(N−n−プロピル−m−トリフルオロメチルアニリノ)−6−モルフォリノフルオラン、
1,2−ベンゾ−6−(N−エチル−N−n−オクチルアミノ)フルオラン、
1,2−ベンゾ−6−ジアリルアミノフルオラン、
1,2−ベンゾ−6−(N−エトキシエチル−N−エチルアミノ)フルオラン、
【0063】
ベンゾロイコメチレンブルー、
2−[3,6−ビス(ジエチルアミノ)]−6−(o−クロロアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム、
2−[3,6−ビス(ジエチルアミノ)]−9−(o−クロロアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム、
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−フタリド、
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(別名クリスタルバイオレットラクトン)、
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−クロロフタリド、
3,3−ビス(p−ジブチルアミノフェニル)フタリド、
3−(2−メトキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−ヒドロキシ−4,5−ジクロロフェニル)フタリド、
3−(2−ヒドロキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メトキシ−5−クロロフェニル)フタリド、
3−(2−ヒドロキシ−4−ジメトキシアミノフェニル)−3−(2−メトキシ−5−クロロフェニル)フタリド、
3−(2−ヒドロキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メトキシ−5−ニトロフェニル)フタリド、
3−(2−ヒドロキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(2−メトキシ−5−メチルフェニル)フタリド、
3−(2−メトキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−ヒドロキシ−4−クロロ−5−メトキシフェニル)フタリド、
3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)−6’−ジメチルアミノフタリド、
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、
3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、
6’−クロロ−8’−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン、
6’−ブロモ−2’−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン、その他。
【0064】
上記の本発明で使用される顕色剤及び発色剤の具体例は、特開平5−124360、特開平6−8624及び特開平6−24132号公報に詳記されている。
【0065】
本発明において、耐光性向上のため熱発色性組成物に添加されるグアニジン誘導体は下記一般式(6)又は(7)で表わされるものである。
【0066】
【化8】
Figure 0003596709
(Rは電子供与性基を表わし、nは1〜30の整数)
【0067】
【化9】
Figure 0003596709
(Rは電子供与性基を表わし、Rはハロゲンを表わし、m,lは1又は2の整数)
【0068】
本発明で使用されるグアニジン誘導体を具体的に例示すると下のとおりであるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
1,3−ジシクロヘキシル−2−(3’−メトキシフェニル)グアニジン、
1,3−ジシクロヘキシル−2−(2’,4’−ジメトキシフェニル)グアニジン、
1,3−ジシクロヘキシル−2−(2’,5’−ジメトキシフェニル)グアニジン、
1,3−ジシクロヘキシル−2−(4’−エトキシフェニル)グアニジン、
1,3−ジシクロヘキシル−2−(2’,4’−ジブトキシフェニル)グアニジン、
1,3−ジシクロヘキシル−2−(3’,4’,5’−トリメトキシフェニル)グアニジン、
1,3−ジシクロヘキシル−2−(4’−ジエチルアミノフェニル)グアニジン
【0069】
1,3−ジシクロヘキシル−2−(2’−クロル−3’−メチルフェニル)グアニジン、
1,3−ジシクロヘキシル−2−(3’−クロル−4’−メチルフェニル)グアニジン、
1,3−ジシクロヘキシル−2−(3’−ブロム−6’−エチルフェニル)グアニジン、
1,3−ジシクロヘキシル−2−(2’−ブロム−4’−メチルフェニル)グアニジン、
1,3−ジシクロヘキシル−2−(3’−フロロ−6’−メチルフェニル)グアニジン、
1,3−ジシクロヘキシル−2−(3’−クロル−6’−メトキシフェニル)グアニジン、
1,3−ジシクロヘキシル−2−(3’−クロル−6’−ブトキシフェニル)グアニジン、
1,3−ジシクロヘキシル−2−(3’−ブロム−6’−エトキシフェニル)グアニジン、
【0070】
1,3−ジシクロヘキシル−2−(2’,5’−ジクロル−4’−メチルフェニル)グアニジン、
1,3−ジシクロヘキシル−2−(3’,5’−ジクロル−4’−メトキシフェニル)グアニジン、
1,3−ジシクロヘキシル−2−(3’,5’−ジクロル−4’−ブトキシフェニル)グアニジン、
1,3−ジシクロヘキシル−2−(3’−クロル−4’,6’−ジメトキシフェニル)グアニジン、
1,3−ジシクロヘキシル−2−(3’−クロル−4’,6’−ジノルマルプロピルフェニル)グアニジン、
1,3−ジシクロヘキシル−2−(3’−クロル−2’,6’−ジエチルフェニル)グアニジン
1,3−ジシクロヘキシル−2−(2’−クロル−4’−ジメチルアミノフェニル)グアニジン等。
【0071】
またビタミンKとしては、
ビタミンK(2−メチル−3−フィチル−1,4−ナフトキノン)、
ビタミンK(2−ファルネシル−3−メチル−1,4−ナフトキノン)、
ビタミンK(2−メチル−1,4−ナフトキノン)等。
【0072】
耐光性向上のためには、前記のグアニジン誘導体又はビタミンKを1種又は2種以上混合して添加すればよく、その添加量は発色剤に対して1〜30重量%未満、好ましくは5〜20重量%未満であり、添加量過少では耐光性向上効果が小さく、過大の場合は発色濃度及び画像保存性が低下するうえ、30重量%以上添加しても耐光性が更に向上することはない。
【0073】
本発明の組成物において顕色剤の添加量は発色剤の1〜20モル倍、好ましくは2〜10モル倍であり、この範囲であれば顕色剤及び発色剤に単一品を使用しても2種以上の混合物を使用してもよい。しかし、この範囲より顕色剤が少なくとも、また多くても発色状態の濃度が低くなり実用上の問題となる。
【0074】
また、上記の好ましい範囲にあっても、発色剤と顕色剤の割合によって消色特性は変化し、比較的顕色剤が多い場合には消色開始温度が低くなり、比較的少ない場合には消色が温度に対してシャープになる。したがって、この割合は用途や目的に応じて適当に選択しなければならない。
【0075】
本発明の可逆的感熱記録媒体は、支持体上に前記組成物を含む記録層を積層したものであり、通常は記録層上に保護層を積層して耐久性を向上させるが、保護層はなくてもよい。支持体は、紙、合成紙、プラスチックフィルム、或いはこれらの複合体、ガラス等であり、記録層を保持できるものであればよい。
【0076】
記録層は、前記の組成物が存在すればどのような態様のものでもよく、顕色剤と発色剤とを混合・溶融して膜とし、これを冷却して記録層としてもよい。しかし、通常はバインダー樹脂内に顕色剤と発色剤とを十分よく分散して記録層とするのがよく、この方法で寿命の長い可逆的感熱記録媒体を得ることができる。また、この場合の記録層形成は従来公知の方法に従って行うことができる。即ち、発色剤及び顕色剤をバインダー樹脂と共に、水又は有機溶剤により均一に分散若しくは溶解し、これを支持体上に塗布・乾燥すればよい。
【0077】
本発明の可逆的感熱記録媒体では必要に応じて、塗布特性或いは記録特性の向上を目的に、通常の感熱記録紙に用いられている種々の添加剤、例えば分散剤、界面活性剤、高分子カチオン系導電剤、填料、発色画像安定剤、酸化防止剤、光安定化剤、滑剤等を記録層に加えることもできる。
【0078】
記録層やアンダーコート層、記録層と保護層間の中間層等に用いられるバインダー樹脂は特に限定されず、公知のバインダー樹脂はいずれも使用可能である。バインダー樹脂を具体的に例示すれば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メトキシセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、ゼラチン、カゼイン、澱粉、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、スチレン系共重合体、フェノキシ樹脂、ポリエステル、芳香族ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアクリル酸エステル類、ポリメタクリル酸エステル類、アクリル酸共重合体、マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、塩素化塩化ビニル樹脂、これらの樹脂の混合物などが挙げられる。
【0079】
記録層のバインダー樹脂の役割は、発色・消色の繰り返しによって可逆的熱発色性組成物が凝集するのを防止し、該組成物が均一に分散した状態を保持することにある。特に、発色時の熱の印加で組成物が凝集して不均一化することが多いため、バインダー樹脂は耐熱性の高いものが好ましい。なお、バインダー樹脂の各種特性は熱発色性組成物の挙動に大きな影響を与えているものと思われる。
【0080】
保護層は、熱印加時の熱と圧力で表面が変形したり変色したりすることを防止するほか、耐薬品性、耐水性、耐摩擦性、ヘッドマッチング性等を向上させる役割を持たせることもできる。そのため、保護層形成材料は耐熱性に優れると共に強度の大きいものがよく、シリコーン系ゴム、シリコーン樹脂(特開昭63−221087号公報)、ポリシロキサングラフトポリマー(特開昭63−317385号公報)、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等が使用されるが、水溶性高分子や疎水性高分子化合物の水性エマルジョンで形成されたものでもよい。このような保護層の形成で、前記のように耐熱性が向上すると共に、有機溶剤、可塑剤、油、汗、水等の接触に対する抵抗力も増加し、悪い環境でも画像の形成及び消去を問題なく繰り返すことのできる記録媒体を得ることができる。また、保護層中に光安定化剤を含有させることで画像及び地肌の耐光性が著しく改良された記録媒体が得られ、高分子カチオン系導電剤の添加で帯電防止を可能とし、さらに保護層に有機又は無機フィラー及び滑剤を加えることでサーマルヘッド等との接触で生じるスティッキングも防止され、信頼性及びヘッドマッチング性の高い感熱記録媒体を得ることができる。保護層の形成方法は、保護層成分を水又は有機溶剤によって均一に分散若しくは溶解し、これを記録層上に均一に塗布・乾燥させればよく、保護層の厚さは0.5〜10μm程度がよい。
【0081】
本発明の可逆的感熱記録媒体では、必要に応じて支持体と記録層との間にアンダーコート層を設置してもよい。アンダーコート層は、断熱性向上、支持体と記録層間の接着性向上、記録層作成時の溶剤に対する支持体の耐性向上等の目的で設置するものであり、支持体の種類を勘案して設置の有無を定めればよい。アンダーコート層の重要な役割の一つは断熱性向上であるが、これは印加熱エネルギーを無駄なく熱記録形成や熱消去に役立たせるためのものであり、断熱層の設置によって発色及び消色をシャープに行うことができる。断熱を目的とするアンダーコート層を形成するには、支持体上に有機又は無機材質より成る微小中空体粒子を塗工すればよく、具体的にはガラス又はセラミックス、或いはプラスチック等で形成された粒径10〜50μm程度の微小中空体を、バインダー樹脂と共に溶剤によく分散させて支持体上に均一に塗布・乾燥させればよい。なお、断熱層を設ける代わりに断熱性支持体を使用しても印加熱エネルギーの節約が可能であり、断熱性支持体としてはプラスチックフィルムや合成紙等が用いられる。
【0082】
さらに本発明の可逆性感熱記録媒体では記録層と保護層の間に中間層を設置してもよい。
中間層は記録層と保護層の接着性向上、保護層作成時の溶剤に対する記録層の耐性向上の目的で設置するものである。
【0083】
記録画像の形成は、使用目的によって熱ペン、サーマルヘッド、レーザー加熱等特に限定されない。同様に記録画像の消去も加熱ローラ、面状発熱体、恒温槽、温風、サーマルヘッド等消去の温度条件が与えられるものであれば特に限定はされない。また、記録画像を消去温度に設定したサーマルヘッドにより消去しながら、同時に記録温度に設定した別のサーマルヘッドにより記録画像の形成を行うことも可能である。
【0084】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、本発明はこの実施例によって限定されるものではない。なお、以下における部及び%はいずれも重量基準である。
【0085】
参考実施例1〜20、実施例1〜6
下記組成物をボールミルで粒径約1〜3μmとなるように粉砕・分散し、可逆的感熱記録層形成用塗布液を調製した。
2−(oークロルアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン 3部
オクタデシルホスホン酸 10部
塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、
(ユニオンカーバイト社製、VYHH) 10部
添加剤
表4、表5に記載の参考実施例1〜20、実施例1〜6の添加剤と添加量)
トルエン 45部
メチルエチルケトン 45部
この塗布液を、白色PETフィルム(ルミラーE20、東レ社製)にワイヤーバーで塗布・乾燥し、膜厚約6μmの可逆的感熱記録層を設けた。
【0086】
次に、前記可逆的感熱記録層の上につぎの組成の保護層形成用塗布液をワイヤーバーで塗布・乾燥し、乾燥後に80W/cmの強さの紫外線を照射して塗布・乾燥物を硬化させ、膜厚約3μmの保護層を積層した。
ウレタンアクリレート系紫外線硬化性樹脂 100部
(大日本インキ化学社製;ユニディックC7−157)
酢酸エチル 50部
【0087】
以上のようにして作製した可逆的感熱記録媒体を、120℃のホットプレートに約20秒間接触させて発色画像を得、マクベス社製反射濃度計RD−914で発色濃度を測定した。次に、発色させた記録媒体を70℃の恒温槽に10分間入れて画像を消去し、前記RD−914で消色濃度を測定した。また、発色画像を5キロルックス(K lux)の蛍光灯に48時間暴露した後の画像濃度、及び該画像を前記したのと同一方法で消色した時の消色濃度についても測定した。
さらに発色画像を50℃の恒温槽に入れ、24時間後の濃度を測定し耐熱性を調べた。これらをまとめて表1及び表2に示す。
【0088】
参考比較例
参考実施例において添加剤を添加しなかったもの及び従来のグアニジン誘導体を添加したものについて、参考実施例と同様にして可逆性感熱媒体を作製し同様の評価をした(表4)。
【0089】
【表4−1】
Figure 0003596709
【0090】
【表4−2】
Figure 0003596709
【0091】
【化10】
Figure 0003596709
*2;電子供与性呈色性化合物に対する割合(wt%)
*3、*5;
Figure 0003596709
*4;(差)=試験後消色濃度−初期消色濃度
【0092】
【表5】
Figure 0003596709
【0093】
【発明の効果】
以上詳細かつ具体的に説明したように、本発明の可逆的熱発色性組成物及び可逆的感熱記録媒体は、組成物中にビタミンKを含有させたことにより、光が当たった後でも消し残りの少ない消色状態が得られ、耐光性が改良される。また、発色状態の熱安定性に優れ、発色良好な画像保存性が達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可逆的感熱記録媒体の、発色及び消色原理を温度−発色濃度の関係グラフにより説明する図である。
【図2】画像形成工程と画像消去工程を説明する図である。
【符号の説明】
1 加熱による画像形成過程
2 冷却による画像定着過程
3 加熱による画像消去過程
4 支持体
5 可逆的感熱記録層
6 発色画像
7 サーマルヘッド
8 加熱ローラ
A 画像の完全消去状態
B 飽和発色状態
C 完全発色状態
D 加熱消去状態

Claims (2)

  1. 電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物を主成分として含有し、加熱温度及び/又は加熱後の冷却速度の違いにより相対的に発色した状態と消色した状態を形成しうる記録層を支持体上に設けた可逆性感熱記録媒体において、記録層又は記録層に隣接する層にビタミンK 、ビタミンK 又はビタミンK を含有させたことを特徴とする可逆性感熱記録媒体。
  2. 記録層及び/又は記録層に隣接する層に添加するビタミンK 、ビタミンK 又はビタミンK の添加量が電子供与性呈色性化合物に対して1.0重量%以上30重量%未満であることを特徴とする請求項1に記載の可逆性感熱記録媒体。
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