JP3589236B2 - インクジェット式記録ヘッド及びこれを用いた画像記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットプリンタ或はインクジェットプロッタなどとして用いられるインクジェット式画像記録装置及びインクジェット式記録ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の記録ヘッドは、ノズル開口を有する圧力発生室を複数並べて形成するとともに、これら圧力発生室の配列方向に沿って細長い共通インク室を形成し、この共通インク室と各圧力発生室との間をインク供給路により連通し、各圧力発生室に振動板を介して圧力発生素子を設け、この圧力発生素子による圧力発生室内の圧力変動によりノズル開口からインク滴を吐出させる構成を採る。そして、共通インク室は、ここにインクを供給するインク供給管から最も遠い左右の端部で流路幅を絞って先細りな形状にしているが、これは断面積を減少させることによりインクの流速を高め、これによりインクを充填する際やノズル開口から吸引するクリーニング時に残留気泡をなくすためである。
【0003】
また、共通インク室の一面を弾性フィルムで区画することにより大きなコンプライアンスを与えている。これは、インク吐出時にインク供給路から逆流するインクの圧力を吸収し、また、各圧力発生室に素早くインクを供給するためである。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−297701号公報
【特許文献2】
特開平9−057961号公報
【特許文献3】
特開平9−099557号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記した従来の記録ヘッドでは、同一条件で圧力発生素子を駆動しても、共通インク室の端部(インク供給管から遠い端部)で連通している圧力発生室のノズル開口から吐出されるインク滴の吐出特性が他のノズル開口の吐出特性とは異なる現象が発生し、そのばらつき範囲は目標値に対して+−15%程度となる。この様な現象は共通インク室の端部で圧力損失が生じてインク供給路の入口に負圧が生ずると推測される。そして、これを解消するには、共通インク室のコンプライアンスを大きくすることが考えられるが、共通インク室の端部は、気泡排除性を高めるために先細りにする必要があるので、単にコンプライアンス部を拡張することは困難である。また、画像記録速度の高速化、記録対象物の大型化などの要求から一列当たりのノズル数を増加させる傾向にあるが、クリーニング用ポンプを大型化して気泡排出能力を高めると排除するインクの量が増加してしまうので、共通インク室の先端部分を先細りにすることは避けられない。
【0006】
本発明は上記した事情に鑑みなされたもので、その目的は、複数のノズル開口を有し、これらノズル開口のそれぞれの吐出特性の均一化を図ることができるインクジェット式記録ヘッド、及びこの記録ヘッドを用いた画像記録装置を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のインクジェット式記録ヘッドは、ノズル開口と連通する圧力発生室を複数並べて形成し、該複数の圧力発生室の体積を全て揃えるとともに、これら圧力発生室の一側に共通インク室を形成し、共通インク室と各圧力発生室とをインク供給路によりそれぞれ連通し、各圧力発生室に対応して圧力発生素子を設け、共通インク室にはインク供給管を接続し、圧力発生素子による圧力発生室内の圧力変動により当該圧力発生室内のインクをノズル開口から吐出するインクジェット式記録ヘッドにおいて、
前記インク供給管の接続部から離れた前記共通インク室の端部近傍に、他の部分よりも断面積を減少させた絞り領域を有し、
前記共通インク室の絞り領域近傍で連通するインク供給路のイナータンスが、前記絞り領域近傍以外で連通する複数の同一形状のインク供給路のイナータンスに比較して小さくなる様にインク供給路の断面積あるいは長さの少なくとも一方を異ならせて形成されていることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1はインクジェット式記録ヘッド(以下、記録ヘッド1という。)を用いた画像記録装置2の斜視図である。この画像記録装置2は、スキャナ(図示せず)などと共にコンピュータ(図示せず)に接続された状態で使用される。このコンピュータには、所定のプログラムがロードされ、実行されることにより、これらの装置全体が一体で記録装置として機能する。コンピュータでは、所定のオペレーティングの下でアプリケーションプログラムが動作し、スキャナから読み込んだ画像などに対して所定の処理を行ないつつCRTディスプレイ(図示せず)に画像を表示する。また、コンピュータは、アプリケーションプログラムが印刷命令を発すると、スキャナを介して読み込んだ画像データやキーボードを介して入力された文字データなどを画像記録装置2に出力する。
【0018】
画像記録装置2は、キャリッジ3がタイミングベルト4を介してキャリッジモータ5に接続され、ガイド部材6に案内されて記録用紙7の紙幅方向に往復動するように構成されている。また、この画像記録装置2には、紙送りローラ7′を用いた紙送り機構も設けられている。キャリッジ3には記録用紙7と対向する面、すなわち本実施形態では下面に記録ヘッド1が取り付けられており、記録ヘッド1は、キャリッジ3の上部に取り付けられたホルダ8にセットされているインクカートリッジ9からインクの供給を受けて、キャリッジ3の移動に合わせて記録用紙7にインク滴を吐出することにより画像や文字等を印刷する。
【0019】
また、記録用紙7から外れた非印刷領域(非記録領域)には、キャッピング装置10が配設され、印刷の休止中に記録ヘッド1のノズル開口を封止する。したがって、印刷の休止中、キャッピング装置10によるノズル開口の封止によりインクが増粘あるいはインク膜を形成することを抑制することができる。また、キャッピング装置10は、図面には示していないが吸引パイプを介してポンプに接続しており、インクを充填する際やクリーニング時にノズル開口から吸引して記録ヘッド1内のインク流路内にある気泡を排除する。そして、キャッピング装置10の近傍に配置されたワイピング装置11により、記録ヘッド1の表面(ノズル開口のある下面)を払拭して、そこに付着したインク滓や紙粉等を除去するように構成されている。
【0020】
図2は、図1に示すインクジェット式画像記録装置2の記録ヘッド1の分解斜視図、図3は記録ヘッド1のアクチュエータの断面図、図4は、前記記録ヘッド1の流路形成板12の平面図である。図2及び図3に示す記録ヘッド1を製造するには、複数の列にノズル開口13が形成されたノズルプレート14、ノズル開口13のそれぞれに連通する圧力発生室20が形成された流路形成板12、および圧力発生室20のそれぞれに重なる振動領域が島状に形成された弾性板21をこの順に積層して流路ユニット22を構成した後、流路ユニット22を圧力発生素子23が支持されたヘッドケース24に重ね合わせて、各圧力発生素子23の先端部分を弾性板21の各振動領域にそれぞれ当接して接着し、ノズルプレート14側に縁カバー25を被せる。
【0021】
ノズルプレート14は、ステンレス板などの薄板に直径20μmから30μmのノズル開口13がドット形成密度に対応したピッチで形成されたものである。また、流路形成板12は、図4に示すように、厚さが400μm程度のシリコン基板に対してウエットエッチングなどによって貫通穴を形成したものであり、この貫通穴により、共通インク室26、この共通インク室26からノズルプレート14のノズル開口13と重なる位置まで細長く形成されたインク供給路27、および圧力発生室20が構成される。
【0022】
弾性板21は、ステンレス板29と樹脂フィルム30からなる複合板に対して、圧力発生室20と重なる領域にステンレス部分が島状の振動領域(アイランド部)31として残され、この振動領域31の周りは樹脂フィルム30だけが残されている。また、この弾性板21には、共通インク室26に重なる領域にインク供給穴32が形成されている。
【0023】
ヘッドケース24には、その先端面に窓33が開設され、このヘッドケース24内に、ステンレス製固定基板34に基端を固定して複数本櫛歯状に形成された圧力発生素子23を差し込むと、窓33の内側に圧力発生素子23の先端部分が入り込む。なお、ヘッドケース24にはインク供給管35が形成されている。
【0024】
この様に構成された記録ヘッド1において、電圧パルスが圧力発生素子23に印加されると、圧力発生素子23は圧力発生室20の容積を膨張させる方に撓み、すなわち収縮し、圧力発生室20に負圧を発生させる。その結果、インクのメニスカスはノズル開口13の内部に引き込まれ、共通インク室26からは各インク供給路27を介して各圧力発生室20にインクが流れ込む。一方、放電パルスを印加すると、圧力発生素子23は圧力発生室20の容積を収縮させる方向に撓み、すなわち伸長し、圧力発生室20に正圧が発生する。その結果、ノズル開口13からインク滴が吐出される。この様な動作はいずれも、圧力発生素子23の伸長、収縮が弾性板21の振動領域31を介して伝達される。
【0025】
図4に示す流路形成板12の実施形態における特徴は、インク供給管35が共通インク室26の一方の端部に連通しているので、このインク供給管35から遠く離隔した他方の端部の領域で連通しているインク供給路27の幅がノズル番号#4から#1の方向に徐々に広げられていることにある。換言すると、共通インク室26中央側から先端に位置するものほどその幅が徐々に広げられている。
【0026】
流路形成板12に形成される共通インク室26の深さは均一であるので、インク供給路27の入口(#1〜#4に対応する供給口)の断面積が徐々に大きくなり、ノズル番号#4〜#1にかけて生じるインク速度とインク量の変動を抑制することができる。
【0027】
ここでその原理を図5を参照して説明する。Mn、Ms、Maは、それぞれノズル開口13、インク供給路27および圧力発生素子23のイナータンスである。Rn、Rs、Raは、それぞれノズル開口13、インク供給路27および圧力発生素子23のレジスタンスである。Cn、Cc、Caは、それぞれノズル開口13、圧力発生室20,及び圧力発生素子23のコンプライアンスである。Us、Unは、それぞれノズル開口13側、インク供給路27側に流れるインクの体積速度である。Uaは、圧力発生素子23が動作したときに圧力発生室20の内部に生じる単位時間当たりのインクの体積速度である。したがって、体積速度UnとUsの和がUaとなる。
【0028】
圧力発生室20の中を流れるインクの振動周波数(Fink)は次式で表される。
Fink=1/2π・√(Mn・Ms)/√{Cc(Mn+ms)}
本実施形態においては、Mn=1.27×108(kg/m4)、Ms=1.50×108(kg/m4)、Cc=2.44×10−20(m5/N)であるから、Finkは約123kHzと導かれる。
【0029】
UnとUsの比率は、ノズル側のインピーダンスZn、インク供給側のインピーダンスZsとの比率によって決定されるが、Finkが非常に高速であるため、Zn≒Mn、Zs≒Msと考えることができる。
【0030】
したがって、Un/Us≒Mn/Msとなり、インク供給口のMsを調整することによりUn/Usをコントロールすることができる。ノズル開口13から吐出するインク速度は、体積速度Un(m3/s)/ノズル開口面積(m2)と考えることができるので、Unを小さくすればインク速度を減少させることができる。インク量においても同様にUnを小さくすれば減少させることができる。
【0031】
Msは次式で表すことができる。
Ms=ρ×1/S
ここで、
ρ:インクの比重
l:インク供給路27の長さ
S:インク供給路27の断面積
である。
【0032】
よって、インク供給路27の断面積Sを大きくすることによりMsは小さくなり、インク速度、インク量をコントロールすることが可能である。また、インク供給路27の長さを短くしても同様な効果を得ることができるのは上述の通りである。
【0033】
次に、図6に示す第2の実施形態について説明する。この第2実施形態の特徴は、インク供給管35が共通インク室26の長手方向に対して略中央に位置することである。この様な構成にすると、インク供給管35から共通インク室26の端部までの長さを、前記第1実施形態の約半分にすることが可能となり、共通インク室26の長さと断面積による損失水頭の問題をノズル列が長くなっても回避することが可能となる。なお、本実施形態においては、インク供給管35から共通インク室26の端部までの距離が両方とも同じになるので、両方の端部を、断面積が次第に減少する先細り形状とし、この先細りにした端部の領域(絞り領域36)で連通しているインク供給路27の幅を中央側から先端に向かうにしたがって、すなわち#4から#1になるにしたがって徐々に広くしてある。
【0034】
次に、図7に示す第3の実施形態について説明する。この第3実施形態の特徴は、インク供給路27が1つの圧力発生室20に対して複数形成されていることである。第1の実施形態の説明で、気泡排出性に優れた共通インク室26であって、かつ、端部におけるインク量、インク速度を補正できることを説明したが、記録速度を更に高速化しようとする場合、圧力発生室20内でのインクの振動を効率良く減衰させる必要がある。
【0035】
一般に、減衰係数はMs/Rsで表すことができる。
ここで、Rsは次式で表すことができる。
Rs=12×η×l/(W×t3)
η:インクの粘度(Pa×s)
l:供給口(インク供給路27)の長さ(m)
W:供給口断面の長辺(供給口が長方形断面の時)
t:供給口断面の短辺(供給口が長方形断面の時)
である。
【0036】
本実施形態において、流路形成板12の厚さは200〜500μmであり、インク供給路27の幅は10〜50μmであるため、第1の実施形態で示したように、インク供給路27の幅でMsを小さくしようとすると、Rsはその幅の3乗に比例して小さくなってしまう。
【0037】
減衰係数Mn/Rnは小さいほど速くインクの振動を減衰させることができるが、インク供給路27の幅により、インク速度、インク量を小さくすることができても減衰が悪くなり、高速印字実現への障害となる。
【0038】
しかしながら、第3の実施形態においては、1つの圧力発生室20に対して複数のインク供給路27を備えることを特徴としているので、Mnを並列に考えることが可能となり、インク供給路27の長さlと幅Wと深さtを調整することにより減衰係数Mn/Rnを補正しないインク供給路27と同等にしながら端部におけるMnを小さく調整することが可能となる。
【0039】
なお、前記実施形態ではインク供給路27の内部に仕切りなどが形成されていない構成であったが、一つのインク供給路27内が上下、あるいは左右に分かれて圧力発生室20で合流するように構成してもよい。
【0040】
これまで説明した各実施形態は、共通インク室26に連通しているインク供給路27のうち、共通インク室26の端部に連通しているインク供給路27について、当該共通インク室26に前記端部以外の他の部分で連通している同一形状の複数のインク供給路27に比較して、断面積あるいは長さの少なくとも一方を異ならせ、これにより各ノズル開口13から吐出されるインク滴の吐出特性を揃えるように構成した。すなわち、インク供給量、およびインク滴の速度を揃えて記録品位を高めるようにしたものであるが、これは、共通インク室26に個々に連通し、インク供給路27からそれに連通する圧力発生室20を介してそのノズル開口13に至るインク経路のうち、前記絞り領域36で連通しているインク経路については、形状と長さと断面積との少なくとも一つを、絞り領域36以外で当該共通インク室26に連通しているインク経路のものと異ならせることにより、各ノズル開口13から吐出されるインク滴の速度が揃うようにしたということである。そして、以下に説明する各実施形態ではさらに記録品位を高めようとするものである。なお、理解を容易にするために、説明が前記実施形態と一部重複するが、詳しく説明する。
【0041】
図8及び図9に示す記録へッド1は、前記実施形態と同様に、ヘッドケース24の収納室40内に圧電振動子41を圧力発生素子として一方の開口から挿入して櫛歯状先端を他方の開口(窓33)に臨ませ、この開口側のヘッドケース24の表面(下面)に流路ユニット22を接合するとともに、圧電振動子41の櫛歯状先端をそれぞれ流路ユニット22の所定部位に当接固定することにより概略構成されている。
【0042】
流路ユニット22は、前記実施形態と同様に、流路形成板12を間に挟んでノズルプレート14と弾性板21を両側に積層することにより構成されている。
【0043】
ノズルプレート14は、ドット形成密度に対応したピッチで複数のノズル開口13を列状に開設したステンレス製の薄いプレートであり、本実施形態では0.141mmのピッチ(180dpi)で1列96個のノズル開口13を5列開設してある。なお、このノズルプレート14は、流路形成板12など他の部材と一体に成形してもよい。
【0044】
ノズルプレート14の一方の面に積層する流路形成板12は、厚さが400μm程度のシリコン基板に対してウエットエッチングなどにより、ノズルプレート14のノズル開口13に対応して圧力発生室20となる空部を隔壁で区画した状態で複数並べて形成するとともに、これら圧力発生室20の配列方向に沿って共通インク室26となる空部を形成し、この共通インク室26と各圧力発生室20とをそれぞれ連通するインク供給路27となる空部を形成した板状の部材である。
【0045】
共通インク室26は、インクカートリッジ9に貯留されたインクを各圧力発生室20に供給するための室であり、長手方向のほぼ中央にインク供給管35が連通し、このインク供給管35から遠い端の部分(左右端部)に、図10に示すように、流路幅を狭く絞って断面積を他の部分よりも減少させた絞り領域36を設定する。この絞り領域36を形成するには、圧力発生室20側の辺を直線状としたまま、圧力発生室20とは反対側に位置する辺を屈曲或は彎曲させて圧力発生室20側に近付けることにより形成する。なお、インク供給管35の左右近傍部分(即ち、中央部分)と上記絞り領域36との間は適宜傾斜させて接続するが、本実施形態では絞り領域36の手前部分の辺を他の部分よりも急な角度で圧力発生室20側に傾斜させることにより複数段に分けて形成している。
【0046】
圧力発生室20は、ノズル開口13の列に対して直交する方向に細長い室であり、その一部(ノズル開口13側)が、流路形成板12の厚さ方向に貫通した矩形の貫通孔20aにより構成され、残りの部分は、流路形成板12の厚さ方向の中央に形成した上下室隔壁42で上下に区画された偏平な凹室で構成されている。そして、本発明における圧力発生室20は、96個すべて同じ体積になるように形成してある。
【0047】
インク供給路27は、共通インク室26と各圧力発生室20とを連通する流路であり、図11に示す実施形態では、共通インク室26側に開口した入口27aと圧力発生室20側に開口した出口27bとの間に仕切り(中州部)43を形成し、該中州部43の寸法により流路幅と流路長さを調整し、これにより個々のイナータンスを調整している。特に、本実施形態では前記絞り領域36で連通しているインク供給路27の入口27aと出口27bとの間におけるそれぞれのイナータンスを、絞り領域36以外で共通インク室26に連通している他のインク供給路27のイナータンスに比較して小さく設定するとともに、共通インク室26の上記先端側に位置するインク供給路27ほど小さく設定し、尚且つ、イナータンスを小さく設定した上記インク供給路27に連通した圧力発生室20の体積を、上記絞り領域36以外で当該共通インク室26に連通している他の圧力発生室20の体積に揃えている。
【0048】
具体的に説明すると、図11に示す絞り領域36で連通している3つの圧力発生室20A,20B,20Cのうち、最も端のインク供給路27Aの中州部43Aの幅を最小にするとともに、長さも最短に設定し、これにより当該インク供給路27Aのイナータンスを最小に設定し、このインク供給路27Aの隣りに位置する端から2番目の中州部43Bの幅を上記中州部43Aよりも少し幅広(標準幅)にするとともに、長さを最短に設定し、これにより当該インク供給路27Bのイナータンスを2番目に小さく設定し、このインク供給路27Bの隣りに位置する端から3番目の中州部43Cの幅を標準幅にするとともに、長さを1番目や2番目よりも少し長く(中間長さ)に設定し、これにより当該インク供給路27Cのイナータンスを3番目に小さく設定してある。
【0049】
この様に中州部43の寸法を変化させてインク供給路27の入口27aと出口27bとの間の流路断面積を変化させることによりそれぞれのイナータンスを端部(絞り領域36の先端)ほど小さく設定したが、インク供給路27の出口27bの位置、すなわち中州部43の圧力室側端部の位置を、圧力発生室20の配列方向に沿った仮想直線L1上に揃えることにより各圧力発生室20の体積を揃えている。なお、絞り領域36以外で連通している圧力発生室20D,20E…のインク供給路27の中州部43は、幅を、前記2番目や3番目の中州部43B,43Cと同じ標準幅とし、長さを、前記3番目の中州部43Cと同じ標準長としてある。したがって、これらインク供給路27のイナータンスは、絞り領域36で連通している3つの圧力発生室20A,20B,20Cのイナータンスよりも大きい値で揃っている。
【0050】
弾性板21は、本実施形態では図8に示すように、ノズルプレート14とは反対側に位置する流路形成板12の他方の面に積層され、上記圧力発生室20の一方の開口面を封止する封止板と、同じく流路形成板12の他方の面に積層され、共通インク室26の一方の開口面を封止する弾性体膜(薄膜部)とを兼ねており、ステンレス板29上にPPS等の高分子体フィルム30をラミネート加工した二重構造である。そして、同一材により封止板と弾性体膜とを構成するので、封止板として機能する部分、すなわち圧力発生室20に重なる部分のステンレス板29をエッチング加工して圧電振動子41の先端を当接固定するための厚肉部(アイランド部31)を島状に形成し、また、弾性体膜として機能する部分、すなわち共通インク室26に重なる部分のステンレス板29をエッチング加工で除去してフィルム30(弾性体膜)だけにする。そして、共通インク室26に重なる領域に、インク供給管35と連通してインクを共通インク室26内に供給するインク供給穴32(図10参照)を開設する。
【0051】
上記の構成を有する記録ヘッド1では、圧電振動子41を振動子長手方向に伸長させることにより、アイランド部31がノズルプレート14側に押圧され、アイランド部31周辺のフィルム(弾性体膜)30が変形して圧力発生室20が収縮する。また、圧電振動子41を振動子長手方向に収縮させると、弾性体膜32の弾性により圧力発生室20が膨張する。そして、圧力発生室20の膨張・収縮を制御することによりノズル開口13からインク滴が吐出される。
【0052】
そして、インクを充填する際やクリーニング時にキャッピング装置10の作動によりノズル開口13から吸引すると、共通インク室26においては左右の端部に絞り領域36を形成してあるので、この部分のインク流速が高められ、これにより気泡が引っ掛かることなく排除され、残留気泡をなくすことができる。
【0053】
この様に、本実施形態では共通インク室26の端部を絞って残留気泡の減少を図っており、また、共通インク室26の端部を絞っても、インク供給路27のイナータンスを調整(補正)することにより各ノズル開口13の吐出特性の均一化を図っている。以下、この吐出特性について説明する。
【0054】
この記録ヘッド12における振動系は、図5に示す等価回路によって表すことができる。図5において、記号Mは媒質の慣性成分であるイナータンス〔Kg/m4〕であり、Maは圧電振動子41におけるイナータンス、Mnはノズル開口13におけるイナータンス、Msはインク供給路27におけるイナータンスである。記号Rは媒質の内部損失であるレジスタンス〔N・s/m5〕であり、Rnはノズル開口13におけるレジスタンス、Rsはインク供給路27におけるレジスタンスである。記号Cは単位圧力あたりの容積変化であるコンプライアンス〔m5/N〕であり、Ccは圧力発生室20のコンプライアンス、Caは圧電振動子41におけるコンプライアンス、Cnはノズルプレート14のコンプライアンスである。また、記号Pは圧電振動子41が経時的に発生する圧力、換言すれば、圧電振動子41に印加する電圧パルスを等価圧力に変換したものである。
【0055】
そして、圧力発生室20のコンプライアンスCcは、主に弾性板21のコンプライアンスCsとインクのコンプライアンスC.inkとからなる。圧力発生室20の容積をV、インク密度をρ、インク中の音速をcとすると、インクのコンプライアンスC.inkは、次式(1)のように表すことができる。
C.ink=V/ρ・c2・・・(1)
ここで、ρおよびcは一定であるから、
C.ink=k・V(k;定数)・・・(2)
とも表すことができる。
【0056】
また、圧力発生室20のコンプライアンスCcは、圧力発生室20を構成している、すなわち圧力発生室20の内壁面として機能する流路形成板12の隔壁、弾性板21、ノズルプレート14の各コンプライアンスに関係し、これら圧力発生室20構成部材のコンプライアンスをC.strとすると、このC.strは圧力変化ΔPに対する容積変化ΔVであり、次式(3)のように表すことができる。
C.str=ΔV/ΔP・・・(3)
ここで、記録ヘッド1のコンプライアンス成分のうち、圧力発生室20内のインクのコンプライアンスC.inkの割合を、圧力発生室20を構成している上記隔壁、弾性板21などの圧力発生室20構成部材のコンプライアンスC.strの割合よりも大きくする(C.ink>C.str)と、流路形成板12の隔壁、弾性板21など圧力発生構成部材の加工精度、特に弾性板21のアイランド部31の加工具合やフィルム30の厚さの誤差に影響され難くなる。換言すれば、記録ヘッド1のコンプライアンスを決定する要素のうち、圧力発生室20内のインクのコンプライアンスに依存する割合を相対的に増大すれば、記録ヘッド1の機械加工精度に依存する割合が相対的に低下し、これにより記録ヘッド1のコンプライアンスの変動を少なくすることができる。
【0057】
また、共通インク室26の絞り領域36に接続した圧力発生室20のノズル開口13の吐出特性を他の領域に接続した圧力発生室20のノズル開口13の吐出特性に揃えることは、圧力発生室20の体積を一定にすると、個々の圧力発生室20内のインク圧力共振周期を揃えることによりなし得る。そして、このインク圧力共振周期Tcは次式(4)で表すことができる。また、インク供給路27のイナータンスMsは、インク密度をρ、インク供給路27の断面積をS、インク供給口24の並列な流路本数をnとすると、式(5)で表すことができ、イナータンスMn、Msの並列計算は式(6)で表すことができる。
Tc=2π√(MCc)・・・(4)
Ms=ρ・L/n・S・・・・(5)
M=(Mn+Ms)/(Mn・Ms)・・・(6)
インク圧力共振周期Tcを揃えるには、上記(4)式から、イナータンスと圧力を揃えることが必要であることが分かる。この点において、本実施形態では、共通インク室26の絞り領域36に接続したインク供給路27については、前記したように、インク供給路27の入口27aと出口27bとの間におけるイナータンスを、中州部43の寸法を調整することにより、共通インク室26の端部に配置されたものほど小さくなるように補正している。
【0058】
このため、共通インク室26の絞り(先細り)により、この部分で付加されたイナータンス分をインク供給路27のイナータンスを小さく補正することで実質的なイナータンスを同一としている。さらに、インク供給路27の出口27bの位置を揃えてあるので、圧力発生室20のコンプライアンスCcも同一である。したがって、上記補正により共通インク室26の絞り領域36で接続しているインク供給路27のインク圧力共振周期が、絞り領域36以外の領域で接続しているインク供給路27のインク圧力共振周期と同等になる。そして、これにより個々のノズル開口13の吐出特性を揃えることができ、良質な画像が期待できる。
【0059】
さらに詳細な吐出特性の均一化のためには、共通インク室26の絞り領域36でそれぞれ連通しているインク供給路27の入口27aと出口27bとの間の流路に上記絞り領域36の絞り始端から各入口27aまでの長さを加えた流路をそれぞれのインク供給路27の仮想流路とし、これら仮想流路におけるそれぞれのイナータンスを、絞り領域36以外で共通インク室26に連通している他のインク供給路27の入口27aから出口27bまでの流路におけるイナータンスに揃えるようにする。
【0060】
この様に構成すると、共通インク室26の端部を絞って絞り領域36を形成したことにより付加されるイナータンスを含めて調整することができ、残留気泡の低減と各ノズル開口13の吐出特性の一定化を両立することができる。
【0061】
また、共通インク室26のコンプライアンスについては、共通インク室26の端部を絞ると、絞り領域36で接続しているインク供給路27近傍のフィルム30(コンプライアンス領域50)の幅が狭められるので、これらインク供給路27近傍においてはコンプライアンスが局部的に低減している。このため、共通インク室26の端部において、インク吐出時にインク供給路27から逆流するインクの圧力を吸収する能力が減少し、端部においてインク吐出特性が変化する一因となっていた。これを補う目的で、例えば図12に示すように、中州部43A,43B,43Cの共通インク室26側の端部(入口27a側の端部)が圧力発生室20側に後退している分(長さが短い分)、これに応じて共通インク室26のコンプライアンス領域50をインク供給路27の短縮長さに応じてインク供給路27側に拡大してもよい。
【0062】
この様に、コンプライアンス補充領域50aを増加する構成を採ると、共通インク室26の絞り領域36のコンプライアンスが補充され、絞り領域36の付加イナータンスを実質的に低減し、絞り領域36に接続したインク供給路27の補正量を減らすことができる。
【0063】
なお、流路形成板12の加工の都合で、図13に示すように、共通インク室26の絞り領域36の先端が圧力発生室20から離隔する方向に斜めに形成される場合があるが、この場合には、フィルム30(コンプライアンス領域50)の圧力発生室20側の辺を端部まで一直線にしたり、あるいは圧力発生室20側に拡大してコンプライアンス補充領域50aを増加してもよい。
【0064】
図8及び図9に示すように、インク供給路27を、ノズル開口13側(ノズルプレート14側)の流路27dnと弾性板21側の流路27upとに分けて形成する場合、アイランド部31との干渉を回避するために、弾性板21側の流路27upに設ける中州部43の位置に規制を受ける。そこで、図9に示すように、弾性板21側の中州部43upを共通インク室26側に後退させた分、ノズル開口13側の中州部43dnを圧力発生室20側に前進させ、これにより圧力発生室20の体積を一定に揃えてもよい。そして、弾性板21側のインク供給路27upの入口と出口の間のイナータンスと、ノズル開口13側のインク供給路27dnの入口と出口の間のイナータンスを、それぞれの中州部43up,43dnの幅や長さの寸法を調整することにより補正してもよい。したがって、弾性板21側のインク供給路27upのイナータンスと、ノズル開口13側のインク供給路27dnのイナータンスとが異なってもよく、設計の自由度が拡大する。
【0065】
前記した実施形態では、インク供給路27の途中に中州部43を設けてインク供給流路を分けたが、本発明におけるインク供給路27はこれに限定されるものではなく、インク供給路27の入口27aと出口27bとの間におけるイナータンスを補正する構成できればよい。例えば、図14に示すように、インク供給路27の流路幅を変化させることにより、すなわち、絞り領域36の先端に配置された流路ほど幅広に設定することにより補正してもよい。この様に、インク供給路27の流路幅を変えると、前記式(5)から分かるように、イナータンスを補正することができる。
【0066】
また、これまで説明した各実施形態では、インク供給路27の入口27aと出口27bとの間におけるイナータンスを補正したが、本願発明ではこれに限らず、共通インク室26の絞り領域36まで含めた範囲におけるイナータンスを調整してもよい。なお、各実施形態では、圧力発生素子23として圧電振動子41を例に挙げて説明したが、本発明の圧力発生素子23はこれに限定されるものでない。例えば、発熱素子を設けてインク中に気泡を発生させることにより圧力発生室20内の圧力を変動させてもよい。
【0067】
また、1列のノズル開口13に対して共通インク室26を1つ設けたが、図15に示すように、1列のノズル開口13を複数のグループに区分けして、各グループ毎に共通インク室を設けてもよい。すなわち、1列のノズル開口に対して、共通インク室を複数(本実施形態では3つ)設け、1列のノズル開口で複数の色彩のインクが吐出されるように構成してもよい。この実施形態においても、前記実施形態と同様に、インク供給管35から遠い方の共通インク室26の端部に絞り領域36を形成し、この絞り領域36に連通しているインク供給路27の断面積や長さを、絞り領域36以外で供給インク室26に連通しているインク供給路27のそれとは異ならせて、各ノズル開口13から吐出するインク滴の速度や量が均一になるように構成してある。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、一列当たりのノズル数を増加させて共通インク室の長さが長くなっても気泡排出性に優れる共通インク室の理想形状のままで端部のノズル開口におけるインク速度、インク量の均等化を図ることができ、且つ、インクの振動を効率良く減衰させることができ、これにより記録品位に優れ、且つ、高速な画像記録を可能とすることができる。すなわち、共通インク室については、インク供給管から遠い端の部分に、他の部分よりも断面積を減少させた絞り領域を設定して、インクを充填する際やノズル開口から吸引するクリーニング時に気泡が残留することを防止することができると共に、記録品質の向上を図ることができる。そして、上記絞り領域で連通しているインク供給路に関するイナータンスを、絞り領域以外で共通インク室に連通している他のインク供給路のイナータンスに比較して小さく設定するとともに、共通インク室の先端に位置するインク供給路27ほど小さく設定し、尚且つ、イナータンスを小さく設定した上記インク供給路27に連通した圧力発生室の体積を、絞り領域以外で共通インク室に連通している他の圧力発生室の体積に揃えると、個々の圧力発生室内のインク圧力共振周期を揃えることができる。したがって、端部に位置するノズル開口の吐出特性と中央部分のノズル開口の吐出特性を揃えることができる。このため、画質が一層向上し、記録対象の大型化や高速化にも応えることができる。この様に、本発明によれば、共通インク室の端部の気泡排出性と吐出特性の均一性を両立することができる。特に圧力発生室を加圧部で実質的に同一の駆動信号を使って前記圧力室を加圧した際に、前記ノズル開口からのインク滴の吐出速度を目標値に対して+−5%の範囲内に収めることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット式記録ヘッドを用いた画像記録装置の斜視図である。
【図2】記録ヘッドの分解斜視図である。
【図3】記録ヘッドに形成されているアクチュエータの断面図である。
【図4】流路形成板の第1実施形態の平面図である。
【図5】等価回路の説明図である。
【図6】流路形成板の第2実施形態の平面図である。
【図7】流路形成板の第3実施形態の平面図である。
【図8】記録ヘッドの要部を示す図10X矢視での断面図である。
【図9】記録ヘッドの要部を示す図10Y矢視での断面図である。
【図10】流路形成板の第4実施形態の平面図である。
【図11】共通インク室の絞り領域近傍の拡大図である。
【図12】インク供給路の短縮に応じてコンプライアンス補充領域を形成した実施形態の要部の説明図である。
【図13】インク供給路の短縮に応じてコンプライアンス補充領域を形成した他の実施形態の要部の説明図である。
【図14】インク供給路の流路幅を変えることによりインク供給路のコンプライアンスを補正した実施形態の説明図である。
【図15】1列のノズル開口を複数のグループに区分けして各グループ毎に共通インク室を設けた実施形態の平面図である。
【符号の説明】
1 インクジェット式記録ヘッド
2 画像記録装置
3 キャリッジ
4 タイミングベルト
5 キャリッジモータ
6 ガイド部材
7 記録用紙
7′紙送りローラ
8 ホルダ
9 インクカートリッジ
10 キャッピング装置
11 ワイピング装置
12 流路形成板
13 ノズル開口
14 ノズルプレート
20 圧力発生室
21 弾性板
22 流路ユニット
23 圧力発生素子
24 ヘッドケース
25 縁カバー
26 共通インク室
27 インク供給路
27a 入口
27b 出口
29 ステンレス板
30 樹脂フィルム
31 振動領域(アイランド部)
32 インク供給穴
33 窓
34 固定基板
35 インク供給管
36 絞り領域
40 収納室
41 圧電振動子
42 上下室隔壁
43 中州部
50 コンプライアンス領域
50a コンプライアンス補充領域
Claims (12)
- ノズル開口と連通する圧力発生室を複数並べて形成し、該複数の圧力発生室の体積を全て揃えるとともに、これら圧力発生室の一側に共通インク室を形成し、共通インク室と各圧力発生室とをインク供給路によりそれぞれ連通し、各圧力発生室に対応して圧力発生素子を設け、共通インク室にはインク供給管を接続し、圧力発生素子による圧力発生室内の圧力変動により当該圧力発生室内のインクをノズル開口から吐出するインクジェット式記録ヘッドにおいて、
前記インク供給管の接続部から離れた前記共通インク室の端部近傍に、他の部分よりも断面積を減少させた絞り領域を有し、
前記共通インク室の絞り領域近傍で連通するインク供給路のイナータンスが、前記絞り領域近傍以外で連通する複数の同一形状のインク供給路のイナータンスに比較して小さくなる様にインク供給路の断面積あるいは長さの少なくとも一方を異ならせて形成されていることを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。 - 前記共通インク室は、圧力発生室の配列方向を長手方向として形成され、この長手方向の略中央にインク供給管が連通し、前記共通インク室の両方の端部近傍に連通するインク供給路のイナータンスが、当該共通インク室の他の部分に連通するインク供給路のイナータンスに比較して小さくなる様に、インク供給路の断面積あるいは長さの少なくとも一方を異ならせて形成されていることを特徴とする請求項1記載のインクジェット式記録ヘッド。
- 前記共通インク室の端部近傍に連通するインク供給路の減衰係数Mn/Rnの値と当該共通インク室の他の部分に連通するインク供給路の減衰係数Mn/Rnの値とを揃えたことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のインクジェット式記録ヘッド。
- 前記絞り領域は、複数段で先細りとなるように絞ったことを特徴とする請求項3に記載のインクジェット式記録ヘッド。
- 前記インク供給路が一つの圧力発生室に対して複数備えられていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のインクジェット式記録ヘッド。
- インク供給路を、ノズル開口側の流路とその反対側の流路とに分けて形成したことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のインクジェット式記録ヘッド。
- ノズル開口側に位置する流路のインク供給路の出口の位置を調整することにより各圧力発生室の体積を揃えたことを特徴とする請求項6に記載のインクジェット式記録ヘッド。
- ノズル開口側の流路のイナータンスとその反対側の流路のイナータンスとをそれぞれ分けて設定したことを特徴とする請求項6または7に記載のインクジェット式記録ヘッド。
- 前記共通インク室の両方の端部近傍に連通するインク供給路は、当該共通インク室の他の部分に連通するインク供給路と比較して、断面積が広く、又は長さが短くなるように形成されていることを特徴とする請求項1記載のインクジェット式記録装置。
- 前記インク供給路は、前記共通インク室側に開口した入り口と前記圧力発生室側に開口した出口との間に中州部を有し、該中州部の寸法を調整することにより、前記共通インク室の絞り領域近傍で連通するインク供給路のイナータンスが小さくなる様に前記インク供給路の断面積あるいは長さの少なくとも一方を異ならせることを特徴とする請求項1または6記載のインクジェット式記録装置。
- 前記インク供給路の流路幅を変化させることにより、前記インク供給路の断面積を異ならせて形成されていることを特徴とする請求項1記載のインクジェット式記録装置。
- 請求項1から11のいずれかに記載のインクジェット式記録ヘッドを備えたことを特徴とする画像記録装置。
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