JP3584663B2 - 歩行訓練装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、省スペースで疑似歩行が体験できる歩行訓練装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平8−141027号公報には、歩行機能の維持又は回復を必要とする訓練者のための歩行訓練装置が開示されている。この装置では、訓練者の歩行面を環状ベルトで構成した歩道手段と、環状ベルトの走行速度を制御する手段とを備え、さらに、前記歩道手段の負荷特性を設定する手段と、前記環状ベルトの走行速度を検出する手段と、前記負荷特性と走行速度とを用いて前記歩道手段の制御則を演算する手段とを備えている。
【0003】
このとき、歩道手段の負荷特性として歩道手段の実質的な等価質量、等価減衰係数又は等価ばね定数が、また制御則として前述の負荷特性の他、歩行面の駆動機構がもっている抵抗力及び環状ベルトの変位を用いて歩道手段の駆動力を演算する数式が記載されている。さらに、前述の制御則に基づいて歩道手段の駆動力、すなわち歩行面を制御する制御装置の構成が開示されている。
【0004】
そして上述の装置では、訓練者が歩行面を蹴る力に応じた速度で運動する、受動的な歩行訓練装置が実現できることが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来技術では、一方の脚の力が他方の脚に比べて著しく劣った訓練者が訓練を行うことについては、十分な配慮が成されていなかった。すなわち、両脚で脚力にかなり差のある訓練者、或いは両脚ともにかなりの機能障害を有しているの場合、両脚を一度に訓練するのではなく、片方ずつ訓練する方が好ましい場合がある。この場合、上記従来技術では、左右の脚に対応した左右2本のベルトがそれぞれ訓練者が無意識に加えた力を検知して走行してしまう可能性があった。
【0006】
そこで本発明の目的は、複数の訓練モードの中から、片方の脚に注目した訓練を行う訓練モードを選択可能にしたことを特徴とする歩行訓練装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、左右2つの歩行面を有する歩行面装置と、前記歩行面の走行をそれぞれ独立に制御する制御装置と、を備えた歩行訓練装置において、前記制御装置は、前記歩行面の片方を一定の位置に制御し続ける手段を備え、前記支持装置は訓練者が掴まるハンドルと、訓練者を支持装置に保持する後方ベルトまたは腰ベルトの少なくともいずれかとを備えたものである。
【0008】
また、上記目的を達成するために、本発明は、左右2つの歩行面を有する歩行面装置と、前記歩行面の走行をそれぞれ独立に制御する制御装置と、歩行面に乗る訓練者を支持する支持装置とを備えた歩行訓練装置において、前記歩行面の片方を固定する手段を左右独立に備え、前記支持装置は訓練者が掴まるハンドルと、訓練者を支持装置に保持する後方ベルトまたは腰ベルトの少なくともいずれかとを備えたものである。
【0009】
また、上記目的を達成するために、本発明は、左右2つの歩行面を有する歩行面装置と、前記歩行面の走行をそれぞれ独立に制御する制御装置と、歩行面に乗る訓練者を支持する支持装置とを備えた歩行訓練装置において、前記制御装置は、前記歩行面の片方を一定の位置に保持し、他方の歩行面のみを走行可能に制御する手段を備え、前記支持装置は訓練者が掴まるハンドルと、訓練者を支持装置に保持する後方ベルトまたは腰ベルトの少なくともいずれかとを備えたものである。
【0010】
このとき、歩行面の片方を一定の位置に保持する手段には、歩行面を一定の位置に制御する手段や歩行面を機械的に固定する手段が考えられる。機械的に固定する手段では、これを制御装置によって制御するものとし、この制御の最も単純な例としては固定状態と非固定状態を切り換えることが考えられる。
【0011】
また、上記目的を達成するために、本発明は、左右2つの歩行面を有する歩行面装置と、前記歩行面の走行を制御する制御装置と、歩行面に乗る訓練者を支持する支持装置とを備えた歩行訓練装置において、前記制御装置は、歩行面の状態を検出して左右独立に歩行面を走行制御する第1の制御手段と、前記歩行面の片方を一定の位置に保持して他方の歩行面のみを走行可能に制御する第2の制御手段と、前記第1及び第2の制御手段を選択する選択手段とを備え、前記支持装置は訓練者が掴まるハンドルと、訓練者を支持装置に保持する後方ベルトまたは腰ベルトの少なくともいずれかとを備えたものである。
【0012】
また、上記目的を達成するために、本発明は、左右2つの歩行面を有する歩行面装置と、前記歩行面の走行をそれぞれ独立に制御する制御装置と、歩行面に乗る訓練者を支持する支持装置とを備えた歩行訓練装置において、前記制御装置は複数の制御モードを有し、この複数の制御モードを左右の歩行面のそれぞれに独立して選択する選択手段を備え、前記支持装置は訓練者が掴まるハンドルと、訓練者を支持装置に保持する後方ベルトまたは腰ベルトの少なくともいずれかとを備えたたものである。
【0013】
上記の各構成によれば、一方の脚を停止或いは停止しているとみなせる歩行面上におき、他方の脚を走行可能或いは走行している歩行面上で訓練することができる。
このとき、前記他方の脚に対応する歩行面は、常に一定速度で駆動しても良いし、脚から歩行面に加えられる力に応じて走行状態を制御する場合のように、速度或いは訓練者が歩行面から受ける反力が変化するように制御しても良い。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の歩行訓練装置1の全体的構成を示す図である。
歩行訓練装置1は、歩行面装置2、制御装置3、支持装置4及びディスプレイ5とを備えている。制御装置3は、歩行面装置2とは分離可能に構成されており、両者はケーブルで電気的に接続されている。また、制御装置3は、歩行面装置2の他、支持装置4の駆動制御及びディスプレイ5への表示制御も行う。
【0015】
以下、各構成要素について説明する。
図2及び図3を用いて歩行面装置2を説明する。
図2は歩行面装置2を上から見た図であり、図3は図2の歩行面装置2のIII−III矢視断面を示す図である。尚、図2には、制御装置の構成も一部記載されているが、これについては後で説明する。
歩行面装置2は床面又は地上に固定され、訓練者が上に乗って歩行訓練する歩行面6を有する。この歩行面6には、互いに独立に動く環状ベルトで構成された右足用歩行面6A,左足用歩行面6Bがあり、これらの歩行面を成す二つの環状ベルト(以下、歩行面を環状ベルトと呼んで説明する。)は平行かつ密接に配置されている。
【0016】
左右の環状ベルト6A,6Bは、図3に示すように、左右の駆動ローラ7A,7Bと左右の従動ローラ8A,8Bとの間に張り渡されて走行するようになっている。このとき、駆動ローラと従動ローラの間には、フリーローラ9が配され、環状ベルトの走行を助けるように環状ベルトを支持している。
【0017】
このとき、訓練者の足が着地したことを検出できるように、フリーローラ9の沈み込み或いは曲げ変形を検出するセンサを設けても良い。このセンサが環状ベルトの長手方向に沿って複数のフリーローラ9に設けられれば、足の着地した位置をも検出することが可能になる。
【0018】
一方、図2に示すように、駆動ローラ7A,7Bは、駆動手段である左右のモータ10A,10Bによって回転駆動され、左右の環状ベルト6A,6Bが走行駆動される。このとき、左右の従動ローラ8A,8Bには、その回転に伴って環状ベルト6A,6Bの速度を検出するベルト速度検出手段11A,11B、環状ベルト6A,6Bの変位を検出するベルト変位検出手段12A,12B、及び環状ベルト6A,6Bの加速度を検出するベルト加速度検出手段13A,13Bが設けられている。
【0019】
支持装置4を図1及び図4を用いて説明する。
図4は訓練者が支持装置4に支持された状態を側面から見たところである。
支持装置4は訓練者を歩行面装置2上に支持するためのものであり、訓練者の身体の両側方に設けられた丸形クッションを有するサポートアーム41と、訓練者が掴まることができるようにグリップ部44を有するハンドル42と、サポートアーム41とハンドル42との間に設けられた力センサとを備えている。また、サポートアーム41には、その後端に、訓練者の身体の両側方に設けられた両サポートアーム41の間を結ぶように備え付けられた後方ベルト46と、訓練者の腰部に装着される腰ベルト45とが着脱可能に備えられている。43は訓練者から支持装置4に加えられる力を検出する力センサで、ハンドル42とサポートアーム41の間に設けられている。
【0020】
上記の支持装置は、訓練者の腰部を支持するようにしたものであるが、脚力の向上した訓練者を対象とする場合には、上記支持装置4に代えて、歩行面装置の両側部及び前面に、訓練者が掴まる手すりなどの安全装置を設けても良いであろう。
【0021】
次に、図1、図2及び図5を用いて、制御装置3について説明する。
制御装置3は、図1に示すように、例えばCRTのような表示装置31、入力手段であるキーボード(マウス含む)32、演算装置(図示せず)を含んで構成される。図1はシステム構成図であるが、図3を用いて制御装置3を機能本意に説明する。制御装置3は、演算手段14、情報前処理手段15、情報表示手段16、データベース17、及び設定入力手段18を備えている。また、歩行面装置2の駆動手段であるモータ10や各検出手段(11〜13)とは信号バス19により連結されている。
【0022】
設定入力手段18は、左右の環状ベルト6A,6Bそれぞれ独立に、歩行訓練時の動作モード(詳細は後述する)および各動作モードでの設定値を入力する手段であり、図1のキーボード32等を用いる。
【0023】
情報前処理手段15は、情報表示手段16に表示させるために、検出手段(11〜13)や演算手段14からの情報に対して単位の換算などの変換処理を行ったり、検出手段(11〜13)からの情報を、微分や積分などの変換処理を行って演算手段14に送るなどの処理を行う。例えば、検出手段(11〜13)からの情報が速度のみであっても、微分をすれば加速度が、積分をすれば距離が得られることになる。また、情報表示手段16は、図1のCRTのような表示装置31を用いる。
【0024】
演算手段14は、設定入力手段18からの設定に従い、各種センサ、例えば環状ベルトの速度検出手段9として用意されたエンコーダの出力を利用して、駆動手段であるモータ10A,10Bを制御する制御量を演算する。
【0025】
この制御量の演算としては、例えば、特開平8−141027号公報に開示されているような制御則に基づく演算を適用することが可能である。このとき、データベース17は、歩行面装置の負荷特性、或いは異なる制御則(数式)等を記憶しておくために備えられる。負荷特性としては、歩行面装置の機構系ををモデル化したときの実質的な等価質量、等価減衰係数又は等価ばね定数等が用いられる。また、上記公報には複数の制御則が開示されているが、前記負荷特性の所望値と、環状ベルトの速度或いは環状ベルトに作用する外力(環状ベルトの張力)を用いて、訓練者が歩行面を蹴る力に応じた速度で運動する、受動的な歩行訓練装置を実現できる。
【0026】
ところで、本発明に係る歩行訓練装置では、左右の環状ベルトのうち、いずれか一方を実質的に停止させて訓練する訓練モードを備える。この訓練モードを含めて、本実施例の歩行訓練装置が有する訓練モードについて説明する。
【0027】
まず、訓練者の奨励は、脚を動かす能力の差によって次の3症例に分類できる。
症例1:脚を動かす筋力が極めて弱く、ほとんど上下動するのみ。
症例2:脚を前後に動かすことは出来るが、路面を蹴る力は極めて小さい。
症例3:脚を前後に動かし、路面を蹴ることも出来る。
【0028】
一方、設定入力手段18から設定できる、左右の環状ベルト6A,6Bの動作モードには、次の4通りを用意する。
【0029】
(1)停止(固定)モード
環状ベルトが動かぬよう、ベルトを固定或いは一定位置に保持する。このモードを実現するには、例えば、変位検出手段12或いは速度検出手段11の出力の積分値を用いた位置フィードバック制御系を、演算手段14内に構成する方法、または、駆動手段であるモータ10にブレーキの付いたものを用いる方法がある。
【0030】
(2)速度制御モード
環状ベルト6の速度を設定入力手段13から入力された速度目標で動かす。このモードを実現するには、例えば、ベルト速度検出手段9を用いた速度フィードバック制御系を演算手段14内に構成する方法がある。
【0031】
この速度制御モードにおいては、環状ベルト6の走行速度は一定速度であっても良いし、速度を変化させることも考えられる。さらに、速度を変化させる場合は、訓練者の足が着地したのを検知して徐々に加速するようにしても良い。さらに、着地した足の位置と立ち足位置との差から速度パターンを決めるようにして、訓練者の負担を軽減或いは調整するようにしても良い。この場合、着地してから環状ベルトを駆動かつ加速し、立ち足位置に来たときに停止するよう減速制御する方法が考えられる。
【0032】
この立ち足位置及び着地位置の検出は上述のフリーローラに設けたセンサを用いて行うことができる。
【0033】
(3)負荷制御モード
訓練者から見た環状ベルト6の負荷が、設定入力手段13から入力された負荷になるよう制御する。この制御モードとしては、例えば、特開平8−141027号公報に開示された制御を用いることができ、ここでは詳細な説明を省略するが、能動インピーダンス制御を適用し、被訓練者から見た歩行面装置6の負荷特性を定め、さらに蹴りを補助するように環状ベルト6を駆動する力を与えることにより、被訓練者が歩道手段を蹴る力に応じた速度で運動する、受動的な歩行訓練装置を実現するものである。しかも被訓練者の脚の能力に応じて負荷特性を自在に変更できる。この制御モードは、特に路面を蹴ることの出来る症例3に対して、脚の筋力の維持増強を行うのに適している。
【0034】
負荷制御モードでは、蹴りを補助する駆動力は歩行路面の機構が持つ摩擦などの抵抗力を打ち消す程度の大きさとしているため、無負荷の状態で環状ベルトは静止している。そのため被訓練者Uは、力の多少に関わらず、環状ベルトを蹴ることが要求される。
【0035】
また蹴りを補助する駆動力を大きなものにすれば、脚を前後に動かすことは出来るが路面を蹴る力は極めて小さい症例2に対して適用することも可能である。この方式を特に駆動補助モードと呼ぶ。続いて駆動補助モードの詳細を述べる。
【0036】
(4)駆動補助モード
この制御モードは負荷制御モードと同様に、能動インピーダンス制御を適用し、被訓練者から見た歩道手段の負荷特性を定め、さらに蹴りを補助するように環状ベルトを駆動する力を与えるものであるが、被訓練者Uが環状ベルトに乗っていない、つまり無負荷の状態で、環状ベルトが一定の速度で動く程度にまで蹴りを補助する駆動力を加えている。
【0037】
駆動補助モードは蹴る力のない症例1や症例2に対しても適用可能であり、しかも蹴る力に応じた速度で運動することを行うため、症例2のように脚を前後に動かすことは出来るが、路面を蹴る力は極めて小さい場合であっても、自分の脚の運動に応じた速度にすることが出来る。
【0038】
以上述べた4つの動作(制御)モードを用いることにより、訓練者の症状にあった訓練を行うことが出来る。
【0039】
また、一般に歩行訓練が必要な訓練者には、脳卒中(片マヒ)や骨折など、左右どちらかの脚に機能障害があるものが多い。このような訓練者については、左右の環状ベルト毎に異なった動作モードを選択して訓練を行うことが好ましい場合もあり得る。
【0040】
図2は、このような場合に、環状ベルトの動作モードを左右で異なるように切り換える(選択する)切換手段(選択手段)を設けた構成を示している。
制御装置3の演算手段14の中には、右側環状ベルト用演算手段14Aと左側環状ベルト用演算手段14Bとが備えられる。もちろん、これらはソフトウエアとして用意される。
【0041】
右側環状ベルト用演算手段14Aには、右速度制御手段201A、右負荷制御手段202A、右停止制御手段203Aがソフトウエアとして備えられる。同様に左側環状ベルト用演算手段14Bには、左速度制御手段201B、左負荷制御手段202B、左停止制御手段203Bがソフトウエアとして備えられる。上記の速度制御手段は上述の速度制御モードを実現する制御手段であり、負荷制御手段は負荷制御モード及び駆動補助モードを実現する制御手段であり、停止制御手段は停止モードを実現する手段である。
【0042】
各制御モードに必要な歩行面装置の負荷特性等、必要なデータは、図5のデータベース17に記憶しておくものとする。
【0043】
さらに、図2に示すように、右側環状ベルト用の各制御手段201A〜203A及び左側環状ベルト用の各制御手段201B〜203Bは切換手段204A及び204Bによって適宜選択できるようになっている。このとき、設定入力手段18によって、選択したいモードを指定することにより、モード選択手段205が右側環状ベルト用演算手段14A及び左側環状ベルト用演算手段14Bから適切な制御手段を選択する。これらの切換手段204A及び204Bもソフトウエアとして実現される。
【0044】
このとき、各種組合せを指定するコマンド或いはキーを用意しておき、これらのコマンド或いはキー操作により、モード選択手段205が右側環状ベルト用演算手段14A及び左側環状ベルト用演算手段14Bから適切な制御手段を選択するようにしておけば、さらに便利になる。
【0045】
次に、左右の環状ベルトで異なる動作モードを選択した訓練法方を、訓練者の脚に関して、機能障害がある側の脚を患側脚、障害のない側を健側脚と呼んで説明する。
【0046】
1)患側脚用の環状ベルトは停止モードを選択し、健側脚用の環状ベルトについては速度制御モード,負荷制御モードまたは駆動補助モードから選択する。
【0047】
一般に片側の脚に機能障害がある患者は、患側が十分に機能しないために脚を使う機会が少なくなり、その結果、健側脚も運動不足のために衰えてくることが多い。この訓練方法により、健側脚のみの運動を行える。
【0048】
健側脚といえども衰えが大きい場合は、症例1もしくは症例2に相当する。このような訓練者には速度制御モードもしくは駆動補助モードを適用する。症例1の場合は速度制御モードを適用し、訓練の回を重ねる毎に速度目標値を増加させると、徐々に筋力が回復して脚を前後に動かすことができるようになる訓練者が出てくるものと考えられる。症例2の場合は駆動補助モードを適用する。
【0049】
健側脚の機能が症例3に相当する場合は負荷制御モードを適用する.
2)健側脚用の環状ベルトは停止モードを選択し、患側脚用の環状ベルトについては速度制御モード,負荷制御モードまたは駆動補助モードから選択する。
【0050】
この方法により、患側脚のみを能力に応じた速度もしくは負荷で訓練することができる。
【0051】
患側脚の衰えが大きい場合は、症例1もしくは症例2に相当する。このような訓練者には主に速度制御モードもしくは駆動補助モードを適用する。症例1の場合は速度一定方式を適用し、訓練の回を重ねる毎に速度目標値を増加させると、徐々に筋力が回復して脚を前後に動かすことができようになる訓練者が出てくるものと考えられる。症例2の場合は駆動補助モードを適用する。
【0052】
患側脚の機能が症例3に相当する場合は負荷制御モードを適用するが、患側脚に負荷制御モードを適用するようになれば両側を用いた訓練に移行してもよい。
【0053】
3)患側脚用,健側脚用の環状ベルトとも負荷制御モードとするが、患側脚の負荷の大きさを健側脚より小さくする。この方式は左右の脚力に差があるものの蹴る力はあるという症例3に適用する。
【0054】
患側脚の負担を健側脚より軽減しているため、訓練者は患側脚の速度を健側脚と同等にしての歩行を行える。その結果、左右のバランスが良くなり、正しい姿勢での歩行を行うことも可能である。
【0055】
患側脚の回復に応じて、負荷の大きさを健側脚に近づけていく。患側脚と健側脚の負荷の差が僅差になれば、訓練者の脚の機能は左右同等になったものと判断できる。
【0056】
4)健側脚用の環状ベルトは速度制御モードを選択し、患側脚用の環状ベルトについては駆動補助モードもしくは負荷制御モードを選択する。健側脚の機能は健常者に近く、患側脚の機能が症例2または症例3といった訓練者に適用する。訓練者は患側脚用の環状ベルトの速度が健側脚用の環状ベルトの速度と同じになるよう意識して歩行訓練を行う。
【0057】
5)健側脚用の環状ベルトは負荷制御モードを選択し、患側脚用の環状ベルトについては駆動補助モードを選択する。健側脚の機能は健常者に近く、患側脚の機能が症例2または症例3といった訓練者に適用する。訓練者は患側脚用の環状ベルトの速度が健側脚用の環状ベルトの速度と同じになるよう意識して歩行訓練を行う。
【0058】
6)両方の環状ベルトとも速度制御モードを選択するが、患側脚用の環状ベルトの速度を、健側脚のよりも小さく設定して歩行訓練を行う。健側脚の機能は症例3に近く、患側脚の機能が症例2といった訓練者に適用する。
【0059】
7)患側脚用の環状ベルトを駆動補助モード、健側脚用の環状ベルトを速度制御モードとして歩行訓練を行う。患側脚と健側脚の速度の差が僅差になれば、訓練者の脚の機能は左右同等になったものと判断できる。健側脚・患側脚ともに症例2だが患側脚が劣るといった訓練者に適用する。
【0060】
以上に述べた各モードの他、左右の環状ベルト6A,6Bとも停止するモードを備えておくと良い。これによって、環状ベルト上への乗り降りや、環状ベルトの乗った状態での各種セッティングが容易になる。
【0061】
また、上述の各モードの他、左右の環状ベルト、或いはそのいずれか一方の走行停止、さらには走行スピードを手動で調整しながら訓練できるモードを備えると良い。例えば図1のハンドル42のグリップ部44を操作部として利用する。すなわち、グリップ部44に回転角度を検出する検出器を備え、訓練者がグリップ部44を回転させると、その回転角度に応じて環状ベルトの走行速度を変化させる。この場合、演算手段14で回転角度に対応した目標速度になるように速度制御を行えばよいが、高精度な速度フィードバック制御を行わなくとも、訓練者が自分のペースに合うように自分で速度を微妙に調整しながら訓練できる。このとき、この速度調整を行う環状ベルトを、左右両方、右のみ又は左のみに指定する選択手段を設けるものとする。また、選択しなかった方の環状ベルトは上記いずれかの動作モードで走行させればよい。また、訓練者の姿勢が崩れた場合に、訓練者がグリップ部44を誤って大きく回転させることを防ぐため、訓練者をサポートアームに支持する後方ベルト46及び腰ベルト45の少なくとも一方を備えると良い。さらに、グリップ部44の回転角度に対する環状ベルトの走行速度変化の感度を変更(調整)する手段を備えても良い。訓練者によって、使用する速度範囲が違ってもグリップの操作性に不便を感じることが無くなる。このような手段は設定入力手段18と演算手段14、或いはデータベース17を用いて容易に構成することができる。
【0062】
歩行面装置2の他の実施例について、図6を用いて説明する。
図3で用いたフリーローラ9の代わりに、テーブル601の上にすべりシート602を設ける。テーブル601は環状ベルト6A,6Bを支持する部材として機能し、すべりシート602は環状ベルト6A,6Bが走行するときの摩擦抵抗を低減する。すべりシート602は、例えば、鉄製のテーブル表面をテフロン加工することによっても構成することができる。
【0063】
以上説明したように、被訓練者の歩道を成す歩道手段を備える歩行訓練装置において、被訓練者の左右の脚毎に各々独立に動作する歩行面として機能する歩道手段を設け、左右の歩道手段は各々独立に
(1)歩道手段の変位、速度、加速度のうちの1種もしくは複数種を測定し、それらを用いた制御則によって歩道手段を駆動して、被訓練者から見た歩道手段の負荷特性を制御する方式(負荷制御方式)
(2)被訓練者が歩行手段に乗っていない、つまり無負荷の状態であっても歩道手段が一定の速度で動く程度にまで蹴りを補助する駆動力を加えた上で負荷制御方式を適用する方式(駆動補助方式)
(3)歩道手段の速度が設定された速度になるよう動作する方式(速度制御方式)
(4)歩道手段が動かぬよう固定する方式(歩道固定方式)
から動作方式を選択することにより、普通の路面を歩行することでは実現できない状態での歩行訓練を行える。
【0064】
特に、脳卒中などで左右どちらかの脚が他方より衰えている被訓練者に対して訓練を行う際に有効である。
【0065】
【発明の効果】
左右の歩行面の片方を一定の位置に保持する手段を備えたことにより、片方の脚に注目した最適な訓練を行う訓練モードを選択することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】歩行訓練装置のシステム構成図(外観図)である。
【図2】歩行面装置を上から見た図である。
【図3】図2の歩行面装置のIII−III矢視断面図である。
【図4】支持手段を側面から見た構成図である。
【図5】制御装置3の構成を機能本意に説明する図である。
【図6】歩行面装置のたの実施例を説明する図である。
【符号の説明】
1…歩行訓練装置1、2…歩行面装置、3…制御装置、4…支持装置、6…歩行面、10…モータ、11…ベルト速度検出手段、12…ベルト変位検出手段、13…ベルト加速度検出手段、14…演算手段、15…情報前処理手段、16…情報表示手段、17…データベース、18…設定入力手段、19…信号バス、42…ハンドル、44…グリップ部、201…速度制御手段、202…負荷制御手段、203…停止制御手段、204…切換手段、205…モード選択手段、601…テーブル、602…すべりシート。
Claims (5)
- 左右2つの歩行面を有する歩行面装置と、歩行面の走行をそれぞれ独立に制御する制御装置と、歩行面に乗る訓練者を支持する支持装置とを備えた歩行訓練装置において、前記制御装置は、前記歩行面の片方を一定の位置に制御し続ける手段を備え、前記支持装置は訓練者が掴まるハンドルと、訓練者を支持装置に保持する後方ベルトまたは腰ベルトの少なくともいずれかとを備えたことを特徴とする歩行訓練装置。
- 左右2つの歩行面を有する歩行面装置と、歩行面の走行をそれぞれ独立に制御する制御装置と、歩行面に乗る訓練者を支持する支持装置とを備えた歩行訓練装置において、前記歩行面の片方を固定する手段を左右独立に備え、前記支持装置は訓練者が掴まるハンドルと、訓練者を支持装置に保持する後方ベルトまたは腰ベルトの少なくともいずれかとを備えたことを特徴とする歩行訓練装置。
- 左右2つの歩行面を有する歩行面装置と、前記歩行面の走行をそれぞれ独立に制御する制御装置と、歩行面に乗る訓練者を支持する支持装置とを備えた歩行訓練装置において、前記制御装置は、前記歩行面の片方を一定の位置に保持し、他方の歩行面のみを走行可能に制御する手段を備え、前記支持装置は訓練者が掴まるハンドルと、訓練者を支持装置に保持する後方ベルトまたは腰ベルトの少なくともいずれかとを備えたことを特徴とする歩行訓練装置。
- 左右2つの歩行面を有する歩行面装置と、前記歩行面の走行を制御する制御装置と、歩行面に乗る訓練者を支持する支持装置とを備えた歩行訓練装置において、前記制御装置は、歩行面の状態を検出して左右独立に歩行面を走行制御する第1の制御手段と、前記歩行面の片方を一定の位置に保持して他方の歩行面のみを走行可能に制御する第2の制御手段と、前記第1及び第2の制御手段を選択する選択手段とを備え、前記支持装置は訓練者が掴まるハンドルと、訓練者を支持装置に保持する後方ベルトまたは腰ベルトの少なくともいずれかとを備えたことを特徴とする歩行訓練装置。
- 左右2つの歩行面を有する歩行面装置と、前記歩行面の走行をそれぞれ独立に制御する制御装置と、歩行面に乗る訓練者を支持する支持装置とを備えた歩行訓練装置において、前記制御装置は複数の制御モードを有し、この複数の制御モードを左右の歩行面のそれぞれに独立して選択する選択手段を備え、前記支持装置は訓練者が掴まるハンドルと、訓練者を支持装置に保持する後方ベルトまたは腰ベルトの少なくともいずれかとを備えたことを特徴とする歩行訓練装置。
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