JP3582887B2 - カレンダー加工用ポリエステルエラストマ組成物 - Google Patents
カレンダー加工用ポリエステルエラストマ組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3582887B2 JP3582887B2 JP8575395A JP8575395A JP3582887B2 JP 3582887 B2 JP3582887 B2 JP 3582887B2 JP 8575395 A JP8575395 A JP 8575395A JP 8575395 A JP8575395 A JP 8575395A JP 3582887 B2 JP3582887 B2 JP 3582887B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- parts
- polyester
- polyester elastomer
- calendering
- weight
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
【産業上の利用分野】
本発明はカレンダー加工性、特に抗プレートアウト性が良好で、しかも、表面外観、機械的物性、加工耐熱性、加工色調に優れたシートまたはフィルムを形成し得るポリエステルエラストマ組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
結晶性芳香族ポリエステル単位をハードセグメントとし、ポリ(アルキレンオキシド)グリコールのような脂肪族ポリエーテル単位またはポリラクトンのような脂肪族ポリエステル単位をソフトセグメントとするポリエステルブロック共重合体は耐衝撃性、弾性回復性、柔軟性などの機械的性質をはじめ高温特性、接着性等多くの点が優れているため、その用途は、シート、フィルム、繊維などの産業資材や自動車および電気・電子部品に拡大し、成形加工方法についても、多くのプラスチック成形加工方法が適用できるようになってきている。しかし、シート、フィルムの成形加工法として塩化ビニル、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA) 、ゴムに多用されるカレンダー成形加工法についての実績はごく限られたものである。
【0003】
カレンダー成形加工法は、高温のカレンダーロール間の谷間で樹脂を滞留させて可塑化、脱泡および混練を行い、ロール間隙で所定の厚みに圧延する方法である。ポリエステルエラストマはホットメルト接着剤として多用されるように本来、粘着性が大きく、カレンダー加工を実施しようとするとロールへの粘着性、付着性が大きすぎるという問題がある。可塑化、脱泡を容易にするためにロール温度を上げると粘着性は一層大きくなる傾向にあり、ロール温度を下げると粘着性は少し低下するが、ポリエステルエラストマが明確な融点をもつ結晶性樹脂であるがゆえにロール温度を融点付近の最適温度から下げてゆくと急激に可塑化しなくなるためロールから安定した形態のフィルムを剥離し、取り出すことが極めて困難である。
【0004】
これらの問題を解決するために、ポリエステルエラストマにポリオレフィンワックス、フッ素樹脂粉体、芳香族アミン系化合物、シリコーン樹脂粉体等を添加配合することが試みられている。
これらの方法はロールへの粘着性、付着性を改良することができ、実用化が検討されている。
【0005】
一方、ポリエステルエラストマにポリ塩化ビニル系グラフトポリマをブレンドし、これをカレンダー加工用として用いることも知られている(特公昭58−56545号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、カレンダー加工をスムーズに行なうためには、単に溶融組成物の粘着性、付着性を制御するだけでなく、ロール表面への固着物の積層である、いわゆるプレートアウト現象を防止する必要がある。
このプレートアウト現象による固着物の実体は定かではないが、溶融組成物の熱劣化によるゲル化物等が固化したものと考えられている。
【0007】
上述した従来の方法は、初期の粘着性、付着性は改良されるが、繰返えし操業中にプレートアウト現象を生じ、工業的な安定操業に支障をきたすことがあった。
この発明の目的はプレートアウト現象が発生しにくいカレンダー加工用のポリエステルエラストマ組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、(A)高融点結晶性重合体セグメント、(B)脂肪族ポリエーテル単位および/または脂肪族ポリエステル単位からなる低融点重合体セグメントを主たる構成成分とするポリエステルブロック共重合体100重量部に対し、特定のリン系化合物0.001〜10重量部を溶融混合してなるカレンダー加工用ポリエステルエラストマ組成物を提供するものである。
【0009】
本発明に用いられるポリエステルブロック共重合体の高融点結晶性重合体セグメント(A)は、(a)ジカルボン酸およびそのエステル形成性誘導体、(b)ジオールおよびそのエステル形成性誘導体から形成されるポリエステルであり、
(a)ジカルボン酸としてはテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−スルホイソフタル酸、3−スルホイソフタル酸ナトリウム等の芳香族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、シクロペンタンジカルボン酸、4,4’−ジシクロヘキシルジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、アジピン酸、コハク酸、シュウ酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸が好ましく、これらジカルボン酸のエステル形成性誘導体、例えば低級アルキルエステル、アリールエステル、炭酸エステル、酸ハロゲン化物等も同等に用い得る。
(b)ジオールとしては、分子量400以下のジオール、例えば1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、トリメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、デカメチレングリコールなどの脂肪族ジオール、1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,4−ジシクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノールなどの脂環族ジオール、キシリレングリコール、ビス(p−ヒドロキシ)ジフェニル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(2−ヒドロキシ)フェニル]スルホン、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]シクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシ−p−ターフェニル、4,4’−ジヒドロキシ−p−クオーターフェニルなどの芳香族ジオールが好ましく、かかるジオールもエステル形成性誘導体、例えばアセチル体、アルカリ金属塩等の形でも用い得る。
【0010】
これらのジカルボン酸およびその誘導体またはジオール成分を2種以上併用してもよい。
そして、最も好ましいセグメント(A)の例はテレフタル酸またはジメチルテレフタレートと1,4−ブタンジオールから誘導されるポリブチレンテレフタレートである。
【0011】
本発明に用いられるポリエステルブロック共重合体の低融点重合体セグメント(B)は、脂肪族ポリエーテルおよび/または脂肪族ポリエステルであり、脂肪族ポリエーテルとしては、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンオキシド)グリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体、ポリ(プロピレンオキシド)グリコールのエチレンオキシド付加重合体、エチレンオキシドとテトラヒドロフランの共重合体などが挙げられる。また、脂肪族ポリエステルとしては、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリエナントラクトン、ポリカプリロラクトン、ポリブチレンアジペートなどが挙げられる。これらの脂肪族ポリエーテルおよび/または脂肪族ポリエステルのなかで、得られるポリエステルブロック共重合体の弾性特性を考慮すると、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコールのエチレンオキシド付加物、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリブチレンアジペートなどが好ましい。
【0012】
本発明に用いられるポリエステルブロック共重合体の低融点重合体セグメント(B)の共重合量は、好ましくは10〜90重量%、更に好ましくは15〜75重量%の範囲である。特に10重量%未満では柔軟性やゴム弾性が不足し、90重量%を越えると、結晶性が低く成形性が悪くなる傾向にあるので好ましくない。
【0013】
本発明に用いられるリン系化合物は下記一般式(I),(II),(III)で示される化合物から選ばれた1種以上の化合物である。
【0014】
【化4】
(式(I)中R1 ,R2 およびR3 は水素および、それぞれ炭素数1〜60の置換または非置換のアルキル、アルケニル、アリール基を示し、あるいはR1 ,R2 ,R3 は置換基を介してあるいは介することなく相互に結合していてもよい。)
【0015】
【化5】
【0016】
【化6】
(式(II),(III)中R4 〜R9 はそれぞれ同一か異なる水素、アルキル、アリール、シクロアルキルアリール、アルキルアリール、アリールアルキル、アルケニル、アリールアルケニル、エーテル結合を有する基、およびエポキシを含むこれらの基、あるいはこれらの置換された基を示す。Yは多価アルコール、多価フェノール残基を示す。n=0〜10)
上記(I)式で示されるリン酸エステル化合物の例としては、ジオクチルモノフェニルホスフェート、ジクレジルモノフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート等があげられる。
【0017】
上記(II) および(III)式で示される亜リン酸化合物の例としては、トリフェニルホスファイト、トリデシルホスファイト、モノフェニルジデシルホスファイト、トリクレジルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリスシクロヘキシルフェニルホスファイト、トリス(ジプロピレングリコール)ホスファイト、ジフェニルホスファイト、モノ−2−エチルヘキシルホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4−イソプロピリデンジフェニルホスファイト、テトラ(フェニル)ジプロピレングリコールジホスファイト、ビス(ジ−t−ブチルフェニル)ジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ヘプタキス(ノニルフェニル)テトラキス(ビスフェノールA)ペンタホスファイト、ヘプタキス(ジプロピレングリコール)トリホスファイト、ビス(ネオペンチルグリコール)ジプロピレングリコールジホスファイト、テトラキス(ブトキシエトキシエチル)エチレングリコールジホスファイト、ビス(シクロヘキシルフェニル)、ビス(フェニルエチル)1,4−ジブタンジオールジホスファイト等が上げられる。またこれらの化合物をカウンターアニオンとする金属塩であってもよい。これらのリン化合物の1種および2種以上は、ポリエーテルエステルエラストマー100重量部に対して0.001〜10重量部の割合で配合され、好ましくは0.01〜5重量部、さらに好ましい使用割合は0.05〜3重量部である。
【0018】
本発明においては更に、ポリオレフィンワックスをポリエステルブロック共重合体100重量部に対して0.001〜10重量部配合することが好ましい。
ポリオレフィンワックスは、数平均分子量50,000以下のポリオレフィンが好ましく、蝋状の触感をなすこと以外は特に制限はなく、製造法としてはα−オレフィンを原料として高圧法あるいは低圧法で重合したもの、一度高分子量に重合したポリオレフィンを分解することによって低分子量化されたものなどが挙げられる。さらに酸化などの方法で分子中にカルボン酸基、水酸基を導入したり、マレイン酸やエポキシ基含有化合物を反応させたり、不飽和基を含有させたりしたいわゆる変性ポリオレフィンワックスも好ましい。ポリオレフィンワックスの原料であるα−オレフィンとしてはエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチルペンテン等が挙げられ、2種以上のα−オレフィンを原料としてもよいし、2種類以上併用してもよい。なかでも分子量30,000以下のポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリブチレンワックスが好ましく、特に好ましくは分子量10,000以下、JIS K5902測定法による酸価(もしくは水酸基価)10以上である変性ポリエチレンワックスである。前記ポリオレフィンワックスの分子量が50,000以上になるとポリエステルエラストマとの相溶性に難があり成形品表面外観に悪影響をもたらす傾向があるため好ましくない。
【0019】
上記の化合物をポリエステルブロック共重合体に添加する方法は特に限定されるものではなく、ポリエステルブロック共重合体に反応直後の溶融状態で混合する方法、生成したポリエステルブロック共重合体チップに添加し、加熱溶融混合する方法、カレンダー成形加工直前にポリエステルブロック共重合体チップにドライブレンドし、カレンダー成形加工プロセスに導入する方法、カレンダー成形加工中の溶融または半溶融のシート状態のポリエステルブロック共重合体に添加する方法等が挙げられる。生成したポリエステルブロック共重合体に溶融添加する場合その温度は、該ポリエステルブロック共重合体の融点より10℃低い温度から280℃までが望ましい。またその場合混合時間は、数秒から120分で、混合する温度や混合に使用する方法によって異なる。
【0020】
また本発明組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、公知のヒンダードフェノール系、チオエーテル系などの酸化防止剤、ベンゾフェノール系、ヒンダードアミン系などの耐候剤、エポキシ化合物やイソシアネート化合物などの増粘剤、シリコーンオイル、ステアリン酸金属塩、モンタン酸金属塩、モンタン酸エステルワックスなどの成形離型剤、染料や顔料などの着色剤、酸化チタン、カーボンブラックなどの紫外線遮断剤、ガラス繊維やカーボンファイバー、チタン酸カリファイバーなどの強化剤、シリカ、クレー、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、ガラスビーズなどの充填剤、タルクなどの核剤、難燃剤、可塑剤、発泡剤、蛍光剤、防黴殺菌剤、架橋剤、界面活性剤などを任意に含有せしめることができる。
【0021】
これらの添加剤や充填剤は、あらかじめポリエステルブロック共重合体に配合していても良いし、本発明組成物と共にポリエステルブロック共重合体に配合しても良いし、あるいは本発明組成物形成後に添加してもよい。
【0022】
【実施例】
以下に実施例によって本発明の効果を説明する。なお、実施例中の%および部とは、ことわりのない場合すべて重量基準である。
実施例、比較例中に示される物性は次のように測定した。
融点:DSC法
硬度(ショアDスケール):
JIS K−7215に従って測定した。
溶融粘度指数(MFR値):
ASTM D−1238に従って、温度200℃、荷重2160gで測定した。
カレンダー成形試験:
日本ロール社製8インチ2本ロールを用いポリエステルブロック共重合体ペレットと所定のカレンダー加工性改良剤をドライブレンドするか、場合によってはあらかじめ溶融混合しペレット化した原料を、ロールへ投入し、ロールに粘着するまでの時間(ロール滑性保持時間)を測定した。
プレートアウト:
上記カレンダー試験を各サンプルについて20分、60分、180分間ロールの洗浄なしに連続して実施した時のロールの汚染状態を目視で観察し、5段階で評価した。“5”は全くプレートアウトなしで良好、“4”は“5”よりやや劣るが問題なし、“3”はロール表面光沢が低下し、長期運転は困難と思われる、“2”は明らかにロール表面に曇りが生じる、“1”は激しくプレートアウトがあることを意味する。
ブルーミング:
上記カレンダー成形試験500μm厚シートを室温90日以上放置し、表面状態を目視で判定した。
引張破断強伸度:
上記カレンダー成形試験500μm厚シートのJIS−2号45%打ち抜き片を用い歪率400%/分で測定した。
【0023】
参考例
ポリエステルエラストマ(A−1)の重合
ジメチルテレフタレート194部、数平均分子量約1000のポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール265.4部およびテトラメチレングリコール69.6部をチタンテトラブトキシド0.10部と共にヘリカルリボン攪拌翼を備えた反応容器に仕込み、190〜225℃で2時間加熱して、理論メタノール量の95%のメタノールを系外に留出した。反応混合物に“イルガノックス”1010(ヒンダードフェノール系耐熱剤CIBA−GEIGY社製)0.5部を添加した後、245℃に昇温し、次いで50分かけて系内の圧力を0.2mmHgの減圧とし、その条件下で2時間重合を行わせた。得られたポリマを水中にストランド状で吐出し、カッティングを行なってペレットとした。このポリマをA−1とする。
【0024】
ポリエステルエラストマ(A−2) の重合
テレフタル酸100部、1,4−ブタンジオール110部、テトラブチルチタネート0.1部を精留塔およびヘリカルリボン攪拌翼を備えた反応容器に仕込み、攪拌しながら反応水を留出させ、窒素雰囲気下常圧、2時間エステル化反応させた後、反応物を重合缶に移液し、250℃、系内の圧力を0.2mmHgの減圧とし、その条件下で2時間重合を行わせた。得られたポリマを水中にストランド状で吐出し、カッティングを行なって相対粘度1.47、融点225℃のポリブチレンテレフタレートを得た。該ポリブチレンテレフタレートとε−カプロラクトンをそれぞれ900g/hr、1700g/hrで、内径30mmφ、L/D=40、中間部と先端部に長さ200mmの混練ユニットを有するスクリューを備えた単軸押し出し機の最後部供給口に供給し、シリンダー中間部の機設定温度を240℃、スクリュー回転数30rpm で付加重合反応を行った。次に、ダイスからポリマをストランド状で吐出し、カッティングを行なってペレットとした。該ペレット100部、トリフェニルホスフィン0.1部を内径30mmφ、L/D=40でフルフライトスクリューを備えたベント付き単軸押し出し機を使用して、ベント口の真空度10mmHg、押し出し温度200℃、スクリュー回転数60rpm で混練し、脱ε−カプロラクトンと触媒失活を行ない、ダイスからポリマをストランド状で吐出し、カッティングを行ってペレットとした。このポリマをA−2とする。
表1にA−1、A−2の組成と物性を示す。
【0025】
【表1】
実施例1〜6
参考例で得られたポリエステルエラストマA−1を100重量部に、白色顔料であるアナターゼ型二酸化チタンを1.2重量部添加したものを基本配合とし、リン化合物の例として表2に示す(B−1)〜(B−6)を表3に示す割合でドライブレンドし、前記カレンダー成形試験をロール温度165℃で実施した。使用した化合物を表2に、実施例1〜6の各評価結果を表3に示す。
比較例
参考例で得られたポリエステルエラストマA−1を100重量部に、白色顔料であるアナターゼ型二酸化チタンを1.2重量部添加したものを実施例1と同様の方法で評価した。比較例1の評価結果を表3に示す。
【0026】
実施例7、8
参考例で得られたポリエステルエラストマA−1を100重量部に、白色顔料である酸化チタンを1.2重量部添加したものを基本配合とし、リン化合物の例として表2に示す(B−1)、ポリエチレンワックス(C−1)を表3に示す割合でドライブレンドし、前記カレンダー成形試験をロール温度165℃で実施した。同様に、リン化合物の例として表2に示す(B−3)、ポリエチレンワックス(C−2)を表3に示す割合でドライブレンドし、前記カレンダー形成試験をロール温度165℃で実施した。実施例7、8の各評価結果を表3に示す。
比較例2、3
参考例で得られたポリエステルエラストマA−1を100重量部に、白色顔料である酸化チタンを1.2重量部添加したものに、ポリエチレンワックス(C−1)、(C−2)を表3に示す割合でドライブレンドし、前記カレンダー成形試験をロール温度165℃で実施した。各評価結果を表3に示す。
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
実施例9〜11
参考例で得られたポリエステルエラストマーA−1の代わりにA−2およびA−3を用いた以外は実施例1〜8と同様の実験を行い、評価を行なった。
但し、カレンダー成形試験はA−2はロール温度170℃で実施した。
結果を表4に示す
比較例4、5
参考例A−2のポリマを実施例9と同様の方法で評価した。
評価結果を表4に示す。
【0030】
【表4】
【0031】
実施例12、13
参考例で得られたポリエステルエラストマA−1に、実施例1〜6で使用した添加剤のうち(B−1)、および(B−1)と(C−1)を表5に示す割合であらかじめV−ブレンダーで混合し、45mmφのスクリューを有する二軸押出機を用い190℃で溶融混練しペレット化したものを用い、同様の評価を行なった。実施例12、13の各評価結果を表5に示す。
【0032】
【表5】
表3の結果から、本発明組成物が少割合の化合物の添加により著しくカレンダー成形加工性、特に抗プレートアウト性を改良する効果がみられ、しかも機械的性質が優れ、さらにリン化合物とポリオレフィンワックスを併用しても同様に良好な結果が得られる。
【0033】
さらに、表6の結果からA−1のポリエステルエラストマと異なるソフトセグメントを持つA−2、A−3においても前記化合物を配合することにより十分にロール滑性、抗プレートアウト性を改良する効果が得られており、ポリエステルエラストマのソフトセグメント種によらず当該ポリエステルエラストマのロール粘着性が大幅に改良されることが明白である。また表4の結果に示すように、本発明組成物が化合物の添加量を増やしても同様の結果が得られる。
【0034】
【発明の効果】
本発明のカレンダー加工用ポリエステルエラストマ組成物は、カレンダー加工性、特に抗プレートアウト性が良好で、しかも、表面外観、機械特性、加工耐熱性、加工色調に優れたシートまたはフィルムを形成しうる。
Claims (3)
- (A)高融点結晶性重合体セグメント、(B)脂肪族ポリエーテル単位および/または脂肪族ポリエステル単位からなる低融点重合体セグメントを主たる構成成分とするポリエステルブロック共重合体100重量部に対し、下記一般式(I),(II),(III)で示される化合物から選ばれた1種以上のリン系化合物0.001〜10重量部を溶融混合してなるカレンダー加工用ポリエステルエラストマ組成物。
- リン系化合物が請求項1記載の化合物をカウンターアニオンとする金属塩である請求項1記載のポリエステルエラストマ組成物。
- さらにポリオレフィンワックス0.001〜10重量部を溶融混合してなる請求項1記載のポリエステルエラストマ組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8575395A JP3582887B2 (ja) | 1995-04-11 | 1995-04-11 | カレンダー加工用ポリエステルエラストマ組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8575395A JP3582887B2 (ja) | 1995-04-11 | 1995-04-11 | カレンダー加工用ポリエステルエラストマ組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08283547A JPH08283547A (ja) | 1996-10-29 |
JP3582887B2 true JP3582887B2 (ja) | 2004-10-27 |
Family
ID=13867625
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8575395A Expired - Fee Related JP3582887B2 (ja) | 1995-04-11 | 1995-04-11 | カレンダー加工用ポリエステルエラストマ組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3582887B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8071695B2 (en) | 2004-11-12 | 2011-12-06 | Eastman Chemical Company | Polyeste blends with improved stress whitening for film and sheet applications |
US11072684B2 (en) | 2016-08-18 | 2021-07-27 | Eastman Chemical Company | Polyester compositions which comprise tetramethylcyclobutandiol and ethylene glycol, with improved catalyst system |
US11091586B2 (en) | 2016-08-18 | 2021-08-17 | Eastman Chemical Company | Polyester compositions which comprise tetramethyl cyclobutanediol and ethylene glycol, with improved catalyst system |
US11396576B2 (en) | 2016-08-18 | 2022-07-26 | Eastman Chemical Company | Oriented films and shrink films comprising polyesters which comprise tetramethylcyclobutanediol and ethylene glycol |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6068910A (en) * | 1998-03-17 | 2000-05-30 | Eastman Chemical Company | Polyester resin compositions for calendering |
US6846440B2 (en) | 1998-03-17 | 2005-01-25 | Eastman Chemical Company | Polyester resin compositions for calendering |
JP2001354842A (ja) * | 2000-06-09 | 2001-12-25 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | カレンダー成形用ポリエステル組成物 |
US7030181B2 (en) * | 2001-04-11 | 2006-04-18 | Eastman Chemical Company | Films prepared from plasticized polyesters |
US7285587B2 (en) | 2002-12-20 | 2007-10-23 | Eastman Chemical Company | Flame retardant polyester compositions for calendering |
US7235623B2 (en) | 2003-11-26 | 2007-06-26 | Eastman Chemical Company | Polyester compositions for calendering |
US7354653B2 (en) | 2003-12-18 | 2008-04-08 | Eastman Chemical Company | High clarity films with improved thermal properties |
-
1995
- 1995-04-11 JP JP8575395A patent/JP3582887B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8071695B2 (en) | 2004-11-12 | 2011-12-06 | Eastman Chemical Company | Polyeste blends with improved stress whitening for film and sheet applications |
US11072684B2 (en) | 2016-08-18 | 2021-07-27 | Eastman Chemical Company | Polyester compositions which comprise tetramethylcyclobutandiol and ethylene glycol, with improved catalyst system |
US11091586B2 (en) | 2016-08-18 | 2021-08-17 | Eastman Chemical Company | Polyester compositions which comprise tetramethyl cyclobutanediol and ethylene glycol, with improved catalyst system |
US11396576B2 (en) | 2016-08-18 | 2022-07-26 | Eastman Chemical Company | Oriented films and shrink films comprising polyesters which comprise tetramethylcyclobutanediol and ethylene glycol |
US11447601B2 (en) | 2016-08-18 | 2022-09-20 | Eastman Chemical Company | Polyester compositions which comprise tetramethylcyclobutanediol and ethylene glycol for calendering |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08283547A (ja) | 1996-10-29 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6448334B1 (en) | Translucent polycarbonate composition, method for preparation thereof, and articles derived therefrom | |
WO2006053232A1 (en) | Polyester blends with improved stress whitening for film and sheet applications | |
JP3582887B2 (ja) | カレンダー加工用ポリエステルエラストマ組成物 | |
JP3423062B2 (ja) | カレンダー加工用ポリエステルエラストマ組成物 | |
CN1902267A (zh) | 用于聚酯压延的方法 | |
US4912177A (en) | Thermoplastic polyblends of aromatic polycarbonates and thermoplastic polyurethanes | |
JP2001279067A (ja) | 熱可塑性エラストマー組成物 | |
JP2009029895A (ja) | ポリエステルエラストマー樹脂組成物およびそれを用いた成形品 | |
JP2001207045A (ja) | ポリエステルエラストマー組成物 | |
JP3596966B2 (ja) | ポリエステルエラストマ組成物 | |
JP3667061B2 (ja) | カレンダー加工用ポリエステルエラストマ組成物 | |
JP2001354842A (ja) | カレンダー成形用ポリエステル組成物 | |
JP5205829B2 (ja) | 難燃性ポリエステルエラストマー組成物 | |
JP2001207037A (ja) | ポリエステルエラストマー組成物 | |
JP3334975B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物およびそれからなるフィルム | |
JP2001207043A (ja) | エラストマー状組成物 | |
JP4332759B2 (ja) | 熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物 | |
JP2001207046A (ja) | 熱可塑性エラストマー | |
JP3229433B2 (ja) | ポリエステルエラストマ組成物 | |
JP2001207044A (ja) | エラストマー組成物 | |
JP3374881B2 (ja) | 脂肪族ポリエステルカーボネート樹脂組成物 | |
KR20070028642A (ko) | 프로파일 압출 성형용 공중합 폴리에스테르 수지 조성물 및이를 이용한 성형제품 | |
JP3334974B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物およびそれからなるフィルム | |
JP2001207036A (ja) | 熱可塑性エラストマー組成物 | |
JP5321398B2 (ja) | 熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040315 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040406 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040604 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040720 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20040727 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080806 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090806 Year of fee payment: 5 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |