JP3582350B2 - 誘電体フィルタ、送受共用器および通信機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、マイクロ波帯やミリ波帯で用いられる誘電体フィルタと、それを用いた送受共用器および通信機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、大容量でかつ高速な通信システムの要求に伴ってマイクロ波帯からミリ波帯へ使用周波数帯域が拡大されようとしている。特に準ミリ波帯は無線LAN、携帯TV電話、次世代衛星放送など様々なシステムでの利用が検討されている。それに伴い、フィルタも小型、安価で平面回路実装性に優れたものが要求されている。そこで本願の発明者らは1996年電子情報通信学会総合大会C−121「平面回路型誘電体共振器を用いた準ミリ波バンドパスフィルタ」を提案した。
【0003】
ここで、その誘電体フィルタの構造を分解斜視図として図8に示す。同図において3は誘電体板であり、その両主面に所定寸法の円形の電極非形成部を対向させて電極を形成している。図中の1は誘電体板3の図における上面の電極であり、4a,4bはその電極非形成部を示している。6は基板、7は枠体であり、共にεr=7.3のセラミックスから成り、基板6の下面とその上面の枠体7からはみ出る部分および枠体7の周囲に電極を形成して下部ケースを構成している。8はカバーであり、εr=7.3のセラミックスから成り、電極1に接する面および周面に電極を形成している。基板6の上面には入出力端子としてのマイクロストリップ線路を形成している。9はその一方のマイクロストリップ線路である。そして、これらのマイクロストリップ線路にプローブ19,20を接続している。
【0004】
このような構成によって、電極非形成部で挟まれる誘電体板3の一部がTE010モードの誘電体共振器として作用し、この隣接する共振器間が電磁界結合するとともに、それぞれの共振器がプローブ19,20と電磁界結合する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の誘電体フィルタの構造では、基板6の両主面に電極を形成した領域が導波路を構成するため、この導波路とマイクロストリップ線路とが結合して、いわゆるパラレルプレートモードによって基板6内部を信号が伝搬することになる。そのためフィルタの減衰特性およびスプリアス特性が劣化するおそれがあった。
【0006】
そのため、図8にも示しているように、マイクロストリップ線路9の近傍に、基板6の両主面の電極間を導通させるスルーホール13を形成して、基板6の両主面の電極により構成される導波路とマイクロストリップ線路との結合を絶つようにしているが、所定の要求特性を満足するには不十分となる場合があった。また、セラミックス基板に高精度な孔を開けることは容易ではないため、マイクロストリップ線路を設ける基板の材料としてセラミックスを用いる場合には製造コストも嵩む。しかも基板6の比誘電率が高い場合には、管内波長が短くなるので、複数のスルーホールを配列形成する場合に、そのピッチを短くして多数のスルーホールを設ける必要が生じる。更に、上記基板がセラミックスであれば、その厚みは0.2〜0.5mmと薄いため、ハンドリングが悪いという問題があった。
【0007】
この発明の目的は上述の各種問題を解消した誘電体フィルタと、それを用いた送受共用器および通信機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、電極非形成部を対向させて誘電体板の両主面に電極を形成して、前記対向する電極非形成部で挟設される領域を共振領域とし、該共振領域に結合する結合部材を設け、前記共振領域および前記結合部材の周囲に空間を形成するキャビティを設けて成る誘電体フィルタにおいて、基板の両主面に電極を形成して成る導波路における信号の伝搬を確実に阻止するために、請求項1に記載のとおり、前記キャビティの一部を、誘電体板または絶縁体板の両主面に電極を形成した基板で構成するとともに、該基板の、前記誘電体板の電極に導通する箇所に沿って、前記基板の両主面の電極間を導通させる複数の導体路を形成する。
【0009】
これにより、誘電体板に構成される共振領域およびその共振領域に結合する結合部材周囲の共振領域としての空間が制限され、この空間と、基板の両主面の電極による導波路とは遮断され、その導波路への信号の伝搬がなくなる。その結果フィルタの減衰特性およびスプリアス特性が改善される。
【0010】
前記基板に結合部材としてのマイクロストリップ線路を設ける場合、請求項2に記載のとおり、マイクロストリップ線路幅の2〜3倍だけ離れた当該マイクロストリップ線路の両側に前記基板の両主面の電極間を導通させる複数の導体路を設ける。これにより基板の両主面の電極による導波路とマイクロストリップ線路との結合を十分に抑えることができる。
【0011】
また、前記導体路の配列ピッチを、請求項3に記載のとおり、誘電体フィルタの中心周波数における管内波長の1/4以下にする。これにより、配列されている導体路が、基板内を伝搬する信号に対して導体壁として作用し、シールド効果が高まる。
【0012】
またこの発明では、上記誘電体フィルタを送信フィルタと受信フィルタのいずれか一方または両方に用い、送信フィルタを送信信号入力ポートと入出力ポートとの間に設け、受信フィルタを受信信号出力ポートと入出力ポートとの間に設けて送受共用器を構成する。
【0013】
本願発明によれば、減衰特性およびスプリアス特性が改善された誘電体フィルタを用いて、分岐特性に優れた送受共用器を得ることができる。
【0014】
さらに、この発明では上記送受共用器の送信信号入力ポートに送信回路を接続し、送受共用器の受信信号出力ポートに受信回路を接続し、送受共用器の入出力ポートにアンテナを接続して通信機を構成する。
【0015】
【発明の実施の形態】
この発明の第1の実施形態に係る誘電体フィルタの構成を図1〜図4を参照して説明する。
【0016】
図1は誘電体フィルタの分解斜視図である。同図において3は厚さ1.0mm、εr=30の誘電体板であり、その図における上面に4a,4b,4cで示す電極非形成部を有する電極1を形成している。誘電体板3の下面には電極非形成部4a,4b,4cにそれぞれ対向する同一形状の電極非形成部を有する電極を形成している。これにより、対向した電極非形成部をTE010モードの誘電体共振器として構成している。図中の6は厚さ0.3mm、εr=3.5のBTレジンから成る基板であり、その下面の略全面に電極を形成するとともに、上面の一部に電極11を形成している。またこの基板6の上面には一部をプローブ(結合部材)とするマイクロストリップ線路9,10を形成している。この基板6の図における上面には金属から成る枠体7を基板6の上面の電極11に接合している。また図中の8は金属から成るカバーであり、このカバーの周縁部が誘電体板3の周縁部で上面の電極1に接合する。
【0017】
図2は図1に示した基板6の平面図である。図2において、マイクロストリップ線路9,10の線路幅は0.62mmであり、その特性インピーダンスを50Ωとしている。またマイクロストリップ線路9,10の根元部には線路幅0.62mmの2倍の間隔を隔てて、その両側に電極11を配置している。そして、電極11の内側の端縁部、すなわち図1に示した枠体7を接合する箇所と、マイクロストリップ線路9,10の根元部の両側に、誘電体板の下面側の電極と上面側の電極11とを導通させる複数のスルーホール13を所定のピッチで配列している。これらのスルーホール13の経は0.3mmであり、その配列ピッチは1mmである。ここではフィルタの中心周波数は20GHzであり、管内波長λg≒8mmであるため、上記配列ピッチはλg/4より十分小さな値である。このように、枠体7に接する箇所およびマイクロストリップ線路の根元部の両側に複数のスルーホール13を配列したことにより、基板6の両主面に形成した電極の対向する領域により構成される導波路とマイクロストリップ線路9,10とは結合せず、上記導波路への信号の伝搬がないため、減衰特性およびスプリアス特性の劣化が防止できる。
【0018】
図3は図1に示した誘電体フィルタの組み立て後の長手方向の断面図である。同図に示すように、誘電体板3の下面には、上面の電極非形成部4a,4b,4cに対向する電極非形成部5a,5b,5cを有する電極2を形成している。これらの対向する電極非形成部4a,4b,4c,5a,5b,5cによって誘電体板3に3つの共振領域14a,14b,14cを構成している。基板6の下面には略全面に電極12を形成している。この電極12と基板6の上面の電極11とはスルーホール13を介して導通しているため、電極12,枠体7、およびカバー8が共振領域14a,14b,14cおよび結合部材としてのマイクロストリップ線路9,10の周囲を覆うキャビティとして作用する。共振領域14a,14cによる2つの共振器は結合部材としてのマイクロストリップ線路9,10とそれぞれ電磁界結合し、また共振領域14a,14bによる2つの共振器間および14b,14cによる2つの共振器間はそれぞれ電磁界結合し、3つの共振器から成る3段の帯域通過フィルタを構成する。
【0019】
図4は第1の実施形態に係る誘電体フィルタの広帯域スプリアス特性を示す図である。従来の誘電体フィルタの広帯域特性では、基板の両主面に挟まれる導波路を伝搬するパラレルプレートモードはカットオフがないため、このパラレルプレートモードは図9に示したHE110モードより低い周波数でも伝搬する。特に9〜11GHzでの減衰は10dB前後の値しか得られない。これに対して、図4に示す広帯域特性では、9〜11GHzでの減衰は50dB以上得られ、図9に示した従来の誘電体フィルタに比較して低く抑えられていることが判る。たとえば、10GHzの発振回路の出力信号を逓倍して20GHzの信号を得るような場合、逓倍回路の出力信号には、10GHz信号が含まれることになるが、この第1の実施形態に係るフィルタを逓倍回路の出力に挿入すれば、10GHz信号を十分に抑圧することができる。なお、HE110,HE210,HE310,TE110モードは共振器内で発生する共振モードであり、レスポンスレベルは低くならない。
【0020】
このように、第1の実施形態によれば、誘電体板に構成される共振領域およびその共振領域に結合する結合部材周囲の共振領域としての空間が制限され、この空間と、基板の両主面の電極11,12による導波路とは遮断され、その導波路への信号の伝搬がなくなる。その結果、フィルタの減衰特性およびスプリアス特性が改善される。また、基板6にキャビティの横断面形状に沿った複数個のスルーホールを形成したことにより、基板内を伝搬するパラレルプレートモードの共振周波数を上げて、その高次モードの周波数をフィルタとして使用するモードの通過帯域より十分に離すことができる。また、低誘電率のプリント基板を用い、実効的な誘電率を下げることによって、基板内(キャビティ内)での共振周波数を上げ、基板内を伝搬するパラレルプレートモードの共振周波数を更に上げることができる。また、低誘電率のプリント基板を用いることにより管内波長が長くなり、スルーホールの配列ピッチを比較的大きくすることができ、基板の作成が容易になる。しかも、汎用性のあるプリント基板を用いることで、コストダウンが図れ、そのハンドリングも向上する。
【0021】
次に、第2の実施形態に係る誘電体フィルタの構成を図5〜図9を参照して説明する。
【0022】
図5は誘電体フィルタの分解斜視図であり、図6はその基板の平面図である。第1の実施形態として示した図1および図2と比較すれば明らかなように、この第2の実施形態では、マイクロストリップ線路9,10の周囲を除いて、枠体7の載置位置の内部にも基板6の上面に電極11を形成している。そしてマイクロストリップ線路9,10の周囲で、電極11の縁となる部分に複数のスルーホール13を配列している。また、この第2の実施形態では、基板6としてεr=10のアルミナ基板を用いている。マイクロストリップ線路9,10と電極11との間隔はマイクロストリップ線路9,10の線路幅の2〜3倍隔てていて、径が0.3mmのスルーホール13を1mmのピッチで配列している。ここではフィルタの中心周波数は20GHzであり、基板内のλgは約4.7mmであるので、スルーホール13の配列ピッチ1mmはλg/4より小さな値である。その他の構成は第1の実施形態の場合と同様である。
【0023】
図7は第2の実施形態に係る誘電体フィルタの広帯域スプリアス特性を示す図である。上述したように、従来の誘電体フィルタの広帯域特性では、パラレルプレートモードは図9に示したHE110モードより低い周波数でも伝搬し、特に9〜11GHzでの減衰は10dB前後の値しか得られないが、図7に示す広帯域特性では、9〜11GHzでの減衰は50dB以上得られ、図9に示した従来の誘電体フィルタに比較して低く抑えられていることが判る。
【0024】
このように、結合部材としてのマイクロストリップ線路の周囲に一定間隔を隔てて電極11を形成するとともにスルーホールを配列したことにより、基板6の比誘電率が比較的高くてもパラレルプレートモードによるスプリアスを効果的に抑圧することができる。
【0025】
図10は第3の実施形態に係る送受共用器の構成例を示す図である。同図は、基板6に枠体を取り付け、その枠体上に誘電体板3を取り付けた状態での(カバーを取り付ける前の)平面図である。基板6の、枠体が接合される位置には、基板6の両主面に形成した電極同士を導通させるスルーホールを配列している。誘電体板3の上面には41a,41b,41c,42a,42bで示す5つの電極非形成部を有する電極を形成していて、誘電体板3の下面にはこれらの電極非形成部に対向する位置を電極非形成部とする電極を形成している。これによって5つのTE010モードの誘電体共振器を構成している。このうち電極非形成部41a,41b,41c部分に構成される3つの誘電体共振器は3段の共振器からなる受信フィルタとして用いる。また電極非形成部42a,42b部分に構成される2つの共振器は2段の共振器からなる送信フィルタとして用いる。
【0026】
図10に示した状態で、上面に図1に示したものと同様のカバーを接合する。この構造によって、基板6の下面の電極、スルーホールおよびカバーによって誘電体共振器の周囲を電磁遮蔽する。
【0027】
基板6には9r,10r,10t,9tで示す、4つのプローブとしてのマイクロストリップ線路を形成している。そして、マイクロストリップ線路9r,9tの端部は受信信号出力ポート,送信信号入力ポートとしてそれぞれ用いる。またマイクロストリップ線路10rと10tの端部は分岐用のマイクロストリップ線路で結合し、入出力ポートとして外部に取り出している。2つのマイクロストリップ線路10r,10tの等価的短絡面から分岐点までの電気長は、分岐点から送信周波数の波長で受信フィルタを見た場合と、受信周波数の波長で送信フィルタを見た場合とで、それぞれ高インピーダンスに見えるように定める。
【0028】
このように単一の基板上に多数の共振器を配列する場合でも、本願発明によれば、誘電体板3に構成される共振領域およびその共振領域に結合する結合部材周囲の共振領域としての空間が制限され、この空間と、基板の両主面の電極による導波路とは遮断され、その導波路への信号の伝搬がなくなる。その結果、送信フィルタおよび受信フィルタの減衰特性およびスプリアス特性が改善された、分岐特性に優れた送受共用器が得られる。
【0029】
図11は上記送受共用器をアンテナ共用器として用いた通信機の構成を示す図である。ここで、46aは上記受信フィルタ、46bは上記送信フィルタであり、46はアンテナ共用器を構成している。同図に示すように、アンテナ共用器46の受信信号出力ポート46cに受信回路47を、送信信号入力ポート46dに送信回路48をそれぞれ接続し、アンテナポート46eにアンテナ49を接続することによって、全体として通信機50を構成している。この通信機はたとえば携帯電話機等の高周波回路部分に相当する。
【0030】
このように、本願発明の誘電体フィルタを適用したアンテナ共用器を用いることによって、分岐特性に優れたアンテナ共用器を用いた小型の通信機を構成できる。なお、アンテナ共用器46の受信フィルタ46aと送信フィルタ46bとを、たとえば図1に示したような単体の誘電体フィルタとして別々に構成してもよい。
【0031】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、誘電体板に構成される共振領域およびその共振領域に結合する結合部材周囲の共振領域としての空間が制限され、この空間と、基板の両主面の電極による導波路とは遮断され、その導波路への信号の伝搬がなくなる。その結果フィルタの減衰特性およびスプリアス特性が改善される。
【0032】
請求項2に記載の発明によれば、基板の両主面の電極による導波路とマイクロストリップ線路との結合を十分に抑えることができる。
【0033】
請求項3に記載の発明によれば、配列されている導体路が、基板内を伝搬する信号に対して導体壁として作用し、シールド効果が高まる。
【0034】
また、請求項4に記載の発明によれば、送信フィルタおよび受信フィルタの減衰特性およびスプリアス特性が改善された、分岐特性に優れた送受共用器が得られる。
【0035】
さらに、請求項5に記載の発明によれば、高周波回路部分の減衰特性およびスプリアス特性に優れた通信機が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る誘電体フィルタの分解斜視図である。
【図2】同誘電体フィルタで用いる基板の平面図である。
【図3】同誘電体フィルタの断面図である。
【図4】同誘電体フィルタの広帯域スプリアス特性を示す図である。
【図5】第2の実施形態に係る誘電体フィルタの分解斜視図である。
【図6】同誘電体フィルタで用いる基板の平面図である。
【図7】同誘電体フィルタの広帯域スプリアス特性を示す図である。
【図8】従来の誘電体フィルタの構成を示す分解斜視図である。
【図9】従来の誘電体フィルタの広帯域スプリアス特性を示す図である。
【図10】第3の実施形態に係るアンテナ共用器の構成を示す図
【図11】第4の実施形態に係る通信機の構成を示すブロック図
【符号の説明】
1,2−電極
3−誘電体板
4a,4b,4c−電極非形成部
5a,5b,5c−電極非形成部
6−基板
7−枠体
8−カバー
9,10−マイクロストリップ線路
11,12−電極
13−スルーホール(導体路)
14a,14b,14c−共振領域
19,20−プローブ
41a,41b,41c,42a,42b−電極非形成部
Claims (5)
- 電極非形成部を対向させて誘電体板の両主面に電極を形成して、前記対向する電極非形成部で挟設される領域を共振領域とし、該共振領域に結合する結合部材を設け、前記共振領域および前記結合部材の周囲に空間を形成するキャビティを設けて成る誘電体フィルタにおいて、
前記キャビティの一部を、誘電体板または絶縁体板の両主面に電極を形成した基板で構成するとともに、該基板の、前記誘電体板の電極に導通する箇所に沿って、前記基板の両主面の電極間を導通させる複数の導体路を形成したことを特徴とする誘電体フィルタ。 - 電極非形成部を対向させて誘電体板の両主面に電極を形成して、前記対向する電極非形成部で挟設される領域を共振領域とし、該共振領域に結合する結合部材を設け、前記共振領域および前記結合部材の周囲に空間を形成するキャビティを設けて成る誘電体フィルタにおいて、
前記キャビティの一部を、誘電体板または絶縁体板の両主面に電極を形成した基板で構成し、前記結合部材を前記基板に形成したマイクロストリップ線路で構成するとともに、該マイクロストリップ線路幅の2〜3倍だけ離れた当該マイクロストリップ線路の両側に前記基板の両主面の電極間を導通させる複数の導体路を設けたことを特徴とする誘電体フィルタ。 - 前記導体路の配列ピッチは、誘電体フィルタの中心周波数における管内波長の1/4以下にしたことを特徴とする請求項1または2に記載の誘電体フィルタ。
- 請求項1〜3のうちいずれかに記載の誘電体フィルタを、送信フィルタと受信フィルタの一方または両方に用い、前記送信フィルタを送信信号入力ポートと入出力ポートとの間に設け、前記受信フィルタを受信信号出力ポートと前記入出力ポートとの間に設けたことを特徴とする送受共用器。
- 請求項4に記載の送受共用器の送信信号入力ポートに送信回路を接続し、前記送受共用器の受信信号出力ポートに受信回路を接続し、前記送受共用器の入出力ポートにアンテナを接続して成る通信機。
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