JP3578823B2 - 発泡成形品の製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明はクローズド成形に好適な発泡成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車のインストルメントパネルなどは、インサートの片側にポリウレタン樹脂などの発泡体を一体に形成した発泡成形品によって構成されることがある。この発泡成形品は、所望により前記発泡体の表面が軟質合成樹脂シートよりなる表皮で覆われている場合もある。
【0003】
この発泡成形品の製造例を図5に示す。図示されるように、上下に分割可能な分割成形型60は、その両分割型61,62を型閉めすることにより所定の成形品キャビティ63を構成するようになっている。そして、一方の分割型61の型面にインサート64を取り付けるとともに、他方の分割型62の型面には表皮65を配置して型閉めする。
【0004】
インサート64が取り付けられる側の分割型61には、発泡装置の原料注入ノズル66をセットする注入部67が設けられ、またインサート64には前記注入部67に対応する原料注入孔68が設けられている。この原料注入孔68は前記原料注入ノズル66の直径よりやや小さく形成されており、成形の際、前記原料注入ノズル66の先端面が、インサートの原料注入孔68の周りに当接される。そして、前記原料注入ノズル66から液状発泡原料50を前記インサート64と表皮65との間に注入する。注入された液状発泡原料50は、発泡硬化してインサート64の片側に発泡体を形成するとともに、前記表皮65とインサート64とを一体化する。
【0005】
しかしながら、このような成形法にあっては、次のような問題点があった。すなわち、前記インサート64は、分割型61の型面に立設されたクリップなどにより、前記分割型61に取り付けられるため、インサートの成形後の製品収縮などによって、型面に密着せず僅かに隙間を生じる場合がある。
そのため、前記原料注入ノズル66から液状発泡原料50が吐出される際に、インサートの原料注入孔68周囲の空気を巻き込んで発泡体にボイドやセル荒れを生じたり、前記原料注入孔68周囲の隙間からキャビティ内の発泡ガスが抜け過ぎて発泡体表面にヒケが発生することもある。また、前記型面とインサート64との間から液状発泡原料が漏れてインサート64および型面に不要なバリとなって付着するおそれもある。
【0006】
前記バリなどを防ぐため、図6に示されるように、前記インサート64の原料注入孔68の周りにシール材70を貼着し、前記シール材70により型面との間の隙間を塞いで成形することも考えられるが、かかる発泡体の製造作業が効率的でなくなるという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、このような問題点に鑑み提案されたものであって、バリやボイドなどの発生を簡単に防ぎ、発泡成形品を精度よくかつ外観良好に製造することのできる発泡成形品の製造方法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
ここで提案される発明は、所定位置に原料注入孔の形成された発泡成形用インサートを成形型にセットし、前記原料注入孔の外周表面に先端面を当接させた原料注入ノズルから、前記原料注入孔を介して発泡成形用インサートの片側に液状発泡原料を注入し発泡させることにより、生じる発泡体を前記発泡成形用インサートと一体化する発泡成形品の製造方法において、前記発泡成形用インサートには、前記原料注入孔の外周表面に、該原料注入孔を包囲する環状凹溝からなる原料注入ノズル嵌合溝部を形成し、一方、前記原料注入ノズルの先端には、該ノズルの原料吐出孔を包囲する環状突部を形成し、該環状突部を前記原料注入ノズル嵌合溝部に嵌合させて、前記液状発泡原料の注入を行うことを特徴とする発泡成形品の製造方法に係る。
【0009】
【実施例】
以下添付の図面に従ってこの発明を詳細に説明する。
図1はこの発明に用いられる発泡成形用インサートの一例を示す要部の斜視図、図2はその断面図、図3はこの発明の発泡成形品の製造方法を示す成形型の断面図、図4はその要部の断面図である。
【0010】
図1および図2に示されるように、この発明に用いられる発泡成形用インサート10は、塩化ビニール樹脂などの合成樹脂などからなり、その所定位置に原料注入孔11が形成されている。前記原料注入孔11の大きさは、成形時に型内に挿入されて液状発泡原料を注入する原料注入ノズルの直径よりやや小さく形成されている。それによって、原料注入ノズルを型内に型内に挿入した際にその先端面が、前記原料注入孔11の外周表面に当接する。
この原料注入孔11の外周表面(発泡体が形成されない方の側)には、当該原料注入孔11を包囲する環状凹溝からなる原料注入ノズル嵌合溝部12が形成されている。この原料注入ノズル嵌合溝部12は、成形時に、前記原料注入ノズルとインサートとの間から液状発泡原料が漏れてバリになったり、発泡ガスが抜けてボイドやヒケなどになるのを防ぐためのもので、図2に示されるように、原料注入ノズル40の先端と嵌合される。本実施例では、前記原料注入孔11の周囲に二つの環状リブ13,13を同心円状に立設し、前記リブ13,13の間に環状の溝を構成している。本例において、前記環状リブ13は厚み約2.5mm、高さ約5mmに形成され、二つのリブの間隔は約10mmである。なお、前記原料注入ノズル嵌合溝部12は、前記インサート10の表面に直接溝を環状に設けてもよい。
【0011】
次に、前記インサート10を用いた発泡成形品の製造方法について説明する。図3に示されるように、上型21と下型22とからなる成形型20は、前記上下の型21,22を型閉めすることにより所定の成形品キャビティ23を構成する。そして、上型21の型面には、前記インサート10が前記原料注入ノズル嵌合溝部12をその型面側にして取り付けられる。このインサート10が取り付けられる上型21には、発泡装置の原料注入ノズル40をセットするための注入部25が設けられている。また、本実施例では、下型の型面には表皮24が配置される。なお、この成形型20はさらに複数に分割されるものであってもよい。
【0012】
また、本実施例では前記インサート10を前記型面に保持するための、インサート保持装置30が設けられている。
このインサート保持装置30は、インサート10の表面に密着するパッド31を有する真空吸引装置よりなる。前記インサート保持装置30は、前記インサート10をこのパッド31の表面に接触させ、真空吸引装置を作動させることにより前記パッド31にインサート10を吸着保持する。なお、このインサートの保持機構としては、前記したクリップ部材でもよく、またこのインサート保持装置30とクリップ部材とを併用することもできる。
【0013】
このようなインサート保持装置30によりインサート10を型面にセットし、また下型22の型面に表皮24を配置した後、型閉めする。次いで、原料注入ノズル40が前記注入部25を介して型内に挿入される。前記したように、この原料注入ノズル40の直径は、インサート10の原料注入孔11よりやや大きく形成されているので、ノズル40の先端がインサート10の表面に当接する。符号45はピストンである。
【0014】
前記原料注入ノズル40の先端には、その原料吐出孔41を包囲する環状突部42が設けられている。本実施例の環状突部42は、前記原料吐出孔41の外側に段部43を介して設けられるとともに、前記インサート10の嵌合溝部12の位置に対応させて設けられている。なお、図4のように、前記環状突部42の厚みを前記インサート10の原料注入ノズル嵌合溝部12の溝幅と略一致させ、かつ前記段部43の位置を当該原料注入ノズル嵌合溝部12の上端と略一致させておくことが好ましい。そうすれば、図4から理解されるように、前記環状突部42がインサート10の原料注入ノズル嵌合溝部12と嵌合した際、前記環状突部42の少なくともその先端44がインサート10の原料注入ノズル嵌合溝部12の内底面14と接し、かつ前記段部43が内側の環状リブ13の先端面15と当接して密着するので、インサートと型面との間のシール効果が一層高くなる。
【0015】
そして、前記原料注入ノズル40からインサート10と表皮24との間に液状発泡原料Pを注入する。その注入時、インサート10の原料注入孔11周囲では、前記原料注入ノズル嵌合溝部12に原料注入ノズル40の環状突部42が嵌合しているので、前記原料注入孔11周囲と原料注入ノズル40との密着面積が大となり、その密着シールが確実になされる。注入された発泡原料Pは、前記インサート10と表皮24との間を充満して当該インサート10の片側に発泡体(図示せず)を形成する。
【0016】
【発明の効果】
以上図示し説明したように、この発明の発泡成形品の製造方法によれば、インサートの原料注入孔周囲に原料注入ノズル嵌合溝部を形成し、一方、原料注入ノズルの先端には環状突部を形成し、前記前記原料注入ノズル嵌合溝部と環状突部とを嵌合して液状発泡原料の注入を行うものであるから、インサートの原料注入孔周囲と原料注入ノズルとの密着面積が大となり確実に密着する。
そのため、注入される液状発泡原料が、インサートの原料注入孔からインサートと型面との間に漏れて不要なバリを生じることがない。また、前記原料注入ノズルから液状発泡原料が吐出される際に、インサートの原料注入孔周囲の空気を巻き込んだり、型内の発泡ガスがインサートの原料注入孔から抜けることもないので、製品にボイドやセル荒れまたはヒケなどを発生させるおそれもない。しかも、インサートにシール材を貼着する作業が不要となり、製造作業を簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に用いられる発泡成形用インサートの一例を示す要部の斜視図である。
【図2】その断面図である。
【図3】この発明の発泡成形品の製造方法を示す成形型の断面図である。
【図4】その要部の断面図である。
【図5】一般的な発泡成形品の製造方法を示す成形型の断面図である。
【図6】その他の方法を示す成形型の要部の断面図である。
【符号の説明】
10 発泡成形用インサート
11 原料注入孔
12 原料注入ノズル嵌合溝部
20 発泡成形型
40 原料注入ノズル
41 原料吐出孔
42 環状突部
Claims (1)
- 所定位置に原料注入孔の形成された発泡成形用インサートを成形型にセットし、前記原料注入孔の外周表面に先端面を当接させた原料注入ノズルから、前記原料注入孔を介して発泡成形用インサートの片側に液状発泡原料を注入し発泡させることにより、生じる発泡体を前記発泡成形用インサートと一体化する発泡成形品の製造方法において、
前記発泡成形用インサートには、前記原料注入孔の外周表面に、該原料注入孔を包囲する環状凹溝からなる原料注入ノズル嵌合溝部を形成し、一方、前記原料注入ノズルの先端には、該ノズルの原料吐出孔を包囲する環状突部を形成し、該環状突部を前記原料注入ノズル嵌合溝部に嵌合させて、前記液状発泡原料の注入を行うことを特徴とする発泡成形品の製造方法。
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JP05185895A JP3578823B2 (ja) | 1995-02-15 | 1995-02-15 | 発泡成形品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP05185895A JP3578823B2 (ja) | 1995-02-15 | 1995-02-15 | 発泡成形品の製造方法 |
Publications (2)
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JPH08216167A JPH08216167A (ja) | 1996-08-27 |
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JP05185895A Expired - Fee Related JP3578823B2 (ja) | 1995-02-15 | 1995-02-15 | 発泡成形品の製造方法 |
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JP (1) | JP3578823B2 (ja) |
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1995
- 1995-02-15 JP JP05185895A patent/JP3578823B2/ja not_active Expired - Fee Related
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