JP3578229B2 - 微小粒子の濾過材 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、ビールなどの液体中に含まれる微小粒子を除去するための濾過材に関し、さらに詳しくは高い濾過精度と長い濾過ライフとをバランス良く合わせもつ微小粒子の濾過材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、液体中に含まれる微小粒子を除去するために極細繊維不織布からなる濾過材が用いられているが、この濾過材は濾過精度を高くするとライフが短くなり、ライフを長くすると濾過精度が低下するという相反する問題点があった。
高い濾過精度とライフを両立させることに関しては、深さ方向に濾過材の濾過径を変化させる製造条件を採用して芯部に濾過材を巻き付けたもの(特開昭60−216818号公報)があるが、これは製造条件を変化させながら紡糸しつつ芯部に繊維を巻きつけるものであるため、紡糸が不安定になり、糸切れやジェットの発生が生じやすく安定したものが得られにくい問題があった。
他方、繊維充填率を深さ方向に変化させた濾過材にあっては、充填率の調整に別の工程が必要になり、コストが高くなるという問題があった。
【0003】
また、従来の濾過材は数種類の不織布を別々に作り、これらを積層するものであることから、別工程による接着工程が必要になり、接着部分がデッドとなり、ライフを長くできず、また、コストが高くなるという点で問題があり、しかも、濾過精度とライフをバランス良くすることについての工夫がなされていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、気体又は液体中に含まれる微小粒子を除去するための濾過材における従来の欠点、即ち濾過精度と濾過ライフという二律相反する課題を解消し、濾過精度と濾過ライフに優れた微小粒子の濾過材を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するために次の手段をとる。すなわち、本発明は、最大孔径と平均流量孔径との比が1.5〜3.0の範囲にある第1層と、最大孔径と平均流量孔径との比が1.0〜2.0の範囲にある第2層となる積層体からなり、該第1層及び該第2層の構成繊維が互いに自己接着して一体化しており、前記最大孔径と平均流量孔径との比は第2層が第1層より小さく、前記積層体の構成繊維の平均繊維径が0.5μm〜5μmの範囲にあり、該構成繊維の繊維径の変動係数が50%以下であり、該積層体の最大孔径が15〜50μmの範囲にあり、繊維の充填率が0.05〜0.35の範囲にあり、目付が5〜100g/m2の範囲にあることを特徴とする微小粒子の濾過材である。
【0006】
以下に本発明を詳細に説明する。本発明の濾過材は、特定の第1層と第2層とよりなる積層体からなるが、この第1層は、最大孔径と平均流量孔径との比が1.5〜3.0の範囲、好ましくは1.8〜2.5の範囲にある不織布からなる。この第1層は微小粒子の捕集と濾過ライフの向上のために繊維の分散性に分布を持たせることが必要であるために設けられるものであり、比が1.5未満であると精密濾過膜に近づき、いわゆる表面濾過になるため、ライフの向上が望めず好ましくない。比が3.0をこえると孔径のバラツキが大きくなり濾過精度が低下するので好ましくない。
【0007】
他方、第2層は、最大孔径と平均流量孔径との比は1.0〜2.0の範囲、好ましくは1.0〜1.8の範囲にある不織布からなる。この第2層は、微小粒子を捕集するため繊維が均一に分散していることが必要であり、このために最大孔径と平均流量孔径との比をできるだけ小さく1.0〜2.0の範囲におさめる必要があり、比が2.0をこえると大きな孔の存在により微小粒子の捕集ができなくなるおそれがあるので好ましくない。この意味から1.0〜1.8が好ましい。
【0008】
さらに、最大孔径と平均流量孔径との比は、第1層の方が第2層の比より大きくなければならない。これは、第1層で精密濾過より大きな領域の粒子を捕集し、第2層にかかる負荷を低下し、ライフを長くするためである。そして第2層で精密濾過を行なう。
【0009】
また、前記第1層、第2層の構成繊維は夫々自己接着していなければならない。これは、フィルターカートリッジ等に加工する際に各々の層が剥離する等の問題点を防ぐためである。
【0010】
前記積層体は、第1層と第2層とが積層されてなるが、この積層体の最大孔径は15〜50μmの範囲になければならない。最大孔径が15μm未満になると濾過ライフが短くなるので好ましくなく、他方、50μmをこえると目的の精密濾過の精度が得られなくなって好ましくない。
【0011】
また、該積層体の充填率は0.05〜1.35の範囲になければならない。充填率が0.05未満になると濾過精度が低くなって好ましくない。他方、0.35をこえるとライフが短くなって好ましくない
【0012】
さらに、目付は5〜100g/m2の範囲になければならない。目付が5g/ m2 未満であると濾過精度が低くなり、また、製造工程で繊維集合体が破断しやすくなって好ましくない。他方、100g/m2をこえると充填率にもよるが、濾過精度及び濾過ライフのバランスが悪くなって好ましくない。
【0013】
次に、構成繊維の平均繊維径は0.5〜5μmの範囲になければならない。平均繊維径は細いほど望ましいが、0.5μm未満になると濾過精度は向上するものの、繊維が細いために濾過材として使用するときに繊維が脱落したり、また積層体としての引張強力が弱くなり、工程中で破断しやすく好ましくない。他方、平均繊維径が5μmをこえると孔径のバラツキがはなはだしくなり、濾過精度が低くなり好ましくない。
また、繊維径の分布は均一なものが好ましく、変動係数で50%以下であることが好ましい。
【0014】
ここで、本発明の濾過材の製造法について説明する。例えばメルトブロー法により第2層を形成した後、該第2層上に直接第1層を吹きつけて形成したり、第1層を形成してロール状に巻き上げ、第2層を形成しつつ該第2層の上に前記第1層を巻きもどして重ねたり、紡糸ノズル列を2組進行方向に並列に配置し、上流側の紡糸ノズル列にて第2層を、続いて下流側の紡糸ノズル列にて第1層を形成したりすることによって製造することができる。なお、この最後の方法がコストを低下させる点から好ましい。
【0015】
本発明の濾過材は第1層と第2層とよりなる積層体からなるが、第1層、第2層夫々の不織布の構成繊維は自己接着しており、紡糸ノズルと捕集コンベア間の距離を調節することにより行なわれる。
因みに、この距離は、第1層にあっては15cm〜60cm、第2層にあっては5cm〜20cmが好ましい。
【0016】
【実施例】
実施例1〜3、比較例1〜3
メルトフローレート300〜1000のポリプロピレン樹脂を用い、2組の紡糸ノズル列を進行方向に並列させて設置したメルトブロー装置を用いて第1層と第2層とを積層して濾過材を製造した。その製造条件と物性とを表1に示す。なお、比較例3は第1層と第2層とを別々に作製し、エンボスカレンダーにてロール温度80℃、線圧80kg/cmで積層したものである。
【0017】
【表1】
【0018】
イ.平均繊維径(μm)、繊維径変動率(%)
走査型電子顕微鏡により不織布の表面を1000倍にて撮影し、写真により任意に選択した100本の繊維径を測定し、算術平均値を平均繊維径(μm)とした。また、この平均繊維径で標準偏差を割って百分率であらわしたものを繊維径変動率CV(%)とした。
【0019】
ロ.目付(g/m2)
ヨコ5cm×タテ20cmの試料を幅方向に連続して採取し、秤量して1m2当りの重量に換算し目付(g/m2)を求めた。
【0020】
ハ.充填率
ヨコ5cm×タテ20cmの試料の任意の5箇所の厚みを7g/cm2の 荷重下で測定し、目付(g/m2)と厚み(mm)とから次式により求めた。
充填率=〔目付(g/m2)/厚み(mm)〕・1000/密度(g/cm3)
【0021】
ニ.孔径(μm)
コールター社製ポロメーターIIにより、ASTM F316−86に準じて最大孔径、平均流量孔径を各々求めた。
【0022】
ホ.捕集効率(%)
JIS 11種粒子とJIS 8種粒子を質量比8:2で混合した粒子を0.025g/l分散させた水溶液を線速度5cm/分で供給し、3分経過後に濾過材前後の液の濁度を測定し、次式より求めた。
捕集効率(%)=(1−出口濃度/入口濃度)×100
【0023】
ヘ.捕集ライフ
濾過材前後の差圧をデイジタルマノメーターで測定して、濾過圧力が5kgf/cm2になるまでの時間を測定した。
【0024】
表1より次のことが確認された。すなわち、実施例1は、捕集効率が88%であり、基準値70%を上まわり、また、ライフも35分と基準値20分を上まわっており、これは本発明の要件を全て満足しているためであり、実施例2、3も本発明の要件の全てを満足しており、捕集効率も82%、70%を示し、ライフも45分、55分と長かった。
【0025】
比較例1は、第2層の孔径比が小さいために捕集効率は良好なるものの、ライフが短かった。比較例2は、逆に比較例1と異なり捕集効率が悪くライフが長くなった。比較例3は、比較例1と同じく最大孔径が小さいためにライフが短かった。
比較例4は、最大孔径が55μmと大きく、しかも平均繊維径が太いために捕集効率が低かった。
比較例5は、最大孔径が大きいために比較例4と同じく捕集効率が低かった。
【0026】
【発明の効果】
本発明の濾過材は、濾過精度に優れると同時にライフも長く、バランスの良い性能を有する。
Claims (3)
- 最大孔径と平均流量孔径との比が1.5〜3.0の範囲にある第1層と、最大孔径と平均流量孔径との比が1.0〜2.0の範囲にある第2層とよりなる積層体からなり、該第1層及び該第2層の構成繊維が互いに自己接着して一体化しており、前記最大孔径と平均流量孔径との比は第2層が第1層より小さく、前記積層体の構成繊維の平均繊維径が0.5μm〜5μmの範囲にあり、該構成繊維の繊維径の変動係数が50%以下であり、該積層体の最大孔径が15〜50μmの範囲にあり、繊維の充填率が0.05〜0.35の範囲にあり、目付が5〜100g/m2の範囲にあるメルトブロー不織布よりなることを特徴とする微小粒子の濾過材。
- 最大孔径と平均流量孔径との比が、第1層にあっては1.8〜2.5の範囲にあり、第2層にあっては1.0〜1.8の範囲にある請求項1に記載の微小粒子の濾過材。
- 紡糸ノズル列を2組進行方向に並列に配置し、一方のノズル列により最大孔径と平均流量孔径との比が1.5〜3.0の範囲にある層を、他方の紡糸ノズル列により最大孔径と平均流量孔径との比が1.0〜2.0の範囲にある層を形成し、積層体を製造することを特徴とするメルトブロー不織布積層体の製造方法。
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