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JP3577460B2 - 軸力の減少手段を備えた回転円板型濾過装置 - Google Patents

軸力の減少手段を備えた回転円板型濾過装置 Download PDF

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Description

【0001】
技術分野
本発明は、濾過の技術分野、より具体的に述べると回転円板型濾過装置に関する。
【0002】
背景の技術
濾過装置は、流体の1種以上の成分を他の成分から分離するのに使用される。このような装置で実施される通常のプロセスとしては、古典的な濾過、精密濾過、限外濾過、逆浸透、透析、電気透析、浸透気化、水分離(water splitting)、ふるい分け、親和分離、親和精製、親和吸着、クロマトグラフィ、ゲル濾過、及び細菌利用濾過がある。用語“濾過”には、本願で使用する場合、これらの分離法のすべて、ならびに流体の1種以上の成分を流体の他の成分から分離するフィルタを使用する他のあらゆる方法が含まれる。
【0003】
濾過法は、いくつかの流体成分が他の流体成分よりフィルタ透過性が大きいことを利用する。本願で使用する場合、用語“フィルタ”には、流体の1種以上の成分を通過させてその成分を流体の他の成分から分離することができる材料からなるあらゆる製品が含まれる。従って、用語“フィルタ”には、金属製もしくはポリマー製のクロスフィルタ、半透過性膜及び無機物製のふるい分け材料(例えばゼオライト類、セラミック類)が含まれる。フィルタはいかなる形態であってもよく、例えば織布もしくは不織布、繊維、膜、ふるい、シート、フィルム及びその組合せがある。
【0004】
フィルタを通過する流体の成分は“透過物(permeate)”を含有し、一方、通過しない成分(すなわち、フィルタにはねつけられるかまたはフィルタに保持される成分)は“保持物もしくは濃縮物(retentate)”で構成されている。濾過法で得られる価値のある画分は、保持物または透過物の場合があり、または場合によっては両者ともに価値があることがある。
【0005】
すべての濾過装置に共通する問題点は、フィルタの目つぶれまたは目詰まりである。フィルタの供給側に隣接する流体層からフィルタを通過する透過物は、多量の供給流体とは組成が異なる保持物の層を、フィルタの供給側に隣接しまたはその供給側に残す。この物質はフィルタに結合してフィルタの細孔を詰める(すなわちフィルタを詰まらせる)かまたはよどんだ境界層として残る。これらのことはいずれも、フィルタを透過しようとしている成分の、フィルタの透過物が生成する側への輸送を妨害する。換言すれば、単位時間当たりフィルタを通過する単位面積当りの輸送量[すなわち流束(flux)]が減少して、フィルタの固有のふるい分け性能が損なわれる。
【0006】
一般に、フィルタの目詰まりは、化学的な性格のものであり、供給流体中の物質の、フィルタの内部(細孔)及び外部の表面領域への化学吸着が関与している。フィルタ表面の化学的性質を変えて吸着を阻止するかまたは減らさない限り、頻繁に起こり、コストのかかるフィルタの取替えまたは洗浄の操作が必要である。
【0007】
目詰まりの最も普通の原因は、多くのフィルタの表面エネルギーが低いこと(例えば疎水性)から生じる。米国特許第4,906,379号及び同第5,000,848号(これらの特許は、本願の譲受人であるメンブレックス社(Membrex, Inc.)に譲渡されている)は、フィルタ表面の表面遊離エネルギー(例えば親水性)を増大する化学的改質を開示している(本願に挙げられ、考案されまたは他の方式で引用されているすべての文献は、すべての目的のため、全体を本願に援用するものである)。しかし、一般に、フィルタの目詰まりを減らすため表面化学を改質することには、比較的わずかな注意しか払われていない。
【0008】
大部分の目詰まりの問題における化学的性質とは対照的に、フィルタの表面の近くに境界層が生成するのは物理的な性格のものであり、供給流体の成分のフィルタ表面への物質移動が、境界層から多量の供給流体への逆移動に比べて不均衡であることから生じる。フィルタ表面からの望ましい物質移動を促進するためには、ある形態の力[例えば機械的な、界面動電的な(electro−kinetic)力]を使用しなければならない。境界層を減らすかまたはその生成を防止するために適切な逆混合(back−mixing)を促進する方法はあいにくほとんど開発されていない。
【0009】
最も普通の方法は“交差流”濾過(“CFF”)または“接線流”濾過(“TFF”)と呼ばれている。原則として、その供給流体は、境界層を崩壊させて逆混合するのに十分大きい速度で、フィルタの外側表面を横切って(すなわち外側表面に平行に)ポンプ輸送されている。しかし、実際に、交差流濾過にはいくつもの欠点がある。例えば、その装置は、必要ないっそう大きい流量を処理するように設計しなければならず、このように流量が大きいと、一般に保持物を再循環させることが必要になる。しかし、再循環は、流体中に存在するかもしれない特定の物質(例えば細胞類、たんぱく質類)を傷つけて、さらなる用途(例えば試験)に対して不適切なものにすることがある。
【0010】
よどんだ境界層を取り除く別の方法は、供給流量を、加えられた圧力から切り離す方法である。この方法の場合、供給流体ではなくて、濾過装置の構造部品を動かして逆混合を行い、境界層を減少させる。その動く本体はフィルタ自体のこともあり、またはフィルタエレメントの近くに配置された本体のこともある。
【0011】
エネルギー効率が悪い乱流なしで濾過を高めている、本体が動くきわめて優れたいくつかの装置が、米国特許第4,790,924号、同第4,876,013号及び同第4,911,847号(メンブレックス社(Membrex, Inc.)に譲渡されている)に例示されている。これら3つの特許にはそれぞれ、供給流体を受け入れるための環状間隙を規定する外側と内側との円筒体を備えてなる濾過装置の使用が開示されている。前記間隙を規定する円筒体の少なくとも一方の表面はフィルタの表面でありかつ、該円筒体の一方または両方は回転することができる。これら円筒体間に誘発される回転流は、遠心力によって起こる不安定な流体の層形成の一例である。この不安定化の開始は、テイラー数として知られている特性数値によって示すことができる。テイラー数が特定の値を超えると、いわゆるテイラー渦を含む渦流の形態が現れる。この種の2次流れは、フィルタ面に、高効率の非乱流の剪断を起こし、この剪断によってよどんだ境界層の厚みが低下して、透過物の流束が増大する。
【0012】
古典的な交差流濾過とは対照的に、米国特許第4,790,942号、同第4,876,013号及び同第4,911,847号の装置は、濾過面の近くの剪断速度及び膜間圧を、独立して制御することができる。さらに、これら2つの操作パターンは独立しておりかつ透過物の流束を改善するのに、高い供給速度は必要でないので、供給速度を調節して、不均一な膜間圧の分布を避けることができる。従って、この種の機械的な攪拌を行うシステムは、分離中、正確な制御を行うことができる。
【0013】
回転円板型濾過装置も、濾過面の近くの剪断速度及び膜間圧を、独立して制御することができる。この装置の場合、供給流体は、流体濾過用間隙を規定する円板及び向かい合って配置された濾過表面の間に置かれ、そして円板と濾過表面の一方または両方が回転される[例えば、米国特許第5,143,630号及び同第5,254,250号(両特許ともにメンブレックス社(Membrex, Inc.)に譲渡されている)を参照]。回転ブレード車、回転円板、濾過、回転円板型濾過装置、機械攪拌を使用する他の濾過装置及びシールに関する追加の文献としては、以下のものがある。すなわち、米国特許第1,762,560号、同第3,455,821号、同第3,477,575号、同第3,884,813号、同第4,025,425号、米国第4,066,546号、同第4,132,649号、同第4,216,094号、同第4,311,589号、同第4,330,405号、同第4,376,049号、同第4,592,848号、同第4,708,797号、同第4,717,485号、同第4,781,835号、同第4,867,878号、同第4,872,806号、同4,906,379号、同第4,950,403号、同第5,000,848号、同第5,599,164号;オーストラリア特許第258313号;欧州特許願公開第0226659号、同第0227084号、同第0304833号、同第0324865号、同第0338433号、同第0443469号及び同第0532239号;ドイツ特許第343144号;PCT特許願公開第WO93/12859号、同第WO97/19745号(メンブレックス社(Membrex, Inc.)が所有権を有する米国特許第5,707,517号に相当);英国特許第1,057,015号;アクア・テクノロジー・リソース・マネージメント社(Aqua Technology Resource Management, Inc.)のパンフレット(3頁)の「流体処理予算の浪費を防ぐ方法」(“How to keep Your Fluid Processing Budget from Going to Waste”);アクア・テクノロジー・リソース・マネージメント社(Aqua Technology Resource Management, Inc.)の「技術の背景」(“Technology Background”)や「濃縮分極の克服」(“Overcoming Concentration Polarization”)などを考察するタイトルなしの4ページのパンフレット;フォーダー(Fodor)の「メカニカルシール:トラブルのない無菌用途のための設計解決法」(“Mechanical Seals:Design Solutions for Trouble Free Sterile Applications”)、米国機械技術者協会(The American Society of Mechanical Engineers )の1990年の「バイオプロセスエンジニアリングシンポジウム」(Bioprocess Engineering Symposium , 89〜98頁;インガソル−ランド(Ingersoll−Rand)の「当業者の新しい動的濃縮器/洗浄器であなたの濾過及び/または洗浄の操作全体を改良する」(“Upgrade your entire filtering and/or Washing Operation with the new Artisan Dynamic Thickener/Washer”)、会報(Bulletin) No. 4081, 4頁(2/86);インガソル−ランド(Ingersoll−Rand)の「特許されたフィルタ/洗浄の能力により洗浄及び濾過が同時にできる」(“Patented filter/wash capability permits simultaneous washing and filtering”)、会報(Bulletin) No. 4060, 4頁(8×83);レベック(Lebeck)のメカニカル表面シールの原理と設計Principles and Design of Mechanical Face Seals , 17〜20, 107, 146頁(ジョン・ワイリー・アンド・サンズ社(John Wiley & Sons, Inc.)、1991年);モルガ及びロンスキー(Molga and Wronski)の「高純度材料取得における力学的濾過−洗浄方法のモデル化」(“Dynamic Filtration in Obtaining of High Purity Materials−Modelling of the Washing Process”),王立フランドル技術者協会の手引き( Proceedings of the Royal Flemish Society of Engineers ,ベルギー、アントワープ、1988年10月、4巻69から77ページ;マークス及びカールソン(Murkes and Carlsson)の交差流濾過−理論と実践Crossflow Filtration−Theory and Practice , 69〜99頁、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ社(John Wiley & Sons, Inc.),米国 ニューヨーク1988年;パーキンソン(Parkinson)の「新規な分離器の登場」(“Novel separator Makes Its Debut”)、化学工学 (Chemical Engineering)(1989年1月)、アクア・テクノロジー・リソース・マネージメント社(Aqua Technology Resource Management, Inc.)による1ページのリプリント;ルドニャック及びロンスキー(Rudniak and Wronski)の「バイオテクノロジーにおける力学的精密濾過」(“Dynamic Microfiltration in Biotechnology”)、第1回イベントの議事録:バイオプロセス工学( Proceeding 1st Event Bioprocess Engineering ,ポーランド、ワルシャワ、ワルシャワ工科大学 化学及び処理工学研究所編(Institute of Chemical and Process Engineering, Warsaw University of Technology), 1989年6月26日〜30日;シュワイグラー及びシュタール(Schweigler and Stahl)の「鉱物スラリー脱水用高性能円板フィルタ」( “High Performance Disc Filter for Dewatering Mineral Slurries”)、濾過と分離 (Filtration and Separation), 38〜41ページ、1990年1月/2月;白戸、村瀬、山崎、岩田及び稲吉(Shirato, Murase, Yamazaki, Iwata and Inayoshi)の「溝付き円板による動的濾過の際のフィルタチャンバにおける流れパターン」(“Patterns of Flow in a Filter Chamber during Dynamic Filtration With a Grooved Disk”)、国際化学工学( International Chem. Eng., 27巻304〜310頁1987年;スノーマン(Snowman)の「凍結乾燥機におけるシール技術」(“Sealing Technology in Lyophilizers”)、バイオプロセス エンジニアリング シンポジウム(Bioprocees Engineering Symposium), 米国機械技術者協会(The American Society of Mechanical Engineers), 1989年81〜86頁;トッドハンター(Todhunter)の「浄化サービスにおけるメカニカルシールの寿命予測の改善」(“Improving the Life Expectancy of Mechanical Seals in Aseptic Service”)、バイオプロセス エンジニアリング シンポジウム (Bioprocess Engineering Symposium), 米国機械技術者協会(The American Society of Mechanical Engineers) 97〜103頁1989年;渡部(Watabe)の「刃付き回転円板の流体摩擦についての実験」(“Experiments on the Fluid Friction of a Rotating Disc with Blades”)JSMEの会報(Bulletin of JSME , 5巻17号49〜57頁1962年;ウィスニースキー(Wisniewski)の「生物学的材料におけるシール界面処理条件の予測効果」(“Anticipated Effects of Seal Interface Operating Conditions on Biological Materials”)、バイオプロセス エンジニアリング シンポジウム (Bioprocess Engineering Symposium), 米国機械技術者協会(The American Society of Mechanical Engineers) 1989年87〜96頁;ロンスキー(Wronski)の“Filtracja dynamiczna roztworow polimerow”、Inz. Ap. Chem., 1号7〜10頁1983年;ロンスキー、モーガン及びルドニャック(Wronski, Mogan and Rudniak)の「バイオテクノロジーにおける動的濾過」(“Dynamic Filtration in Biotechnology”)、バイオプロセス エンジニアリング( Bioprocess Engineering 、4巻99〜104頁1989年;ロンスキー及びムロズ(Wronski and Mroz)の「動的円板フィルタにおける動力消費」(“Power Consumption in Dynamic Disc Filters”),濾過と分離Filtration Separation , 1984年11月/12日397〜399頁;ロンスキー及びムロズ(Wronski and Mroz)の「動的濾過の問題」(“Problems of Dynamic Filtration”)、化学エンジニアリング 研究所の報告Reports of the Institute of Chemical Engineering , ワルシャワ工科大学(Warsaw Techn. Univ.), T.XI, z.3〜4、71〜91頁1982年;ならびにロンスキー、ルドニャック及びモルガ(Wronski, Rudniak and Molga)の「高剪断動的精密濾過」(“Resistance Model for High Shear Dynamic Microfiltration”)、濾過と分離Filtration Separation), 1989年11月/12日418から420ページである。
【0014】
従来の回転円板フィルタ装置は、積重ねフィルタ円板設備を利用する。歴史的にみれば、これらの装置は大部分、フィルタエレメントが取り付けられている中心駆動シャフトによって回転される円板フィルタを備えている。いくつかの回転円板装置は、シャフトに取り付けられた回転エレメントによって互いに分離された定置式のフィルタ円板を利用している。マークス及びカールソン(Murks and Carlsson)の交差流濾過−理論と実践( Crossflow Filtration−Theory and Practice , ジョン・ワイリー・アンド・サンズ社(John Wiley & Sons, Inc.),米国 ニューヨーク1988年91頁の図3.15。この種の装置では、一体の定置式フィルタエレメントが中心の回転駆動シャフトを取り囲んでいる。
【0015】
回転円板型濾過装置の有効性は、主として、供給流体、保持物の流体及び透過物の流体の流動経路によって決まる。流路の制限によって生じた拒絶部分を組み立てるためのポテンシャルを克服する方法としては、回転円板の設計の変更(例えばブレードまたは溝を加える)、供給経路の変更または両者の変更がある。いくつかの設計では、供給流体は単一または複数のフィルタ及び円板の周辺の近くに導入される。他の設計では、供給流体は回転軸線(単一または複数のフィルタと円板の縦軸線)の近くに導入され、そして、供給流体は、それをフィルタ支持部材の片側または両側に導くポート(またはノズル)を有する中空の回転シャフトを通じて、単一または複数の濾過間隙に送られる。
【0016】
回転円板型濾過装置を使用中、場合によっては、流体濾過用間隙を規定する円板とその隣りのフィルタとが互いに接触することがあることが見出されており、これはきわめて望ましくないことである(例えば円板がフィルタに対して“接合し”または“擦れ合う”と、電力必要量がかなり増大し、フィルタが損傷しかつ回転軸受が早々と消耗または破損する)。回転円板型濾過装置に関する開発研究が専らなされているにもかかわらず、上記のような接触と続いて起こる問題とを回避することができる回転円板型濾過装置が依然として要望されている。
【0017】
発明の開示
上記のような装置がここに開発されたのである。驚くべきことには、本発明によって、本発明の他の要素と組み合わせて、流体濾過用間隙を規定する円板の活性区域(active area)に第2の供給手段を設置すると、これらの問題点がかなり軽減されかつ他の利益がもたらされることが見出されたのである。このことは、第2供給手段を、円板の非活性区域に配置すると、明らかにこれらの問題点が軽減されず、または本発明の利益をもたらさないので、特に驚くべきことであった。円板の活性区域は、フィルタの活性区域(“濾過活性区域”である)に対し向かい合って配置されている円板の部分である。従って、フィルタの活性濾過区域と円板の活性区域とは、これら2つの活性区域が規定する流体濾過用間隙を横切り互いに向きあって配置されている。好ましいらせん溝が円板上に用いられると、円板の活性区域は一般に、その溝付き面に相当する。というのは、溝は、流体濾過用間隙を規定するため、フィルタに直接対面している場合以外は、円板上には一般に配置されないからである。
【0018】
第2供給手段は、円板の通孔(孔)が望ましい。この第2供給手段を、装置の他の要素と組み合わせて使用すると、その間隙を規定する2つの表面に対し、これら2つの表面をともに動かそうとして働く正味の力(圧力)が低下すると考えられる。本発明の他の考えられる予想外の利益が避けられ、そしてその間隙を規定するフィルタが目詰まりを起こす傾向が減るか消失することである。これらの利益と他の利益とは、当業技術者にとって、この開示から明らかであろう。
【0019】
一般的に述べると、1つの側面で、本発明は、供給流体流体濾過用間隙濾過して、透過物と保持物にする回転円板型濾過装置に関し、その装置は以下のものを備えている。すなわち、(a) 主面を有し、その主面が、(i)流体の流れすなわち濾過が起きる活性濾過区域( active filtration area )、(ii)この活性濾過区域の周辺にある周辺領域及び(iii)その活性濾過区域に対してほぼ垂直な中心軸としての長手軸の備わったフィルタを有している、このフィルタを支持するためのフィルタ支持部材、(b) 背中合わせ状に配された第1主面及び第2主面を有し、その第2主面が、 (i)フィルタの活性濾過区域に対し向かい合って配置されている活性区域( active filtration area )、(ii)この活性区域の周辺にある周辺領域及び(iii)その活性区域に対してほぼ垂直で前記長手軸に一致する長手軸を有している円板であって、この円板の活性区域及びフィルタの活性濾過区域がそれらの間に流体濾過用間隙を規定し、その流体濾過用間隙からフィルタの活性濾過区域を通過する流体が透過物であり、フィルタの活性濾過区域を通過しない流体が保持物であり、円板の活性区域は、流体が流体濾過用間隙にあるときにその流体と流体連通する少なくとも1つのらせん溝を有し、そのらせん溝が、この円板の第2主面上の極座標において少なくとも10度の角度Yをなしている円板、(c) 円板及びフィルタが互いに対して回転しかつ円板及びフィルタのこのような相対運動がフィルタの長手軸の近傍からその周辺領域へ向かって流体濾過用間隙における流体を動かすような傾向を作り出すように、円板あるいはフィルタのいずれか一方をそれぞれの長手軸の周りに回転させるかまたは双方を回転させるための回転手段、(d) 供給流体をフィルタの長手軸の近傍で流体濾過用間隙へ供給するための第1供給手段、及び(e) 円板の第1主面に隣接する流体を円板の第2主面の活性区域を通して流体濾過用間隙へ供給するための円板における第2供給手段を備えている。
【0020】
他の実施態様で、本発明は、1つ以上の流体濾過用間隙内の供給流体を濾過して、透過物と保持物にする回転円板型濾過装置に関し、その装置は、(a) 主面を有し、その主面が、(i)流体の流れすなわち濾過が起きる活性濾過区域、(ii)この活性濾過区域の周辺にある周辺領域及び(iii)その活性濾過区域に対してほぼ垂直な中心軸としての長手軸の備わったフィルタを有している、このフィルタを支持するためのフィルタ支持部材、(b) 背中合わせ状に配された第1主面及び第2主面を有し、その第2主面が、 (i)フィルタの活性濾過区域に対し向かい合って配置されている活性区域、(ii)この活性区域の周辺にある周辺領域及び(iii)その活性区域に対してほぼ垂直で前記長手軸に一致する長手軸を有している円板であって、この円板の活性区域及びフィルタの活性濾過区域がそれらの間に流体濾過用間隙を規定し、その流体濾過用間隙からフィルタの活性濾過区域を通過する流体が透過物であり、フィルタの活性濾過区域を通過しない流体が保持物であり、円板の活性区域は、流体が流体濾過用間隙にあるときにその流体と流体連通する少なくとも1つのらせん溝を有し、そのらせん溝が、この円板の第2主面上の極座標において少なくとも10度の角度Yをなしている円板、(c) 円板及びフィルタが互いに対して回転しかつ円板及びフィルタのこのような相対運動がフィルタの長手軸の近傍からその周辺領域へ向かって流体濾過用間隙における流体を動かすような傾向を作り出すように、円板あるいはフィルタのいずれか一方をそれぞれの長手軸の周りに回転させるかまたは双方を回転させるための回転手段、(d) 供給流体をフィルタの長手軸の近傍で流体濾過用間隙へ供給するための第1供給手段、及び(e) 円板の第1主面に隣接する流体を円板の第2主面の活性区域を通して流体濾過用間隙へ供給するための、1つ以上の円板における少なくとも1つの第2供給手段を備えている。
【0021】
他の側面で、本発明は、1つ以上の流体濾過用間隙内の供給流体を濾過して透過物と保持物にする回転円板型濾過装置に関し、その装置は、(a) 背中合わせ状に配された第1主面及び第2主面をそれぞれが有し、それぞれの主面が、(i)流体の流れすなわち濾過が起きる活性濾過区域、(ii)この活性濾過区域の周辺にある周辺領域及び(iii)その活性濾過区域に対してほぼ垂直な中心軸としての長手軸の備わったフィルタを有している、これらのフィルタを支持するための1以上のフィルタ支持部材、(b) 回転可能なシャフトに取り付けられ、かつ、複数の流体濾過用間隙を規定するために1以上のフィルタ支持部材と交互に配置された介挿関係にあり、背中合わせ状に配された第1主面及び第2主面をそれぞれが有し、それぞれの主面が、フィルタの活性濾過区域に対し向かい合って配置されている活性区域及びこの活性区域の周辺にある周辺領域を有し、シャフトが、前記長手軸に一致する回転の長手軸を有している1以上の円板であって、それぞれの流体濾過用間隙が、円板の1つにおける活性区域と、隣りのフィルタの活性濾過区域とによって規定され、それぞれの流体濾過用間隙から1以上のフィルタの活性濾過区域を通過する流体が透過物であり、1以上のフィルタの活性濾過区域を通過しない流体が保持物であり、1以上の円板のそれぞれにおける第2主面の活性区域は、流体がその第2主面によって規定された流体濾過用間隙にあるときにその流体と流体連通する少なくとも1つのらせん溝を有し、そのらせん溝が、この円板の第2主面上の極座標において角度Yをなしている円板、(c) 1以上の円板がフィルタに関して回転しかつ円板及びフィルタのこのような相対運動がシャフトの長手軸から離れる方向にある流体濾過用間隙における流体を動かすような傾向を作り出すように、そのシャフトを回転させるための回転手段、 (d) 供給流体をシャフトの長手軸の近傍でそれぞれの流体濾過用間隙へ供給するための第1供給手段、及び(e) 1以上の円板における第1主面の活性区域に隣接する供給流体を、その円板における第2主面の活性区域を通して、その第2主面によって規定された流体濾過用間隙へ供給するためのらせん溝を有している第2供給手段を備えている。
【0022】
別の側面で、本発明は、回転円板型濾過装置内の回転円板とフィルタが、濾過工程中の円板またはフィルタの回転によって起こるポンプ輸送作用(段落番号0102において定義されている)でともに押し付けられる(force together)傾向を減らす方法に関し、その回転円板型濾過装置は、(a) 主面を有し、その主面が、(i)流体の流れすなわち濾過が起きる活性濾過区域、(ii)この活性濾過区域の周辺にある周辺領域及び(iii)その活性濾過区域に対してほぼ垂直な中心軸としての長手軸の備わったフィルタを有している、このフィルタを支持するためのフィルタ支持部材、(b) 背中合わせ状に配された第1主面及び第2主面を有し、その第2主面が、(i)フィルタの活性濾過区域に対し向かい合って配置されている活性区域、(ii)この活性区域の周辺にある周辺領域及び(iii)その活性区域に対してほぼ垂直で前記長手軸に一致する長手軸を有している円板であって、この円板の活性区域及びフィルタの活性濾過区域がそれらの間に流体濾過用間隙を規定し、その流体濾過用間隙からフィルタの活性濾過区域を通過する流体が透過物であり、フィルタの活性濾過区域を通過しない流体が保持物であり、円板の活性区域は、流体が流体濾過用間隙にあるときにその流体と流体連通する少なくとも1つのらせん溝を有し、そのらせん溝が、この円板の第2主面上の極座標において少なくとも10度の角度Yをなしている円板、(c) 円板及びフィルタが互いに対して回転しかつ円板及びフィルタのこのような相対運動がフィルタの長手軸の近傍からその周辺領域へ向かって流体濾過用間隙における流体を動かすような傾向を作り出すように、円板あるいはフィルタのいずれか一方をそれぞれの長手軸の周りに回転させるかまたは双方を回転させるための回転手段、及び(d) 供給流体をフィルタの長手軸の近傍で流体濾過用間隙へ供給するための第1供給手段を備えてなり、前記方法は、円板に第2供給手段を設けて、円板の第1主面の近傍における流体を、円板の第2主面の活性区域を通じて流体濾過用間隙に送ることを含む方法である。
【0023】
別の側面で、本発明は、回転円板型濾過装置内に流体濾過用間隙を規定する回転円板とフィルタが、濾過工程中、円板の回転によって起こるポンプ輸送作用によってともに押し付けられる傾向を低下させる方法に関し、その回転円板型濾過装置は、(a) 背中合わせ状に配された第1主面及び第2主面をそれぞれが有し、それぞれの主面が、(i)流体の流れすなわち濾過が起きる活性濾過区域、(ii)この活性濾過区域の周辺にある周辺領域及び(iii)その活性濾過区域に対してほぼ垂直な中心軸としての長手軸の備わったフィルタを有している、これらのフィルタを支持するための1以上のフィルタ支持部材、(b) 回転可能なシャフトに取り付けられ、フィルタ支持部材と交互に挿し込まれて複数の流体濾過用間隙を形成する1つ以上の円板であって、その円板がそれぞれ、背中合わせ状に配された第1主面及び第2主面を有し、各主面が、活性区域と周辺領域を有し、シャフトが長手回転軸を有し、各流体濾過用間隙が1つの円板の活性区域及び隣接するフィルタの活性濾過区域によって規定されている円板、(c) 1以上の円板がフィルタに関して回転しかつ円板及びフィルタのこのような相対運動がシャフトの長手軸から離れる方向にある流体濾過用間隙における流体を動かすような傾向を作り出すように、そのシャフトを回転させるための回転手段、(d) 供給流体をシャフトの長手軸の近傍でそれぞれの流体濾過用間隙へ供給するための第1供給手段を備えてなり、前記方法は、1つ以上の円板のうちの少なくとも1つに第2供給手段を設けて、円板の第1主面の活性区域に隣接する流体を、円板の第2主面の活性区域を通じて、その第2主面が規定する流体濾過用間隙に送ることを含む方法である。
【0024】
回転濾過装置の特定の設計は厳しいものではなく、本発明の利益が達成できる限りあらゆる設計を利用できる。従って、本発明は、Membrex, Inc.が所有権を有する特許及び特許願を含めて、本願に引用した文献に開示され、記載されまたは他の方法で挙げられている回転円板型濾過装置のどれにも使用できる。
【0025】
好ましい実施態様では、各円板は一般に平板状でありかつ2つの主面を有し、そしてフィルタは円板の各主面に対し“向き合って配置されて、”各円板と2つの流体濾過用間隙を形成している。他の好ましい実施態様で、3つ以上の流体濾過用間隙が、複数の円板とフィルタ支持手段によって規定されている。さらに好ましい別の実施態様で、円板は垂直の回転シャフトに取り付けられており、流体濾過用間隙は濾過される流体の本体内にいれられて、(流体はハウジング内に収容されていてもよい)、流体支持部材の周辺は、保持物が流体濾過用間隙から流体の本体中に流入するのを制限する保持物制流手段を保有し、そして底部フィルタ支持部材は、濾過される流体が上方に通過して進み流体濾過用間隙に入る開口を有している。さらに他の好ましい実施態様で、1つ以上の回転円板がそれぞれ、流体濾過用間隙内の流体と流体連通している1つ以上のらせん溝を有している。
【0026】
用語“らせん”は多くの方式で定義されているが、1つの単純な定義は、らせんとは、平面の中心点のまわりを、連続的に、その中心点から遠のくかまた中心に向かって進んで移動する平面内の点の経路であるという定義である。“溝”は一般に、円板またはフィルタの表面から円板またはフィルタの表面の下方に延びる細長い、くぼみ、へこみまたは空洞であり、溝の縦方向は表面に対してほぼ平行である。“らせん溝”は、溝の全長にわたって真のらせんである必要はない。
【0027】
用語 “背中合わせ状に配されている " あるいは“反対側に配されている" は、本願で使用する場合、例えば、2つの表面が同じ要素の反対側にあり、例えば紙のシートにおける2つの主面が互いに背中合わせ状に配置されているかまたは、2つの要素がある種の間隙または境界をはさんで互いに対向していて、例えば流体濾過用間隙の両側における、円板の表面とフィルタの表面(すなわち流体濾過用間隙を形成している)とが向かい合って配置されていることを意味する。
【0028】
用語“実質的に平行の”は、“実質的に平行の”2つの線または平面または要素が、互いに約30°より大きい角度をなしていないことを意味する(用語“実質的に平行の”はさらに、以下に定義する)。
用語“近接した”は、2つの線または平面または要素が、相互に作用するかまたは協働して所望の機能を果たすことができないほど離れていないことを意味する。従って、円板とフィルタの対面している面の場合、“近接した”は通常、これらの面が約100mmを超えて離れていないことを意味し、そしてそのことに関連して“近接した”は以下にさらに定義する。
【0029】
いくつかの実施態様で、1つ以上の円板及び好ましくは1つ以上のフィルタ支持部材、総合的に"第1部材"とみなされている装置の1つ以上の部品“から懸架" されている。1つ以上の回転部材(単一または複数の円板及び/またはフィルタの1つ以上)は濾過中に回転する。従って"回転可能な懸架器具"は、上記1つ以上の回転部材を保持する回転可能なシャフトを、第1部材から回転可能懸架するために使用しなければならない。この回転可能な懸架器具は適切な手段であり、例えば、軸受、リップシール、運動用シール、ブシュ、ッキン、またはパッキン押さえがある。しかし、その回転可能な懸架器具は、好ましくは、濾過される流体の通常の液面より上方に位置しているので、ロータリーシール類を使用する必要がなくなり、一般にいっそう簡単で、低コストでありかつ余り厳しくないタイプの回転可能な懸架器具(例えば簡単な回転軸受)が使用可能になる。
【0030】
用語“から懸架されている”には、〜に取り付けられている、〜に固定されている、〜から垂れ下がっている及び/または、〜から吊り下がっているが含まれていると解すべきであり;また、片持ち懸架が含まれると解すべきであり;また、円板とフィルタとの空間配向が(垂直、水平または斜めであるにもかかわらず)決まる懸架が含まれると解すべきであり;さらに、直線状のかつ間接的な懸架が含まれると解すべきである(例えば、第1フィルタ支持部材は第1部材から直接懸架され、そして第2フィルタ支持部材は第1フィルタ支持部材からのみ直接懸架されて第1部材からは懸架されていないが、この場合、第2フィルタ支持部材は、第1部材から間接的に懸架されているといえる)。
【0031】
円板とフィルタ支持部材が同じ一体部材から懸架されている装置の場合、それらは“第1部材”から懸架されていることは明らかである。しかし、いくつもの装置の場合、装置の2つ以上の部品(例えばプレート、構造ビーム、歯車箱、電動機)(これら部品のいくつかまたはすべてはともに固定されていてもいなくてもよい)が、“第1部材”を構成している。
【0032】
装置の2つ以上の部品が、“第1部材”を総合的に構成しているかどうかを示す1つの指標は、これらの部品を、装置における1つ以上の他の重要な部品(例えば装置の残りの部分またはハウジングの残りの部分または濾過される液体を収容する装置の容器部分)からともに取り外して、円板とフィルタ支持部材を装置の他の部品から取り外すことができるかどうか(しかし、必ずしも取り外せなければならないことはない)である。従って、円板とフィルタ支持部材が懸架されている1つ以上の装置部品をともに取り外すことによって、円板とフィルタ支持部材が、その装置からともに取り外すことができる場合、円板とフィルタ支持部材が懸架されている上記1つ以上の装置部品は、総合的に“第1部材”とみなすことができ、そして、この装置の円板とフィルタ支持部材は“第1部材”から懸架されている。さらに、その装置において、“第1部材”は“取り外し可能”とみなされる。第1部材が“取り外し可能であること”によって、フィルタ支持部材と円板とは、例えば保守のために、ユニットとして取り外すことができ、装置の残りの部分を解体する必要がない。
【0033】
例えば、円板とフィルタ支持部材とが装置の1つ以上の部品から懸架されてその装置の1つ以上の部品が一般に、装置の他の重要な部品から取り外せない場合、円板及び/またはフィルタ支持部材が、“使用可能な”第1部材から懸架されているかどうかを考察する別の方法がある。このような装置は、例えば、円板とフィルタ支持部材が装置の頂部から懸垂していて、そしてその頂部(1つ以上の部品を含んでいてもよい)が、装置が立てられている(例えば湖などの流体の本体内に立てられている)いくつもの脚部を含む装置の残りの部分からは取り外せない装置である。この装置の円板とフィルタ支持部材も“第1部材から懸架されている”とみなされる。なぜならば、その円板とフィルタはすべて、“ほぼ同じ方向”に片持ち方式で懸架されている(円板とフィルタはすべて頂部から懸垂しているからである)。
【0034】
懸架の方向は、支持部材から支持部材へ懸架されている全体の方向であり、その方向について曲線または屈曲部は無視する。用語“ほぼ同じ方向”は、円板の懸架されている方向とフィルタ支持部材の懸架されている方向が互いに鋭角をなしているにすぎないことを意味し、すなわち、90°未満であり、望ましくは45°未満であり、より望ましくは30°未満であり、好ましくは15°未満であり、そして最も好ましくはその角度は5°を超えない。
【0035】
円板またはフィルタ支持部材が第1部材から懸架されていることは、円板、フィルタ支持部材、円板とフィルタ支持部材の組立体及び/または円板を保持するシャフトが、装置の他の部品または濾過される流体を収容する“天然の容器”の一部(例えば湖の底部)に接触していること、または、これらの部分によって安定化されていること、または、これらの部分にある種の方式で直接もしくは間接的に取り付けられていることと矛盾しない。
【0036】
流体濾過用間隙を規定する1つ以上のフィルタ/フィルタ支持部材は、(必ずしもそうではないが)保持物が流体濾過用間隙から流体の本体中に流入するのを制限する(及び導く)制流手段を備えている。制流手段がまったくないと、1つ以上の流体濾過用間隙を離れる保持物が、円板及びフィルタ支持部材の外側周辺より回転軸線(長手軸)から半径方向にいっそう離れた流体の本体中に流入する。単一もしくは複数の流体濾過用間隙の外側半径方向に移動する保持物の回転速度の成分は、1つ以上の円板またはフィルタの回転によって与えられるが、単一または複数の流体濾過用間隙における半径外側方向の流体本体内の流体を、円板またはフィルタが回転するのと同じ方向に回転させる。半径方向に離れている流体の回転は、きわめて激しい場合があるが、低密度物質の浮上処理が望ましい場合、低密度物質を浮上させるかまたはより密度が高い物質を沈降させることがいっそう困難にする傾向がある。半径方向に離れている流体を回転すると、気体(例えば空気)が、濾過される流体中に吸引される傾向がある。
【0037】
従って、単一または複数の流体濾過用間隙の周辺から流出する保持物の流量を制限することが一般に望ましい。このような制御は、単一または複数のフィルタ支持部材における外側周辺の近くにバリヤーまたは堰をつくって、保持物が、単一または複数の流体濾過用間隙から、半径方向に離れた流体中へ出て行くのをかなり制限することによって達成できる。完全なバリヤーは、保持物が前記間隙からでるのを防止しかつ半径方向に離れて位置している流体が回転するのを実質的に防止することができる。いくらかの保持物が単一または複数の該間隙から出ることができるようにするのは通常望ましいので、前記バリヤーまたは堰に開口を設けてもよい。また、保持物の流出物を回転方向に対向させるとその回転速度の成分に拮抗する傾向になり、半径方向に離れている流体が混合または回転する傾向が低下する。保持物流出の流れを導く手段は、回転方向に対向して向けた、バリヤー内またはバリヤー上の開口またはノズルでよい。これらの開口またはノズルなどの手段は、保持物流出物を他の適切な方向に導く。バリヤーまたは堰を使用すると、流体本体の過度の攪拌(例えば渦巻攪拌)を防止する傾向があり、容器内に静止した領域を樹立することができ、例えば、低密度の物質を浮上させかつ高密度の物質を沈降させることができる。このような制流手段は、流体濾過用間隙内における流体の流れのパターンを、供給流体の本体内の流れのパターンから実質的に切り離すだけでなく、流体濾過用間隙内の圧力を供給流体の本体内の圧力から実質的に切り離すことができる。従って、制流手段は、単一または複数の流体濾過用間隙内の圧力を、供給流体の本体内の圧力より著しく高くすることができる。
【0038】
フィルタ支持部材としては、回転可能な円板に対してその位置への装着または取り外しを容易に行うことができて、円板をシャフトから取り外す必要なくフィルタ支持部材を取り外すことができるものを使用することが望ましい。このような容易に取り外し可能なフィルタ支持部材はどんな形態でもよいが、平面図でほぼD字形または円形である。いずれの場合も、切抜き部によって、例えば、1つ以上の円板が取り付けられる回転可能なシャフト用の間隙を提供できる。2つのほぼD字形のフィルタ支持部材が適切な位置(円板に直近の位置)に装着されて、それらの直線部分が互いに対面して、ともにほぼ円形の組立体を形成する。その場合、各フィルタ支持部材は、その直線部分の中央に、シャフトまた懸架スリーブに用いるほぼ半円形の切抜き部が設けられている。ほぼ円形で容易に取り外し可能なフィルタ支持部材は、通常、フィルタ支持部材の周辺から中心へ延びて、シャフトまたはスリーブにとって必要な間隙をもたらす、半径方向へ延びた切抜き部を有している。フィルタ支持部材がどのような形態であっても、2つ以上のフィルタ支持部材は、ユニット(フィルタ支持部材カートリッジ)として、円板に対して適正な位置にまたは適正な位置から稼働させることができるように機械的に接続できればよい。
【0039】
本発明の他の特徴、側面及び利点は当業技術者にとって明らかであろう。
【0040】
本発明を、図面を参照してさらに説明するが、これらの図面は例示だけを目的とするものであり、本発明の範囲を過度に限定するのに使用してはならない。
【0041】
発明を実施するための最良の態様
本発明の回転濾過装置の設計は厳しいものではなく、いずれの設計も、その装置が本願における特許請求の範囲の要件を満たしかつ本発明の利益をもたらす限り、使用することができる。従って、回転円板表面自体が、少なくとも一部分、フィルタの表面であることは、本発明の範囲内に入るが、それは好ましいことではない。また、2つの向かい合って配置され近接している濾過面が流体濾過用間隙を規定し、それらの濾過面の一方または他方または双方が回転することも本発明の範囲内にある。なお、これらの場合、濾過面の一方は円板とみなすことができる。従って、用語“円板”を使用する場合は、対面して濾過間隙を規定する働きをするその面がフィルタ面であることも除外しない。同様に、用語“フィルタ”を使用して、保持物が通過し、その表面が対面して流体濾過用間隙を規定する働きをする第2の面である要素を意味する場合は、そのフィルタ面が回転することを除外しない。しかし、円板だけが回転し、濾過性能をもっておらず、フィルタ(及びフィルタを保持するフィルタ保持部材)は回転可能に懸架されておらず従って回転せず、そして濾過性能がすべてフィルタにあることが好ましい。
【0042】
フィルタが対面して流体濾過用間隙を規定する働きをすることが、溝またはブレードまたは他の隆起物を有することである場合、そのフィルタは必要な形態を保持するのに十分に剛性でなければならない。その場合、金属(例えば焼結金属)、セラミックまたはガラスなどの剛性のフィルタ材料が適切である。しかし、フィルタ自体が溝またはブレードをもたず、流体濾過用間隙を規定する働きをする円板表面が、利用される溝またはブレードをもっていることが好ましい。
【0043】
フィルタは、本発明が要求する機能を発揮することができかつ他の点ではそのそれぞれの運転条件下で化学的にかつ物理的に適切である限り、いずれの材料でも製造することができる。従って、フィルタはポリマー製、金属製、セラミック製またはガラス製でもよく、かつどんな形態でもよい。従って、フィルタは粒子、またはフィルムまたは繊維またはこれら3種の混合物で製造できる。フィルタは織布または不織布でもよい。一般に金属の不織フィルタが、ポリマーのフィルタと比べて、特定の有利な特徴を有している。すなわち滅菌しやすく、一般に優れた耐薬品性と耐熱性とを有し、いっそう容易に洗浄することができ、かつかなり優れた構造上の一体性と剛性とを有している。装置に2つ以上のフィルタを使用する場合、それらのフィルタは、材料及び濾過もしくはふるい分けの特性が同じであっても異なっていてもよい。
【0044】
使用されるフィルタは非対称面のフィルタでもよい。非対称面のフィルタとは、その2つの主面における細孔の大きさの平均値または中央値が他方の面の細孔の大きさの平均値または中央値よりかなり小さいフィルタである。非対称面のフィルタは、細孔の大きさの平均値と中央値との小さい面が流体濾過用間隙に対面し、細孔の大きさの平均値と中央値との大きい面が濾過用間隙と反対の方に向くように本発明の装置に配置することが望ましい。この種の好ましい金属フィルタは、米国フロリダ州デランド所在のフルイッド・ダイナミックス(Fluid Dynamics)が市販しているダイナロイ(DYNALLOY)繊維金属フィルタである。金属フィルタを使用すると、装置に1つ以上の電界が使用されている場合、またはフィルタが電荷をもっている場合に有利である。
【0045】
1つ以上の電界を、軸線方向または半径方向または非半径、非軸線方向に加えることができる。これらの電界は分離を促進するのに有用であり、公知の技術を用いて加えることができる。用語“軸方向の”は1つ以上の回転部材の回転軸線に沿っているかまたは平行であることを意味し、そして用語“半径方向の”は円板またはフィルタの平面の半径に沿っているかまたは平行であること(すなわち、1つ以上の部材の回転軸線に対し垂直であること)を意味する。電界は、直流電圧または交流電圧、例えば高周波数の交流電圧によるものでよい。異なる方向の1つ以上の電界を加えることがあるが、この場合、合わせて単一の電界が加えられることになる。1つ以上の電界は、時間の関数として変えることができる。例えば“介挿”されたオン/オフ同期化(interleaved on/off synchronization)の際における1つの半径方向の電界と1つの軸方向の電界とがある。従って、用語“電界”は、本願で使用する場合、上記のことをすべて含むと解すべきである。
【0046】
フィルタの重要な機能は、透過物を自由に通過させて保持物を通過させない機能である。その機能を効率的に果たすには、透過物はフィルタを十分に“濡らさ”なければならない。濡れの1つの指標は、一滴の透過物をフィルタ表面上に置いたときに形成される接触角である(米国特許第4,906,379号及び同第5,000,848号参照)。一般的に述べると、接触角が小さければ小さいほど濡れは大きく、また逆に、接触角が大きければ大きいほど濡れは少なくなる。
【0047】
本発明の装置を用いて回収される透過物の一滴は、その装置に用いられるフィルタに対する接触角が45°未満であり、望ましくは40°未満でありいっそう望ましくは35°未満であり、最も望ましくは30°未満であり、好ましくは25°未満であり、いっそう好ましくは20°未満であり、そして最も好ましくは15°未満である。この接触角は、米国特許第4,906,379号(例えば10欄42行以下を参照)及び同第5,000,848号(例えば12欄46行以下を参照)に記載の方法を用いて測定される。
【0048】
水は高エネルギーの液体であり、第1に水素結合を行い、また水は濾過工程で透過物であることが多いので、本発明の装置に使うには親水性フィルタが好ましい。その表面エネルギーが増大してその親水性が増大しているフィルタが使用される。従って、高エネルギーを有するフィルタ類(例えば、再生セルロース製のもの及び米国特許第4,906,379号によるもの)が好ましいクラスのフィルタである。このようなフィルタ類は、水などの極性物質でより容易に濡れるが、有機化合物などの非極性物質による濡れには抵抗する。またこのような高エネルギーのフィルタ表面は、タンパク質などの有機物質のような低エネルギー特性を有する物質が付着するようになる傾向が低い。回転円板の本発明に使用される好ましいフィルタは米国特許第4,906,379号に従って製造され、メンブレックス社(Membrex, Inc.)が登録商標ウルトラフィリック(Ultra Filic)で市販している。ウルトラフィリック膜は改質ポリアクリロニトリル(PAN)製であり、また、その表面は化学的に改質されてきわめて親水性にしてある(“超親水性”)。
【0049】
水を通過(透過)させるが油を拒絶するフィルタを使用する本発明の装置は、特に水を油から除去する用途、例えば、油汚れの掃除、または部品洗浄システムにおいて水性洗浄溶液の再循環を行う用途がある。あるいは、比較的疎水性(表面エネルギーが小さい)で油を通過させて水を拒絶するフィルタを使用できる。この発明の装置及び特定の固有特性(例えば特定の物質の拒絶率は高いが、供給流体中におけるそれらの物質の共存成分の透過は迅速かつ容易である)を有するフィルタの他の特に有利な組合せは、当業技術者にとって明らかなことである。このようなフィルタを本発明の装置と組み合わせて使用すると、この組み合せなくしては達成できない利点が提供される。
【0050】
そのフィルタは、供給流体と透過物に対して適切であり、所望の分離を行うことができるならば、その細孔はどんな大きさまたは形態であってもよい。フィルタは、細孔の大きさと形態の分布とが狭いかまたは広いかまたは他の分布であってもよく、そして、非対称でもよく非対称表面フィルタとして使用できる。フィルタは比較的明確な分子量遮断点(molecular weight cut−off point)を有している。
【0051】
フィルタマトリックス、特にポリマーのフィルタマトリックスは、選択吸着の用途(例えばイオン交換/吸着、親和吸着及びキレート化)のためそのマトリックスにリガンドを結合させてもよい。可溶性リガンドとしては、マトリックスまたは前駆体またはマトリックスの誘導体に結合できるあらゆるリガンドがある。
【0052】
好ましいリガンドは、(a)選択的に無機イオンに結合するイオン選択性親和基(例えばキレート化剤形とかご形)及び(b)生物学的に活性の物質に選択的に結合する生物選択性親和基を含有している。親和リガンドの目録は大きくなり、急速に増大している。このようなリガンドは天然物(例えば生物が起源の物質)から誘導されることが最も多いが、残りのリガンドは全体または一部が合成晶である(生物学的に模造した物質)。好ましいリガンド、リガンド膜フィルタに結合する好ましい方法及び好ましい膜フィルタは、米国特許第4,906,379号に教示されている。他の有用なリガンド及びリガンドをフィルタに結合する方法は、親和吸着、酸素固定かキレート化などの当業技術者にとって公知である。用語“選択吸着リガンド”は本願で使用する場合、上記リガンドをすべて含んでいる。
【0053】
濾過すべき流体はほとんど、本発明の装置を使用して濾過できるが、本発明の装置は、固形物含量が高い供給流体、混合相の流体及び生物学的流体を濾過する特別の用途がある。
【0054】
固形物含量が高い流体は、例えば、生物学的流体;親和粒子(例えば選択吸着親和粒子)、イオン交換樹脂の粒子、触媒粒子、吸着剤粒子、吸着剤粒子及び不活性担体の粒子を含有する流体である。不活性担体の粒子は、それ自体、触媒、樹脂、反応物質、処理剤(例えば活性炭)などを保持している。混合相流体としては、液体/固体、液体/液体及び液体/気体の系がある。この流体は3相以上含有していてもよい。その液体相はすべて水性相もしくは非水性相であってもよく、または1つ以上水性相でかつ1つ以上が非水性相であってもよい。これらの相は、混じり合わない相であり、例えば各相が異なる溶質を含有しているので混じり合わない2つの水性相である。その液体は気相、液相及び固相を有していてもよい。反応及び/または熱伝達が、本発明の濾過工程には付随して、本発明の装置の内外で起こる。
【0055】
生物学的流体は、生物(例えば動物界または植物界由来の生物)またはその成分[生きているもの生きていないもの(例えばウィルス)を含む]を起源とするか、またはそれらを起源とする物質を含有する流体である。従って、用語“生物学的流体”には、血液;血液血清;血漿;脊髄液;酪農流体(例えば牛乳または牛乳製品);ホルモン、血球または遺伝子工学で処理した物質を含有する液体;発酵工程由来の流体(ビール製造とワイン製造由来の発酵ブロスと反応もの、中間体及び生成物の流れならびに廃水処理の流れを含む);微生物物質もしくはウィルス物質、ワクチン、植物エキスまたは野菜もしくは果物のジュース(例えばリンゴジュースとオレンジジュース)を含有するかまたはこれらからなる流体;微生物(例えば細菌、酵母、真菌、ウィルス)を含有する流体などがある。本発明の装置は、感圧性または剪断感受性成分、例えば細胞類(血球、ほ乳類のハイブリドーマ、病原体、例えば検出するため濃縮される流体試料中の細菌)に対して特に有用である。本発明の装置は、薬剤及び前駆体及びその誘導体を含有する流体を濾過するのに有用である。また本発明の装置は、一般に、単一相または混合相(例えば油/水)としての有機化合物(すべての種類の油、例えば石油及び食料油を含む)を濾過するのにも有用である。また本発明の装置は、界面活性剤、乳濁液、リポソーム、天然もしくは合成のポリマー、バリ取り及び研磨の操作に由来する廃水(例えばバレル研磨流体と研削流体)、産業廃水と都市廃水、ならびに水性、半水性及び溶媒ベースの洗浄剤を含有する流体を濾過するのにも有用である。
【0056】
複数の円板及び/またはフィルタを保持する複数のフィルタ支持部材は本発明の装置に使用できる。従って、2つのフィルタの間に単一の円板が配置されて2つの濾過間隙を規定することは本発明の範囲内にある。このような装置において、円板の一方または両方の主面はそれぞれ、少なくとも1つのらせん溝を有していることが望ましい。また、このような装置が、いくつもの交互に挿し込まれた円板とフィルタ支持部材とを有していて、すなわち円板とフィルタ支持部材とが交互に配置され、その結果、いくつもの濾過用間隙が規定されることも、本発明の範囲内に入る。その場合、それらの円板は、一緒に、共通の回転シャフトに取り付けられて、フィルタからの透過物は共通のマニホルドに流入して収集される。複数の交互に挿し込まれた円板とフィルタ支持部材とを有する装置の場合、流体濾過用間隙を規定する各表面は1つ以上のらせん溝を備えていてもよい。
【0057】
どの要素(すなわち、単一もしくは複数のフィルタ、単一もしくは複数の円板またはその組合せ)が回転するかに拘わりなく、回転は、一定速度もしくは変化する速度、及び単一の方向もしくは交互の方向でもよい。2つ以上の部材が回転する場合、それらは同一もしくは異なる方向及び同一もしくは異なる速度で回転してもよい。単一または複数の回転部材はそのまたはそれらの単一もしくは複数の回転方向を定期的に逆転してもよい(すなわち揺動)。各流体濾過用間隙を規定する円板とフィルタの各対の少なくとも一方は他方に対して回転しなければならない。従って、流体濾過用間隙を規定するフィルタと円板は、同方向及び同速度で回転してはならない。単一もしくは複数のフィルタ(従って、単一もしくは複数のフィルタ支持部材)は静止していて、単一もしくは複数の円板が、単一の回転方向にのみ回転することが好ましい。フィルタを通過する透過物の取り出しは、フィルタ支持部材が濾過中に静止している場合、簡単になる。
【0058】
単一もしくは複数の円板及び/またはフィルタは、単一または複数の回転要素であるか否かにかかわらず、回転面に対してほぼ垂直に、軸線方向に平行移動(往復運動)することができる。また、単一もしくは複数の円板及び/またはフィルタは、濾過を促進するために振動または揺動させてもよい。
【0059】
各フィルタは、フィルタを支持し及び/または透過物の収集ネットワークを提供する働きをするフィルタ支持部材に取り付けることが望ましい。このような支持は、フィルタ自体が実質的に構造剛性をもっていない場合、特に望ましい。透過物の収集経路のネットワークは、フィルタの下流側と流体連通させて、フィルタ支持部材に配置して(流体濾過用間隙と反対の方向を向いている)、フィルタを通過する透過物を、透過物収集経路に流入させることが好ましい。フィルタを、フィルタ支持部材に取り付ける方法は、装置の運転を著しく妨害しないならば、利用できる。フィルタを取り付ける方法は、フィルタの活性濾過区域をかなり減らさないことが好ましいが、このように減らすことは場合によって必要なことがある。
【0060】
フィルタ支持部材は、本発明の利点を達成できるならばどんな大きさまたは形態でもよい。2つ以上のフィルタ支持部材を一平面に配列して、流体濾過用間隙を規定する働きをするフィルタ支持部材組立体をつくることができる。従って、例えば、2つのD字形部材(シャフト用の半円形切抜き部などを有している)を、互いにそれらの直線部分を合わせて配置して、円形の外周辺を有するフィルタ支持部材組立体を作製することができる。
【0061】
流体濾過用間隙を規定する1つ以上のフィルタ支持部材はそれぞれ、その周辺の近くに、流体濾過用間隙から流体の本体に入る保持物の流れを制限(及び誘導)する制流手段を備えていることが望ましい。その制流手段は、十分に高い場合(すなわち、フィルタ支持部材の面から十分に、例えばフィルタ支持部材の面から垂直にもしくは斜めに延びている場合)、隣りのフィルタ支持部材に近くなるかまたは接触することがある。その場合、その制流手段は、剪断と流体移動とがいっそう強い領域(円板とフィルタ支持部材との間の流体、ならびに円板及びフィルタ支持部材の周辺と制流手段の内側表面との間の流体)を、剪断と流体の移動がいっそう低い領域(制流手段の外側表面から半径方向に離れて位置する容積、及び2つの外側フィルタ支持部材の軸方向外側から軸方向に離れているかまたは該支持部材を越える容積を含む流体本体の残りの部分)から隔離する壁を形成すると考えられる。
【0062】
また、その制流手段は、より高圧の領域(外側の境界が制流手段で例えば2つの外側フィルタ支持部材である内部領域)を、低圧領域(前記内側領域の外側の領域すなわち濾過される流体の本体)から隔離するのに利用することもできる。より高い圧力は、装置の形態と回転速度を調節することによって、与えられた流体に対し、流体濾過用間隙内に発生させることができる。装置の形態には、流体濾過用間隙を規定する2つの面の大きさと形態、これらの面の平滑性、該間隙の幅が、両方の面に溝またはブレードまたは他の凹み部分もしくは凸部分があるかどうかに拘わらずそしてこれらが存在する場合、その数、大きさ、形態及び相対位置のいかんに拘わらず含まれる。
【0063】
剪断と流体移動とがいっそう低い領域の適当な部分の流体が、十分ゆっくり移動しかつその流体の特性(例えば、表面張力、粘度及び密度)が満足すべきものであれば、この領域で浮上と沈降を実施することができる。それは、例えば部品の水洗洗浄システムの分離サブシステムに有用である。このサブシステムにて、洗浄溶液によって部品から除去された油及び洗浄溶液で分離サブシステムに送られた粒子(例えば金属のやすりくず)を、その水性洗浄剤から浮上(油)及び沈降(金属のやすりくず)によって分離することができる。
【0064】
制流手段(使用される場合)の設計は、厳しいものではなく、制流手段がその目的とする機能を発揮できる限り、どんな配置構成、形態、位置または大きさも利用できる。フィルタ支持部材に連結されていない制流手段は装置内に置くことができるが(例えば、フィルタ支持部材の周辺と濾過される流体本体の残りの部分の間、すなわち、フィルタ支持部材の周辺とハウジングの円筒形壁との間に挿入された中空の円筒形部材)、制流手段は、例えば、フィルタ支持部材によって保持される(すなわちフィルタ支持部材が制流手段を備えている)ことが好ましく、その結果、制流手段は、フィルタ支持部材とともにユニットとして取り外すことができる。フィルタ支持手段によって保持されていない制流手段(例えば円筒形壁)は、第1部材から懸架するかまたは容器の別の壁(例えば容器の側壁または底面)に取り付けることができる。
【0065】
制流手段は、フィルタ支持部材の外周辺の近くに配置されて、フィルタ支持部材の平面から十分な距離まで突出する円形の堰またはリップで構成されていてもよい。従って、そのリップは、フィルタ支持部材の平面から一方向にだけ(例えば上方にだけ)突出していてもよく、またはフィルタ支持部材の平面から両方向(すなわち上方と下方の両方)に突出してもよい。フィルタ支持部材は制流手段を保持し、そして制流手段は、高い剪断の領域の流体を、静止領域の流体から実質的に単離することが望ましい。圧縮性手段を、1つのフィルタ支持部材と、隣りのフィルタ支持部材の適当な部分との間に、任意に用いて液満シールを設けてもよい。制流手段が単一または複数のフィルタ支持部材で保持されている場合、制流手段は、単一または複数のフィルタ支持部材の周辺に配置されていてもよいがその必要はない。しかし制流手段は所望の機能を果たすため十分な距離を半径方向にとって配置されねばならない。例えば、流体濾過用間隙の幅が100mmである場合、各フィルタ支持部材は制流手段を保持し、その制流手段は、フィルタ支持部材の平面の上方と下方に約50mmに突出してもよい。あるいは、制流手段は、フィルタ支持部材の平面の上方へ100mm突出し、フィルタ支持部材の平面の上方にはまったく突出しなくてもよい。
【0066】
ほとんどの場合、保持物は、濾過される流体本体の残りの部分と再混合することが望ましい。その再混合は、例えば、保持物流動の制流手段の外側すなわち流体濾過用間隙に送られる直前の濾過される流体本体内(例えば円板回転シャフトと、フィルタ支持部材を支持するスリーブとの間の環状領域)または流体濾過用間隙自体の中で起こる。このような再混合は以上のいくつもの理由から望ましい。すなわち、極端な濃度勾配が生じるのを防止し、かつ、さもないと蓄積してフィルタをいっそう急速に目詰まりさせるかふさいでしまう傾向がある固形物などの物質を流体濾過用間隙から“洗い出す”からである。
【0067】
制流手段が実質的な再混合を妨げる場合、制流手段によって形成される“内壁”に保持物流出手段(例えば開口)を設けて、保持物を高剪断領域から出す必要がある。また、保持物の流れを導く手段を設けて、高剪断領域を出る保持物の流れを導いて、さもないと回転部材(通常円板)の回転のために起こる半径方向に距離をおいて位置する容積中の液体の過度の攪拌(例えば渦巻)を抑制することも望ましい。従って、制流手段が形成している内壁の開口は、回転部材の回転方向に対して角度をなしていてもよく、またその回転方向に対して向けられたノズルを設けてもよい。これらの開口及び/またはノズルは、これらからでる保持物の流れが回転の平面に対して角度をなして(例えば垂直に)、剪断の低い流体領域内に別の流れパターンを達成することもできる。
【0068】
流体濾過用間隙に用いる制流手段は、制流手段によって占められる公称領域の重要部分を封鎖することが多い。従って、制流手段によって封鎖される公称領域の百分率は、制流手段が占める公称領域の少なくとも85%の場合が多く、通常少なくとも90%であり、望ましくは少なくとも92%で、より望ましくは少なくとも94%、最も望ましくは少なくとも95%、好ましくは少なくとも96%、より好ましくは少なくとも97%、最も好ましくは少なくとも98%で、そして時には99%もの高い比率である。換言すれば、制流手段の開口が規定する開口領域は、制流手段が占める公称領域の15%未満のことが多く、通常は10%未満であり、望ましくは8%未満、より望ましくは6%未満、最も望ましくは55未満、好ましくは4%未満、より好ましくは3%未満、最も好ましくは少なくとも2%未満、そして時には1%未満である。この目的を達成するため、制流手段が流体濾過用間隙に対して占める公称領域は、流体濾過用間隙の高さを掛算した制流手段の内側周辺(円筒形の制流手段の場合、その内側円周である)であるとする。流体濾過用間隙の高さは、円板の中央平面から、該間隙を規定する、向かい合って配置されたフィルタ支持部材の中央平面までの距離とする。
【0069】
供給流体は、流体濾過用間隙内に、連続してまたはバッチで導入される。透過物は連続的にまたはバッチで取り出される。保持物は連続的にまたはバッチで取り出される。供給流体から濃縮された1つ以上の種を含有する保持物が、例えば試験用の望ましい生成物であることがある。透過物の生成物は、その後の試験を妨害する粒状物質などが濾過装置で除去された供給流体である。保持物及び/または透過物の試験は、化学種もしくは生物種の存在もしくは濃度、または1つ以上の物理的特性もしくは化学特性[例えばpH、温度、粘度、反応進行度、比重、塩化物イオン、抗体、細菌、ウィルスなどの微生物、例えばクリプトスポリジウム・オーシスツ(Cryptospoyidium Oocystsとギアリダ・シスツ(Giardia Cysts)、DNA断片、糖、エタノール及び毒性金属、毒性有機物質など)の試験である。従って、本発明の装置は、例えば、上記種及び/または特性(特徴)の1つ以上について、保持物及び/または透過物を、物理的及び/または化学的に試験する手段をさらに備えている。
【0070】
濾過される流体を1つ以上の流体濾過用間隙内に入れるのにあらゆる方法を使用できるが、流体は長手軸すなわち回転軸線の近くの該間隙内に置くことが望ましい。従って、例えば供給流体は、回転可能なシャフトまたはシャフトのまわりのスリーブを通じて流動し(シャフトとスリーブの間に環状領域を形成している)、次いでシャフトまたはスリーブのポートを通じて流体濾過用間隙に入り、または1つ以上の間隙が、天然の流体本体(例えば池または湖)もしくは容器(またはハウジング)内に入っている流体本体内に浸漬され、または、2つ以上のそれら及び他の流れ機構を使用できる。
【0071】
特に望ましい配置構成では、1つ以上の流体濾過用間隙を出る保持物は、流体濾過用間隙に再循環される。例えば、流体濾過用間隙を出る保持物は、(i)円板が回転される回転可能なシャフトと(ii)フィルタ支持部材を支持するシャフトのまわりのスリーブとの間の環状領域にパイプ輸送され、その環状領域は1つ以上の流体濾過用間隙と液体連通している。制流手段と適切な配管が、保持物の流体濾過用間隙への再循環を達成するように配置され、流体濾過用間隙をでる保持物のいくらかまたはすべてが再循環される。新しい(再循環されていない)供給流体(濾過される流体本体からの)は、以下のような適切な方法によって流体濾過用間隙に入ることができる。すなわち、スリーブの進入ポートを通過することによって(スリーブが使用されかつ流体濾過用間隙に流体で接続されている場合)、または1つ以上のフィルタ支持部材(例えば、第1部材から最も遠距離のフィルタ支持部材)の開口を通過することによって、またはこれらの及び他の方法を組み合わせることによって流体濾過用間隙に入ることができる。新しい供給流体と再循環保持物は、流体濾過用間隙に入る前に混合してもしなくてもよい。例えば、このような混合は、スリーブとシャフトの間の環状領域内または1つの流体濾過用間隙に入る直前に起こる。
【0072】
流体を収容する容器またはハウジングは本発明の装置の一部である。ハウジング(底部、頂部及び/または側部を有する)は、本発明の装置の性能に悪影響を与えない限り、どんな大きさまたは形態でもよく、またどんな材料製でもよい。一般に、ハウジングは、(1)単一または複数の円板とフィルタを収容しかつ/または懸架するため、及び(2)十分に大きな濾過される流体の本体をもたらすため(ハウジングを使用して流体を収容する場合)、及び(3)浮上及び/または沈降を行うのに十分容積をもたらすため(浮上及び/または沈降と同じ容器内で達成したい場合)、理にかなって要求される大きさより大きくない。ハウジングはまったく使用する必要がないか、またはハウジングあるいはその底部、頂部及び/または側部の一部が開放されて、そのハウジングを有する装置流体の本体(例えば湖、醗酵タンク)内に置かれて、例えば試験に使う透過物及び/または保持物の生成物を生成する。装置を部分的にまたは完全に浸漬すると、流体を、流体濾過用間隙中に流入させることができる。また、この装置のポンプ輸送作用(例えば、単一もしくは複数の円板の回転で起こる)を利用して、供給流体を、供給流体の本体から濾過間隙中に移動させることができる。
【0073】
本発明の装置は多くの異なる方式で利用することができる。例えば、反応の監視(例えば試験によってまたは反応器内もしくは反応器からの流出液中の反応媒体から試験可能な流体をつくるため);または反応器機能の一体部品として[例えば反応器流出液から触媒を分離して反応器に再循環するかもしくは再成するため;または製品及び/または副製品を連続的に取り出し及び/または細胞培養反応器にもしくは生物学的廃水処理(例えば有機物を消化するために使用する活性汚泥を保持するため)に連続的に栄養素を補給するため];または回収機構の部品として(例えば製品、副製品、汚染物などを反応物または工程の流れから分離するため)の方式がある。本発明の装置は、濾過を連続的または間欠的に行う必要があるあらゆるタイプの工程容器(例えば反応器)またはパイプライン(例えば反応器流出液のパイピングまたはスリップ流のパイピング)に現場で設置できる。
【0074】
円板及びフィルタの直径に、理論的な上限または下限はないか、回転速度はどこでも100rpm未満から1000rpm以上まで変化しかつ設計、製造及びコストによる制限のため、濾過装置の回転部材は、まれには、直径が7mまたは2mを超えることがある。従って、本発明の装置の容量を、直径が約1mまたは2mの円板とフィルタで提供される容量を超えて増大するには、濾過容量は、必要に応じて、追加の円板及び/またはフィルタを付加することによって増大することが好ましい。容量は、円板とフィルタの直径に関係なく、単一の装置にさらに円板とフィルタを付加することによってまたは2つ以上の装置を直列もしくは並列に接続することによって、常に増大することができる。
【0075】
円板/及びまたはフィルタ支持部材は、共通のハウジング内の複数の異なる懸架手段に取り付けられて、共通の部材(例えばいただき部)などから吊り下げることができる。従って、例えば、濾過される流体本体を収容するためのハウジングはその中に2つ以上の回転可能なシャフトを有し、一方または両方のシャフトが装置の頂部または側部から懸架され各シャフトは1つ以上の円板を保持し、及び/またはフィルタ支持部材の1つ以上のセットが装置の頂部または側部から懸架される。枠組(例えば、反応容器または湖内に立っているためにいくつもの脚部に取り付けられた頂部)が、2つの異なるセットの円板が取り付けられている2つ以上の回転可能なシャフトを保持する。
【0076】
円板は、必要な物理特性と化学特性を有し、その機能を本発明に従って果たすことができるならば、どんな材料製でもよくかつどんな設計または形態でもよい。円板は本発明に従って回転されかつ濾過工程中、変形しないことが望ましいので、円板は特定の最小限の構造剛性が必要である。また、円板は、供給流体に対して化学的に相対的に不活性でなければならない。一般に、円板は金属製であるが、他の材料の例えばセラミック、ガラス及びポリマーも利用できる。
【0077】
濾過用間隙に対面する円板の表面は、円板の溝の単一または複数の内側表面を含めて比較的滑らかである(第2供給手段があることを除いて)ことが好ましい。フィルタの表面はフィルタに用いられる溝を含めて比較的、滑らかであることが望ましい。粗い表面は、低い回転速度で、濾過間隙内の流体に乱流を起こし易く、その乱流はエネルギー効率が劣り、かつ濾過される流体の1つ以上の成分に悪影響を与えることがある。従って、流体濾過用間隙内の流体の流れは、望ましくは実質的に非乱流であり、好ましくはほぼ非乱流であり、そして最も好ましくは完全に非乱流である。第2供給手段、例えば円板の一方の主面から円板を通じて、流体濾過用間隙を画製する円板における他方の主面の作動面に至る通孔は、流体濾過用間隙内の乱れを助長するように思えるが、このような第2供給手段は、本発明の一体部分であり、流体濾過用間隙内の望ましい実質的に非乱流の流れを破壊せずかつ本発明の利益を提供するのに役立つことは驚くべきことである。
【0078】
一般に、円板、フィルタ及びフィルタ支持部材の周辺は円形であるが、他の形態を利用できる。フィルタの中心はフィルタ支持部材の中心と一致することが望ましく、円板の中心はフィルタの中心と一致することが望ましく、そしてこれらの中心は、単一もしくは複数の回転要素の回転軸線上、及び単一もしくは複数の円板とフィルタ支持部材の長手軸上にあることが望ましい。円板及びフィルタ支持部材の周辺は、通常、回転軸線からほぼ同じ半径方向の距離をとって位置している。通常、1つの円板表面は単一のフィルタ支持部材に対面し、各周辺は回転軸線からほぼ同じ距離をおいて位置している。
【0079】
フィルタの表面は実施的に平面であることが好ましい。フィルタ及びその表面の種類に応じて、その表面は微細な凹面及び凸面を有していてもよいが、これらが存在していても、そのフィルタ表面が実質的に平面であるとみなされることと矛盾しない。さらに、フィルタ表面に1つ以上の溝がある場合にこれらの溝がたとえ全フィルタ面のほとんどを占めていて幅が5mm以上であっても、それはフィルタ表面が実質的に平面であるとみなされることを妨げない。
【0080】
同様に、流体濾過用間隙を規定する働きをする円板表面も好ましくは実質的に平面であり、幅が5〜10mm以上の微細凹面、微細凸面及び溝が存在しても、フィルタ表面が実質的に平面であるとみなすことを妨げない。
【0081】
円板とフィルタの表面は、好ましくは平面であるが(例えば組立てが容易であるため)、平面である必要はない。例えば、円板とフィルタの表面のいずれかまたは両者は、軸線方向の断面が円錐形、台形または曲線形であってもよい。実際に、本発明の利益が達成できるならば、どんな形態も使用できる。流体濾過用間隙の幅は半径方向に変えることができるので(すなわち、回転シャフトの長手軸である回転軸線からの距離として変える)、流体濾過用間隙を規定する2つの表面が、例えば、それらの中心で、またはそれらの周辺で互いにいっそう近接している。両方の表面は、断面の大きさと形態が同じである場合、間隙の幅が一定で、例えば円板とフィルタの両者が円錐形でかつはめこまれるように配向される。
【0082】
円板またはフィルタは、流体濾過用間隙中に延びる有意な非らせんの突出部(例えば非らせんのブレードまたは翼)をもっていない方が好ましい。これらが存在すると、例えば、低回転速度で乱流が起こりやすいことによって、エネルギー効率に悪影響を与える傾向があるからである。
【0083】
流体濾過用間隙を規定する円板表面とフィルタ表面は、好ましくは、“実質的に平行”であり、すなわちこれら2つの表面の平面は、互いになす角度が約30°を超えず、望ましくは20°を超えず、いっそう望ましくは15°超えず、好ましくは10°を超えず、そして最も好ましくは、互いになす角度は5°を超えない。部材(円板またはフィルタ)が、厳密にいえば、たとえ非平面であっても(例えば円錐形の円板とフィルタ)、その部材は、その一般的な配向の主要平面を有するとみなされ、そして諸平面が実質的に平行であるかどうかを決定するのに使用しなければならないのはその平面である。
【0084】
本発明の装置は、水平、垂直または斜めに配向されてもよい。すなわち、円板及び/または回転可能なフィルタ支持部材(もし存在する場合)の回転軸線は水平、垂直または斜めであってもよい。1つの円板と1つのフィルタを有する垂直に配向された装置の場合、円板がフィルタの上方にあってもよく、またはフィルタが円板の上方にあってもよい。円板とフィルタの数及び装置の配向に関係なく、流体濾過用間隙は、濾過中、流体で満たされ続けることが望ましい。
【0085】
単一または複数の円板及び/または単一または複数のフィルタ支持部材の回転は、直接のまたは間接的な手段、例えば電動機、プーリーと駆動ベルトを解して連結された電動機を使用して、またはギヤ変換機もしくは磁気駆動機によって実行できる。従って、回転部材(例えば円板)は、それを回転するシャフトに取り付ける必要はない。単一または複数の円板または単一または複数のフィルタ支持部材の軸方向平行移動及び振動移動は公知の方法を使用して実行できる。
【0086】
古典的な交差流濾過装置とは対照的に、本発明の装置の濾過面の近くの剪断速度及び膜間圧力または膜間圧力差(“TMP”)は、互いに実質的に無関係にすることができる(本願で使用されるフィルタは膜である必要はないにもかかわらず、用語“膜間圧力”は共通用語なので使用される)。本発明のフィルタシステムは、分離中、正確な制御を行うことができ、かつ各種の方法で、運転し制御することができる。例えば、与えられる供給流体、装置の携帯、フィルタ及び回転部材の回転速度に対して、透過物の流量は、透過物の取出(計量)ポンプ(例えば蠕動ポンプ)によって制御することができ、そして保持物の濃度(体積濃度)は、供給流体/透過物の流量の比率を設定することによって制御できる。またそのシステムの制御は、流量制御弁、及び圧力制御弁でも達成できる。本発明のいくつかの利点は、重要な作動パラメータ(剪断速度、膜間圧力及び供給速度と、保持物と透過物の速度)は、かなりの程度まで、独立して制御され操作できるということによって可能になる。
【0087】
本発明の濾過装置の制御システムは、供給流体及び/または保持物の連続式またはバッチ式の追加または取り出しを行うために設置される。本発明の濾過装置とともに使用される周辺装置の設計は厳しいものでない。制御システム、回転駆動手段などに対して流体の追加、収集及び取出しを行うのに既製の方法を利用できる。これら周辺装置すべての設計と選択は当該技術分野の技量の範囲内にある。
【0088】
一般に、本発明の装置の操作圧力と膜間圧力は、濾過工程を妨害しないかまたは供給流体または生成物流体に悪影響を与えないどんな値でもよい。従って、大気圧よりごくわずかに高い膜間圧力を使用するかまたは膜間圧力は、大気圧よりかなり高くてもよい。一般に低い膜間圧力が好ましい。というのは低い膜間圧力はフィルタの表面上またはフィルタ内への固形分の累積を最小限にする傾向があるからである。また、低い操作圧力は、装置のコストを低くする傾向があるので、一般に好ましい。しかし、場合によっては、より高い作動圧力を使用して濾過を促進することが望ましい。例えば、炭酸飲料を加工するとき、操作圧力は、脱ガスを防止するため十分に高く保たねばならない。また、流体濾過用間隙内の圧力の高いことは、濾過の駆動を促進するのに望ましい。また、流体濾過用間隙内の圧力が高いことによって、透過物を取り出すのに真空ポンプが不要になる。他の力、例えば起電力を使って、特定の場合の濾過を促進することも望ましい。
【0089】
1つ以上のらせん溝を、各流体濾過用間隙を規定する1つ以上の表面上に使用することが望ましく、そして各間隙を規定する円板は回転して1つ以上のらせん溝を保有し、かつ各流体濾過用間隙を規定するフィルタは回転せず溝をまったく備えていないことが好ましい。
【0090】
溝は長くて幅の狭いチャネルまたはくぼみである。また、溝は、それが位置している表面に平行な平面内に全長がある細長い凹面またはくぼみと考えられる。用語“らせん”は多くの方式で定義されるが、1つの簡単な定義は、らせんが、連続的に、中心点から離れるかまたは中心点に向いて進みながら、平面内の中心点のまわりを移動する、平面内の点の経路であるという定義である。
【0091】
本明細書で使用されるらせん溝は、連続していることが好ましいが、それは必須ではない。表面は2つ以上のらせん溝を有していてもよいが、その場合、これららせん溝は、その表面の中心から異なる距離にある位置で始まりかつ/または終わってもよい。2つ以上のらせん溝を表面上に使用する場合、これらの溝は、互いに交差してもよく、形状あるいは曲率または中心点あるいは横断面の形状あるいは領域が同じである必要はない。これららせんは表面の周辺で終わる必要はない。これららせんは単一または複数の回転部材上に位置している必要はない。しかし、使用される1つ以上のらせん溝は、円板の表面に配置され、その円板が回転し、供給流体が、回転軸線の位置またはその近くで流体濾過用間隙に導入され、それらの溝は正しいらせん形であり、回転軸線の近くで始まり、円板の周辺まで延び、互いに交差しないことが好ましい。
【0092】
好ましくは、これらの溝は表面上で配向され、そしてその表面が一方向に回転して、各溝の外側周辺末端は前記回転方向に向いているかまたは前記回転方向と反対の方向に向いている。それは、溝から出る液体に対する衝撃力を減らす傾向がある。
【0093】
本願で使用される望ましい溝は、一般に、横断面が凹面形であり、通常、凸面形ではない。溝の横断面の内側表面は滑らかな連続曲線である。例えば、楕円または円またはその組合せの断面である。また、これらの溝は、一直線の壁を有し、例えば断面が三角形、長方形または正方形のことがある。また、その横断面は、一直線の部分と曲線の部分を有していることもある。本願で用いられる溝は、好ましくは、幅と深さが一定であるが、その寸法は溝の全長にそって変わることがある。
【0094】
溝の幅/円板(またはフィルタ)の半径の比率は通常、0.001〜0.6であり、好ましくは0.01〜0.5であり、そして最も好ましくは0.01〜0.4である。溝の幅は、溝の経路の全長にそって変化することがあり、その結果、溝幅/半径方向の位置の比率が変化する。0.001〜0.6の範囲から外れた溝の幅/円板(またはフィルタ)の半径の比率は、他のパラメータ(例えば回転速度)を調節して、本発明の利益が達成できるなばら利用できる。
【0095】
濾過間隙を規定する2つの表面間の間隔及び回転速度は、洗浄作用または剪断応力に影響し、従って流速に影響する。その洗浄作用は、一般的に述べると、濾過間隙の幅に対し逆の関係にある。少なくとも特定の範囲内で濾過間隙を変えたときの作用は、流束に対し、測定可能であるが比較的小さな作用である。すなわち濾過間隙の幅と壁の剪断応力(すなわち膜表面の剪断速度)の関係は強くない。いずれにしても、ある時には、濾過表面とこれに向かい合って配置された円板は、これら部材の少なくとも一方が離れすぎて回転していないので流束に対して有益な作用をすることができない。一方、とりわけ設計公差があるため、ある時には、濾過間隙を規定する2つの表面はあまりに近すぎて、一方または他方または両方の膜が回転できない。従って、与えられた供給流体に用いる特別の濾過装置に対する間隙の幅には有用な作動範囲がある。流体濾過用間隙を規定する2つの向かい合った表面は“近接”していなければならないので、その間隙の幅は通常1〜100mmの範囲内にあり、1〜50mmのことが多く、望ましくは1あら25mmであり、好ましくは1〜15mmであり最も好ましくは1〜10mmである。他のパラメータを調節して本発明の利益が得られる場合は、1〜100mmの範囲から外れた間隔を利用できる。与えられた装置の間隙の幅は、例えば単一または複数の円板及び/またはフィルタが平面でない場合(例えば2つの円錐形表面が互いに向かいあっているかまたは反対の方を向いている場合)変わることがある。換言すれば、流体濾過用間隙は半径方向に変えてもよい。このような変化は、1つ以上の種が濃縮された結果(例えば脱水された場合のように)、供給流体の粘度が上昇するとき、一定の平均剪断応力を維持し続けるのに有用である。
【0096】
回転速度は流速に影響する。すなわち回転速度が高いと洗浄作用が増大し、そして回転速度が低いと洗浄作用が低下する。装置の設計及び処理される流体の剪断感受性と両立するあらゆる回転速度を利用できる。その回転速度は、通常、50〜2000rpmであり、望ましくは100〜1500rpm、好ましくは100〜1200rpmで、最も好ましくは100〜1100rpmである。50〜2000rpmの範囲を外れる値は、本発明の利益を達成できるならば、利用できる。
【0097】
本発明の装置の性能に影響する他の変数としては、例えば、表面上のらせん溝の数溝の長さ幅及び深さ、溝の断面の形状、濾過間隙を規定する表面の滑らかさ、ならびに流体の粘度・密度、流体が粒子(例えば細胞)を含有しているかどうか、及びこれら粒子の大きさ・形状及び濃度を含む流体の流動性を規定するパラメータがある。米国特許第5,143,630号に説明されているように、らせん溝がなす角度(この特許の図1に示す角度Y)及び溝の湾曲がなす角度(この特許の図2の示す角度Tに関連する)も性能に影響する。この特許における角度Yは、その図1及びこれに対応する明細書の説明に記載されたように、円板の中心と1つのらせん溝の始点とを結んでできる直線と、円板の中心とそのらせん溝の終点とを結んでできる直線とがつくる角度である。
【0098】
本発明の装置の性能に影響するさらに他の変数としては、保持物の流れ制流手段の大きさ、形態及び位置;保持物の流れを導く手段の数、大きさ、形態及び位置;ならびにその制流手段を通過する保持物流出物のいくらかまたはすべてが単一または複数の流体濾過用間隙に再循環されるのかどうか及び再循環される場合、再循環を達成する方法がある。
【0099】
この背景に基づいて、我々は、本発明の各種の実施態様を示す添付図面の方に移る。
【0100】
図1〜4を見れば、回転円板型濾過装置20は、第1プレート22、第2プレート24、電動機26、長手軸30を有するシャフト28、スリーブ32、2つのフィルタ支持部材34、ならびに第1(上部)主面94及び反対側に配置された第2(下部)主面96を有する回転円板36を備えている。シャフト28の底部のナット38は、円板36をシャフト28に固定している。2つの流体濾過用間隙40があり、これらは互いに平行である。各間隙は、円形プレート44(フィルタ支持部材34の主要部分である)の上に載っているフィルタ42と、向かい合って配置された対応する円板36の主面とによって規定されている。装置20は濾過される流体を収容する容器(図示せず)の頂部に配置してもよく、その場合、第2プレート24は、前記容器の頂部を横切る支持体の上に載る。濾過される流体本体の上部液面は第2プレート24の底面より下方にある。従って、回転可能な懸架器具56は、その中でシャフト28が回転するが、流体に対して密閉する必要はない。
【0101】
各フィルタ支持部材34は、円周の周辺にリップ46を有し、そのリップはフィルタ支持部材34のプレート44の上方と下方に突出している。隣接するフィルタ支持部材の2つのリップ46は、長手軸30から半径方向に離れて位置する円形経路にそって合致している。圧縮可能な部材(例えばO−リング)48がその円形経路にそって置かれており、2つのリップ46間に実質的に液密のシールを提供している。あるいは、一方のフィルタ支持部材のリップ46は、隣接するフィルタ支持部材内にはめこむように設計して、バリヤーもしくは液密シールを提供して保持物の流れを制限することができる。また、上記はめこみの機構を使用して、フィルタ支持部材/円板組立体を組み立て中またはフィルタ支持部材のカートリッジを組み立て中に、フィルタ支持部材を適正な配置構成に配列するのに役立てることもできる(以下に述べる)。圧縮可能な部材(例えばO−リング)は使用する必要がない。
【0102】
正常に操作されている間、円板36の回転によって、各流体濾過用間隙40内の流体の循環及び外側へのポンプ輸送作用[すなわち間隙内の流体の、長手軸30から円周の(周辺の)リップ46への移動]が起こる。プレート40を横切る(プレート40に垂直方向の)圧力差を、長手軸30から半径方向の距離の関数として変えると、プレート44が変形を起こす傾向があり、その結果、流体濾過用間隙の幅が半径の方向に変化する。リブ50は、プレート44のこの曲がり(変形)を防ぐ傾向があるので、流体濾過用間隙の幅を比較的一定に維持する傾向がある。あるいは、リブは、スリーブ32から半径方向に突出して第1支持部材の変形(まがり)を制限する。
【0103】
駆動コラム52は、シャフト28の一部であるが、その上部末端が電動機26のロータに接続され、一方その下部末端がシャフト28のレストに取り付けられ固定されている。環状間隙54が、シャフト28とスリーブ32の間にある。スリーブ32は、シャフト28の縦方回転軸線(すなわち軸線30)に対して中心を合わせてあり、かつ上部フィルタ支持部材34は、スリーブに接続されかつスリーブに中心を合わせてあるので、最頂部のフィルタ支持部材はシャフトと円板の回転軸線に中心があっている。下部フィルタ支持部材は、上部フィルタ支持部材と同心でかつ接続されているので、上部フィルタ支持部材へのその接続によって、スリーブ32に(間接的に)接続されている。従って、両フィルタ支持部材は、プレート22と24を備えている“第1部材”に接続されている。スリーブ32は回転しない。従ってこれらフィルタ支持部材は静止したままであり、そして、電動機26が、円板が固定されているシャフト28を回転させると、円板はフィルタ支持部材に対して回転する。回転部材(円板)の“第1部材”からの回転可能な懸架器具は、参照番号56で示されており、そして、装置20が濾過される流体本体内に配置されるとき、濾過される流体における通常の液面の上方に位置している。
【0104】
回転可能な懸架器具56は、図1には、便宜上、プレート(ここでは第2プレート24)に取り付けられた回転軸受として、画かれている。しかしながら、その回転可能な懸架器具は、しばしば(そして時には好ましくは)、駆動コラム52(シャフト28の一部である)を回転させる歯車箱、電動機または他の原動手段内の単一もしくは複数の回転軸受であり、どのプレートにも回転可能な懸架器具はない(すなわち、駆動コラムまたはシャフトは、プレートの通孔を通過し、そこに軸受はまったく配置されていない)。
【0105】
スリーブ32の側壁の通孔58(一般に通行は4個でありそのうち2個だけを図示してあるが、多少増減して利用できる)は、流体を、スリーブ32とシャフト28の間の間隙すなわち環状領域54中に及び/または該領域から、装置が浸漬されている流体本体から及び/または該本体内に流動させることができる。環状領域54は、上部流体濾過用間隙40と流体連通の状態にあり、そして、以下に述べる手段によって、下部流体濾過用間隙40とも流体連通の状態になっている。
【0106】
各フィルタ支持部材34の中心に位置する円形開口60は、該支持部材の内側リム68で規定されている。シャフト28は上部フィルタ支持部材34の中央開口を貫通して延び、そして、下部フィルタ支持部材34の中央開口60は、濾過される流体を、上部と下部の流体濾過用間隙40に入れることができる(濾過操作中、装置20は、第2プレート24の下方の液面まで、濾過される流体中に浸漬される)。底部フィルタ支持部材の開口60を通って入る流体は、下部流体濾過用間隙40内に容易に流入する。通孔64が円板36の非活性区域内にあり、そして通孔66(第2供給手段)が円板の活性区域にある。図3に示す点線の円68は円板36の活性区域の内側周辺を示す。この実施態様で、円板の活性区域は円板の溝付き領域と同じである。というのは、その溝付き領域は、それぞれのフィルタの活性濾過区域の真向かいの各円板面の上にあるからである。
【0107】
上部フィルタ支持体34の円周上のリップ46の半円形開口は、下部フィルタ支持部材34の円周上のリップ46の同じ開口と同心で配置されて、これら2つのフィルタ支持部材が図2に示すように間に圧縮可能な部材48をおいて互いに隣接しているときに形成される“内壁”に円形開口70を形成する。これらの開口70は、保持物を流体濾過用間隙40から取り出すことができる。円形開口70がそれぞれ、円周上のリップ46の半円形開口によって形成される位置にある圧縮可能な部材には切れ目があるので、円形開口は部分的に圧縮可能な部材48によって遮閉されない(さもないと、この部材は円形開口を二分してしまう)。
【0108】
図1を見ると、上部フィルタ支持部材34の内側リム62はスリーブ32に取り付けられている。その取付けは、適切な半永久的な固定手段(例えば、ピン、ボトルまたはねじ山)または所望により永久的な固定手段(例えば接着剤)を行えるが、上部フィルタ支持部材をスリーブから取り外すことができるように、半永久的固定手段が好ましい。下部フィルタ支持部材34は、2つのフィルタ支持部材それぞれのリップ46に配置された対応するボルト穴(図示せず)を貫通するボルト(図示せず)によって、これら2つのフィルタ支持部材の半円形開口が適正に同心に配置されて、上記第1支持部材34に隣接して維持されている。円形開口70を形成するこれら2つの各フィルタ支持部材の開口(図2)は周辺リップ46の周りに均等に間隔をおいて配置されている。リブ50も、各フィルタ支持部材34の周りに均等に間隔をおいて配置されている。
【0109】
図3は、図1の円板36の底面を示し、図4は図3の円板の線4−4断面図である。リム72を有する円板36は、ナット38によってシャフト28の底部に取り付けられている(図1)。円板36の中心は、これら2つの各フィルタ支持部材44の中心及びシャフト28の長手軸30と一致している(図1)。円板の底面(図3及び図4の右側)及び円板の上面(図4の左側)はそれぞれ、24°の角度間隔でかつ等しい距離間隔をおいて15本のらせん溝74を備えている。点線76は一本のらせん溝の底部を示し、これらの溝はらせんランド78によって互いに隔離されている。らせん溝74は、リム(周辺)72におけるこれら溝の外側末端及び溝のない中心部分におけるこれら溝の内側末端で終わっている。円板36は一般に、中央面80に関して対称形であるが、下記の大きな例外がある。空腔82が、円板36の上面(図4の左側)に到達する前に終わっており、さもなければ、ナット38は、円板36をシャフト28の底部に取り付けることができないであろう。
【0110】
円板の下部主面(図3)上における点線の円68が、円板の非活性区域である中央部分を、らせん溝を有する円板の活性区域から分離している。図1を見ると、円板の上部活性区域(上部主面上の活性区域)が、上部フィルタ支持部材44のフィルタ42に向かい合って配置され、そして円板の下部活性区域(下部主面上の活性区域)が下部フィルタ支持部材44上のフィルタ42に向かい合って配置されている。これら2つの各主面上の活性区域は、円板の長手軸30の近くの仮想線68から外側周辺領域(リム)72までである。円板の非活性区域内の通穴64は、上部または下部のフィルタ42に向かい合って配置されていない。円板の活性区域内の通穴66は、上部と下部のフィルタ42の両者に向かい合って配置されている(図4を紛らわしくしないために、図1と3に示してある通穴66は図4には示していない)。
【0111】
図5は、ほぼ円形の周辺84及び開口88に内側末端が終わっている半径方向の切抜き部86を有する1つの可能なフィルタ支持部材の図式平面図を示す。その半径方向切抜き部によって、フィルタ支持部材は、米国特許第5,254,250号に記載されているように、円板が取り付けられているスリーブとシャフトに対してほぼ直角の方向に移動させることができる。従って、各フィルタ支持部材は、円板と第1支持部材を交互に取り出す必要なしに、交互に挿入された円板とフィルタ支持部材の組立て体から外して取り出すことができる。
【0112】
図6は、本発明に用いられる他の可能なフィルタ支持部材の図式平面図である。このD字形フィルタ支持部材は、半円形の外側周辺88、中央に配置された半円形の切抜き部90及び直線部分92を備えている。2つのこのようなD字形フィルタ支持部材は、図7に示すように、互いに近くにまたは互いに接触させて配置できる(これら2つの直線部分間の間隙によって、保持物をステージからステージへと流動させることができる)。このD字形の形態によって、各フィルタ支持部材は、円板をシャフトから取り外す必要なしで、円板とフィルタ部材の組立体に付け加えたりまたは該組立体から取り外すことができる。従って、このフィルタ支持部材は、一体の部材である必要はなく、そしてあらゆる大きさと形態を利用して、(その向かいあって配置されている円板と)流体濾過用間隙を規定するフィルタを支持するフィルタ支持部材の表面を形成することができる。
【0113】
図8はシャフト28に取り付けられた複数の円板36を示す。各円板は、その第1主面94と第2主面96のそれぞれにいくつものらせん溝74を有している。
【0114】
図9は、図6に示すD字形フィルタ支持部材5個からなる組立体(カートリッジ)98を示す。各d字形部材は直線部分92、半円形周辺88、中央の半円形切抜き部90、第1(上部)主面100及び第2(下部)主面102を備えている。回転可能なシャフト28は、類似の鏡像カートリッジが組立てられた回転円板型濾過装置のカートリッジ98の隣りにもってこられたとき(直線部分92は鏡像カートリッジの直線部分の近くに位置している)、半円系の切抜き部90で形成される円形通孔で規定される長い中央通路内に配置される。カートリッジ98の5個のd字形フィルタ支持部材は、部材104によって互いに、機械的に接続されている。また、部材104のうち2つが、フィルタ支持部材を互いに流体で接続して、共通の透過物をノズル106を通じて取り出す。カートリッジ98は、2つの部材104のボルト孔108を貫通するボルト(図示せず)を使って、回転濾過装置に取り付けることができる。フィルタ支持部材の各カートリッジは、流体濾過用間隙を規定する働きをする円板に対して、正しい位置に、ユニットとして移動することができる。
【0115】
これらの図面に画かれている装置はすべて、垂直に方向づけられており(シャフト28が垂直に方向づけられている)、“第1部材”(第1プレート22と第2プレート24を備えている)に(直接)取り付けられているのは一番上のフィルタ支持部材であり、一番下と一番上のフィルタ支持部材は、円板を回転させるシャフトのまわりのスリーブに取り付けられている。しかし、先に述べたように、装置は垂直に方向づける必要はない。その上に、フィルタ支持部材と円板の組立体内の第1フィルタ支持部材は、第1部材に取り付ける必要はなく、そして、1つ以上のフィルタ支持部材はこのようなスリーブに取り付ける必要はない。
【0116】
実施例
図1に示したのと類似の装置を使用して実験を行ったが、1つの大きな違いは、実験装置が、回転する円板の上方にほぼ完全な円形のフィルタ部材の表面を形成する2つのD字形フィルタ部材、及び回転する円板の下方にほぼ完全な円形のフィルタ部材の表面を形成する2つのD字形フィルタ部材を有していることである(図7参照)。上記2つのD字形フィルタによって形成される各“円形”フィルタの外形は14.625インチであり、そして各円形フィルタの中央の円形すきま領域(2つの半円形切抜き部90によって形成された図7に示す開口)の直径は約2.687インチである。これら4つのフィルタ支持部材のそれぞれに使用されるフィルタは、メンブレックス(Membrex)のウルトラフィリック(Ultra Filic)(登録商標)フィルタである。
【0117】
圧力線差が、回転円板の上方と下方の、それぞれのフィルタの下側に、円板が取り付けられているシャフトの長手軸(回転中心または回転軸)から半径方向に4つの異なる距離をおいて配置された。これらの4つの半径方向の距離は、長手軸から、約2.5インチ(その中心がシャフトの長手軸である直径5インチの仮想円)、3.75インチ(直径7.5インチの仮想円)、4.75インチ(直径9.5インチの仮想円)及び6インチ(直径12インチの仮想円)であった。従って、例えば、センサの最も内側の対(上部流体濾過用間隙の上方のフィルタの下側の1つのセンサと下部流体濾過用間隙の下方のフィルタの下側の1つのセンサ)は、回転軸線から2.5インチの距離に(すなわち、直径5インチの仮想円上に)位置している。
【0118】
各円板は、その2つの各主面上に、図3に示すようにらせん溝を有し、プロセス流体として水を用いて600rpmで回転させた。前記間隙内の圧力によって、水にフィルタを通過させ(透過物)、そして濾過物と保持物の両者をそのシステムから放出させようと試みた。上部間隙の幅(円板の頂面及び向かい合って配置されているフィルタ面との間)を0.36インチ(0.91cm)に設定し、そして下部間隙の幅(円板の底面及び向かい合って配置されているフィルタの面の間)を0.08インチ(0.20cm)に設定した。
【0119】
各円板は直径が約13.75インチ(34.93cm)であった。円板中央の溝のない部分は直径が約2.75インチ(6.99cm)であった。換言すれば、らせん溝は、直径約2.75インチ(6.99cm)の位置(溝のない中央部分が終わっている位置)から始まり、溝は円板の周辺[直径13.75インチ(34.73cm)]で終わった。
【0120】
4個の通孔[直径が0.3インチ(0.76cm)]を、各円板の中央の溝のない部分に互いに90°の角度をなして対称的に配置し、南北の通孔は約2インチ(5.08cm)離れ、東西の通孔は約2インチ(5.08cm)離れていた。いくつかの実験では、これら中央の通孔に栓をした。別の円板は、円板の一方の主面の作動(らせん溝をつけた)領域から、円板のもう1つの主面の作動(らせん溝をつけた)領域に通じる直径0.3インチ(0.76cm)の通孔を、各種の数と位置で備えている。活性区域内の通孔の最も内側のセットは(使用時)、円板に重ね合わされた直径3.21インチ(8,15cm)の仮想円にそって位置していた。換言すれば、最も内側の通孔は、円板の中心(回転軸線)から半径方向の距離が約1.6インチ(4.06cm)であった。残りの3セットの通孔(使用時)は、直径が4.97インチ(12.62cm)、7.91インチ(20.09cm)及び10.75インチ(27.31cm)の仮想円にそって配置されていた。各仮想円にそったこれら通孔は等間隔であった。換言すれば、5個の通孔が4個の仮想円のうちの1つに対して使用されるならばこれらの通孔は約72°(360°を5で割り算した角度)離れている。
【0121】
4つの半径方向の各位置の上部圧力と下部圧力の間の圧力の差を利用しかつ各種の推定を行って、各円板上の正味の力を算出した。結果を以下の表に示す。
【0122】
【表1】
Figure 0003577460
【0123】
実験1では、円板を、小さい方の間隙に向かって押す力は200ポンド(8.9×10dyne)を超える力である。連続運転を行うと、シャフトが回転する軸受に過度の応力をかける。さらに、円板が下部フィルタとこすり合うとはやく摩耗し、損傷することがあり、そして下部流体濾過用間隙でおこる濾過効率が著しく低下する。円板の中央の(作動しない)領域に4個の通孔が存在しているにもかかわらず、下方向きの圧力が非常に高いことに注目すべきである。
【0124】
実験2では、円板の活性区域のちょうど5個の小さい通孔をつけたが、保持物のラインに栓をした(保持物が移動するのを防止するため)。その結果、システムに対する背圧が上昇し、やはり、円板に対する下方への圧力は約40%低下した。
【0125】
実験3では、保持物のラインにもはや栓をしないことを除いて実験2と同じであるが、円板に対する下方の圧力は、ちょうど5.4ポンド(2.4×10dyne)まで低下した。換言すれば、直径3.21インチ(8.15cm)(Rが円板の半径の場合、約0.23R)の小さな通孔をちょうど5個つけると、下方に向いた圧力が209.1ポンド(9.3×10dyne)から5.4ポンド(2.4×10dyne)まで低下する。約98%の低下である。
【0126】
実験4では、円板の活性区域にやはり5個の通孔を使用しているが、直径7.91インチ(20.09cm)の仮想円(Rが円板の半径の場合、0.56Rの円)にそって位置している。円板に対する圧力は、下方向きの圧力代わりに、この場合、約3.7ポンド(1.7×10dyne)の上方向きの圧力である。
【0127】
実験5では、それぞれ5個の通孔からなる2セットを使用する。第1のセットは直径が3.21インチ88.15cm)で、第2のセットは直径が7.91インチ(20.09cm)である。非活性区域内の中央の通孔には栓をする。円板に対する上方への圧力は約3ポンド(1.3×10dyne)である。
【0128】
実験6では、直径が4.97インチ(12.62cm)の第3組の通孔を活性区域に追加した。中央の非活性区域の通孔にはやはり栓をする。円板に対する上方向き圧力は約4.5ポンド(2.0×10dyne)である。
【0129】
実験7では、中央の通孔に栓をしないことを除いて実験6と同一である。円板に対して上方向きの圧力は約4.8ポンド(2.1×10dyne)であり、これは実験6における円板に対する上方向き圧力とほぼ同じである。これは、円板の中央の非活性区域の通孔が差を生じないことを示している。換言すれば、不均等な軸方向の力の問題は、円板の中央の非活性区域に通孔を使用することによって、まったく改善されない。
【0130】
実験8では、円板の活性区域2組の通孔を有し、一方のセットは、3.21インチ(8.15cm)で、第2組は10.75インチ(27.31cm)である。円板に対する圧力は、ゆるやかに下方向きで、すなわち7.8ポンド(3.5×10dyne)である。この実験を実験3[下方向きの圧力が5.4ポンド(2.4×10dyne)]と比べると、直径がいっそう大きい通孔の第2組を追加してもほどんと差がないことを示唆している。
【0131】
一般的に述べると、円板の活性区域の第2の供給手段(通孔)は、一般に、Rが半径の場合(または円板が円形でないときの同等円の半径の場合)少なくとも約0.1Rの仮想円に沿って位置し、望ましくは少なくとも約0.25Rの仮想円にそって位置し、そして時には少なくとも約0.5Rの仮想円またはときには0.75Rの仮想円にそって位置している。各円にそった通孔の数は、望ましくは少なくとも2であり、好ましくは少なくとも3であり、そして最も好ましくは少なくとも5である。これらの通孔は、仮想円にそって等間隔で位置していることが望ましい。2つ以上の仮想円(例えば約0.25及び約0.5Rの仮想円)にそった通孔を使用することができる。本発明による活性区域の通孔が本発明の利益を提供できることは、円板の活性区域(例えば溝付き領域)が、乱流を避けようとして凹部や粗さを有していてはいけないという従来技術の教示からみて、驚くべきことである。
【図面の簡単な説明】
【図1】2つの流体濾過用間隙を有し、濾過される供給流体の本体を収容するタンクなしの本発明の装置の一部の立面図である。
【図2】保持物の流体濾過用間隙からの流量を制限するための制流手段の一部を示す拡大部分図である。
【図3】図1の装置に使用される好ましい回転円板の底面図であり、らせん溝を示す。
【図4】図3に円板の図3の4−4線断面図である。
【図5】ほぼ円形の周辺及びシャフトに用いる間隙を与えるための細長い切抜き部を有する好ましいフィルタ支持部材の図式平面図である。
【図6】D字形で、かつシャフトに用いる間隙を与えるための中央の半円形切抜き部を有する好ましいフィルタ支持部材の図式平面図である。
【図7】ともに配置した、2つの、図6に示すフィルタ支持部材を示す。
【図8】5個の円板を保持する回転可能なシャフトを示し、各円板は反対側に配置された2つの主面を有し、その面はそれぞれらせん溝を有している。複数の交互に差しこまれた円板とフィルタを有する組立体が装置に使用される。
【図9】5個のD字形フィルタ支持部材を有するカートリッジを示し、その部材は構造物に接続され、回転円板型濾過装置中に及び該装置からユニットとして稼働させることができ、かつ流体で接続され、その結果、5個のすべてのフィルタ支持部材からの透過物は2つのヘッダーに流入し、次いで共通のノズルを通じて取り出すことができる。

Claims (16)

  1. (a) 主面を有し、その主面が、(i)流体の流れすなわち濾過が起きる活性濾過区域、(ii)この活性濾過区域の周辺にある周辺領域及び(iii)その活性濾過区域に対してほぼ垂直な中心軸としての長手軸の備わったフィルタを有している、このフィルタを支持するためのフィルタ支持部材、
    (b) 背中合わせ状に配された第1主面及び第2主面を有し、その第2主面が、 (i)フィルタの活性濾過区域に対し向かい合って配置されている活性区域、(ii)この活性区域の周辺にある周辺領域及び(iii)その活性区域に対してほぼ垂直で前記長手軸に一致する長手軸を有している円板であって、この円板の活性区域及びフィルタの活性濾過区域がそれらの間に流体濾過用間隙を規定し、その流体濾過用間隙からフィルタの活性濾過区域を通過する流体が透過物であり、フィルタの活性濾過区域を通過しない流体が保持物であり、円板の活性区域は、流体が流体濾過用間隙にあるときにその流体と流体連通する少なくとも1つのらせん溝を有し、そのらせん溝が、この円板の第2主面上の極座標において少なくとも10度の角度Yをなしている円板、
    (c) 円板及びフィルタが互いに対して回転しかつ円板及びフィルタのこのような相対運動がフィルタの長手軸の近傍からその周辺領域へ向かって流体濾過用間隙における流体を動かすような傾向を作り出すように、円板あるいはフィルタのいずれか一方をそれぞれの長手軸の周りに回転させるかまたは双方を回転させるための回転手段、
    (d) 供給流体をフィルタの長手軸の近傍で流体濾過用間隙へ供給するための第1供給手段、及び
    (e) 円板の第1主面に隣接する流体を円板の第2主面の活性区域を通して流体濾過用間隙へ供給するための円板における第2供給手段
    を含んでいる、流体濾過用間隙における供給流体を透過物及び保持物に濾過するための回転円板型濾過装置。
  2. 回転手段が、円板の取り付けられるシャフトを含み、そのシャフトの回転が、それによってその円板を回転させ、シャフトが、スリーブによって取り囲まれ、それによってそのシャフトとそのスリーブとの間に環状領域を形成し、また、第1供給手段が、環状領域における供給流体を流体濾過用間隙へ案内するために、供給流体をそのスリーブを介してその環状領域及び通路の中へ導入するための手段を含んでいる請求項1に記載の装置。
  3. 円板の活性区域が、その円板の長手軸の近傍における内側境界によって限られており、その長手軸とその内側境界との間における第2主面の一部が、不活性区域であり、また、第1供給手段が、円板の第1主面における開口から円板の第2主面の不活性区域における開口へ通じる円板を貫通する少なくとも1つの通路を含んでいる請求項1または2に記載の装置。
  4. 介挿関係にある複数のフィルタ支持部材及び/または複数の円板をさらに含んでおり、それによって、複数の流体濾過用間隙を形成し、それぞれの間隙が、その円板の活性区域及び隣接するフィルタ支持部材の活性濾過区域によって規定されている請求項1〜3のいずれかに記載の装置。
  5. (a) 背中合わせ状に配された第1主面及び第2主面をそれぞれが有し、それぞれの主面が、(i)流体の流れすなわち濾過が起きる活性濾過区域、(ii)この活性濾過区域の周辺にある周辺領域及び(iii)その活性濾過区域に対してほぼ垂直な中心軸としての長手軸の備わったフィルタを有している、これらのフィルタを支持するための1以上のフィルタ支持部材、
    (b) 回転可能なシャフトに取り付けられ、かつ、複数の流体濾過用間隙を規定するために1以上のフィルタ支持部材と交互に配置された介挿関係にあり、背中合わせ状に配された第1主面及び第2主面をそれぞれが有し、それぞれの主面が、フィルタの活性濾過区域に対し向かい合って配置されている活性区域及びこの活性区域の周辺にある周辺領域を有し、シャフトが、前記長手軸に一致する回転の長手軸を有している1以上の円板であって、それぞれの流体濾過用間隙が、円板の1つにおける活性区域と、隣りのフィルタの活性濾過区域とによって規定され、それぞれの流体濾過用間隙から1以上のフィルタの活性濾過区域を通過する流体が透過物であり、1以上のフィルタの活性濾過区域を通過しない流体が保持物であり、1以上の円板のそれぞれにおける第2主面の活性区域は、流体がその第2主面によって規定された流体濾過用間隙にあるときにその流体と流体連通する少なくとも1つのらせん溝を有し、そのらせん溝が、この円板の第2主面上の極座標において角度Yをなしている円板、
    (c) 1以上の円板がフィルタに関して回転しかつ円板及びフィルタのこのような相対運動がシャフトの長手軸から離れる方向にある流体濾過用間隙における流体を動かすような傾向を作り出すように、そのシャフトを回転させるための回転手段、
    (d) 供給流体をシャフトの長手軸の近傍でそれぞれの流体濾過用間隙へ供給するための第1供給手段、及び
    (e) 1以上の円板における第1主面の活性区域に隣接する供給流体をその円板における第2主面の活性区域を通して、その第2主面によって規定された流体濾過用間隙へ供給するためのらせん溝を有している第2供給手段
    を含んでいる、1以上の流体濾過用間隙における供給流体を透過物及び保持物に濾過するための回転円板型濾過装置。
  6. 第2供給手段が、少なくとも1つの円板を貫通する1以上の穴を含んでおり、このような穴のそれぞれが、シャフトの長手軸から少なくとも0.1Rの位置に配されており、ここでRは円板の相当円半径である請求項1〜5のいずれかに記載の装置。
  7. 第2供給手段が、少なくとも1つの円板を貫通する1以上の穴を含んでおり、このような穴のそれぞれが、シャフトの長手軸から少なくとも0.25Rの位置に配されており、ここでRは円板の相当円半径である請求項1〜5のいずれかに記載の装置。
  8. 第2供給手段が、少なくとも1つの円板を貫通する1以上の穴を含んでおり、このような穴のそれぞれが、その円板の長手軸から少なくとも0.50Rの位置に配されており、ここでRは円板の相当円半径である請求項1〜5のいずれかに記載の装置。
  9. 少なくとも1つのらせん溝が、少なくとも1つの円板における第2主面上の極座標において少なくとも45度の角度Yをなしている請求項1〜8のいずれかに記載の装置。
  10. 少なくとも1つのらせん溝が、少なくとも1つの円板における第2主面上の極座標において少なくとも90度の角度Yをなしている請求項1〜8のいずれかに記載の装置。
  11. 少なくとも1つのらせん溝が、少なくとも1つの円板における第2主面上の極座標において少なくとも180度の角度Yをなしている請求項1〜8のいずれかに記載の装置。
  12. 1以上の流体濾過用間隙の外への保持物の流れを制限するための制流手段をさらに含んでいる請求項1〜11のいずれかに記載の装置。
  13. 複数のフィルタ支持部材を含んでおり、それらのフィルタ支持部材は、それらがユニットとして動くことができるように、互いに機械的に接続されている請求項1〜12のいずれかに記載の装置。
  14. 1以上のフィルタ支持部材のそれぞれが、ほぼD字状である請求項1〜13のいずれかに記載の装置。
  15. 1以上のフィルタ支持部材のそれぞれが、ほぼ円形であり、かつ、放射状の切り抜き部を有している請求項1〜13のいずれかに記載の装置。
  16. 第1部材及び複数のフィルタ支持部材をさらに含んでおり、フィルタ支持部材の1つが、その第1部材から直接吊り下げられており、他のフィルタ支持部材が、その第1フィルタ支持部材から吊り下げられることで、その第1部材から間接的に吊り下げられている請求項1〜13のいずれかに記載の装置。
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