JP3573733B2 - 電源回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、定電流制御を行う電源回路に係り、特に異常放電が連続するのを抑制する機能を持たせたものに関する。
【0002】
【従来の技術】
静電式集塵装置のコロナ放電を行う装置に用いられる電源回路では、安定した動作を行うために、負荷に流れる電流をほぼ一定に保つ定電流制御を行うようにしている。コロナ放電を行う装置において、放電部の放電極に絶縁性物質が付着した場合には、放電電流が減少しコロナ放電が弱くなってしまい、荷電効果が期待できない問題がある。逆に放電極に導電性物質が付着した場合は、この導電性物質を介して局所的な異常放電による放電極と被放電極間の絶縁が確保できない等、安全面での問題が発生する。従って、コロナ放電装置の電源回路においては、定電流装置を使用することが望ましい。また、上述の絶縁性物質が付着した場合には、放電電流の減少に相反して電圧が上昇してしまい、沿面リーク等の発生に伴う安全上の対策も必要となるので、定電流定電圧型の電源装置を使用することが更に望ましい。
【0003】
一例として特公平2−54031号公報には、1次コイル、帰還コイル、2次コイルを有するトランスを用いて、発振トランジスタのスイッチング作用によりトランスの2次コイルに高周波高圧出力を誘導し、その高周波高圧出力を整流平滑化して負荷に高圧直流出力を供給する高圧発生回路が開示されている。かかる高圧発生回路では、負荷回路に負荷電流検出用の抵抗を直列に接続し、負荷電流検出用の抵抗の電位と所定の基準電位とを比較した結果に応じて発振トランジスタを制御することにより、定電流制御を行うようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように定電流制御を行う電源回路において、何らかの原因により負荷側に連続するスパークや連続する微弱放電が発生した場合、負荷に流れる電流の交流成分が著しく増加して、設定値以上の電流が負荷に連続的に流れることがある。例えば、電源回路をコロナ放電を行う装置に用いた場合に、コロナ放電を行う電極部分に導電性の塵埃が付着する等して連続するスパークや連続する微弱放電が発生した場合、設定値以上の電流が負荷に連続的に流れ、耳障りな音が生じたり、コロナ放電の安定性が乱れたりする等の問題があった。
【0005】
本発明は上記のような点に鑑みてなされたものであり、負荷側においてスパークや微弱放電等の異常放電が発生した場合に、負荷に流れる電流を抑制して、その異常放電が連続するのを抑制できるようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の電源回路は、トランジスタのスイッチング作用によりトランスに高圧の交流出力を誘導し、その出力を整流平滑して負荷に直流を出力する構成とした電源回路であって、上記負荷に瞬間的にインパルス状の大電流が流れた場合に、上記負荷に流れる電流の交流成分が増加したものとして、上記負荷に流れる電流を抑制する手段を備えた点に特徴を有する。
【0007】
また、本発明の電源回路の他の特徴とするところは、上記トランジスタのスイッチング作用により直流入力を発振させて上記トランスから交流を出力させる発振回路と、上記トランスから出力される交流を整流平滑して上記負荷に直流を出力する整流平滑回路と、上記負荷に流れる電流に応じた電位を発生させる負荷電流検出回路と、上記負荷電流検出回路で発生する電位と基準電位とを比較する比較判定回路と、上記比較判定回路での比較に応じて上記発振回路のトランジスタを制御して定電流制御を行う定電流制御回路と、上記負荷に瞬間的にインパルス状の大電流が流れた場合に、上記負荷に流れる電流の交流成分が増加したものとして、上記定電流制御回路により上記負荷に流れる電流を抑制する信号を上記負荷電流検出回路で一定期間だけ発生させる異常放電電流検出回路とを備えた点にある。
【0008】
また、本発明の電源回路の他の特徴とするところは、上記負荷電流検出回路は抵抗を有する点にある。
【0009】
また、本発明の電源回路の他の特徴とするところは、上記異常放電電流検出回路は定電圧を取り出すための定電圧素子と蓄電器とが直列接続される構成とされ、上記負荷電流検出回路に並列接続される点にある。
【0010】
また、本発明の電源回路の他の特徴とするところは、上記異常放電電流検出回路はピーク信号を取り出すためのダイオードと蓄電器とが直列接続される構成とされ、上記負荷電流検出回路に並列接続される点にある。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の電源回路の好適な実施の形態について説明する。
【0012】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態の電源回路の構成を示す回路図である。同図に示すように、電源回路1は、信号入力回路2と、発振回路3と、トランスT1と、整流平滑回路4と、負荷電流検出回路5と、異常放電電流検出回路6と、比較判定回路7と、定電流制御回路8とにより構成される。
【0013】
信号入力回路2は、図示しない直流電源から直流信号を入力するための2つの端子9、10を有する入力コネクタCN1と、入力コネクタCN1から入力された直流信号に含まれるリップル成分を平滑するための電解コンデンサC1と、平滑された直流信号を後述する発振回路3のスイッチング作用をするトランジスタQ1に流す経路上に配設される抵抗R1及び起動抵抗R6とを有する。
【0014】
入力コネクタCN1の第1の端子9は後述するトランスT1側に直流入力を流すための電源線11に接続され、第2の端子10はグランド電位に接続される。また、抵抗R1及び起動抵抗R6は、電源線11と、発振回路3のトランジスタQ1のベースとの間に、抵抗R1が電源線11側となるように直列に接続される。また、電解コンデンサC1は、入力コネクタCN1と抵抗R1との間に配設され、電源線11側を正極として電源線11とグランド電位との間に接続される。
【0015】
トランスT1は、1次巻線N1と、帰還巻線N3と、2次巻線N2と、これら1次巻線N1、帰還巻線N3、及び2次巻線N2を磁気結合する鉄心とを有する。
【0016】
1次巻線N1は、その一端の端子13が発振回路3のトランジスタQ1のコレクタに接続され、他端の端子14が電源線11の終端に接続される。また、帰還巻線N3は、その一端の端子15がグランド電位に接続され、他端の端子16が発振回路3の抵抗R7に接続される。
【0017】
このようにしたトランスT1は、発振回路3の作用に従って、1次巻線N1に入力される交流電圧を昇圧し、2次巻線N2に高圧の交流電圧を出力する機能を有する。
【0018】
整流平滑回路4は、2つのコンデンサC8、C9と、2つのダイオードD6、D7と、抵抗R9とを有する。
【0019】
コンデンサC8の一端はトランスT1の2次巻線N2の端子17に接続される。そして、コンデンサC8の他端には、ダイオードD6のカソードと、ダイオードD7のアノードとが接続される。ダイオードD6のアノードは2次巻線N2の他端の端子18に接続され、ダイオードD7のカソードは並列接続されたコンデンサC9及び抵抗R9を介して2次巻線N2の他端の端子18に接続される。さらに、ダイオードD7のカソードには、図示しない負荷(コロナ放電を行う負荷等)に接続される出力端子19が接続される。
【0020】
このようにした整流回路4は、高圧倍圧整流回路(倍電圧整流回路)として機能し、トランスT1の2次巻線N2から出力される高圧の交流を倍電圧整流し、高圧の直流を発生して、出力端子19に接続される図示しない負荷に出力する機能を有する。なお、整流回路4は、交流信号を整流平滑する機能を有する回路であれば、高圧倍圧整流回路と極性に限定されるものではない。
【0021】
発振回路3は、トランジスタQ1と、3つのダイオードD3、D4、D5と、抵抗R7と、コンデンサC5とを有する。
【0022】
トランジスタQ1は、エミッタがグランド電位に接続され、ベースが信号入力回路2の起動抵抗R6と後述する定電流制御回路8のトランジスタQ3との相互接続点に接続され、コレクタがトランスT1の1次巻線の端子13に接続される。ダイオードD5は、トランジスタQ1のコレクタ側をカソードとして、トランジスタQ1のエミッタ、コレクタ間に接続される。
【0023】
また、ダイオードD4は、カソードがトランジスタQ3のコレクタ(すなわちトランジスタQ1のベース)に、アノードがトランジスタQ3のエミッタ(すなわちグランド電位)に接続される。このダイオードD4は、トランジスタQ1のベース、エミッタ間に逆電圧が印加されるのを防ぐために設けられたものである。
【0024】
抵抗R7は、一端がトランスT1の帰還巻線N3の端子16に接続される。コンデンサC5は、抵抗R7の他端とトランジスタQ1のベースとの間に接続される。また、ダイオードD3は、カソードが抵抗R7の他端に接続されるようにコンデンサC16に並列接続される。
【0025】
このようにした発振回路3は、トランスT1と協働して直流入力を発振させる機能を有する。
【0026】
負荷電流検出回路5は、抵抗R8とコンデンサC6との並列回路により構成され、その並列回路の一端が、トランスT1の端子18とダイオードD6のアノードとの相互接続点の端子20に接続され、他端がグランド電位に接続される。
【0027】
このようにした負荷電流検出回路5は、出力端子19に接続される図示しない負荷に流れる電流を検出するために、負荷に流れる電流に応じた電位を発生させる機能を有する。なお、コンデンサC6は、図示しない負荷に流れる直流電流のリップル成分を平滑するために設けられたものである。
【0028】
異常放電電流検出回路6は、アノードがトランスT1の端子18とダイオードD6のアノードとの相互接続点の端子20に接続される定電圧素子であるツェナーダイオードZD3と、グランド電位側を正極としてツェナーダイオードZD3のカソードに直列接続される電解コンデンサC7とにより構成され、負荷電流検出回路5に並列接続される。本発明でいう蓄電器に相当する電解コンデンサC7は、負荷電流検出回路5のコンデンサC6の容量に比べて大容量とされ、具体的には少なくとも10倍以上の容量を有する。なお、他の定電圧素子としては、バリスタ等が挙げられる。
【0029】
このようにした異常放電電流検出回路6は、過大な交流電流が発生する、図示しない負荷でのスパークや微弱放電等の異常放電が発生した場合に、負荷電流検出回路5の見かけ容量を一時的に且つ一定期間増大させる機能、すなわちコンデンサC6の電荷蓄積容量を超えた場合に大容量の電界コンデンサC7でその超えた容量分を受け止めて蓄積保持しておく機能を有する。そして、過大な交流電流が発生しなくなった後にツェナーダイオードZD3により一定期間だけ異常放電電流検出信号を発生させる機能をも有する。
【0030】
比較判定回路7は、トランジスタQ2と、ダイオードD1と、2つのツェナーダイオードZD1、ZD2と、2つのコンデンサC3、C4と、抵抗R1、R2とを有する。
【0031】
ツェナーダイオードZD2は、アノードが負荷電流検出回路5と端子20との相互接続点に接続される。ツェナーダイオードZD2に並列接続されるコンデンサC4は、負荷電流検出回路5で検出される電圧のリップル分の影響を緩和させ、ツェナーダイオードZD2の両端にかかる電圧が一定になるようにするために設けられたものである。
【0032】
ダイオードD1は、アノードがツェナーダイオードZD2のカソードに接続され、カソードが抵抗R1に直列接続される。ダイオードD1に並列接続されるコンデンサC3は、負荷電流検出回路5で検出される電圧のリップル分の影響を緩和させ、ダイオードZ1の両端にかかる電圧が一定になるようにするために設けられたものである。
【0033】
トランジスタQ2は、エミッタが抵抗R1に直列接続され、ベースがダイオードD1とツェナーダイオードZD2との相互接続点に接続され、コレクタが後述する定電流制御回路8に接続される。
【0034】
ツェナーダイオードZD1は、カソードが抵抗R1に直列接続されるように抵抗R1とグランド電位との間に接続される。
【0035】
このようにした比較判定回路7は、負荷電流検出回路5を構成する抵抗R8とコンデンサC6との並列回路で発生する電位と、ツェナーダイオードZD1のツェナー電圧により定められる基準電位と比較し、その結果に応じて後述する定電流制御回路8に信号を送る機能を有する。
【0036】
定電流制御回路8は、4つの抵抗R1、R3、R4、R5と、ダイオードD2と、電界コンデンサC2と、トランジスタQ3とを有する。なお、抵抗R1は、上述した信号入力回路2内に配置されているものと同じであり、本実施の形態の電源回路1では、抵抗R1は信号入力回路2及び定電流制御回路8の両方で機能するものである。
【0037】
抵抗R3と抵抗R4は、比較判定回路7のトランジスタQ2のコレクタとグランド電位との間に、抵抗R4がグランド電位側になるように直列接続される。
【0038】
また、ダイオードD2は、アノードがトランジスタQ2のコレクタと抵抗R3との相互接続点に接続される。また、抵抗R5は、ダイオードD2のカソードとグランド電位との間に接続される。また、電界コンデンサC2は、ダイオードD2のカソード側を正極として抵抗R5に並列接続される。
【0039】
また、トランジスタQ3は、ベースが抵抗R3と抵抗R4との相互接続点に接続され、エミッタがグランド電位に接続され、コレクタが発振回路3のトランジスタQ1のベースに接続される。
【0040】
このようにした定電流制御回路8は、比較判定回路7からの信号に基づいて、発振回路3のトランジスタQ1のベース電流を抑制するように制御する機能を有する。
【0041】
次に、上記のような構成とした電源回路1の動作について説明する。まず、電源回路1の発振動作について説明する。入力コネクタCN1から直流信号が入力され、起動抵抗R6を介してトランジスタQ1のベースに電流が流れると、トランジスタQ1がオンする。
【0042】
この結果、入力コネクタCN1の第1の端子9からトランスT1の1次巻線N1に電流が流れ、1次巻線N1に電圧が発生する。1次巻線N1に電圧が発生すると、1次巻線N1と磁気結合された帰還巻線N3に電圧が誘起される。
【0043】
そして、帰還巻線N3に誘起された電圧により、抵抗R7の抵抗値とコンデンサC5の容量とにより定められる時定数で減少する電流が、抵抗R7、コンデンサC5を介して、トランジスタQ1のベースに流れる。
【0044】
抵抗R7の抵抗値とコンデンサC5の容量とにより定められる時定数で減少する電流がトランジスタQ1のベースに流れると、1次巻線N1に流れる電流、すなわちトランジスタQ1のコレクタ電流Icは、上記トランジスタQ1のベースに流れる電流(ベース電流)をIbとすると、下記の式(1)の関係を満足するまで増加する。
Ic≧Ib×hFE・・・(1)
ただし、hFEは、トランジスタQ1のhパラメータである。
【0045】
このように1次巻線N1に電流が流れると、トランスT1は、下記の式(2)で表されるエネルギーPt(J)を蓄積する。
Pt=(1/2)L・Ic2・・・(2)
ただし、Lは、トランスT1の1次巻線N1のインダクタンス、Icは、1次巻線N1に流れる電流(すなわちトランジスタQ1のコレクタ電流)である。
【0046】
そして、トランジスタQ1のコレクタ電流Icが、上記式(1)の関係を満足するまで増加すると、トランジスタQ1は飽和状態になり、コレクタ電流Icは変化しなくなる。
【0047】
この結果、1次巻線N1から帰還巻線N3に誘起される電圧が低下する。これにより、上記トランジスタQ1のベースに流れるベース電流Ibが減少し、トランジスタQ1の飽和が加速する。
【0048】
このように、帰還巻線N3に誘起される電圧が低下し、コンデンサC5の両端の電圧以下になると、トランジスタQ1のベースに流れる電流の向きが逆になり、トランジスタQ1が完全にオフする。このとき、上記式(2)により表されるエネルギーPtがトランスT1の2次巻線N2に移り、2次巻線N2に電圧が誘起される。
【0049】
また、トランジスタQ1がオフしているときは、ダイオードD3によりトランジスタQ1のベースに負電圧が印加される。これにより、トランジスタQ1を確実にオフすることができる。
【0050】
トランジスタQ1がオフすると、トランスT1の1次巻線N1にリンギングが起こり、帰還巻線N3に電圧が誘起され、この誘起された電圧により再びトランジスタQ1のベースに電流が流れる。これによりトランジスタQ1が再びオンし、トランスT1の1次巻線N1に電流が流れ、1次巻線N1に電圧が発生する。
【0051】
以上のようなトランジスタQ1のスイッチング動作により、基本波の発振周波数が所定周波数となる発振を続け、これに応じた高圧の交流電圧がトランスT1の2次巻線N2から出力される。
【0052】
次に、定電流制御について説明する。トランスT1の2次巻線N2から出力された高圧の交流電圧が整流平滑回路4により整流され、出力端子19に高圧の直流電圧が発生すると、出力端子19に接続される図示しない負荷に印加される。そして、高圧の直流電圧が印加されることによって図示しない負荷に流れた電流は、負荷電流検出回路5を通してトランス12の2次巻線N2に戻る。
【0053】
負荷電流検出回路5では、上記負荷に流れる電流に応じた電位が発生する。負荷に流れる電流が大きくなって、抵抗R8に流れる電流が大きくなると、抵抗R8とコンデンサC6との並列回路で発生する電位もマイナス極性で大きくなる。なお、正常時に負荷を流れる電流は微小なため、上記抵抗R8とコンデンサC6との並列回路で発生する電位は同様に微小であるので、ツェナーダイオードZD3のツェナー電圧を超えることがなく、従って異常放電電流検出回路6側には流れない。
【0054】
そして、抵抗R8とコンデンサC6との並列回路で発生する電位の絶対値が、ツェナーダイオードZD1のツェナー電圧により定められる基準電位を超えると、トランジスタQ2のベースからツェナーダイオードZD2を通じて電流が流れ、トランジスタQ2がオンする。
【0055】
このトランジスタQ2のオン動作により、入力コネクタCN1から電源線11、抵抗R1、トランジスタQ2、ダイオードD2、電解コンデンサC2のルートで電流が流れる。
【0056】
そして、電解コンデンサC2は、抵抗R1の抵抗値と電解コンデンサC2の容量とにより定められる時定数に従った速度で電荷蓄積を開始し、トランジスタQ2のコレクタ電圧が増加する。
【0057】
トランジスタQ2のコレクタ電圧の増加により、抵抗R3を介してトランジスタQ3のベースに電流が流れるようになる。これにより、トランジスタQ3がオンし、トランジスタQ1のベースに流れる電流を抑制する。なお、抵抗R4は、トランジスタQ3のベース電流の値を調整するためのものである。
【0058】
以上述べたように、負荷を流れる電流に応じてトランジスタQ1のベースに流れる電流を制御し、トランジスタQ1のコレクタ電流を調整することにより、トランスに蓄積されるエネルギー(上式(2)を参照)を調整して、定電流制御を行うようにしている。
【0059】
ここで、何らかの原因により図示しない負荷においてスパークや微弱放電等の異常放電が発生した場合、負荷に流れる電流の交流成分が著しく増加するため、瞬間的にインパルス状の大電流が流れ、抵抗R8とコンデンサC6との並列回路で発生する電位の絶対値が大きくなる。
【0060】
同時に、負電圧の半サイクル分の電流がツェナーダイオードZD3を通じて電解コンデンサC7に流れ、電解コンデンサC7が電荷蓄積を開始する。これにより、一定期間だけ抵抗R8とコンデンサC6との並列回路で発生する電位の絶対値が大きくなる。
【0061】
この結果、抵抗R8とコンデンサC6との並列回路で発生する電位の絶対値が、ツェナーダイオードZD1のツェナー電圧により定められる基準電位を超えて、トランジスタQ2のベースからツェナーダイオードZD2を通じて電流が流れ、トランジスタQ2がオンする。
【0062】
このトランジスタQ2のオン動作により、入力コネクタCN1から電源線11、抵抗R1、トランジスタQ2、ダイオードD2、電解コンデンサC2の経路で電流が流れる。
【0063】
そして、電解コンデンサC2は、抵抗R1の抵抗値と電解コンデンサC2の容量とにより定められる時定数に従った速度で電荷蓄積を開始し、トランジスタQ2のコレクタ電圧が増加する。
【0064】
トランジスタQ2のコレクタ電圧の増加により、抵抗R3を介してトランジスタQ3のベースに電流が流れるようになる。これにより、トランジスタQ3がオン(動作)し、トランジスタQ1のベースに流れる電流を抑制することができ、スパークや微弱放電が連続するのを抑制するとともに、耳障りな音が生じること等を防ぐことができる。
【0065】
上記ツェナーダイオードZD3のツェナー電圧、電解コンデンサC7の容量については適宜設定すればよい。例えば、異常放電が100回/s以下の回数で発生(10ms以上の間隔のパルス状に発生)し、負荷に流れる異常放電電流が数A以上、異常放電で移動する電荷量が0.42〜10μCを想定する。異常放電が発生した場合瞬間的に数Aの電流が流れ、1回の放電で電解コンデンサC7に印加される電圧は移動した電荷の総量で決まり、0.42〜10μC程度の電荷の移動があった場合、電解コンデンサの総容量が0.1μFであれば4.2〜100V、1μFであれば0.42〜10Vとなる。
【0066】
異常放電が100回/s以下で発生すると考えると、電解コンデンサC7の容量は1〜10μFの範囲、また、正常時のリップル電圧は0.5V程度なので、ツェナーダイオードZD3のツェナー電圧は2.0〜4.7Vの範囲が適当である。
【0067】
(第2の実施の形態)
図2は、第2の実施の形態の電源回路の構成を示す回路図である。なお、第2の実施の形態の電源回路は、図1に示した電源回路1の異常放電電流検出回路6の構成が相違するのみであり、他の回路構成については同じである。以下では、異常放電電流検出回路6の相違点のみを説明し、他の部分についての説明は省略する。
【0068】
第2の実施の形態では、異常放電電流検出回路6において、ツェナーダイオードZD3の向きを逆にしている。すなわち、異常放電電流検出回路6は、カソードがトランスT1の端子18とダイオードD6のアノードとの相互接続点の端子20に接続されるツェナーダイオードZD3と、グランド電位側を正極としてツェナーダイオードZD3のアノードに直列接続される電解コンデンサC7とにより構成され、負荷電流検出回路5に並列接続される。
【0069】
(第3の実施の形態)
図3は、第3の実施の形態の電源回路の構成を示す回路図である。なお、第3の実施の形態の電源回路は、図1に示した電源回路1の異常放電電流検出回路6の構成が相違するのみであり、他の回路構成については同じである。以下では、異常放電電流検出回路6の相違点のみを説明し、他の部分についての説明は省略する。
【0070】
第3の実施の形態では、異常放電電流検出回路6において、図1に示したツェナーダイオードZD3に変更して、互いに逆向きで並列接続されるダイオードD8、D9が用いられる。
【0071】
(第4の実施の形態)
図4は、第4の実施の形態の電源回路の構成を示す回路図である。なお、第4の実施の形態の電源回路は、図1に示した電源回路1の異常放電電流検出回路6の構成が相違するのみであり、他の回路構成については同じである。以下では、異常放電電流検出回路6の相違点のみを説明し、他の部分についての説明は省略する。
【0072】
第4の実施の形態では、上記第3の実施の形態と同様に、異常放電電流検出回路6において、図1に示したツェナーダイオードZD3に変更して、互いに逆向きで並列接続されるダイオードD8、D9が接続され、さらにダイオードD9のカソードに抵抗R9が接続される。抵抗R9は、電解コンデンサ7に蓄積された電荷をゆっくりと放出させるために設けられたものである。
【0073】
なお、上記第3、4の実施の形態について、図3、4にはダイオードD9を1つしか図示していないが、ダイオードD9として一般的なダイオード(順方向電圧0.6V)を使用する場合には、複数のダイオードを直列に接続して定電圧を取り出すようにしてもよい。
【0074】
以上述べた電源回路をコロナ放電を行う装置に適用する場合、例えば、静電式集塵装置、除電器、複写機、イオン発生器等の装置に適用する場合には、20kHz程度以上の周波数で発振動作させるようにするのが望ましい。
【0075】
なお、図1〜4に示した回路構成はほんの一例であり、本発明の電源回路がその構成に限定されるものではない。すなわち、信号入力回路2、発振回路3、トランスT1、整流平滑回路4、負荷電流検出回路5、異常放電電流検出回路6、比較判定回路7、定電流制御回路8の各機能が実現されるのであれば、どのような回路構成としてもかまわない。
【0076】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、負荷側においてスパークや微弱放電等の異常放電が発生した場合に、負荷に流れる電流を抑制して、その異常放電が連続するのを抑制することができる。したがって、異常放電が連続して発生することによる耳障りな音が生ずるのを防ぐことができる
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の電源回路の構成を示す回路図である。
【図2】第2の実施の形態の電源回路の構成を示す回路図である。
【図3】第3の実施の形態の電源回路の構成を示す回路図である。
【図4】第4の実施の形態の電源回路の構成を示す回路図である。
【符号の説明】
1 電源回路
2 信号入力回路
3 発振回路
4 整流平滑回路
5 負荷電流検出回路
6 異常放電電流検出回路
7 比較判定回路
8 定電流制御回路
T1 トランス
Q1 トランジスタ
R6 起動抵抗
R8 抵抗
R9 抵抗
ZD3 ツェナーダイオード
C6 コンデンサ
C7 電解コンデンサ
D8 ダイオード
D9 ダイオード
Claims (5)
- トランジスタのスイッチング作用によりトランスに高圧の交流出力を誘導し、その出力を整流平滑して負荷に直流を出力する構成とした電源回路であって、
上記負荷に瞬間的にインパルス状の大電流が流れた場合に、上記負荷に流れる電流の交流成分が増加したものとして、上記負荷に流れる電流を抑制する手段を備えたことを特徴とする電源回路。 - 上記トランジスタのスイッチング作用により直流入力を発振させて上記トランスから交流を出力させる発振回路と、
上記トランスから出力される交流を整流平滑して上記負荷に直流を出力する整流平滑回路と、
上記負荷に流れる電流に応じた電位を発生させる負荷電流検出回路と、
上記負荷電流検出回路で発生する電位と基準電位とを比較する比較判定回路と、
上記比較判定回路での比較に応じて上記発振回路のトランジスタを制御して定電流制御を行う定電流制御回路と、
上記負荷に瞬間的にインパルス状の大電流が流れた場合に、上記負荷に流れる電流の交流成分が増加したものとして、上記定電流制御回路により上記負荷に流れる電流を抑制する信号を上記負荷電流検出回路で一定期間だけ発生させる異常放電電流検出回路とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の電源回路。 - 上記負荷電流検出回路は抵抗を有することを特徴とする請求項2に記載の電源回路。
- 上記異常放電電流検出回路は定電圧を取り出すための定電圧素子と蓄電器とが直列接続される構成とされ、上記負荷電流検出回路に並列接続されることを特徴とする請求項2又は3に記載の電源回路。
- 上記異常放電電流検出回路はピーク信号を取り出すためのダイオードと蓄電器とが直列接続される構成とされ、上記負荷電流検出回路に並列接続されることを特徴とする請求項2又は3に記載の電源回路。
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