JP3563729B2 - 真空断熱材、並びに真空断熱材を用いた冷凍機器及び冷温機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、断熱を必要とするもの、例えば冷凍冷蔵庫、保温保冷容器、自動販売機、電気湯沸かし器、車両、及び住宅等の断熱材として使用可能な真空断熱材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球温暖化防止の観点から省エネルギーが強く望まれており、家庭用電化製品についても省エネルギー化は緊急の課題となっている。特に、冷凍冷蔵庫、自動販売機等の保温保冷機器では熱を効率的に利用するという観点から、優れた断熱性能を有する断熱材が求められている。
【0003】
一般的な断熱材として、グラスウールなどの繊維材やウレタンフォームなどの発泡体が用いられている。しかし、これらの断熱材の断熱性を向上するためには断熱材の厚さを増す必要があり、断熱材を充填できる空間に制限があって省スペースや空間の有効利用が必要な場合には適用することができない。
【0004】
そこで、高性能な断熱材として真空断熱材が提案されている。これは、スペーサの役割を持つ芯材を、ガスバリア性を有する外被材の中に挿入し内部を減圧して封止した断熱材である。
【0005】
芯材としては一般的に多孔体が用いられ、大きく分類すると、連通フォーム、繊維系、粉末系等に分類される。
【0006】
これらの芯材を外被材に封入した際、真空断熱材の周縁部には封止のための熱溶着部及び芯材挿入のための余裕代が、芯材が間に存在しない、外被材のみから構成されるひれ部として生じる。
【0007】
ひれ部には断熱効果がないため有効断熱面積が減少するだけでなく、例えば冷凍冷蔵庫の断熱壁に真空断熱材を適用し、更に発泡断熱材を充填した場合には、真空断熱材のひれ部により発泡断熱材の発泡や流動が妨げられ、発泡断熱材が充填されないキャビティーが生じ易くなり、これによって熱漏洩や壁面の変形等が生じる。
【0008】
そこで、ひれ部の悪影響をなくすために、特許第1519871号公報にはひれ部を折り曲げて固定する技術が記載されている。
【0009】
しかし、ひれ部を折り曲げて固定することは工数やコストの増加につながるとともに、折り曲げたひれ部と真空断熱材の芯材部との間に空間が生じると断熱性能の低下につながる。
【0010】
また、ひれ部を減少させた真空断熱材として、特開平7−269781号公報に記載の真空断熱材がある。
【0011】
これは、外被材のひれ部がない辺を有する袋形態を規定してひれ部を減少させることにより、例えば冷蔵庫に真空断熱材および発泡断熱材を適用した場合にも発泡断熱材の発泡や流動を容易にしている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、どのような袋形態においても、芯材外寸より外被材内寸を大きく取る必要があり、その差の余裕代部分が、外被材内部を減圧したときに間に芯材を含まないひれ部となってしまう。
【0013】
また、芯材外寸と外被材内寸との差を小さくし、外被材中に芯材を隙間なく挿入しようとしても、例えば芯材に粉末を内袋に入れたものを用いた場合など芯材に剛性がないと挿入が困難となり、外被材と芯材との間に隙間を大きく設ける必要がある。
【0014】
本発明は、芯材の曲げ弾性率により芯材に必要な剛性を明らかにして、外被材のひれ部をより少なくするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するため、本発明の真空断熱材は、ボード状の芯材を外被材の一辺の開口部から外被材中に挿入して前記外被材内を減圧し前記開口部を封止してなる真空断熱材であって、前記芯材は、平均繊維径0.1μm以上10μm以下の無機繊維にバインダーを付着させてボード状に圧縮成形してなり、前記芯材の減圧前の密度が100kg/m3以上400kg/m3以下で、前記芯材の減圧前の曲げ弾性率が0.5MPa以上であり、前記外被材は、熱融着層とガスバリア層と保護層と熱融着層とを積層してなるリボン状フィルムで、熱融着層とガスバリア層と保護層とを積層してなる1枚のラミネートフィルムの両端を溶着して製袋したものであることを特徴とするものである。
【0016】
曲げ弾性率が0.5MPa以上の芯材を用いることにより、芯材を外被材に挿入する際に芯材がたわんだり、あるいは割れたりすることもないため、芯材と外被材との隙間を小さくしてもスムーズに芯材を挿入することができ、ひれ部の少ない真空断熱材を得ることが可能となる。
【0017】
芯材の曲げ弾性率が0.5MPa未満になるとたわみ等が発生し、芯材と外被材の隙間を大きくしなければ挿入は容易ではない。
【0018】
無機繊維を主成分とし、バインダーを用いて成形したボード状の芯材とすることにより剛性が確保でき、芯材と外被材との隙間が小さくても外被材のへりで芯材が削られることを抑制することが可能となる。
【0019】
これに伴い、外被材のへりで芯材が削られて結局芯材と外被材の隙間が大きくなったり、削られた芯材が粉体となって外被材に付着して、減圧後にシール不良を引き起こす可能性も大幅に減少する。
【0020】
ここで、芯材に用いる無機繊維の平均繊維径が0.1μm未満であれば工業的生産は困難で実用上不向きであり、10μmより大きいと繊維間の空隙が大きくなり、初期断熱性能に優れた真空断熱材を得ることができない。
【0021】
また、密度を100kg/m3以上400kg/m3以下にすることにより繊維間の空隙径を減少させ、さらに無機繊維に対して20wt%以下のバインダーを添加して上記密度を保持することにより、所定の繊維径に対し初期断熱性能、及び信頼性の面から最適な空隙径を保持した芯材を得ることができる。
【0022】
ここで、密度が100kg/m3未満であればボードの剛性を維持することが困難であり、芯材と外被材の隙間が小さい場合はうまく芯材を挿入することができず、また400kg/m3より大きいと固体熱伝導の影響が大きくなり初期断熱性能が悪化する。
【0023】
芯材を外被材中に挿入する際、開口部の内周長が芯材外周長に対して大きすぎるとひれ部が増大し、小さすぎると芯材をスムーズに挿入できない。ここで、曲げ弾性率が所定の値以上の芯材であれば、開口部の内周長と芯材外周長との差が30mm以下という余裕代が小さい状態でもスムーズに挿入できるものである。
【0024】
また、外被材は、熱融着層とガスバリア層と保護層と熱融着層とを積層してなるリボン状フィルムで、熱融着層とガスバリア層と保護層とを積層してなる1枚のラミネートフィルムの両端を溶着して製袋したことにより、真空断熱材のひれ部を2側面及び上部において削減できる。
【0025】
このようにして作製した真空断熱材は、真空断熱材のひれ部を2側面及び上部において削減でき、芯材まわりにできるひれ部の面積を低減でき、有効断熱面積が向上し、冷凍機器及び冷温機器に適用する際にひれ部を処理する工程が削減できる。
【0026】
また、本発明の真空断熱材は、ボード状の芯材を外被材の一辺の開口部から外被材中に挿入して前記外被材内を減圧し前記開口部を封止してなる真空断熱材であって、前記芯材は、平均繊維径0.1μm以上10μm以下の無機繊維にバインダーを付着させてボード状に圧縮成形してなり、減圧後、大気圧下で前記外被材内における前記芯材の密度が110kg/m3以上413kg/m3以下で、減圧後、大気圧下で外被材より取り出した時の前記芯材の曲げ弾性率が0.2MPa以上であり、前記外被材は、熱融着層とガスバリア層と保護層と熱融着層とを積層してなるリボン状フィルムで、熱融着層とガスバリア層と保護層とを積層してなる1枚のラミネートフィルムの両端を溶着して製袋したものであることを特徴とするものである。
【0027】
繊維材をバインダーを使用して成形した芯材は弾性があるために、外被材に挿入して減圧し、大気圧により圧縮されると僅かではあるが縮小変形する傾向がある。この変形によりバインダーによる繊維同士の固着が破壊され、曲げ弾性率は低下する。
【0028】
この点に配慮したもので、減圧後、大気圧下で前記外被材より取り出した時の前記芯材の曲げ弾性率が0.2MPa以上の芯材を用いれば、芯材を外被材に挿入する際に芯材がたわんだり、あるいは割れたりすることもないため、芯材と外被材との隙間を小さくしてもスムーズに芯材を挿入することができ、ひれ部の少ない真空断熱材を得ることが可能となる。
【0029】
上述したとおり、芯材を減圧すると大気圧縮により縮小変形する傾向があり、外被材内における芯材の密度は減圧封止前より増加する。
【0030】
この点に配慮したもので、大気圧下で外被材内における前記芯材の密度が110kg/m3以上413kg/m3以下の芯材を用いれば、芯材と外被材との隙間が小さくても外被材のへりで芯材が削られることを抑制することが可能で、所定の繊維径に対し初期断熱性能、及び信頼性の面から最適な空隙径を保持した芯材を得ることができる。
【0031】
また、外被材は、熱融着層とガスバリア層と保護層と熱融着層とを積層してなるリボン状フィルムで、熱融着層とガスバリア層と保護層とを積層してなる1枚のラミネートフィルムの両端を溶着して製袋したことにより、真空断熱材のひれ部を2側面及び上部において削減できる。このようにして作製した真空断熱材は、真空断熱材のひれ部を2側面及び上部において削減でき、芯材まわりにできるひれ部の面積を低減でき、有効断熱面積が向上し、冷凍機器及び冷温機器に適用する際にひれ部を処理する工程が削減できる。
【0032】
また、本発明の真空断熱材を用いた冷凍機器及び冷温機器は、外箱と、内箱と、前記外箱と前記内箱によって形成される空間に上記本発明の真空断熱材を有することを特徴とするものである。
【0033】
外箱と内箱とによって形成される空間に、本発明のひれ部を減少させた真空断熱材を配置し、残りの空間に発泡断熱材を充填する場合に、真空断熱材のひれ部により発泡断熱材の発泡や流動が妨げられることもなく、発泡断熱材が均一に充填された、断熱性能に優れた冷凍機器および冷温機器を得ることができる。
【0034】
また、本発明の真空断熱材を用いた冷凍機器及び冷温機器は、圧縮機と、凝縮器と、キャピラリチューブと、蒸発器とを環状に接続した冷凍サイクルを備え、前記冷凍サイクル内に可燃性を有する冷媒を封入し、外箱と、内箱と、外箱と内箱とによって形成される空間に、上記本発明の真空断熱材を有することを特徴とするものである。
【0035】
例えば、冷凍冷蔵庫の断熱壁にひれ部を減少させた真空断熱材と発泡断熱材を用いることにより、発泡断熱材が均一に充填された、断熱性能に優れた冷凍冷蔵庫を得ることができるとともに、可燃性冷媒を封入した冷凍冷蔵庫に、特に無機繊維を使用した真空断熱材を配設することにより、何らかの条件により外部から冷凍冷蔵庫に類焼した場合でも、可燃性冷媒への類焼を減少させることができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の真空断熱材、並びに真空断熱材を用いた冷凍機器及び冷温機器について実施の形態を説明する。
【0037】
本発明の真空断熱材は、ボード状の芯材と、前記芯材を覆い内部を減圧した外被材とを備えたものである。
【0038】
また、本発明の真空断熱材は、前記芯材が平均繊維径0.1μm以上10μm以下の無機繊維とバインダーとからなるものである。
【0039】
無機繊維は、グラスウール,グラスファイバー,アルミナ繊維,シリカアルミナ繊維,シリカ繊維,ロックウール,炭化ケイ素繊維等を使用できる。
【0040】
芯材の作製方法としては、平均繊維径0.1μm以上10μm以下の所定量の無機繊維を集綿し、その集綿した無機繊維に、バインダーあるいはその希釈液を塗布したり、あるいはバインダーあるいはその希釈液中に無機繊維を浸漬したりすることにより、無機繊維に対しバインダーの固形分が20wt%以下となるようにバインダーを付着させる。その後、バインダーが希釈液であればその溶媒を必要に応じて乾燥した後、圧縮あるいは加熱圧縮することによりボード状に成形する。このとき、ボードの密度が100kg/m 3 以上400kg/m 3 以下となるように加圧する。前記ボードは所定の大きさに切断して芯材とし、外被材へ挿入する前に、水分乾燥を行ってもよい。
【0041】
前記バインダーは、無機あるいは有機バインダー等が使用可能であり、具体的には、コロイダルシリカ,アルミナゾル,水ガラス,セッコウ,低融点ガラス,ケイ酸ナトリウム等の無機バインダー、あるいはフェノール樹脂,尿素樹脂,メラミン樹脂,キシレン樹脂,フラン樹脂,エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、あるいは酢酸ビニル,アクリル系樹脂等の熱可塑性樹脂、あるいは天然物接着剤等の有機バインダーであり、これらを混合して使用したり、あるいはこれらを水あるいは公知の有機溶媒で希釈して使用することも可能である。
【0042】
本発明の真空断熱材の外被材とは、各種フィルムを積層したラミネートフィルムにより構成され、少なくともガスバリア層および熱融着層を有するものであり、必要に応じて表面保護層等を設けてもよい。
【0043】
前記ガスバリア層としては、金属箔、あるいは金属や無機酸化物、又はダイヤモンドライクカーボンを蒸着したプラスチックフィルム等を用いることができるが、気体透過を低減する目的で用いるものであれば、特に指定するものではない。
【0044】
上記金属箔としては、アルミニウム,ステンレス,鉄等の箔を用いることができるが、特に指定するものではない。
【0045】
また、前記金属等の蒸着を行う基材となるプラスチックフィルムの材料は特に指定するものではないが、ポリエチレンテレフタレート,エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂,ポリエチレンナフタレート,ナイロン,ポリアミド,ポリイミドなどへの蒸着が好ましい。
【0046】
前記プラスチックフィルム上への金属蒸着の材料は、アルミニウム,コバルト,ニッケル,亜鉛,銅,銀、あるいはそれらの混合物等特に指定するものではない。
【0047】
また、前記プラスチックフィルム上への無機酸化物蒸着の材料は、シリカ,アルミナ等特に指定するものではない。
【0048】
熱溶着層としては、低密度ポリエチレンフィルム,鎖状低密度ポリエチレンフィルム,高密度ポリエチレンフィルム,ポリプロピレンフィルム,ポリアクリロニトリルフィルム,無延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム,エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、あるいはそれらの混合体等を用いることができるが、特に指定するものではない。
【0049】
また、ガスバリア層の外面に表面保護層を設けることも可能である。表面保護層としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム,ポリプロピレンフィルムの延伸加工品などが利用でき、さらに外側にナイロンフィルムなどを設けると可とう性が向上し、耐折り曲げ性などが向上する。
【0050】
以上のようなフィルムをラミネートして用いる。
【0051】
さらに真空断熱材の信頼性を向上させる場合は、ガス吸着剤や水分吸着剤等のゲッター物質を使用することも可能である。その吸着機構は、物理吸着,化学吸着、および吸蔵,収着等のいずれでもよいが、非蒸発型ゲッターとして作用する物質が良好である。
【0052】
具体的には、合成ゼオライト,活性炭,活性アルミナ,シリカゲル,ドーソナイト,ハイドロタルサイト等の物理吸着剤の他、化学吸着剤としては、アルカリ金属やアルカリ土類金属の酸化物や、アルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物等が利用でき、特に、酸化リチウム,水酸化リチウム,酸化カルシウム,水酸化カルシウム,酸化マグネシウム,水酸化マグネシウム,酸化バリウム,水酸化バリウムが効果的に作用する。硫酸カルシウム,硫酸マグネシウム,硫酸ナトリウム,炭酸ナトリウム,炭酸カリウム,塩化カルシウム,炭酸リチウム,不飽和脂肪酸,鉄化合物等も効果的に作用する。
【0053】
また、バリウム,マグネシウム,カルシウム,ストロンチウム,チタン,ジルコニウム,バナジウム等の物質を単独、もしくは合金化したゲッター物質を適用するのがより効果的である。
【0054】
更には、このようなゲッター物質を少なくとも窒素,酸素,水分,二酸化炭素を吸着除去するため、種々混合して適用することも可能である。
【0055】
真空断熱材の製造方法は、1枚又は2枚のラミネートフィルムを使用して袋状の外被材を作製し、その外被材中に開口部から芯材を挿入する挿入ステップを経て内部を減圧する減圧ステップ、その後開口部を封止する封止ステップとして作製する方法が一般的であるが、減圧槽中に芯材とロール状あるいはシート状のラミネートフィルムからなる外被材を設置し、ロール状あるいはシート状の外被材を芯材に沿わせた状態にしてから外被材を熱融着することにより真空断熱材を作製する方法もある。
【0056】
なお、芯材の密度や曲げ弾性率等の確認は、真空断熱材を作製する前に測定する場合と、真空断熱材作製後、外被材から芯材を取り出して測定する場合がある。本発明では後者を基準とし、この時、密度は真空断熱材での芯材サイズを測定し、その後外被材から芯材を取り出して重量を測定することにより芯材密度を算出するものとするが、大気圧縮により減圧封止前より僅かに増加する傾向がある。また、曲げ弾性率は、外被材から芯材を取り出して測定した時には同等か、低下する傾向がある。
【0057】
また、ボード状の芯材を外被材に挿入する際、外被材の開口部の内周長とその開口部を通過する芯材外周長の最大部との差が0mmより大きく30mm以下であるように余裕代をとって芯材と外被材を作製しておけば、芯材を外被材中に挿入するとき、芯材が所定の曲げ弾性率以上であるため、芯材と外被材との隙間が小さくても容易に挿入できる。
【0058】
また、外被材の開口部と平行方向における少なくとも一断面において、減圧封止後の芯材の外周長と外被材の外周長との差が0mmより大きく70mm以下であるように芯材と外被材を作製しておく。
【0059】
減圧封止後の芯材の外周長とは、相当する外周長の長さを外被材の上から直接測定する、あるいは相当する外周長のある2辺は外被材の上から直接測定し、他の2辺はその厚みの近辺を外被材の上からシックネスゲージで測定し、それらの和を芯材外周長とする等、測定方法は特に指定するものではない。
【0060】
また、外被材の外周長とは、ひれ部となる部分も含むものである。
【0061】
本発明の真空断熱材を、例えば冷凍冷蔵庫の断熱壁に適用した場合、冷凍冷蔵庫の外箱と内箱とによって形成される空間の外箱側または内箱側に真空断熱材を貼付しその他の空間に樹脂発泡体を充填する、あるいは真空断熱材と発泡樹脂体とを一体発泡した断熱体を冷凍冷蔵庫の外箱と内箱とによって形成される空間に配設する、あるいはドア部に同様に使用する、あるいは仕切り板に使用する等、特に指定するものではないが、機械室と庫内を仕切る壁、あるいは冷凍室の周囲に前記真空断熱材を用いることは、特に断熱効率に優れ、低電力量で冷凍冷蔵庫を運転できるものである。
【0062】
また、樹脂発泡体とは、例えば硬質ウレタンフォーム,フェノールフォームやスチレンフォームなどを使用することができるが、特に指定するものではない。
【0063】
更に、これらのウレタンフォーム、例えば硬質ウレタンフォームを発泡する際に用いる発泡剤としては、特に指定するものではないが、オゾン層保護、地球温暖化防止の観点から、シクロペンタン,イソペンタン,n−ペンタン,イソブタン,n−ブタン,水(炭酸ガス発泡),アゾ化合物,アルゴン等が望ましく、特に断熱性能の点からはシクロペンタンが望ましい。
【0064】
また、本発明の真空断熱材はひれ部の面積が少ないので直接冷凍機器及び冷温機器の断熱壁に適用してもよいが、外被材中に芯材を挿入して減圧後にシールをした部分等についてはひれ部が残っていることもあるので、必要に応じてひれ部を折り曲げて使用してもよい。
【0065】
また、冷凍サイクルを有する冷凍機器及び冷温機器に使用する冷媒は、フロン134a,イソブタン,n−ブタン,プロパン,アンモニア,二酸化炭素,水等、特に指定するものではない。
【0066】
なお、冷凍機器及び冷温機器とは、動作温度帯である−30℃から常温、あるいは100℃程度までで断熱を必要とする機器の代表として示したものであり、一般的な冷凍冷蔵庫に加え、電子冷却を利用した冷蔵庫や保冷車等があり、あるいは自動販売機,ジャーポット,炊飯器等の、より高温までの範囲で温冷熱を利用した冷温機器を指す。
【0067】
また、ガス機器、あるいはクーラーボックス等動力を必要としない機器も含むものである。
【0068】
さらには、パソコンの内部発熱の断熱に対して使用することも可能である。
【0069】
以下、本発明の実施の形態について図を参照しながら詳細に説明する。
【0070】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における真空断熱材の斜視図であり、図2は図1のC−C断面図、図3は外被材の斜視図で真空断熱材の芯材を挿入する前の状態である。
【0071】
図1から図3において、1Bは真空断熱材であり、2Bは外被材、3Bはボード状の芯材である。外被材2Bは、1枚のラミネートフィルム2C及び幅400mmのリボン状フィルム2D(図2、図3斜線部)を用いてセンターテープシール袋として製袋し、芯材3BをC−C断面と垂直な方向にある開口部4Bから挿入したのち、内部を減圧して開口部4Bを熱溶着により密封されている。
【0072】
7BはC−C断面における芯材外周長であり、8Bは外被材外周長である。C−C断面の位置は、外被材2Bの開口部4Bと平行方向の一断面における芯材外周長7Bの最大部とするが、本実施の形態では芯材3Bはほぼ直方体であり、したがってC−C断面の位置は任意である。
【0073】
外被材2Bにおいて、ラミネートフィルム2Cは熱融着層として鎖状低密度ポリエチレン(以下LLDPEと称す)フィルムが50μm、ガスバリア層として厚み6μmのアルミ箔、さらに保護層として厚み12μmのPETにより構成されており、リボン状フィルム2Dは、ラミネートフィルム2CのPETの上にさらにLLDPEをラミネートしており、図3に示すように製袋している。
【0074】
芯材3Bは平均繊維径4.5μmのグラスウールの集綿材に対し、バインダーとしてコロイダルシリカ水溶液の固形分が10wt%となるように噴霧装置にて均一に塗布し、その後400℃のホットプレスにて密度が250kg/m3となるように10分間プレスしてボード状に成形した。
【0075】
このように作製した芯材3Bの曲げ弾性率をJ I S規格K7171に準拠して測定すると、3MPaであった。
【0076】
このボード状の芯材3Bを300mm×300mm×15mmに切断した。
【0077】
本実施の形態1における、外被材へ挿入する前の芯材外周長7Bは630mmであり、これに対して外被材2Bの開口部4Bの内周長は余裕代を20mmとって650mmとし、外被材外周長8Bもひれ部が存在しないので650mmとなるようにリボン状フィルム2Dで両端を溶着して外被材2Bを袋状に作製した。
【0078】
こうして作製した外被材2Bの中に、芯材3Bを140℃の乾燥炉で1時間乾燥したのち吸着剤9とともに挿入し、内部を10Paまで減圧しして開口部4Bを熱溶着により封止した。
【0079】
吸着剤9は、酸化カルシウムからなる水分吸着剤であり、通気性のある袋に封入されている。
【0080】
以上のような真空断熱材1Bの熱伝導率は、平均温度24℃にて0.0025W/mKであった。
【0081】
また、芯材3Bは減圧封止後、大気圧縮により厚みは14mmとなり、芯材外周長は628mmとなった。この時の芯材3Bの密度は267kg/m3となる。
【0082】
また、経時信頼性を確認するため加速試験による断熱材の劣化を評価したが、10年経過条件での熱伝導率は平均温度24℃にて0.006W/mKであった。更に、真空断熱材を解体して芯材を取り出し、曲げ弾性率を測定すると1MPaであった。
【0083】
すなわち、芯材3Bを外被材2Bに挿入するときの問題もなく、4方シールの真空断熱材と比較して、シール部を減少させ、吸着剤を適用したことにより経時信頼性が向上した。
【0084】
また、芯材外周長と外被材の開口部の内周長及び外被材外周長の関係を適正化してセンターテープシール袋としたことにより真空断熱材のひれ部を2側面及び上部において削減したことにより、有効断熱面積が向上したとともに、冷凍機器及び冷温機器に適用する際にひれ部を処理する工程が削減できた。
【0085】
(実施の形態2)
図4は本発明の実施の形態2における冷凍冷蔵庫の縦断面図である。
【0086】
冷凍冷蔵庫10は、鋼板からなる外箱11と、ABS樹脂からなる内箱12とによって形成される空間に実施の形態1に示した真空断熱材1Bを配設し、真空断熱材1B以外の残りの空間に硬質ウレタンフォーム13を発泡充填している。
【0087】
また、14は機械室で、15は圧縮機である。圧縮機15は、凝縮器(図示せず)、キャピラリチューブ(図示せず)、蒸発器(図示せず)とを環状に接続して冷凍サイクルを形成しており、冷媒はイソブタンを使用している。また、機械室14と冷蔵室16を仕切る断熱壁にも真空断熱材1Bを配設している。
【0088】
このように構成された冷凍冷蔵庫の消費電力量を測定したところ、真空断熱材を装着しない冷凍冷蔵庫よりも20%低下しており、断熱性能向上の効果を確認できた。
【0089】
また、真空断熱材1Bの2側面にひれ部がないことから、ウレタンフォームを充填する際に真空断熱材のひれ部により充填が阻害されることもなく、均一にウレタンフォームが充填されていることも確認できた。
【0090】
(比較例1)
図5は比較例1における真空断熱材の断面図である。
【0091】
図5において、21は真空断熱材であり、22は外被材、23はボード状の芯材である。外被材22を構成する2枚のラミネートフィルムのうち、1枚は熱融着層として高密度ポリエチレン(以下HDPEと称する)フィルムが50μm、ガスバリア層として厚み15μmのEVOHに膜厚500Åのアルミ蒸着を形成したフィルムと、厚み12μmのPETに500Åのアルミ蒸着を形成したフィルムをアルミ蒸着面同士貼り合わせたフィルムからなり、熱融着層のHDPEとガスバリア層のEVOHをドライラミネートしている。他の1枚は、熱融着層は厚み50μmのHDPE、その上にガスバリア層として厚み6μmのアルミ箔、さらに保護層として厚み12μmのPET,最外層として厚み12μmのナイロンにより構成されている。外被材22を三方シールにて製袋し、芯材23を挿入したのち内部を減圧して密封されている。
【0092】
芯材23は、平均繊維径12μmのグラスウールの集綿材に対し、バインダーとしてフェノール樹脂水溶液の固形分が1wt%となるように噴霧装置にて均一に塗布し、その後270℃の熱風循環炉の中で密度が60kg/m3となるように10分間プレスしてボード状に成形した。
【0093】
このように作製した芯材23の曲げ弾性率をJ I S規格K7171に準拠して測定したところ、0.05MPaであった。
【0094】
この芯材23を300mm×300mm×15mmに切断し、140℃の乾燥炉で1時間乾燥した後、開口部の内周長24を650mmとし外被材外周長25を690mmとなるように作製して製袋した外被材22中に挿入しようとしたところ、芯材の23の曲げ弾性率が小さく剛性が小さいためにたわみが発生し、外被材22中に芯材23をうまく挿入できなかったため、外被材の開口部の内周長24、及び外被材外周長25をさらに大きくして真空断熱材を作製することとなった。
【0095】
(比較例2)
図6は比較例2における真空断熱材の断面図である。
【0096】
図6において、31は真空断熱材であり、32は外被材、33は芯材である。芯材33は、平均2次粒子径7μmのシリカ粉末を、不織布を四方シールにて製袋した内袋34中に充填したものである。
【0097】
外被材32の材料構成は比較例1にて使用した外被材22と同一であり、三方シールにて製袋し、芯材33を挿入して内部を減圧したのち開口部を密封されている。
【0098】
ここで、内袋34の外周長、すなわち芯材外周長35は630mmであり、これに対して外被材32の開口部の内周長は余裕代を80mmとって710mm、外被材外周長36は770mmとなるように外被材32を作製した。
【0099】
芯材33は、外被材32に挿入する前に140℃の乾燥炉で1時間乾燥した。
【0100】
以上のようにして作製した真空断熱材31の熱伝導率は、平均温度24℃にて0.0065W/mKであった。
【0101】
また、経時信頼性を確認するため加速試験による断熱材の劣化を評価したが、10年経過条件での熱伝導率は平均温度24℃にて0.009W/mKであった。
【0102】
すなわち、芯材がボード状でないために剛性がなく、芯材外周長に対して外被材内周長を大きくしなければ外被材中に芯材を挿入できなかった。
【0103】
したがって、芯材外周長と外被材内周長との差が大きいためにひれ部面積が増大し、冷凍冷蔵庫の断熱壁等に本比較例2の真空断熱材を適用し、ウレタンフォームを充填する場合には、前記ひれ部がウレタンフォームの流動を阻害し、ウレタンフォームが充填されないキャビティーが生じ、熱漏洩や壁面の変形等が生じる恐れがある。
【0104】
(比較例3)
比較例2で示した真空断熱材31を、実施の形態2に示した冷蔵庫に適用した。
【0105】
実施の形態2記載の冷凍冷蔵庫10と比較して、適用した真空断熱材31のひれ部の面積が増大しているため、ウレタンフォームを充填する際に真空断熱材31のひれ部により充填が阻害され、一部にキャビティーの発生が確認された。
【0106】
したがって、実施の形態2と同様の方法で真空断熱材を貼付しても、実施の形態2にて示した消費電力量を達成することができなかっただけでなく、一部壁面の変形も確認できた。
【0107】
【発明の効果】
以上のように、本発明の真空断熱材は、ボード状の芯材を外被材の一辺の開口部から外被材中に挿入して前記外被材内を減圧し前記開口部を封止してなる真空断熱材であって、前記芯材は、平均繊維径0.1μm以上10μm以下の無機繊維にバインダーを付着させてボード状に圧縮成形してなり、前記芯材の減圧前の密度が100kg/m3以上400kg/m3以下で、前記芯材の減圧前の曲げ弾性率が0.5MPa以上であり、前記外被材は、熱融着層とガスバリア層と保護層と熱融着層とを積層してなるリボン状フィルムで、熱融着層とガスバリア層と保護層とを積層してなる1枚のラミネートフィルムの両端を溶着して製袋したものであることを特徴とするものであり、芯材の減圧前の曲げ弾性率を0.5MPa以上としたので、芯材を外被材に挿入する際に芯材がたわんだり、あるいは割れたりすることもないため、芯材と外被材との隙間を小さくしてもスムーズに芯材を挿入することができ、ひれ部の少ない真空断熱材を得ることができる。
【0108】
また、芯材は、平均繊維径0.1μm以上10μm以下の無機繊維にバインダーを付着させてボード状に圧縮成形してなり、前記芯材の減圧前の密度が100kg/m3以上400kg/m3以下であるので、芯材と外被材との隙間が小さくても外被材のへりで芯材が削られることを抑制することが可能となるとともに、削られた芯材が粉体となって外被材に付着して、減圧後にシール不良を引き起こす可能性も大幅に減少する。また、初期断熱性能、及び信頼性の面から最適な空隙径を保持した芯材を得ることができる。
【0109】
また、外被材は、熱融着層とガスバリア層と保護層と熱融着層とを積層してなるリボン状フィルムで、熱融着層とガスバリア層と保護層とを積層してなる1枚のラミネートフィルムの両端を溶着して製袋したことにより、真空断熱材のひれ部を2側面及び上部において削減でき、芯材まわりにできるひれ部の面積を低減でき、有効断熱面積が向上し、冷凍機器及び冷温機器に適用する際にひれ部を処理する工程が削減できる。
【0110】
また、本発明の真空断熱材は、ボード状の芯材を外被材の一辺の開口部から外被材中に挿入して前記外被材内を減圧し前記開口部を封止してなる真空断熱材であって、前記芯材は、平均繊維径0.1μm以上10μm以下の無機繊維にバインダーを付着させてボード状に圧縮成形してなり、減圧後、大気圧下で前記外被材内における前記芯材の密度が110kg/m3以上413kg/m3以下で、減圧後、大気圧下で外被材より取り出した時の前記芯材の曲げ弾性率が0.2MPa以上であり、前記外被材は、熱融着層とガスバリア層と保護層と熱融着層とを積層してなるリボン状フィルムで、熱融着層とガスバリア層と保護層とを積層してなる1枚のラミネートフィルムの両端を溶着して製袋したものであることを特徴とするものであり、減圧後、大気圧下で外被材より取り出した時の芯材の曲げ弾性率を0.2MPa以上としたので、芯材を外被材に挿入する際に芯材がたわんだり、あるいは割れたりすることもないため、芯材と外被材との隙間を小さくしてもスムーズに芯材を挿入することができ、ひれ部の少ない真空断熱材を得ることができる。
【0111】
また、芯材は、平均繊維径0.1μm以上10μm以下の無機繊維にバインダーを付着させてボード状に圧縮成形してなり、減圧後、大気圧下で前記外被材内における前記芯材の密度が110kg/m3以上413kg/m3以下であるので、芯材と外被材との隙間が小さくても外被材のへりで芯材が削られることを抑制することが可能となるとともに、削られた芯材が粉体となって外被材に付着して、減圧後にシール不良を引き起こす可能性も大幅に減少する。また、初期断熱性能、及び信頼性の面から最適な空隙径を保持した芯材を得ることができる。
【0112】
また、外被材は、熱融着層とガスバリア層と保護層と熱融着層とを積層してなるリボン状フィルムで、熱融着層とガスバリア層と保護層とを積層してなる1枚のラミネートフィルムの両端を溶着して製袋したことにより、真空断熱材のひれ部を2側面及び上部において削減でき、芯材まわりにできるひれ部の面積を低減でき、有効断熱面積が向上し、冷凍 機器及び冷温機器に適用する際にひれ部を処理する工程が削減できる。
【0113】
また、本発明の真空断熱材を用いた冷凍機器及び冷温機器は、外箱と、内箱と、前記外箱と前記内箱によって形成される空間に、本発明のひれ部を減少させた真空断熱材を配置することにより、真空断熱材のひれ部により発泡断熱材の発泡や流動が妨げられることもなく、発泡断熱材を均一に充填させることができる。
【0114】
また、本発明の真空断熱材を用いた冷凍機器及び冷温機器は、圧縮機と、凝縮器と、キャピラリチューブと、蒸発器とを環状に接続した冷凍サイクルを備え、前記冷凍サイクル内に可燃性を有する冷媒を封入し、外箱と、内箱と、外箱と内箱とによって形成される空間に、ひれ部を減少させた真空断熱材と発泡断熱材を用いることにより、発泡断熱材が均一に充填された、断熱性能に優れた冷凍冷蔵庫を得ることができるとともに、可燃性冷媒を封入した冷凍冷蔵庫に、特に無機繊維を使用した真空断熱材を配設することにより、何らかの条件により外部から冷凍冷蔵庫に類焼した場合でも、可燃性冷媒への類焼を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における真空断熱材の斜視図
【図2】図1のC−C断面図
【図3】本発明の実施の形態1における外被材の斜視図
【図4】本発明の実施の形態2における冷凍冷蔵庫の縦断面図
【図5】比較例1における真空断熱材の断面図
【図6】比較例2における真空断熱材の断面図
【符号の説明】
1B 真空断熱材
2B 外被材
3B 芯材
4B 開口部
7B 芯材外周長
8B 外被材外周長
11 外箱
12 内箱
15 圧縮機
Claims (4)
- ボード状の芯材を外被材の一辺の開口部から外被材中に挿入して前記外被材内を減圧し前記開口部を封止してなる真空断熱材であって、前記芯材は、平均繊維径0.1μm以上10μm以下の無機繊維にバインダーを付着させてボード状に圧縮成形してなり、前記芯材の減圧前の密度が100kg/m3以上400kg/m3以下で、前記芯材の減圧前の曲げ弾性率が0.5MPa以上であり、前記外被材は、熱融着層とガスバリア層と保護層と熱融着層とを積層してなるリボン状フィルムで、熱融着層とガスバリア層と保護層とを積層してなる1枚のラミネートフィルムの両端を溶着して製袋したものであることを特徴とする真空断熱材。
- ボード状の芯材を外被材の一辺の開口部から外被材中に挿入して前記外被材内を減圧し前記開口部を封止してなる真空断熱材であって、前記芯材は、平均繊維径0.1μm以上10μm以下の無機繊維にバインダーを付着させてボード状に圧縮成形してなり、減圧後、大気圧下で前記外被材内における前記芯材の密度が110kg/m3以上413kg/m3以下で、減圧後、大気圧下で外被材より取り出した時の前記芯材の曲げ弾性率が0.2MPa以上であり、前記外被材は、熱融着層とガスバリア層と保護層と熱融着層とを積層してなるリボン状フィルムで、熱融着層とガスバリア層と保護層とを積層してなる1枚のラミネートフィルムの両端を溶着して製袋したものであることを特徴とする真空断熱材。
- 外箱と、内箱と、前記外箱と前記内箱とによって形成される空間に真空断熱材とを有し、前記真空断熱材が請求項1または請求項2記載のものであることを特徴とする真空断熱材を用いた冷凍機器及び冷温機器。
- 圧縮機と、凝縮器と、キャピラリチューブと、蒸発器とを環状に接続した冷凍サイクルを備え、前記冷凍サイクル内に可燃性を有する冷媒を封入し、外箱と、内箱と、前記外箱と前記内箱とによって形成される空間に真空断熱材とを有し、前記真空断熱材が請求項1または請求項2記載のものであることを特徴とする真空断熱材を用いた冷凍機器及び冷温機器。
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