JP3563545B2 - 線状光源装置、これに用いる導光部材、およびこの導光部材を用いた線状光源装置を備えた画像読み取り装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本願発明は、いわゆる密着イメージセンサなどの原稿読み取り用の原稿照明として好適に利用することができる線状光源装置、この線状光源装置に用いられる導光部材、およびこの導光部材を用いた線状光源装置を備えた画像読み取り装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
密着型イメージセンサに用いられる線状光源装置の従来の一般的な構成を、図14(a)に示す。この線状光源装置は、基板8の表面に、複数のLED9を実装したものであるが、原稿Dの幅と略同等の読み取りラインの全長領域に光を照射する必要があるために、上記複数のLED9は、等間隔で一列状に配列されている。
【0003】
ところが、このような線状光源装置では、点的な光源であるLED9が離散的に配置されていることから、原稿Dの被照射面における照度は、同図(b)に示すように、原稿Dの幅方向において周期的に強弱変化し、原稿Dの被照射面の各所の照度が一定しない。これでは、原稿Dの読み取りラインに沿って同じ明度の原稿をイメージセンサによって読み取ったとしても、イメージセンサからの出力においては、読み取りラインの長手方向に周期的な強弱変化が出てしまい、読み取り画像の質の低下を招いてしまう。また、上記線状光源装置では、照明用光源として多数のLED9を必要とするため、その分製造コストが高くなるばかりか、これら多数のLED9のそれぞれには、光度(輝度)のバラツキがあり、これが原因となって、原稿Dの被照射面の各所の照度により大きなバラツキを生じさせて、イメージセンサによる読み取り画像の質を一層低下させるという不具合をも生じさせる。
【0004】
そこで、従来では、上記のような不具合を解消する手段として、たとえば特開平6−217084号公報に所載の線状光源装置が提案されている。同公報に所載の線状光源装置は、本願の図15(a)に示すように、一定長さを有する透明部材からなる導光部材1eの長手方向端部の端面を光入射部15eとして、この光入射部15eに対向させて光源9eを配したものである。また、上記導光部材1eの長手方向に延びる一側面を光出射面12eとし、この光出射面12eと厚み方向に対向する他の側面の全長域に乱反射面14eを設けている。
【0005】
上記構成の線状光源装置では、光入射部15eから導光部材1eの内部に照射された光を、乱反射面14eにおいて乱反射させることにより、この乱反射された光を光出射面12eから導光部材1eの外部に出射させることができる。したがって、上記光出射面12eの長さを原稿Dの幅寸法と略同等な寸法に設定しておけば、原稿Dの幅方向の全長領域に光を照射することができる。また、光源9eを多数設ける必要はなく、その個数を最小個数とすることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報に所載の従来の線状光源装置では、次のような不具合を生じていた。
【0007】
すなわち、上記従来の線状光源装置は、導光部材1eの長手方向端部の端面を光入射部15eとし、この光入射部15eから導光部材1e内に入射した光を、乱反射面14eによって乱反射させることによって、光出射面12eから出射させる原理であるのに対し、上記乱反射面14eは、導光部材1eの一側面の長手方向の全長域にわたって各所均一なかたちで設けられているに過ぎない。したがって、従来では、光入射部15eから導光部材1e内に入射した光の多くは、乱反射面14eのうち、上記光入射部15eに近い部分に到達し、この部分において光出射面12e方向に乱反射される傾向が非常に強い。すなわち、光入射部15eから導光部材1e内に入射した光の多くは、光入射部15eから遠く離れた部分には到達することなく、乱反射面14eの光入射部15eに近い部分において乱反射されてから、光出射面12eより出射する。
【0008】
このため、従来では、図15(b)に示すように、原稿Dの被照射面の照度は、光源9eに近い部分が高くなってしまい、光源9eから離れた位置になるにしたがってその照度が低くなる。その結果、従来においては、原稿Dの被照射面の全長領域の照度に未だ大きなバラツキを生じており、これが原因となってイメージセンサによって原稿画像を読み取る際の画質の低下を招来するという不具合を生じていた。なお、このような画質の低下を補償しようとすれば、複雑な補正回路を必要とし、画像読み取り装置のコストアップを招き、好ましくない。
【0009】
本願発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、多数の光源を用いることなく、簡易かつ製造コストの安価な手段によって、線的な領域に対して各所均等な光量で光を照射できるようにすることをその課題としている。
【0010】
【発明の開示】
上記の課題を解決するため、本願発明は、次の技術的手段を採用している。
【0011】
本願発明の第1の側面によれば、線状光源装置に用いるための導光部材が提供される。この導光部材は、一定長さを有する透明部材の長手方向に延びる第1側面が光出射面とされ、かつ上記透明部材の上記第1側面を除く他の側面のいずれかの部位が光入射部とされている導光部材であって、上記光出射面と厚み方向に対向する第2側面には、全反射領域と上記第2側面上に点在する多数のドット状の乱反射領域とが設けられており、上記ドット状の乱反射領域は、上記光入射部から遠ざかるにしたがってそのドット密度が高くなっていることにより、上記全反射領域に対する乱反射領域の面積比率は、上記光入射部から遠ざかるにしたがって高められていることに特徴づけられる。
【0012】
上記光入射部は、上記透明部材の長手方向端部の端面、または上記第2側面の長手方向中間部に形成されている構成とすることできる。
【0013】
また、上記全反射領域は、上記第2側面の鏡面仕上げされた領域であるとともに、上記乱反射領域は、上記第2側面の鏡面仕上げされた面に光散乱反射を行う塗料を塗装した領域とすることができる。上記全反射領域では、導光部材を構成する透明部材の屈折率によって規定される臨界入射角(入射角は、表面の法線に対する角度)よりも大きな入射角の光を受けたときには、この光を全反射し、光導入部から導光部材内に入射した光を導光部材の内部に戻すこととなる。その一方、上記臨界入射角よりも小さな入射角の光を受けたときには、この光を導光部材の外部に透過させる。これに対し、上記乱反射領域は、光の入射角には関係なく、光を受けた場合にはその光を乱反射させる。
【0015】
本願発明においては、導光部材の第2側面の乱反射領域が、第2側面の全長域にわたって各所均等に設けられているのではなく、上記第2側面には、乱反射領域と全反射領域とが混在して設けられており、しかもその乱反射領域は、光入射部から遠ざかるにしたがって全反射領域に対する面積比率が高くなるように設けられている。換言すると、光入射部に近い部分においては、光入射部から導光部材内に入射する光を光出射面から出射させる機能を発揮する乱反射領域が少ない反面、導光部材内に入射する光を導光部材の長手方向に導く機能を発揮する全反射領域が多くなっている。このため、光入射部から導光部材内に入射した光の多くがこの光入射部に近い乱反射領域において集中的に乱反射することが解消され、導光部材の光出射面のうち、光入射部に近い部分から多くの光が導光部材の外部に出射することが回避される。その一方、導光部材のうち光入射部から遠く離れた位置においては、乱反射領域の面積比率が高いために、この部分においては導光部材に入射された光を効率良く光出射面から導光部材の外部へ出射させることができる。
【0016】
したがって、導光部材の長手方向に延びている光出射面からは、各所略均等な光量で光を出射させることが可能となり、原稿面の読み取りラインの全長域の各所の照度を均一化することができる。その結果、読み取りラインの照度のバラツキに原因する読み取り画像の質の低下を防止することができるという好ましい効果が得られる。
【0017】
むろん、本願発明では、導光部材の一部に設けられた光入射部から導光部材内に光を入射させてから、この入射した光を導光部材の長手方向に延びる光出射面から外部へ出射させるために、光源としては、多数設ける必要はなく、光源の個数を最小個数とすることができる。したがって、部品点数の増加、およびこれに原因する製造コストの上昇なども適切に回避することができる。
【0018】
本願発明の第2の側面によれば、上記本願発明の第1の側面にかかる導光部材を用いた線状光源装置が提供される。この線状光源装置は、上記した導光部材が用いられ、この導光部材の光入射部に隣接して光源が配置されて構成されていることに特徴づけられる。上記光源としては、LEDを用いることができ、さらに具体的には、R,G,Bの3種類の波長のLEDを組み合わせたもの、あるいは白色のLEDを用いることができる。また、上記光源の配置方法は、たとえば、LEDを導光部材の光入射部に接着するなどして付属させてもよいし、基板上に実装したLEDを上記導光部材の上記光入射部に隣接させてもよい。
【0019】
本願発明の第3の側面によれば、上記本願発明の第2の側面にかかる線状光源装置を用いた画像読み取り装置が提供される。この画像読み取り装置は、ケーシングの一面に形成された画像読み取り面上を接触搬送される原稿に上記ケーシング内に設けられた光源装置からの光を照射し、上記画像読み取り面上に設定された読み取りラインにおける原稿からの反射光を上記ケーシング内に上記読み取りライン方向に配列された複数の受光素子に集束させるようにした画像読み取り装置であって、上記光源装置として、上記第2の側面に係る線状光源装置を用い、その光出射面から出射させた光が上記読み取りライン上の原稿を照明するように構成したことに特徴づけられる。
【0020】
本願発明の第2の側面および第3の側面によって提供される線状光源装置、および画像読み取り装置によれば、上述した本願発明の第1の側面によって提供される導光部材について得られるのと同様な効果が期待できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1は、導光部材1、およびこれを用いた線状光源装置Aの第1の実施形態の正面図である。図2は、図1の底面図である。図3は、図1のX−X線断面図である。図4は、図1に示す導光部材の内部における光の進行状態の説明図である。
【0022】
図1ないし図3において、本実施形態に係る導光部材1は、たとえばPMMAなどのアクリル系透明樹脂を成形して得られる透明部材11がその主要部を占めている。この透明部材11は、所定の長手方向寸法を有する部材であり、厚み方向に相互に対向して透明部材11の長手方向に延びる第1側面11Aと第2側面11B、第3側面11Cと第4側面11D、および長手方向両端の端面11E,11Fとを有している。
【0023】
上記第1側面11Aは、好ましくは、鏡面仕上げされた平坦面とされ、後述するように、この第1側面は、光出射面12として機能する。また、上記第3側面11C、および第4側面11Dも、本実施形態においては、鏡面仕上げされた平坦面となっている。
【0024】
上記第2側面11Bは、その長手方向両端部から長手方向中央部に向かうにつれて、上記第1側面11Aとの相互間の距離が漸次縮小する平坦状の傾斜面となっており、その表面には、鏡面仕上げ状態の複数の全反射領域13と、複数の乱反射領域14とが混在している。上記第2側面11Bを傾斜面にすれば、透明部材11内に入射させた光を乱反射領域14に対して効率よく光をあてることができるので好ましいが、本願発明はこれに限定されず、上記第2側面11Bを非傾斜面状に形成してもかまわない。
【0025】
上記第2側面11Bに全反射領域13と乱反射領域14とを混在させる手法としては、たとえば、第2側面11Bの全体を鏡面仕上げ面とし、そのうちの選択された領域に光散乱反射性を有する白色の塗装を施す手段を採用することができる。(ただし、図面では白色塗装部分を黒色で示している)。塗料の具体的な材質は問わないが、たとえばアクリルラッカペイントなどを用いることができる。本実施形態では、上記塗装領域が乱反射領域14に相当し、塗装が施されていない鏡面仕上げ状態のままの領域が全反射領域13に相当する。また、本願発明でいう鏡面仕上げとは、必ずしも表面が積極的に研磨加工されている必要はなく、たとえば金型などを用いた樹脂成形によって導光部材1を製造する場合には、その樹脂成形されたままの比較的滑らかな表面でよい。
【0026】
図2によく表れているように、上記乱反射領域14は、上記第2側面11Bの短手方向の幅と略同一幅に形成され、上記第2側面11Bの長手方向に沿って断続的に複数箇所設けられている。したがって、第2側面11Bにおいては、複数の乱反射領域14と複数の全反射領域13とが、交互に設けられたかたちとなっている。ただし、重要な構成として、上記複数の乱反射領域14は、透明部材11の長手方向両端部からその長手方向中央部へ向かうにつれてその寸法La〜Leが徐々に大きくなるように形成されている。これに対し、全反射領域13については、その長さは略一定の幅Sに形成されている。これにより、上記乱反射領域14の全反射領域13に対する面積比率は、透明部材11の長手方向端部から長手方向中央部にむかうにしたがって次第に大きくなっている。
【0027】
本実施形態においては、上記透明部材11の端面11E,11Fが、光入射部15,15とされている。これらの光入射部15,15のそれぞれの近傍には、たとえば3種類のLEDランプ3A〜3Cが配され、これらのLEDランプ3A〜3Cから発せられる光が、上記光入射部15,15のそれぞれから導光部材1内に入射するように構成されている。3種類のLEDランプ3A〜3Cとしては、R,G,B(レッド,グリーン,ブルー)の各色の光を発するLEDランプが用いられる。本実施形態に係る線状光源装置Aは、上記導光部材1と、LEDランプ3A〜3Cとを具備して構成されている。
【0028】
次に、上記構成の導光部材1、およびこの導光部材1を備えた線状光源装置Aの作用について説明する。
【0029】
図4において、3種類のLEDランプ3A〜3Cのうち、たとえばLEDランプ3Aを発光させると、このLEDランプ3Aから発せられた光は、導光部材1内に入射する。この導光部材1内に入射して進行する光は、導光部材1の側面11A〜11Dの各所に到達するが、これら各側面11A〜11Dのうち、白色塗装が施された乱反射領域14を除く領域は、全反射領域となっている。したがって、透明部材11の材質によって特定される所定の全反射臨界角よりも大きな入射角で上記全反射領域に到達した光は、全反射領域の各部において全反射され、このような全反射を繰り返しながら、導光部材1内の長手方向略中央部に進んでゆく。一方、上記導光部材1内に入射した光のうち、一部の光は、第2側面11Bの乱反射領域14に直接到達する。また、全反射を繰り返しながら導光部材1内の長手方向略中央部に進んでゆく光も、上記乱反射領域14に到達する。
【0030】
上記乱反射領域14においては、光の入射角には関係なく、受けた光を種々の方向に乱反射する。したがって、この乱反射した光のうち、所定の全反射臨界角よりも小さな入射角で光出射面12に到達した光は、この光出射面12を透過し、導光部材1の外部へ出射することとなる。このようにして、結局、LEDランプ3Aから導光部材1内に入射した光は、第2側面11Bの長手方向に沿って複数箇所設けられた乱反射領域14によって乱反射されることにより、光出射面12の長手方向の全域から導光部材1の外部へ出射することとなる。したがって、上記構成の線状光源装置Aは、一定長を有する所望の線状領域の各所に光を照射し得る線状光源として、適切に機能することとなる。
【0031】
また、上記のように光の照射を行わせている状態では、本来的には、導光部材1内を進行する光の量は、光入射部15に近い部分ほど多くなり、また光入射部15から遠い導光部材1の長手方向中央部になるほど少なくなるはずである。ところが、上記導光部材1では、光入射部15に近い部分ほど、第2側面11Bに設けられている乱反射領域14の面積比率が小さく、かつ全反射領域13の面積比率が大きくなっているために、光入射部15に近い部分では、強い光のうち比較的少量の光が小面積の乱反射領域14によって乱反射されることとなって、光出射面12から外部へ出射する光の量が抑制される。また、乱反射されない光については、大面積の全反射領域13によって全反射させることにより、導光部材1の長手方向中央部側に効率良く導くことができることとなる。これに対し、光入射部15から遠い導光部材1の長手方向中央部分では、比較的弱い光を面積の大きな乱反射領域14によって乱反射させ、光出射面12から効率よく外部へ出射させることができ、光出射面12から外部へ射出する光の量を確保することができる。したがって、導光部材1の光出射面12から出射し、線状の照明領域を照明する光の量を、導光部材1の長手方向に均一化することができる。すなわち、光入射部15,15に近い部分の照度が、他の部分の照度よりも、大幅に高くなることを適切に解消することが可能となる。
【0032】
図5は、上記線状光源装置Aを用いた画像読み取り装置Bの一例を示す断面図である。
【0033】
この画像読み取り装置Bは、いわゆる密着型カラーイメージセンサとして構成されたものである。この画像読み取り装置Bは、ケーシング41の上面に透明ガラス板からなる画像読み取り面42を備え、この画像読み取り面42に密着させるようにしてプラテン43によってバックアップされながら搬送される原稿Dの画像を、1ラインごとに読み取るように構成されている。
【0034】
ケーシング41の下面には、基板44が取付けられ、この基板44には、所定数の受光素子が造りこまれたイメージセンサチップ45が、複数個1列に取付けられている。たとえば、A4幅の原稿を200dpiの読み取り密度で読み取るためには、上記受光素子は、125μmピッチで1728個配置される。1個のイメージセンサチップ45には、たとえば96個の受光素子が一体に造りこまれ、したがって、この場合には計18個のイメージセンサチップ45が基板上に配列されることになる。
【0035】
画像読み取り面42に設定された読み取りラインLの鉛直方向下方位置には、上記複数個のイメージセンサチップ45が配列され、かつ、読み取りラインLとイメージセンサチップ45との間には、レンズアレイ46が配置される。このレンズアレイ46は、読み取りラインL上の画像を、正立等倍に上記複数個のイメージセンサチップ45上に配列された1728個の受光素子上に集束させる。
【0036】
ケーシング41内の上記画像読み取り面42の下方において、上記レンズアレイ46の側方に設定された空間には、上記線状光源装置Aが配置される。この場合、導光部材1の左右幅方向中心線L1が、上記画像読み取り面42の読み取りラインLを向くように配置される。
【0037】
上記導光部材1の光出射面12から発した光は、読み取りラインL上の原稿Dを、効率よく照明する。この場合、各色のLEDランプ3A,3B,3Cは、順次切り換え点灯される。原稿Dは、所定ピッチずつ副走査方向に送られ、1ラインごとの原稿画像のR、G、B各色ごとの画像データが、イメージセンサチップ45によって順次読み取られる。
【0038】
上記画像読み取り装置Bにおいては、線状光源装置Aが2個ずつ設けられたR,G,Bの各色のLEDランプ3A〜3Cから発した光を、所定長さの照明領域に均等に広げて照射するようにしているので、多数のLEDランプを使用する場合に想定される読み取り幅方向の光量の偏在、各LEDランプの発色光の微妙な相違などに起因した読み取り画像の色調の偏差などの画像読み取り品質の低下要因を効果的に解消することができる。また、各色のLEDランプ3A〜3Cを、導光部材1の長手方向両端部の一側方に集中的に配置しているので、各色のLEDランプが読み取り幅方向に配列される場合に想定される、読み取り画像の色調の偏差をも、効果的に回避することができる。さらに、導光部材1内を進行させた光を、導光部材1の光出射面12から集中的に出射させているので、照明効率が非常に良く、各色2個ずつのLEDランプ3A〜3Cを用いているにも拘わらず、十分な照明光量を確保することができる。
【0039】
図6は、導光部材1A、およびこれを用いた線状光源装置aの第2の実施形態の正面図である。図7は、図6の底面図である。図8は、図6の要部拡大正面図である。なお、先の第1実施形態と同一部位については、同一符号で示し、その説明は便宜上省略する。以降の図面についても同様である。
【0040】
本実施形態に係る導光部材1Aは、第1実施形態とは異なり、導光部材の長手方向端部から導光部材内に光を入射させるのではなく、導光部材1Aの長手方向中間部分から導光部材1A内に光を入射させる構成となっている。具体的には、この導光部材1Aは、透明部材11aの第1側面11Aを光出射面12とし、かつ、この光出射面12と幅方向に対向する第2側面11Bに、複数の全反射領域13と乱反射領域14とを交互に設けている点で、先の第1実施形態と共通している。ただし、光入射部15Aは、上記第2側面11Bの長手方向中間部に1箇所のみ設けられている。この導光部材1Aでは、光入射部15Aの位置が第1実施形態とは相違することに対応し、上記第2側面11Bの全反射領域13と乱反射領域14とは、透明部材11aの長手方向中央部から長手方向両端部に向かうにつれて、全反射領域13に対する乱反射領域14の面積比率が高くなっている。上記全反射領域13と乱反射領域14との形成手法は、第1の実施形態で説明したのと同様な手段を採用することができる。
【0041】
図8によく表れているように、上記透明部材11aの光出射面12における長手方向中央部、すなわち、上記第2側面11Bに設定された光入射部15Aと厚み方向に対向する部位には、略V字状の凹入部20が形成されている。この略V字状の凹入部20は、2つの傾斜面21,21と、これらの傾斜面21,21の底端部を繋ぐ水平状の底面22とを有するように形成されている。上記2つの傾斜面21,21は、鏡面仕上げとされる一方、上記底面22は、凹凸を有する光拡散面とされている。このように光拡散面を設ける理由は、第2側面11Bの光入射部15Aから透明部材11内に入射する光が、直接的に光出射面12を透過して輝点が現れるのを回避するためであるが、このような輝点の出現を回避するための手段としては、上記底面22を凹凸状に形成する手段に代えて、たとえば上記底面22に金属層を蒸着などによって形成する手段を用いてもよい。
【0042】
上記導光部材1Aの光入射部15Aには、これに隣接してLED3Dが配置される。むろん、カラー原稿の読み取りに対応させる場合には、R,G,Bの各3色のLEDが配置される。本実施形態に係る線状光源装置Aaは、上記導光部材1AとLED3Dとを具備して構成される。なお、上記透明部材11aの長手方向両端の端面11E,11Fは、たとえば金属を蒸着した全反射面として形成されている。これは、透明部材11aの端部まで進行してきた光がそのまま透明部材11aの外部に透過するのを阻止するためである。
【0043】
次に、上記構成の導光部材1A、および線状光源装置Aaの作用について説明する。
【0044】
図8において、LED3Dから発せられた光は、上記凹入部20の傾斜面21,21に対して全反射臨界角よりも大きい角度で入射し、また上記光出射面12に対しても全反射臨界角よりも大きい角度で入射することとなる。したがって、上記光は、上記傾斜面21,21、および光出射面12において全反射する。さらに、このようにして全反射された光のうち、第2側面11Bの全反射領域13に到達した光は、この部分において全反射する。導光部材1内に入射した光は、このような全反射を繰り返しながら、導光部材1の長手方向両端部方向に進んでゆく。その一方、上記全反射を繰り返している光のうち、第2側面11Bの乱反射領域14に到達した光は、乱反射する。すると、この乱反射した光のうち、光出射面12の全反射臨界角よりも小さい角度で光出射面12に到達した光は、この光出射面12を透過して導光部材1Aの外部に出射する。したがって、上記導光部材1Aでは、導光部材1Aの長手方向中間部に1つのLED3Dを設けただけの構成であるにも拘わらず、光出射面12の全長領域の各所から光を適切に出射させることができ、線状領域への光の照射が可能となる。光源の設置箇所は、1箇所でよいために、部品コストの削減などの面で、より有利となる。
【0045】
一方、上記線状光源装置Aaでは、導光部材1A内を進行する光の量は、本来的には、その長手方向中央部分ほど多くなり、長手方向両端部になるほど少なくなるはずである。ところが、上記導光部材1Aでは、導光部材1Aの長手方向中央部の光入射部15Aに近い部分ほど、第2側面11Bに設けられている乱反射領域14の面積が小さく、かつ全反射領域13の面積が大きくなっている。したがって、先の第1実施形態の場合と同様に、光入射部15Aに近い部分では、強い光のうち比較的少量の光が小面積の乱反射領域14によって乱反射されることとなって、光出射面12から外部へ出射する光の量が抑制される。また、乱反射されない光については、大面積の全反射領域13によって全反射させることにより、導光部材1の長手方向両端部側に効率良く導かれる。そして、光入射部15Aから遠い導光部材1の長手方向両端部では、比較的弱い光を面積の大きな乱反射領域14によって乱反射させ、光出射面12から効率よく出射することができ、光出射面12から外部へ射出する光の量を確保することができる。したがって、光出射面12から出射し、線状の照明領域を照明する光の量を、導光部材1Aの長手方向に均一化することができる。
【0046】
図9は、導光部材1B、およびこれを用いた線状光源装置Abの第3の実施形態の正面図である。なお、同図では、第2側面11Bに設けられる全反射領域と乱反射領域とを省略している。
【0047】
本実施形態に係る導光部材1B、および線状光源装置Abは、図6および図7において説明した第2実施形態の導光部材1A、および線状光源装置Aaを1単位として、これを長手方向に2単位分連続させたものである。このような構成によれば、線状照明範囲の長手方向の延長が可能となる。
【0048】
図10は、導光部材1C、およびこれを用いた線状光源装置Acの第4の実施形態の正面図である。図11は、図9の底面図である。
【0049】
本実施形態に係る導光部材1Cは、上記第2実施形態の導光部材1Aと、その基本的な構成が共通しており、透明部材11cの長手方向中央部に、LED3Dから発せられる光の入射を行わせる光入射部15Cが設けられている。ただし、この光入射部15Cは、第2側面11Bに逆V字状または逆U字状の凹入部40を形成することによって構成されており、直面状または曲面状の側面部41,41を有している。なお、上記LED3Dの装着は、たとえばこのLED3Dを実装した基板45を透明部材11cに接着するなどして行うことができる。
【0050】
このような構成によれば、LED3Dから発せられた光が上記側面部41,41に到達し、導光部材1C内に入射するときに、この光を図10に示す矢印方向に屈折させることができる。そして、このように光を屈折させれば、この光が光出射面12に到達するときの入射角を、この光出射面12の全反射臨界角よりも大きな角度にすることが可能となり、LED3Dから導光部材1C内に入射した光が、そのまま光出射面12を通過して外部へ出射することを回避できる。したがって、この導光部材1Cにおいても、導光部材1内において光の全反射を繰り返し行わせながら、光を導光部材1の長手方向の各所に効率よく導くことができるとともに、このようにして導かれた光を乱反射領域14によって乱反射させることにより、光出射面12から外部へ出射させることができる。むろん、第2側面11Bの乱反射領域14は、先の第2実施形態と同様に、LED3Dから遠ざかるにつれて全反射領域13に対する面積比率が大きくなっているために、光出射面12から出射する光の量を導光部材1Cの長手方向の各所において略均一にすることが可能となる。
【0051】
本願発明では、たとえば図12および図13に示すように、導光部材1の所定の第2側面11Bに、全反射領域13と乱反射領域14とを混在させる手段として、全体が鏡面仕上げされた第2側面11Bに、塗料を多数のドット状に塗布することによって、このドット状領域を乱反射領域14として形成する。この場合、図12に示すように、ドットのピッチを導光部材1の長手方向に変化させてゆく手段、あるいは図13に示すように、ドットの大きさを導光部材1の長手方向に変化させる手段によって、全反射領域13と乱反射領域14との面積比率を変化させることができる。
【0052】
また、本願発明でいう乱反射領域14は、必ずしも白色の塗料を用いて形成されたものに限定されず、白色以外の塗料を用いてもかまわないことは勿論のこと、導光部材1の所定の第2側面に対して、光を反射するテープを貼付するなどの手段を採用してもかまわない。さらには、第2側面の一部を凹凸状に形成し、この凹凸部分に光が到達したときにはこの光を散乱させるように構成した部位であってもかまわない。むろん、上記乱反射領域は、導光部材の第2側面の短手幅方向と略同一幅に設ける必要もなく、それよりも小幅であってもよい。
【0053】
その他、本願発明に係る導光部材ないしこれを用いた線状光源装置は、前述したように密着型カラーイメージセンサの光源として利用するほか、モノクロ用のイメージセンサとしても利用でき、さらには室内照明や車内照明、あるいは装飾照明など、種々な照明光源としての利用が可能である。この場合、導光部材の寸法や光源は、それぞれ最適なものが選択される。
【図面の簡単な説明】
【図1】導光部材、およびこれを用いた線状光源装置の第1の実施形態の正面図である。
【図2】図1の底面図である。
【図3】図1のX−X線断面図である。
【図4】図1に示す導光部材の内部における光の進行状態の説明図である。
【図5】図1に示す線状光源装置を備えた画像読み取り装置の一例を示す断面図である。
【図6】導光部材、およびこれを用いた線状光源装置の第2の実施形態の正面図である。
【図7】図6の底面図である。
【図8】図6の要部拡大正面図である。
【図9】導光部材、およびこれを用いた線状光源装置の第3の実施形態の正面図である。
【図10】導光部材、およびこれを用いた線状光源装置の第4の実施形態の正面図である。
【図11】図10の底面図である。
【図12】導光部材に設けられる全反射領域と乱反射領域との他の例を示す要部正面図である。
【図13】導光部材に設けられる全反射領域と乱反射領域との他の例を示す要部正面図である。
【図14】(a)は、従来の線状光源装置の一例を示す説明図であり、(b)は、その照度と位置との関係を示す説明図である。
【図15】(a)は、従来の線状光源装置の他の例を示す説明図であり、(b)は、その照度と位置との関係を示す説明図である。
【符号の説明】
1,1A〜1C 導光部材
3A〜3D 光源
11,11a〜11c 透明部材
11A 第1側面
11B 第2側面
12 光出射面
13 全反射領域
14 乱反射領域
15,15A,15C 光入射部
41 ケーシング
42 画像読み取り面
L 読み取りライン
D 原稿
A,Aa〜Ac 線状光源装置
【発明が属する技術分野】
本願発明は、いわゆる密着イメージセンサなどの原稿読み取り用の原稿照明として好適に利用することができる線状光源装置、この線状光源装置に用いられる導光部材、およびこの導光部材を用いた線状光源装置を備えた画像読み取り装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
密着型イメージセンサに用いられる線状光源装置の従来の一般的な構成を、図14(a)に示す。この線状光源装置は、基板8の表面に、複数のLED9を実装したものであるが、原稿Dの幅と略同等の読み取りラインの全長領域に光を照射する必要があるために、上記複数のLED9は、等間隔で一列状に配列されている。
【0003】
ところが、このような線状光源装置では、点的な光源であるLED9が離散的に配置されていることから、原稿Dの被照射面における照度は、同図(b)に示すように、原稿Dの幅方向において周期的に強弱変化し、原稿Dの被照射面の各所の照度が一定しない。これでは、原稿Dの読み取りラインに沿って同じ明度の原稿をイメージセンサによって読み取ったとしても、イメージセンサからの出力においては、読み取りラインの長手方向に周期的な強弱変化が出てしまい、読み取り画像の質の低下を招いてしまう。また、上記線状光源装置では、照明用光源として多数のLED9を必要とするため、その分製造コストが高くなるばかりか、これら多数のLED9のそれぞれには、光度(輝度)のバラツキがあり、これが原因となって、原稿Dの被照射面の各所の照度により大きなバラツキを生じさせて、イメージセンサによる読み取り画像の質を一層低下させるという不具合をも生じさせる。
【0004】
そこで、従来では、上記のような不具合を解消する手段として、たとえば特開平6−217084号公報に所載の線状光源装置が提案されている。同公報に所載の線状光源装置は、本願の図15(a)に示すように、一定長さを有する透明部材からなる導光部材1eの長手方向端部の端面を光入射部15eとして、この光入射部15eに対向させて光源9eを配したものである。また、上記導光部材1eの長手方向に延びる一側面を光出射面12eとし、この光出射面12eと厚み方向に対向する他の側面の全長域に乱反射面14eを設けている。
【0005】
上記構成の線状光源装置では、光入射部15eから導光部材1eの内部に照射された光を、乱反射面14eにおいて乱反射させることにより、この乱反射された光を光出射面12eから導光部材1eの外部に出射させることができる。したがって、上記光出射面12eの長さを原稿Dの幅寸法と略同等な寸法に設定しておけば、原稿Dの幅方向の全長領域に光を照射することができる。また、光源9eを多数設ける必要はなく、その個数を最小個数とすることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報に所載の従来の線状光源装置では、次のような不具合を生じていた。
【0007】
すなわち、上記従来の線状光源装置は、導光部材1eの長手方向端部の端面を光入射部15eとし、この光入射部15eから導光部材1e内に入射した光を、乱反射面14eによって乱反射させることによって、光出射面12eから出射させる原理であるのに対し、上記乱反射面14eは、導光部材1eの一側面の長手方向の全長域にわたって各所均一なかたちで設けられているに過ぎない。したがって、従来では、光入射部15eから導光部材1e内に入射した光の多くは、乱反射面14eのうち、上記光入射部15eに近い部分に到達し、この部分において光出射面12e方向に乱反射される傾向が非常に強い。すなわち、光入射部15eから導光部材1e内に入射した光の多くは、光入射部15eから遠く離れた部分には到達することなく、乱反射面14eの光入射部15eに近い部分において乱反射されてから、光出射面12eより出射する。
【0008】
このため、従来では、図15(b)に示すように、原稿Dの被照射面の照度は、光源9eに近い部分が高くなってしまい、光源9eから離れた位置になるにしたがってその照度が低くなる。その結果、従来においては、原稿Dの被照射面の全長領域の照度に未だ大きなバラツキを生じており、これが原因となってイメージセンサによって原稿画像を読み取る際の画質の低下を招来するという不具合を生じていた。なお、このような画質の低下を補償しようとすれば、複雑な補正回路を必要とし、画像読み取り装置のコストアップを招き、好ましくない。
【0009】
本願発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、多数の光源を用いることなく、簡易かつ製造コストの安価な手段によって、線的な領域に対して各所均等な光量で光を照射できるようにすることをその課題としている。
【0010】
【発明の開示】
上記の課題を解決するため、本願発明は、次の技術的手段を採用している。
【0011】
本願発明の第1の側面によれば、線状光源装置に用いるための導光部材が提供される。この導光部材は、一定長さを有する透明部材の長手方向に延びる第1側面が光出射面とされ、かつ上記透明部材の上記第1側面を除く他の側面のいずれかの部位が光入射部とされている導光部材であって、上記光出射面と厚み方向に対向する第2側面には、全反射領域と上記第2側面上に点在する多数のドット状の乱反射領域とが設けられており、上記ドット状の乱反射領域は、上記光入射部から遠ざかるにしたがってそのドット密度が高くなっていることにより、上記全反射領域に対する乱反射領域の面積比率は、上記光入射部から遠ざかるにしたがって高められていることに特徴づけられる。
【0012】
上記光入射部は、上記透明部材の長手方向端部の端面、または上記第2側面の長手方向中間部に形成されている構成とすることできる。
【0013】
また、上記全反射領域は、上記第2側面の鏡面仕上げされた領域であるとともに、上記乱反射領域は、上記第2側面の鏡面仕上げされた面に光散乱反射を行う塗料を塗装した領域とすることができる。上記全反射領域では、導光部材を構成する透明部材の屈折率によって規定される臨界入射角(入射角は、表面の法線に対する角度)よりも大きな入射角の光を受けたときには、この光を全反射し、光導入部から導光部材内に入射した光を導光部材の内部に戻すこととなる。その一方、上記臨界入射角よりも小さな入射角の光を受けたときには、この光を導光部材の外部に透過させる。これに対し、上記乱反射領域は、光の入射角には関係なく、光を受けた場合にはその光を乱反射させる。
【0015】
本願発明においては、導光部材の第2側面の乱反射領域が、第2側面の全長域にわたって各所均等に設けられているのではなく、上記第2側面には、乱反射領域と全反射領域とが混在して設けられており、しかもその乱反射領域は、光入射部から遠ざかるにしたがって全反射領域に対する面積比率が高くなるように設けられている。換言すると、光入射部に近い部分においては、光入射部から導光部材内に入射する光を光出射面から出射させる機能を発揮する乱反射領域が少ない反面、導光部材内に入射する光を導光部材の長手方向に導く機能を発揮する全反射領域が多くなっている。このため、光入射部から導光部材内に入射した光の多くがこの光入射部に近い乱反射領域において集中的に乱反射することが解消され、導光部材の光出射面のうち、光入射部に近い部分から多くの光が導光部材の外部に出射することが回避される。その一方、導光部材のうち光入射部から遠く離れた位置においては、乱反射領域の面積比率が高いために、この部分においては導光部材に入射された光を効率良く光出射面から導光部材の外部へ出射させることができる。
【0016】
したがって、導光部材の長手方向に延びている光出射面からは、各所略均等な光量で光を出射させることが可能となり、原稿面の読み取りラインの全長域の各所の照度を均一化することができる。その結果、読み取りラインの照度のバラツキに原因する読み取り画像の質の低下を防止することができるという好ましい効果が得られる。
【0017】
むろん、本願発明では、導光部材の一部に設けられた光入射部から導光部材内に光を入射させてから、この入射した光を導光部材の長手方向に延びる光出射面から外部へ出射させるために、光源としては、多数設ける必要はなく、光源の個数を最小個数とすることができる。したがって、部品点数の増加、およびこれに原因する製造コストの上昇なども適切に回避することができる。
【0018】
本願発明の第2の側面によれば、上記本願発明の第1の側面にかかる導光部材を用いた線状光源装置が提供される。この線状光源装置は、上記した導光部材が用いられ、この導光部材の光入射部に隣接して光源が配置されて構成されていることに特徴づけられる。上記光源としては、LEDを用いることができ、さらに具体的には、R,G,Bの3種類の波長のLEDを組み合わせたもの、あるいは白色のLEDを用いることができる。また、上記光源の配置方法は、たとえば、LEDを導光部材の光入射部に接着するなどして付属させてもよいし、基板上に実装したLEDを上記導光部材の上記光入射部に隣接させてもよい。
【0019】
本願発明の第3の側面によれば、上記本願発明の第2の側面にかかる線状光源装置を用いた画像読み取り装置が提供される。この画像読み取り装置は、ケーシングの一面に形成された画像読み取り面上を接触搬送される原稿に上記ケーシング内に設けられた光源装置からの光を照射し、上記画像読み取り面上に設定された読み取りラインにおける原稿からの反射光を上記ケーシング内に上記読み取りライン方向に配列された複数の受光素子に集束させるようにした画像読み取り装置であって、上記光源装置として、上記第2の側面に係る線状光源装置を用い、その光出射面から出射させた光が上記読み取りライン上の原稿を照明するように構成したことに特徴づけられる。
【0020】
本願発明の第2の側面および第3の側面によって提供される線状光源装置、および画像読み取り装置によれば、上述した本願発明の第1の側面によって提供される導光部材について得られるのと同様な効果が期待できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1は、導光部材1、およびこれを用いた線状光源装置Aの第1の実施形態の正面図である。図2は、図1の底面図である。図3は、図1のX−X線断面図である。図4は、図1に示す導光部材の内部における光の進行状態の説明図である。
【0022】
図1ないし図3において、本実施形態に係る導光部材1は、たとえばPMMAなどのアクリル系透明樹脂を成形して得られる透明部材11がその主要部を占めている。この透明部材11は、所定の長手方向寸法を有する部材であり、厚み方向に相互に対向して透明部材11の長手方向に延びる第1側面11Aと第2側面11B、第3側面11Cと第4側面11D、および長手方向両端の端面11E,11Fとを有している。
【0023】
上記第1側面11Aは、好ましくは、鏡面仕上げされた平坦面とされ、後述するように、この第1側面は、光出射面12として機能する。また、上記第3側面11C、および第4側面11Dも、本実施形態においては、鏡面仕上げされた平坦面となっている。
【0024】
上記第2側面11Bは、その長手方向両端部から長手方向中央部に向かうにつれて、上記第1側面11Aとの相互間の距離が漸次縮小する平坦状の傾斜面となっており、その表面には、鏡面仕上げ状態の複数の全反射領域13と、複数の乱反射領域14とが混在している。上記第2側面11Bを傾斜面にすれば、透明部材11内に入射させた光を乱反射領域14に対して効率よく光をあてることができるので好ましいが、本願発明はこれに限定されず、上記第2側面11Bを非傾斜面状に形成してもかまわない。
【0025】
上記第2側面11Bに全反射領域13と乱反射領域14とを混在させる手法としては、たとえば、第2側面11Bの全体を鏡面仕上げ面とし、そのうちの選択された領域に光散乱反射性を有する白色の塗装を施す手段を採用することができる。(ただし、図面では白色塗装部分を黒色で示している)。塗料の具体的な材質は問わないが、たとえばアクリルラッカペイントなどを用いることができる。本実施形態では、上記塗装領域が乱反射領域14に相当し、塗装が施されていない鏡面仕上げ状態のままの領域が全反射領域13に相当する。また、本願発明でいう鏡面仕上げとは、必ずしも表面が積極的に研磨加工されている必要はなく、たとえば金型などを用いた樹脂成形によって導光部材1を製造する場合には、その樹脂成形されたままの比較的滑らかな表面でよい。
【0026】
図2によく表れているように、上記乱反射領域14は、上記第2側面11Bの短手方向の幅と略同一幅に形成され、上記第2側面11Bの長手方向に沿って断続的に複数箇所設けられている。したがって、第2側面11Bにおいては、複数の乱反射領域14と複数の全反射領域13とが、交互に設けられたかたちとなっている。ただし、重要な構成として、上記複数の乱反射領域14は、透明部材11の長手方向両端部からその長手方向中央部へ向かうにつれてその寸法La〜Leが徐々に大きくなるように形成されている。これに対し、全反射領域13については、その長さは略一定の幅Sに形成されている。これにより、上記乱反射領域14の全反射領域13に対する面積比率は、透明部材11の長手方向端部から長手方向中央部にむかうにしたがって次第に大きくなっている。
【0027】
本実施形態においては、上記透明部材11の端面11E,11Fが、光入射部15,15とされている。これらの光入射部15,15のそれぞれの近傍には、たとえば3種類のLEDランプ3A〜3Cが配され、これらのLEDランプ3A〜3Cから発せられる光が、上記光入射部15,15のそれぞれから導光部材1内に入射するように構成されている。3種類のLEDランプ3A〜3Cとしては、R,G,B(レッド,グリーン,ブルー)の各色の光を発するLEDランプが用いられる。本実施形態に係る線状光源装置Aは、上記導光部材1と、LEDランプ3A〜3Cとを具備して構成されている。
【0028】
次に、上記構成の導光部材1、およびこの導光部材1を備えた線状光源装置Aの作用について説明する。
【0029】
図4において、3種類のLEDランプ3A〜3Cのうち、たとえばLEDランプ3Aを発光させると、このLEDランプ3Aから発せられた光は、導光部材1内に入射する。この導光部材1内に入射して進行する光は、導光部材1の側面11A〜11Dの各所に到達するが、これら各側面11A〜11Dのうち、白色塗装が施された乱反射領域14を除く領域は、全反射領域となっている。したがって、透明部材11の材質によって特定される所定の全反射臨界角よりも大きな入射角で上記全反射領域に到達した光は、全反射領域の各部において全反射され、このような全反射を繰り返しながら、導光部材1内の長手方向略中央部に進んでゆく。一方、上記導光部材1内に入射した光のうち、一部の光は、第2側面11Bの乱反射領域14に直接到達する。また、全反射を繰り返しながら導光部材1内の長手方向略中央部に進んでゆく光も、上記乱反射領域14に到達する。
【0030】
上記乱反射領域14においては、光の入射角には関係なく、受けた光を種々の方向に乱反射する。したがって、この乱反射した光のうち、所定の全反射臨界角よりも小さな入射角で光出射面12に到達した光は、この光出射面12を透過し、導光部材1の外部へ出射することとなる。このようにして、結局、LEDランプ3Aから導光部材1内に入射した光は、第2側面11Bの長手方向に沿って複数箇所設けられた乱反射領域14によって乱反射されることにより、光出射面12の長手方向の全域から導光部材1の外部へ出射することとなる。したがって、上記構成の線状光源装置Aは、一定長を有する所望の線状領域の各所に光を照射し得る線状光源として、適切に機能することとなる。
【0031】
また、上記のように光の照射を行わせている状態では、本来的には、導光部材1内を進行する光の量は、光入射部15に近い部分ほど多くなり、また光入射部15から遠い導光部材1の長手方向中央部になるほど少なくなるはずである。ところが、上記導光部材1では、光入射部15に近い部分ほど、第2側面11Bに設けられている乱反射領域14の面積比率が小さく、かつ全反射領域13の面積比率が大きくなっているために、光入射部15に近い部分では、強い光のうち比較的少量の光が小面積の乱反射領域14によって乱反射されることとなって、光出射面12から外部へ出射する光の量が抑制される。また、乱反射されない光については、大面積の全反射領域13によって全反射させることにより、導光部材1の長手方向中央部側に効率良く導くことができることとなる。これに対し、光入射部15から遠い導光部材1の長手方向中央部分では、比較的弱い光を面積の大きな乱反射領域14によって乱反射させ、光出射面12から効率よく外部へ出射させることができ、光出射面12から外部へ射出する光の量を確保することができる。したがって、導光部材1の光出射面12から出射し、線状の照明領域を照明する光の量を、導光部材1の長手方向に均一化することができる。すなわち、光入射部15,15に近い部分の照度が、他の部分の照度よりも、大幅に高くなることを適切に解消することが可能となる。
【0032】
図5は、上記線状光源装置Aを用いた画像読み取り装置Bの一例を示す断面図である。
【0033】
この画像読み取り装置Bは、いわゆる密着型カラーイメージセンサとして構成されたものである。この画像読み取り装置Bは、ケーシング41の上面に透明ガラス板からなる画像読み取り面42を備え、この画像読み取り面42に密着させるようにしてプラテン43によってバックアップされながら搬送される原稿Dの画像を、1ラインごとに読み取るように構成されている。
【0034】
ケーシング41の下面には、基板44が取付けられ、この基板44には、所定数の受光素子が造りこまれたイメージセンサチップ45が、複数個1列に取付けられている。たとえば、A4幅の原稿を200dpiの読み取り密度で読み取るためには、上記受光素子は、125μmピッチで1728個配置される。1個のイメージセンサチップ45には、たとえば96個の受光素子が一体に造りこまれ、したがって、この場合には計18個のイメージセンサチップ45が基板上に配列されることになる。
【0035】
画像読み取り面42に設定された読み取りラインLの鉛直方向下方位置には、上記複数個のイメージセンサチップ45が配列され、かつ、読み取りラインLとイメージセンサチップ45との間には、レンズアレイ46が配置される。このレンズアレイ46は、読み取りラインL上の画像を、正立等倍に上記複数個のイメージセンサチップ45上に配列された1728個の受光素子上に集束させる。
【0036】
ケーシング41内の上記画像読み取り面42の下方において、上記レンズアレイ46の側方に設定された空間には、上記線状光源装置Aが配置される。この場合、導光部材1の左右幅方向中心線L1が、上記画像読み取り面42の読み取りラインLを向くように配置される。
【0037】
上記導光部材1の光出射面12から発した光は、読み取りラインL上の原稿Dを、効率よく照明する。この場合、各色のLEDランプ3A,3B,3Cは、順次切り換え点灯される。原稿Dは、所定ピッチずつ副走査方向に送られ、1ラインごとの原稿画像のR、G、B各色ごとの画像データが、イメージセンサチップ45によって順次読み取られる。
【0038】
上記画像読み取り装置Bにおいては、線状光源装置Aが2個ずつ設けられたR,G,Bの各色のLEDランプ3A〜3Cから発した光を、所定長さの照明領域に均等に広げて照射するようにしているので、多数のLEDランプを使用する場合に想定される読み取り幅方向の光量の偏在、各LEDランプの発色光の微妙な相違などに起因した読み取り画像の色調の偏差などの画像読み取り品質の低下要因を効果的に解消することができる。また、各色のLEDランプ3A〜3Cを、導光部材1の長手方向両端部の一側方に集中的に配置しているので、各色のLEDランプが読み取り幅方向に配列される場合に想定される、読み取り画像の色調の偏差をも、効果的に回避することができる。さらに、導光部材1内を進行させた光を、導光部材1の光出射面12から集中的に出射させているので、照明効率が非常に良く、各色2個ずつのLEDランプ3A〜3Cを用いているにも拘わらず、十分な照明光量を確保することができる。
【0039】
図6は、導光部材1A、およびこれを用いた線状光源装置aの第2の実施形態の正面図である。図7は、図6の底面図である。図8は、図6の要部拡大正面図である。なお、先の第1実施形態と同一部位については、同一符号で示し、その説明は便宜上省略する。以降の図面についても同様である。
【0040】
本実施形態に係る導光部材1Aは、第1実施形態とは異なり、導光部材の長手方向端部から導光部材内に光を入射させるのではなく、導光部材1Aの長手方向中間部分から導光部材1A内に光を入射させる構成となっている。具体的には、この導光部材1Aは、透明部材11aの第1側面11Aを光出射面12とし、かつ、この光出射面12と幅方向に対向する第2側面11Bに、複数の全反射領域13と乱反射領域14とを交互に設けている点で、先の第1実施形態と共通している。ただし、光入射部15Aは、上記第2側面11Bの長手方向中間部に1箇所のみ設けられている。この導光部材1Aでは、光入射部15Aの位置が第1実施形態とは相違することに対応し、上記第2側面11Bの全反射領域13と乱反射領域14とは、透明部材11aの長手方向中央部から長手方向両端部に向かうにつれて、全反射領域13に対する乱反射領域14の面積比率が高くなっている。上記全反射領域13と乱反射領域14との形成手法は、第1の実施形態で説明したのと同様な手段を採用することができる。
【0041】
図8によく表れているように、上記透明部材11aの光出射面12における長手方向中央部、すなわち、上記第2側面11Bに設定された光入射部15Aと厚み方向に対向する部位には、略V字状の凹入部20が形成されている。この略V字状の凹入部20は、2つの傾斜面21,21と、これらの傾斜面21,21の底端部を繋ぐ水平状の底面22とを有するように形成されている。上記2つの傾斜面21,21は、鏡面仕上げとされる一方、上記底面22は、凹凸を有する光拡散面とされている。このように光拡散面を設ける理由は、第2側面11Bの光入射部15Aから透明部材11内に入射する光が、直接的に光出射面12を透過して輝点が現れるのを回避するためであるが、このような輝点の出現を回避するための手段としては、上記底面22を凹凸状に形成する手段に代えて、たとえば上記底面22に金属層を蒸着などによって形成する手段を用いてもよい。
【0042】
上記導光部材1Aの光入射部15Aには、これに隣接してLED3Dが配置される。むろん、カラー原稿の読み取りに対応させる場合には、R,G,Bの各3色のLEDが配置される。本実施形態に係る線状光源装置Aaは、上記導光部材1AとLED3Dとを具備して構成される。なお、上記透明部材11aの長手方向両端の端面11E,11Fは、たとえば金属を蒸着した全反射面として形成されている。これは、透明部材11aの端部まで進行してきた光がそのまま透明部材11aの外部に透過するのを阻止するためである。
【0043】
次に、上記構成の導光部材1A、および線状光源装置Aaの作用について説明する。
【0044】
図8において、LED3Dから発せられた光は、上記凹入部20の傾斜面21,21に対して全反射臨界角よりも大きい角度で入射し、また上記光出射面12に対しても全反射臨界角よりも大きい角度で入射することとなる。したがって、上記光は、上記傾斜面21,21、および光出射面12において全反射する。さらに、このようにして全反射された光のうち、第2側面11Bの全反射領域13に到達した光は、この部分において全反射する。導光部材1内に入射した光は、このような全反射を繰り返しながら、導光部材1の長手方向両端部方向に進んでゆく。その一方、上記全反射を繰り返している光のうち、第2側面11Bの乱反射領域14に到達した光は、乱反射する。すると、この乱反射した光のうち、光出射面12の全反射臨界角よりも小さい角度で光出射面12に到達した光は、この光出射面12を透過して導光部材1Aの外部に出射する。したがって、上記導光部材1Aでは、導光部材1Aの長手方向中間部に1つのLED3Dを設けただけの構成であるにも拘わらず、光出射面12の全長領域の各所から光を適切に出射させることができ、線状領域への光の照射が可能となる。光源の設置箇所は、1箇所でよいために、部品コストの削減などの面で、より有利となる。
【0045】
一方、上記線状光源装置Aaでは、導光部材1A内を進行する光の量は、本来的には、その長手方向中央部分ほど多くなり、長手方向両端部になるほど少なくなるはずである。ところが、上記導光部材1Aでは、導光部材1Aの長手方向中央部の光入射部15Aに近い部分ほど、第2側面11Bに設けられている乱反射領域14の面積が小さく、かつ全反射領域13の面積が大きくなっている。したがって、先の第1実施形態の場合と同様に、光入射部15Aに近い部分では、強い光のうち比較的少量の光が小面積の乱反射領域14によって乱反射されることとなって、光出射面12から外部へ出射する光の量が抑制される。また、乱反射されない光については、大面積の全反射領域13によって全反射させることにより、導光部材1の長手方向両端部側に効率良く導かれる。そして、光入射部15Aから遠い導光部材1の長手方向両端部では、比較的弱い光を面積の大きな乱反射領域14によって乱反射させ、光出射面12から効率よく出射することができ、光出射面12から外部へ射出する光の量を確保することができる。したがって、光出射面12から出射し、線状の照明領域を照明する光の量を、導光部材1Aの長手方向に均一化することができる。
【0046】
図9は、導光部材1B、およびこれを用いた線状光源装置Abの第3の実施形態の正面図である。なお、同図では、第2側面11Bに設けられる全反射領域と乱反射領域とを省略している。
【0047】
本実施形態に係る導光部材1B、および線状光源装置Abは、図6および図7において説明した第2実施形態の導光部材1A、および線状光源装置Aaを1単位として、これを長手方向に2単位分連続させたものである。このような構成によれば、線状照明範囲の長手方向の延長が可能となる。
【0048】
図10は、導光部材1C、およびこれを用いた線状光源装置Acの第4の実施形態の正面図である。図11は、図9の底面図である。
【0049】
本実施形態に係る導光部材1Cは、上記第2実施形態の導光部材1Aと、その基本的な構成が共通しており、透明部材11cの長手方向中央部に、LED3Dから発せられる光の入射を行わせる光入射部15Cが設けられている。ただし、この光入射部15Cは、第2側面11Bに逆V字状または逆U字状の凹入部40を形成することによって構成されており、直面状または曲面状の側面部41,41を有している。なお、上記LED3Dの装着は、たとえばこのLED3Dを実装した基板45を透明部材11cに接着するなどして行うことができる。
【0050】
このような構成によれば、LED3Dから発せられた光が上記側面部41,41に到達し、導光部材1C内に入射するときに、この光を図10に示す矢印方向に屈折させることができる。そして、このように光を屈折させれば、この光が光出射面12に到達するときの入射角を、この光出射面12の全反射臨界角よりも大きな角度にすることが可能となり、LED3Dから導光部材1C内に入射した光が、そのまま光出射面12を通過して外部へ出射することを回避できる。したがって、この導光部材1Cにおいても、導光部材1内において光の全反射を繰り返し行わせながら、光を導光部材1の長手方向の各所に効率よく導くことができるとともに、このようにして導かれた光を乱反射領域14によって乱反射させることにより、光出射面12から外部へ出射させることができる。むろん、第2側面11Bの乱反射領域14は、先の第2実施形態と同様に、LED3Dから遠ざかるにつれて全反射領域13に対する面積比率が大きくなっているために、光出射面12から出射する光の量を導光部材1Cの長手方向の各所において略均一にすることが可能となる。
【0051】
本願発明では、たとえば図12および図13に示すように、導光部材1の所定の第2側面11Bに、全反射領域13と乱反射領域14とを混在させる手段として、全体が鏡面仕上げされた第2側面11Bに、塗料を多数のドット状に塗布することによって、このドット状領域を乱反射領域14として形成する。この場合、図12に示すように、ドットのピッチを導光部材1の長手方向に変化させてゆく手段、あるいは図13に示すように、ドットの大きさを導光部材1の長手方向に変化させる手段によって、全反射領域13と乱反射領域14との面積比率を変化させることができる。
【0052】
また、本願発明でいう乱反射領域14は、必ずしも白色の塗料を用いて形成されたものに限定されず、白色以外の塗料を用いてもかまわないことは勿論のこと、導光部材1の所定の第2側面に対して、光を反射するテープを貼付するなどの手段を採用してもかまわない。さらには、第2側面の一部を凹凸状に形成し、この凹凸部分に光が到達したときにはこの光を散乱させるように構成した部位であってもかまわない。むろん、上記乱反射領域は、導光部材の第2側面の短手幅方向と略同一幅に設ける必要もなく、それよりも小幅であってもよい。
【0053】
その他、本願発明に係る導光部材ないしこれを用いた線状光源装置は、前述したように密着型カラーイメージセンサの光源として利用するほか、モノクロ用のイメージセンサとしても利用でき、さらには室内照明や車内照明、あるいは装飾照明など、種々な照明光源としての利用が可能である。この場合、導光部材の寸法や光源は、それぞれ最適なものが選択される。
【図面の簡単な説明】
【図1】導光部材、およびこれを用いた線状光源装置の第1の実施形態の正面図である。
【図2】図1の底面図である。
【図3】図1のX−X線断面図である。
【図4】図1に示す導光部材の内部における光の進行状態の説明図である。
【図5】図1に示す線状光源装置を備えた画像読み取り装置の一例を示す断面図である。
【図6】導光部材、およびこれを用いた線状光源装置の第2の実施形態の正面図である。
【図7】図6の底面図である。
【図8】図6の要部拡大正面図である。
【図9】導光部材、およびこれを用いた線状光源装置の第3の実施形態の正面図である。
【図10】導光部材、およびこれを用いた線状光源装置の第4の実施形態の正面図である。
【図11】図10の底面図である。
【図12】導光部材に設けられる全反射領域と乱反射領域との他の例を示す要部正面図である。
【図13】導光部材に設けられる全反射領域と乱反射領域との他の例を示す要部正面図である。
【図14】(a)は、従来の線状光源装置の一例を示す説明図であり、(b)は、その照度と位置との関係を示す説明図である。
【図15】(a)は、従来の線状光源装置の他の例を示す説明図であり、(b)は、その照度と位置との関係を示す説明図である。
【符号の説明】
1,1A〜1C 導光部材
3A〜3D 光源
11,11a〜11c 透明部材
11A 第1側面
11B 第2側面
12 光出射面
13 全反射領域
14 乱反射領域
15,15A,15C 光入射部
41 ケーシング
42 画像読み取り面
L 読み取りライン
D 原稿
A,Aa〜Ac 線状光源装置
Claims (8)
- 一定長さを有する透明部材の長手方向に延びる第1側面が光出射面とされ、かつ上記透明部材の上記第1側面を除く他の側面のいずれかの部位が光入射部とされている導光部材であって、
上記光出射面と厚み方向に対向する第2側面には、全反射領域と上記第2側面上に点在する多数のドット状の乱反射領域とが設けられており、
上記ドット状の乱反射領域は、上記光入射部から遠ざかるにしたがってそのドット密度が高くなっていることにより、上記全反射領域に対する乱反射領域の面積比率は、上記光入射部から遠ざかるにしたがって高められていることを特徴とする、導光部材。 - 上記全反射領域は、上記第2側面の鏡面仕上げされた領域であり、かつ上記乱反射領域は、上記第2側面の鏡面仕上げされた面に光散乱反射を行う塗料を塗装した領域である、請求項1に記載の導光部材。
- 上記光入射部は、上記透明部材の長手方向端部の端面、または上記第2側面の長手方向中間部に形成されている、請求項1または2に記載の導光部材。
- 請求項1ないし3のいずれかに記載の導光部材を具備し、かつこの導光部材の光入射部に隣接して光源が配置されて構成されていることを特徴とする、線状光源装置。
- 上記光源は、LEDである、請求項4に記載の線状光源装置。
- 上記光源は、R,G,Bの3種類の波長のLEDを組み合わせたものである、請求項4に記載の線状光源装置。
- 上記光源は、白色のLEDである、請求項4に記載の線状光源装置。
- ケーシングの一面に形成された原稿読み取り面上を接触搬送される原稿に上記ケーシング内に設けられた光源装置からの光を照射し、上記原稿読み取り面上に設定された読み取りラインにおける原稿からの反射光を上記ケーシング内に上記読み取りライン方向に配列された複数の受光素子に集束させるようにした画像読み取り装置であって、上記光源装置として、請求項4ないし7のいずれかに記載の線状光源装置を用い、その光出射面から出射させた光が上記読み取りライン上の原稿を照明するように構成したことを特徴とする、画像読み取り装置。
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