JP3563063B2 - 加工性及び耐食性に優れた潤滑被覆溶融Al−Zn合金めっき鋼板およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、潤滑被覆溶融Al−Zn合金めっき鋼板に係り、特に建材、家電などの分野で広く利用されるAlを質量比で25〜75%含有する潤滑被覆溶融Al−Zn合金めっき鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】
55%Al−Zn合金めっき鋼板に代表されるAlを質量比で25〜75%含有する溶融Al−Znめっき鋼板は、その表面に潤滑被覆を施して建材、家電などの分野で広く利用されている。しかし、この種の潤滑被覆めっき鋼板は、めっき層が硬質であるため、成形加工する際、加工条件が厳しいところでクラックが発生し、そこを起点として潤滑被覆層に剥離が生じたり、あるいは耐食性が劣化するという問題がある。
【0003】
このような問題に対処するためには、めっき層を極力軟質なものとすることが挙げられ、たとえば特公昭61− 28748号公報には、めっき後に鋼板を、logt=7102.4/t −11.04 (式中、t:時間(秒)、T:加熱温度(K)である。) によって表される条件のもとで過時効処理するという提案がなされている。また、特開平11−343559号公報には、塗装鋼板であって、めっき層を構成するインタ−デンドライト部内にZnの凝集部がめっき被膜断面での面積率で1.0 〜30%存在するようにすることによって耐クラック性を改善するという提案がなされている。
【0004】
さらに、Inter ZAC 98 Conference (Los Angels, CA USA, Septenber 1998)において、Richard Ley は、“Theorized Effects of Strontium Additions On Al−Si Alloys”なる報告をなし、その中でSrの添加が55%Al−Znめっき鋼板の加工性を改善する可能性に言及している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特公昭61−28748 号公報に記載された手段は、過時効処理のために、たとえば 200℃では最低2.5 時間掛かるなど長時間を要し、生産性が極めて低いという問題がある。また、特開平11−343559号公報に記載の提案ではSiの加工性に与える影響について検討がなされておらず、また過時効による加工性の改善についても考慮されず、そのため加工性が十分でない。
【0006】
一方、Srをめっき浴中に添加する手段は、インターデンドライト部に析出するSi結晶を球状、かつ微細にし、これによってめっき鋼板の加工性を向上させるものであるが、本発明者らの実験したところによれば、なお十分な加工性を確保できず、そのため、潤滑被覆鋼板の耐食性が十分確保できない場合がある。加えて、上記従来の各提案は、デンドライト部あるいはインターデンドライト部に起因する加工性劣化の原因について個別に対処するものであり、これらの相互依存性には着目していない。そのため、潤滑被覆溶融Al−Zn合金めっき鋼板は、いまだ十分な加工性を有するに至っていないし、耐食性も十分ではない。
【0007】
本発明は、潤滑被覆溶融Al−Zn合金めっき鋼板に関する上記問題点を解決することを目的とし、従来に比べて優れた加工性をもち、それにより潤滑被覆層の耐剥離性に優れ、ひいては耐食性に優れた潤滑被覆溶融Al−Zn合金めっき鋼板を提案することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、潤滑被覆溶融Al−Zn合金めっき鋼板のベースである溶融Al−Zn合金めっき鋼板の加工性に及ぼすSr添加の影響について詳細な検討を行い、Srの添加量がSiの含有量に対して一定の割合にあるとき、インターデンドライト部におけるSi結晶の球状化が確実に行われること、及びインターデンドライト部へのSrの析出が促進され、それによってデンドライト部におけるSr濃度が低下して過時効処理によりその硬度低下が容易に図れることを知見し、それを利用して加工性及び耐食性に優れた潤滑被覆溶融Al−Zn合金めっき鋼板を製造することに成功した。
【0009】
また、本発明者らは、めっき層における界面合金層の最上部層に存在する長径が5μm 以上の粗大な凸状界面合金層粒子が曲げ加工性を劣化させていることを突き止めた。そして、本発明者らは、良好な曲げ加工性を具備させるためには、長径が5μm 以上の粗大な凸状界面合金層粒子を1500個/mm2 以下に低減することが必要であることを知見した。また、本発明者らは、めっき層中に適正量のCr、 ZrをSrとともに含有させることにより、Cr、 Zrが界面合金層に偏在し、凸状界面合金層粒子の成長が防止または抑制され、5μm 以上の粗大な凸状界面合金層粒子を1500個/mm2 以下とすることができることを見出した。
【0010】
本発明は、上記した知見に基づき、さらに検討を加えて完成されたものである。
すなわち、本発明は、鋼板表裏面に、デンドライト部、該デンドライト部の間に存在するインターデンドライト部及びこれらと鋼板地鉄との界面に存在する界面合金層からなるAl−Zn合金めっき層を有し、前記鋼板表裏面のうちのいずれか一方または両方に、前記Al−Zn合金めっき層の上層として樹脂被膜を有する潤滑被覆溶融Al−Zn合金めっき鋼板であって、前記Al−Zn合金めっき層が質量比でAlを25〜75%、Siを1%超5%以下及びSrをSi含有量の 0.2〜2%の範囲で含有し、残部が実質的に Zn である組成を有し、前記 Al − Zn 合金めっき層のインターデンドライト部における Sr 濃度が、 Al − Zn 合金めっき層の平均 Sr 濃度の 20 〜 150 倍であることを特徴とする加工性及び耐食性に優れた潤滑被覆溶融Al−Zn合金めっき鋼板である。
【0011】
これによりめっき後にめっき層が時効硬化するのが抑制され、また後に行う過時効処理の時間が短縮できる。
また、本発明では、Al−Zn合金めっき層における前記界面合金層の最上層部に存在する、長径が5μm 以上の界面合金層粒子が1500個/mm2 以下であることが好ましい。
【0012】
また、本発明では、前記デンドライト部のα−Al相の硬さがHv120 以下であることが好ましい。
また、本発明は、鋼板を溶融 Al − Zn 合金めっき浴に浸漬する、熱浸めっきを行い、該鋼板を溶融 Al − Zn 合金めっき浴から引き上げて冷却し Al − Zn 合金めっき層を形成し、溶融 Al − Zn 合金めっき鋼板としたのち、該溶融 Al − Zn 合金めっき鋼板の表裏面のいずれか一方あるいは両方に Al − Zn めっき層の上層として潤滑被膜からなる潤滑被覆層を形成する潤滑被覆溶融 Al − Zn 合金めっき鋼板の製造方法において、前記溶融 Al − Zn 合金めっき浴を、 Al − Zn 合金めっき層の平均組成が質量比で Al が 25 〜 75 %、 Si が1%超5%以下、 Sr が Si 含有量の 0.2 〜2%の範囲で、あるいはさらに Cr 、 Zr のうちの1種または2種を合計で 0.01 〜 2.0 %含有し、残部が実質的に Zn である組成とほぼ同一となるように調整し、前記冷却を、前記溶融 Al − Zn 合金めっき浴から引き上げて 260 ℃までの間の冷却速度が 20 〜 100 ℃/sである冷却とすることを特徴とする加工性および耐食性に優れた潤滑被覆溶融 Al − Zn 合金めっき鋼板の製造方法である。
また、本発明では、前記溶融 Al − Zn 合金めっき鋼板に、さらに、圧下率が 0.5 〜5%のスキンパス圧延を施し、ついで 130 〜 260 ℃の温度範囲で過時効処理を施すことが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の潤滑被覆溶融Al−Zn合金めっき鋼板は、55%Al−Zn合金めっき鋼板に代表されるAl−Zn合金めっき層を有する溶融Al−Zn合金めっき鋼板の少なくとも片面に潤滑被覆層を有するものである。
溶融Al−Zn合金めっき鋼板は、鋼板表裏面に、デンドライト部、該デンドライト部の間に存在するインターデンドライト部及びこれらと鋼板地鉄との界面に存在する界面合金層からなるAl−Zn合金めっき層を有し、潤滑被覆溶融Al−Zn合金めっき鋼板は、鋼板表裏面のうちのいずれか一方または両方に、Al−Zn合金めっき層の上層として、樹脂被膜からなる潤滑被覆層を有する。
【0014】
本発明の潤滑被覆溶融Al−Zn合金めっき鋼板は、特にベースとなる溶融Al−Zn合金めっき鋼板の加工性を高めたことに特徴がある。なお、Al−Zn合金めっき層の上層として形成される樹脂被膜からなる潤滑被覆層そのものの組成は、加工性を阻害しないもので有れば、何ら制限されない。
以下、潤滑被覆溶融Al−Zn合金めっき鋼板のベースとなる溶融Al−Zn合金めっき鋼板におけるAl−Zn合金めっき層の加工性改善について詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明の潤滑被覆溶融Al−Zn合金めっき鋼板のベース(原板)となる溶融Al−Zn合金めっき鋼板の典型例である溶融55%Al−1.6 %Si−Zn合金めっき鋼板のめっき層断面を示す金属組織写真である。ここに示すように、原板である溶融Al−Zn合金めっき鋼板のめっき層は、デンドライト部A、該デンドライト部の間に存在するインターデンドライト部B及び鋼板地鉄Dとの界面に存在する界面合金層Cとからなっている。このうち、デンドライト部Aは、AlにZnが固溶したα−Al(Zn)相からなっており、めっき層の主構成相をなしている。インターデンドライト部Bは、図1に示すようにデンドライト部を構成するα−Al(Zn)相の間を埋めており、Al−Znの共晶およびSi結晶が析出したものである。界面合金層Cは、鋼板地鉄Dとめっき層との界面に存在する薄い接続部分でAl−Fe−Si−Zn系の4元系金属間化合物からなっている。
【0016】
本発明の潤滑被覆溶融Al−Zn合金めっき鋼板では、原板である溶融Al−Zn合金めっき鋼板の表裏面に形成されるめっき層は、平均組成(上記A〜Cを含む)において、質量比でAlを25〜75%、Siを1%超5%以下及びSrをSi含有量の 0.2〜2%の範囲で含有し、あるいはさらにCr、 Zrのうちの1種又は2種を合計で0.01〜 2.0%含み、残部が実質的にZnとする組成を有する。
【0017】
したがって、めっき層が軟質となり、成形加工の際、クラックが発生し、そこを起点として潤滑被覆層の剥離を起こすという問題が避けられる。
めっき層中のAlが、質量比で25%未満では耐食性が不十分である。一方、75%を超えると端面耐食性が劣化するとともに、めっき層が硬質化し、潤滑被覆めっき鋼板の曲げ加工性が著しく劣化する。なお、より好ましくは質量比で40〜60%である。
【0018】
また、めっき層中のSiが、1%以下では界面合金層がめっき層全厚の10%超となり潤滑被膜めっき鋼板の曲げ加工性が劣化する。一方、5%を超えて含有すると、めっき層中にSi結晶が粗大かつ多量に析出し、曲げ加工性が顕著に低下する。このため、めっき層中のSiは1%超え5%以下に限定した。なお、好ましくは1.3 〜2.0 %である。
【0019】
また、めっき層中にSrを、めっき層中のSi含有量の0.2 %以上含有することにより、めっき層中の角張ったSi結晶を、球状の微細なSi結晶に変化させることができ、曲げ加工時にインターデンドライト部からクラックが発生するのを効果的に防止することができる。一方、めっき層中のSrをSi含有量の2%を超えて含有すると、めっき層に粗大Sr/Si系の析出物が析出し、これに起因すると推定されるピンホール等の欠陥が発生する傾向が増大し、かえって加工性が劣化する。このため、SrはSi含有量の 0.2〜2%の範囲に限定した。
【0020】
Al−Zn合金めっき層の平均組成において、Si含有量を 1.6%とし、かつSr/Si(質量%比)を0〜0.03の間で変化させた潤滑被覆溶融Al−Zn合金めっき鋼板について、潤滑被覆層を機械的あるいは化学的に除去したのち、1%サルチル酸−4%サルチル酸メチル−10%ヨウ化カリウム水溶液中で定電流電解し、めっき層の上層のみを溶解除去し、不溶のSi結晶を界面合金層上に残渣として残した状態で走査型電子顕微鏡を用いて観察した。得られた代表的な走査型電子顕微鏡組織写真を図2〜図5に示す。また、めっき層中のSr/Si比とSi結晶形状との関係を表1にまとめて示す。
【0021】
【表1】
【0022】
表1から、Sr/Siを 0.002以上、すなわちめっき層中のSrをSi含有量の 0.2%以上とすることにより、図2、図3に矢示したように角張ったSi結晶が、図4、図5に示したような球状の微細なSi結晶に変化することがわかる。これにより、鋼板が曲げ変形を受けるときインターデンドライト部からクラックが発生するのを効果的に防止することができる。しかし、めっき層中のSr含有量が多いときには、めっき層にSr/Si系の粗大な析出物とこれによるピンホール等の欠陥が発生する傾向があり、そのためかえって加工性が劣化する。
【0023】
また、上記したように、Al−Zn合金めっき層にSrをSi含有量と一定の関係をもたせて含有させることにより、インターデンドライト部に存在するSi結晶を球状化させることができ、ひいては成形加工の際の潤滑被覆層の剥離が避けられるが、さらにめっき層全体を軟質化して潤滑被覆めっき鋼板の耐食性を向上するためには、併せてデンドライト部のα−Al(Zn)相の軟質化を図ることが好ましい。このために、本発明では、Al−Zn合金めっき層のインターデンドライト部におけるSr濃度をAl−Zn合金めっき層の平均Sr濃度の20〜 150倍とすることが好ましい。インターデンドライト部へSrを濃化させることにより、デンドライト部、すなわちα−Al(Zn)相の硬さが低下する。
【0024】
図6に、インターデンドライト部におけるSr濃度[Sr]i と、Al−Zn合金めっき層の平均Sr濃度[Sr]a 、との比[Sr]i /[Sr]a とデンドライト部のα−Al(Zn)相のマイクロビッカース硬度Hv0.0025 との関係を示す。
図6から、[Sr]i /[Sr]a が20以上となると硬さHv0.0025 が低下しはじめ、 150以上でその効果が飽和する。[Sr]i /[Sr]a が20以上となると、α−Al(Zn)相中に存在するZn含有量が低下しはじめ、硬さがマイクロビッカース硬度Hv0.0025 で120 以下に低下するものと考えられる。[Sr]i /[Sr]a が20未満の場合に、デンドライト部の硬度が高い理由は明らかではないが、一つにはデンドライト中にSrが極微細に析出するためであろうと考えられる。
【0025】
また、先にも述べたように過剰のSrの添加は、めっき層中に粗大なSr/Sr系の析出物が析出し、これに起因すると推定されるピンホールなどの欠陥を生じさせる原因にもなる。したがって、本発明では、[Sr]i /[Sr]a は20以上、150 以下とすることが好ましい。なお、[Sr]i /[Sr]a を20〜150 と、インターデンドライト部にSrを濃化させるには、めっき浴にSrをSi含有量に対し所定の範囲内としたうえで、後述するように、鋼板をめっき浴から引き上げてから、 260℃に達するまでの間を20〜 100℃/sで冷却することによって達成可能である。
【0026】
また、本発明では、Al−Zn合金めっき層の組成を、上記した各組成に加えてさらに、質量比で、Cr、 Zrのうちの1種又は2種を合計で0.01〜 2.0%含むことが好ましい。
Cr、 Zrは、いずれも界面合金層最上層部の界面合金層粒子を微細化するとともに、界面合金層と上層めっき層との界面を平坦化し、曲げ加工性を顕著に向上させる作用を有する。
【0027】
Cr、 Zrは、めっき層の合金化反応に深く関与して、合金化反応の核発生頻度を高めることで界面合金層最上層部の界面合金層粒子を微細化するものと考えられる。初晶Al相の凝固核の発生位置は必ずしも明らかではないが、界面エネルギーの高いめっき層上層と界面合金層との界面である可能性が高い。なかでも界面合金層の最上層部に存在する凸状界面合金層粒子との界面である可能性が高い。めっき層中にCr、 Zrのいずれかを含有することにより、この凸状界面合金層粒子が微細化し、したがって、初晶Alの核発生頻度が増加し、そのためクラックの伝播経路となるめっき層を貫通するインターデンドライトの存在頻度も減少すると考えられる。
【0028】
めっき層中のCr、 Zrのうちの1種または2種の合計量が質量比で0.01%未満では、上記した効果が認められない。一方、めっき層中のCr、 Zrの1種または2種の合計量が2.0 %を超えて含有させようとすると、めっき浴中にこれら元素を多量に添加する必要があり、ドロスの多量発生の原因となり、鋼板へのドロスの付着や不めっきなど表面欠陥の原因となる。このため、めっき層中のCr、 Zrのうちの1種または2種の合計量を質量比で0.01〜2.0 %の範囲に限定した。なお、好ましくは0.01〜0.5 %である。
【0029】
また、本発明では、界面合金層の最上層部に存在する、長径が5μm 以上の界面合金層粒子を1500個/mm2 以下とすることが好ましい。溶融Al-Zn 系合金めっき鋼板に形成されるめっき層中の界面合金層最上層部には、界面合金層粒子が分散している。この界面合金層粒子は、Fe-Al-Si系金属間化合物、FeAl4Si0.2(τ5c)にZnが微量に固溶した多角形の粒子であり、このうち凸状で粗大な界面合金層粒子が、初晶Al相の凝固核となる可能性が高い。この凸状で粗大な界面合金層粒子の存在頻度を低減することにより、初晶Al相の核発生頻度が減少し、クラックの伝播経路となるインターデンドライトの存在頻度も減少するものと考えられ、それにより曲げ加工性が向上する。5μm 以上の界面合金層粒子の存在頻度が1500個/mm2 を超えて多くなると、曲げ加工性が劣化する。このため、本発明では、界面合金層の最上層部に存在する、長径が5μm 以上の界面合金層粒子の存在頻度を1500個/mm2 以下とすることが好ましい。長径が5μm 以上の界面合金層粒子の存在頻度を1500個/mm2 以下とするためには、Al−Zn合金めっき層の組成を、上記した各組成に加えてさらに、質量比で、Cr、 Zrのうちの1種又は2種を合計で0.01〜 2.0%含むことが好ましい。
【0030】
また、Cr、 Zrのうちの1種又は2種の含有により、界面合金層最上層部に存在する界面合金層粒子の微細化に加え、デンドライト部のα−Al(Zn)相の軟化処理である過時効処理の時間短縮が可能となるという効果もある。Cr、 Zrのうちの1種又は2種の含有により、過時効処理時間が短縮し、時効硬化が遅延する理由は明らかでないが、一つにはデンドライト部のα−Al(Zn)相中のZnの析出が促進されるためと推定される。
【0031】
また、本発明では、めっき層中のデンドライト部のα−Al(Zn)相の硬さをマイクロビッカース硬さでHv120 以下とすることが好ましい。α−Al(Zn)相の硬さがHv120 以下とすることにより、めっき層全体が軟質化し、曲げ加工性が顕著に向上する。デンドライト部のα−Al(Zn)相の硬さがマイクロビッカース硬さでHv120 を超えると、曲げ加工性の顕著な向上は得られない。なお、デンドライト部のα−Al(Zn)相を軟質化するには、[Sr]i /[Sr]a は20以上、150 以下とすること以外に、後述するように、過時効処理を施すことによっても可能である。この場合、デンドライト部の硬さをHv100 以下とすることができ、より好ましい。
【0032】
つぎに、本発明の潤滑被覆溶融Al−Zn合金めっき鋼板のベースとなる溶融Al−Zn合金めっき鋼板の製造方法について説明する。
本発明で使用する鋼板は、通常の方法で製造した鋼板、例えば低炭素アルミキルド鋼板や極低炭素鋼板がいずれも好適に使用できる。
本発明では、これら鋼板を溶融Al−Zn合金めっき浴に浸漬する、熱浸めっきを行い、該鋼板を溶融Al−Zn合金めっき浴から引き上げて冷却し溶融Al−Zn合金めっき層を形成する。ここで、本発明では、溶融Al−Zn合金めっき浴の組成を、Al−Zn合金めっき層の平均組成が質量比でAlが25〜75%、Siが1%超5%以下、SrがSi含有量の0.2 〜2%の範囲で、あるいはさらにCr、 Zrのうちの1種又は2種を合計で0.01〜 2.0%含有し、残部が実質的にZnである組成とほぼ同一となるように、調整する。実際には、溶融Al-Zn 合金めっき浴組成を、質量比でAlが25〜75%、Siが1%超5%以下、SrがSi含有量の0.2 〜2%の範囲で、あるいはさらにCr、 Zrのうちの1種又は2種を合計で0.01〜 2.0%含有する組成とすることが好ましい。
【0033】
なお、めっき浴温は、液相線温度以上、(液相線温度+50℃)以下とするのが好ましい。
また、本発明では、上記した組成に調整した溶融Al−Znめっき浴から鋼板を引き上げて冷却する際に、めっき浴から引き上げて 260℃に達するまでの間の冷却速度を20℃/s以上、100 ℃/s以下とすることが好ましい。260 ℃までの間の冷却速度が20℃/s未満では、界面合金層最上層部の界面合金層粒子を微細化させることが困難となる。また、260 ℃までの冷却速度が100 ℃/s超では、Srをインターデンドライト部へ濃化させることができず、[Sr]i /[Sr]a を20以上とすることができなくなる。
【0034】
また、本発明では、好ましくは上記した工程で溶融Al−Zn合金めっき鋼板としたのち、デンドライト部のα−Al(Zn)相の更なる軟質化を図ることが、めっき層全体を軟質化して曲げ加工性を顕著に向上させるために好ましい。
α−Al(Zn)相を軟化する手段としては、たとえば特公昭61−28748 号公報に記載された、めっき後に鋼板をlogt=7102.4/T−11.04(ここで、t=時間(秒)、T=加熱時間(K)である。)によって表される条件のもとで過時効処理する方法、あるいは特開平4−41657 号公報に記載された、めっき後に鋼板にショットブラスト処理を行い、150 〜270 ℃で10分以内保持する方法が好ましいが、より好ましくは、以下に示す方法が、迅速、かつ極めて効果的にα−Al(Zn)相を軟化できるので好都合である。
【0035】
この方法は、上記した熱漬めっきを用いた製造方法で製造された溶融Al−Zn合金めっき鋼板に、さらにスキンパス圧延と過時効処理とを施す方法である。
スキンパス圧延により、適当量の転位をα−Al(Zn)相に導入する。スキンパス圧延の圧下率は 0.5%以上、5%以下とすることが好ましい。なお、スキンパス圧延を施すことにより、次工程の過時効処理の処理時間が短縮される。また、スキンパス圧延の圧下率が 0.5%未満では、導入される転位量が不十分であり上記した効果が期待できにくい。一方、圧下率が5%を超えても、過時効処理時間の短縮効果が飽和するうえ、めっき層にクラックが発生する恐れがある。
【0036】
スキンパス圧延後、過時効処理を行う。これにより、α−Al(Zn)相に過飽和に固溶されているZnの析出を図る。過時効処理の温度は 130〜 260℃の範囲とすることが適当である。過時効処理温度が130 ℃未満と低いときには、G.P.ゾーンの形成によって却って時効硬化し、一方過時効処理温度が260 ℃を超えて高すぎるときには、Al2.45Zn(六方晶R3m )の形成によって硬化し、加工性はむしろ劣化する。なお、最も好ましい過時効処理温度は 170〜 230℃である。また、過時効処理は、上記した温度に30秒〜1時間保持することが好ましい。
【0037】
スキンパス圧延後、過時効処理を行う方法によれば、圧延時間を加算しても従来の手段に比べ過時効に要する時間を大幅に短縮できる。なお、本発明では、過時効処理の冷却速度は特に規定しないが、130 〜 260℃の温度範囲を30秒以上かけて冷却する炉冷の場合は、特に一定時間に保持することを要しない。また、この過時効処理は、[Sr]i /[Sr]a を20〜 150の範囲にあるようにするとき、その時間を短縮することができる。すでに述べたように、この範囲ではα−Al(Zn)相の硬さが事前に低下しているからである。
【0038】
なお、スキンパス圧延及び過時効処理の手段は、通常鋼板の処理において用いられるものを使用すればよい。
本発明では、このようにして製造された軟質の溶融Al−Zn 合金めっき層を有する溶融Al−Zn合金めっき鋼板に、Al−Zn 合金めっき層の上層として潤滑被覆を施し樹脂被膜からなる潤滑被覆層を形成し、潤滑被覆溶融Al−Zn合金めっき鋼板とすることが好ましい。なお、樹脂被膜からなる潤滑被覆層は、溶融Al−Zn合金めっき鋼板の表裏面のいずれか一方あるいは両方に、溶融Al−Zn 合金めっき層の上層として形成することが好ましい。
【0039】
樹脂被膜からなる潤滑被覆層の形成は、通常の潤滑被覆鋼板を製造するのに採用されているものを用いればよい。
樹脂被膜からなる潤滑被覆層を構成する樹脂としては、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、ウレタン系樹脂等の公知の樹脂を用いることができる。潤滑被覆層を構成する潤滑剤としては、ポリオレフィン系樹脂、フッ素樹脂、シリコーン系樹脂のほかステアリン酸、オレフィン酸等の脂肪酸やそれらのエステル類を使用できる。また、樹脂被膜からなる潤滑被覆層には防錆顔料としてクロム酸系の防錆剤(ジンククロメート、クロム酸ストロンチウム、クロム酸バリウム等)や燐酸塩系防錆剤、モリブデン酸系防錆剤、ホウ酸塩系防錆剤等の非クロム酸系防錆剤を配合することもできる。
【0040】
これらの樹脂、潤滑剤及び防錆顔料を目的に応じて配合量を調整し、Al−Zn溶融合金めっき鋼板に塗布する。樹脂に対する潤滑剤の配合割合は、適正な潤滑性を付与する観点から質量比で 0.1〜5%とするのがよい。防錆顔料の配合割合は質量比で樹脂に対して 0.2〜5%とするのがよい。さらに樹脂被膜からなる潤滑被覆層の厚さは 0.5〜10μmとするのがよい。樹脂被膜からなる潤滑被覆層の厚さが薄すぎると耐食性が劣り、一方、厚すぎると樹脂被膜からなる潤滑被覆層そのものの加工性が劣化するからである。
【0041】
以下、本発明を実施例に基づいて、さらに詳細に説明する。
【0042】
【実施例】
質量比で、C:0.045 %、Si:0.01%、Mn:0.17%、S:0.005 %、Al:0.019 %、残部Fe及び不可避的不純物からなる低炭素アルミキルド鋼を常法に従って処理して冷延鋼板とし、これを連続式溶融めっき設備によってAl−Zn合金めっきを施し、溶融Al−Zn合金めっき鋼板とした。めっき浴の母合金には99.9%Znインゴット、99.99 %Alインゴットを用い、これに15%Si−Al合金、10%Sr−Al合金、10%Cr−Al合金、及び5%Zr−Al合金を用いて表3のめっき層組成となるようにめっき浴の成分調整を行った。
【0043】
成分調整されためっき浴(浴温:590 〜615 ℃)に鋼板を侵入させ1秒間浸潰後引上げ、次いで表2に示す冷却速度で冷却し溶融Al−Zn合金めっき鋼板とした。なお、めっき浴温は、めっき組成に応じて変更した。
また、得られた溶融Al−Zn合金めっき鋼板の一部について、さらに表2に示す圧下率でスキンパス圧延を施し、次いで連続焼鈍炉又はバッチ式の焼鈍炉によって表2に示す条件の過時効処理を施した。
【0044】
得られた溶融Al−Zn合金めっき鋼板から試験片を採取して、めっき層の特性を調査した。めっき層の特性としては、めっき層のうちデンドライト部の硬さ、めっき層の平均組成、インターデンドライト部のSr濃度、デンドライト部のSi結晶の状態、界面合金層率、界面合金層粒子の大きさ、個数を調査した。
デンドライト部(α−Al(Zn)相)の硬さHv0.0025は、マイクロビッカース硬度計を用い、荷重を24.5mN(2.5gf )としてめっき層断面から測定した。
【0045】
また、めっき層組成は、めっき層の断面について各10個所の成分分析をEPMAによって行い、その平均値を各成分のめっき層平均濃度として決定した。また、インターデンドライト部のSr濃度は、めっき層断面のインターデンドライト部各10個所のSr濃度をEPMAによって行い、その平均値を求めることによって決定した。また、インターデンドライト部を走査型電子顕微鏡により観察し、Si結晶の状態を観察した。
【0046】
また、界面合金層率は、めっき層の断面について走査型電子顕微鏡を用いて各5箇所で測定し、 その平均値を界面合金層厚さとし、(界面合金層厚さ)/(めっき層厚さ)×100 (%)で算出した。
また、めっき被膜中の最上部層に存在する界面合金層粒子の大きさおよび個数は、得られためっき鋼板について、5箇所から試料を採取し、10%ヨウ素−エタノール溶液でめっき層の上層を溶解し、界面合金層を露出し、ついで、界面合金層の表面組織を走査型電子顕微鏡を用いて、2000倍の倍率で各試料各15視野撮像し、得られた組織写真から画像解析装置を用いて各視野について平均値を求め、それら平均値の平均を各鋼板の値とした。そして、界面合金層粒子のうち、大きさが長径:5μm 以上の界面合金層粒子についてその存在頻度を算出した。
【0047】
得られた結果を表3に示す。
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】
ついで、得られた溶融Al−Zn合金めっき鋼板に対し、樹脂に各種防錆剤、各種潤滑剤を配合した潤滑被覆塗料により潤滑被覆を施し、溶融Al−Zn 合金めっき層の上層として、表4に示す構成の樹脂被膜からなる潤滑被覆層を形成し、潤滑被覆溶融Al−Zn 合金めっき鋼板 (製品)とした。なお、潤滑被覆塗料を塗布後、 130〜 220℃、5〜10分の焼付け乾燥を行った。
【0051】
得られた製品について、曲げ試験によって加工性の良否の判定を行った。加工性の判定は、製品を圧延方向に60mm、幅方向に20mmのサイズに切断して試験片とし、2t曲げ試験を実施し、試験後、亀裂の状態を観察することにより行った。2t曲げ試験は、JIS Z 2248による曲げ試験に準拠して曲げ半径1tで行った。亀裂の状態の観察は、マイクロスコープによる目視観察から、亀裂発生率を求めた。
【0052】
また、上記した2t曲げ試験を行った試験片について、さらにJIS Z 2371の規定に準拠して塩水噴霧試験を実施し、加工部の腐食程度から加工後耐食性を評価した。塩水噴霧試験(SST )は、5%NaCl塩水噴霧(35℃)を24時間実施した。試験後、目視で、試験片加工部に発生した白錆の面積を測定し、加工部全面積に対する白錆発生面積の比、白錆発生面積率を算出し、白錆発生面積率で加工後耐食性を評価した。
【0053】
得られた結果を表5に示す。
【0054】
【表4】
【0055】
【表5】
【0056】
本発明例はいずれも、曲げ加工部の亀裂発生率が5%以下、また白錆発生率が5%以下と、潤滑被覆後加工性、および加工後耐食性が十分と判定された。これに対して、本発明の範囲を外れる比較例は、曲げ加工部の亀裂発生率が6%以上であり、また白錆発生率が11%以上と、厳しい加工を必要とする部位に長期使用することは困難と判定された。
【0057】
【発明の効果】
本発明によれば、潤滑被覆層の耐剥離性が向上し、潤滑被覆鋼板の加工性及び耐食性が向上し、建材や家電等の使途に好適な潤滑被覆溶融Al−Zn合金めっき鋼板とすることができ、産業上格段の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の適用対象の典型的例である55%Al−1.6 %Si−Zn合金めっき鋼板のめっき層を示す金属組織写真である。
【図2】Sr/Si=0の場合にめっき上層を溶解後のインターデンドライト部のSi結晶残渣の走査型電子顕微鏡組織写真である。
【図3】図2の拡大写真である。
【図4】Sr/Si=0.002 の場合にめっき上層を溶解後のインターデンドライト部のSi結晶残渣の走査型電子顕微鏡写真である。
【図5】図4の拡大写真である。
【図6】インターデンドライト部におけるSi濃度〔Sr〕i とAl−Zn合金めっき層の平均Sr濃度〔Sr〕a の比〔Sr〕i /〔Sr〕a とデンドライト部のビッカース硬度Hv0.025 との関係と示すグラフである。
Claims (6)
- 鋼板表裏面に、デンドライト部、該デンドライト部の間に存在するインターデンドライト部及びこれらと鋼板地鉄との界面に存在する界面合金層からなるAl−Zn合金めっき層を有し、前記鋼板表裏面のうちのいずれか一方または両方に、前記Al−Zn合金めっき層の上層として樹脂被膜を有する潤滑被覆溶融Al−Zn合金めっき鋼板であって、
前記Al−Zn合金めっき層が質量比でAlを25〜75%、Siを1%超5%以下及びSrをSi含有量の 0.2〜2%の範囲で含有し、残部が実質的に Zn とする組成を有し、前記 Al − Zn 合金めっき層のインターデンドライト部における Sr 濃度が、 Al − Zn 合金めっき層の平均 Sr 濃度の 20 〜 150 倍であることを特徴とする加工性及び耐食性に優れた潤滑被覆溶融Al−Zn合金めっき鋼板。 - 前記Al−Zn合金めっき層は、さらに質量比で、Cr、 Zrのうちの1種又は2種を合計で0.01〜 2.0%含有することを特徴とする請求項1に記載の潤滑被覆溶融Al−Zn合金めっき鋼板。
- 前記Al−Zn合金めっき層の界面合金層の最上層部に存在する、長径が5μm 以上の界面合金層粒子が1500個/mm2 以下であることを特徴とする請求項2に記載の潤滑被覆溶融Al−Zn合金めっき鋼板。
- 前記デンドライト部のα−Al相の硬さがHv120 以下であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の潤滑被覆溶融Al−Zn合金めっき鋼板。
- 鋼板を溶融 Al − Zn 合金めっき浴に浸漬する、熱浸めっきを行い、該鋼板を溶融 Al − Zn 合金めっき浴から引き上げて冷却し Al − Zn 合金めっき層を形成し、溶融 Al − Zn 合金めっき鋼板としたのち、該 Al − Zn 合金めっき鋼板の表裏面のいずれか一方あるいは両方に前記 Al − Zn 合金めっき層の上層として潤滑被膜からなる潤滑被覆層を形成する潤滑被覆溶融 Al − Zn 合金めっき鋼板の製造方法において、前記溶融 Al − Zn 合金めっき浴を、前記 Al − Zn 合金めっき層の平均組成が質量比で Al が 25 〜 75 %、 Si が1%超5%以下、 Sr が Si 含有量の 0.2 〜2%の範囲で、あるいはさらに Cr 、 Zr のうちの1種または2種を合計で 0.01 〜 2.0 %含有し、残部が実質的に Zn である組成とほぼ同一となるように調整し、前記冷却を、前記溶融 Al − Zn 合金めっき浴から引き上げて 260 ℃までの間の冷却速度が 20 〜 100 ℃/sである冷却とすることを特徴とする加工性および耐食性に優れた潤滑被覆溶融 Al − Zn 合金めっき鋼板の製造方法。
- 前記溶融 Al − Zn 合金めっき鋼板に、さらに、圧下率が 0.5 〜5%のスキンパス圧延を施し、ついで 130 〜 260 ℃の温度範囲で過時効処理を施すことを特徴とする請求項5に記載の潤滑被覆溶融 Al − Zn 合金めっき鋼板の製造方法。
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