JP3557738B2 - 自動車のアクセルペダル装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は自動車のアクセルペダル装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に自動車のアクセルペダル装置は、車室内に配されたアクセルペダルレバーの回動量をケーブルを介してエンジンルーム内に配されたスロットルドラムユニットに伝達し、該スロットルドラムユニットで前記回動量に応じたエンジン出力信号を発生させる構造になっている(類似技術として、日産自動車株式会社1990年2月発行“新型車解説書P10−1”のB−108頁参照)。
【0003】
このように、アクセルペダルレバーの回動量に応じたエンジン出力信号をスロットルドラムユニットから発生する構造になっているため、エンジン出力の安定性を確保するために、アクセルペダルレバーの回動量の急激な変動は極力抑える必要がある。そのため、アクセルペダルレバーの踏み方向及び戻り方向における急激な回動を抑制するための「ヒステリシス」と称される機構を設けて、アクセルペダルレバーが急激に回動しないように工夫されている。また、ヒステリシス機構はアクセルペダルレバーの回動時に抵抗を生じさせることで、運転者がアクセルペダルレバーを踏み込み、或いは所定位置に保持する際にある程度の抵抗感を得ることができ、これにより操作フィーリングを良くしている。前述のように、車室内に配されたアクセルペダルレバーとエンジンルーム内に配されたスロットルドラムユニットとをフレキシブルなケーブルを介して連結する構造の場合は、このケーブル自体によってヒステリシス機構が形成される。すなわち、ケーブルの長い経路における摺動抵抗により、アクセルペダルレバーの踏み方向及び戻り方向への回動力が抑制されるため、このケーブルの配索構造自体がヒステリシス機構となり、アクセルペダルレバーの急激な回動が抑制される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、最近では、ケーブル経路の短縮化を図るために、スロットルドラムユニットをエンジンルームではなく、車室内のアクセルペダルレバー近傍に取付けた構造のアクセルペダル装置が考えられている。このようなスロットルドラムユニット車室内設置型のアクセルペダル装置の場合は、ケーブルの長さが短くなるため、前述のようなケーブル自体の摺動抵抗を利用したヒステリシス機構を構成することができない。従って、このようなタイプのアクセルペダル装置への適用に好適なヒステリシス機構の開発が望まれている。
【0005】
この発明はこのような従来の技術に着目してなされたものであり、スロットルドラムユニット車室内設置型で且つ有効なヒステリシス機構を備えたアクセルペダル装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、車体に取付けられたベースブラケットの下部に支点を中心にして踏み方向及び戻り方向へ回動自在なアクセルペダルレバーを取付けると共に、該アクセルペダルレバーを戻り方向へ付勢する第1付勢手段を設け、前記アクセルペダルレバーの上部近傍に回動軸の回動量に応じてエンジン出力信号を発生させるスロットルドラムユニットを取付けると共に、前記回動軸に一体的に取付けられた回動レバーとアクセルペダルレバーの一端部とを回動力伝達部材にて連結し、該回動軸をアクセルペダルレバーと連動して回動するようにし、前記ベースブラケットに支点を中心に前記踏み方向及び戻り方向へ回動自在で且つ上端部が戻り方向でアクセルペダルレバーと当接するヒステリシスレバーを設けると共に、該ヒステリシスレバーを戻り方向へ付勢する第2付勢手段を設け、前記ヒステリシスレバーにベースブラケットに突設したヒステリシスレールの縁部に対して所定の抵抗力で摺動する抵抗付与体を回動自在に取付けると共に、該抵抗付与体をヒステリシスレールに押付ける方向へ付勢する第3付勢手段を設けたものである。
【0007】
本発明によれば、ヒステリシスレバーの抵抗付与体をヒステリシスレールの縁部に対して第3付勢手段による所定の押圧力で摺動させる構造になっているため、該抵抗付与体による摺動抵抗が、アクセルペダルレバーの踏み方向への回動力(足の踏み力−第1付勢手段−第2付勢手段)及び戻り方向への回動力(第2付勢手段)をそれぞれ抑制する方向に作用する。従って、スロットルドラムユニット車室内設置型のアクセルペダル装置でありながら、前記ヒステリシスレールやヒステリシスレバー等により有効で省スペース型のヒステリシス機構を形成することができる。
【0008】
更に、この発明の特徴として、ヒステリシスレバーの上端部が戻り方向でアクセルペダルレバーと当接する構造になっているため(ヒステリシスレバーとアクセルペダルレバーとが一体的に連結されていないため)、万一、ヒステリシスレバーが戻り方向での回動不良を起こしても、アクセルペダルレバーだけはそのヒステリシスレバーの影響を受けずに戻り方向へ確実に回動する。従って、ヒステリシス機構にトラブルが生じても、アクセルペダルレバーの戻り方向への回動は確実に確保されるため、エンジン出力信号の出力にトラブルが生じることはない。
【0009】
第1の発明は、ヒステリシスレールの縁部を該ヒステリシスレールに取付けた別物のレール本体で形成したものである。
【0010】
第1の発明によれば、ヒステリシスレールの縁部を、該ヒステリシスレールに取付けた別物のレール本体にて形成したため、該レール本体の形状を変更したり或いは取付角度を変更することにより、ヒステリシス機構における摺動抵抗の調整を容易に行うことができる。
【0011】
第2の発明は、アクセルペダルレバーとヒステリシスレバーが同一支点である。
【0012】
第2の発明によれば、アクセルペダルレバーとヒステリシスレバーが同一支点であるため、両者の当接部が相対的に擦れて不快な異音を発生することがない。
【0013】
第3の発明は、抵抗付与体に、ヒステリシスレバーと係合して該抵抗付与体の姿勢をほぼヒステリシスレールに組合わされた状態に保つ係合片を、形成したものである。
【0014】
第3の発明によれば、抵抗付与体の姿勢がヒステリシスレールに組合わされる前においても、ほぼヒステリシスレールに組合わされた状態に保たれるため、該抵抗付与体とヒステリシスレールとの組合わせ作業を行い易い。
【0015】
【発明の実施の形態】
この発明の好適な実施例を図1〜図9に基づいて説明する。この実施例に係るアクセルペダル装置を主な構成部品ごとに説明する。尚、図中、Y1 を前側、Y2 を後側、X1 を左側、X2 を右側として説明する。
【0016】
ベースブラケット1(図1参照):
ベースブラケット1は車体に取付けられるもので、上部1aに比べて下部1cの方が幅が狭くなっている。また上部1aと下部1cとの間には傾斜部1bが形成されており、上部1aの方が下部1cよりも前側に位置している。そして、前記傾斜部1bには切起こし状のフック部2が形成されている。更に、該ベースブラケット1の両側端にはフランジ3が形成され、下部1cのフランジ3部分には支持孔4が形成されている。また、左側のフランジ3には小孔5も形成されている。
【0017】
アクセルペダルレバー6(図1参照):
アクセルペダルレバー6の下端には運転者が踏むためのペダル部7が設けられており、上端部には逆カギ穴状の切欠8が形成されている。また、アクセルペダルレバー6の中間部には、断面L型のストッパ片9が設けられている。更に、このアクセルペダルレバー6の下方には、「支点」としての水平な支持軸10が設けられており、該支持軸10を前記ベースブラケット1の下部1cの支持孔4へ挿入している。従って、このアクセルペダルレバー6は該支持軸10を中心として、踏み方向A及び戻り方向Bへ回動自在な構造になっている。加えて、この支持軸10には、一端が前記フランジ3の小孔5に係合し且つ他端がアクセルペダルレバー6に係合する第1スプリング(第1付勢手段)11が設けられており、この第1スプリング11によりアクセルペダルレバー6を戻り方向Bへ付勢している。
【0018】
ヒステリシスレールブラケット12(図1・図2参照):
ベースブラケット1の下部1cから傾斜部1bにかけてヒステリシスレールブラケット12が取付けられている。このヒステリシスレールブラケット12には、後側へ突出したヒステリシスレール13と、斜め上方へ突出したストッパ部14が形成されている。ヒステリシスレール13は前記支持軸10を中心にした円弧状に湾曲している。また、このヒステリシスレール13の上部には断面L形をした別物のレール本体15が取付けられており、該レール本体15によりヒステリシスレール13の「縁部」を形成している。ストッパ部14の上端には右側へ曲折したストッパ面14aが形成されており、ここに前記戻り方向Bへ回動したアクセルペダルレバー6のストッパ片9が当接し、該アクセルペダルレバー6の戻り方向Bでのストッパ位置を決定している。また、このストッパ部14の上端の左側にはマイクロスイッチ16が設けられている。このマイクロスイッチ16のボタンが前記ストッパ片9に押されることにより、アクセルペダルレバー6がストッパ位置にあることを知らせる信号が発生される。
【0019】
ヒステリシスレバー17(図1・図2参照):
17はヒステリシスレバーで、下端に形成された支持孔18が前記アクセルペダルレバー6の支持軸10に取付けられるため、このヒステリシスレバー17も前記支持軸10を「支点」として踏み方向A及び戻り方向Bで回動する。そして、このヒステリシスレバー17の上端部17aは右側に延長された形状になっていると共に、その上端部17aが後側へ反った断面湾曲形状を呈している。ヒステリシスレバー17の中間部の左側には係止孔19が形成され、該係止孔19と前記ベースブラケット1のフック部2との間に「第2付勢手段」としての第2スプリング20が設けられている。従って、このヒステリシスレバー17はこの第2スプリング20により戻り方向Bへ付勢され、前記アクセルペダルレバー6に対して戻り方向Bで当接することになる。つまり、ヒステリシスレバー17の上端部17aがアクセルペダルレバー6の後側に対して追従するように当接する。更に、ヒステリシスレバー17の中間部における前側部位にも係止孔21が形成され、この係止孔21には「第3付勢手段」としての第3スプリング22の一端が係合されている。
【0020】
抵抗付与体23(図1〜図5参照):
ヒステリシスレバー17の上端の前側部位には、抵抗付与体23の後端部が支持ピン24にて軸支されている。この抵抗付与体23は概略下向きコ字形で、その前側には取付ピン25により樹脂製の摺動部材26が取付けられている。この摺動部材26の下面の幅方向中央部には、一定幅で下方へ突出した湾曲状の摺動面26aが形成されている。抵抗付与体23の右側の内面には、前記摺動部材26の後面に係合する内向きの凸部27が形成され、該凸部27との係合により摺動部材26の過度な回転が防止される。更に、抵抗付与体23の前端には略L字状に折曲がったフック部28が形成され、該フック部28に前記第3スプリング22の他端が係合される。従って、この第3スプリング22の付勢力により前記抵抗付与体23の摺動部材26は、ヒステリシスレール13のレール本体15の上面に対して押付けられた状態となり、ヒステリシスレバー17が踏み方向A及び戻り方向Bへ回動する際に、前記レール本体15の上面との間に所定の摺動抵抗を生じさせる。また、略L字状のフック部28の後面で摺動部材26の前側への過度な回転が防止される。
【0021】
尚、この抵抗付与体23の後端にはヒステリシスレバー17の一部に係合して、抵抗付与体23の前側が第3スプリング22によって下側へ回動し過ぎるのを防止するための係合片29も設けられている。この係合片29とヒステリシスレバー17との係合により、抵抗付与体23をヒステリシスレール13に組合わせる前の作業工程において、予め第3スプリング22をセットしても、該抵抗付与体23の姿勢が若干下向きではあるが、ほぼヒステリシスレール13に組合わされた状態に保たれるため、その後の作業工程において抵抗付与体23をレール本体15の上面にのせる作業が大変に行い易くなる。
【0022】
加えて、この抵抗付与体23は断面下向きコ字形をしており、ヒステリシスレール13に組合わせた場合には、図5に示すように、抵抗付与体23の下端とレール本体15の上面とが所定の幅dでオーバラップするため、該抵抗付与体23がレール本体15から左右方向に外れてしまうこともない。
【0023】
スロットルドラムユニット30(図1参照):
スロットルドラムユニット30はエンジン出力信号を発生させるもので、ベースブラケット1の上部1aに一体的に取付けられている。このスロットルドラムユニット30の内部には回動軸31が設けられ、該回動軸31には回動レバー32(図6参照)が設けられている。この回動レバー32はスロットルドラムユニット30の表面に設けられたスプリング33により図6中B方向へ付勢されている。また、このスロットルドラムユニット30には、前記回動レバー32と同様に回動軸31に接続された断面U形の弓形ガイド部34が設けられている。そして、前記回動レバー32とアクセルペダルレバー6とを、前記弓形ガイド部34を介在させた状態で、「回動力伝達部材」としてのケーブル35にて連結されている。この弓形ガイド部34の存在によりケーブル35とスロットルドラムユニット30との干渉が回避される。ケーブル35の後端にはアクセルペダルレバー6の上端の切欠8へ係合される球体36が設けられている。そして、アクセルペダルレバー6を踏み方向Aに回動させると、前記ケーブル35に引っ張られてスロットルドラムユニット30の回動レバー32及び回動軸31が図6中A方向に回転し、該回動軸31の回動量をセンサー(ポテンショメータ)37にて検出して、その回動量に応じたエンジン出力信号が出力される構造になっている。また、アクセルペダルレバー6を戻り方向Bに回転させると、ケーブル35により連結されたスロットルドラムユニット30の回動レバー32及び回動軸31がスプリング33によって、図6中B方向に追従して回転し、ケーブル35が弛まないようにしている。
【0024】
次に、このアクセルペダル装置におけるヒステリシス動作等を図6〜図8により説明する。
【0025】
アクセルペダルレバー6の非回動時(図6参照):
アクセルペダルレバー6の非回動時は、第1スプリング11の戻り方向Bへの付勢力により、ストッパ部14(図6中では図示省略)に押当てられたストッパ位置で停止している。
【0026】
アクセルペダルレバー6の回動時(図7参照):
運転者が足でアクセルペダルレバー6のペダル部7を踏むと、アクセルペダルレバー6及びヒステリシスレバー17が支持軸10を中心として踏み方向Aへ回動する。アクセルペダルレバー6が踏み方向Aへ回動すると、ケーブル35が引っ張られて、スロットルドラムユニット30の回動レバー32がA方向へ回転し、それに見合ったエンジン出力信号が発生される。
【0027】
この時、アクセルペダルレバー6の踏み方向Aにおける回動力、すなわち踏み方向Aへの回動推進力は、運転者の足による踏み力から戻り方向Bへ作用する力(第1スプリング11+第2スプリング20)を差し引いた力となるが、レール本体15の上面と抵抗付与体23の摺動部材26との間に所定の摺動抵抗が生じるため、この摺動抵抗力より前記踏み方向Aへの回動力が弱められ、アクセルペダルレバー6の踏み方向Aへの回動の急激な変動が抑制される。
【0028】
逆に、運転者がペダル部7から足を離すと、アクセルペダルレバー6及びヒステリシスレバー17がそれぞれ第1スプリング11及び第2スプリング20の力により戻り方向Bへ回動する。ここで、第1スプリング11のバネ力は弱く、第2スプリング20のバネ力は強く設定されており、これにより、ヒステリシスレバー17が最初に動こうとするため、アクセルペダルレバー6は常に連動して回動し、離れることがなく、ヒステリシスレバー17とアクセルペダルレバー6との間で打音等が発生するのを防止している。
【0029】
この時、アクセルペダルレバー6の戻り方向Bへの回動力、すなわち戻り方向Bへの回動推進力は、前記戻り方向Bへ作用する力(第2スプリング20)のみであるが、前記踏み方向Aの場合と同様に、戻り方向Bにおいてもレール本体15の上面と抵抗付与体23の摺動部材26との間に所定の摺動抵抗が生じるため、この摺動抵抗により戻り方向Bへの回動力が弱められ、アクセルペダルレバー6の戻り方向Bへの回動の急激な変動も抑制される。このように、この実施例では、ヒステリシスレバー17やヒステリシスレール13等により、アクセルペダルレバー6の踏み方向A及び戻り方向Bへの回動力を抑制する省スペース型のヒステリシス機構を形成することができる。
【0030】
このヒステリシス機構の作用をグラフで示すと図9のようになる。図9のグラフは縦軸がアクセルペダルレバー6の踏み力で、横軸がアクセルペダルレバー6の回動量(踏み方向Aでの回動量)で、アクセルペダルレバー6をいったん踏込んで戻した状態を示している。つまり、始点Sから終点Eに至る上側の線が踏み方向Aでの踏み力で、終点Eから始点Sに至る下側の線が戻り方向Bでの踏み力である。また、中央の点線がヒステリシス機構がない場合の踏み力を示してる。この図9から明らかなように、踏み方向A及び戻り方向Bにおいてそれぞれヒステリシス機構による摺動抵抗hが作用するため、踏み方向Aにおいて踏み力を増してもすぐに回動量が増加せず、踏み力が摺動抵抗hに相当する力に達してから回動量が増加する。また、戻り方向Bにおいて踏み力を減らしても急減に回動量が減少せず、戻り方向Bへの回動力が前記摺動抵抗hに相当する力に達してから回動量が減少する。もし、ヒステリシス機構がない場合は、踏み力に応じて回動量が瞬時のうちに変動し、図9の中央に示した点線グラフ上を行ったり来たりする特性を示してしまう。以上のように、この実施例のアクセルペダル装置によれば、ヒステリシス機構によりアクセルペダルレバー6の回動量の急激な変動を抑え、エンジン出力の安定性を確保することができる。また、運転者がアクセルペダルレバー6を踏み込み、或いは所定位置に保持する際にある程度の抵抗感を得ることができるため、操作フィーリングを良くできる。
【0031】
加えて、前記ヒステリシスレバー17とアクセルペダルレバー6とが、同じ支点(支持軸10)を中心に回動するため、両者を踏み方向A及び戻り方向Bへ回動させる際に、アクセルペダルレバー6とヒステリシスレバー17の上端部17aの当接部が擦れて、不快な異音を発生したりすることはない。
【0032】
更に、ヒステリシスレール13の上縁部を、該ヒステリシスレール13の上部に取付けた別物のレール本体15にて形成したため、このレール本体15の取付角度を変更することにより、ヒステリシス機構における摺動抵抗の調整を容易に行うこともできる。
【0033】
ヒステリシスレバー17の戻り回動不良時(図8参照):
アクセルペダルレバー6及びヒステリシスレバー17が踏み方向Aへ回動した後に、万一、抵抗付与体23とレール本体15との摺動具合のトラブルにより、ヒステリシスレバー17が戻り方向Bへ回動しないような状況が生じても、該ヒステリシスレバー17の上端部17aが戻り方向Bでアクセルペダルレバー6と当接する構造(ヒステリシスレバー17がアクセルペダルレバー6を戻り方向Bへ押す構造)になっているため、アクセルペダルレバー6だけはヒステリシスレバー17を残したまま、戻り方向Bへ確実に回動できる。このように、ヒステリシス機構にトラブルが生じても、アクセルペダルレバー6の戻り方向Bへの回動は確実に確保されるため、エンジン出力信号にトラブルが生じることはない。
【0034】
以上、この発明の好適な実施例を説明したが、以下、この発明の変形例を列挙する。
【0035】
「第2付勢手段」として、ヒステリシスレバー17の係止孔19と、ベースブラケット1のフック部2との間に、引っ張り力を生じさせる第2スプリングを設けた例を示したが、これに限定されず、「第2付勢手段」を第1スプリング11と同様に、支持軸10に設けるタイプのスプリングとし、その一端をベースブラケット1に係合させ、他端をヒステリシスレバー17に係合させて、該ヒステリシスレバー17を戻り方向Bへ付勢するようにすれば、更に省スペース型のヒステリシス機構を構成できる。ヒステリシスレバー17及びヒステリシスレール13を、一般的な車両搭載レイアウトを考慮して、支持軸10より上方に位置させる例を示したが、支持軸10の下方スペースに余裕がある車種では、ヒステリシスレバー17とアクセルペダルレバー6との当接部(上端部17aに相当)を下方を向けて延設しても良く、更に余裕がある場合は、ヒステリシスレール13も下方に設置しても良い。
【0036】
アクセルペダルレバー6とヒステリシスレバー17とを同一支点(支持軸10)で回動させる構造を示したが、これに限定されず、アクセルペダルレバー6とヒステリシスレバー17との当接部に異音発生防止用の滑動部材を設けたりする対策を施せば、両者の支点は相違していても良い。
【0037】
ヒステリシスレール13に取付けた別物のレール本体15の上面に段差15aを設け、その段差15aによる踏み力の節度感により、キックダウンを運転者に感知させる構造にしても良い(図10参照)。この場合、ヒステリシスレール13には形状変更を加えずに、小さな部品であるレール本体15のみの形状変更で対応できるので、基本的な部品は同一で、多仕様に対応でき、コストアップを最小限に抑えることができる。
【0038】
更に、ヒステリシスレール13には必ずしもレール本体15を取付ける必要はなく、ヒステリシスレール13自体の上縁部に対して抵抗付与体23を摺動させるようにしても良い。
【0039】
また、「回動力伝達部材」としてケーブル35を利用する例を示したが、これに限定されない。すなわち、スロットルドラムユニット車室内設置型の装置にしたことにより、アクセルペダルレバー6とスロットルドラムユニット30とが近接した状態となるため、必ずしも長い経路の配索に有利なケーブル35を用いる必要はなく、リンクその他の部材を用いて、アクセルペダルレバー6とスロットルドラムユニット30とを連結するようにしても良い。更に、スロットルドラムユニット30は、取付作業性を考慮して、ベースブラケット1の上部1aに一体的に取付ける例を示したが、これに限らず、アクセルペダルレバー6の上部近傍の車室内側であれば良く、図外のダッシュパネル等の車体に直接適宜手段により取付けても良い。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、スロットルドラムユニット車室内設置型で且つ有効なヒステリシス機構を備えたアクセルペダル装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係る自動車のアクセルペダル装置を示す斜視図。
【図2】ヒステリシスレールとヒステリシスレバーと抵抗付与体を示す斜視図。
【図3】図2中矢示SA−SA線に沿う断面図。
【図4】図3中矢示DA方向から平面図。
【図5】図4中矢示SB−SB線に沿う断面図。
【図6】アクセルペダルレバーの非回動状態を示すアクセルペダル装置の概略側面図。
【図7】アクセルペダルレバーの回動状態を示す図6相当の概略側面図。
【図8】ヒステリシスレバーが回動不良を起こした状態を示す図6相当の概略側面図。
【図9】この実施例のヒステリシス機構の特性を示すグラフ。
【図10】レール本体の別の例を示す斜視図。
【符号の説明】
1 ベースブラケット
6 アクセルペダルレバー
10 支持軸(支点)
11 第1スプリング(第1付勢手段)
13 ヒステリシスレール
15 レール本体(縁部)
17 ヒステリシスレバー
20 第2スプリング(第2付勢手段)
22 第3スプリング(第3付勢手段)
23 抵抗付与体
29 係合片
30 スロットルドラムユニット
32 回動レバー
35 ケーブル(回動力伝達部材)
A 踏み方向
B 戻り方向
Claims (6)
- 車体に取付けられたベースブラケットの下部に支点を中心にして踏み方向及び戻り方向へ回動自在なアクセルペダルレバーを取付けると共に、該アクセルペダルレバーを戻り方向へ付勢する第1付勢手段を設け、前記アクセルペダルレバーの上部近傍に回動軸の回動量に応じてエンジン出力信号を発生させるスロットルドラムユニットを取付けると共に、前記回動軸に一体的に取付けられた回動レバーとアクセルペダルレバーの上端部とを回動力伝達部材にて連結し、該回動軸をアクセルペダルレバーと連動して回動するようにし、前記ベースブラケットに支点を中心に前記踏み方向及び戻り方向へ回動自在で且つ一端部が戻り方向でアクセルペダルレバーと当接するヒステリシスレバーを設けると共に、該ヒステリシスレバーを戻り方向へ付勢する第2付勢手段を設け、前記ヒステリシスレバーにベースブラケットに突設したヒステリシスレールの縁部に対して所定の抵抗力で摺動する抵抗付与体を回動自在に取付けると共に、該抵抗付与体をヒステリシスレールに押付ける方向へ付勢する第3付勢手段を設け、
前記ヒステリシスレールの縁部を該ヒステリシスレールに取付けた別物のレール本体で形成したことを特徴とする自動車のアクセルペダル装置。 - 車体に取付けられたベースブラケットの下部に支点を中心にして踏み方向及び戻り方向へ回動自在なアクセルペダルレバーを取付けると共に、該アクセルペダルレバーを戻り方向へ付勢する第1付勢手段を設け、前記アクセルペダルレバーの上部近傍に回動軸の回動量に応じてエンジン出力信号を発生させるスロットルドラムユニットを取付けると共に、前記回動軸に一体的に取付けられた回動レバーとアクセルペダルレバーの上端部とを回動力伝達部材にて連結し、該回動軸をアクセルペダルレバーと連動して回動するようにし、前記ベースブラケットに支点を中心に前記踏み方向及び戻り方向へ回動自在で且つ一端部が戻り方向でアクセルペダルレバーと当接するヒステリシスレバーを設けると共に、該ヒステリシスレバーを戻り方向へ付勢する第2付勢手段を設け、前記ヒステリシスレバーにベースブラケットに突設したヒステリシスレールの縁部に対して所定の抵抗力で摺動する抵抗付与体を回動自在に取付けると共に、該抵抗付与体をヒステリシスレールに押付ける方向へ付勢する第3付勢手段を設け、
前記アクセルペダルレバーとヒステリシスレバーが同一支点であることを特徴とする自動車のアクセルペダル装置。 - 車体に取付けられたベースブラケットの下部に支点を中心にして踏み方向及び戻り方向へ回動自在なアクセルペダルレバーを取付けると共に、該アクセルペダルレバーを戻り方向へ付勢する第1付勢手段を設け、前記アクセルペダルレバーの上部近傍に回動軸の回動量に応じてエンジン出力信号を発生させるスロットルドラムユニットを取付けると共に、前記回動軸に一体的に取付けられた回動レバーとアクセルペダルレバーの上端部とを回動力伝達部材にて連結し、該回動軸をアクセルペダルレバーと連動して回動するようにし、前記ベースブラケットに支点を中心に前記踏み方向及び戻り方向へ回動自在で且つ一端部が戻り方向でアクセルペダルレバーと当接するヒステリシスレバーを設けると共に、該ヒステリシスレバーを戻り方向へ付勢する第2付勢手段を設け、前記ヒステリシスレバーにベースブラケットに突設したヒステリシスレールの縁部に対して所定の抵抗力で摺動する抵抗付与体を回動自在に取付けると共に、該抵抗付与体をヒステリシスレールに押付ける方向へ付勢する第3付勢手段を設け、
前記抵抗付与体に、ヒステリシスレバーと係合して該抵抗付与体の姿勢をほぼヒステリシスレールに組合わされた状態に保つ係合片を、形成したことを特徴とする自動車のアクセルペダル装置。 - 前記ヒステリシスレールの縁部を該ヒステリシスレールに取付けた別物のレール本体で形成したことを特徴とする請求項2又は3に記載の自動車のアクセルペダル装置。
- アクセルペダルレバーとヒステリシスレバーが同一支点である請求項1又は3に記載の自動車のアクセルペダル装置。
- 抵抗付与体に、ヒステリシスレバーと係合して該抵抗付与体の姿勢をほぼヒステリシスレールに組合わされた状態に保つ係合片を、形成した請求項1又は2に記載の自動車のアクセルペダル装置。
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