JP3556491B2 - 半導体装置とその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、不揮発性メモリ混載のLSIに関し、特にEEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)をはじめとする複数ポリシリコン層を備えた半導体メモリとその周辺の構造と製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
EEPROMは、ユーザーがデータを電気的に書込み/消去可能な不揮発性メモリである。近年では、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などのCMOSロジックとともに同一チップ上に集積された不揮発性メモリ混載LSIとして、携帯機器やICカード等の情報機器をはじめとする幅広い分野に用いられている。
【0003】
図11は、1ビットごとのデータの書込み/消去が可能な一般的なEEPROMメモリセルの構造例を示す断面図である。各メモリセルには、メモリトランジスタとこれに直列に接続される選択トランジスタが形成され、2つのトランジスタで単一セルが構成されている。
【0004】
同図に示すように、メモリトランジスタは、通常のMOSFETのコントロールゲート374と基板310との間にフローティングゲート354を持った2層ポリシリコン構造で構成されている。フローティングゲート354下層にはゲート酸化膜330が形成されているが、一部の領域には、「トンネル酸化膜」と呼ばれる100Å程度の薄い酸化膜334が設けられている。
【0005】
このトンネル酸化膜334の下層には、TN−不純物拡散領域324が形成されており、トンネル酸化膜334を介して行われるTN−不純物拡散領域324からフローティングゲート354への電子の注入、または引き抜きによりメモリトランジスタへのデータの書き込みと消去が行われる。フローティングゲート354は、酸化膜により周囲を絶縁されるため、電源を切っても蓄積電荷の状態は変化せず、データの保存が可能である。
【0006】
メモリトランジスタに隣接する選択トランジスタは、メモリトランジスタとの構造上およびプロセス上の整合性を図るため、二層ポリシリコン構造のゲート電極352、372を有しているが、この上下のゲート電極は、電気的にショートされた状態で使用される。ゲート電極352の両側にあたる基板表面層には、選択トランジスタのソース/ドレイン領域に相当するセルのドレイン領域321とN−不純物拡散領域322、323が形成されている。また、N−不純物拡散領域323とTN−不純物拡散領域324とは一部重複するように形成され、両者は電気的に接続されている。メモリトランジスタの脇にあたる基板表面層には、セルのソース領域326が形成されている。
【0007】
なお、図11においては、フローティングゲート354とコントロールゲート374の間およびその周囲に形成される絶縁膜、および各種配線については便宜上図示を省略している。
【0008】
例えば、EEPROMのメモリセルのデータを消去する際は、コントロールゲート374に20V程度の高電圧を与える。そうするとトンネル酸化膜334を介して、TN−不純物拡散領域324からフローティングゲート354へ電子のトンネル注入が起こり、マイナス(−)電荷がフローティングゲート354に蓄積される。
【0009】
一方、データを書き込む際は、コントロールゲート374にかかる電圧極性を反転させる。電子はフローティングゲート354からTN−不純物拡散領域324へ引き抜かれる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上述するように、データの書き込み/消去は、100Å程度の薄いトンネル酸化膜334を介して高電圧を印加した際に起こる電子のトンネル現象を利用して行われる。よって、メモリセルの周辺には、駆動回路とともに、高電圧を供給するための昇圧回路等の周辺回路が必要となる。
【0011】
近年、EEPROMを搭載したLSIの微細化、プロセス負担の簡略化への要請はますます強くなっており、これらのニーズに対応するためには、EEPROMメモリセルの構造のみならず、その周辺回路を含めた検討が必要とされる。
【0012】
以下、具体的な課題についてメモリセルに関するもの、および周辺回路に関するものについて説明する。
【0013】
(EEPROMメモリセルに関する課題)
図12(a)は、最近、本願出願人により提案され、その開発が進められているEEPROMメモリセルの構造を簡易に示す平面図、図12(b)はその断面図である。基本的な構成は、図11に示す従来の一般的なEEPROMメモリセルと共通するが、薄いトンネル酸化膜534が、メモリトランジスタ全域に形成されている点で大きく異なる。これにより、メモリトランジスタの必要面積は、MOSトランジスタの一般的なスケーリング則にならい、トンネル酸化膜の厚みに依存し大幅な縮小化が可能にできる。
【0014】
図12(a)、図12(b)に示すように、このEEPROMでは、フローティングゲート554への電子の注入/引き抜きは、フローティングゲート554の下層の基板表面層の一部に形成されたTN−不純物拡散領域524とフローティングゲート554が対向する領域間で行われる。
【0015】
なお、このEEPROMメモリセルでは、コントロールゲート574およびフローティングゲート554の形成領域内に両ゲートを突き抜ける開口部580が設けられており、この開口部580を介してTN−拡散領域524の脇に一部重複するように、セルフアライン工程を用い、N−不純物拡散領域525が形成されている。このN−不純物拡散領域525は、データの書き込み/消去の際、フローティングゲート554とTN−不純物拡散領域523間にかかる高電界の影響により発生する「バンド間トンネル電流」と呼ばれる基板へのリーク電流を阻止するホールストッパとしての効果を有する。
【0016】
このように、単一セルのみを動作させる場合においては、図12に示すメモリセル構成を採用することにより、良好な素子性能を維持したままセルの微細化を図ることが可能となる。しかしながら、多数のメモリセルをチップ上にマトリクスに配置したEEPROMでは、次のような問題を生じることがわかった。
【0017】
図13は、マトリクス配置されたメモリセルの一部である隣接する2つのセル(S1、S2)を抜き出し、その構成を簡易に示した断面図である。同図に示すように、通常は、ソース領域526を共通とし、その両側に左右対称となるように2つのセルが配置される。
【0018】
使用に際しては、初期的にまず全てのメモリセルのデータが消去された状態とされる。即ち、全てのセルのフローティングゲートには、マイナス(−)の電荷が蓄積された状態となる。この後、必要に応じて指定されたセルにデータの書き込みが行われる。
【0019】
よって、図13に示すように、ソース領域526を共通として隣接しあうメモリセルの一方(S1)のみにデータの書き込みが行われる場合は、共通ソース領域526を挟み、一方のセルのフローティングゲート554aにはプラス(+)電荷が、他方のセルのフローティングゲート554bにはマイナス(−)電荷が蓄積されることとなる。このような場合において、共通ソース領域526から基板510へのリーク電流の発生や、耐圧特性の悪化が起こることがある。リーク電流の発生等は、データの書き込みを浅くし、データ保持の信頼性を低下させるとともに、書き込み可能回数を大幅に減少させる虞れがある。
【0020】
上述する問題に鑑み、本発明の第1の目的は、チップ上にマトリクス配置した複数のEEPROMを有する半導体装置において、微細化と高信頼性を兼ね添える半導体装置を提供することである。
【0021】
(EEPROM周辺回路についての課題:その1)
既に述べたように、EEPROMでのデータの書き込み/消去は、100Å程度の薄いトンネル酸化膜を介してフローティングゲートとTN−不純物拡散領域間に高電圧を印加した際に起こる電子のトンネル現象を利用して行われる。
【0022】
よって、EEPROMセルの周辺には、このトンネル現象のために必要な高電圧を発生させる昇圧回路が必要となる。また、他の駆動回路についてもメモリセルと同様に高電圧がかかる場合があるため、必要に応じ、高耐圧構造のトランジスタ(以下、HV系トランジスタという)を備える必要がある。
【0023】
図14は、EEPROMとともに同一チップ上に搭載されるHV系トランジスタの一例を示す概略断面図である。図中左側にEEPROMのメモリセル、右側にHV系トランジスタを示した。なお、ここには、Nウエル512に形成するPチャネルMOSトランジスタを例示している。
【0024】
同図に示すように、このHV系トランジスタは、EEPROMとのプロセス上の整合を図るためEEPROMセルと同様に二層ポリシリコン構造からなるゲート電極556、576を有しているが、上下のゲート電極は電気的にショートさせて使用する。なお耐圧性を上げるため、ゲート酸化膜530としては、400Å程度の厚い膜が使用される。
【0025】
また、EEPROMとともに搭載するHV系トランジスタでは、ソース領域582とドレイン領域583との間に高電界がかかるわけでははないので、ホットエレクトロンの発生はそれほど問題とはならず、ソース/ドレイン領域の内側脇に薄い不純物拡散領域を形成したLDD構造は採用されていない。
【0026】
ところで、ソース/ドレイン領域の形成の際は、通常二層ポリシリコンゲート電極576、556のパターンをマスクとしてイオン注入を行うこととなるが、このマスクは、2層のポリシリコン膜と厚いゲート酸化膜等で構成されているため、かなりの高さとなる。よって、これをマスクとしてイオン注入を行うと影となる部分ができやすく、ソース/ドレイン領域582、583をゲート電極556の両サイドに十分に近接して形成することが難しい。また、ソース/ドレイン領域582、583は、高濃度不純物拡散領域とする必要があるが、高濃度に不純物をイオン注入する場合は、マスクエッジ近傍で十分な注入深さを確保しにくく、注入領域の端部において注入不足が生じやすい。
【0027】
さらに他の回路とのプロセス上の整合を図る必要からイオン注入を行う際には、すでにゲート電極側面にサイドウォールが形成されていることが多いため、よけいにソース/ドレイン領域582、583をゲート電極576、556の両サイドに近接して形成することが困難となる。
【0028】
こうなると、図中破線で示すように、ゲート電極下に形成されるチャネル形成領域581とソース/ドレイン領域581、582の間があいてしまいトランジスタをONにした際、安定したチャネルが形成できず、オフセットトランジスタになってしまう。
【0029】
上述する問題に鑑み、本発明の第2の目的は、EEPROMとともに混載するHV系トランジスタがオフセットトランジスタとなることを防止し、信頼性の高いEEPROMを搭載した半導体装置を提供することである。
【0030】
(EEPROM周辺回路についての課題:その2)
EEPROMメモリセルの周辺には、トンネル現象を用いたデータの書き込み/消去に必要な高電圧を得るための昇圧回路が設けられる。この昇圧回路により、例えば5Vの電源電圧は20Vまで昇圧される。この昇圧回路中には、多くの場合キャパシタが使用される。
【0031】
キャパシタは、一対の電極とこの電極間に挟まれた誘電体層から構成されるが、従来、二層ポリシリコン構造を有するEEPROMを搭載した半導体装置においては、キャパシタを構成する下層電極として、基板表面に形成したN−不純物拡散領域を用い、誘電体層としてはHV系トランジスタのゲート酸化膜として使用される厚いSiO2膜を用い、上層電極としてはゲート電極として用いられるポリシリコン膜を用いていた。
【0032】
しかし、誘電体層として厚いSiO2膜を用いる場合、チップ上に占めるキャパシタの面積は無視できないものとなっており、チップサイズの縮小化を図る上でその面積が問題となっていた。
【0033】
上述する問題に鑑み、本発明の第3の目的は、プロセス上の負担を伴わず、EEPROMとともに混載する昇圧回路のキャパシタサイズを縮小化することである。
【0034】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載した本発明の半導体装置の特徴は、選択トランジスタとメモリトランジスタを有する複数のEEPROMセルを、隣接するセルのメモリトランジスタが共通のソース領域を有するよう配置した半導体装置において、前記メモリトランジスタが、第1導電型を有する半導体基板表面上に形成されたトンネル絶縁膜と、前記トンネル絶縁膜上に形成されたフローティングゲートと、前記フローティングゲート上に形成された絶縁層と、前記絶縁層上に形成されたコントロールゲートと、前記フローティングゲート直下の一部領域にあたる該半導体基板表面層に形成された第2導電型の第1不純物拡散領域と、前記フローティングゲート脇の該半導体基板表面層に形成された第2導電型の前記ソース領域と、前記ソース領域に隣接する該基板表面層に形成された該ソース領域より低不純物濃度の第2導電型の第2不純物拡散領域と、前記コントロールゲート、前記絶縁層および前記フローティングゲートを突き抜ける開口と、この開口領域に対応する基板表面層に、前記第1不純物拡散領域より低濃度の不純物濃度を有する第2導電型の第3不純物拡散領域とを有することである。
【0035】
上記請求項1の特徴によれば、ソース領域に隣接して設けた低不純物濃度の第2不純物拡散領域の存在により、ソース領域から基板へのバンド間リーク電流の発生等を抑制できる。即ち、上述のようなマトリクス構成のEEPROMセルでは、共通するソース領域の両側にメモリセルが対称に配置されることとなるが、一方のセルのメモリトランジスタのみにデータの書き込みが行われる場合、ソース領域を介して隣接するフローティングゲートの一方にはマイナス(−)、他方にはプラス(+)電荷が蓄積され、両者の蓄積電荷の極性の相違に伴い、書き込みを行わない一方のフローティングゲートとソース領域間に、相対的に高い電圧がかかる。上記ソース領域に隣接して設けられた第2不純物拡散領域は、当該ソース領域とフローティングゲート間にかかるこの電圧で発生する電界強度を実質的に低減し、バンド間リーク電流の発生を抑制するとともに、メモリトランジスタの実質的な耐圧特性を改善する。なお、トンネル絶縁膜には、トンネル酸化膜が含まれる。
【0036】
また、前記メモリトランジスタが、前記コントロールゲート、前記絶縁層および前記フローティングゲートを突き抜ける開口と、この開口領域に対応する基板表面層に、前記第1不純物拡散領域より低濃度の不純物濃度を有する第2導電型の第3不純物拡散領域を有し、前記第3不純物拡散領域が、前記第1不純物拡散領域に一部重複するように形成されているので、この第3不純物拡散領域が、前記第1不純物拡散領域から基板へのバンド間電流の発生を抑制することもできる。
【0037】
請求項2に記載するように、前記選択トランジスタが、該選択トランジスタのゲート電極脇の基板表面層に形成された第2導電型のドレイン領域と、該ドレイン領域に隣接する基板表面層に、該ドレイン領域より低不純物濃度の第2導電型の第4不純物拡散領域を有し、前記第2不純物拡散領域と、前記第3不純物拡散領域と、前記第4不純物拡散領域とが、略同一不純物濃度を有するようにすれば、これら第2、第3、第4不純物拡散領域を同一工程で形成することができる。
【0038】
請求項3に記載する半導体装置の特徴は、前記EEPROMの周辺回路領域を有し、
前記周辺回路領域に、前記EEPROMのデータの書き込みもしくは消去に必要とされる高電圧下で動作可能であって、ソース領域およびドレイン領域のゲート側端部の基板表面層に、前記各領域とゲート電極直下のチャネル形成領域とに一部重複するように、これらと同一の導電型の不純物拡散領域を有する高耐圧MOSトランジスタを有することである。
【0039】
上記請求項3の特徴によれば、チャネル領域に一部重複するように形成した不純物拡散領域の存在により、高耐圧MOSトランジスタのON時において、確実にチャネル領域をソース領域とドレイン領域に電気的に接続し、オフセットトランジスタの発生を防止できる。
【0041】
請求項4に記載の半導体装置の特徴は、さらに、前記EEPROMの周辺回路領域を有し、前記周辺回路領域に、前記EEPROMのデータの書き込みもしくは消去のために必要な高電圧を供給する昇圧回路と、前記昇圧回路中に、上層電極と下層電極およびこれらの電極で挟まれた誘電体層からなるキャパシタを有し、前記誘電体層が、前記EEPROMの前記絶縁層と同一層を含むものであることである。
【0042】
上記請求項4の特徴によれば、EEPROMセルにおいて二層ポリシリコン構造を作製する場合に、同時に昇圧回路中のキャパシタの誘電体層を形成できる。
【0043】
請求項5に記載の半導体装置の製造方法の特徴は、選択トランジスタとメモリトランジスタを有する複数のEEPROMセルを、隣接するセルのメモリトランジスタが共通のソース領域を有するよう配置された半導体装置の製造方法において、メモリトランジスタ形成領域の一部の第1導電型の基板表面層に第2導電型の第1不純物拡散領域を形成する工程と、該基板表面上に選択トランジスタのゲート絶縁膜を形成する工程と、メモリトランジスタ形成領域上の前記ゲート絶縁膜を除去し、該除去領域にトンネル絶縁膜を形成する工程と、前記ゲート絶縁膜および前記トンネル絶縁膜上に第1ポリシリコン膜、絶縁層、第2ポリシリコン膜を順次形成する工程と、前記第1ポリシリコン膜、絶縁層および第2ポリシリコン膜をそれぞれエッチングし、選択トランジスタと開口部を有するメモリトランジスタの各ゲートパターンを形成する工程と、前記各ゲートパターンを注入マスクとして、イオン注入法により基板表面層に複数の第2導電型の低濃度不純物拡散領域を形成する工程と、前記各ゲートパターン側壁にサイドウォールを形成し、これを注入マスクとして、イオン注入法により第2導電型の高濃度不純物拡散領域であるソース/ドレイン領域を形成する工程とを有し、前記低濃度不純物拡散領域を形成する工程が、前記ドレイン領域、前記第1不純物拡散領域それぞれに一部重複する低濃度不純物拡散領域とともに、前記ソース領域に一部重複する低濃度不純物拡散領域を形成することである。
【0044】
上記請求項5の特徴によれば、低濃度不純物拡散領域を形成する工程で、ソース領域に重複する領域にも低濃度不純物拡散領域を形成するため、従来のプロセスに新たな負担をかけることなく、ソース領域から基板へのバンド間リーク電流の発生を抑制できるEEPROMセルを搭載した請求項1に記載した半導体装置を提供できる。
なお、ゲート絶縁膜には、ゲート酸化膜が含まれる。
【0045】
請求項6に記載の半導体装置の製造方法の特徴は、前記ゲート絶縁膜を形成する工程において、同時に周辺回路領域にゲート絶縁膜を形成し、前記第1ポリシリコン膜、絶縁層、第2ポリシリコン膜を順次形成する工程において、同時に前記周辺回路領域の前記ゲート絶縁膜上に前記第1ポリシリコン膜、絶縁層、第2ポリシリコン膜を順次形成し、前記各ゲートパターンを形成する工程において、同時に前記周辺回路領域に、前記第1ポリシリコン膜、絶縁層及び第2ポリシリコン膜をエッチングし、高耐圧MOSトランジスタのゲートパターンを形成し、前記第2導電型の低濃度不純物拡散領域を形成する工程において、同時に前記周辺回路領域のゲートパターンを注入マスクとして使用し、第2導電型の低濃度不純物拡散領域を形成し、この後、前記各ゲートパターン側壁に前記各ゲートパターン側壁にサイドウォールを形成し、これを注入マスクとして、EEPROMセル形成領域と高耐圧MOSトランジスタ形成領域の基板表面層にイオン注入法により第2導電型の高濃度不純物拡散領域であるソース/ドレイン領域を形成する工程を有することである。
【0046】
上記請求項6の特徴によれば、低濃度不純物拡散領域を形成する工程で、高耐圧トランジスタのソース/ドレイン領域に一部重複する低濃度不純物拡散領域を形成したことで、従来のプロセスに新たな負担をかけることなく、オフセットトランジスタの発生がない請求項3に記載の半導体装置を提供できる。なお、ソース/ドレイン領域を形成する工程において、高耐圧MOSトランジスタ形成領域では、サイドウォールのないゲートパターンを注入マスクとしてもよい。
【0047】
請求項7に記載の半導体装置の製造方法の特徴は、前記ゲート絶縁膜を形成する工程において、同時に周辺回路領域にゲート絶縁膜を形成し、前記第1ポリシリコン膜、絶縁層、第2ポリシリコン膜を順次形成する工程において、同時に前記周辺回路領域の前記ゲート絶縁膜上に前記第1ポリシリコン膜、絶縁層、第2ポリシリコン膜を順次形成し、前記各ゲートパターンを形成する工程において、同時に前記周辺回路領域に、前記第1ポリシリコン膜、絶縁層及び第2ポリシリコン膜をエッチングし、前記第1ポリシリコン膜を下層電極とし、前記絶縁層を誘電体層とし、前記第2ポリシリコン膜を上層電極とするキャパシタパターンを形成する工程を有することである。
【0048】
上記請求項7の特徴によれば、前記第1ポリシリコン膜を下層電極とし、前記絶縁層を誘電体層とし、前記第2ポリシリコン膜を上層電極とする請求項4に記載の半導体装置を、従来のプロセスに新たな負担をかけることなく作製できる。
【0049】
請求項8に記載の半導体装置の製造方法の特徴は、前記第1不純物拡散領域を形成する工程において、同時に前記周辺回路領域の基板表面層に第1不純物拡散領域を形成し、前記ゲート絶縁膜を形成する工程において、同時に周辺回路領域にゲート絶縁膜を形成し、前記第1ポリシリコン膜、絶縁層、第2ポリシリコン膜を順次形成する工程において、同時に前記周辺回路領域の前記ゲート絶縁膜上に少なくとも前記第1ポリシリコン膜を形成し、前記各ゲートパターンを形成する工程において、同時に前記周辺回路領域に、前記第1ポリシリコン膜、及びゲート絶縁膜をエッチングし、前記第1不純物拡散領域を下層電極とし、前記ゲート絶縁膜を誘電体層とし、前記第1ポリシリコン膜を上層電極とするキャパシタパターンを形成する工程を有することである。
【0050】
上記請求項8の特徴によれば、キャパシタ形成領域の基板表面層に前記第1不純物拡散領域と同じ条件で形成した不純物拡散領域を下層電極とし、前記絶縁層もしくは前記絶縁層にトンネル絶縁膜を加えた層を誘電体層とし、前記第2ポリシリコンを上層電極と半導体装置を、従来のプロセスに新たな負担をかけることなく作製できる。
【0054】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施の形態について説明する。
【0055】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかるEEPROMメモリセルのうちソース領域を共通とする2つのメモリセルの構造を簡略に示すセル断面図である。
【0056】
この断面図は、図2(a)に示すように、チップ上にマトリクス配置されるEEPROMの一部を抜き出したものである。なお、図2(a)中、縦に伸びる細い帯状パターンが選択トランジスタのゲートパターン72a、72bであり、やや太く、凹凸を有する縦状パターンがメモリトランジスタのゲートパターン74a、74bである。また、横方向に伸びるパターンは、ソース/ドレイン領域を含む各種不純物拡散領域の形成ゾーン12である。上下に隣接するセルは境界に形成されたスリット100により分離されている。ソース領域の引き出し電極110は、4つのセルで共通となるよう形成されている。
【0057】
図2(b)は、ソース領域を共通として左右対称に配置された2つのメモリセルS1、S2を抜き出した平面図であり、図1に示す断面図は、この2つのセルの断面構成に相当する。
【0058】
再び、図1に戻り説明する。第1の実施の形態にかかるEEPROMメモリセルは、選択トランジスタとメモリトランジスタで構成されており、ソース領域26を共通とし、その両側に左右対称となるように2つのセルのメモリトランジスタと選択トランジスタが配置されている。図13に示すEEPROMと同様、メモリトランジスタ形成領域の全域に薄いトンネル酸化膜32a、32bが形成されているため、メモリトランジスタの面積を小さく維持できる。選択トランジスタは隣接するメモリトランジスタの構造にあわせて二層ポリシリコン構造のゲート電極52a、52b、72a、72bで形成されており、上下のポリシリコン膜は、電気的にショートして用いる。
【0059】
本実施の形態におけるEEPROMセルが図13に示す従来のEEPROMセルと異なる点は、両側のメモリセルに共通するソース領域26の両脇に低濃度のN−不純物拡散領域27a、27bを形成していることである。即ち、ソース領域26をいわゆるLDD構造にしていることである。
【0060】
以下、ソース領域26に隣接して形成したこのLDD構造の効果について、図1を参照しながら説明する。
【0061】
通常、EEPROMメモリセルの初期の状態においては、全てのデータが消去され、全てのメモリセルのフローティングゲートにマイナス(−)電荷が蓄積される。この初期状態のセルに、図1に示すように、片側(図中左側)のメモリセルS1(選択セル)のみに書き込みを行う場合は、書き込みをおこなうメモリセルS1の選択トランジスタのゲート(50a、70a)に電圧Vppをかけ、選択トランジスタをONにする。これに伴いゲート電極52a下の半導体基板表面層にはnチャネルが形成される。
【0062】
各メモリセルのドレイン領域21a、21bにはVppの電圧がかけられているため、ドレイン領域21aは、N−不純物拡散領域22aとこのゲート電極下にできるnチャネルを介してN−不純物拡散領域23aと導通し、両領域は同電位(Vpp)となる。さらに、N−不純物拡散領域23aとTN−不純物拡散領域24aは重複形成されているため、TN−不純物拡散領域24aも同電位(Vpp)となる。
【0063】
一方、メモリトランジスタのコントロールゲート74aはグラウンド(G)に接地されているため、コントロールゲート74aとTN−不純物拡散領域24a間には、Vppの電圧が印加されることになる。この結果、薄いトンネル酸化膜32aを介してフローティングゲート54aとTN−不純物拡散領域24a間に高電界がかかり、フローティングゲート54aに蓄積されていたマイナス(−)電荷が引き抜かれ、フローティングゲート55aはプラス(+)電荷となる。
【0064】
このとき、ソース領域26はオープンとされているため、トンネル酸化膜32aを介してフローティングゲート54aとソース領域26間には、メモリトランジスタのしきい値電圧Vthに相当する電圧がかかることになる。
【0065】
一方、データの書き込みがなされない図中右側のメモリセルS2(非選択セル)では、選択トランジスタのゲート72b、52bおよびメモリトランジスタのコントロールゲート74bはともにグラウンド(G)に接地されており、非選択メモリセルS2のフローティングゲート54bには、左側のメモリセルS1とは反対の極性であるマイナス(−)電荷が蓄積されたままである。
【0066】
上述するように、ソース領域26と左側の選択メモリセルS1のフローティングゲート54a間にはそのしきい値電圧Vthに相当する電圧がかかっているが、非選択メモリセルS2である右側のフローティングゲート54bには、左側のフローティングゲートとは極性が異なるマイナス(−)電荷が蓄積されているため相対的にソース領域26と右側のフローティングゲート54bとの間にはトンネル酸化膜32bを介して高い電界がかかることになる。
【0067】
このとき、従来のEEPROMセルのように共通ソース領域26がLDD構造を有していない場合は、非選択メモリセルS2側のソース領域26とフローティングゲート54b間に直接電界がかかるため、これが強電界となる。これに伴いソース領域境界周囲にできる空乏層が基板表面層で極度に薄くなり、電子が価電子帯から伝導帯にトンネルし、あとの価電子帯にホールを残し、このホールがバンド間電流として基板中に流出する。即ち、いわゆるバンド間リーク電流が生じる。
【0068】
また、上述のような場合、従来のEEPROMセルでは、非選択セルとソース領域間には、相対的にしきい値電圧の2倍に相当する高い電位差が発生するため、メモリセルの実質的な耐圧特性が劣化し、通常の使用条件でもVppがダウンし易くなる。
【0069】
しかし、本実施の形態におけるように、ソース領域26の両サイドに薄い不純物濃度を有するN−不純物拡散領域27a、27bを設け、LDD構造を形成した場合は、これによりソース領域26とフローティングゲート54b間に発生する電界強度が緩和されるため、上述するようなバンド間リーク電流の発生を抑制することができる。
【0070】
上述したケースとは逆に、右側のメモリセルS2のみに書き込みを行う場合においては、ソース領域26と左側のメモリセルS1のフローティングゲート54aとの間に高い電界がかかることとなるが、この場合は、ソース領域26の脇に形成したN−不純物拡散領域27aの存在により、その電界が緩和され、トンネル電流の発生が抑制できる。同様に、ソース領域26に隣接して形成するLDD構造は、メモリセルのソース領域側の実質的な耐圧特性を改善できる。
【0071】
図3は、本実施の形態におけるEEPROMにおけるソース領域の耐圧特性の改善効果を示すものである。横軸にソース電圧(Vs)、縦軸にソース電流(Is)を示す。参考のため、同グラフ中には、LDD構造を有さない従来のEEPROMにおける耐圧特性データもあわせて示している。
【0072】
同グラフに示すように、従来のEEPROMにおいては、ソース領域を共通とする一対のメモリセルの一方にのみ書き込みを行う場合において、他方のセルと共通ソース領域間に相対的に高い電圧が直接かかることとなるため、耐圧がもたず、ドレイン領域にかかるVppがダウンすることがあったが、本実施の形態におけるEEPROMでは、耐圧性が約3倍程度向上し、上述のような書き込み条件においてもVppがダウンすることはなくなる。
【0073】
(実施例1.1)
以下、単位メモリセルの各製造工程における断面を示す図4(a)〜図4(g)を参照しながら、第1の実施の形態にかかるEEPROMメモリセルの製造方法の実施例について説明する。なお、通常は、後述するように、同一チップ上に形成される他の回路とともに作製されるが、ここでは特にEEPROMメモリセルに関する製造工程に絞って説明する。
【0074】
まず、図4(a)に示すように、P型シリコン基板10の基板表面層に、イオン注入法を用いて、N−不純物拡散領域24を形成する。このときのイオン注入条件としては、例えば、加速電圧70KeV、ドーズ量5.0×1013 を用い、最終的に深さ0.35μm、不純物濃度3×1017cm−3の拡散領域を形成する。
【0075】
次に、基板表面全面に酸化法を用いて、選択トランジスタのゲート酸化膜(SiO2膜)30を形成する。ゲート酸化膜30の膜厚は、十分な耐圧性を確保するため、400〜450Å程度と厚くする。この後、メモリトランジスタ形成領域のゲート酸化膜30をエッチング除去する。
【0076】
次に、表面に膜厚約100Åの薄いトンネル酸化膜32を酸化法を用いて形成する。図4(b)に示すように、メモリトランジスタ形成領域の基板露出面上に、トンネル酸化膜32が形成される。
【0077】
図4(c)に示すように、ゲート酸化膜30およびトンネル酸化膜32が形成された表面に、酸化法を用いて膜厚約2000Åの第1ポリシリコン膜50を形成する。
【0078】
図4(d)に示すように、この第1ポリシリコン膜50上に膜厚約250Åの絶縁層60を形成する。この絶縁層60は、「ONO膜」と呼ばれるSi3N4膜をSiO2の2層で挟んだ3層構造の積層膜で構成する。3層構造にすることにより、ポリシリコン膜との界面で、応力が発生しにくくなるとともに、耐圧性に優れ、さらにメモリトランジスタの縮小化にも対応できる。
【0079】
続けて、絶縁層60上に、熱CVD法を用いて膜厚約4000Åの第2ポリシリコン膜70を形成する。
【0080】
図4(e)に示すように、通常のフォトリソグラフィ工程により、第2ポリシリコン膜70、絶縁層60および第1ポリシリコン膜50をRIE法を用いて、順次エッチングし、選択トランジスタとメモリトランジスタ形成に必要なパターニングを行う。また、同時に、メモリトランジスタ中の開口部80のパターンも形成する。この工程により、選択トランジスタのゲート電極52、57およびメモリトランジスタのフローティングゲート54とコントロールゲート74が形成される。
【0081】
次に、図4(f)に示すように、上記各種ゲートパターンを注入マスクとして、セルフアラインプロセスで、基板表面層に、P(リン)をイオン注入し、N−型不純物拡散領域22、23、25、27を形成する。即ち、本実施の形態の特徴であるソース領域脇に形成するN−型不純物拡散領域27は、他の不純物拡散領域といっしょに形成できる。なお、このときのイオン注入条件は、加速電圧50KeV、ドーズ量1×1013とし、最終的に深さ約0.3μm、不純物濃度1×1017cm−3以下の拡散領域を形成する。
【0082】
図4(g)に示すように、表面にSiO2膜を形成し、適度なエッチングを施すことにより、サイドウォール90を形成し、ゲート電極とこのサイドウォールパターンを注入マスクとしてイオン注入を行い、N+不純物拡散領域からなるソース領域26とドレイン領域21を形成する。
【0083】
こうして、先の工程で形成したN−不純物拡散領域27に一部重複するようにソース領域26が形成され、LDD構造を備えたEEPROMセルができあがる。
【0084】
なお、特に記載していないが、各イオン注入は、適切なアニーリング工程を伴っているものとする(以下、同じ)。
【0085】
以上に説明するように、第1の実施の形態にかかるEEPROMセルは、従来の低濃度不純物拡散領域形成工程において、イオン注入マスクパターンを変更するだけで、工程に新たな負担を生じることなく容易にLDD構造のソース領域を形成できる。
【0086】
(第2の実施の形態)
図5は、本発明の第2の実施の形態にかかるEEPROMメモリ混載LSIに搭載された高耐圧トランジスタの構造を示す装置の断面図である。図中左側には第1の実施の形態において示したEEPROMメモリセルを、その右側には同一チップ上に混載される高耐圧トランジスタ(HV系トランジスタ)を示している。
【0087】
ここには、pチャネルHV系トランジスタの例を示す。nチャネルの場合も導電型を除けば、同様な構成を有するものとする。pチャネルトランジスタの場合は、P型基板10の上層に形成されたN型ウエル12中に形成する。EEPROMとともに混載されるトランジスタは、プロセス上の整合性を高めるため、ゲート電極がEEPROMのメモリトランジスタと同様、二層ポリシリコン構造で構成するが、上下のゲート電極52、72は電気的に短絡させて用いる。
【0088】
本実施の形態におけるHV系トランジスタは、従来のものと同様に、基板表面層にP型不純物拡散領域からなるソース領域82とドレイン領域83が形成され、ゲート酸化膜30を介して、ソース領域82とドレイン領域83の間にゲート電極52が形成されている。ゲート酸化膜30は、耐圧性を維持するため、EEPROMの選択トランジスタのゲート酸化膜同様、400Å程度の厚い膜厚とする。
【0089】
本実施の形態に係るHV系トランジスタが従来のそれと異なる点は、ソース領域82およびドレイン領域83の内側境界に隣接してP−型不純物拡散領域84、85を形成していることである。即ち、ソース領域とドレイン領域にLDD構造を形成していることである。
【0090】
P−型不純物拡散領域84、85それぞれの一方の端部は、ソース領域82もしくはドレイン領域83に一部重複するように形成され、なおかつ他方の端部はゲート電極56下層に形成されるチャネル形成領域81と一部重複して形成されているため、従来の構成において発生していたチャネルの不連続によるオフセットトランジスタの発生を抑制できる。
【0091】
このように上記LDD構造は、一般的なMOSトランジスタで用いられるLDD構造のようにホットエレクトロン発生阻止を主目的とするものではなく、オフセットトランジスタの発生抑制を主な効果とするものである。
【0092】
なお、ソース領域82やドレイン領域83に較べ不純物濃度の低い注入層を形成しているのは、低濃度不純物拡散層の方が、注入マスクとなるゲート電極76、56のエッジ近傍まで十分な深さを有する拡散領域を形成できるからである。
【0093】
(実施例2.1)
図6は、第2の実施の形態に係るEEPROMとHV系トランジスタの作製方法を示す工程フロー図である。以下、この工程フロー図と、図7に示す各工程における装置断面図を参考に、本実施の形態にかかるHV系トランジスタの作製方法の実施例について簡単に説明する。
【0094】
まずロット投入(S1)された半導体基板の表面の必要領域に、ウェル形成を行う(S2)。図7(a)に示すように、P型半導体基板10に上述するようなPチャネルのHV系トランジスタを形成する場合には、その周囲に予め熱拡散方法もしくはイオン注入法とアニール処理を用いてNウエル12を形成する。
【0095】
続いて、通常の方法を用いて、素子分離領域(LOCOS)34を形成(S3)し、トランジスタの活性領域を画定する。この後、EEPROMセルのメモリトランジスタ形成領域の一部の基板表面層にイオン注入法を用いてTN−不純物拡散領域24を形成する(S4)。
【0096】
次に、トランジスタのしきい値を調整するため、HV系トランジスタのゲート電極下層にあたる領域にP型の不純物を薄く注入し、基板表面のN型不純物濃度を緩和し、チャネル形成領域81を形成する(S5)。
【0097】
HV系トランジスタおよびEEPROMセルの選択トランジスタのゲート酸化膜に相当する膜厚約400ÅのSiO2膜30を基板全面に形成する(S6)。EEPROMのメモリトランジスタ形成領域のSiO2膜30をエッチング除去し、ここに膜厚約100Å程度の薄いトンネル酸化膜(SiO2膜)32を形成する(S7)。
【0098】
図7(b)に示すように、ゲート酸化膜30およびトンネル酸化膜32が形成された表面上に、熱CVD法を用いて膜厚約2000Åの第1ポリシリコン膜50を形成する(S8)。
【0099】
この後、図6の工程フロー図に示すように、スリットの形成を行う(S9)。このスリットとは、図7には示していないが、図2(a)の平面図を参照するとわかるように、各EEPROMメモリセルの境界部のトンネル酸化膜32と第1ポリシリコン膜50をエッチングして形成した短冊状の開口パターンであり、各セルの分離に必要とされるものである。
【0100】
さらに、膜厚約250ÅのONO膜からなる絶縁層60を基板全面に形成し(S10)、続けて熱CVD法を用いて膜厚約4000Åの第2ポリシリコン膜70を絶縁層60上に形成する(S11)。
【0101】
図7(c)に示すように、通常のフォトリソグラフィ工程により、第2ポリシリコン膜70、絶縁層60および第1ポリシリコン膜50をRIE法を用いて、順次エッチングし、EEPROMおよびHV系トランジスタに必要なゲートパターンを形成する(S12)。また、同時に、メモリトランジスタ中の開口部80のパターンも形成する。この工程により、選択トランジスタのゲート電極52、57およびメモリトランジスタのフローティングゲート54、コントロールゲート74とともに、HV系トランジスタの各ゲート電極56、76が形成される。
【0102】
次に、図7(d)に示すように、上記各種ゲートパターンを注入マスクとして、セルフアラインプロセスで、基板表面層に、P(リン)をイオン注入し、N−型不純物拡散領域22、23、25、27を形成する。またHV系トランジスタ形成領域では、ゲート電極56、76をイオン注入マスクとして、P型不純物イオン、例えばボロン(B)を薄く注入し、P−不純物拡散領域を形成する(S13)。ゲート電極が二層ポリシリコン構造であり、ゲート酸化膜も厚いため、注入マスクパターンはかなり高いが、ドーズ量を1×1013以下、イオン注入角度を0度とし、加速電圧を40keVとすることにより、ゲート電極56下のチャネル領域84に一部重複する深さ約0.4μm、不純物濃度5×1016cm−3以下のP−型不純物拡散領域84、85を形成できる。
【0103】
この後、図7(e)に示すように、表面にSiO2膜を形成し、適度なエッチングを施すことによりサイドウォール90を形成する(S14)。この工程は、HV系トランジスタにおいては、本来不要な工程であるが、同一チップ上に搭載されるEEPROMや他の回路との関係で、特に別工程を設けて除去等の処理をしなければ、同様にサイドウォール91ができてしまう。
【0104】
続けて、このサイドウォールパターンを注入マスクとして、イオン注入を行い、ソース領域21、82とドレイン領域26、83を形成する(S15)。EEPROMメモリセルにはリン(P)等を注入し、一方、PチャネルHV系トランジスタ形成領域には、ボロン(B)等を注入する。例えば、HV系トランジスタのソース/ドレイン領域形成のための注入条件としては、加速電圧を50keV、ドーズ量を3.0×1015 とし、深さ0.2μm、不純物濃度1×1019 cm−3以上の拡散領域を形成する。
【0105】
こうして、先の工程で形成したP−不純物拡散領域84、85に一部重複するようにソース領域82、83が形成され、第1の実施の形態に係るEEPROMセルとともに、第2の実施の形態に係るHV系トランジスタが形成される。
【0106】
このように、EEPROM混載LSIに形成される二層ポリシリコン構造のHV系トランジスタにおいて、通常のトランジスタのLDD構造の形成工程と同様な手順により、ソース領域とドレイン領域の内側境界に隣接して不純物拡散領域を形成すれば、オフセットトランジスタになりにくいHV系トランジスタを得ることができる。
【0107】
オフセットトランジスタが発生すると、EEPROMメモリセルに不具合があった場合に、その発見が非常に困難となるため、従来の構成においては、余分な書き込みマージン(writeマージン)や、リテンションマージンを考慮する必要があったが、本実施の形態におけるEEPROM混載LSIでは、これらが不要となり、信頼性が向上する。
【0108】
なお、第2の実施の形態においては、キャパシタとともに形成するEEPROMとして第1の実施の形態に係るEEPROMを例示しているが、二層ポリシリコン構造を有するEEPROMであれば、この構成に限定されることなく、上述する第2の実施の形態にかかるHV系トランジスタの効果を得ることができる。
【0109】
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態は、EEPROMメモリとともに同一チップ上に搭載される昇圧回路に用いられるキャパシタに関する。
【0110】
図8(a)〜図8(c)は、第3の実施の形態に係る3種のキャパシタの構成例を示す装置断面図である。なお、図中左側には同一チップ上に搭載されるEEPROMを示している。ここに示すEEPROMは、第1の実施の形態に示したEEPROMと同一構成を有するものである。
【0111】
これら3種のキャパシタに共通する特徴は、誘電体層として、いわゆるONO膜を用いていることである。ONO膜は、Si3N4膜を上下2層のSiO2膜で挟んだ3層構造の積層膜であり、一般にEEPROMメモリトランジスタにおいて、フローティングゲートとコントロールゲートとの間に形成される絶縁層として用いられている。
【0112】
従来のキャパシタでは、EEPROMのコントロールトランジスタのゲート酸化膜30に用いられる約400ÅのSiO2膜を誘電体層として用いていたが、これを上述のように、ONO膜にかえれば、必要なキャパシタの面積を大幅に縮小化することが可能となる。これは、SiO2膜の誘電率が3.9であるのに対し、Si3N4膜の誘電率が7.5と高いことによる。
【0113】
誘電体層をSi3N4膜のみで構成した場合は、ポリシリコン膜で形成する上下の電極と誘電体層との界面に応力が発生し易く、剥離が起こることがあるが、ポリシリコン膜とSi3N4膜との間にSiO2膜を設けたONO膜を用いた場合は、界面における応力の発生が少なく、剥離等の問題も抑制できる。
【0114】
図8(a)に示す第1のキャパシタは、半導体基板10上に形成されたLOCOS膜34上に、第1ポリシリコン膜と第2ポリシリコン膜をパターニングして得た下層電極58と上層電極78、およびONO膜をパターニングして得た誘電体層68で構成したものである。
【0115】
図8(b)に示す第2のキャパシタは、EEPROMセルにイオン注入法を用いてTN−不純物拡散領域24を形成する際、同時にキャパシタ領域に形成したTN−不純物拡散領域24をキャパシタの下層電極29とし、ONO膜をパターニングして誘電体層68を形成し、第2ポリシリコン膜をパターニングして上層電極78を形成したものである。
【0116】
図8(c)に示す第3のキャパシタは、第2のキャパシタとよく似ているが、後述するプロセス上の相違により、誘電体層68をトンネル酸化膜32とONO膜で形成している。トンネル酸化膜32の存在は、ONO膜を構成する下層のSiO2膜の厚みが若干増えた程度の差に過ぎず、実質的なONO膜の効果は変わらない。
【0117】
(実施例3.1)
図9(a)〜図9(d)は、第3の実施の形態に係るEEPROMと図8(a)に示した第1のキャパシタの作製方法を示す各工程における装置断面図である。なお、各図面左側には、同一チップ上に搭載されるEEPROMを示す。これらの図を参照しながら、第1のキャパシタの作製方法について説明する。なお、本実施例においても図6に示したEEPROMの工程フローに沿って、各素子を作製する。但し、HV系トランジスタの形成工程についてはここでは触れないものとする。
【0118】
図9(a)に示すように、素子分離領域形成工程(S3)で、キャパシタ形成領域全面に、LOCOS膜34を形成する。一方、この後、EEPROMのメモリセルには、必要な領域にTN−不純物拡散領域24を形成する(S4)。
【0119】
次に、図9(b)に示すように、基板表面に選択トランジスタのゲート酸化膜30を形成した(S6)後、メモリトランジスタ形成領域のゲート酸化膜30についてはエッチング除去し、さらに基板表面にトンネル酸化膜32を形成する(S7)。続けて、基板表面に第1ポリシリコン膜50を形成する(S8)。キャパシタ形成領域には、LOCOS膜34上にゲート酸化膜30とトンネル酸化膜32および第1ポリシリコン膜50が積層される。
【0120】
この後、EEPROMのメモリトランジスタのセル境界部分に、第1ポリシリコン膜とトンネル酸化膜を短冊状にエッチングしたスリット100(図2参照)を形成する(S6)(図9中には図示せず)が、キャパシタ形成領域はそのままとする。
【0121】
図9(c)に示すように、第1ポリシリコン膜50上に、ONO膜からなる絶縁層60を形成する。この絶縁層60を構成する上層と下層のSiO2膜は酸化法を用いて作製する。例えば反応ガスとしてO2を使用し、基板温度900℃、の条件を用いる。中間層であるSi3N4膜は、CVD法を用いて、基板温度700℃の条件を用いる。例えば、上層のSiO2膜の膜厚を60Å、Si3N4膜の膜厚を140Å、下層のSiO2膜を70Åとする。
【0122】
図9(d)に示すように、通常のフォトリソグラフィ工程を用いて、第2ポリシリコン膜70、絶縁層(ONO膜)60および第1ポリシリコン膜50をRIE法を用いて、順次エッチングし、EEPROM形成領域に必要なゲートパターン(52、72、54、74)および開口部を形成する(S12)とともに、キャパシタ形成領域においてもエッチングを行い、下層電極58、誘電体層68および上層電極78から構成されるキャパシタを形成する。
【0123】
このように、キャパシタの誘電体層としてSi3N4膜を含むONO膜を用いることにより、誘電体層68としてSiO2膜のみを用いていた従来のキャパシタと比較しその面積を約60%まで縮小することが可能となる。
【0124】
なお、この後、EEPROM形成領域では、さらに必要なN−不純物拡散領域22、23、25、27とソース/ドレイン領域21、26が形成され、図8(a)に示す装置ができる。
【0125】
(実施例3.2)
図10(a)〜図10(d)は、第3の実施の形態に係るEEPROMと図8(b)に示した第2のキャパシタの作製方法を示す各工程における装置断面図である。なお、各図面左側には、同一チップに搭載されるEEPROMを示す。これらの図を参照しながら、図8(b)に示す第2のキャパシタの作製方法について説明する。
【0126】
まず、図10(a)に示すように、素子分離領域形成工程(S3)で、キャパシタ形成領域を画定するように、その周囲にLOCOS膜34を形成する。続く工程で、EEPROMのメモリセルの必要な領域にTN−不純物拡散領域24を形成する(S4)。また、同時にキャパシタ形成領域にもTN−不純物拡散領域29を形成する。このTN−不純物拡散領域29がキャパシタの下層電極を構成する。
【0127】
次に、基板表面に選択トランジスタのゲート酸化膜30を形成し(S6)、この後メモリトランジスタ形成領域のゲート酸化膜30についてはエッチング除去し、基板表面にトンネル酸化膜32を形成する(S7)。さらに、基板表面に第1ポリシリコン膜50を形成する。キャパシタ形成領域にも、ゲート酸化膜30、トンネル酸化膜32および第1ポリシリコン膜50が積層される。
【0128】
この後、EEPROMのメモリトランジスタのセル境界部分の第1ポリシリコン膜50とトンネル酸化膜32を短冊状にエッチングし、スリットを形成する(S9)(図9中には図示せず)工程で、キャパシタ形成領域の第1ポリシリコン膜50とトンネル酸化膜32およびゲート酸化膜30も一緒にエッチング除去する。キャパシャタ形成領域は、図10(b)に示すように、TN−不純物拡散領域29が露出した状態となる。
【0129】
次に、図10(c)に示すように、基板表面にONO膜からなる絶縁層60を形成する。この絶縁層60は、上述の実施例3.1と同様な条件で作製する。
【0130】
図10(d)に示すように、第2ポリシリコン膜70、絶縁層60および第1ポリシリコン膜50をRIE法を用いて、順次エッチングし、EEPROM形成領域に必要なゲートパターン52、72、54、74および開口部を形成するとともに、キャパシタ形成領域においてもエッチングを行い、ONO膜(絶縁層)60で誘電体層68、第2ポリシリコン膜78で上層電極78を形成し、キャパシタを完成する。
【0131】
なお、EEPROM形成領域で、さらに、必要なN−不純物拡散領域22、23、25、27とソース/ドレイン領域21、26を形成すれば、図8(b)に示す装置ができあがる。
【0132】
なお、キャパシタ形成領域において、ゲート酸化膜30をエッチングし、トンネル酸化膜32についてはエッチングせずにそのまま残すこともできる。この場合は、図8(c)に示すように、誘電体層としてトンネル酸化膜32と絶縁層(ONO膜)60の積層膜を用いることとなる。
【0133】
このように、本実施の形態におけるキャパシタは、EEPROMメモリセルで用いられる各層をキャパシタの上下電極と誘電体層として利用するため、キャパシタ形成において新たな工程の負担を伴うことがない。
【0134】
なお、第3の実施の形態においては、キャパシタとともに形成するEEPROMとして第1の実施の形態に係るEEPROMを例示しているが、この構成に限定されるものではない。例えば、図8(a)に示す第1のキャパシタの例であれば、二層ポリシリコン構造を有し、ONO膜を有するEEPROMであれば、工程の負担を伴うことなく第1のキャパシタを形成できる。
【0135】
また、第2、第3のキャパシタの場合は、EEPROMが必ずしも二層ポリシリコン構造である必要もない。
【0136】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明の第1の主な特徴は、隣接しあうセルが共通のソース領域を有するようにマトリクス状に配置された複数のEEPROMセルを搭載した半導体装置において、該EEPROMセルのメモリトランジスタ形成領域全域に薄いトンネル絶縁膜を有するとともに、上記共通ソース領域に隣接する該基板表面層に、当該ソース領域より低不純物濃度の第2導電型の不純物拡散領域を有することである。
【0137】
ソース領域を共通として隣接する2つのセルの一方にのみ書き込みを行う場合において当該ソース領域と書き込みが行われない一方のセルのフローティングゲート間にかかる電界強度を実質的に低減し、バンド間リーク電流の発生を抑制するとともに、メモリトランジスタの実質的な耐圧特性を改善することができる。よって、メモリセルのサイズを小さく維持したまま、データの信頼性が高く、書き込み可能回数も大幅に増やすことができる。
【0138】
本発明の半導体装置の第2の主な特徴は、二層ポリシリコン構造を有するEEPROMセルと、前記EEPROMのデータの書き込みもしくは消去に必要とされる高電圧下で動作可能な高耐圧MOSトランジスタとを有する半導体装置において、前記高耐圧MOSトランジスタが、ソース領域およびドレイン領域の内側基板表面層に、前記各領域とゲート電極直下のチャネル形成領域とに一部重複するように、不純物拡散領域形成したことである。
【0139】
チャネル形成領域に重複するように形成した不純物拡散領域の存在により、オフセットトランジスタの発生を防止できるため、信頼性の高い動作を確保できる。
【0140】
本発明の半導体装置の第3の主な特徴は、二層ポリシリコン構造を有するEEPROMセルと、前記EEPROMのデータの書き込みもしくは消去のために必要な高電圧を供給する昇圧回路とを有する半導体装置において、前記昇圧回路が、下層電極と上層電極およびこれらの電極で挟まれた誘電体層からなるキャパシタを用いたものであり、前記誘電体層が、前記二層ポリシリコン構造を構成する第1ポリシリコン膜と第2ポリシリコン膜の間に形成された絶縁層と同一材料、例えば酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化シリコン膜が順に積層された絶縁層で形成されたものであることである。
【0141】
EEPROMセルにおいて二層ポリシリコン構造を作製する場合に、同時に昇圧回路中の上記キャパシタを形成できるため、工程の負担を伴わずキャパシタの形成ができるとともに、前記誘電体層が、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化シリコン膜の順に積層された層で形成されていれば、誘電率の高い窒化シリコン膜の存在により、キャパシタの面積を縮小できる。また、誘電体層中の酸化シリコン膜の存在は、キャパシタの上層電極、下層電極をポリシリコン膜で形成する場合に、窒化シリコン膜が電極に直接接する場合に比較し、電極と誘電体層との境界で発生する応力等を緩和できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるEEPROMの構成を示す装置断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるEEPROMのメモリセルの配置を示す装置平面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるEEPROMの耐圧特性を示すグラフである。
【図4】本発明の第1の実施の形態におけるEEPROMの製造方法を説明するための各工程における装置の部分断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態における半導体装置の構成を示す装置断面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態における半導体装置の作製方法を示す工程フロー図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態における半導体装置の製造方法を説明するための各工程における装置断面図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態における3種の半導体装置の構成を示す装置断面図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態における一の半導体装置の製造方法を説明するための各工程における装置断面図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態における他の半導体装置の製造方法を説明するための各工程における装置断面図である。
【図11】従来のEEPROMセルの構成を示す装置断面図である。
【図12】従来のEEPROMセルの構成を示す装置平面図と断面図である。
【図13】従来のマトリクス配置されたEEPROMセルの構成を示す装置断面図である。
【図14】従来のEEPROMセルとこれと同一チップ上に搭載される高耐圧トランジスタの構成を示す装置断面図である。
【符号の説明】
10 基板
21a、21b ドレイン領域
22a、23a、25a、22b、23b、25b N−不純物拡散領域
24a、24b TN−不純物拡散領域
26 ソース領域
27a、27b N−不純物拡散領域
30 ゲート酸化膜
32 トンネル酸化膜
52a、54b フローティングゲート
74a、74b コントロールゲート
Claims (8)
- 選択トランジスタとメモリトランジスタを有する複数のEEPROMセルを、隣接するセルのメモリトランジスタが共通のソース領域を有するよう配置した半導体装置において、
前記メモリトランジスタが、
第1導電型を有する半導体基板表面上に形成されたトンネル絶縁膜と、
前記トンネル絶縁膜上に形成されたフローティングゲートと、
前記フローティングゲート上に形成された絶縁層と、
前記絶縁層上に形成されたコントロールゲートと、
前記フローティングゲート直下の一部領域にあたる該半導体基板表面層に形成された第2導電型の第1不純物拡散領域と、
前記フローティングゲート脇の該半導体基板表面層に形成された第2導電型の前記ソース領域と、
前記ソース領域に隣接する該基板表面層に形成された該ソース領域より低不純物濃度の第2導電型の第2不純物拡散領域と、
前記コントロールゲート、前記絶縁層および前記フローティングゲートを突き抜ける開口と、
この開口領域に対応する基板表面層に、前記第1不純物拡散領域より低濃度の不純物濃度を有する第2導電型の第3不純物拡散領域とを有することを特徴とする半導体装置。 - 前記選択トランジスタが、該選択トランジスタのゲート電極脇に形成された第2導電型のドレイン領域と、該ドレイン領域のゲート電極側に隣接する該基板表面層に、当該ドレイン領域より低不純物濃度の第2導電型の第4不純物拡散領域を有し、
前記第2不純物拡散領域、前記第3不純物拡散領域、および前記第4不純物拡散領域が、略同一不純物濃度を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。 - さらに、前記EEPROMの周辺回路領域を有し、
前記周辺回路領域に、前記EEPROMのデータの書き込みもしくは消去に必要とされる高電圧下で動作可能であって、ソース領域およびドレイン領域のゲート側端部の基板表面層に、前記各領域とゲート電極直下のチャネル形成領域とに一部重複するように、これらと同一の導電型の不純物拡散領域を有する高耐圧MOSトランジスタを有することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。 - さらに、前記EEPROMの周辺回路領域を有し、
前記周辺回路領域に、前記EEPROMのデータの書き込みもしくは消去のために必要な高電圧を供給する昇圧回路と、
前記昇圧回路中に、上層電極と下層電極およびこれらの電極で挟まれた誘電体層からなるキャパシタを有し、
前記誘電体層が、前記EEPROMの前記絶縁層と同一層を含むものであることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。 - 選択トランジスタとメモリトランジスタを有する複数のEEPROMセルを、隣接するセルのメモリトランジスタが共通のソース領域を有するよう配置された半導体装置の製造方法において、
メモリトランジスタ形成領域の一部の第1導電型の基板表面層に第2導電型の第1不純物拡散領域を形成する工程と、
該基板表面上に選択トランジスタのゲート絶縁膜を形成する工程と、
メモリトランジスタ形成領域上の前記ゲート絶縁膜を除去し、該除去領域にトンネル絶縁膜を形成する工程と、
前記ゲート絶縁膜および前記トンネル絶縁膜上に第1ポリシリコン膜、絶縁層、第2ポリシリコン膜を順次形成する工程と、
前記第1ポリシリコン膜、絶縁層および第2ポリシリコン膜をそれぞれエッチングし、選択トランジスタと開口部を有するメモリトランジスタの各ゲートパターンを形成する工程と、
前記各ゲートパターンを注入マスクとして、イオン注入法により基板表面層に複数の第2導電型の低濃度不純物拡散領域を形成する工程と、
前記各ゲートパターン側壁にサイドウォールを形成し、これを注入マスクとして、イオン注入法により第2導電型の高濃度不純物拡散領域であるソース/ドレイン領域を形成する工程とを有し、
前記低濃度不純物拡散領域を形成する工程が、前記ドレイン領域、前記第1不純物拡散領域それぞれに一部重複する低濃度不純物拡散領域とともに、前記ソース領域に一部重複する低濃度不純物拡散領域を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記ゲート絶縁膜を形成する工程において、同時に周辺回路領域にゲート絶縁膜を形成し、
前記第1ポリシリコン膜、絶縁層、第2ポリシリコン膜を順次形成する工程において、同時に前記周辺回路領域の前記ゲート絶縁膜上に前記第1ポリシリコン膜、絶縁層、第2ポリシリコン膜を順次形成し、
前記各ゲートパターンを形成する工程において、同時に前記周辺回路領域に、前記第1ポリシリコン膜、絶縁層及び第2ポリシリコン膜をエッチングし、高耐圧MOSトランジスタのゲートパターンを形成し、
前記第2導電型の低濃度不純物拡散領域を形成する工程において、同時に前記周辺回路領域のゲートパターンを注入マスクとして使用し、第2導電型の低濃度不純物拡散領域を形成し、
この後、前記各ゲートパターン側壁にサイドウォールを形成し、これを注入マスクとして、EEPROMセル形成領域と高耐圧MOSトランジスタ形成領域の基板表面層にイオン注入法により第2導電型の高濃度不純物拡散領域であるソース/ドレイン領域を形成することを特徴とする請求項5に記載の半導体装置の製造方法。 - 前記ゲート絶縁膜を形成する工程において、同時に周辺回路領域にゲート絶縁膜を形成し、
前記第1ポリシリコン膜、絶縁層、第2ポリシリコン膜を順次形成する工程において、同時に前記周辺回路領域の前記ゲート絶縁膜上に前記第1ポリシリコン膜、絶縁層、第2ポリシリコン膜を順次形成し、
前記各ゲートパターンを形成する工程において、同時に前記周辺回路領域に、前記第1ポリシリコン膜、絶縁層及び第2ポリシリコン膜をエッチングし、前記第1ポリシリコン膜を下層電極とし、前記絶縁層を誘電体層とし、前記第2ポリシリコン膜を上層電極とするキャパシタパターンを形成することを特徴とする請求項5に記載の半導体装置の製造方法。 - 前記第1不純物拡散領域を形成する工程において、同時に前記周辺回路領域の基板表面層に第1不純物拡散領域を形成し、
前記ゲート絶縁膜を形成する工程において、同時に周辺回路領域にゲート絶縁膜を形成し、
前記第1ポリシリコン膜、絶縁層、第2ポリシリコン膜を順次形成する工程において、同時に前記周辺回路領域の前記ゲート絶縁膜上に少なくとも前記第1ポリシリコン膜を形成し、
前記各ゲートパターンを形成する工程において、同時に前記周辺回路領域に、前記第1ポリシリコン膜、及びゲート絶縁膜をエッチングし、前記第1不純物拡散領域を下層電極とし、前記ゲート絶縁膜を誘電体層とし、前記第1ポリシリコン膜を上層電極とするキャパシタパターンを形成することを特徴とする請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
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