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JP3556035B2 - 軸受用シールの製造方法 - Google Patents

軸受用シールの製造方法 Download PDF

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JP3556035B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
【0002】
この発明は、環状の芯金の外周縁部を被覆するように弾性被覆層が設けられる軸受用シールの製造方法に関する。
【従来の技術】
【0003】
密封型の転がり軸受は、外輪及び内輪間の環状開放部に環状の軸受用シールが装着されている。このような軸受用シールとしては、金属板からなるものや、弾性ゴムが被覆されたゴム被覆タイプのもの等が一般に使用されている。
【0004】
金属板からなるシールは、優れた生産性を有するものの、シール本来の機能としての密封性に劣るため、ハードディスクドライブ装置等の精密機器用軸受としては、多くの場合、密封性に優れたゴム被覆タイプの軸受用シールが使用される。
【0005】
図9に示すように、一般的な構成のゴム被覆タイプの軸受用非接触シール(3)は、環状の芯金(3a)の外周縁部から内周縁部にかけての一面に、弾性被覆層(3b)が形成されるものであり、外周縁部の弾性被覆層(3b)を弾性圧縮変形させて、軸受外輪(1a)の内周溝(1d)に嵌め込んで軸受(1)に装着するものである。
【0006】
従来、このタイプの軸受用シール(3)は、加硫圧縮成形により製造するのが通例である。この成形に使用される金型は、図10に示すように、上型(5)及び下型(6)の対向面に、芯金(3a)を設置し得る多数のシール形成位置が設けられるとともに、各シール形成位置の被覆層形成領域に対応して環状のキャビィティ(7)が形成されている。更にキャビィティ(7)の外周側及び内周側には、加硫圧縮時にキャビィティ(7)内に発生する有害ガスを排出させるための環状のバリ溝(8)が形成されている。
【0007】
そしてこの金型を用いてシール(3)を製造するには、まず下型(6)の各シール形成位置に芯金(3a)をそれぞれ配置し、更にその上に未加硫ゴムシート等の弾性ゴム材料を供給する。続いて、上型(5)を下型(6)にセットし、加圧、加熱して加硫した後、上型(5)を開いて、多数の芯金(3a)がインサートされたシート状の成形品を取り出す。
【0008】
そして、上記成形品からバリ(3c)等の余剰成形体を切除することにより、上記構成の軸受用シール(3)を得るものである。
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、上記従来の軸受用シール(3)は、外周縁部から内周縁部にかけての一面全域が、弾性被覆層(3b)により覆われているものの、このうち実際に、軸受(1)に密着しているのは、外周縁部の弾性被覆層(3b)のみである。すなわち外周縁部のみに弾性被覆層(3b)を形成するようにすれば、良好な密着性能を維持した上で更に、弾性ゴム材料の使用量を削減できてコスト削減も図ることが可能となる。
【0010】
<発明の背景>
そこで近年になって、図11に示すように、環状の芯金(4a)の外周縁部のみを弾性被覆層(4b)により被覆するようにした簡易型の軸受用シール(4)の開発が進められている。
【0011】
ところが、この構成の軸受用シール(4)を、上記と同様な加硫圧縮成形を利用して製造するのは非常に困難である。すなわち上記のような加硫圧縮成形においては、型締め前に、既に弾性ゴム材料が供給されているので、芯金(4a)が型により挟圧固定されない状態で、弾性ゴム材料が圧縮されることになる。このためこの圧縮時にゴム材料が芯金(4a)の表面を伝わって内側に流れ込み、芯金内周側に薄膜状に成形される。このように薄膜成形体が付着したシールは、美観に劣り、更に軸受に装着した際に、上記薄膜成形体が剥離して軸受内に異物となって侵入し、軸受の性能を低下させて品質の低下を招く恐れがある。従って上記従来方法をそのまま利用して、簡易型の軸受用シール(4)を製造することは困難である。
【0012】
一方図12に示すように、下型(6)に配置した芯金(4a)上に、中子型(7)を配置して芯金(4a)の位置固定を図っておき、その状態で上型(5)をセットして圧縮成形するようにすれば、弾性ゴム材料の芯金内周側への流入を防止でき、芯金外周縁部の所望位置にのみ弾性被覆層(4b)を形成することができる。
【0013】
ところがこの方法では、上下の金型(5)(6)の他に、中子型(7)をセットする必要があり、その分、作業効率が低下する。しかも中子型(7)は、環状キャビィティ(7)の内周側にセットするものであるから、中子型(7)は上下型(5)(6)に対し独立した構造を採用せざるを得ず、特に多数個取りの場合、多数の中子型(7)を下型(6)のシール形成位置ごとに一つずつセットすることになり、一段と作業効率の低下を来すという問題があった。
【0014】
この発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、軸受装着状態において良好な密封性を確保できるとともに、高品質かつ外観美良好な軸受用シールを効率良く安価に製造できる軸受用シールの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するため、本願発明は、環状の芯金の外周縁部のみを被覆するように弾性被覆層が設けられた軸受用シールの製造方法であって、開閉自在な一対の型を具備し、前記一対の型の対向面に、前記芯金の外周縁部を除く領域を挟圧保持するための複数の挟圧部が設けられ、前記対向面における各挟圧部の外周に弾性被覆層成形用の環状の複数のキャビィティが設けられるとともに、各キャビィティの外周にゲートを介して環状の複数のバリ溝が設けられ、かつ隣合うバリ溝同士が周方向の一部において互いに重なり合い、前記型の中心位置にスプルが形成されるとともに、そのスプルとスプル周辺のバリ溝とがメインランナを介して連通された射出成形用金型を準備しておき、前記複数の挟圧部により前記芯金の内周縁部をそれぞれ挟圧保持させる態様に、前記射出成形用金型を型締めし、その状態で前記複数のバリ溝をそれぞれランナとして各キャビィティ内に弾性被覆層用の弾性材料を充填して成形した後、型開きを行って成形品を取り出し、前記成形品から余剰成形体を切除して、軸受用シールを得るものを要旨としている。
【0016】
の発明の軸受用シールの製造方法においては、型締めにより芯金を位置固定した後、弾性ゴム材料を供給する射出成形を利用するものであるため、型締め前(芯金固定前)に弾性ゴム材料を供給する圧縮成形とは異なり、芯金の内周側に不本意にも弾性ゴム材料が流れ込んで有害な薄膜成形体等が形成されるのを防止でき、高品質で外観美良好な軸受用シールを得ることができる。更に不本意なゴム流れを防止するための中子型等をセットする必要もないので、その分、作業効率の向上を図ることができる。更にバリ溝をランナとして利用しているため、別途ランナを設ける場合と比較して、ランナに供給する分のゴム材料を削減することができる。
【0017】
またこの製法により製造された軸受用シールは、弾性被覆層を外周縁部のみに形成するものであるため、この点からも、弾性ゴム材料の使用量を削減できる。更に軸受に装着した状態では、外周縁部の弾性被覆層を弾性力により密着させることができるので、十分な密封性を確保することができる。
【0018】
記発明においては、前記射出成形用金型として、一方の型の挟圧部内周に、前記芯金の中央孔に適合して芯金の位置決めを図るための位置決めガイドが突設されるとともに、他方の型の挟圧部内周に、前記位置決めガイドを収容するためのガイド受け凹部が形成されるものを使用するのが好ましい。すなわちこの場合には、芯金中央孔をガイドに適合させるだけで簡単に、芯金の位置合わせを行える。
【0019】
更に上記発明においては、前記射出成形用金型として、型締め状態において、前記位置決めガイド外周面と前記ガイド受け凹部内周面との間に隙間が形成されるものを使用するのが、より一層好ましい。すなわちこの場合において、例えば作業ミス等により、芯金を未挿入の状態で成形した際に、弾性ゴム材料が上記隙間にも充填されてその位置に余分な成形体が形成されることになる。こうして製作された不良の軸受用シールは、正規の軸受用シールとは異なる形状となり、その形状の違いから不良の軸受用シールを容易に判別することができる
【発明の実施の形態】
【0020】
以下、図面に基づき、本発明の実施形態である軸受用シールの製造方法について詳細に説明する。
【0021】
この実施形態の製造方法は、図5に示すように、環状の芯金(11)の外周縁部のみを被覆するように弾性被覆層(12)が設けられた軸受用シール(10)を製造するものであり、その製造に際して、本実施形態特有の射出成形用金型が使用される。
【0022】
図1はその金型の上型対向面を示す平面図、図2は図1の一点鎖線で囲まれる部分を拡大して示す平面図、図3(a)は図2の III-III線断面に相当する図であって型締め状態における金型の断面図、図3(b)は図3(a)の一点鎖線で囲まれる部分を拡大して示す断面図、図4は図3(a)の金型を分離した状態で示す断面図である。
【0023】
これらの図に示すように、この射出成形用金型は、軸受用シール(10)を多数個取り可能なものであって、上型(固定型20)と、その上型に対し開閉自在な下型(可動型30)とを具備している。上型(20)の対向面における各シール形成位置には、芯金(11)の外周縁部を除く領域を挟圧保持するための環状の複数の挟圧部(21)が形成されている。更に各挟圧部(21)の外周には、弾性被覆層形成用キャビィティ(40)を構成する複数の環状凹部が形成されるとともに、挟圧部(21)の内周には、ガイド受け凹部(23)が形成されている。
【0024】
また上型(20)には、上記キャビィティ用凹部の外周に、環状のバリ溝(24)がそれぞれ形成されるとともに、それらのバリ溝(24)のうち隣合うもの同士が、周方向の一部において重なり合っている。更に上型(20)の中心位置には、スプル(25)が形成されるとともに、そのスプル(25)とスプル周辺のバリ溝(24)とがメインランナ(26)を介して連通されている。
【0025】
一方、下型(30)の対向面には、上型(20)の各挟圧部(21)にそれぞれ対応して、芯金(11)を設置可能な環状の挟圧部(31)が形成されるとともに、その外周にキャビィティ(40)を構成する環状凹部が形成されている。更に挟圧部(31)の内周には、芯金(11)の中央孔に適合し、かつ上型(20)のガイド受け凹部(23)に収容可能なガイド(33)が形成されている。なおこのガイド(33)は、外径寸法が上型(20)のガイド受け凹部(23)の内径寸法よりもかなり小さく形成されており、ガイド(33)の外周面とガイド受け凹部(23)の内周面との間に、隙間(45)が形成されるように構成されている。
【0026】
またこの射出成形用金型は、上型(20)及び下型(30)を閉じた状態において、キャビィティ(40)とバリ溝(24)との間に、周方向の全域にわたって隙間(フィルムゲート41)が形成されるよう構成されている。
【0027】
以上の構成の射出成形用金型は、周知の射出成形機に装着されて、以下に説明する手順で、軸受用シール(10)が製造される。
【0028】
まず図3及び図4に示すように型開き状態において、多数個の芯金(11)を、その中央孔をガイド(33)にそれぞれ適合させるようにして、下型(30)の挟圧部(31)上にそれぞれセットする。このとき芯金(11)の中央孔をガイド(33)に適合させることにより、芯金(11)の位置決めを簡単かつ正確に行える。
【0029】
芯金(11)をセットした後、図3に示すように型締めを行う。これにより各芯金(11)は、上下両型(20)(30)の挟圧部(21)(31)により挟圧保持されて位置固定が図られる。なおこの状態においては、バリ溝(24)がフィルムゲート(41)を介してキャビィティ(40)に連通される一方、ガイド(33)及びガイド受け凹部(23)間の隙間と、キャビィティ(40)とは、芯金(11)の存在によって、連通が阻止されている。
【0030】
型締め後、射出成形機からの射出を開始する。これにより成形機ノズルから射出された未加硫溶融状態の弾性ゴム材料は、金型のスプル(25)及びメインランナ(26)を通って、金型中心付近のバリ溝(24)に導かれ、更にそのゴム材料は各バリ溝(24)に沿って金型対向面を放射線状に広がっていく一方、各バリ溝(24)からフィルムゲート(41)を通って各キャビィティ(40)内に充填されていく。こうして金型内のすべてのキャビィティ(40)内にゴム材料が充填された状態で、加熱、加硫が行われて弾性ゴム材料が芯金(11)の所定位置に被覆成形されて、弾性被覆層(12)が形成される。なおこの成形中において、キャビィティ(40)内で発生する有害ガスは、ゲート(41)を通ってバリ溝(24)内に排出されるので、ガス抜き不良による成形ミスを確実に防止できる。
【0031】
成形後、型を開いて、多数の芯金(11)がインサート成形されたシート状の成形品を取り出し、次いで図5に示すようにその成形品をフィルムゲート(41)に対応する部分から切り取って、換言すれば、バリ(13)を含む余剰成形体を切除して、多数の軸受用シール(10)を得る。
【0032】
こうして得られた軸受用シール(10)は、芯金(11)の外周縁部を被覆するように弾性被覆層(12)が形成されるものであり、この軸受用シール(10)は、弾性被覆層(12)を弾性圧縮させて軸受外輪の内周溝(図11参照)に嵌め込むことにより、軸受(1)に装着するものである。
【0033】
この装着作業においては、軸受用シール(10)の弾性被覆層(12)を弾性変形させて嵌め込むものであるから、金属製シールをかしめて装着する場合と違って、軸受外輪に、かしめ処理に伴う強い力が作用せず、外輪変形等の不具合を確実に防止できる。更に軸受装着状態においては、弾性被覆層(12)が弾性力により軸受外輪に十分に密着するので、良好な密封性を確保できる。
【0034】
また弾性被覆層(12)が外周縁部にのみ形成されるので、芯金の一面全域に弾性被覆層を形成するよりも、弾性ゴム材料の使用量を削減でき、コストの削減を図ることができる。
【0035】
また本実施形態においては、射出成形を利用するものであるから、型締めにより芯金(11)の位置を固定した後、弾性ゴム材料を供給することになる。このため圧縮成形を利用した従来の提案例のように、型締め前(芯金の固定前)に弾性ゴム材料を供給する場合と違って、芯金の内周側に不本意にも弾性ゴム材料が流れ込んで有害な薄膜が形成されるのを防止でき、高品質かつ外観美良好な軸受用シールを得ることができる。更に不本意なゴム流れを防止できるので、それを防止するために中子型等をセットする必要もなく、その分、作業効率の向上を図ることができる。
【0036】
また本実施形態においては、バリ溝(24)を、ゴム材料流路としてのランナ(2次ランナ)として利用しているため、別途ランナを形成する場合と比較して、ランナに供給する分のゴム材料を削減でき、より一層、コストの削減を図ることができる。
【0037】
更に本実施形態において、成形直後の多数の軸受用シール(10)は、バリ(13)等により繋がって、シート状となっているため、成形品の金型からの取り出し作業や、次工程への搬送作業を容易に行うことができる。
【0038】
また本実施形態においては、下型(30)に形成したガイド(33)に、芯金(11)の中央孔を適合させるだけで簡単に、芯金(11)の位置合わせ(芯出し)を行えるので、芯金(11)の設置作業を簡単に行えて、より一層作業効率の向上を図ることができる。
【0039】
更に本実施形態においては、キャビィティ(40)とバリ溝(24)との間のフィルムゲート(41)を周方向全域にわたって設けているため、弾性ゴム材料がキャビィティ(40)内に周方向全域からバランス良く均一に充填され、充填材料の偏り等の発生を有効に防止でき、より一層品質の高い軸受用シール(10)を製造できる。
【0040】
また本実施形態において、シート状の成形品から軸受用シール(10)を切り取る作業を、自動打ち抜き装置により行う場合、芯金(11)の中央孔を位置決め孔として利用できるので、シール切り取り作業をスムーズに行うことができる。
【0041】
また本実施形態において、下型(30)に設置する多数の芯金(11)を連結部分を介して一体化しておくことにより、一回の設置作業で、多数の芯金を設置できるようになり、作業効率を一段と向上させることができる。
【0042】
一方、本実施形態においては、ガイド(33)とガイド受け凹部(23)との間に隙間(45)を形成しているため、以下に説明するように、芯金の挿入されない不良の軸受用シールを容易に判別することができる。
【0043】
すなわち、作業者等のミスにより、芯金を未挿入の状態で、図6に示すように型締めを行うと、芯金が配置されないことにより、キャビィティ(40)と、ガイド(33)及びガイド受け凹部(23)間の隙間(45)とが連通する。従ってこの状態で型内に弾性ゴム材料を流し込むと、上記隙間(45)にも弾性ゴム材料が充填されて、その位置に余分な成形体(45a)が形成される。こうして成形された不良の軸受用シール(10F)は、図7に示すように内周縁部に、立ち上がり状に成形体(45a)が形成されて、良品の軸受用シール(10)に対し形状(全高寸法)が異なるため、その形状の違いから不良の軸受用シール(10F)を判別することができる。特に軸受用シールは、製造後、保管や出荷する場合に、軸線方向に多数個重ね合わされた状態に配置されるのが通例であるため、その軸受用シール群の中に不良の軸受用シール(10F)が混じっていると、立ち上がり状の成形体(45a)の存在により、不良の軸受用シール(10F)とそれに重なり合う軸受用シールとの間に大きな隙間が形成される。従って、周辺作業者は、軸受用シール群に隙間があれば、そこに不良の軸受用シール(10F)が混じっていると容易に判断でき、それを正確に取り除くことができる。このように不良の軸受用シール(10F)を、簡単に識別できて排除できるので、不良品の出荷を未然に確実に防止することができる。
【0044】
なお上記実施形態に使用された成形用金型は、シール形成位置を放射線状に多数個配列するように形成しているが、本発明において、金型のシール形成位置の配列形状は、特に限定されるものではなく、例えば図8に示すように、縦横に多数配列するようにしても良い。更に金型のシール形成位置の数も特に限定されるものではなく、2個以上であればいずれでも良い。
【0045】
また金型に形成されるスプルの形成数も一つに限られることはない。
【発明の効果】
【0046】
以上のように、本願発明の軸受用シールの製造方法によれば、型締めにより芯金を位置固定した後、弾性ゴム材料を供給する射出成形を利用するものであるため、型締め前(芯金固定前)に弾性ゴム材料を供給する圧縮成形とは異なり、芯金の内周側に不本意にも弾性ゴム材料が流れ込んで有害な薄膜成形体等が形成されるのを防止でき、高品質で外観美良好な軸受用シールを得ることができる。更に不本意なゴム流れを防止するための中子型等をセットする必要もなく、その分、作業効率の向上を図ることができる。更にバリ溝をランナとして利用しているため、別途ランナを設ける場合と比較して、ランナに供給する分のゴム材料を削減でき、コストの削減を図ることができる。
【0047】
またこの製法により製造された軸受用シールは、弾性被覆層を外周縁部にのみ形成するものであるため、この点からも、弾性ゴム材料の使用量を削減でき、より一層コストの削減を図ることができる。更に軸受に装着した状態では、外周縁部の弾性被覆層を弾性力により密着させることができるので、十分な密封性を確保できる。
【0048】
の発明において、一方の型の所定位置に芯金の中央孔が適合する位置決めガイドが突設されてなる構成を採用する場合、芯金中央孔をガイドに適合させるだけで簡単に、芯金の位置合わせを行えるので、より一層作業効率の向上を図ることができるという利点がある。
【0049】
また上記発明において、一方の型のガイドと、他方の型のガイド受け凹部との間に隙間が形成されてなる構成を採用する場合、以下の利点がある。例えば作業ミス等により、芯金を未挿入の状態で成形した際に、弾性ゴム材料が上記隙間にも充填されてその位置に余分な成形体が形成される。こうして製作された不良の軸受用シールは、正規の軸受用シールとは異なる形状となり、その形状の違いから不良の軸受用シールを容易に判別でき、不良製品の出荷等を確実に防止できるという利点がある
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】この発明に基づく軸受用シールの製造方法に使用された射出成形用金型の上型対向面を示す平面図である。
【図2】図1の一点鎖線で囲まれる部分を拡大して示す平面図である。
【図3】図3(a)は射出成形中の上記金型を示す側断面図、図3(b)は図3(a)の一点鎖線で囲まれる部分を拡大して示す側断面図である。
【図4】図3(a)の金型を分離した状態で示す側断面図である。
【図5】上記製法により得られた成形品から軸受用シールを分離した状態で示す側断面図である。
【図6】不良の軸受用シールを製造中の上記金型を示す側断面図である。
【図7】上記製法に基づき製造された不良の軸受用シールを示す側断面図である。
【図8】この発明の変形例に基づく製造方法に使用された射出成形用金型の上型対向面におけるバリ溝を示す平面図である。
【図9】従来の軸受を示す側断面図である。
【図10】従来のシール製法における圧縮成形中の金型を示す側断面図である。
【図11】従来における提案例のシールを軸受に装着した状態で示す側断面図である。
【図12】上記提案例のシールを従来法に準拠して製造する際の圧縮成形中の金型を示す側断面図である。
【符号の説明】
【0051】
10…軸受用シール
11…芯金
12…弾性被覆層
20…上型
21、31…挟圧部
23…ガイド受け凹部
24…バリ溝
30…下型
33…ガイド
40…キャビィティ
41…フィルムゲート
45…隙間

Claims (2)

  1. 環状の芯金の外周縁部のみを被覆するように弾性被覆層が設けられた軸受用シールの製造方法であって、
    開閉自在な一対の型を具備し、前記一対の型の対向面に、前記芯金の外周縁部を除く領域を挟圧保持するための複数の挟圧部が設けられ、前記対向面における各挟圧部の外周に弾性被覆層成形用の環状の複数のキャビィティが設けられるとともに、各キャビィティの外周にゲートを介して環状の複数のバリ溝が設けられ、かつ隣合うバリ溝同士が周方向の一部において互いに重なり合い、前記型の中心位置にスプルが形成されるとともに、そのスプルとスプル周辺のバリ溝とがメインランナを介して連通された射出成形用金型を準備しておき、
    前記複数の挟圧部により前記芯金の内周縁部をそれぞれ挟圧保持させる態様に、前記射出成形用金型を型締めし、その状態で前記複数のバリ溝をそれぞれランナとして各キャビィティ内に弾性被覆層用の弾性材料を充填して成形した後、型開きを行って成形品を取り出し、
    前記成形品から余剰成形体を切除して、軸受用シールを得ることを特徴とした軸受用シールの製造方法。
  2. 前記射出成形用金型として、一方の型の挟圧部内周に、前記芯金の中央孔に適合して芯金の位置決めを図るための位置決めガイドが突設されるとともに、他方の型の挟圧部内周に、前記位置決めガイドを収容するためのガイド受け凹部が形成され、かつ、型締め状態において、前記位置決めガイド外周面と前記ガイド受け凹部内周面との間に隙間が形成されるものを使用する請求項1記載の軸受用シールの製造方法。
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