JP3555818B2 - ドラム式回転処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、衣類等の布製品の洗濯、脱水を行う(更に乾燥まで行う場合もある)ドラム式洗濯機や単に乾燥のみを行うドラム式乾燥機等のドラム式回転処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、ドラム式洗濯機では、洗濯時にはドラムを内部の被処理物が動く速度で低速回転させ、脱水時にはドラムを被処理物がドラムの周壁内面に張り付いて落ちない速度で高速回転させる制御が行われているが、高速回転時にドラム内の被処理物が偏在していると異常振動が発生するという問題があり、この問題を解消するためにこれまでに多数の提案がなされている。
【0003】
例えば、特公昭50−16099号公報には、ドラムの水平方向の振幅を検出する検出装置を有し、低速回転時にこの検出装置でドラムを含む水槽の振幅を検出し、その振幅の大きさが規定値以下で、ドラムの一周期(一回転)以上持続する場合にのみドラムを高速回転に移行せしめるようにしたドラム式洗濯機が開示されている。
【0004】
また、特開昭64−40094号公報には、ドラムを50〜60rpmの低速回転で洗濯物をほぐした後120〜200rpmへ移行させこの時の振動値が予め設定された基準値よりも小さい場合に高速回転へ移行せしめるようにしたドラム式洗濯機が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記のような従来のドラム式洗濯機であれば、前者のものでは、低速回転時に被処理物がドラム内で絶えず転動しており、ドラムの振幅は安定することなく、一回転の間でも絶えず変化しているため、規定値以下の振幅の場合にドラムを高速回転に立ち上げたとしても、そのままの状態でドラムが高速回転に移行するか否かは不明であった。また、大きな異常振動だけを防止するためにはそれなりの効果があったが、より低振動化を図る場合には適用できなかった。
【0006】
また、後者のものでは、50〜60rpmで回転中に被処理物がドラムの周壁に付着したり剥離したりしながら転動しており、この状態で一気に120〜200rpmへ移行すれば、被処理物はドラム周壁に様々な状態で張り付くことになって、意図する低アンバランス状態にするのが難しかった。
【0007】
なお、前記の問題はドラム式洗濯機に限られるものではなく、単に乾燥のみを行うドラム式乾燥機やその他のドラム式回転処理装置にも同様の問題があった。
【0008】
本発明は前記のような問題を解決するためになされたもので、その目的は、ドラムを意図した振動レベルで高速回転に立ち上げることができるようにしたドラム式回転処理装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明ドラム式回転処理装置は前記の目的を達成するためになされたもので、請求項1記載の発明は、まず被処理物をドラムの内面に均一に張り付かせるために、前記ドラム内の被処理物全体が該ドラムの内面に張り付く直前の回転数、言い換えるとドラムの中心部の、より近く位置する被処理物の一部のみが揺動できる回転数N1を目標に加速し、次に、より高速の回転数に加速可能か否か判定するため、所定時間t1後に前記回転数よりも高く共振回転数よりも低い回転数N2を目標に加速する。そして所定時間t2後に前記アンバランス検知手段の出力が所定値α2以下の場合に、より高速の回転数に加速するようにしたものである。
【0011】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、上記回転数N 2 になって所定時間t 3 以内に上記アンバランス検知手段の出力が所定値α 2 以下にならなければ、ドラムの回転を減速又は停止し、再び上記の加速動作を行うものである。
【0012】
そして、請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において上記ドラムの正回転を減速又は停止し、再び上記の正転加速動作を行う行程において、正回転させたドラムの減速又は停止を少なくとも1回以上行った後には、所定時間ドラムを反転させた後、再び正転で上記の加速動作を行うものである。
【0013】
そしてまた、請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明において、上記所定値α 2 に相当するアンバランス量を330g以下とするものである。
【0015】
さらに、請求項5記載の発明は、請求項3記載の発明において、上記ドラムを反転させる回転数はN 1 以下とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のドラム式回転処理装置の実施の形態をドラム式洗濯機に適用した実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明のドラム式回転処理装置の実施の形態を示すドラム式洗濯機の概略構造の側面断面図である。
【0017】
図1に示すドラム式洗濯機は、箱型の外枠1と、この外枠1内に配設され、洗濯用液やすすぎ水等を貯える水槽2と、この水槽2内に回転可能に支持され、洗濯物を収容するドラム3とを備えている。ドラム3は直径が約46cmの円筒状のもので、その周壁全体に多数の小孔3aを有し、奥壁から突出した水平軸6を介して水槽2に設けられた軸受7に回転可能に支持されている。
【0018】
8はドラム3を回転させる回転駆動手段としてのドラム用モータであり、その回転軸にはプーリ9が固着されている。このプーリ9は駆動ベルト10を介して水平軸6に固着されたドラム駆動プーリ11に連結されている。12は外枠1の前面に設けられ、洗濯物を出し入れするために開閉するドアである。
【0019】
17はドラム3の回転数を検出するための回転センサで、水槽の外面に固着されたリードスイッチ18とこのリードスイッチ18と対向するようにドラム駆動プーリ11に固着されたマグネット19とからなる。この回転センサ17は公知のものであり、詳しい説明は省略する。
【0020】
また、水槽2は水を供給する給水管41、洗濯用液やすすぎ水を循環させる循環パイプ42、洗濯用液やすすぎ水を循環貯水する貯水タンク43、洗濯用液やすすぎ水を排出するための排出口44を有している。また、外枠1の前面には、電源スイッチ、スタートスイッチ等の操作パネル45が設けられている。
【0021】
そして、このドラム式洗濯機は、水槽2の振動を検知するための振動センサを有する振動検知手段を備えている。該振動検知手段は上記のアンバランス検知手段の一例を示すものである。アンバランスに起因する振動は、図6(a),(b)に示したようにドラム3の回転に伴いアンバランスが移動することによって発生する。水平方向だけを考えると左に移動したときにはドラムが左へ振れ、右へ移動したときには右へ振れる。即ち、アンバランスがあれば、ドラム3が一回転する間に、左右に一回づつ振れるので、これを振動波形として捉えることができる。
【0022】
図2は前記振動検知手段の取り付け位置を示す構成図であり、振動検知手段20は水槽2の振動のドラム3の回転方向と平行な水平成分を検出するように取り付けられることを示している。また、図2には図1で表すことができなかった、振動を緩衝するショックアブソーバ4が水槽2の底面を支持し、さらに振動を緩衝するバネ5が水槽2を吊り下げるように設けられている。これらのショックアブソーバ4及びバネ5によって、水槽2は外枠1内に振動可能に支持されている。
【0023】
前記振動センサ20の例としては、水槽2の振幅を直接検出する変位センサや、水槽2に加えられた加速度に比例した電気信号を出力する水晶やセラミックの圧電素子の圧電効果を利用した加速度センサが挙げられる。本発明の実施の形態では加速度センサを採用している。
【0024】
前記加速度センサの原理は次の通りである。振動センサ20を構成するハウジング内の重りが外部からの振動によって圧電素子に力を加え、該圧電素子はそのストレスによって正イオンと負イオンのバランスが崩れ電荷を発生する。電荷は電極に蓄積され最終的に回路を通じて出力される。蓄積された電荷量は加えられた力に比例し、その力は加速度に比例する。
【0025】
図3は振動センサが加速度センサである場合の振動検知回路のブロック図である。同図において、加速度センサ(振動センサ)20から出力された信号は、増幅回路21で増幅され、ローパスフィルタ22で変換された後、さらに増幅回路23で増幅され、振動波形として出力される。
【0026】
図4はローパスフィルタの基本回路を示している。同図において、24、25はセンサ20の出力が与えられる入力端子であり、26は演算増幅器、R1は抵抗、C1はコンデンサ、C2は帰還コンデンサ、27は出力端子である。なお、ローパスフィルタとしては3Hz前後のものが適している。即ち、振動体の振動特性の違い、例えばバネ定数や回転数や被処理物の早い動き等の違いによって、振動波形が大きく異なるため、どのような振動系にも対応できるように波形処理をしてやればよい。
【0027】
次に、本発明の実施の形態のドラム式洗濯機の制御手段である電子制御回路について図5とともに説明する。
図5に示すように、電子制御回路は、制御部と演算部で構成されるCPU100、データバス101、ROM、RAMのメモリ102、I/Oインターフェース103、回転センサ17、回転センサ17の出力から回転数を検知する回転数検知回路104、振動検知回路を含む振動検知手段20、振動検知手段20の出力をデジタル量に変換するA/D変換器105、洗濯、すすぎ等の各種処理の設定及び実行指示を行うためのキー入力部106、ドラム用モータ8、このドラム用モータ8を駆動する駆動回路107等を有している。
【0028】
ここで、回転数N1について説明する。今、内径46cmのドラムに被処理物(布)を入れて回転させた場合を例にとると、被処理物をドラムの内周壁に張り付かせるためには、ドラム3の周壁内面上の質点の加速度αが少なくとも重力加速度以上になるようにドラム3を回転させなければならない。
【0029】
ドラム3の回転数n、周速v、加速度αの関係は、ドラム3の半径をrで表したとき、
v=2πrn/60、α=v2/rとなる。今、r=0.23m、
α=9.8m/s2とすると、回転数nは63rpmとなる。これは被処理物が厚みをもたない場合に相当し現実的ではない。
【0030】
次に、被処理物の厚みを考慮して説明する。ドラム3が回転し始めると被処理物は図7のように遠心力でドラム3の周壁の方へ押し付けられ、ドラム3の中心部に空洞ができる。従って、この空洞の内径(平均値:アンバランスがなければ、均一に分布するが、アンバランスがあれば、図6のように凹凸状態になる。)の質点の加速度が重力加速度以上の場合に、アンバランスがなければ、被処理物全体がドラム3の周壁に張り付くことになる。
【0031】
もし、アンバランスがあれば、図6のような凸の部分の質点の加速度は重力の加速度以下となり動く(落下する)ことができる。従って、この質点における被処理物の一部が張り付くことなく少しずつ動くことによって、バランス状態が変わるようになる。従って、この平均内径の質点の加速度が重力の加速度をメドにして、ドラムの回転数を設定すればよいことになる。
【0032】
例えば、該内径が24cmの質点の加速度を重力の加速度と等しくなるようにするには、上式より、回転数nは86rpmに、同じく26cmの場合には、回転数nは83rpmとなる。この実施例では、ドラム3の内径を46cmとして、回転数N1を85rpmとした。
【0033】
次に、回転数N2について説明する。回転数N1の後に被処理物全体をドラム3の内壁に張り付けた状態でアンバランスの大きさを検出することを狙いとしているため、当然回転数N2はN1よりも高くするものである。一方、ドラムの回転数が振動体の振動特性に起因する共振回転数(例えば、250rpm)になると、共振現象がおき、振動が特に大きくなるため、この回転数近くまで上げないことが重要である。従って、回転数N2は該共振回転数未満とするものである。この実施例では、回転数N2を100rpm以上200rpm以下の適当値とした。
【0034】
次に、アンバランス検知手段の出力の所定値α2について説明する。ドラムを高速回転例えば1,000rpmで回転させたときに、回転処理装置の周囲の床の振動加速度を経験的に許容できる1.2m/S2以下にするために、回転数N2における判定値を所定値(基準値)α2とするものである。α2に相当するアンバランスは、実験結果から概ね330g以下という結果が得られた。
【0035】
次に、このドラム式洗濯機の脱水行程時の動作を図8のフローチャートを参照しながら説明する。
まず、ステップ#10で回転数N1を目標にドラム3を回転加速させる。ステップ#20で回転開始から所定時間t1経過したかどうか判断し、経過したならば、ステップ#30で回転数N2を目標にドラム3を回転加速させる。
【0036】
ステップ#40でN2を目標に回転加速した時点からt2経過したかどうか判定し、経過したならば、ステップ#50で振動検知手段20の出力波形からその大きさが所定値(基準値)α2以下であるか否か判定し、以下であるならば、それが所定時間t3(例えば、ドラムが半回転する時間以上1回転する時間以下に設定)続いたかどうか判断する。そして、この条件を満たした場合には、ステップ#120でドラム3を加速し、高速回転(脱水回転)させる。
【0037】
図14乃至図16に振動検知手段20の出力波形を示す。いずれも4秒の時点にN1からN2へ加速したものであるが、概ね6秒の時点にN2になっており、被処理物全体がドラム内壁へ張り付く状態であった。この時点で振動値が基準値α2以下であるかどうかを判断する。
【0038】
一般にN1の時もN2の時もアンバランスが同じであるならば、図15のように回転数の増加にともなって振動値も増加するので、それを考慮にいれて基準値を設定している。図14の場合、基準値を越えた例であり、図15は基準値以下の例である。最も良い例は図16の場合で、回転数がN1からN2に増加する間に更にバランスがよくなったため、振動値が更に小さくなったものである。
【0039】
一方、上記条件を満たさなければ、ステップ#60でN2を目標に回転加速した時点からt4経過したかどうか判定し、経過したならば(例えば、6秒)、ステップ#70でドラム3を停止させて、ステップ#80でドラム3を反転加速させる。そして、ステップ#90で所定時間t5経過したかどうか判定し、経過したならば、ステップ#100でドラム3を停止させ、ステップ#110でドラム正回転に切り替え、ステップ#10に戻り、前記の動作を繰り返す。
【0040】
これらの行程を図10乃至図13の立ち上げチャートで示す。これらは、縦軸にドラムの回転数をとって、横軸の時間との関係からドラムの回転数の制御の基本手順を示したものである。図10ではt1までN1で回転させ、その後t2の時間をかけてN2まで加速し、N2で立ち上げ判定し、所定の振動以下ならば、更に高速回転に加速することを示している。図12、図13は、再立ち上げの場合を示したものである。図12は振動が大きいため立ち上げができなかった場合に、ドラムを一旦停止させ、再び同じ方向に回転させ、立ち上げ判定するようにしたチャートを示したものである。
【0041】
図8のフローチャートのステップ#80〜#110を省略して動作させた場合に相当する。特に図13は振動が大きいため立ち上げができなかった場合に、ドラムの回転を一旦停止させ、ドラムを反対方向に回転数N0を目標に回転させ所定時間経過後に、ドラムを停止させ、再び正回転させ立ち上げ判定するようにしている。N0はN1よりも低く設定し、被処理物を転動させ、布がらみをほぐすようにしている。なお、反転を入れるタイミングは、このように1回毎ではなく、複数回毎でもよい。
【0042】
次に別の実施の形態を図9のフローチャートを参照しながら特に図8のフローチャートとの相違点を中心に説明する。
ステップ#20でドラム回転開始から所定時間t6(<t1)経過したかどうか判定し、経過したならば、ステップ#25で振動検知手段20の出力波形からその大きさが基準値α1以下であるか否か判定し、以下であるならば、それが所定時間t3続くかどうか判断する。
【0043】
そして、この条件を満たした場合には、ステップ#30で回転数N2を目標にドラム3を回転加速させる。この回転数の関係を図11に示した。図10との違いは時間t1になれば確実にN2へ加速するのではなく、振動状態から加速するかどうか判断した後にN2へ加速するようにしている。この加速ステップを数段階設けてもよい。(下記もう一つの実施の形態を参照)
そして以下、図9と同様に動作させる。しかし、ステップ#25で上記条件を満たさなければ、ステップ#27でその状態で所定時間t7経過したかどうか判定し、経過したならばステップ#70でドラム3を停止させ、上記と同様にステップ#80でドラム3を反転加速させる。以下前記と同様である。
【0044】
もう一つの実施の形態は、共振回転数以上の高速へ加速する前に複数の目標回転数を設け、アンバランス検知手段の出力が各回転数における所定値αn以下の場合に次の目標回転数へ加速させるものである。すなわち、回転数N1とN2の間に複数段の目標回転数を設け、アンバランス検知手段の出力がそれぞれに対応した所定値αn以下の場合に、より高速の回転数へ加速するものである。
【0045】
前記別の実施の形態において、回転数N1において基準値α1以下かどうか判断したと同様に、まず回転数N1において基準値α1以下の場合に、N1よりも高い回転数(<N2)に加速し、N1よりも高い回転数(<N2)において該回転数に相当する基準値αn以下かどうか判断し、基準値αn以下の場合に更に次の回転数(<N2)に加速し、該回転数に相当する基準値αn以下の場合に更に次の回転数に加速する。このような動作を繰り返しながら、最終N2の回転数で共振回転数以上に加速するかどうか判断するものである。N1とN2の間に目標回転数を複数段設けなければ、実施例2と同様になることは明らかである。
【0046】
本発明の実施の形態では、洗濯、脱水を行うドラム式洗濯機の場合について説明したが、本発明は、洗濯、脱水、乾燥を行うドラム式洗濯乾燥機、乾燥のみを行うドラム式乾燥機、あるいはその他の形式のドラム式回転処理装置に適用することもできる。
【0047】
また、本発明の実施の形態では、1軸サポート、フロントローディング型のドラム式回転処理装置の場合について説明したが、本発明は、2軸サポート型のものやトップローディング型のものにも適用することができる。
【0048】
【発明の効果】
本発明のドラム式回転処理装置は前記のような構成であるから、請求項1記載の発明は、回転数N1によって、アンバランスの修正を行い、かつ被処理物の大きな転動がないため、アンバランス状態は高速回転と相関性が高くなる。さらに、アンバランスの検出の時だけ回転数N2へ加速するようにしたため、より確実にバランス状態の判定ができるようになったものである。その結果、大幅に振動を低減することができる。
【0049】
また、請求項2記載の発明は、アンバランスが大きい場合、ドラム回転数をN2のまま長時間続けるのではなく、ドラムの回転を減速又は停止し、再び上記の加速動作を行うため、速やかにアンバランスの修正ができる。
【0050】
そしてまた、請求項3記載の発明は、アンバランスが大きい場合、請求項2記載の発明と同様にドラム回転数をN2のまま長く続けるのではなく、ドラムの回転を停止し、更に反転させた後、再び正転で上記の加速動作を行うため、速やかにアンバランスの修正ができる。
【0051】
さらに、請求項4記載の発明は、高速回転時に経験的に許容できる範囲の振動に抑えることができるので床や周囲の環境に対して好ましいものとなる。
【0052】
また、請求項5記載の発明は、請求項3記載の発明のドラム式回転処理装置において、ドラムを反転させる回転数をN1以下とすることによって、被処理物をドラム内で転動し始めるため、強固な布からみをほぐすことができる。その結果、布からみの起こりやすい被処理物の場合も比較的速やかにバランスがとれるようにできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のドラム式回転処理装置の実施の形態を示すドラム式洗濯機の概略構造の側面断面図である。
【図2】本発明のドラム式回転処理装置の実施の形態を示すドラム式洗濯機の振動検知手段の取り付け位置を示す構成図である。
【図3】本発明のドラム式回転処理装置の実施の形態を示すドラム式洗濯機の振動検知手段が加速度センサである場合の振動検知回路のブロック図である。
【図4】本発明のドラム式回転処理装置の実施の形態を示すドラム式洗濯機のローパスフィルタの基本回路を示す図である。
【図5】本発明のドラム式回転処理装置の実施の形態を示すドラム式洗濯機の電子制御回路のブロック図である。
【図6】本発明のドラム式回転処理装置の実施の形態を示すドラム式洗濯機のアンバランスの状態と振動(振れ)の関係を模式的に示した模式図である。
【図7】本発明のドラム式回転処理装置の実施の形態を示すドラム式洗濯機のドラム回転中の被処理物の状態を模式的に示した模式図である。
【図8】本発明のドラム式回転処理装置の実施の形態を示すドラム式洗濯機の脱水行程時の動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明のドラム式回転処理装置の実施の形態を示すドラム洗濯機の脱水行程時の他の動作を示すフローチャートである。
【図10】本発明のドラム式回転処理装置の実施の形態を示すドラム洗濯機のドラムの回転速度の制御パターンを示す立ち上げの基本チャート図である。
【図11】本発明のドラム式回転処理装置の実施の形態を示すドラム洗濯機のドラムの回転速度の制御パターンを示す予備判定の場合の立ち上げチャート図である。
【図12】本発明のドラム式回転処理装置の実施の形態を示すドラム洗濯機のドラムの回転速度の制御パターンを示す立ち上げができなかった場合の立ち上げチャート図である。
【図13】本発明のドラム式回転処理装置の実施の形態を示すドラム洗濯機のドラムの回転速度の制御パターンを示す立ち上げができなかった場合の途中からの立ち上げチャート図である。
【図14】本発明のドラム式回転処理装置の実施の形態を示すドラム洗濯機のアンバランスが大きい場合の実際の振動波形図である。
【図15】本発明のドラム式回転処理装置の実施の形態を示すドラム洗濯機の通常の場合の実際の振動波形図である。
【図16】本発明のドラム式回転処理装置の実施の形態を示すドラム洗濯機の非常にバランスがよい場合の実際の振動波形図である。
【符号の説明】
2 水槽
3 ドラム
8 ドラム回転用モータ
17 回転センサ
20 振動検知手段
22 ローパスフィルタ
Claims (5)
- 外枠内に振動可能に支持された支持体と、この支持体に回転可能に支持され、被処理物を収容するドラムと、このドラムを回転させる回転駆動手段と、この回転駆動手段を制御し、前記ドラムを低速回転から高速回転まで複数の回転数が設定できる制御手段と、前記ドラム内における被処理物の片寄りを検知するアンバランス検知手段とを備えたドラム式回転処理装置において、前記ドラム内の被処理物の一部が張り付くことなく少しずつ動く回転数N1を目標に該ドラムを加速し、かつ所定時間t1まで前記回転数N1で回転させ、前記所定時間t1後に前記回転数よりも高く共振回転数よりも低い回転数N2を目標に加速し、所定時間t2後に前記アンバランス検知手段の出力が所定値α2以下の場合に、より高速の回転数に加速する手段を備えてなることを特徴とするドラム式回転処理装置。
- 前記回転数N2になって所定時間t3以内に前記アンバランス検知手段の出力が所定値α2以下にならなければ、ドラムの回転を減速又は停止し、再び前記の加速動作を行うことを特徴とする請求項1記載のドラム式回転処理装置。
- 前記ドラムの正回転を減速又は停止し、再び前記の正転加速動作を行う行程において、正回転させたドラムの減速又は停止を少なくとも1回以上行った後には、所定時間ドラムを反転させた後、再び正転で上記の加速動作を行うことを特徴とする請求項2記載のドラム式回転処理装置。
- 前記所定値α2に相当するアンバランス量を330g以下とすることを特徴とする請求項1記載のドラム式回転処理装置。
- 前記ドラムを反転させる回転数はN1以下とすることを特徴とする請求項3記載のドラム式回転処理装置。
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