JP3554019B2 - 画像処理装置及び方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は画像処理装置及び方法に関し、例えば2色の画像形成を行う画像処理装置及び方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば赤と黒等の2色の画像形成を行う画像処理装置として、2色デジタル複写機が普及している。
【0003】
従来の2色複写機は、まず原稿画像をRGB信号として読み取り、CMYK信号に変換した後、所定の変換処理によってまず第1の潜像形成色に対応する画像データの潜像を感光ドラム上に形成する。そして、同様に第2の潜像形成色に対応する画像データの潜像を、既に生成されている第1の潜像形成色に対応する潜像に重ねて形成する。このようにして1つの感光ドラム上に重ねて形成された2色の潜像を一括転写することにより、2色の画像を記録媒体上に可視像化していた。
【0004】
このような2色複写機においては、上述したように第1の潜像形成色による潜像に第2の潜像形成色による潜像とが重ねて形成されるために、第2の潜像形成色が第1の潜像形成色による遮光作用によって、本来の色再現が行われず、劣化してしまう現象が発生する。
【0005】
従って従来の2色複写機では、この第2の潜像形成色が劣化する現象を解決するために、第2の潜像形成色に対応する画像データの濃度値を補正する方法が提案されている。例えば、第2の潜像形成色に対応する画像データの濃度値を、所定の割合又は濃度値の大きさに応じた割合等に従って上げる方法や、逆に、第1の潜像形成色に対応する画像データの濃度値を所定の割合又は濃度値の大きさに応じた割合等に従って下げる方法等がある。そして補正後の画像データに従って各色の潜像を形成することにより、第2の潜像形成色の劣化を防いでいた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の2色複写機における第2の潜像形成色の濃度補正方法では、第1の潜像形成色と第2の潜像形成色との混色比の保存と、両濃度値の十分な保存とを両立させることができなかった。
【0007】
従って本発明においては、第1の潜像形成色と第2の潜像形成色との混色比の保存と、両濃度値の十分な保存とを両立可能な画像処理装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述した目的を達成するために、以下の構成を備える。
【0009】
即ち、カラー画像信号を入力する入力手段と、前記入力手段により入力されたカラー画像信号を第1色成分と第2色成分とに分離する2色分離手段と、前記第1色成分と前記第2色成分とによって潜像を形成する画像形成手段と、前記第2色成分の補正濃度値を決定する補正濃度値決定手段と、前記第1色成分と前記第2色成分の出力濃度値を決定する出力濃度値決定手段と、前記第2色成分の補正濃度値に応じて前記第1色成分の濃度値と前記第2色成分の濃度値とを選択する選択手段とを有し、前記画像形成手段は前記選択手段により選択された前記第1色成分の濃度値と前記第2色成分の濃度値とにより潜像を形成することを特徴とする。
【0010】
例えば、前記補正濃度値決定手段は前記画像形成手段における画像形成時に前記第2色成分の濃度値が前記第1色成分の濃度値によって劣化する分の補正値を決定することを特徴とする。
【0011】
例えば、前記出力濃度値決定手段は前記第1色成分と前記第2色成分との濃度値の混合比を変えずにかつ各濃度値の変化を最小限に留めるような出力濃度値を決定することを特徴とする。
【0012】
例えば、前記選択手段は前記第2色成分の濃度値として前記補正濃度値決定手段による補正濃度値を、前記第1色成分の濃度値として前記2色分離手段により分離された前記第1色成分の濃度値を選択する第1の選択モードと、前記第1色成分の濃度値と第2色成分の濃度値としてそれぞれ前記出力濃度値決定手段による出力濃度値を選択する第2の選択モードとを有することを特徴とする。
【0013】
更に、前記補正濃度値決定手段により決定された前記第2色成分の補正濃度値が最大値を越えているか否かを判定する濃度値判定手段を有し、前記選択手段は前記濃度値判定手段による判定結果に基づいて選択することを特徴とする。
【0014】
例えば、前記濃度値判定手段により前記第2色成分の補正濃度値が最大値を越えていると判定されると、前記選択手段は前記第2の選択モードで選択を行うことを特徴とする。
【0015】
例えば、前記濃度値判定手段により前記第2色成分の補正濃度値が最大値を越えていない判定されると、前記選択手段は前記第1の選択モードで選択を行うことを特徴とする。
【0016】
例えば、前記濃度値判定手段における前記第2色成分の濃度値の最大値は「255」であることを特徴とする。
【0017】
また、少なくとも2色の記録材を重ね合わせることで画像を形成する画像形成装置に画像データを供給する画像処理装置であって、カラー画像データを少なくとも2色成分に分離する分離手段と、該分離された画像データを遮光特性を考慮して補正する第1の補正手段と、該分離された画像データを濃度比率を考慮して補正する第2の補正手段と、前記第1及び第2の補正手段を用いて画像データを処理する処理手段と、を有することを特徴とする。
【作用】
以上の構成により、2色分離で得られた第2の潜像形成色の濃度が第1の潜像形成色の濃度に影響を及ぼす場合においても、第2の潜像形成色の補正濃度値を算出することと、第1及び第2の潜像形成色の出力画像の目標濃度値として2色の濃度値の比率を保ちつつ、各濃度の劣化も最小限に抑える最適な濃度値とを算出することが可能となり、更に、第2の潜像形成色の補正濃度値に応じて実際に画像を形成する各濃度値を選択することができるため、最適な画像形成が可能となるという特有の作用効果がある。
【0018】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明に係る一実施例を詳細に説明する。
【0019】
<第1実施例>
本実施例では2色の画像形成が可能な画像処理装置として、赤色及び黒色の2色の画像を形成する画像処理装置について、以下説明する。
【0020】
図1において、100は画像処理装置本体、180は原稿の自動給紙を行なう循環式自動原稿送り装置(以下、「RDF」と記す)、190は仕分け装置即ちソータであり、これらRDF180とソータ190は画像処理装置100に対して任意に組合せて使用できるようになっている。
【0021】
図1において、101は原稿載置台としての原稿台ガラスで、102は原稿照明ランプ103、走査ミラー104等で構成されるスキャナで、不図示のモータによりスキャナが所定方向に往復走査されて原稿の反射光を走査ミラー104〜106を介してレンズ108を透過してCCDセンサ109に結像する。
【0022】
120はレーザ、ポリゴンスキャナ等で構成された露光制御部で、イメージセンサ部109で電気信号に変換され後述する所定の画像処理が行なわれた画像信号に基づいて変調されたレーザ光128及び129を感光体ドラム110上に照射する。
【0023】
感光体ドラム110の周りには1次帯電器112、赤現像器121、黒現像器122、転写帯電器118、クリーニング装置116、前露光ランプ114が装備されている。
【0024】
画像形成部126において、感光体ドラム110は不図示のモータにより図に示す矢印の方向に回転しており、1次帯電器112により所望の電位に帯電された後、露光制御部120からのレーザ光129が照射され、赤データの静電潜像が形成される。感光体ドラム110上に形成された静電潜像は、赤現像器121により現像されてトナー像として可視化される。続いて、露光制御部120からのレーザ光128が感光ドラム110上に照射され、黒データの静電潜像が形成される。感光体ドラム110上に形成された静電潜像は、黒現像器122により現像されてトナー像として可視化される。
【0025】
一方、上段カセット131あるいは下段カセット132からピックアップローラ133、134により給紙された転写紙は、給紙ローラ135、136により本体に送られ、レジストローラ137により転写ベルトに給送され、可視化されたトナー像が転写帯電器118により転写紙に転写される。転写後の感光体ドラムは、クリーナー装置116により残留トナーが清掃され、前露光ランプ114により残留電荷が消去される。
【0026】
転写後の転写紙は転写ベルト130から分離され、後述する定着前帯電器139、140によりトナー画像が再帯電され定着器141に送られ加圧、加熱により定着され、排出ローラ142により画像処理装置本体100の外に排出される。
【0027】
138はレジストローラから送られた転写紙を転写ベルト130に吸着させる吸着帯電器であり、165は転写ベルト130の回転に用いられると同時に吸着帯電器138と対になって転写ベルト130に転写紙を吸着帯電させる転写ベルトローラである。
【0028】
143は転写紙を転写ベルト130から分離しやすくするための除電帯電器であり、144は転写紙が転写ベルト130から分離する際の剥離放電による画像乱れを防止する剥離帯電器であり、139、140は分離後の転写紙のトナーの吸着力を補い、画像乱れを防止する定着前帯電器であり、145、146は転写ベルト130を除電し、転写ベルト130を静電的に初期化するための転写ベルト除電帯電器であり、147は転写ベルト130の汚れを除去するベルトクリーナである。
【0029】
148は転写ベルト130上に給紙された転写部材の先端を検知する紙センサであり、紙送り方向(副走査方向)の同期信号として用いられる。
【0030】
本体100には、例えば4000枚の転写紙を収納し得るデッキ150が装備されている。デッキ150のリフタ151は、給紙ローラ152に転写紙が常に当接するように転写紙の量に応じて上昇する。また、100枚の転写紙を収容し得るマルチ手差し153が装備されている。
【0031】
さらに、図1において154は排紙フラッパであり、排出ローラ142から送り出された転写紙の、両面記録(両面複写)ないし多重記録(多重複写)及びソータ190への排出のための経路を切り換える。また、155は転写紙を反転させる反転パス、158は下搬送パスであり、排出ローラ142から送り出された転写紙は反転パス155を介して裏返され、下搬送パス158を介して再給紙トレイ156に導かれる。
【0032】
また、157は両面記録と多重記録の経路を切り換える多重フラッパであり、これを左方向に倒すことにより転写紙を反転パス155を介さず直接下搬送パス158に導く。159は経路160を通じて転写紙を感光体ドラム110側に給紙する給紙ローラである。161は排出ローラであり、排紙フラッパ154の近傍に配置されて、この排紙フラッパ154により排出側に切り換えられて転写紙を機外(ソータ190)に排出する。
【0033】
両面記録時には、排紙フラッパ154を上方に上げて、多重フラッパ157を図中右方向へ倒すことにより、複写済みの転写紙を搬送パス155、158を介して再給紙トレイ156に裏返しに格納する。また、多重記録時には、排紙フラッパ154を上方に上げて、多重フラッパ157を図中左方向へ倒すことにより、複写済みの転写紙を搬送パス158を介して再給紙トレイ156に格納する。そして、両面記録及び多重記録共に再給紙トレイ156に格納されている転写紙が、下から1枚づつ給紙ローラ159により経路160を介して本体のレジストローラ137に導かれる。
【0034】
一方、転写紙をそのまま排出するには、排紙フラッパ154を下方に下げれば良い。また、転写紙を反転させて排出するには、排紙フラッパ154を上方へ上げ、多重フラッパ157を右方向へ倒し、複写済みの転写紙を搬送パス155へ搬送し、転写紙の後端が第1の送りローラ162を通過した後に反転ローラ163によって第2の送りローラ164側へ搬送し、排出ローラ161によって、裏返された転写紙がソータ190へ排出される。
【0035】
次に、上述した本実施例の画像処理装置における信号の流れを、図2のブロック図に模式的に示す。
【0036】
図2において、原稿200の画像情報は画像読み取り部201で読み取られる。画像読み取り部201は、CCDセンサ109、アナログ信号処理部202等により構成される。レンズ108を介してCCDセンサ109に結像された原稿200の画像情報は、CCDセンサ109によりR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)、のアナログ電気信号に変換される。変換された画像情報は、アナログ信号処理部202に入力されR、G、B、の各色毎にサンプル&ホールド、ダークレベルの補正等が行なわれた後に、アナログ・デジタル変換(A/D変換)され、デジタル化されたR,G,Bのフルカラー信号はつぎに画像処理部203に入力される。
【0037】
画像処理部203では、シェーディング補正、色補正、γ補正等の読み取り系で必要な補正処理や、スムージング補正、エッジ強調、その他の後述する本実施例における特有の処理、加工等が行なわれ、黒データ及び赤データとして、プリンタ部204に出力される。
【0038】
プリンタ部204は、上述した図1において説明した様に、レーザ等からなる露光制御部120、画像形成部126、転写紙の搬送制御部等により構成され、入力された画像信号により転写紙上に画像を記録する。
【0039】
また、CPU部205は、CPU206、ROM207、RAM208等により構成され、画像読み取り部201、画像処理部203、プリンタ部204等を制御し、本画像処理装置を統括的に制御する。
【0040】
次に、上述した画像処理部203について図3を参照して詳細に説明する。
【0041】
図3は、画像処理部203の詳細構成を示すブロック図である。
【0042】
図2のアナログ信号処理部202より出力されたR,G,Bのデジタル画像信号は、画像処理部203においてまず図3に示すシェーディング補正回路部301に入力される。シェーディング補正部301では原稿を読み取るCCDセンサ109のばらつき及び原稿照明用のランプ103の配光特性の補正を行なっている。シェーディング補正回路部301で補正演算されたR,G,Bの画像信号は、次に階調補正部302に入力されて、輝度信号から濃度信号に変換するために対数変換され、それぞれその補正信号であるC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の濃度画像データが作成される。
【0043】
そして、C,M,Yの濃度信号に変換された画像信号は2色分離部303に入力され、2色分離部303では公知の2色分離処理によりプリンタ部のトナー色である赤、及び黒の画像データ(赤データ及び黒データ)を作成する。そして、2色分離部303から出力された赤データ及び黒データは、それぞれ本実施例の特徴である補正演算回路部304に入力され、1ドラム上で混色するための補正が行われる。補正演算回路部304における動作の詳細については後述する。
【0044】
そして補正演算回路部304からは補正後の赤データ及び黒データがそれぞれ独立して出力され、黒イメージ信号はバッファメモリ305にいったん格納されることにより、所定時間の遅延が行なわれる。これは、赤イメージ信号及び黒イメージ信号により露光制御部120において画像形成部126に画像を形成する際の、感光体110上におけるレーザ光128及び129の入射位置の物理的なずれを補正するためのものである。黒イメージデータは、バッファメモリ305で所定時間遅延された後、プリンタ部204に出力される。
【0045】
尚、上述した図1に示す画像処理装置100は、赤現像器121及び黒現像器122を備えているため、赤及び黒の2色による画像形成を行う。しかし、本実施例における画像形成は赤及び黒の2色に限定されるものではなく、互いに異なる2色であれば何でもよい。従って、以下本実施例においては、第1色を1stカラー(ファーストカラー)、第2色を2ndカラー(セカンドカラー)として、説明を行う。例えば、上述した例では赤が1stカラー、黒が2ndカラーである。
【0046】
以下、図3に示す補正演算回路部304について、図4を参照して詳細に説明する。図4は補正演算回路部304の詳細構成を示すブロック図である。
【0047】
図4において、401は2ndカラーの濃度値を補正する際の補正値を決定する補正値演算部、402は2ndカラーの濃度値が補正できない際の出力に最適な各濃度値を決定する最適濃度演算部、403は2ndカラーの補正値が最大値以下であるか否かを判定する濃度値判定部、404は最終的に出力する画像データを選択する画像選択部であり、以上401〜404で補正演算回路部304を構成する。以下、上述した図4の各構成における処理について詳細に説明する。
【0048】
図3に示す2色分離部303から出力される1stカラー及び2ndカラーの色情報信号は、共に補正値演算部401へ入力される。補正値演算部401においては、感光ドラム110に付着する1stカラーの色情報信号の潜像のトナーによる遮光作用によって、2ndカラーの潜像濃度が低下することを考慮して、2ndカラーの色情報信号の濃度値に対して所定の逆演算処理を行う。そして、補正した2ndカラーの濃度値を出力する。
【0049】
補正値演算部401から出力される2ndカラーの補正濃度値は、濃度値判定部403へ入力される。濃度値判定部403では、入力された2ndカラーの補正濃度値が2ndカラーが潜像を形成可能な最大濃度値を越えているか否かを判断する。
【0050】
一般に、潜像形成が可能な最大濃度値は「255」であるため、例えば濃度値判定部403に入力された2ndカラーの濃度値が「255」を越えていた場合には、濃度値判定部403からは最終的に出力する画像データを判断するためのS信号がHレベル(ハイレベル)となり、画像判定部404へ出力される。尚、2ndカラーの濃度値が「255」以下であった場合には、S信号はLレベル(ローレベル)で出力される。
【0051】
画像選択部404においては、濃度値判定部403から入力されたS信号がHレベルであった場合には、2ndカラーの補正濃度値が最大値「255」を越えたと判断する。そして、後述する最適濃度演算部402から出力された1stカラー及び2ndカラーの濃度値情報を出力する。
【0052】
一方、画像判定部404にS信号がLレベルで入力されると、2色分離部303から入力された1stカラーの濃度値情報と、補正値演算部401から出力された2ndカラーの補正濃度値情報とを出力する。
【0053】
以上説明した図4に示す補正演算回路部304においては、濃度値判定部403に入力される2ndカラーの濃度値が「255」を越えた場合には、補正値演算部401で求めた2ndカラーの補正濃度値が無効となるため、実際に潜像される2ndカラーの濃度は出力が期待される理想的な濃度(以下、「理想濃度」と呼ぶ)に比べて低下してしまう。従って、実際に潜像される1stカラーの濃度と2ndカラーの濃度との混合比は理想濃度の混合比とは異なり、色味に変化が生じてしまう。この現像を回避するために、予め1stカラーを出力する出力濃度値を適当に低めに設定して、2ndカラーの潜像における濃度の低下を緩和する必要がある。しかし1stカラーの出力濃度が低すぎると、たとえ濃度の混合比が保存されても1stカラーの出力濃度値自身が低濃度であるため、実際に潜像される濃度も低下してしまう。
【0054】
従って本実施例においては、補正値演算部401で2ndカラーの補正濃度値が「255」を越えてしまう場合に、最適濃度演算部402において1stカラー及び2ndカラーの理想濃度値の混合比を保ちつつ、潜像における各色の濃度の理想濃度値からの損失を最小限にとどめるのに最適な、それぞれの濃度値を適切に算出する。以下、理想濃度値を目標として本実施例で決定される各色の出力濃度を、「目標濃度」とする。
【0055】
以下、図5のフローチャートを参照して、上述した補正演算回路部304における目標濃度の決定方法を説明する。
【0056】
図5において、まずS501で1stカラー及び2ndカラーの理想濃度が2色分離部303から入力される。そしてステップS502において、補正値演算部401で2ndカラーの補正濃度値が算出される。また、ステップS503において最適濃度演算部402で1stカラー及び2ndカラーの最適濃度が算出される。尚、図5において、ステップS502とステップS503とはその処理順序が入れ変わっていてもよい。
【0057】
ここで、図6及び図7を参照して、ステップS503における1stカラー及び2ndカラーの最適な目標濃度値を算出する方法について、説明する。
【0058】
図6は、1stカラーの濃度値と2ndカラーの濃度値との相関関係を示す図である。図6において、横軸は1stカラーの濃度値(0〜255)、縦軸は2ndカラーの濃度値(0〜255)であり、濃度相関Bにより隔てられた領域Aが、1stカラー、2ndカラー共に潜像可能となる領域である。尚、本実施例において、濃度相関Bは上述した図2に示すCPU部205のROM207に予め格納されている。
【0059】
本実施例において、図6に示す1stカラーと2ndカラーとの濃度相関Bは線形であると仮定する。また、1stカラーの濃度値が「255」である時に2ndカラーの潜像される濃度値が「255×γ」であるとする。
【0060】
図6において、2色分離部303から入力された1stカラー及び2ndカラーの理想濃度値が領域A内の点p1 であった場合には、上述した図4に示す補正値演算部401における2ndカラーの補正濃度値は例えば点p2 で示す値となり、即ち、最大値である「255」以下となる。そして、点p2 を目標濃度として実際に潜像の形成を行うと、上述したような2ndカラーの劣化により、点p1 の濃度値で潜像が形成される。即ち、理想濃度p1 が保たれる。
【0061】
一方、理想濃度が領域Aの外の点q1 であった場合には、補正値演算部401における2ndカラーの補正濃度値は点q2 で示す値となり、即ち、最大値である「255」を越える値となる。しかし、補正濃度値は「255」が上限であるため、結局目標濃度値は点q3 として、2ndカラーの目標濃度値が「255」となるように決定される。そして、点q3 の目標濃度で実際に潜像の形成を行うと、2ndカラーの濃度は点q1 と点q2 とにおける濃度値の差分と同じだけ劣化し、点q4 の濃度値で潜像が形成されてしまう。即ち、理想濃度q1 に対して2ndカラーの濃度の損失が発生し、潜像形成後の濃度は必ず濃度相関B上に存在する。
【0062】
本実施例において以上説明したような濃度の損失を最低限に抑制するために、図5に示すステップS503で最適濃度値の算出を行う。以下、図7を参照して最適濃度値算出の方法を説明する。
【0063】
図7は、本実施例における最適目標濃度を設定する方法を説明するための図である。図7において、横軸及び縦軸は上述した図6と同じくそれぞれ1stカラー及び2ndカラーの濃度値であり、濃度相関B及び領域Aについても図6と同様である。
【0064】
図7において、点sは領域A外に設定された理想濃度であり、上述した図6に示す点q2 と同座標にある。また、点sと原点(各濃度値が「0」となる点)とを結んだ直線Cは、点sにおける目標濃度と混合比が等しくなる濃度点分布を示す。即ち、点sと等しい混合比となる濃度点分布は直線C上に拘束される。直線C上で、かつ領域A内に存在する部分のうち、濃度値が最大である点、即ち、濃度相関Bと直線Cとの交点Dが、濃度の混合比が保存され、かつ濃度の損失が最小である最適濃度点となる。
【0065】
本実施例においては、最適濃度値演算部402において上述した交点Dが示す各濃度値を求め、最適濃度として目標濃度値に設定する。以下、交点Dを求める方法について説明する。
【0066】
図7において、最適濃度点である交点Dにおける1stカラー,2ndカラーそれぞれの濃度をd1′,d2′とし、目標濃度sにおけるその混合比をnとすると、直線Cは以下の式(1)で表わされる。
【0067】
d2 =n×d1 ・・・・(1)
また、濃度相関Bの方程式は傾きをrとすると以下の式(2)で表わされる。
【0068】
d2 =255−(1−r)×d1 ・・・・(2)
従って、式(2)に式(1)を代入することにより、式(1)及び式(2)で示される各直線の交点D(d1′,d2′)は、以下の式(3)及び(4)により得られる。
【0069】
d1′=255/(1−γ+n) ・・・・(3)
d2′=(255×n)/(1−γ+n) ・・・・(4)
以上説明したように、理想濃度sが領域A外に存在した場合には、最適濃度である交点Dを求めることにより、最適な目標濃度値を設定する。従って、潜像を形成した場合にも理想濃度における各色の混合比は保たれ、それぞれの濃度の劣化を最小限に押えることができる。
【0070】
図5において、以上説明したようにステップS503では1stカラー及び2ndカラーの最適濃度値が算出される。
【0071】
次に処理はステップS504に進み、濃度値判別部403においてステップS502で算出された2ndカラーの補正濃度値が最大値である「255」を越えるか否かを判定する。「255」を越えていればステップS505に進み、画像選択部404では濃度値判別部403から出力されたHレベルであるS信号に従って、最適濃度演算部402から出力される1stカラー及び2ndカラーの最適濃度値を目標濃度として選択し、ステップS507に進む。
【0072】
一方、ステップS504において2ndカラーの補正濃度値が最大値である「255」を越えていなければステップS506に進み、画像選択部404では濃度値判別部403から出力されたLレベルであるS信号に従って、補正値演算部401から出力される2ndカラーの補正濃度値と、2色分離部303から入力された1stカラーの濃度値を目標濃度として選択し、ステップS507に進む。
【0073】
そしてステップS507において、補正演算回路部304から1stカラーの目標濃度信号と2ndカラーの目標濃度信号とがそれぞれ独立にプリンタ部204へ出力される。
【0074】
以上説明した様に本実施例によれば、2色分離で得られた理想濃度に対して補正濃度値が最大値を越えていた場合においても、2色の濃度の比率は保ちつつ各濃度の劣化を最小限に押える最適な目標濃度を設定することが可能となり、従って1つの感光ドラム上への2色の画像形成を1回のパスで良好に行うことが可能となる。
【0075】
<第2実施例>
以下、本発明に係る第2実施例について説明する。
【0076】
第2実施例における画像処理装置の構成は、上述した第1実施例に示す構成と同様であるため、説明を省略する。
【0077】
上述した第1実施例においては、1stカラーの濃度に対する2ndカラーの濃度相関は線形であると仮定し、その方程式を用いて最適濃度を算出する例について説明を行った。しかし、本発明はこの例に限られるものではない。第2実施例においては、1stカラーに対する2ndカラーの濃度相関が線形でない場合について、図8を参照して説明する。
【0078】
図8は、第2実施例における最適目標濃度を設定する方法を説明するための図である。尚、第2実施例においても、図4に示す最適濃度演算部402で以下に説明する最適濃度演算が行われる。
【0079】
図8において、横軸及び縦軸は上述した図7と同じくそれぞれ1stカラー及び2ndカラーの濃度値であり、領域Aについても図7と同様である。また、理想濃度点s及びその混合比直線Cについても同じく図7で説明したのと同様である。
【0080】
図8において、1stカラーに対する2ndカラーの濃度相関は線形ではないため、上述した図6及び図7のように直線では表わせない。即ち、第2実施例においては最適濃度点を濃度相関と混合比直線Cとの交点により求めることができない。しかし、図8において点bn で示されるように、適当な1stカラーの濃度値に対する2ndカラーの濃度値の限界を表す、離散的なデータを得ることができれば、図8上で直線Cとの距離が最も短い点bn を選択することにより、最適濃度点が得られる。
【0081】
そして、以降の処理は上述した第1実施例と同様に、図3に示す補正演算回路部304から1stカラー(赤)のイメージ信号と2ndカラー(黒)のイメージ信号とがそれぞれ独立にプリンタ部204へ出力される。
【0082】
以上説明したように、第2実施例において理想濃度値sが領域A外に存在した場合には、最適濃度である点bn を求めることにより、最適な目標濃度を設定することができる。従って、理想濃度における各色の混合比は最大限に保たれ、それぞれの濃度の劣化を最小限に押えることができる。
【0083】
尚、上述した第1及び第2実施例においては、画像処理装置が電子写真方式である場合について説明を行ったが、本発明はこの限りではなく、例えば熱エネルギーによる膜沸騰を起こして液滴を吐出するタイプのヘッド及びこれを用いる記録法を用いた画像処理装置に適用してもよい。
【0084】
尚、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器から成る装置に適用しても良い。また、本発明はシステム或は装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適用できることは言うまでもない。
【0085】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、2色分離で得られた第1の潜像形成色の濃度が第1の潜像形成色の濃度に影響を及ぼす場合に、理想濃度に対して補正濃度値が最大値を越えていた場合においても、2色の濃度の比率は保ちつつ各濃度の劣化を最小限に押える最適な目標濃度を設定することが可能となる。従って、少なくとも2色の画像形成を行う画像処理装置において、感光体等の像担持体上で少なくとも2色の画像形成を一度に行っても、各色の濃度値、濃度比が非常に良好である画像が得られる。
【0086】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる一実施例の画像処理装置の断面図である。
【図2】本実施例における画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本実施例における画像処理部203の詳細構成を示すブロック図である。
【図4】本実施例における補正演算回路部304の詳細構成を示すブロック図である。
【図5】本実施例における最適濃度値の算出処理を示すフローチャートである。
【図6】本実施例における2色の濃度相関を示す図である。
【図7】本実施例における最適濃度値の算出を説明するための図である。
【図8】本発明に係る第2実施例における最適濃度の算出を説明するための図である。
【符号の説明】
303 2色分離部
304 補正演算回路部
401 補正値演算部
402 最低濃度演算部
403 濃度値判定部
404 画像選択部
【産業上の利用分野】
本発明は画像処理装置及び方法に関し、例えば2色の画像形成を行う画像処理装置及び方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば赤と黒等の2色の画像形成を行う画像処理装置として、2色デジタル複写機が普及している。
【0003】
従来の2色複写機は、まず原稿画像をRGB信号として読み取り、CMYK信号に変換した後、所定の変換処理によってまず第1の潜像形成色に対応する画像データの潜像を感光ドラム上に形成する。そして、同様に第2の潜像形成色に対応する画像データの潜像を、既に生成されている第1の潜像形成色に対応する潜像に重ねて形成する。このようにして1つの感光ドラム上に重ねて形成された2色の潜像を一括転写することにより、2色の画像を記録媒体上に可視像化していた。
【0004】
このような2色複写機においては、上述したように第1の潜像形成色による潜像に第2の潜像形成色による潜像とが重ねて形成されるために、第2の潜像形成色が第1の潜像形成色による遮光作用によって、本来の色再現が行われず、劣化してしまう現象が発生する。
【0005】
従って従来の2色複写機では、この第2の潜像形成色が劣化する現象を解決するために、第2の潜像形成色に対応する画像データの濃度値を補正する方法が提案されている。例えば、第2の潜像形成色に対応する画像データの濃度値を、所定の割合又は濃度値の大きさに応じた割合等に従って上げる方法や、逆に、第1の潜像形成色に対応する画像データの濃度値を所定の割合又は濃度値の大きさに応じた割合等に従って下げる方法等がある。そして補正後の画像データに従って各色の潜像を形成することにより、第2の潜像形成色の劣化を防いでいた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の2色複写機における第2の潜像形成色の濃度補正方法では、第1の潜像形成色と第2の潜像形成色との混色比の保存と、両濃度値の十分な保存とを両立させることができなかった。
【0007】
従って本発明においては、第1の潜像形成色と第2の潜像形成色との混色比の保存と、両濃度値の十分な保存とを両立可能な画像処理装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述した目的を達成するために、以下の構成を備える。
【0009】
即ち、カラー画像信号を入力する入力手段と、前記入力手段により入力されたカラー画像信号を第1色成分と第2色成分とに分離する2色分離手段と、前記第1色成分と前記第2色成分とによって潜像を形成する画像形成手段と、前記第2色成分の補正濃度値を決定する補正濃度値決定手段と、前記第1色成分と前記第2色成分の出力濃度値を決定する出力濃度値決定手段と、前記第2色成分の補正濃度値に応じて前記第1色成分の濃度値と前記第2色成分の濃度値とを選択する選択手段とを有し、前記画像形成手段は前記選択手段により選択された前記第1色成分の濃度値と前記第2色成分の濃度値とにより潜像を形成することを特徴とする。
【0010】
例えば、前記補正濃度値決定手段は前記画像形成手段における画像形成時に前記第2色成分の濃度値が前記第1色成分の濃度値によって劣化する分の補正値を決定することを特徴とする。
【0011】
例えば、前記出力濃度値決定手段は前記第1色成分と前記第2色成分との濃度値の混合比を変えずにかつ各濃度値の変化を最小限に留めるような出力濃度値を決定することを特徴とする。
【0012】
例えば、前記選択手段は前記第2色成分の濃度値として前記補正濃度値決定手段による補正濃度値を、前記第1色成分の濃度値として前記2色分離手段により分離された前記第1色成分の濃度値を選択する第1の選択モードと、前記第1色成分の濃度値と第2色成分の濃度値としてそれぞれ前記出力濃度値決定手段による出力濃度値を選択する第2の選択モードとを有することを特徴とする。
【0013】
更に、前記補正濃度値決定手段により決定された前記第2色成分の補正濃度値が最大値を越えているか否かを判定する濃度値判定手段を有し、前記選択手段は前記濃度値判定手段による判定結果に基づいて選択することを特徴とする。
【0014】
例えば、前記濃度値判定手段により前記第2色成分の補正濃度値が最大値を越えていると判定されると、前記選択手段は前記第2の選択モードで選択を行うことを特徴とする。
【0015】
例えば、前記濃度値判定手段により前記第2色成分の補正濃度値が最大値を越えていない判定されると、前記選択手段は前記第1の選択モードで選択を行うことを特徴とする。
【0016】
例えば、前記濃度値判定手段における前記第2色成分の濃度値の最大値は「255」であることを特徴とする。
【0017】
また、少なくとも2色の記録材を重ね合わせることで画像を形成する画像形成装置に画像データを供給する画像処理装置であって、カラー画像データを少なくとも2色成分に分離する分離手段と、該分離された画像データを遮光特性を考慮して補正する第1の補正手段と、該分離された画像データを濃度比率を考慮して補正する第2の補正手段と、前記第1及び第2の補正手段を用いて画像データを処理する処理手段と、を有することを特徴とする。
【作用】
以上の構成により、2色分離で得られた第2の潜像形成色の濃度が第1の潜像形成色の濃度に影響を及ぼす場合においても、第2の潜像形成色の補正濃度値を算出することと、第1及び第2の潜像形成色の出力画像の目標濃度値として2色の濃度値の比率を保ちつつ、各濃度の劣化も最小限に抑える最適な濃度値とを算出することが可能となり、更に、第2の潜像形成色の補正濃度値に応じて実際に画像を形成する各濃度値を選択することができるため、最適な画像形成が可能となるという特有の作用効果がある。
【0018】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明に係る一実施例を詳細に説明する。
【0019】
<第1実施例>
本実施例では2色の画像形成が可能な画像処理装置として、赤色及び黒色の2色の画像を形成する画像処理装置について、以下説明する。
【0020】
図1において、100は画像処理装置本体、180は原稿の自動給紙を行なう循環式自動原稿送り装置(以下、「RDF」と記す)、190は仕分け装置即ちソータであり、これらRDF180とソータ190は画像処理装置100に対して任意に組合せて使用できるようになっている。
【0021】
図1において、101は原稿載置台としての原稿台ガラスで、102は原稿照明ランプ103、走査ミラー104等で構成されるスキャナで、不図示のモータによりスキャナが所定方向に往復走査されて原稿の反射光を走査ミラー104〜106を介してレンズ108を透過してCCDセンサ109に結像する。
【0022】
120はレーザ、ポリゴンスキャナ等で構成された露光制御部で、イメージセンサ部109で電気信号に変換され後述する所定の画像処理が行なわれた画像信号に基づいて変調されたレーザ光128及び129を感光体ドラム110上に照射する。
【0023】
感光体ドラム110の周りには1次帯電器112、赤現像器121、黒現像器122、転写帯電器118、クリーニング装置116、前露光ランプ114が装備されている。
【0024】
画像形成部126において、感光体ドラム110は不図示のモータにより図に示す矢印の方向に回転しており、1次帯電器112により所望の電位に帯電された後、露光制御部120からのレーザ光129が照射され、赤データの静電潜像が形成される。感光体ドラム110上に形成された静電潜像は、赤現像器121により現像されてトナー像として可視化される。続いて、露光制御部120からのレーザ光128が感光ドラム110上に照射され、黒データの静電潜像が形成される。感光体ドラム110上に形成された静電潜像は、黒現像器122により現像されてトナー像として可視化される。
【0025】
一方、上段カセット131あるいは下段カセット132からピックアップローラ133、134により給紙された転写紙は、給紙ローラ135、136により本体に送られ、レジストローラ137により転写ベルトに給送され、可視化されたトナー像が転写帯電器118により転写紙に転写される。転写後の感光体ドラムは、クリーナー装置116により残留トナーが清掃され、前露光ランプ114により残留電荷が消去される。
【0026】
転写後の転写紙は転写ベルト130から分離され、後述する定着前帯電器139、140によりトナー画像が再帯電され定着器141に送られ加圧、加熱により定着され、排出ローラ142により画像処理装置本体100の外に排出される。
【0027】
138はレジストローラから送られた転写紙を転写ベルト130に吸着させる吸着帯電器であり、165は転写ベルト130の回転に用いられると同時に吸着帯電器138と対になって転写ベルト130に転写紙を吸着帯電させる転写ベルトローラである。
【0028】
143は転写紙を転写ベルト130から分離しやすくするための除電帯電器であり、144は転写紙が転写ベルト130から分離する際の剥離放電による画像乱れを防止する剥離帯電器であり、139、140は分離後の転写紙のトナーの吸着力を補い、画像乱れを防止する定着前帯電器であり、145、146は転写ベルト130を除電し、転写ベルト130を静電的に初期化するための転写ベルト除電帯電器であり、147は転写ベルト130の汚れを除去するベルトクリーナである。
【0029】
148は転写ベルト130上に給紙された転写部材の先端を検知する紙センサであり、紙送り方向(副走査方向)の同期信号として用いられる。
【0030】
本体100には、例えば4000枚の転写紙を収納し得るデッキ150が装備されている。デッキ150のリフタ151は、給紙ローラ152に転写紙が常に当接するように転写紙の量に応じて上昇する。また、100枚の転写紙を収容し得るマルチ手差し153が装備されている。
【0031】
さらに、図1において154は排紙フラッパであり、排出ローラ142から送り出された転写紙の、両面記録(両面複写)ないし多重記録(多重複写)及びソータ190への排出のための経路を切り換える。また、155は転写紙を反転させる反転パス、158は下搬送パスであり、排出ローラ142から送り出された転写紙は反転パス155を介して裏返され、下搬送パス158を介して再給紙トレイ156に導かれる。
【0032】
また、157は両面記録と多重記録の経路を切り換える多重フラッパであり、これを左方向に倒すことにより転写紙を反転パス155を介さず直接下搬送パス158に導く。159は経路160を通じて転写紙を感光体ドラム110側に給紙する給紙ローラである。161は排出ローラであり、排紙フラッパ154の近傍に配置されて、この排紙フラッパ154により排出側に切り換えられて転写紙を機外(ソータ190)に排出する。
【0033】
両面記録時には、排紙フラッパ154を上方に上げて、多重フラッパ157を図中右方向へ倒すことにより、複写済みの転写紙を搬送パス155、158を介して再給紙トレイ156に裏返しに格納する。また、多重記録時には、排紙フラッパ154を上方に上げて、多重フラッパ157を図中左方向へ倒すことにより、複写済みの転写紙を搬送パス158を介して再給紙トレイ156に格納する。そして、両面記録及び多重記録共に再給紙トレイ156に格納されている転写紙が、下から1枚づつ給紙ローラ159により経路160を介して本体のレジストローラ137に導かれる。
【0034】
一方、転写紙をそのまま排出するには、排紙フラッパ154を下方に下げれば良い。また、転写紙を反転させて排出するには、排紙フラッパ154を上方へ上げ、多重フラッパ157を右方向へ倒し、複写済みの転写紙を搬送パス155へ搬送し、転写紙の後端が第1の送りローラ162を通過した後に反転ローラ163によって第2の送りローラ164側へ搬送し、排出ローラ161によって、裏返された転写紙がソータ190へ排出される。
【0035】
次に、上述した本実施例の画像処理装置における信号の流れを、図2のブロック図に模式的に示す。
【0036】
図2において、原稿200の画像情報は画像読み取り部201で読み取られる。画像読み取り部201は、CCDセンサ109、アナログ信号処理部202等により構成される。レンズ108を介してCCDセンサ109に結像された原稿200の画像情報は、CCDセンサ109によりR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)、のアナログ電気信号に変換される。変換された画像情報は、アナログ信号処理部202に入力されR、G、B、の各色毎にサンプル&ホールド、ダークレベルの補正等が行なわれた後に、アナログ・デジタル変換(A/D変換)され、デジタル化されたR,G,Bのフルカラー信号はつぎに画像処理部203に入力される。
【0037】
画像処理部203では、シェーディング補正、色補正、γ補正等の読み取り系で必要な補正処理や、スムージング補正、エッジ強調、その他の後述する本実施例における特有の処理、加工等が行なわれ、黒データ及び赤データとして、プリンタ部204に出力される。
【0038】
プリンタ部204は、上述した図1において説明した様に、レーザ等からなる露光制御部120、画像形成部126、転写紙の搬送制御部等により構成され、入力された画像信号により転写紙上に画像を記録する。
【0039】
また、CPU部205は、CPU206、ROM207、RAM208等により構成され、画像読み取り部201、画像処理部203、プリンタ部204等を制御し、本画像処理装置を統括的に制御する。
【0040】
次に、上述した画像処理部203について図3を参照して詳細に説明する。
【0041】
図3は、画像処理部203の詳細構成を示すブロック図である。
【0042】
図2のアナログ信号処理部202より出力されたR,G,Bのデジタル画像信号は、画像処理部203においてまず図3に示すシェーディング補正回路部301に入力される。シェーディング補正部301では原稿を読み取るCCDセンサ109のばらつき及び原稿照明用のランプ103の配光特性の補正を行なっている。シェーディング補正回路部301で補正演算されたR,G,Bの画像信号は、次に階調補正部302に入力されて、輝度信号から濃度信号に変換するために対数変換され、それぞれその補正信号であるC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の濃度画像データが作成される。
【0043】
そして、C,M,Yの濃度信号に変換された画像信号は2色分離部303に入力され、2色分離部303では公知の2色分離処理によりプリンタ部のトナー色である赤、及び黒の画像データ(赤データ及び黒データ)を作成する。そして、2色分離部303から出力された赤データ及び黒データは、それぞれ本実施例の特徴である補正演算回路部304に入力され、1ドラム上で混色するための補正が行われる。補正演算回路部304における動作の詳細については後述する。
【0044】
そして補正演算回路部304からは補正後の赤データ及び黒データがそれぞれ独立して出力され、黒イメージ信号はバッファメモリ305にいったん格納されることにより、所定時間の遅延が行なわれる。これは、赤イメージ信号及び黒イメージ信号により露光制御部120において画像形成部126に画像を形成する際の、感光体110上におけるレーザ光128及び129の入射位置の物理的なずれを補正するためのものである。黒イメージデータは、バッファメモリ305で所定時間遅延された後、プリンタ部204に出力される。
【0045】
尚、上述した図1に示す画像処理装置100は、赤現像器121及び黒現像器122を備えているため、赤及び黒の2色による画像形成を行う。しかし、本実施例における画像形成は赤及び黒の2色に限定されるものではなく、互いに異なる2色であれば何でもよい。従って、以下本実施例においては、第1色を1stカラー(ファーストカラー)、第2色を2ndカラー(セカンドカラー)として、説明を行う。例えば、上述した例では赤が1stカラー、黒が2ndカラーである。
【0046】
以下、図3に示す補正演算回路部304について、図4を参照して詳細に説明する。図4は補正演算回路部304の詳細構成を示すブロック図である。
【0047】
図4において、401は2ndカラーの濃度値を補正する際の補正値を決定する補正値演算部、402は2ndカラーの濃度値が補正できない際の出力に最適な各濃度値を決定する最適濃度演算部、403は2ndカラーの補正値が最大値以下であるか否かを判定する濃度値判定部、404は最終的に出力する画像データを選択する画像選択部であり、以上401〜404で補正演算回路部304を構成する。以下、上述した図4の各構成における処理について詳細に説明する。
【0048】
図3に示す2色分離部303から出力される1stカラー及び2ndカラーの色情報信号は、共に補正値演算部401へ入力される。補正値演算部401においては、感光ドラム110に付着する1stカラーの色情報信号の潜像のトナーによる遮光作用によって、2ndカラーの潜像濃度が低下することを考慮して、2ndカラーの色情報信号の濃度値に対して所定の逆演算処理を行う。そして、補正した2ndカラーの濃度値を出力する。
【0049】
補正値演算部401から出力される2ndカラーの補正濃度値は、濃度値判定部403へ入力される。濃度値判定部403では、入力された2ndカラーの補正濃度値が2ndカラーが潜像を形成可能な最大濃度値を越えているか否かを判断する。
【0050】
一般に、潜像形成が可能な最大濃度値は「255」であるため、例えば濃度値判定部403に入力された2ndカラーの濃度値が「255」を越えていた場合には、濃度値判定部403からは最終的に出力する画像データを判断するためのS信号がHレベル(ハイレベル)となり、画像判定部404へ出力される。尚、2ndカラーの濃度値が「255」以下であった場合には、S信号はLレベル(ローレベル)で出力される。
【0051】
画像選択部404においては、濃度値判定部403から入力されたS信号がHレベルであった場合には、2ndカラーの補正濃度値が最大値「255」を越えたと判断する。そして、後述する最適濃度演算部402から出力された1stカラー及び2ndカラーの濃度値情報を出力する。
【0052】
一方、画像判定部404にS信号がLレベルで入力されると、2色分離部303から入力された1stカラーの濃度値情報と、補正値演算部401から出力された2ndカラーの補正濃度値情報とを出力する。
【0053】
以上説明した図4に示す補正演算回路部304においては、濃度値判定部403に入力される2ndカラーの濃度値が「255」を越えた場合には、補正値演算部401で求めた2ndカラーの補正濃度値が無効となるため、実際に潜像される2ndカラーの濃度は出力が期待される理想的な濃度(以下、「理想濃度」と呼ぶ)に比べて低下してしまう。従って、実際に潜像される1stカラーの濃度と2ndカラーの濃度との混合比は理想濃度の混合比とは異なり、色味に変化が生じてしまう。この現像を回避するために、予め1stカラーを出力する出力濃度値を適当に低めに設定して、2ndカラーの潜像における濃度の低下を緩和する必要がある。しかし1stカラーの出力濃度が低すぎると、たとえ濃度の混合比が保存されても1stカラーの出力濃度値自身が低濃度であるため、実際に潜像される濃度も低下してしまう。
【0054】
従って本実施例においては、補正値演算部401で2ndカラーの補正濃度値が「255」を越えてしまう場合に、最適濃度演算部402において1stカラー及び2ndカラーの理想濃度値の混合比を保ちつつ、潜像における各色の濃度の理想濃度値からの損失を最小限にとどめるのに最適な、それぞれの濃度値を適切に算出する。以下、理想濃度値を目標として本実施例で決定される各色の出力濃度を、「目標濃度」とする。
【0055】
以下、図5のフローチャートを参照して、上述した補正演算回路部304における目標濃度の決定方法を説明する。
【0056】
図5において、まずS501で1stカラー及び2ndカラーの理想濃度が2色分離部303から入力される。そしてステップS502において、補正値演算部401で2ndカラーの補正濃度値が算出される。また、ステップS503において最適濃度演算部402で1stカラー及び2ndカラーの最適濃度が算出される。尚、図5において、ステップS502とステップS503とはその処理順序が入れ変わっていてもよい。
【0057】
ここで、図6及び図7を参照して、ステップS503における1stカラー及び2ndカラーの最適な目標濃度値を算出する方法について、説明する。
【0058】
図6は、1stカラーの濃度値と2ndカラーの濃度値との相関関係を示す図である。図6において、横軸は1stカラーの濃度値(0〜255)、縦軸は2ndカラーの濃度値(0〜255)であり、濃度相関Bにより隔てられた領域Aが、1stカラー、2ndカラー共に潜像可能となる領域である。尚、本実施例において、濃度相関Bは上述した図2に示すCPU部205のROM207に予め格納されている。
【0059】
本実施例において、図6に示す1stカラーと2ndカラーとの濃度相関Bは線形であると仮定する。また、1stカラーの濃度値が「255」である時に2ndカラーの潜像される濃度値が「255×γ」であるとする。
【0060】
図6において、2色分離部303から入力された1stカラー及び2ndカラーの理想濃度値が領域A内の点p1 であった場合には、上述した図4に示す補正値演算部401における2ndカラーの補正濃度値は例えば点p2 で示す値となり、即ち、最大値である「255」以下となる。そして、点p2 を目標濃度として実際に潜像の形成を行うと、上述したような2ndカラーの劣化により、点p1 の濃度値で潜像が形成される。即ち、理想濃度p1 が保たれる。
【0061】
一方、理想濃度が領域Aの外の点q1 であった場合には、補正値演算部401における2ndカラーの補正濃度値は点q2 で示す値となり、即ち、最大値である「255」を越える値となる。しかし、補正濃度値は「255」が上限であるため、結局目標濃度値は点q3 として、2ndカラーの目標濃度値が「255」となるように決定される。そして、点q3 の目標濃度で実際に潜像の形成を行うと、2ndカラーの濃度は点q1 と点q2 とにおける濃度値の差分と同じだけ劣化し、点q4 の濃度値で潜像が形成されてしまう。即ち、理想濃度q1 に対して2ndカラーの濃度の損失が発生し、潜像形成後の濃度は必ず濃度相関B上に存在する。
【0062】
本実施例において以上説明したような濃度の損失を最低限に抑制するために、図5に示すステップS503で最適濃度値の算出を行う。以下、図7を参照して最適濃度値算出の方法を説明する。
【0063】
図7は、本実施例における最適目標濃度を設定する方法を説明するための図である。図7において、横軸及び縦軸は上述した図6と同じくそれぞれ1stカラー及び2ndカラーの濃度値であり、濃度相関B及び領域Aについても図6と同様である。
【0064】
図7において、点sは領域A外に設定された理想濃度であり、上述した図6に示す点q2 と同座標にある。また、点sと原点(各濃度値が「0」となる点)とを結んだ直線Cは、点sにおける目標濃度と混合比が等しくなる濃度点分布を示す。即ち、点sと等しい混合比となる濃度点分布は直線C上に拘束される。直線C上で、かつ領域A内に存在する部分のうち、濃度値が最大である点、即ち、濃度相関Bと直線Cとの交点Dが、濃度の混合比が保存され、かつ濃度の損失が最小である最適濃度点となる。
【0065】
本実施例においては、最適濃度値演算部402において上述した交点Dが示す各濃度値を求め、最適濃度として目標濃度値に設定する。以下、交点Dを求める方法について説明する。
【0066】
図7において、最適濃度点である交点Dにおける1stカラー,2ndカラーそれぞれの濃度をd1′,d2′とし、目標濃度sにおけるその混合比をnとすると、直線Cは以下の式(1)で表わされる。
【0067】
d2 =n×d1 ・・・・(1)
また、濃度相関Bの方程式は傾きをrとすると以下の式(2)で表わされる。
【0068】
d2 =255−(1−r)×d1 ・・・・(2)
従って、式(2)に式(1)を代入することにより、式(1)及び式(2)で示される各直線の交点D(d1′,d2′)は、以下の式(3)及び(4)により得られる。
【0069】
d1′=255/(1−γ+n) ・・・・(3)
d2′=(255×n)/(1−γ+n) ・・・・(4)
以上説明したように、理想濃度sが領域A外に存在した場合には、最適濃度である交点Dを求めることにより、最適な目標濃度値を設定する。従って、潜像を形成した場合にも理想濃度における各色の混合比は保たれ、それぞれの濃度の劣化を最小限に押えることができる。
【0070】
図5において、以上説明したようにステップS503では1stカラー及び2ndカラーの最適濃度値が算出される。
【0071】
次に処理はステップS504に進み、濃度値判別部403においてステップS502で算出された2ndカラーの補正濃度値が最大値である「255」を越えるか否かを判定する。「255」を越えていればステップS505に進み、画像選択部404では濃度値判別部403から出力されたHレベルであるS信号に従って、最適濃度演算部402から出力される1stカラー及び2ndカラーの最適濃度値を目標濃度として選択し、ステップS507に進む。
【0072】
一方、ステップS504において2ndカラーの補正濃度値が最大値である「255」を越えていなければステップS506に進み、画像選択部404では濃度値判別部403から出力されたLレベルであるS信号に従って、補正値演算部401から出力される2ndカラーの補正濃度値と、2色分離部303から入力された1stカラーの濃度値を目標濃度として選択し、ステップS507に進む。
【0073】
そしてステップS507において、補正演算回路部304から1stカラーの目標濃度信号と2ndカラーの目標濃度信号とがそれぞれ独立にプリンタ部204へ出力される。
【0074】
以上説明した様に本実施例によれば、2色分離で得られた理想濃度に対して補正濃度値が最大値を越えていた場合においても、2色の濃度の比率は保ちつつ各濃度の劣化を最小限に押える最適な目標濃度を設定することが可能となり、従って1つの感光ドラム上への2色の画像形成を1回のパスで良好に行うことが可能となる。
【0075】
<第2実施例>
以下、本発明に係る第2実施例について説明する。
【0076】
第2実施例における画像処理装置の構成は、上述した第1実施例に示す構成と同様であるため、説明を省略する。
【0077】
上述した第1実施例においては、1stカラーの濃度に対する2ndカラーの濃度相関は線形であると仮定し、その方程式を用いて最適濃度を算出する例について説明を行った。しかし、本発明はこの例に限られるものではない。第2実施例においては、1stカラーに対する2ndカラーの濃度相関が線形でない場合について、図8を参照して説明する。
【0078】
図8は、第2実施例における最適目標濃度を設定する方法を説明するための図である。尚、第2実施例においても、図4に示す最適濃度演算部402で以下に説明する最適濃度演算が行われる。
【0079】
図8において、横軸及び縦軸は上述した図7と同じくそれぞれ1stカラー及び2ndカラーの濃度値であり、領域Aについても図7と同様である。また、理想濃度点s及びその混合比直線Cについても同じく図7で説明したのと同様である。
【0080】
図8において、1stカラーに対する2ndカラーの濃度相関は線形ではないため、上述した図6及び図7のように直線では表わせない。即ち、第2実施例においては最適濃度点を濃度相関と混合比直線Cとの交点により求めることができない。しかし、図8において点bn で示されるように、適当な1stカラーの濃度値に対する2ndカラーの濃度値の限界を表す、離散的なデータを得ることができれば、図8上で直線Cとの距離が最も短い点bn を選択することにより、最適濃度点が得られる。
【0081】
そして、以降の処理は上述した第1実施例と同様に、図3に示す補正演算回路部304から1stカラー(赤)のイメージ信号と2ndカラー(黒)のイメージ信号とがそれぞれ独立にプリンタ部204へ出力される。
【0082】
以上説明したように、第2実施例において理想濃度値sが領域A外に存在した場合には、最適濃度である点bn を求めることにより、最適な目標濃度を設定することができる。従って、理想濃度における各色の混合比は最大限に保たれ、それぞれの濃度の劣化を最小限に押えることができる。
【0083】
尚、上述した第1及び第2実施例においては、画像処理装置が電子写真方式である場合について説明を行ったが、本発明はこの限りではなく、例えば熱エネルギーによる膜沸騰を起こして液滴を吐出するタイプのヘッド及びこれを用いる記録法を用いた画像処理装置に適用してもよい。
【0084】
尚、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器から成る装置に適用しても良い。また、本発明はシステム或は装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適用できることは言うまでもない。
【0085】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、2色分離で得られた第1の潜像形成色の濃度が第1の潜像形成色の濃度に影響を及ぼす場合に、理想濃度に対して補正濃度値が最大値を越えていた場合においても、2色の濃度の比率は保ちつつ各濃度の劣化を最小限に押える最適な目標濃度を設定することが可能となる。従って、少なくとも2色の画像形成を行う画像処理装置において、感光体等の像担持体上で少なくとも2色の画像形成を一度に行っても、各色の濃度値、濃度比が非常に良好である画像が得られる。
【0086】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる一実施例の画像処理装置の断面図である。
【図2】本実施例における画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本実施例における画像処理部203の詳細構成を示すブロック図である。
【図4】本実施例における補正演算回路部304の詳細構成を示すブロック図である。
【図5】本実施例における最適濃度値の算出処理を示すフローチャートである。
【図6】本実施例における2色の濃度相関を示す図である。
【図7】本実施例における最適濃度値の算出を説明するための図である。
【図8】本発明に係る第2実施例における最適濃度の算出を説明するための図である。
【符号の説明】
303 2色分離部
304 補正演算回路部
401 補正値演算部
402 最低濃度演算部
403 濃度値判定部
404 画像選択部
Claims (8)
- カラー画像信号を入力する入力手段と、
前記入力手段により入力されたカラー画像信号を第1色成分と第2色成分とに分離する2色分離手段と、
画像形成時に前記第2色成分の濃度値が前記第1色成分の濃度値によって劣化する分の濃度補正値を決定する補正濃度値決定手段と、
前記第1色成分と前記第2色成分との濃度値の混合比を変えずにかつ各濃度値の変化を最小限に留めるような前記第1色成分と前記第2色成分の出力濃度値を決定する出力濃度値決定手段と、
前記補正濃度値決定手段により決定された前記第2色成分の補正濃度値が最大値を越えているか否かを判定する濃度値判定手段と、
前記第2色成分の濃度値として前記補正濃度値決定手段による補正濃度値を選択し、前記第1色成分の濃度値として前記2色分離手段により分離された前記第1色成分の濃度値を選択する第1の選択モードと、前記第1色成分の濃度値と第2色成分の濃度値としてそれぞれ前記出力濃度値決定手段による出力濃度値を選択する第2の選択モードとを、前記濃度値判定手段による判定結果に基づいて選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された選択モードに応じた前記第1色成分の濃度値と前記第2色成分の濃度値とにより潜像を形成する画像形成手段とを有することを特徴とする画像処理装置。 - 前記濃度値判定手段により前記第2色成分の補正濃度値が最大値を越えていると判定されると、前記選択手段は前記第2の選択モードで選択を行うことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
- 前記濃度値判定手段により前記第2色成分の補正濃度値が最大値を越えていない判定されると、前記選択手段は前記第1の選択モードで選択を行うことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
- 前記濃度値判定手段における前記第2色成分の濃度値の最大値は「255」であることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
- カラー画像信号を入力する入力工程と、
前記入力工程により入力されたカラー画像信号を第1色成分と第2色成分とに分離する2色分離工程と、
画像形成の際に前記第2色成分の濃度値が前記第1色成分の濃度値によって劣化する分の補正濃度値を決定する補正濃度値決定工程と、
前記第1色成分と前記第2色成分との濃度値の混合比を変えずにかつ各濃度値の変化を最小限に留めるような前記第1色成分と前記第2色成分の出力濃度値を決定する出力濃度値決定工程と、
前記補正濃度値決定工程により決定された前記第2色成分の補正濃度値が最大値を越えているか否かを判定する濃度値判定工程と、
前記第2色成分の濃度値として前記補正濃度値決定工程による補正濃度値を選択し、前記第1色成分の濃度値として前記2色分離工程により分離された前記第1色成分の濃度値を選択する第1の選択モードと、前記第1色成分の濃度値と第2色成分の濃度値としてそれぞれ前記出力濃度値決定工程による出力濃度値を選択する第2の選択モードとを、前記濃度値判定工程による判定結果に基づいて選択する選択工程と、
前記選択工程により選択された選択モードに応じた前記第1色成分の濃度値と前記第2色成分の濃度値とにより潜像を形成する画像形成工程とを有することを特徴とする画像処理方法。 - 前記濃度値判定工程により前記第2色成分の補正濃度値が最大値を越えていると判定されると、前記選択工程は前記第2の選択モードで選択を行うことを特徴とする請求項5記載の画像処理方法。
- 前記濃度値判定工程により前記第2色成分の補正濃度値が最大値を越えていない判定されると、前記選択工程は前記第1の選択モードで選択を行うことを特徴とする請求項5記載の画像処理方法。
- 前記濃度値判定工程における前記第2色成分の濃度値の最大値は「255」であることを特徴とする請求項5記載の画像処理方法。
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