JP3550777B2 - 分散剤及びそれを用いたエポキシ樹脂水性分散体ならびに水性硬化性樹脂組成物 - Google Patents
分散剤及びそれを用いたエポキシ樹脂水性分散体ならびに水性硬化性樹脂組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3550777B2 JP3550777B2 JP02926795A JP2926795A JP3550777B2 JP 3550777 B2 JP3550777 B2 JP 3550777B2 JP 02926795 A JP02926795 A JP 02926795A JP 2926795 A JP2926795 A JP 2926795A JP 3550777 B2 JP3550777 B2 JP 3550777B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- epoxy resin
- aqueous
- parts
- resin
- water
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Paints Or Removers (AREA)
- Emulsifying, Dispersing, Foam-Producing Or Wetting Agents (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Epoxy Resins (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、エポキシ樹脂にカルボキシル基を導入し、該カルボキシル基を塩基性物質により中和してなる分散剤及びこれを用いてエポキシ樹脂を分散させてなるエポキシ樹脂水性分散体、及びこれを含有してなる水性硬化性樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、本発明は、金属等の基材に良好な密着性を示し、また良好な耐久性を有する硬化皮膜を与える水性硬化性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エポキシ樹脂は優れた反応性を有し、その硬化物は強度特性、耐熱性、耐薬品性、絶縁性、金属密着性等、優れた機械的性質、電気的性質及び化学的性質を有するため、各種コーティング剤、電気絶縁材料、積層品・構造材料、土木・建築材料、接着剤等として広範に使用されている。
また、近年、省資源・環境保全の見地から、コーティング剤、塗料、接着剤等の水性化が望まれており、エポキシ樹脂等の樹脂類の水性化が行なわれている。
【0003】
例えば、エポキシ樹脂を水性塗料用樹脂として用いる例は多く知られているが、特にグリシジル基を二級アミンあるいはリン酸等により変性を行なった後、適当なカウンターイオンにより中和し水溶化して得た変性エポキシ樹脂が金属等への密着性の向上に有効であることが知られている。
しかしながら、これらの変性エポキシ樹脂によって、良好な密着性を示す硬化皮膜が得られるものの、塗料の保存安定性、変性樹脂溶液の着色等に問題があった。例えば、二級アミン類によりエポキシ樹脂中のグリシジル基を変性した場合、適当なアニオンにより四級塩化し水溶性エポキシ樹脂を得ることができるが、得られた変性エポキシ樹脂溶液は茶褐色に着色しているばかりではなくこの着色は加熱硬化により更に進行することが知られており、クリア塗料あるいは淡色系塗料等に適用した場合、色調に問題が生じる場合がある。
また、このような変性エポキシ樹脂を用いた場合、塗料の保存安定性が劣ることがある。すなわち、通常のポットライフ試験実施中に粘度の上昇がみられたり、硬化皮膜の密着性が発現されなくなったりする場合がある。
【0004】
また、水性アクリル系樹脂を分散剤としたエポキシ樹脂の水性分散体がしばしば用いられているが、この場合、エポキシ樹脂中のグリシジル基を変性せずにエポキシ樹脂の水性化が行なわれるため、上記変性エポキシ樹脂に比較して保存安定性および硬化性は改善されるが、分散性を有するアクリル系樹脂の組成が限定され、一定量以上のアクリル系樹脂が必要とされるため、硬化皮膜の物性の低下を抑制することに困難が生じていた。また、得られる水性分散体は粘度が高く、チキソトロピック性を示すことが多く、塗装性等に問題が生じていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、上記の問題点を解決するべく鋭意研究を重ねた結果、良好な分散能を有する新規な分散剤を見出し、さらに該分散剤を用いてエポキシ樹脂を分散させてなるエポキシ樹脂水性分散体が、良好な基材密着性、耐久性等を有する硬化皮膜を与えることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、エポキシ当量が150〜10000で分子内にグリシジル基及びアルコ−ル性水酸基を有するエポキシ樹脂(a)中の前記アルコ−ル性水酸基と酸無水物の反応に基づく半エステル化変性エポキシ樹脂(A)中のカルボキシル基の20〜100モル%を塩基性物質により中和してなる分散剤である。
本発明は、また、前述の分散剤を樹脂固形分中10〜90重量%用いてエポキシ樹脂(B)を分散させてなるエポキシ樹脂水性分散体、あるいは前述の半エステル化変性エポキシ樹脂(A)10〜90重量%とエポキシ樹脂(B)10〜90重量%とを混合してから、半エステル化変性エポキシ樹脂(A)中のカルボキシル基の20〜100モル%を塩基性物質により中和してなるエポキシ樹脂水性分散体、ならびに該エポキシ樹脂水性分散体を含有してなる水性硬化性樹脂組成物である。
【0007】
本発明を特徴づける半エステル化変性エポキシ樹脂(A)は、基本的にエポキシ樹脂(a)中に存在するアルコ−ル性水酸基の酸無水物基への付加によってエステル結合及びカルボン酸を生成せしめたものである。アルコ−ル性水酸基の酸無水物基への付加反応は、迅速かつ化学量論的に進行するため、変性中の副反応の進行が実質的に無視できる。また変性の制御・設計が容易であるため、分散させる樹脂組成に応じて半エステル化変性を行なうことが可能であり、さらに酸価の調整も大きい自由度で容易に行なうことが可能であり、該半エステル化変性エポキシ樹脂(A)を塩基性物質で中和することによって、優れた分散性を有する分散剤を得ることができる。
さらに、エポキシ樹脂(a)内のグリシジル基を変性に用いないため、該分散剤を用いた分散性樹脂組成物は良好な熱硬化性を有し、得られる硬化皮膜は基材密着性、耐久性等に優れるものである。
【0008】
本発明の半エステル化変性エポキシ樹脂(A)の原料として用いられるエポキシ樹脂(a)としては、分子内にグリシジル基及びアルコ−ル性水酸基を有しておりエポキシ当量が150から10000の範囲内にあるものであれば特に制限はなく、例としてビスフェノールA型エポキシ樹脂,ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂等のいわゆるグリシジルエーテル系エポキシ樹脂を用いることができるが、これらに限定されるものではない。ここで、エポキシ樹脂中に存在するべきアルコ−ル性水酸基は、グリシジル基とビスフェノール系化合物の付加に由来するものであっても、またグリシジル基への水分子等の付加に由来するものであっても良い。
エポキシ樹脂(a)のエポキシ当量が150よりも小さいと、硬化時の架橋密度が大きくなりすぎ塗膜が脆くなりやすい。また、エポキシ当量が10000を越えると硬化特性が悪くなる。
エポキシ樹脂(a)は要求される官能基密度、軟化温度、溶解性・相溶性等によって適宜選択して適当なエポキシ樹脂を持つものを用いるべきである。エポキシ樹脂は、市販されているものをそのまま使用することができ、単独あるいは2種類以上の混合物として用いることもできる。
【0009】
また、本発明で用いられる酸無水物としては、無水マレイン酸、無水コハク酸、アルケニル無水コハク酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸,テトラヒドロ無水フタル酸、無水ナジック酸、無水メチルナジック酸等で例示される環状脂肪族酸無水物、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、ポリセバシン酸無水物等で例示される脂肪族酸無水物、無水フタル酸、無水トリメリット酸等で例示される芳香族酸無水物等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。これらの酸無水物は単独で用いることもできるが、2種類以上の酸無水物を併せて用いることもできる。
【0010】
反応に用いられる酸無水物の量は、エポキシ樹脂中のアルコール性水酸基の当量以下であれば、特に制限されるものではないが、生成する半エステル変性エポキシ樹脂(A)の酸価が20以上であることが望ましい。酸価が20以下では充分な分散性が得られ難い。
また、酸無水物がアルコール性水酸基の当量を越える場合には未反応の酸無水物が水性分散体の経時安定性に悪影響を与えるため、好ましくない。
【0011】
また、水により加水分解した酸無水物すなわちカルボン酸は、エポキシ樹脂(a)中のアルコール性水酸基との反応性が著しく低下することが知られており、従って水の存在は本発明の半エステル変性エポキシ樹脂(A)の生成には不都合なものである。市販のエポキシ樹脂中には一般に水分が含有されており、この水分に起因する遊離カルボン酸の生成が好ましくない場合には、必要に応じて脱水処理を行っても良い。
脱水処理の方法には特に制限はないが、用いるエポキシ樹脂(a)の軟化温度が150℃程度以下である場合には、エポキシ樹脂(a)を溶融させて水の沸点以上に昇温し脱水を行うことができる。
また、エポキシ樹脂(a)に適当な溶媒を添加し、あるいはエポキシ樹脂(a)を適当な溶媒の溶液とし加熱により共沸脱水を行うこともできる。この時用いる溶媒としては、グリシジル基、アルコ−ル性水酸基と反応しないものであり、共沸脱水に適したものであれば特に制限なく用いることができる。脱水を行う温度は、特に制限はないが150℃以下で行うことが好ましい。これ以上の温度で加熱を続けた場合、エポキシ樹脂中に存在する水により開環したグリシジル基を起点とした高分子化反応が進行する場合がある。また脱水する場合に、必要に応じて系を減圧し脱水温度を低くしても良い。
【0012】
エポキシ樹脂(a)中のアルコ−ル性水酸基と酸無水物の反応は、必要に応じて、アミン類等の触媒を添加して行なっても良いが、カルボキシル基のグリシジル基への付加が進行しやすくなるため、触媒は添加しないで行う方が好ましい。反応温度は、酸無水物の種類にもよるが、通常、80〜150℃程度の温度で進行せしめることが好ましい。
温度が低すぎると、ハーフエステル化反応の速度が低すぎるため実用的ではない。また反応温度が高すぎると前述したグリシジル基とカルボキシル基の反応あるいは水により開環したグリシジル基を起点とした高分子化反応が進行するため、好ましくない。この反応は、用いるエポキシ樹脂の軟化温度が前述した好ましい反応温度範囲よりも低い場合には無溶剤にて行うことができる。
また、用いるエポキシ樹脂(a)の軟化温度に関わらず適当な溶媒を用いて行うこともできる。この時用いる溶媒としては、グリシジル基、アルコ−ル性水酸基、酸無水物と反応しないものであれば特に制限なく用いることができ、本変性エポキシ樹脂の使用方法に適した方法を選択して行うべきである。
【0013】
上記のようにして分子内にカルボキシル基を有するエポキシ樹脂、すなわち半エステル変性エポキシ樹脂(A)を得ることができるわけであるが、これを、塩基性物質によって中和することにより本発明の分散剤を得ることができる。
得られた分散剤を用いて後述するエポキシ樹脂(B)を分散させてエポキシ樹脂水性分散体を得ることができる。
【0014】
また、該半エステル変性エポキシ樹脂(A)と後述するエポキシ樹脂(B)とを混合した後に、塩基性物質により中和することによってもエポキシ樹脂水性分散体を得ることができる。
【0015】
該半エステル変性エポキシ樹脂(A)中のカルボキシル基の中和に用いられる塩基性物質としては、特に制限はなく、アンモニア、一級アミン類、二級アミン類、三級アミン類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等が挙げられる。
【0016】
得られる水性エポキシ樹脂水性分散体の粘度上昇を抑える必要がある場合には一価の塩基を用いることが好ましい。また、加熱によりカルボン酸を中和していた対イオンを揮散させ耐水性を向上させる必要がある場合には、低沸点のアミン類等を用いることが好ましい。さらに、エポキシ樹脂硬化剤として用いるアミン類を用いて中和することもできる。半エステル化変性エポキシ樹脂(A)中に存在するカルボキシル基は、その20〜100モル%を上記説明した塩基性物質により中和せしめることが好ましい。
【0017】
上記半エステル化変性エポキシ樹脂(A)は、カルボキシル基を塩基性物質で中和することによって、優れた分散能を有し、実質的に水不溶性の樹脂等を水中に安定に分散させることが可能となる。該半エステル化変性エポキシ樹脂(A)および塩基性物質によって、エポキシ樹脂(B)を分散してなるエポキシ樹脂水性分散体は、経時安定性に優れるばかりでなく、分散剤としての機能を担う該半エステル化変性エポキシ樹脂(A)が前述したように、グリシジル基を有するため、エポキシ樹脂本来の特性を損なうことなく、熱硬化性にも優れ、得られる硬化皮膜の物性も良好なものである。
【0018】
分散されるエポキシ樹脂(B)としては、特に限定されるものではなく、用いられる用途に応じて適宜選択することができる。例としてビスフェノールA型エポキシ樹脂,ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂等のいわゆるグリシジルエーテル系エポキシ樹脂を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
【0019】
エポキシ樹脂(B)の分散化方法は特に制限されるものではなく、上記分散剤とエポキシ樹脂を混合後、水を添加する。あるいは、半エステル化変性エポキシ樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)とを混合した後に、塩基性物質によって中和せしめた後、水を添加する。いずれの方法で行っても良い。
【0020】
エポキシ樹脂(B)を水性媒体中に分散する際には、必要に応じて溶媒を併用しても良く、用いた溶媒が水性分散体中に残存することが不都合な場合には水添加後、除去を行う。エポキシ樹脂等の粘度等に応じて適宜、これらの行程の温度は選択することができるが、エポキシ樹脂中のグリシジル基の反応による高分子量化を抑制するため、150℃以下で行うことが望ましい。また、上記分散剤の塩基性物質による中和反応はエポキシ樹脂との混合後に行っても良い。
【0021】
前述したようなエポキシ樹脂水性分散体はその他の樹脂あるいは化合物と併用することもでき、この際、樹脂組成物中の硬化性成分として用いることができる。さらに、その他の硬化性を有する樹脂あるいは化合物と併用しても良く、特にグリシジル基と反応性を有する官能基を有する樹脂あるいは化合物との併用により優れた硬化性および皮膜物性を得ることができる。これらの樹脂あるいは化合物は要求される諸物性に従って適宜選択することができ、例として、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、アミノプラスト類等が例示されるが、これらに限定されるものではない。また、これらの樹脂あるいは化合物は単独あるいは2種類以上の混合物として用いることができる。これらの樹脂組成物中、本発明のエポキシ樹脂水性分散体は5重量%以上含有することが望ましく、5重量%未満の時には、優れた硬化特性や優れた皮膜物性が得られ難くなるためである。以上例示して説明した樹脂あるいは化合物に適当な水溶性を付与し本発明のエポキシ樹脂水性分散体と併用することにより水性硬化性樹脂組成物とすることができる。
【0022】
以上に説明した水性硬化性樹脂組成物には必要に応じて適当な溶媒、硬化開始剤、レベリング剤、消泡剤、滑り剤、染料・顔料等の着色剤、各種フィラー類等の添加剤を加えることができる。
また、本発明の水性硬化性樹脂組成物のコーティング方法は特に制限はなく、ロールコート、スプレーコート、ディップコート、刷毛塗り、シルクスクリーン塗装、フローコート等の方法が適用できる。
また、本発明の硬化性樹脂組成物の硬化は、通常の条件で行うことができるが、150〜250℃程度の温度範囲で10秒〜10分間程度の時間で行うことが好ましい。
【0023】
【実施例】
以下実施例を示し本発明を説明するが、これにより本発明は何等制限を受けるものではない。なお、例中、「部」はすべて重量部、「%」は重量%を表す。
【0024】
【製造例1】
攪拌装置付き反応容器に、エポキシ当量950のビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製 エピコート1004)646部,メチルエチルケトン100部を入れ、約80℃に加熱し、エポキシ樹脂を溶解させる。完全に溶解したら乾燥空気を導入し、水とメチルエチルケトンを溜出させる。その後に温度を110℃に昇温し、無水トリメリット酸131部を添加しこの温度を保って約4時間反応を続け、酸価約100(mgKOH/g)の半エステル化変性エポキシ樹脂(未中和物)を得た。
【0025】
【製造例2】
攪拌装置付き反応容器に、エポキシ当量475のビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製 エピコート1001)590部,メチルエチルケトン100部を入れ、約80℃に加熱し、エポキシ樹脂を溶解させる。完全に溶解したら乾燥空気を導入し、水とメチルエチルケトンを溜出させる。その後に温度を100℃に昇温し、ポリアゼライン酸無水物170部を添加しこの温度を保って約4時間反応を続け、酸価約75(mgKOH/g)の半エステル化変性エポキシ樹脂を得た。60℃まで冷却し、ジメチルエタノールアミン67部を添加し、分散剤を得た。
【0026】
【製造例3】
攪拌装置付き反応容器に、エポキシ当量950のビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製 エピコート1004)646部,メチルエチルケトン100部を入れ、約80℃に加熱し、エポキシ樹脂を溶解させる。完全に溶解したら乾燥空気を導入し、水とメチルエチルケトンを溜出させる。トルエン357部を添加後、温度を110℃に昇温し、無水コハク酸187部を添加しこの温度を保って約8時間反応を続け、酸価約190(mgKOH/g)、固形分70%の半エステル化変性エポキシ樹脂(未中和物)溶液を得た。
【0027】
【製造例4】
攪拌装置付き反応容器に、エポキシ当量190のビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製 エピコート828)760部,メチルエチルケトン100部を入れ、約80℃に加熱し、エポキシ樹脂を溶解させる。完全に溶解したら乾燥空気を導入し、水とメチルエチルケトンを溜出させる。その後に温度を100℃に昇温し、無水コハク酸28部を添加しこの温度を保って約4時間反応を続け、酸価約20(mgKOH/g)の半エステル化変性エポキシ樹脂を得た。60℃まで冷却し、ジメチルエタノールアミン25部を添加し、分散剤を得た。
【0028】
【製造例5】
攪拌装置付き反応容器に、エポキシ当量9000のフェノール変性ビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(エピコート1004(油化シェルエポキシ社製)の変性物)646部,メチルエチルケトン100部を入れ、約80℃に加熱し、エポキシ樹脂を溶解させる。完全に溶解したら乾燥空気を導入し、水とメチルエチルケトンを溜出させる。その後に温度を110℃に昇温し、無水トリメリット酸157部を添加しこの温度を保って約4時間反応を続け、酸価約120(mgKOH/g)の半エステル化変性エポキシ樹脂(未中和物)を得た。
【0029】
【実施例1】
攪拌装置付き反応容器に、製造例1で得られた半エステル化変性エポキシ樹脂(未中和物)60部、エポキシ当量950のビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製 エピコート1004)140部を入れ、110℃で溶融、混合後、ジメチルエタノールアミン9部、水300部を添加し、固形分40%のエポキシ樹脂水性分散体を得た。
【0030】
【実施例2】
攪拌装置付き反応容器に、製造例2で得られた分散剤100部、エポキシ当量950のビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製 エピコート1004)100部を入れ、110℃で溶融、混合後、水300部を添加し、固形分40%のエポキシ樹脂水性分散体を得た。
【0031】
【実施例3】
攪拌装置付き反応容器に、製造例3で得られた半エステル化変性エポキシ樹脂(未中和物)溶液57部、エポキシ当量475のビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製 エピコート1001)160部を入れ、100℃で溶融、混合後、ジメチルエタノールアミン13部、水300部を添加し、トルエンの溜去を行った。共沸量の水を添加し、固形分40%のエポキシ樹脂水性分散体を得た。
【0032】
【実施例4】
攪拌装置付き反応容器に、製造例5で得られた半エステル化変性エポキシ樹脂(未中和物)60部、エポキシ当量950のビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製 エピコート1004)140部を入れ、110℃で溶融、混合後、ジメチルエタノールアミン9部、水300部を添加し、固形分40%のエポキシ樹脂水性分散体を得た。
【0033】
【実施例5】
攪拌装置付き反応容器に、製造例1で得られた半エステル化変性エポキシ樹脂(未中和物)20部、エポキシ当量950のビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製 エピコート1004)80部を入れ、110℃で溶融、混合後、ジメチルエタノールアミン3部、水150部を添加し、固形分40%のエポキシ樹脂水性分散体を得た。これに、水溶性アクリル樹脂(ジョンソンポリマー社製 ジョンクリル587のトリエチルアミン中和物)の固形分250部及び水溶性メラミン樹脂(三井サイテック社製 サイメル303)の固形分150部を添加し、不揮発分が40%となるように水を添加し、水性樹脂溶液を得た。
【0034】
【実施例6】
攪拌装置付き反応容器に、製造例4で得られた分散剤180部、エポキシ当量475のビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製 エピコート1001)20部を入れ、110℃で溶融、混合後、水300部を添加し、固形分40%のエポキシ樹脂水性分散体を得た。水溶性アクリル樹脂(ジョンソンポリマー社製 ジョンクリル587のトリエチルアミン中和物)の固形分400部を添加し、不揮発分が40%となるように水を添加し、水性樹脂溶液を得た。
【0035】
【比較例1】
攪拌装置付き反応容器に、水溶性アクリル樹脂(ジョンソンポリマー社製 ジョンクリル587のトリエチルアミン中和物)の固形分60部、エポキシ当量475のビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製 エピコート1001)140部を110℃で溶融、混合後、水300部を添加し、固形分40%のエポキシ樹脂水性分散体を得た。
【0036】
【比較例2】
撹拌装置付き反応容器に、水溶性アクリル樹脂(ジョンソンポリマー社製 ジョンクリル587のトリエチルアミン中和物)の固形分20部、エポキシ当量475のビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製 エピコート1001)80部を110℃で溶融、混合後、水150部を添加し、固形分40%のエポキシ樹脂水性分散体を得た。これに、水溶性アクリル樹脂(ジョンソンポリマー社製 ジョンクリル587のトリエチルアミン中和物)の固形分250部及び水溶性メラミン樹脂(三井サイテック社製 サイメル303)の固形分150部を添加し、不揮発分が40%となるように水を添加し、水性樹脂溶液を得た。
【0037】
【比較例3】
攪拌装置付き反応容器に、水溶性アクリル樹脂(ジョンソンポリマー社製 ジョンクリル587のトリエチルアミン中和物)の固形分250部、水溶性メラミン樹脂(三井サイテック社製 サイメル303)の固形分150部を添加し、不揮発分が40%となるように水を添加し水性樹脂溶液を得た。
【0038】
実施例1〜4及び比較例1において得られたエポキシ樹脂水性分散体樹脂の粘度及び50℃1週間の保存安定性を表1に示した。
また、実施例5、6及び比較例2、3において得られた樹脂溶液をスズめっき鋼鈑に、ロールコータを用い乾燥塗膜厚が10μmとなるように、200℃5分間焼き付けを行った。以上の硬化皮膜に関して表面状態の観察及び物性試験を行い、その結果を表2に示した。
密着性試験はゴバン目セロテープ剥離試験を行い1×1mmの100個のマス目の内、剥離せずに残ったマス目数を表示した。耐水性試験は沸水中に30分間浸漬し、皮膜の状態を目視観察した。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【発明の効果】
本発明は、エポキシ樹脂中のアルコ−ル性水酸基を酸無水物に付加させてなるカルボキシル基含有エポキシ樹脂を中和してなる分散剤及びそれを用いたエポキシ樹脂水性分散体、さらにこれを含有する水性硬化性樹脂組成物に関するものである。これらを用いることにより、密着性、硬化性が良好で、皮膜形成材料として好適に用いられるエポキシ樹脂水性分散体及びこれを含有してなる水性硬化性樹脂組成物を提供するものである。
【産業上の利用分野】
本発明は、エポキシ樹脂にカルボキシル基を導入し、該カルボキシル基を塩基性物質により中和してなる分散剤及びこれを用いてエポキシ樹脂を分散させてなるエポキシ樹脂水性分散体、及びこれを含有してなる水性硬化性樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、本発明は、金属等の基材に良好な密着性を示し、また良好な耐久性を有する硬化皮膜を与える水性硬化性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エポキシ樹脂は優れた反応性を有し、その硬化物は強度特性、耐熱性、耐薬品性、絶縁性、金属密着性等、優れた機械的性質、電気的性質及び化学的性質を有するため、各種コーティング剤、電気絶縁材料、積層品・構造材料、土木・建築材料、接着剤等として広範に使用されている。
また、近年、省資源・環境保全の見地から、コーティング剤、塗料、接着剤等の水性化が望まれており、エポキシ樹脂等の樹脂類の水性化が行なわれている。
【0003】
例えば、エポキシ樹脂を水性塗料用樹脂として用いる例は多く知られているが、特にグリシジル基を二級アミンあるいはリン酸等により変性を行なった後、適当なカウンターイオンにより中和し水溶化して得た変性エポキシ樹脂が金属等への密着性の向上に有効であることが知られている。
しかしながら、これらの変性エポキシ樹脂によって、良好な密着性を示す硬化皮膜が得られるものの、塗料の保存安定性、変性樹脂溶液の着色等に問題があった。例えば、二級アミン類によりエポキシ樹脂中のグリシジル基を変性した場合、適当なアニオンにより四級塩化し水溶性エポキシ樹脂を得ることができるが、得られた変性エポキシ樹脂溶液は茶褐色に着色しているばかりではなくこの着色は加熱硬化により更に進行することが知られており、クリア塗料あるいは淡色系塗料等に適用した場合、色調に問題が生じる場合がある。
また、このような変性エポキシ樹脂を用いた場合、塗料の保存安定性が劣ることがある。すなわち、通常のポットライフ試験実施中に粘度の上昇がみられたり、硬化皮膜の密着性が発現されなくなったりする場合がある。
【0004】
また、水性アクリル系樹脂を分散剤としたエポキシ樹脂の水性分散体がしばしば用いられているが、この場合、エポキシ樹脂中のグリシジル基を変性せずにエポキシ樹脂の水性化が行なわれるため、上記変性エポキシ樹脂に比較して保存安定性および硬化性は改善されるが、分散性を有するアクリル系樹脂の組成が限定され、一定量以上のアクリル系樹脂が必要とされるため、硬化皮膜の物性の低下を抑制することに困難が生じていた。また、得られる水性分散体は粘度が高く、チキソトロピック性を示すことが多く、塗装性等に問題が生じていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、上記の問題点を解決するべく鋭意研究を重ねた結果、良好な分散能を有する新規な分散剤を見出し、さらに該分散剤を用いてエポキシ樹脂を分散させてなるエポキシ樹脂水性分散体が、良好な基材密着性、耐久性等を有する硬化皮膜を与えることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、エポキシ当量が150〜10000で分子内にグリシジル基及びアルコ−ル性水酸基を有するエポキシ樹脂(a)中の前記アルコ−ル性水酸基と酸無水物の反応に基づく半エステル化変性エポキシ樹脂(A)中のカルボキシル基の20〜100モル%を塩基性物質により中和してなる分散剤である。
本発明は、また、前述の分散剤を樹脂固形分中10〜90重量%用いてエポキシ樹脂(B)を分散させてなるエポキシ樹脂水性分散体、あるいは前述の半エステル化変性エポキシ樹脂(A)10〜90重量%とエポキシ樹脂(B)10〜90重量%とを混合してから、半エステル化変性エポキシ樹脂(A)中のカルボキシル基の20〜100モル%を塩基性物質により中和してなるエポキシ樹脂水性分散体、ならびに該エポキシ樹脂水性分散体を含有してなる水性硬化性樹脂組成物である。
【0007】
本発明を特徴づける半エステル化変性エポキシ樹脂(A)は、基本的にエポキシ樹脂(a)中に存在するアルコ−ル性水酸基の酸無水物基への付加によってエステル結合及びカルボン酸を生成せしめたものである。アルコ−ル性水酸基の酸無水物基への付加反応は、迅速かつ化学量論的に進行するため、変性中の副反応の進行が実質的に無視できる。また変性の制御・設計が容易であるため、分散させる樹脂組成に応じて半エステル化変性を行なうことが可能であり、さらに酸価の調整も大きい自由度で容易に行なうことが可能であり、該半エステル化変性エポキシ樹脂(A)を塩基性物質で中和することによって、優れた分散性を有する分散剤を得ることができる。
さらに、エポキシ樹脂(a)内のグリシジル基を変性に用いないため、該分散剤を用いた分散性樹脂組成物は良好な熱硬化性を有し、得られる硬化皮膜は基材密着性、耐久性等に優れるものである。
【0008】
本発明の半エステル化変性エポキシ樹脂(A)の原料として用いられるエポキシ樹脂(a)としては、分子内にグリシジル基及びアルコ−ル性水酸基を有しておりエポキシ当量が150から10000の範囲内にあるものであれば特に制限はなく、例としてビスフェノールA型エポキシ樹脂,ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂等のいわゆるグリシジルエーテル系エポキシ樹脂を用いることができるが、これらに限定されるものではない。ここで、エポキシ樹脂中に存在するべきアルコ−ル性水酸基は、グリシジル基とビスフェノール系化合物の付加に由来するものであっても、またグリシジル基への水分子等の付加に由来するものであっても良い。
エポキシ樹脂(a)のエポキシ当量が150よりも小さいと、硬化時の架橋密度が大きくなりすぎ塗膜が脆くなりやすい。また、エポキシ当量が10000を越えると硬化特性が悪くなる。
エポキシ樹脂(a)は要求される官能基密度、軟化温度、溶解性・相溶性等によって適宜選択して適当なエポキシ樹脂を持つものを用いるべきである。エポキシ樹脂は、市販されているものをそのまま使用することができ、単独あるいは2種類以上の混合物として用いることもできる。
【0009】
また、本発明で用いられる酸無水物としては、無水マレイン酸、無水コハク酸、アルケニル無水コハク酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸,テトラヒドロ無水フタル酸、無水ナジック酸、無水メチルナジック酸等で例示される環状脂肪族酸無水物、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、ポリセバシン酸無水物等で例示される脂肪族酸無水物、無水フタル酸、無水トリメリット酸等で例示される芳香族酸無水物等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。これらの酸無水物は単独で用いることもできるが、2種類以上の酸無水物を併せて用いることもできる。
【0010】
反応に用いられる酸無水物の量は、エポキシ樹脂中のアルコール性水酸基の当量以下であれば、特に制限されるものではないが、生成する半エステル変性エポキシ樹脂(A)の酸価が20以上であることが望ましい。酸価が20以下では充分な分散性が得られ難い。
また、酸無水物がアルコール性水酸基の当量を越える場合には未反応の酸無水物が水性分散体の経時安定性に悪影響を与えるため、好ましくない。
【0011】
また、水により加水分解した酸無水物すなわちカルボン酸は、エポキシ樹脂(a)中のアルコール性水酸基との反応性が著しく低下することが知られており、従って水の存在は本発明の半エステル変性エポキシ樹脂(A)の生成には不都合なものである。市販のエポキシ樹脂中には一般に水分が含有されており、この水分に起因する遊離カルボン酸の生成が好ましくない場合には、必要に応じて脱水処理を行っても良い。
脱水処理の方法には特に制限はないが、用いるエポキシ樹脂(a)の軟化温度が150℃程度以下である場合には、エポキシ樹脂(a)を溶融させて水の沸点以上に昇温し脱水を行うことができる。
また、エポキシ樹脂(a)に適当な溶媒を添加し、あるいはエポキシ樹脂(a)を適当な溶媒の溶液とし加熱により共沸脱水を行うこともできる。この時用いる溶媒としては、グリシジル基、アルコ−ル性水酸基と反応しないものであり、共沸脱水に適したものであれば特に制限なく用いることができる。脱水を行う温度は、特に制限はないが150℃以下で行うことが好ましい。これ以上の温度で加熱を続けた場合、エポキシ樹脂中に存在する水により開環したグリシジル基を起点とした高分子化反応が進行する場合がある。また脱水する場合に、必要に応じて系を減圧し脱水温度を低くしても良い。
【0012】
エポキシ樹脂(a)中のアルコ−ル性水酸基と酸無水物の反応は、必要に応じて、アミン類等の触媒を添加して行なっても良いが、カルボキシル基のグリシジル基への付加が進行しやすくなるため、触媒は添加しないで行う方が好ましい。反応温度は、酸無水物の種類にもよるが、通常、80〜150℃程度の温度で進行せしめることが好ましい。
温度が低すぎると、ハーフエステル化反応の速度が低すぎるため実用的ではない。また反応温度が高すぎると前述したグリシジル基とカルボキシル基の反応あるいは水により開環したグリシジル基を起点とした高分子化反応が進行するため、好ましくない。この反応は、用いるエポキシ樹脂の軟化温度が前述した好ましい反応温度範囲よりも低い場合には無溶剤にて行うことができる。
また、用いるエポキシ樹脂(a)の軟化温度に関わらず適当な溶媒を用いて行うこともできる。この時用いる溶媒としては、グリシジル基、アルコ−ル性水酸基、酸無水物と反応しないものであれば特に制限なく用いることができ、本変性エポキシ樹脂の使用方法に適した方法を選択して行うべきである。
【0013】
上記のようにして分子内にカルボキシル基を有するエポキシ樹脂、すなわち半エステル変性エポキシ樹脂(A)を得ることができるわけであるが、これを、塩基性物質によって中和することにより本発明の分散剤を得ることができる。
得られた分散剤を用いて後述するエポキシ樹脂(B)を分散させてエポキシ樹脂水性分散体を得ることができる。
【0014】
また、該半エステル変性エポキシ樹脂(A)と後述するエポキシ樹脂(B)とを混合した後に、塩基性物質により中和することによってもエポキシ樹脂水性分散体を得ることができる。
【0015】
該半エステル変性エポキシ樹脂(A)中のカルボキシル基の中和に用いられる塩基性物質としては、特に制限はなく、アンモニア、一級アミン類、二級アミン類、三級アミン類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等が挙げられる。
【0016】
得られる水性エポキシ樹脂水性分散体の粘度上昇を抑える必要がある場合には一価の塩基を用いることが好ましい。また、加熱によりカルボン酸を中和していた対イオンを揮散させ耐水性を向上させる必要がある場合には、低沸点のアミン類等を用いることが好ましい。さらに、エポキシ樹脂硬化剤として用いるアミン類を用いて中和することもできる。半エステル化変性エポキシ樹脂(A)中に存在するカルボキシル基は、その20〜100モル%を上記説明した塩基性物質により中和せしめることが好ましい。
【0017】
上記半エステル化変性エポキシ樹脂(A)は、カルボキシル基を塩基性物質で中和することによって、優れた分散能を有し、実質的に水不溶性の樹脂等を水中に安定に分散させることが可能となる。該半エステル化変性エポキシ樹脂(A)および塩基性物質によって、エポキシ樹脂(B)を分散してなるエポキシ樹脂水性分散体は、経時安定性に優れるばかりでなく、分散剤としての機能を担う該半エステル化変性エポキシ樹脂(A)が前述したように、グリシジル基を有するため、エポキシ樹脂本来の特性を損なうことなく、熱硬化性にも優れ、得られる硬化皮膜の物性も良好なものである。
【0018】
分散されるエポキシ樹脂(B)としては、特に限定されるものではなく、用いられる用途に応じて適宜選択することができる。例としてビスフェノールA型エポキシ樹脂,ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂等のいわゆるグリシジルエーテル系エポキシ樹脂を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
【0019】
エポキシ樹脂(B)の分散化方法は特に制限されるものではなく、上記分散剤とエポキシ樹脂を混合後、水を添加する。あるいは、半エステル化変性エポキシ樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)とを混合した後に、塩基性物質によって中和せしめた後、水を添加する。いずれの方法で行っても良い。
【0020】
エポキシ樹脂(B)を水性媒体中に分散する際には、必要に応じて溶媒を併用しても良く、用いた溶媒が水性分散体中に残存することが不都合な場合には水添加後、除去を行う。エポキシ樹脂等の粘度等に応じて適宜、これらの行程の温度は選択することができるが、エポキシ樹脂中のグリシジル基の反応による高分子量化を抑制するため、150℃以下で行うことが望ましい。また、上記分散剤の塩基性物質による中和反応はエポキシ樹脂との混合後に行っても良い。
【0021】
前述したようなエポキシ樹脂水性分散体はその他の樹脂あるいは化合物と併用することもでき、この際、樹脂組成物中の硬化性成分として用いることができる。さらに、その他の硬化性を有する樹脂あるいは化合物と併用しても良く、特にグリシジル基と反応性を有する官能基を有する樹脂あるいは化合物との併用により優れた硬化性および皮膜物性を得ることができる。これらの樹脂あるいは化合物は要求される諸物性に従って適宜選択することができ、例として、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、アミノプラスト類等が例示されるが、これらに限定されるものではない。また、これらの樹脂あるいは化合物は単独あるいは2種類以上の混合物として用いることができる。これらの樹脂組成物中、本発明のエポキシ樹脂水性分散体は5重量%以上含有することが望ましく、5重量%未満の時には、優れた硬化特性や優れた皮膜物性が得られ難くなるためである。以上例示して説明した樹脂あるいは化合物に適当な水溶性を付与し本発明のエポキシ樹脂水性分散体と併用することにより水性硬化性樹脂組成物とすることができる。
【0022】
以上に説明した水性硬化性樹脂組成物には必要に応じて適当な溶媒、硬化開始剤、レベリング剤、消泡剤、滑り剤、染料・顔料等の着色剤、各種フィラー類等の添加剤を加えることができる。
また、本発明の水性硬化性樹脂組成物のコーティング方法は特に制限はなく、ロールコート、スプレーコート、ディップコート、刷毛塗り、シルクスクリーン塗装、フローコート等の方法が適用できる。
また、本発明の硬化性樹脂組成物の硬化は、通常の条件で行うことができるが、150〜250℃程度の温度範囲で10秒〜10分間程度の時間で行うことが好ましい。
【0023】
【実施例】
以下実施例を示し本発明を説明するが、これにより本発明は何等制限を受けるものではない。なお、例中、「部」はすべて重量部、「%」は重量%を表す。
【0024】
【製造例1】
攪拌装置付き反応容器に、エポキシ当量950のビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製 エピコート1004)646部,メチルエチルケトン100部を入れ、約80℃に加熱し、エポキシ樹脂を溶解させる。完全に溶解したら乾燥空気を導入し、水とメチルエチルケトンを溜出させる。その後に温度を110℃に昇温し、無水トリメリット酸131部を添加しこの温度を保って約4時間反応を続け、酸価約100(mgKOH/g)の半エステル化変性エポキシ樹脂(未中和物)を得た。
【0025】
【製造例2】
攪拌装置付き反応容器に、エポキシ当量475のビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製 エピコート1001)590部,メチルエチルケトン100部を入れ、約80℃に加熱し、エポキシ樹脂を溶解させる。完全に溶解したら乾燥空気を導入し、水とメチルエチルケトンを溜出させる。その後に温度を100℃に昇温し、ポリアゼライン酸無水物170部を添加しこの温度を保って約4時間反応を続け、酸価約75(mgKOH/g)の半エステル化変性エポキシ樹脂を得た。60℃まで冷却し、ジメチルエタノールアミン67部を添加し、分散剤を得た。
【0026】
【製造例3】
攪拌装置付き反応容器に、エポキシ当量950のビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製 エピコート1004)646部,メチルエチルケトン100部を入れ、約80℃に加熱し、エポキシ樹脂を溶解させる。完全に溶解したら乾燥空気を導入し、水とメチルエチルケトンを溜出させる。トルエン357部を添加後、温度を110℃に昇温し、無水コハク酸187部を添加しこの温度を保って約8時間反応を続け、酸価約190(mgKOH/g)、固形分70%の半エステル化変性エポキシ樹脂(未中和物)溶液を得た。
【0027】
【製造例4】
攪拌装置付き反応容器に、エポキシ当量190のビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製 エピコート828)760部,メチルエチルケトン100部を入れ、約80℃に加熱し、エポキシ樹脂を溶解させる。完全に溶解したら乾燥空気を導入し、水とメチルエチルケトンを溜出させる。その後に温度を100℃に昇温し、無水コハク酸28部を添加しこの温度を保って約4時間反応を続け、酸価約20(mgKOH/g)の半エステル化変性エポキシ樹脂を得た。60℃まで冷却し、ジメチルエタノールアミン25部を添加し、分散剤を得た。
【0028】
【製造例5】
攪拌装置付き反応容器に、エポキシ当量9000のフェノール変性ビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(エピコート1004(油化シェルエポキシ社製)の変性物)646部,メチルエチルケトン100部を入れ、約80℃に加熱し、エポキシ樹脂を溶解させる。完全に溶解したら乾燥空気を導入し、水とメチルエチルケトンを溜出させる。その後に温度を110℃に昇温し、無水トリメリット酸157部を添加しこの温度を保って約4時間反応を続け、酸価約120(mgKOH/g)の半エステル化変性エポキシ樹脂(未中和物)を得た。
【0029】
【実施例1】
攪拌装置付き反応容器に、製造例1で得られた半エステル化変性エポキシ樹脂(未中和物)60部、エポキシ当量950のビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製 エピコート1004)140部を入れ、110℃で溶融、混合後、ジメチルエタノールアミン9部、水300部を添加し、固形分40%のエポキシ樹脂水性分散体を得た。
【0030】
【実施例2】
攪拌装置付き反応容器に、製造例2で得られた分散剤100部、エポキシ当量950のビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製 エピコート1004)100部を入れ、110℃で溶融、混合後、水300部を添加し、固形分40%のエポキシ樹脂水性分散体を得た。
【0031】
【実施例3】
攪拌装置付き反応容器に、製造例3で得られた半エステル化変性エポキシ樹脂(未中和物)溶液57部、エポキシ当量475のビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製 エピコート1001)160部を入れ、100℃で溶融、混合後、ジメチルエタノールアミン13部、水300部を添加し、トルエンの溜去を行った。共沸量の水を添加し、固形分40%のエポキシ樹脂水性分散体を得た。
【0032】
【実施例4】
攪拌装置付き反応容器に、製造例5で得られた半エステル化変性エポキシ樹脂(未中和物)60部、エポキシ当量950のビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製 エピコート1004)140部を入れ、110℃で溶融、混合後、ジメチルエタノールアミン9部、水300部を添加し、固形分40%のエポキシ樹脂水性分散体を得た。
【0033】
【実施例5】
攪拌装置付き反応容器に、製造例1で得られた半エステル化変性エポキシ樹脂(未中和物)20部、エポキシ当量950のビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製 エピコート1004)80部を入れ、110℃で溶融、混合後、ジメチルエタノールアミン3部、水150部を添加し、固形分40%のエポキシ樹脂水性分散体を得た。これに、水溶性アクリル樹脂(ジョンソンポリマー社製 ジョンクリル587のトリエチルアミン中和物)の固形分250部及び水溶性メラミン樹脂(三井サイテック社製 サイメル303)の固形分150部を添加し、不揮発分が40%となるように水を添加し、水性樹脂溶液を得た。
【0034】
【実施例6】
攪拌装置付き反応容器に、製造例4で得られた分散剤180部、エポキシ当量475のビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製 エピコート1001)20部を入れ、110℃で溶融、混合後、水300部を添加し、固形分40%のエポキシ樹脂水性分散体を得た。水溶性アクリル樹脂(ジョンソンポリマー社製 ジョンクリル587のトリエチルアミン中和物)の固形分400部を添加し、不揮発分が40%となるように水を添加し、水性樹脂溶液を得た。
【0035】
【比較例1】
攪拌装置付き反応容器に、水溶性アクリル樹脂(ジョンソンポリマー社製 ジョンクリル587のトリエチルアミン中和物)の固形分60部、エポキシ当量475のビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製 エピコート1001)140部を110℃で溶融、混合後、水300部を添加し、固形分40%のエポキシ樹脂水性分散体を得た。
【0036】
【比較例2】
撹拌装置付き反応容器に、水溶性アクリル樹脂(ジョンソンポリマー社製 ジョンクリル587のトリエチルアミン中和物)の固形分20部、エポキシ当量475のビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製 エピコート1001)80部を110℃で溶融、混合後、水150部を添加し、固形分40%のエポキシ樹脂水性分散体を得た。これに、水溶性アクリル樹脂(ジョンソンポリマー社製 ジョンクリル587のトリエチルアミン中和物)の固形分250部及び水溶性メラミン樹脂(三井サイテック社製 サイメル303)の固形分150部を添加し、不揮発分が40%となるように水を添加し、水性樹脂溶液を得た。
【0037】
【比較例3】
攪拌装置付き反応容器に、水溶性アクリル樹脂(ジョンソンポリマー社製 ジョンクリル587のトリエチルアミン中和物)の固形分250部、水溶性メラミン樹脂(三井サイテック社製 サイメル303)の固形分150部を添加し、不揮発分が40%となるように水を添加し水性樹脂溶液を得た。
【0038】
実施例1〜4及び比較例1において得られたエポキシ樹脂水性分散体樹脂の粘度及び50℃1週間の保存安定性を表1に示した。
また、実施例5、6及び比較例2、3において得られた樹脂溶液をスズめっき鋼鈑に、ロールコータを用い乾燥塗膜厚が10μmとなるように、200℃5分間焼き付けを行った。以上の硬化皮膜に関して表面状態の観察及び物性試験を行い、その結果を表2に示した。
密着性試験はゴバン目セロテープ剥離試験を行い1×1mmの100個のマス目の内、剥離せずに残ったマス目数を表示した。耐水性試験は沸水中に30分間浸漬し、皮膜の状態を目視観察した。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【発明の効果】
本発明は、エポキシ樹脂中のアルコ−ル性水酸基を酸無水物に付加させてなるカルボキシル基含有エポキシ樹脂を中和してなる分散剤及びそれを用いたエポキシ樹脂水性分散体、さらにこれを含有する水性硬化性樹脂組成物に関するものである。これらを用いることにより、密着性、硬化性が良好で、皮膜形成材料として好適に用いられるエポキシ樹脂水性分散体及びこれを含有してなる水性硬化性樹脂組成物を提供するものである。
Claims (4)
- エポキシ当量が150〜10000で分子内にグリシジル基及びアルコ−ル性水酸基を有するエポキシ樹脂(a)中の前記アルコ−ル性水酸基と酸無水物の反応に基づく半エステル化変性エポキシ樹脂(A)中のカルボキシル基の20〜100モル%を塩基性物質により中和してなる分散剤。
- 請求項1記載の分散剤を樹脂固形分中10〜90重量%用いてエポキシ樹脂(B)を分散させてなるエポキシ樹脂水性分散体。
- 請求項1記載の半エステル化変性エポキシ樹脂(A)10〜90重量%とエポキシ樹脂(B)10〜90重量%とを混合してから、半エステル化変性エポキシ樹脂(A)中のカルボキシル基の20〜100モル%を塩基性物質により中和してなるエポキシ樹脂水性分散体。
- 請求項2ないし3いずれか記載のエポキシ樹脂水性分散体を固形分換算で5重量%以上含有してなることを特徴とする水性硬化性樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02926795A JP3550777B2 (ja) | 1995-01-27 | 1995-02-17 | 分散剤及びそれを用いたエポキシ樹脂水性分散体ならびに水性硬化性樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7-11504 | 1995-01-27 | ||
JP1150495 | 1995-01-27 | ||
JP02926795A JP3550777B2 (ja) | 1995-01-27 | 1995-02-17 | 分散剤及びそれを用いたエポキシ樹脂水性分散体ならびに水性硬化性樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08257389A JPH08257389A (ja) | 1996-10-08 |
JP3550777B2 true JP3550777B2 (ja) | 2004-08-04 |
Family
ID=26346941
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP02926795A Expired - Fee Related JP3550777B2 (ja) | 1995-01-27 | 1995-02-17 | 分散剤及びそれを用いたエポキシ樹脂水性分散体ならびに水性硬化性樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3550777B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002060461A (ja) * | 2000-08-24 | 2002-02-26 | Hitachi Chem Co Ltd | 樹脂の製造法及び塗料 |
JP5135760B2 (ja) * | 2005-11-02 | 2013-02-06 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | 分散剤とその製造方法 |
JP7241001B2 (ja) * | 2019-10-23 | 2023-03-16 | トヨタ自動車東日本株式会社 | 着色コート層用塗料およびその塗装方法 |
-
1995
- 1995-02-17 JP JP02926795A patent/JP3550777B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08257389A (ja) | 1996-10-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2594345B2 (ja) | 熱硬化性粉体塗装組成物 | |
JPH0240698B2 (ja) | ||
JP2003342353A (ja) | 原子移動ラジカル重合により調製されるエポキシ官能性ポリマーおよびカルボン酸官能性ポリマーを含有する、熱硬化性組成物 | |
US5116945A (en) | Resinous substance | |
JP3476436B2 (ja) | 原子移動ラジカル重合によって調製されるカルボン酸官能性ポリマーを含む熱硬化性組成物 | |
JP3550777B2 (ja) | 分散剤及びそれを用いたエポキシ樹脂水性分散体ならびに水性硬化性樹脂組成物 | |
JPH04293953A (ja) | 水に乳化可能なエポキシ樹脂組成物 | |
CN114686069B (zh) | 聚丙烯酸酯树脂改性水性环氧乳液及其制备方法 | |
WO2002048234A2 (en) | Epoxy resins and process for making the same | |
JP2005194494A (ja) | 水性ポリエステル樹脂組成物の製造方法、該水性ポリエステル樹脂組成物を用いて得られる熱硬化型水性塗料組成物及び該熱硬化型水性塗料組成物を用いて得られる塗装物品 | |
JPH0967425A (ja) | エステル化変性エポキシ樹脂、それを含む水性エポキシ樹脂組成物ならびに水性塗料 | |
EP0243992B1 (en) | Process for preparing aqueous paint composition | |
US4195004A (en) | Process for preparing water-dispersible resins | |
JPS583508B2 (ja) | フンタイトソウヨウジユシソセイブツ | |
EP0002548B1 (en) | Process for the preparation of water-dispersible resins, and their use in surface coatings | |
CN110358112B (zh) | 一种固体环氧树脂乳液的制备方法 | |
JPH1025431A (ja) | 無機塗料バインダー組成物および無機塗料組成物 | |
JPH0427274B2 (ja) | ||
JPH04359075A (ja) | 熱硬化形水性塗料組成物 | |
US4344875A (en) | Organotin antifouling coating with epoxy and polyacrylate compositions | |
JPH0570558A (ja) | 変性エポキシ樹脂及びそれを用いた硬化性樹脂組成物 | |
US5025063A (en) | Ionomeric coatings | |
JPH09194574A (ja) | エポキシ樹脂用硬化剤組成物 | |
US4465798A (en) | Water-dilutable epoxide, process for preparing it, the use thereof and a coating composition | |
JPH03250079A (ja) | 水性塗料用樹脂組成物及び水性塗料 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040217 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040330 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20040412 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |