JP3549992B2 - 光ディスク再生装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスクに記録されている情報を再生する光ディスク再生装置に関し、特に、サーチ中に、情報読み取り手段であるピックアップをディスクの半径方向に移送する機能を備えた光ディスク再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的な普及形の光ディスク再生装置では、情報読み取り手段であるピックアップを光ディスクの半径方向に移送する送りモータとして、DCブラシモータをラック・ピニオン機構やボールネジ、平ギヤなどと組み合わせて使用している。このような、光ディスク再生装置の要部ブロック図を図9に示す。
【0003】
同図において、1はピックアップ、2はRFアンプ、3はサーボ回路、4はアクチュエータドライバ、5はモータドライバ、6は送りモータ、7はマイクロコンピュータ(以下、「マイコン」と略記する)である。
【0004】
まず、情報再生時の各部の動作について説明する。不図示の光源から出射されるレーザビームは、ピックアップ1に係合した対物レンズ1aを介して、不図示の光ディスク上に照射され、その反射光は、再び対物レンズ1aを介して、ピックアップ1に係合したフォトダイオード1bに導かれる。フォトダイオード1bでは、光ディスクからの反射光が電流に変換され、その電流は、RFアンプ2で電圧に変換され差動をとられて、TE信号として出力される。このTE信号は、サーボ回路3内のトラッキングイコライザアンプ3aにて所定の処理が施され、トラッキング駆動信号(以下、「TRD信号」と呼ぶ)として出力される。
【0005】
このTRD信号は、アクチュエータドライバ4によって電力増幅され、ピックアップ1に係合したトラッキングアクチュエータ1cを付勢して、対物レンズ1aを含む、ピックアップ1内の可動部を光ディスクの半径方向に移動させ、これにより、レーザービームを光ディスク上の情報トラックに追従させる。
【0006】
このように、対物レンズ1a、フォトダイオード1b、RFアンプ2、サーボ回路3、アクチュエータドライバ4、トラッキングアクチュエータ1cからなる一連のループは、レーザビームを情報トラックに追従させるトラッキングサーボループを形成している。
【0007】
また、TRD信号は、サーボ回路3内のローパスフィルタ3b(遮断周波数:1〜5Hz程度)を経ることによって、雑音や光ディスクの偏心成分が除去されて、ピックアップ1内の可動部のトラッキングアクチュエータ1cによる可動範囲内における位置(以下、「ピックアップ1内の可動部のラジアル方向の位置」と呼ぶ)に応じて変化するTVD信号となる。
【0008】
このTVD信号は、モータドライバ7を介して送りモータ8を回転させ、ピックアップ1全体を光ディスクの半径方向に移送する。これにより、ピックアップ1内の可動部がトラッキングアクチュエータ1cによる可動範囲内における中心(以下、「ラジアル中心」と呼ぶ)に位置するように制御されることになる。
【0009】
このように、対物レンズ1a、フォトダイオード1b、RFアンプ2、サーボ回路3、モータドライバ5、送りモータ6、マイコン7からなる一連のループは、ピックアップ1内の可動部がラジアル中心に位置することを保証する送りモータサーボループを形成している。
【0010】
次に、当該光ディスク再生装置に対して情報を再生する旨の指示が入力されてから、所望の情報が再生可能となるまでに実行される動作(以下、この動作を「サーチ」と呼ぶ)を行う場合に、マイコン7が行う処理の流れについて、図10を参照しながら説明する。まず、トラッキングサーボループをONにして、トラック引き込み動作を行い、アドレスを読み出す(#101)。次に、読み出したアドレス(以下、これを「現在アドレス」と呼ぶ)から所望の情報が記録されているアドレス(以下、これを「目標アドレス」と呼ぶ)までの距離を認識する(#102)。
【0011】
次に、#102で認識した距離が0の近傍である、すなわち、現在アドレスが目標アドレスの近傍である場合は(#103の近)、情報再生を行う処理(#201)に移行し、サーチとしての処理は完了する。また、#102で認識した距離が比較的短い場合は(#103の短)、トラッキングアクチュエータ1cを駆動させて、ピックアップ1内の可動部のみをピックアップ1内において光ディスクの半径方向に移動させる動作(以下、この動作を「レンズキック」と呼ぶ)を行う処理(#202)に移行して、レンズキックを行った後、#101に戻る。また、#102で認識した距離が長い場合は(#103の長)、送りモータ6を駆動させて、ピックアップ1全体を光ディスクの半径方向に移送する動作(以下、サーチ中に行われる、この動作を「粗シーク」と呼ぶ)を行う処理(#203)に移行して、粗シークを行った後、#101に戻る。
【0012】
以上が、サーチを行う際の全体の流れであるが、ここで、図10の#203の粗シークを行う際にマイコン7が行う処理の流れについて図11に示すフローチャートを参照しながら説明する。まず、サーボ回路3に制御コマンドを送って、トラッキングサーボループをOFF(開)にする(#111)。次に、サーボ回路3を介して、モータドライバ5に駆動電圧を供給して、送りモータ6を駆動させる(ピックアップ1を光ディスクの半径方向に移送させる)(#112)。
【0013】
次に、サーボ回路3からは、TE信号に基づいて、ピックアップ1から出射されるレーザービームがトラックを横切る毎に1つのパルスが送られてくる(以下、この信号を「TCRS信号]と呼ぶ)ので、そのパルスのカウントを開始する(#113)。次に、TCRS信号のパルスのカウント値が、今実行している粗シークによってピックアップを移送すべき距離に応じた所定値になると(#114のY)、サーボ回路3に制御コマンドを送り、サーボ回路3を介した、モータドライバ5への駆動電圧の供給を停止する(#115)。
【0014】
これにより、送りモータ6の逆起電力ブレーキ及び送り機構のロストルクで送りモータ6の回転数が減少し始める(ピックアップが移送される速度が減速し始める)ので、送りモータ6の回転が完全に停止する(つまり、ピックアップが完全に停止する)までの時間、及び、ピックアップ1を移送することにより発生する減衰振動である、ピックアップ1内の可動部の固有共振振動(以下、「ピックアップ1の共振振動」と呼ぶ)が停止するまでの時間(以下、「振動停止の待ち時間」と呼ぶ)が経過すると(#116のY)、トラッキングサーボループをON(閉)にする(#117)。
【0015】
以上に示したマイコン7の動作により実行される粗シークは、ピックアップ1を光ディスクの半径方向へ高速で移送することによって、レンズキックを実行できる程度にピックアップ1を目標アドレスに近づけることを目的としている。
【0016】
そして、粗シークにおいて、ピックアップ1が停止した後、すぐさまトラッキングサーボループをONにせず、ピックアップ1の共振振動が納まってからトラッキングサーボループをONにしているが、これは、ピックアップ1の共振振動が発生している間は、TE信号が高域化しているので、その間の任意の時点にトラッキングサーボループをONにすると、トラッキングサーボループの特性との関係上、トラック引き込み動作にエラーが発生しやすいからである。尚、トラック引き込み動作にエラーが発生すると、アドレスを正確に読み出すことができず、次に行うレンズキック(あるいは粗シーク)の精度が悪化し、サーチ時間が長くなるという不具合を招くことになる。
【0017】
以上の粗シークは、TCRS信号に基づいてレーザービームが光ディスク上のトラックを横切った本数をカウントする(以下、「トラックカウントする」と呼ぶ)ことによって、ピックアップ1が移送された距離を認識して、送りモータ6の動作を制御するので、トラックカウント方式と呼ばれている。
【0018】
また、トラックカウント方式の他に、FG方式と呼ばれる粗シークを採用している光ディスク再生装置も提供されている。FG方式とは、フォトディテクターなどで送りモータ6の軸に取り付けられた円盤上の反射板あるいは透過板より、送りモータ6の回転数に比例した信号(以下、この信号を「FG信号」と呼ぶ)を生成し、このFG信号と、送りモータ6からピックアップ1までのギヤ比との関係とから、ピックアップ1が移送された距離を認識して、送りモータ6の動作を制御するものである。このFG方式の粗シークにおいても、トラックカウント方式の粗シークにおけるのと同様の理由から、振動停止の待ち時間を設定する必要がある。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、サーチ時間を短縮するために、粗シークにおいてピックアップを移送する加速度(以下、「粗シークの加速度」と呼ぶ)あるいは減速度(以下、「粗シークの減速度」と表現する)を大きくするという手法がとられている。しかしながら、上記従来の光ディスク再生装置においては、粗シークの加速度あるいは減速度を大きくすると、以下に示すような問題を伴うことになる。
【0020】
ここで、ピックアップの共振振動について説明しておく。ピックアップ内の可動部は、図12に示すように、ピックアップのハウジング内にバネなどの振動減衰器によって支持されているので、粗シークにおいて、ピックアップの移送の加速開始時(以下、「粗シークの加速開始時」と呼ぶ)及び減速開始時(以下、「粗シークの減速開始時」と呼ぶ)には、ピックアップの移送の加速度とは逆方向にピックアップ内の可動部に加速度が生じ、ピックアップ内の可動部のラジアル方向の位置には変位が発生して、その結果、ピックアップ内の可動部は振動(減衰振動)し始める(図13参照)。この振動がピックアップの共振振動であり、粗シークの加速開始時、粗シークの減速開始時にそれぞれ発生する。尚、図13では、VAが粗シークの加速開始時に発生するピックアップの共振振動を、VBが粗シークの減速開始時に発生するピックアップの共振振動を、それぞれ示している。
【0021】
但し、VAは粗シークの加速開始時にピックアップ内の可動部がラジアル中心に位置している場合について、粗シークの加速開始時に発生するピックアップの共振振動を示したものであって、必ずしもこのような位相になるとは限らない。また、VBは粗シークの減速開始時に発生するピックアップの共振振動を示したものであって、粗シークの減速開始時以降のピックアップの共振振動を示すものではない。粗シークの減速開始時以降のピックアップの共振振動は、粗シークの加速開始時に発生するピックアップの共振振動VAが粗シークの減速開始時に残っている場合は、粗シークの加速開始時に発生するピックアップの共振振動VAと粗シークの減速開始時に発生するピックアップの共振振動VBとが重畳された、複雑な位相の振動となり、一方、図13のように、粗シークの加速開始時に発生するピックアップの共振振動VAが粗シークの減速開始時に残っていない場合は、粗シークの減速開始時に発生するピックアップの共振振動VBが粗シークの減速開始時以降のピックアップの共振振動となる。
【0022】
さて、1つ目の問題点としては、粗シークの加速度あるいは減速度を大きくしても、サーチ時間を大幅に短縮するには至らないということである。これは、粗シークの加速度あるいは減速度を大きくすると、同じ距離だけピックアップを移動させるのに要する時間は確かに短くなるが、上述した内容からして、粗シークの加速開始時あるいは粗シークの減速開始時に発生する、ピックアップの共振振動が顕著となるため、上記従来の光ディスク再生装置では、振動停止の待ち時間を長く設定する必要があるとともに、着地精度が悪化する(粗シークにより到達したアドレスと目標アドレスとの差分が大きくなる)ことになり、目標アドレスに到達するまでの時間が長くなるからである。
【0023】
後述の逆電圧を与えて送りモータを強制的に減速する(送りモータにブレーキをかける)場合は勿論だが、そうでない場合であっても、メカニズムのロストルクなどが同時にかかるため、粗シークの減速度の方が粗シークの加速度よりも大きく、また、当然のことながら、粗シークの減速を開始してからピックアップが停止するまでの時間の方が、粗シークの加速を開始してからピックアップが停止するまでの時間よりも短いために、ピックアップ内の可動部を支持する減衰器(バネなど)によって減衰させられる度合いが小さいので、特に、粗シークの減速開始時に発生するピックアップの共振振動は、ピックアップが停止した後にも残っていることが多く、サーチ時間を短縮するに際して大きな障害となる。
【0024】
尚、トラッキングサーボループの特性を向上させることにより、ピックアップの共振振動が顕著となっても、振動停止の待ち時間を長くすることなく、あるいは、振動停止の待ち時間を設けることなく、トラッキングサーボループをONすることができ、サーチ時間を大幅に短縮することが可能となるが、以下に示す理由により、これを実現するのは非常に困難である。
【0025】
というのは、昨今、光ディスクの高回転化による高速読み取りが必須事項となっているが、これを行うには、光ディスクの高回転化に伴って、光ディスクの面振れや偏心の加速度が増大するため、フォーカシングサーボ特性やトラッキングサーボ特性を向上させる必要性が生じるからである。特に、トラッキングサーボのオープンループ特性について、コンパクトディスクを例にとって見てみると、そのゲイン交点周波数(ループゲインが0dBとなる周波数)を、通常速で0.8kHz、2倍速で1.6kHz、4倍速で3.2kHz、…、というように、光ディスクの高回転化による光ディスクの偏心の加速度の増大に合わせてより高い周波数に設定する必要がある。このように、光ディスクの高回転化による高速読み取りを実現するために、すでに、トラッキングサーボループの特性をかなりのレベルにまで向上させているので、さらに、ピックアップの共振振動のために(サーチ時間を短縮するために)、その特性を向上させるのは非常に困難な状況である。
【0026】
次に、サーチ中には、データテーブルを用いて各部の動作を制御するわけであるが、例えば、送りモータのN/T特性や送り機構のロストルクなどには個体差があることに起因して、初期設定されたデータテーブルでは、希望通りに制御することができない場合が多々あるので、サーチ時間を短縮するためには、データテーブルの補正あるいは学習を行うようになっている。ところが、粗シークの加速度あるいは減速度を大きくすると、上述したように、粗シークの着地精度が悪化し、同じ粗シークを行ったとしても、各粗シーク毎に着地位置が異なるので、データテーブルの学習あるいは補正を容易に行うことができなくなってしまう。
【0027】
最後に、装置の小型化、低電圧化、あるいは、低消費電力化を促進すると、ピックアップの自己共振周波数が高域化するなどして、ピックアップの共振振動が顕著となるので、上述した内容からして、サーチ時間が長くなることになり、サーチ時間の短縮が望まれている昨今の状況では、小型化、低電圧化、あるいは、低消費電力化を促進することができない。
【0028】
そこで、本発明は、粗シークの加速度あるいは減速度を大きくすることによって、トラッキングサーボループの特性を向上させることなく、また、サーチ中に使用するデータテーブルの補正あるいは学習をより容易に行うことができるようにした上で、サーチ時間を短縮するとともに、装置の小型化、低電圧化、あるいは、低消費電力化を促進する余地を確保した光ディスク再生装置を提供することを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、第1の発明では、情報記録媒体である光ディスクに光源から出射されるレーザービームを照射し、その反射光を取り込むための対物レンズと、該対物レンズを含む可動部を光ディスクの半径方向に移動させるトラッキングアクチュエータとを有する、情報読み取り手段であるピックアップと、該ピックアップを光ディスクの半径方向に移送する送りモータと、該送りモータの駆動を制御する送りモータ制御手段とを有する光ディスク再生装置において、
前記ピックアップの移送を減速させ始めてから、前記ピックアップが停止した後であって、前記ピックアップの移送の減速により発生する前記ピックアップ内の可動部の固有共振振動の速度が0になる直前までに要する時間として予め算出された時間をカウントするタイマーと、
前記ピックアップを光ディスクの半径方向へ移送するのを終了するために前記ピックアップの移送を減速させ始めたときに前記タイマーのカウント動作を開始させ、その後、前記タイマーのカウント動作が終了すると、トラッキングサーボループをONにするトラッキングサーボループ制御手段と、
前記ピックアップの減速時間を測定する減速時間測定手段と、
前記ピックアップの移送が減速し始めてから前記ピックアップが停止するまでに要する時間が所定値になるように、前記ピックアップの移送を減速させる際に前記送りモータに供給する電圧を前記減速時間測定手段での測定結果に応じて変化させる供給電圧制御手段と、
を有している。
【0030】
上記第1の発明により、ピックアップを移送する機構に個体差があったとしても、ピックアップが停止した後であって、粗シークの減速により発生するピックアップの共振振動の速度が0になる直前に確実にトラッキングサーボループをONさせることができるようになる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。図1は本発明の第1実施形態である光ディスク再生装置の要部ブロック図であって、7−1はマイコン、8はローパスフィルタである。尚、従来技術と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0042】
まず、情報再生時の各部の動作について説明する。TRD信号は、300〜600Hz程度の遮断周波数を有するローパスフィルタ8を経ることによって、高域(外乱、ノイズなど)が除去されて、ピックアップ1内の可動部のトラッキングアクチュエータ1cによる可動範囲内における実際の位置、つまり、光ディスクの偏心成分をも含んだ、ピックアップ1内の可動部のラジアル方向の位置に応じて変化するTRP信号となる。
【0043】
マイコン7−1は、A/D入力端子I2、I3からそれぞれ入力するTVD信号、TRP信号に基づいて送りモータ6を制御するソフトウェアを内蔵しており、D/A出力端子O1から出力するTVDO信号によって、情報再生時にピックアップ1内の可動部がラジアル中心に位置するように、モータドライバ7を介して送りモータ8を駆動させ、ピックアップ1全体を光ディスクのラジアル方向に移送する。
【0044】
したがって、対物レンズ1a、フォトダイオード1b、RFアンプ2、サーボ回路3、モータドライバ5、送りモータ6、マイコン7−1からなる一連のループは、情報再生時にピックアップ1内の可動部がラジアル中心に位置することを保証する送りモータサーボループを形成している。
【0045】
ここで、粗シークを行う際は、ピックアップ1は光ディスクの半径方向へ高速で移送されるが、粗シークの加速開始時及び減速開始時には、ピックアップ1内の可動部に大きな加速度が生じ、ピックアップ1の共振振動が発生する。そして、ピックアップ1の共振振動の変位をS、その速度をV、その加速度をAとし、振動が減衰されないとした場合、
S = D・sinωt
V = D・ω・cosωt
A = −D・ω2・sinωt
(但し、Dは振幅、ωは角速度、tは時間である)
と表せる(図2参照)。したがって、例えば、振幅D=100μm、周波数を40Hzとすると、最大加速度Amは、
となる。
【0046】
このように、ピックアップ1内の可動部に大きな加速度が生じている間の任意の時点に、トラッキングサーボループをONにするためには、トラッキングサーボループの特性を向上させる必要がある。しかしながら、本第1実施形態においては、粗シーク時に、マイコン7−1内の不図示のタイマーを用いて、粗シークの減速開始時に発生するピックアップ1の共振振動の速度が0になる直前に(図2のA点あるいはB点で)トラッキングサーボループをONするようになっているので、粗シークの加速開始時に発生するピックアップ1の共振振動が粗シークの減速開始時には十分減衰されていることを前提とすれば、トラッキングサーボループの特性を向上させることなく、サーチ時間を短縮することができる。
【0047】
以下、粗シークを行う場合に、マイコン7−1が行う処理の流れについて、図3を参照しながら説明する。尚、サーチを行う際の全体の流れについては、従来技術と同じである。まず、サーボ回路3に制御コマンドを送って、トラッキングサーボループをOFFにする(#31)。次に、モータドライバ5に所定の駆動電圧(TVDO信号)を供給して、送りモータ6を駆動させる(ピックアップ1を光ディスクの半径方向に移送させる)(#32)。
【0048】
次に、入力端子I1から入力するTCRS信号のパルスをカウントし始める(#33)。次に、TCRS信号のカウント値が、今実行している粗シークによってピックアップ1を移送すべき距離に応じた所定値になると(#34のY)、今まで供給していたのとは逆極性の駆動電圧(以下、「逆電圧」と呼ぶ)をモータドライバ5に供給して、ピックアップ1の移送を強制的に減速させるとともに、不図示のタイマーをスタートさせる(#35)。そして、タイマーのカウントが終了すると(#36のY)、サーボ回路3に制御コマンドを送って、トラッキングサーボループをONにする(#37)。
【0049】
ここで、ピックアップ1の移送を減速させ始めてから、ピックアップ1が停止した後であって、粗シークの減速開始時に発生するピックアップ1の共振振動の速度が0になる直前までに要する時間は、設計段階で理論的に算出することができるので、この算出した時間を上記タイマーがカウントするように設定しておけば、ピックアップ1が停止した後であって、粗シークの減速開始時に発生するピックアップ1の共振振動の速度が0になる直前にトラッキングサーボループをONにすることができる。
【0050】
次に、本発明の第2実施形態である光ディスク再生装置について説明する。尚、本第2実施形態の光ディスク再生装置の要部ブロック図としては、上記第1実施形態の光ディスク再生装置のものと同一であるので、図1のブロック図を参照しながら説明する。本第2実施形態の光ディスク再生装置は、上記第1実施形態において示した機能に加えて、粗シーク時にピックアップ1の移送を減速し始めてからピックアップ1が停止するまでに要する時間(以下、「ピックアップ減速時間」と呼ぶ)が所定のものとなるように制御する機能を有している。
【0051】
以下、この機能について説明する。マイコン7−1は、前述したように、粗シークにおいて、逆電圧をモータドライバ5に供給することによって、ピックアップの移送を強制的に減速させるが、これに加えて、ピックアップの減速時間を測定し、減速時間が所定時間よりも長ければ、逆電圧を大きくし、減速時間が所定時間よりも短ければ、逆電圧を小さくするというようにして、測定したピックアップの減速時間に応じて逆電圧を可変調整することによって、ピックアップの減速時間が所定のものとなるように制御するソフトウェアを内蔵している。
【0052】
ここで、送りモータ6や送り機構のばらつきによって、各機器(光ディスク再生装置)毎に、粗シークの減速開始時に発生するピックアップ1の共振振動の様子(位相)は均一なものとならず、その共振振動の速度が0になる直前のタイミングがばらつく場合がある。このような場合は、上記タイマーがカウントする時間を補正しない限り、ピックアップ1の共振振動の速度が0になる直前に正確にトラッキングサーボループをONするのは不可能である。
【0053】
しかしながら、本第2実施形態では、ピックアップ1の減速時間が所定のものとなるように制御する、言い換えると、これは、送りモータ6や送り機構のばらつきをキャンセルすることと等価であるので、粗シークの減速開始時に発生するピックアップ1の共振振動の様子は均一なものとなる。したがって、送りモータ6や送り機構のばらつきの有無にかかわらず、粗シークの減速開始時に発生するピックアップ1の共振振動の速度が0になる直前に正確にトラッキングサーボをONすることができる。
【0054】
次に、本発明の第3実施形態である光ディスク再生装置の要部ブロック図を図4に示す。同図において、7−2はマイコン、9はアナログスイッチである。尚、上記第1、第2実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。本第3実施形態の光ディスク再生装置は、上記第1または第2実施形態において示した機能に加えて、粗シークの減速開始時に発生するピックアップ1の共振振動を抑制する機能を有している。
【0055】
以下、この機能について説明する。マイコン7−2は、粗シーク時に、ピックアップ1の移送を減速させ始めてから、ピックアップ1が停止するまでの間、粗シークの減速開始時に発生するピックアップ1の共振振動の速度が増加するときに、出力端子O2から出力するSSW信号にてON/OFF制御されるアナログスイッチ9を介して、D/A出力端子O3から出力するSSIG信号をアクチュエータドライバ4に供給し、粗シークの減速開始時に発生するピックアップの共振振動の速度の方向と逆の方向に、すなわち、その共振振動の速度を打ち消す方向に、ピックアップ1内の可動部が移動するように、トラッキングアクチュエータ1cを駆動させることによって、粗シークの減速開始時に発生するピックアップ1の共振振動を抑制する。以上の動作における、ピックアップ1の共振振動の速度とSSIG信号との関係を図5に示しておく。
【0056】
これにより、ピックアップ1が停止したときのピックアップの共振振動は、粗シークの加速開始時に発生するピックアップ1の共振振動が粗シークの減速開始時には十分減衰している場合、粗シークの減速開始時に発生するピックアップ1の共振振動のみに起因した、単純な正弦波状の振動となるとともに、その振幅が小さくなっており、したがって、粗シークの着地精度が向上し、また、粗シークを行った後にレンズキックに移行できる確率が高くなるので、サーチ中に使用するデータテーブルの補正あるいは学習をより容易に行うことができるようになり、また、サーチ時間をより一層短縮することができる。
【0057】
尚、本第3実施形態においては、粗シークの減速開始時に発生するピックアップ1の共振振動の速度が増加するときに、SSW信号及びSSIG信号により、トラッキングアクチュエータ1cを駆動させることによって、ピックアップ1の共振振動を抑制する、つまり、ピックアップ1の共振振動が発生してから、その振動を抑制するようになっているが、このようにする代わりに、粗シークの減速開始時に、SSW信号及びSSIG信号により、そのときにピックアップ1内の可動部に生じる加速度の方向と逆の方向に、すなわち、その加速度を打ち消す方向に、ピックアップ1内の可動部が移動するように、トラッキングアクチュエータ1cを駆動させることによって、ピックアップ1の共振振動を抑制する、つまり、ピックアップ1の共振振動の発生段階で、その振動を抑制するようにしてもよい。以上の動作における、TVDO信号とピックアップ1内の可動部に生じる加速度とSSIG信号との関係を図6に示しておく。
【0058】
尚、トラッキングアクチュエータ1cの駆動感度として最大のものを想定して、SSIG信号のレベルを決定することにより、粗シークの減速開始時に発生するピックアップの共振振動を約半分以下に抑制することができるという実験結果が得られている。
【0059】
次に、本発明の第4実施形態である光ディスク再生装置について説明する。尚、本第4実施形態の光ディスク再生装置の要部ブロック図としては、上記第3実施形態の光ディスク再生装置のものと同一であるので、図4のブロック図を参照しながら説明する。本第4実施形態の光ディスク再生装置は、上記第3実施形態において示した機能に加えて、トラッキングアクチュエータ1cの駆動感度を検出し、その駆動感度に応じて上記SSIG信号レベルを変化させる機能を有している。
【0060】
以下、この機能について説明する。トラッキングアクチュエータ1cの駆動感度とは、トラッキングアクチュエータ1cを駆動するアクチュエータドライバ4への供給電圧(TRD信号)と、そのときのピックアップ1内の可動部の光ディスクの半径方向への移動量とで規定されるものである。
【0061】
したがって、ピックアップ1内の可動部を一定量だけ移動させることができれば、そのときのTRD信号のレベルが小さければ、トラッキングアクチュエータ1cの駆動感度は大きく、そのときのTRD信号のレベルが大きければ、トラッキングアクチュエータ1cの駆動感度は小さいというように、TRD信号のレベルによって、トラッキングアクチュエータ1cの駆動感度を検出することができる。
【0062】
以下に、本第4実施形態において、トラッキングアクチュエータ1cの駆動感度を検出する際に、マイコン7−2が行う動作について説明する。まず、光ディスク及びそのチャッキング機構に起因した偏心が存在するため、そのときの光ディスクの回転数により決まる偏心1周期の期間、A/D入力端子I3から入力するTRP信号(ローパスフィルタ8を介したTRD信号)をサンプリングし、その平均値を算出する。これにより、ピックアップ1内の可動部を所定量だけ移動させる前のTRD信号のレベルを求めることができる。
【0063】
次に、ピックアップ1内の可動部を所定量だけ移動させる。これは、レンズキックを行うことにより実現でき、例えば、コンパクトディスクであれば、63本のレンズキックを行うことで、ピックアップの可動部を約100μmほど移動させることができる。
【0064】
次に、再び、上記偏心1周期の期間、TRP信号をサンプリングし、その平均値を算出する。これにより、ピックアップ1内の可動部を所定量だけ移動させた後のTRD信号のレベルを求めることができる。最後に、ピックアップ1内の可動部を所定量だけ移動させる前後の、TRP信号の2つの平均値の差を算出する。これにより、トラッキングアクチュエータ1cの駆動感度を検出したことになる。尚、図7にトラッキングアクチュエータ1cの駆動感度を検出する概念図を示しておく。
【0065】
そして、マイコン7−2は、トラッキングアクチュエータ1cの駆動感度が大きければ(TRP信号の平均値の差が小さければ)、粗シークにおいて、粗シークの減速開始時に発生するピックアップ1の共振振動を抑制するためのSSIG信号のレベルを小さくし、トラッキングアクチュエータ1cの駆動感度が小さければ(TRP信号の平均値の差が大きければ)、SSIG信号のレベルを大きくするというように、トラッキングアクチュエータ1cの駆動感度に応じて、SSIG信号のレベルを変化させる。
【0066】
ところで、SSIG信号のレベルが固定されている場合、トラッキングアクチュエータ1cの駆動感度のばらつきにより、粗シークの減速開始時に発生するピックアップ1の共振振動の抑制が不十分である、あるいは、抑制しすぎてピックアップの共振振動が逆位相の大きな振動となるというケースも考えられる。
【0067】
しかしながら、本第4実施形態では、以上のような処理を行うことによって、トラッキングアクチュエータ1cの駆動感度のばらつきの影響を受けることなく、粗シークの減速開始時に発生するピックアップ1の共振振動を一定の割合で抑制することができる。これにより、粗シークの着地精度が向上し、また、レンズキックへ移行できる確率が高くなって、サーチ中に使用するデータテーブルの補正あるいは学習をより容易に行うことができるようになり、また、サーチ時間をより一層短縮することができるという効果を確実に得ることができる。
【0068】
次に、本発明の第5実施形態である光ディスク再生装置の要部ブロック図を図8に示す。同図において、7−3はマイコン、10は振動検出抵抗、11は振動抑制アンプである。尚、上記第1、第2実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。本第5実施形態の光ディスク再生装置は、上記第1または第2実施形態において示した機能に加えて、粗シークの加速開始時あるいは減速開始時に発生する、ピックアップ1の共振振動を抑制する機能を有している。
【0069】
以下、この機能について説明する。トラッキングアクチュエータ1cはコイルとマグネットを有する構成であるため、ピックアップ1の共振振動が発生すると、トラッキングアクチュエータ1cのコイルの両端には、その振動に応じた電圧が微弱ながら発生する。そして、アクチュエータドライバ4の出力インピーダンスは通常低いので、前述のコイルの両端に発生した電圧は振動検出抵抗10の両端に現れる。振動検出抵抗10の両端に現れる電圧は、振動抑制アンプ11にて増幅され、粗シーク中だけ、マイコン7−3から出力されるSSW信号にてON/OFF制御されるアナログスイッチ9を介して、アクチュエータドライバ4に与えられる。
【0070】
ここで、ピックアップ1の共振振動により、トラッキングアクチュエータ1cのコイルの両端に発生する電圧は、ピックアップ1の共振振動の速度に比例し、かつ、その速度の方向に応じた極性を示すので、この電圧を適切に増幅してアクチュエータドライバ4に与えるというように、この電圧の基づいてトラッキングアクチュエータ1cを駆動させることによって、ピックアップ1の共振振動を抑制することができる。
【0071】
以上の内容からして、トラッキングアクチュエータ1c、振動検出抵抗10、振動抑制アンプ11、アナログスイッチ9、アクチュエータドライバ4からなる一連のループは、粗シークの加速開始時あるいは減速開始時に発生する、ピックアップ1の共振振動を抑制する振動制御ループを形成している。
【0072】
このように、粗シークの減速開始時に発生するピックアップの共振振動に加えて、粗シークの加速開始時に発生するピックアップの共振振動を抑制することができるので、粗シークの加速開始時に発生するピックアップの共振振動がそのままでは(バネなどの振動減衰器だけでは)粗シークの減速開始時までに十分減衰されない場合であっても、ピックアップ1が停止したときのピックアップ1の共振振動は、粗シークの減速開始時に発生するもののみに起因した、単純な正弦波状の振動となるとともに、その振幅も小さくなっており、したがって、粗シークの着地精度が向上し、また、粗シークを行った後にレンズキックに移行できる確率が高くなるので、サーチ中に使用するデータテーブルの補正あるいは学習をより容易に行うことができるようになり、また、サーチ時間をより一層短縮することができる。
【0073】
尚、振動制御ループのゲインは、トラッキングアクチュエータ1cの駆動感度として最大のものを想定して決定し、トラッキングサーボループのオフセットは、許容できる範囲までの振動制御ループのゲインとすることが望ましい。
【0074】
また、粗シークの減速開始時に発生するピックアップの共振振動に加えて、粗シークの加速開始時に発生するピックアップの共振振動を抑制するその他の方法としては、コンパクトディスクなどの3ビーム方式のピックアップを採用している場合、副ビームと呼ばれる2つのビームの反射光による2つの信号(以下、この2つの信号を「SUB1信号」、「SUB2信号」と呼ぶ)の差信号からTE信号を得ているが、ピックアップ1の可動部がラジアル中心から大きく変位するほど、SUB1信号、SUB2信号のレベルが低下することを利用するものが考えられる。
【0075】
具体的には、SUB1信号とSUB2信号との和信号から得られる信号(以下、「SSAD信号」と呼ぶ)とTE信号との差信号からはピックアップの共振振動成分と光ディスクの偏心成分とを含んだ信号が生成されるので、粗シーク時のトラッキングサーボループがOFFのときに、上記SSAD信号とTE信号との差信号から生成される信号を、その高域を除去した後に、アクチュエータドライバ4に与えることによって、粗シークの加速開始時及び減速開始時に発生する、ピックアップの共振振動を抑制することができる。
【0076】
このような方法により、ピックアップの共振振動を抑制する場合、光ディスクとチャッキング機構による光ディスクの偏心成分がピックアップの共振振動成分よりも小さいときには非常に有効であるが、光ディスクの偏心成分がピックアップの共振振動成分よりも大きいときは逆効果となるので、実験により、光ディスクの規格とチャッキング機構の設計値とから明らかにピックアップの共振振動成分が光ディスクの最大偏心成分よりも大きい期間を求め、その期間のみ効果のあるゲインにし、それ以外の期間はゲインを下げる、あるいは、回路をOFFにするというような対策をとることが望ましい。
【0077】
尚、上記各実施形態は、トラックカウント方式の粗シークを採用した光ディスク再生装置に対して本発明を適用したものであるが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、FG方式の粗シークを採用した光ディスク再生装置に対して適用したものであってもよい。
【0078】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ピックアップが停止した後であって、粗シークの減速により発生するピックアップの共振振動の速度が0になる直前に確実にトラッキングサーボループをONさせることができるようになるので、粗シークの加速により発生するピックアップの共振振動が粗シークの減速開始時には十分減衰していることを前提とすれば、粗シークの加速度あるいは減速度を大きくすることによって、トラッキングサーボループの特性を向上させることなく、サーチ時間を確実に短縮することができる。また、これは、ピックアップの共振振動が顕著となっても、サーチ時間の延長には直結しないということであるので、ピックアップの共振振動の増大を伴う、装置の小型化、低電圧化、あるいは、低消費電力化を促進する余地を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1、第2実施形態である光ディスク再生装置の要部ブロック図である。
【図2】光ピックアップ1の共振振動が減衰されないとした場合の、その変位と速度と加速度との関係、及び、トラッキングサーボループをONにするタイミングを説明するための図である。
【図3】粗シークを実行する際に、マイコン7−1が行う動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】本発明の第3、第4実施形態である光ディスク再生装置の要部ブロック図である。
【図5】本発明の第3、第4実施形態である光ディスク再生装置において、粗シークの減速開始時に発生するピックアップの共振振動を抑制する一例である、ピックアップ1の共振振動の速度とSSIG信号との関係を示す図である。
【図6】本発明の第3、第4実施形態である光ディスク再生装置において、粗シークの減速開始時に発生するピックアップの共振振動を抑制する一例である、TVDO信号とピックアップ1内の可動部に生じる加速度とSSIG信号との関係を示す図である。
【図7】トラッキングアクチュエータ1cの駆動感度を検出する概念図である。
【図8】本発明の第5実施形態である光ディスク再生装置の要部ブロック図である。
【図9】従来の光ディスク再生装置の要部ブロック図である。
【図10】サーチを実行する際に、マイコン7が行う動作を説明するためのフローチャートである。
【図11】粗シークを実行する際に、マイコン7が行う動作を説明するためのフローチャートである。
【図12】ピックアップ1の共振振動について説明するための図である。
【図13】ピックアップ1の共振振動について説明するための図である。
【符号の説明】
1 ピックアップ
1a 対物レンズ
1b フォトダイオード
1c トラッキングアクチュエータ
2 RFアンプ
3 サーボ回路
3a トラッキングイコライザアンプ
3b ローパスフィルタ(遮断周波数:1〜5Hz程度)
3c 波形整形アンプ
4 アクチュエータドライバ
5 モータドライバ
6 送りモータ
7、7−1、7−2、7−3 マイコン
8 ローパスフィルタ(遮断周波数:300〜600Hz程度)
9 アナログスイッチ
10 振動検出抵抗
11 振動抑制アンプ
Claims (2)
- 情報記録媒体である光ディスクに光源から出射されるレーザービームを照射し、その反射光を取り込むための対物レンズと、該対物レンズを含む可動部を光ディスクの半径方向に移動させるトラッキングアクチュエータとを有する、情報読み取り手段であるピックアップと、該ピックアップを光ディスクの半径方向に移送する送りモータと、該送りモータの駆動を制御する送りモータ制御手段とを有する光ディスク再生装置において、
前記ピックアップの移送を減速させ始めてから、前記ピックアップが停止した後であって、前記ピックアップの移送の減速により発生する前記ピックアップ内の可動部の固有共振振動の速度が0になる直前までに要する時間として予め算出された時間をカウントするタイマーと、
前記ピックアップを光ディスクの半径方向へ移送するのを終了するために前記ピックアップの移送を減速させ始めたときに前記タイマーのカウント動作を開始させ、その後、前記タイマーのカウント動作が終了すると、トラッキングサーボループをONにするトラッキングサーボループ制御手段と、
前記ピックアップの減速時間を測定する減速時間測定手段と、
前記ピックアップの移送が減速し始めてから前記ピックアップが停止するまでに要する時間が所定値になるように、前記ピックアップの移送を減速させる際に前記送りモータに供給する電圧を前記減速時間測定手段での測定結果に応じて変化させる供給電圧制御手段と、
を有することを特徴とする光ディスク再生装置。 - 情報記録媒体である光ディスクに光源から出射されるレーザービームを照射し、その反射光を取り込むための対物レンズと、該対物レンズを含む可動部を光ディスクの半径方向に移動させるトラッキングアクチュエータとを有する、情報読み取り手段であるピックアップを送りモータで光ディスクの半径方向に移送する動作を伴うサーチ方法において、
前記ピックアップの移送を減速させ始めてから、前記ピックアップが停止した後であって、前記ピックアップの移送の減速により発生する前記ピックアップ内の可動部の固有共振振動の速度が0になる直前までに要する時間として予め算出された時間をカウントするタイマーのカウント動作を、前記ピックアップを光ディスクの半径方向へ移送するのを終了するために前記ピックアップの移送を減速させ始めたときに開始させ、その後、前記タイマーのカウント動作が終了すると、トラッキングサーボループをONにすること、及び、
前記ピックアップの減速時間を測定し、前記ピックアップの移送が減速し始めてから前記ピックアップが停止するまでに要する時間が所定値になるように、前記ピックアップの移送を減速させる際に前記送りモータに供給する電圧を前記ピックアップの減速時間を測定した結果に応じて変化させることを特徴とするサーチ方法。
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