JP3549735B2 - 調理器の加熱温度制御装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ホットプレート等の加熱ヒーターを備えた調理器の加熱温度制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ホットプレート等の加熱ヒーターを備えた調理器においては、従来からバイメタル形式或いは感熱棒形式のサーモスタットを備えており、これによりホットプレート等の調理プレート面を所定の設定温度に制御するようになっている。
【0003】
上記のサーモスタットの接点はヒーターに対して直列に接続され、一定以上の温度になるとバイメタル或いは感熱棒等の感熱素子の作用により上記の接点をオフにしてヒーターへの通電を遮断し、逆に一定以下の温度ではオンとなってヒーターへの通電を行う。
【0004】
上記のような加熱温度制御装置を備えた調理器において、調理プレート面を複数の部分に分けて加熱するべく複数のヒーターを設けると共に、各ヒーターごとに温度センサーを設置して、各温度センサーからの検知信号により調理プレート面各部の温度差が少なくなるように通電制御するものが知られている(実開平1−127530号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の調理器においては、1本のヒーターを用いるものにあっては1つのサーモスタットを設け、また複数のヒーターを用いるものにあっては各ヒーターごとに1つのサーモスタットを設ける構造がとられていた。
【0006】
このような調理器の調理面の一部に調理物(例えば生肉片)を置くと、その部分の温度が一時的に低下するが、その部分がサーモスタットから離れた位置にあると、温度低下の検知が遅れ、ヒーターへの通電が遅れる。このため、当該調理面の温度復帰が遅延し、調理の効率が低下する問題が生じる。
【0007】
上記の問題は、調理プレートの面積が大きい場合、その形状が長方形の場合、或いは調理プレートの軽量化のために肉薄に形成され熱容量が小さい場合などにおいて一層顕著になる。
【0008】
そこで、この発明は調理プレート等の面積が大きい等の理由により調理面の温度復帰が遅いという問題を解消し、調理の効率が高い調理器の加熱温度制御装置を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、この発明は加熱用のヒーターと、そのヒーターへの通電を制御するサーモスタットを備え、上記サーモスタットの接点を上記ヒーターに対して直列に接続した調理器の温度制御装置において、上記サーモスタットが複数設けられ、それらのサーモスタットの各接点が並列に接続された構成としたものである。
【0010】
また、上記各サーモスタットに共通の調節ハンドルを複数箇所に設け、上記各調節ハンドルと上記各サーモスタットとの間に連動装置を介在した構成をとることができる。
【0011】
上記の連動装置が直線運動する連動バーと、その連動バーの直線運動に伴って回動する連結部材を有し、上記連動バーの両端部にそれぞれ上記の調節ハンドルを取付け、上記連結部材の他端を上記サーモスタットの回動調節部材に連結した構成とすること、また、上記の連動装置が、上記各調節ハンドルごとに設けられたラック・ピニオン機構、該ピニオンと一体の駆動プーリー、無端ベルト及び各サーモスタットごとの従動プーリーとにより構成され、上記無端ベルトを上記駆動プーリーと各従動プーリーとに掛け渡し、上記従動プーリーの偏心位置に上記サーモスタットの回動調節部材を連結した構成とすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1から図3に示した第1実施形態は、ホットプレートに関するものである。このホットプレートは、図1及び図2に示すように、長方形の調理器本体1の凹入した底面2上に遮熱板3を取付け足4を介して固定し、その遮熱板3上に1本のヒーター5を取付け、そのヒーター5上に長方形の調理プレート6を着脱自在に載置できるようにしている。
【0013】
上記の調理器本体1の底面2上に長さ方向に所要の間隔をおいて2つサーモスタット7、7が設置される。これらの各サーモスタット7は同一規格のものであり、かつ感応温度も同一に設定されている。
【0014】
上記のサーモスタット7は、図3(a)に示すように、バイメタル9、接点11及び温度調節用の回転調節部材12とにより構成された周知のものである。
【0015】
調理プレート6の下面に押し当てられる受熱部材8は、遮熱板3に設けられた穴13に上下動自在に挿通されると共に、その下端の案内脚14が、底面2上に固定されたばね受け部材15に挿通され、そのばね受け部材15との間に介在されたコイルばね16により上向きに付勢され、ヒーター5より若干高く突出する。
【0016】
上記のバイメタル9、接点11及び回転調節部材12によって構成されたサーモスタット7は、上記の受熱部材8に取付けられ、通常の状態では接点11は閉じられオンとなっているが、バイメタル9が熱変形すると(二点鎖線参照)接点11が開放されオフとなって、ヒーター5への通電を遮断する。また、外部からの操作により回転調節部材12が回転されると、上記接点11の固定片17の付勢を加減して接点11がオフになる温度を可変するようになっている。
【0017】
上記の回転調節部材12を回転させる連動装置18は、図1に示すように、前記の2つのサーモスタット7、7に沿って配置された連動バー19と、その連動バー19に各サーモスタット7、7ごと設けられた連結部材としての揺動リンク21とから成る。
【0018】
上記の連動バー19は案内部材22によりその長さ方向に直線往復運動するように案内される。また揺動リンク21の一端に長穴20(図3(a)参照)が設けられ、その長穴20の部分で連動バー19に揺動自在に取付けられると共に、他端が回転調節部材12に連結され、その揺動リンク21の揺動により該回転調節部材12を回動させて、温度調節を行う。
【0019】
また、調理器本体1の対向した2つの短辺側の内側面には調節ハンドル23、23が案内レール24に沿って水平方向にスライド自在に取付けられ、そのつまみ25がスリット26を通して外部に突出される(図3(b)参照)。
【0020】
上記の各調節ハンドル23の内端にハンドルリンク27の一端が水平面内で回動自在に取付けられ、他端が前記の連動バー19に回転自在に取付けられる。
【0021】
図1の左側の調節ハンドル23が調理器本体1の左方から見て、スリット26の左端に移動したとき、その調節ハンドル23に連結されたハンドルリンク27は同図の実線で示すように、最も大きな角度で屈曲し、連動バー19を最も左方に移動させる。
【0022】
このとき、右側のハンドルリンク27は、連動バー19に対して最も小さい角度で屈曲した状態となってスリット26の右端に移動し(図1の二点鎖線参照)、そのハンドルリンク27に連結された右側の調節ハンドル23は右方から見て最も右側に位置する。
【0023】
連動バー19が上記のように直線運動するとき、各サーモスタット7、7に連結された各揺動リンク21、21は相互に平行状態を保って揺動する。
【0024】
図1のように、左側の調節ハンドル23がスリット26の左端に位置し、右側の調節ハンドル23がスリット26の右端に位置するとき、それぞれのスリット26の近傍に設定温度が同一となるように同一の目盛を付ける。
【0025】
図1の状態から、左右いずれか一方の調節ハンドル23、23をスライドさせると、ハンドルリンク27、27が連動バー19を移動させ、その移動と共に各揺動リンク21、21が揺動し、各回転調節部材12、12を回転させる。
【0026】
右側の調節ハンドル23が最も右側に移動した場合のハンドルリンク27を二点鎖線で示し、左側に移動した場合を破線で示す。
【0027】
図4は前記のヒーター5とサーモスタット7、7の接続回路であり、各接点11、11は並列に接続されると共に、ヒーター5に対して直列に接続される。
【0028】
なお、パイロットランプ28とその保護抵抗29の直列回路がヒーター5と並列に接続される。
【0029】
第1実施形態は以上のごときものであり、調理プレート6をヒーター5上に載置すると、受熱部材8がその底面に接触して押下げられる。
【0030】
電源を投入するとヒーター5に通電され、調理プレート6が加熱される。調理プレート6の熱は受熱部材8を介して各サーモスタット7に伝達され、所定の動作温度に達すると、各サーモスタット7の各接点11がオフとなり、通電が遮断される。
【0031】
このとき、例えば一方のサーモスタット7の近辺の調理プレート6上に生肉片等の調理物が置かれると、その部分の温度が低下するので該サーモスタット7の接点11がオンとなり、通電が開始される。
【0032】
上記のように、調理プレート6に2つのサーモスタット7、7を設けたことにより、各サーモスタット7は調理プレート6の全面積の半分の面積の部分の熱的変化を検知すればよいので、全面積の熱的変化を1つのサーモスタットで検知する場合に比べて調理プレート6の温度復帰が速くなり、それだけ調理効率が向上する。
【0033】
また、2つの調節ハンドル23により、連動装置18を介して2つのサーモスタット7、7の動作温度を同時に調節することができるので、いずれの調節ハンドル23からでも操作できる便利さがある。
【0034】
次に、図5及び図6に示した第2実施形態は、連動装置18と調節ハンドル23の構造において、前記の場合と相違する。
【0035】
この場合の連動装置18は、調理器本体1の底面2上に設けられた案内部材22によって長さ方向にスライド自在に支持された連動バー19と、連結部材としての連結ピン31(図6(b)参照)とにより構成される。
【0036】
連結ピン31は、バイメタル形式のサーモスタット7の回転調節部材12の下面の偏心位置に下向きに設けられる。上記の連動バー19には各サーモスタット7、7ごとに長さ方向と直角方向の長穴32が形成され、その長穴32に上記の連結ピン31が挿入される。これにより、連動バー19が各サーモスタット7と連結される。連動バー19が長さ方向にスライドすると、上記の連結ピン31が円弧を描きながら半回転し、各サーモスタット7の回転調節部材12を回転させる。
【0037】
調節ハンドル23、23は、調理器本体1の2つの長辺の反対側のコーナ部分に接近して水平方向に取付けられ、各調節ハンドル23のつまみ25が調理器本体1のスリット26から外方に突き出し、そのつまみ25と一体のハンドルレバー33が調理器本体1の底面2上で支点ピン34により水平面内で揺動自在に取付けられる。
【0038】
各ハンドルレバー33が連動バー19の下面に沿う部分において、該ハンドルレバー33の長さ方向に長い長穴35(図6参照)が設けられ、その長穴35に挿入した連結ピン36により各ハンドルレバー33と連動バー19が連結される。
【0039】
上記の両方のハンドルレバー33、33は、図5の破線と二点鎖線で示すように、相互に平行な状態を保って揺動する。
【0040】
第2実施形態は以上のごときものであり、前述の場合と同様に使用されるが、各サーモスタット7の動作温度の調節はいずれか一方の調節ハンドル23のつまみ25を把持して、左右いずれかに移動させると連動バー19がその方向にスライドし、そのスライドに伴い連結ピン31が回動し、各サーモスタット7の動作温度が調節される。
【0041】
次に、図7(a)、(b)に示した第3実施形態は、調節ハンドル23及び連動装置は第2実施形態と同一であるが、サーモスタット7が感熱棒形式である点で相違する。この場合は、受熱部材8を上端開放の案内筒部材37に挿入し、その底面に介在したコイルばね16により上向きに付勢している。上記の受熱部材8の中程に水平方向に貫通穴38が設けられ、またその貫通穴38と合致する上下方向の上端開放の溝39、39が設けられる。その溝39、39と上記の貫通穴38にサーモスタット7の感熱棒41が嵌入され、感熱棒41は上記貫通穴38の内壁に密着される。上記の溝39は受熱部材8と共に感熱棒41が一体となって上下動することを可能にするものである。
【0042】
上記の感熱棒形式のサーモスタット7は周知のものであり、感熱棒41の内部に設けられた金属片42と金属ケース43の熱膨張係数の差により一定以上の温度になると上記金属片42の作動部44が作動し、接点11をオフにさせる。またその接点11をオフにさせる温度を調節するための回転調節部材12が設けられる。
【0043】
上記の回転調節部材12と連動装置18の連結構造は前記の第2実施形態の場合と同じであり、また、作用の点も感熱素子が感熱棒41である点を除き同様である。
【0044】
図8及び図9に示した第4実施形態は連動装置18及び調節ハンドル23において第3実施形態と相違する。即ち、この場合の調節ハンドル23は、調理器本体1の内側において案内レール24により左右方向にスライド可能なラック45と一体化され、そのつまみ25が、調理器本体1の両方の短辺に設けられたスリット26から外部に突き出す。
【0045】
連動装置18は、上記の各ラック45と噛み合うピニオン46と、そのピニオン46と同軸一体の駆動プーリー47と所要数のガイドプーリー48(図8参照)と各サーモスタット7ごとに設けられた従動プーリー49及びこれらの各プーリー47、48、49に掛け渡された無端ベルト51とから成る。
【0046】
上記の従動プーリー49の上面の偏心位置に前記の回転調節部材12の下面に下向きに設けられた連結ピン31が挿入される。
【0047】
第4実施形態は以上のごときものであり、いずれか一方の調節ハンドル23を左右いずれかに移動させると、ラック45、ピニオン46を介して駆動プーリー47が回転し、それに伴って従動プーリー49が回転するので、各サーモスタット7の動作温度が調節される。
【0048】
【発明の効果】
以上のように、この発明は1つの加熱ヒーターに対応して複数のサーモスタットを設け、各サーモスタットの各接点を並列に接続したことにより、各サーモスタットに対応する調理面積が少なくなるので、調理面の温度変化に迅速に対応した加熱を行うことができる。このため、面積の広い調理プレートや肉厚の薄い調理プレートであっても温度復帰を速くすることができ、調理の効率が向上する効果がある。
【0049】
また、調節ハンドルを複数設け、連動装置を介して前記のサーモスタットの動作温度を調節できるようにしたので、調理器の周りに座った者が手近の調節ハンドルにより調節できる便利さがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の横断平面図
【図2】同上のII−II線の断面図
【図3】(a)同上の一部断面図
(b)同上の他の部分の断面図
【図4】同上の回路図
【図5】第2実施形態の平面図
【図6】(a)同上の一部横断平面図
(b)図のb−b線の断面図
【図7】(a)第3実施形態の一部平面図
(b)(a)図のb−b線の断面図
【図8】第4実施形態の横断平面図
【図9】(a)同上の一部横断平面図
(b)(a)図のb−b線の断面図
【符号の説明】
1 調理器本体
2 底面
3 遮熱板
4 取付け足
5 ヒーター
6 調理プレート
7 サーモスタット
8 受熱部材
9 バイメタル
11 接点
12 回転調節部材
13 穴
14 案内脚
15 ばね受け部材
16 コイルばね
17 固定片
18 連動装置
19 連動バー
20 長穴
21 揺動リンク
22 案内部材
23 調節ハンドル
24 案内レール
25 つまみ
26 スリット
27 ハンドルリンク
28 パイロットランプ
29 保護抵抗
31 連結ピン
32 長穴
33 ハンドルレバー
34 支点ピン
35 長穴
36 連結ピン
37 案内筒部材
38 貫通穴
39 溝
41 感熱棒
42 金属片
43 金属ケース
44 作動部
45 ラック
46 ピニオン
47 駆動プーリー
48 ガイドプーリー
49 従動プーリー
51 無端ベルト
【発明の属する技術分野】
この発明は、ホットプレート等の加熱ヒーターを備えた調理器の加熱温度制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ホットプレート等の加熱ヒーターを備えた調理器においては、従来からバイメタル形式或いは感熱棒形式のサーモスタットを備えており、これによりホットプレート等の調理プレート面を所定の設定温度に制御するようになっている。
【0003】
上記のサーモスタットの接点はヒーターに対して直列に接続され、一定以上の温度になるとバイメタル或いは感熱棒等の感熱素子の作用により上記の接点をオフにしてヒーターへの通電を遮断し、逆に一定以下の温度ではオンとなってヒーターへの通電を行う。
【0004】
上記のような加熱温度制御装置を備えた調理器において、調理プレート面を複数の部分に分けて加熱するべく複数のヒーターを設けると共に、各ヒーターごとに温度センサーを設置して、各温度センサーからの検知信号により調理プレート面各部の温度差が少なくなるように通電制御するものが知られている(実開平1−127530号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の調理器においては、1本のヒーターを用いるものにあっては1つのサーモスタットを設け、また複数のヒーターを用いるものにあっては各ヒーターごとに1つのサーモスタットを設ける構造がとられていた。
【0006】
このような調理器の調理面の一部に調理物(例えば生肉片)を置くと、その部分の温度が一時的に低下するが、その部分がサーモスタットから離れた位置にあると、温度低下の検知が遅れ、ヒーターへの通電が遅れる。このため、当該調理面の温度復帰が遅延し、調理の効率が低下する問題が生じる。
【0007】
上記の問題は、調理プレートの面積が大きい場合、その形状が長方形の場合、或いは調理プレートの軽量化のために肉薄に形成され熱容量が小さい場合などにおいて一層顕著になる。
【0008】
そこで、この発明は調理プレート等の面積が大きい等の理由により調理面の温度復帰が遅いという問題を解消し、調理の効率が高い調理器の加熱温度制御装置を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、この発明は加熱用のヒーターと、そのヒーターへの通電を制御するサーモスタットを備え、上記サーモスタットの接点を上記ヒーターに対して直列に接続した調理器の温度制御装置において、上記サーモスタットが複数設けられ、それらのサーモスタットの各接点が並列に接続された構成としたものである。
【0010】
また、上記各サーモスタットに共通の調節ハンドルを複数箇所に設け、上記各調節ハンドルと上記各サーモスタットとの間に連動装置を介在した構成をとることができる。
【0011】
上記の連動装置が直線運動する連動バーと、その連動バーの直線運動に伴って回動する連結部材を有し、上記連動バーの両端部にそれぞれ上記の調節ハンドルを取付け、上記連結部材の他端を上記サーモスタットの回動調節部材に連結した構成とすること、また、上記の連動装置が、上記各調節ハンドルごとに設けられたラック・ピニオン機構、該ピニオンと一体の駆動プーリー、無端ベルト及び各サーモスタットごとの従動プーリーとにより構成され、上記無端ベルトを上記駆動プーリーと各従動プーリーとに掛け渡し、上記従動プーリーの偏心位置に上記サーモスタットの回動調節部材を連結した構成とすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1から図3に示した第1実施形態は、ホットプレートに関するものである。このホットプレートは、図1及び図2に示すように、長方形の調理器本体1の凹入した底面2上に遮熱板3を取付け足4を介して固定し、その遮熱板3上に1本のヒーター5を取付け、そのヒーター5上に長方形の調理プレート6を着脱自在に載置できるようにしている。
【0013】
上記の調理器本体1の底面2上に長さ方向に所要の間隔をおいて2つサーモスタット7、7が設置される。これらの各サーモスタット7は同一規格のものであり、かつ感応温度も同一に設定されている。
【0014】
上記のサーモスタット7は、図3(a)に示すように、バイメタル9、接点11及び温度調節用の回転調節部材12とにより構成された周知のものである。
【0015】
調理プレート6の下面に押し当てられる受熱部材8は、遮熱板3に設けられた穴13に上下動自在に挿通されると共に、その下端の案内脚14が、底面2上に固定されたばね受け部材15に挿通され、そのばね受け部材15との間に介在されたコイルばね16により上向きに付勢され、ヒーター5より若干高く突出する。
【0016】
上記のバイメタル9、接点11及び回転調節部材12によって構成されたサーモスタット7は、上記の受熱部材8に取付けられ、通常の状態では接点11は閉じられオンとなっているが、バイメタル9が熱変形すると(二点鎖線参照)接点11が開放されオフとなって、ヒーター5への通電を遮断する。また、外部からの操作により回転調節部材12が回転されると、上記接点11の固定片17の付勢を加減して接点11がオフになる温度を可変するようになっている。
【0017】
上記の回転調節部材12を回転させる連動装置18は、図1に示すように、前記の2つのサーモスタット7、7に沿って配置された連動バー19と、その連動バー19に各サーモスタット7、7ごと設けられた連結部材としての揺動リンク21とから成る。
【0018】
上記の連動バー19は案内部材22によりその長さ方向に直線往復運動するように案内される。また揺動リンク21の一端に長穴20(図3(a)参照)が設けられ、その長穴20の部分で連動バー19に揺動自在に取付けられると共に、他端が回転調節部材12に連結され、その揺動リンク21の揺動により該回転調節部材12を回動させて、温度調節を行う。
【0019】
また、調理器本体1の対向した2つの短辺側の内側面には調節ハンドル23、23が案内レール24に沿って水平方向にスライド自在に取付けられ、そのつまみ25がスリット26を通して外部に突出される(図3(b)参照)。
【0020】
上記の各調節ハンドル23の内端にハンドルリンク27の一端が水平面内で回動自在に取付けられ、他端が前記の連動バー19に回転自在に取付けられる。
【0021】
図1の左側の調節ハンドル23が調理器本体1の左方から見て、スリット26の左端に移動したとき、その調節ハンドル23に連結されたハンドルリンク27は同図の実線で示すように、最も大きな角度で屈曲し、連動バー19を最も左方に移動させる。
【0022】
このとき、右側のハンドルリンク27は、連動バー19に対して最も小さい角度で屈曲した状態となってスリット26の右端に移動し(図1の二点鎖線参照)、そのハンドルリンク27に連結された右側の調節ハンドル23は右方から見て最も右側に位置する。
【0023】
連動バー19が上記のように直線運動するとき、各サーモスタット7、7に連結された各揺動リンク21、21は相互に平行状態を保って揺動する。
【0024】
図1のように、左側の調節ハンドル23がスリット26の左端に位置し、右側の調節ハンドル23がスリット26の右端に位置するとき、それぞれのスリット26の近傍に設定温度が同一となるように同一の目盛を付ける。
【0025】
図1の状態から、左右いずれか一方の調節ハンドル23、23をスライドさせると、ハンドルリンク27、27が連動バー19を移動させ、その移動と共に各揺動リンク21、21が揺動し、各回転調節部材12、12を回転させる。
【0026】
右側の調節ハンドル23が最も右側に移動した場合のハンドルリンク27を二点鎖線で示し、左側に移動した場合を破線で示す。
【0027】
図4は前記のヒーター5とサーモスタット7、7の接続回路であり、各接点11、11は並列に接続されると共に、ヒーター5に対して直列に接続される。
【0028】
なお、パイロットランプ28とその保護抵抗29の直列回路がヒーター5と並列に接続される。
【0029】
第1実施形態は以上のごときものであり、調理プレート6をヒーター5上に載置すると、受熱部材8がその底面に接触して押下げられる。
【0030】
電源を投入するとヒーター5に通電され、調理プレート6が加熱される。調理プレート6の熱は受熱部材8を介して各サーモスタット7に伝達され、所定の動作温度に達すると、各サーモスタット7の各接点11がオフとなり、通電が遮断される。
【0031】
このとき、例えば一方のサーモスタット7の近辺の調理プレート6上に生肉片等の調理物が置かれると、その部分の温度が低下するので該サーモスタット7の接点11がオンとなり、通電が開始される。
【0032】
上記のように、調理プレート6に2つのサーモスタット7、7を設けたことにより、各サーモスタット7は調理プレート6の全面積の半分の面積の部分の熱的変化を検知すればよいので、全面積の熱的変化を1つのサーモスタットで検知する場合に比べて調理プレート6の温度復帰が速くなり、それだけ調理効率が向上する。
【0033】
また、2つの調節ハンドル23により、連動装置18を介して2つのサーモスタット7、7の動作温度を同時に調節することができるので、いずれの調節ハンドル23からでも操作できる便利さがある。
【0034】
次に、図5及び図6に示した第2実施形態は、連動装置18と調節ハンドル23の構造において、前記の場合と相違する。
【0035】
この場合の連動装置18は、調理器本体1の底面2上に設けられた案内部材22によって長さ方向にスライド自在に支持された連動バー19と、連結部材としての連結ピン31(図6(b)参照)とにより構成される。
【0036】
連結ピン31は、バイメタル形式のサーモスタット7の回転調節部材12の下面の偏心位置に下向きに設けられる。上記の連動バー19には各サーモスタット7、7ごとに長さ方向と直角方向の長穴32が形成され、その長穴32に上記の連結ピン31が挿入される。これにより、連動バー19が各サーモスタット7と連結される。連動バー19が長さ方向にスライドすると、上記の連結ピン31が円弧を描きながら半回転し、各サーモスタット7の回転調節部材12を回転させる。
【0037】
調節ハンドル23、23は、調理器本体1の2つの長辺の反対側のコーナ部分に接近して水平方向に取付けられ、各調節ハンドル23のつまみ25が調理器本体1のスリット26から外方に突き出し、そのつまみ25と一体のハンドルレバー33が調理器本体1の底面2上で支点ピン34により水平面内で揺動自在に取付けられる。
【0038】
各ハンドルレバー33が連動バー19の下面に沿う部分において、該ハンドルレバー33の長さ方向に長い長穴35(図6参照)が設けられ、その長穴35に挿入した連結ピン36により各ハンドルレバー33と連動バー19が連結される。
【0039】
上記の両方のハンドルレバー33、33は、図5の破線と二点鎖線で示すように、相互に平行な状態を保って揺動する。
【0040】
第2実施形態は以上のごときものであり、前述の場合と同様に使用されるが、各サーモスタット7の動作温度の調節はいずれか一方の調節ハンドル23のつまみ25を把持して、左右いずれかに移動させると連動バー19がその方向にスライドし、そのスライドに伴い連結ピン31が回動し、各サーモスタット7の動作温度が調節される。
【0041】
次に、図7(a)、(b)に示した第3実施形態は、調節ハンドル23及び連動装置は第2実施形態と同一であるが、サーモスタット7が感熱棒形式である点で相違する。この場合は、受熱部材8を上端開放の案内筒部材37に挿入し、その底面に介在したコイルばね16により上向きに付勢している。上記の受熱部材8の中程に水平方向に貫通穴38が設けられ、またその貫通穴38と合致する上下方向の上端開放の溝39、39が設けられる。その溝39、39と上記の貫通穴38にサーモスタット7の感熱棒41が嵌入され、感熱棒41は上記貫通穴38の内壁に密着される。上記の溝39は受熱部材8と共に感熱棒41が一体となって上下動することを可能にするものである。
【0042】
上記の感熱棒形式のサーモスタット7は周知のものであり、感熱棒41の内部に設けられた金属片42と金属ケース43の熱膨張係数の差により一定以上の温度になると上記金属片42の作動部44が作動し、接点11をオフにさせる。またその接点11をオフにさせる温度を調節するための回転調節部材12が設けられる。
【0043】
上記の回転調節部材12と連動装置18の連結構造は前記の第2実施形態の場合と同じであり、また、作用の点も感熱素子が感熱棒41である点を除き同様である。
【0044】
図8及び図9に示した第4実施形態は連動装置18及び調節ハンドル23において第3実施形態と相違する。即ち、この場合の調節ハンドル23は、調理器本体1の内側において案内レール24により左右方向にスライド可能なラック45と一体化され、そのつまみ25が、調理器本体1の両方の短辺に設けられたスリット26から外部に突き出す。
【0045】
連動装置18は、上記の各ラック45と噛み合うピニオン46と、そのピニオン46と同軸一体の駆動プーリー47と所要数のガイドプーリー48(図8参照)と各サーモスタット7ごとに設けられた従動プーリー49及びこれらの各プーリー47、48、49に掛け渡された無端ベルト51とから成る。
【0046】
上記の従動プーリー49の上面の偏心位置に前記の回転調節部材12の下面に下向きに設けられた連結ピン31が挿入される。
【0047】
第4実施形態は以上のごときものであり、いずれか一方の調節ハンドル23を左右いずれかに移動させると、ラック45、ピニオン46を介して駆動プーリー47が回転し、それに伴って従動プーリー49が回転するので、各サーモスタット7の動作温度が調節される。
【0048】
【発明の効果】
以上のように、この発明は1つの加熱ヒーターに対応して複数のサーモスタットを設け、各サーモスタットの各接点を並列に接続したことにより、各サーモスタットに対応する調理面積が少なくなるので、調理面の温度変化に迅速に対応した加熱を行うことができる。このため、面積の広い調理プレートや肉厚の薄い調理プレートであっても温度復帰を速くすることができ、調理の効率が向上する効果がある。
【0049】
また、調節ハンドルを複数設け、連動装置を介して前記のサーモスタットの動作温度を調節できるようにしたので、調理器の周りに座った者が手近の調節ハンドルにより調節できる便利さがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の横断平面図
【図2】同上のII−II線の断面図
【図3】(a)同上の一部断面図
(b)同上の他の部分の断面図
【図4】同上の回路図
【図5】第2実施形態の平面図
【図6】(a)同上の一部横断平面図
(b)図のb−b線の断面図
【図7】(a)第3実施形態の一部平面図
(b)(a)図のb−b線の断面図
【図8】第4実施形態の横断平面図
【図9】(a)同上の一部横断平面図
(b)(a)図のb−b線の断面図
【符号の説明】
1 調理器本体
2 底面
3 遮熱板
4 取付け足
5 ヒーター
6 調理プレート
7 サーモスタット
8 受熱部材
9 バイメタル
11 接点
12 回転調節部材
13 穴
14 案内脚
15 ばね受け部材
16 コイルばね
17 固定片
18 連動装置
19 連動バー
20 長穴
21 揺動リンク
22 案内部材
23 調節ハンドル
24 案内レール
25 つまみ
26 スリット
27 ハンドルリンク
28 パイロットランプ
29 保護抵抗
31 連結ピン
32 長穴
33 ハンドルレバー
34 支点ピン
35 長穴
36 連結ピン
37 案内筒部材
38 貫通穴
39 溝
41 感熱棒
42 金属片
43 金属ケース
44 作動部
45 ラック
46 ピニオン
47 駆動プーリー
48 ガイドプーリー
49 従動プーリー
51 無端ベルト
Claims (3)
- 調理プレートの加熱用のヒーターと、その調理プレートの温度を検知して上記ヒーターへの通電を制御するサーモスタットを備え、上記サーモスタットの接点を上記ヒーターに対して直列に接続した調理器の温度制御装置において、上記サーモスタットが所要の間隔をおいて複数設けられ、それらのサーモスタットの受熱部材を該調理プレートの底面に接触させ、上記ヒーターに対し直列に接続された各サーモスタットの接点相互を並列に接続し、上記各サーモスタットに共通の調節ハンドルを複数箇所に設け、上記各調節ハンドルと上記各サーモスタットとの間に連動装置を介在したことを特徴とする調理器の加熱温度制御装置。
- 上記の連動装置が直線運動する連動バーと、その連動バーの直線運動に伴って回動する連結部材を有し、上記連動バーの両端部にそれぞれ上記の調節ハンドルを取付け、上記連結部材の他端を上記サーモスタットの回動調節部材に連結したことを特徴とする請求項1に記載の調理器の加熱温度制御装置。
- 上記の連動装置が、上記各調節ハンドルごとに設けられたラック・ピニオン機構、該ピニオンと一体の駆動プーリー、無端ベルト及び各サーモスタットごとの従動プーリーとにより構成され、上記無端ベルトを上記駆動プーリーと各従動プーリーとに掛け渡し、上記従動プーリーの偏心位置に上記サーモスタットの回動調節部材を連結したことを特徴とする請求項1に記載の調理器の加熱温度制御装置。
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