JP3545539B2 - 機械式立体駐車設備のパレット落下防止装置 - Google Patents
機械式立体駐車設備のパレット落下防止装置 Download PDFInfo
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車載パレットを一対のスライドフォークの伸縮動作により昇降台等の搬送手段と格納棚との間で横送りして移載する機械式立体駐車設備のパレット落下防止装置の改良に関し、特にパレットの格納棚からの落下防止対策に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、エレベータ式立体駐車設備等の機械式立体駐車設備として、入出庫時、エレベータの昇降台等の搬送手段と格納棚との間で車両をパレットごとスライドフォークにて受け渡すようにした機械式立体駐車設備がある。このような機械式立体駐車設備には、格納したパレットが格納棚から落下しないようにパレット落下防止装置を備えている場合がある。
【0003】
例えば特公平4−11709号公報に開示されているパレット落下防止装置は、格納棚(収容ラック)の最奥部に回動自在に取り付けられた規制レバー(アーム部材)を備えてなり、該規制レバーの基端にウェイト部を取り付けてその重量により規制レバーの先端を上方に突出させ、パレット格納状態では、上記格納棚の奥部側であるパレット長辺側の端部に設けた係合部材に上記規制レバーの先端を搬送路側から係合させ、パレットの搬送路側への移動を規制してパレットが格納棚から落下しないようにしている。
【0004】
一方、パレットを昇降台と格納棚との間で移載する際には、上記昇降台を格納棚の側方に位置付けて該昇降台に設けられた3段式の一対のスライドフォークを伸長させ、先端側フォークであるトップフォークの先端で上記規制レバーの先端を下方に押え込んで上記係合部材から離脱させ、パレットの横送りを可能にしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の従来のパレット落下防止装置では、規制レバーは格納棚の最奥部に取り付けられていて、各スライドフォークのトップフォークは各スライドフォークが伸長途中にある時は未だ規制レバーに達せず、該規制レバーは作動しないが、各スライドフォークが完全に伸長しきると初めてトップフォークの先端が規制レバーに達し、該規制レバーがトップフォークで押え込まれて作動するようになっていることから、例えば各スライドフォークの伸縮ストロークにムラがあって伸長時のストロークが正規の伸長ストロークに比べて短い場合、上記規制レバーを十分に押え込むことができず、これでは、パレットを格納棚から昇降台に引き込む時、上記規制レバーが係合部材に係合したままとなっているため、パレットを格納棚から昇降台に引き込むことができなくなる。一方、パレットを昇降台から格納棚に払い出す時には、パレットが上記押え込み不十分な規制レバーに乗り上げて上下方向に変位するため、パレットの移載が不安定になる。
【0006】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、スライドフォークの伸長ストロークが短い場合でも、規制レバーを十分に押え込んでパレットを昇降台等の搬送手段と格納棚との間で確実にかつ安全に横送りして移載しようとすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、規制レバーの設置場所とパレットのレバー係合箇所とを特定したことを特徴とする。
【0008】
具体的には、本発明は、水平方向に伸縮可能な一対のスライドフォークを有し、該両スライドフォークに車両をパレットごと搭載して搬送路に沿って搬送する搬送手段と、上記搬送路の側方に設けられた格納棚とを備え、入出庫時、上記搬送手段を格納棚側方に停止させ、パレット長辺を格納棚側に向けて車両を横向きにした姿勢で車載パレットを上記両スライドフォークの伸縮動作により搬送手段と格納棚との間で横送りして移載する機械式立体駐車設備のパレット落下防止装置を対象とし、次のような解決手段を講じた。
【0009】
すなわち、本発明の第1の解決手段は、規制レバーを上記格納棚の移載方向中央寄りに上下方向に回動自在に設け、上記規制レバーの先端が上方に突出した状態でパレットの2つの車輪乗入部間の中央立上がり部を構成する裏面凹所の縦面に規制レバーを搬送路側から係合させてパレットの搬送路側への移動を規制する。さらに、上記規制レバーを先端が上方に突出するよう回動付勢する付勢手段を設ける。また、押え込み手段を上記各スライドフォーク先端側に設け、該各スライドフォークの伸長動作により上記規制レバーの先端を上記押え込み手段で上記付勢手段の付勢力に抗して下方に押え込み上記パレットの裏面凹所の縦面から離脱させてパレットの横送りを可能にしたことを特徴とする。
【0010】
上記の構成により、本発明の第1の解決手段では、パレットが格納された状態では、規制レバーは、格納棚の移載方向中央寄りで付勢手段により回動付勢されて先端を上方突出させ、パレットの中央立上がり部を構成する裏面凹所の縦面に搬送路側から係合してパレットの搬送路側への移動を規制している。この状態からパレットを格納棚から搬送手段に引き込む時には、一対のスライドフォークが伸長する過程で、該各スライドフォーク先端側に設けられた押え込み手段が上記規制レバーの先端を付勢手段の付勢力に抗して下方に押え込み、この規制レバーの押え込み状態で上記各スライドフォークがさらに伸長して受取り態勢を整え、パレットを搭載した後、今度は収縮してパレットを格納棚から搬送手段に引き込む。このパレット引込み時、上記規制レバーは、各スライドフォーク先端が通過するまで上記押え込み手段によって押え込まれており、各スライドフォーク先端が通過すると先端を上方突出させた元の姿勢に復帰する。
【0011】
このように、規制レバーが格納棚の移載方向中央寄りに設けられ、パレットの中央立上がり部を構成する裏面凹所の縦面に係合することから、各スライドフォークの伸縮ストロークにムラがあって伸長時のストロークが正規の伸長ストロークに比べて短い場合でも、上記規制レバーが押え込み手段によって十分に押え込まれ、規制レバーがパレットの中央立上がり部を構成する裏面凹所の縦面に係合したままとなることがなく、パレットが格納棚から昇降台に確実に引き込まれる。
【0012】
一方、パレットを昇降台から格納棚に払い出す時には、パレットを搭載した各スライドフォークが伸長する過程で、上記の引込みの時と同様に押え込み手段が規制レバーの先端を付勢手段の付勢力に抗して下方に押え込み、この規制レバーの押え込み状態で上記各スライドフォークがさらに伸長して受渡し態勢を整え、パレットを格納棚に移載した後、収縮する。この収縮時、上記規制レバーは、各スライドフォーク先端が通過するまで上記押え込み手段によって押え込まれており、各スライドフォーク先端が通過すると先端を上方突出させた元の姿勢に復帰する。この復帰状態で、上記規制レバーの先端がパレットの中央立上がり部を構成する裏面凹所の縦面に搬送路側から係合し、パレットが落下しないようにその搬送路側への移動を規制する。
【0013】
本発明の第2の解決手段は、第1の解決手段において、規制レバーの回動中心をそのほぼ重心位置に対応して設けたことを特徴とする。
【0014】
上記の構成により、本発明の第2の解決手段では、付勢手段の付勢力が規制レバーに作用しなくなっても、該規制レバーは回動中心と重心位置とがほぼ対応していることにより、基本的には静止状態が保たれることから、例えば縦揺れ地震が起こってそのはずみで付勢手段の付勢力が規制レバーに作用しなくなっても、規制レバーには回動力は働かず、突出姿勢を保ってパレットに対する係合が確保され、パレットが落下しないように移動規制される。なお、従来例として挙げた公報では、規制レバー(アーム部材)の基端にウェイト部を取り付けてその重量により規制レバーの先端を上方に突出させる偏荷重方式を採用しているため、地震等が発生すると上下方向に激しいバタつきが発生し、規制レバーがパレットから外れてパレットが落下するおそれがある。
【0015】
本発明の第3の解決手段は、第1の解決手段において、パレットを搭載する搭載板を各スライドフォーク先端側上面に設ける。さらに、該搭載板に外側方に延出する延出部を設け、該延出部でもって押え込み手段を構成したことを特徴とする。
【0016】
上記の構成により、本発明の第3の解決手段では、パレットを搭載する搭載板の一部で押え込み手段が構成されていることから、部品の共用化が図られてその分だけ費用が掛からず、構造もシンプルとなる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0018】
図17は本発明の実施の形態に係るパレット落下防止装置を備えた機械式立体駐車設備としての下部乗入れ方式のエレベータ式立体駐車設備Aを示す。同図において、1は建物、2,2,…は、該建物1内部の下端部分及び上端部分を除くスペースの左右両側に階層状に設けられた複数段の格納スペースであって、該各格納スペース2には格納棚3が設置され、該格納棚3には車両Cを搭載するパレットPが載置されている。
【0019】
上記左右両側の格納スペース2,2の間には、上下方向に延びる搬送路としてのエレベータ昇降路4が設けられ、上記各格納棚3がこのエレベータ昇降路4の両側方に上下方向に所定の間隔をあけて列設されている。上記エレベータ昇降路4には、エレベータ5を構成する搬送手段としての昇降台6がその四隅を4本のワイヤロープ7,7,…の一端に連結せしめて昇降可能に吊り下げられて配置され、入出庫時、上記昇降台6を目的の格納棚3の側方に上昇させて該格納棚3との間で車両CをパレットPごと受け渡すようになされている。なお、8,8,8は従動プーリ、9は図示しないモータにより駆動させる駆動プーリ、10はワイヤロープ7の他端に連結されたバランスウェイトであり、該各従動プーリ8、駆動プーリ9は建物1内部の上端部分のスペースを機械室11として該機械室11に設置されている。
【0020】
上記建物1の下端には、車両Cが入出庫する入出庫口12が形成され、該入出庫口12の奥部には、上記エレベータ昇降路4に続く車両入出庫スペース13が設けられている。上記エレベータ昇降路4下端の床面にはピット14が凹設され、該ピット14内には、ベース本体15に旋回台16が設けられた旋回装置17が設置され、該旋回装置17の作動により、旋回台16上のパレットPに乗り入れた車両Cの向きを方向変換するようになされている。そして、上記エレベータ5及び旋回装置17等により、車両Cを入出庫するエレベータ式立体駐車装置Bを構成している。
【0021】
図9に示すように、上記建物1は、地面に立設された4本の支柱18,18,…や、相隣る支柱18,18間に水平に橋絡された多数本の梁19,19,…等の鋼材によって組み付けられた鉄骨構造体と、該鉄骨構造体の外側に設けられた外装パネル(図示せず)等からなり、上記各格納棚3は、各格納スペース2の両サイドに水平に設けられた2本の棚レール3a,3aで構成され、パレットPの短辺側両端を該両棚レール3a,3aで下方から支持して車載パレットPを格納スペース2に格納するようになっている。図9中、20は上記各棚レール3aの一端が取り付けられる棚柱である。
【0022】
上記昇降台6は、2本の縦フレーム21,21と2本の横フレーム22,22とで枠組まれた昇降台本体23を備えてなり、該昇降台本体23の中程には、2本の縦フレーム24,24と2本の横フレーム25,25とで枠組まれた支持枠26が昇降台本体23に対して上方移動可能に取り付けられ、該支持枠26の四隅には上記旋回装置17で車両Cを方向変換する際にパレットPを旋回装置17との間で搭載支持する受け部27,27,…が取り付けられている。上記昇降台本体23の前後両端には支持フレーム28,28が取り付けられ、該各支持フレーム28の両端に上記各ワイヤロープ7の一端が連結され、昇降台6がエレベータ昇降路4に吊下げ支持されている。図10にも示すように、上記各支持フレーム28の両端にはガイドローラ29,29がブラケット30によって支持され、該各ガイドローラ29は上記各棚柱20であるH形鋼のフランジ20aに係合し、昇降台6の昇降動作に伴って該フランジ20aを上下方向に転動するようになっている。なお、上記昇降台本体23の車両乗降り側である前端(図9下端)には、車両C及び人が乗り降りする乗降デッキ31が設けられている。
【0023】
上記昇降台6(昇降台本体23)の両支持フレーム28,28の内側には、水平方向に伸縮可能な一対のスライドフォーク32,32がそれぞれ設置され、昇降台6は該両スライドフォーク32,32に車両CをパレットPごと搭載して上記エレベータ昇降路4を昇降するようになっている。
【0024】
図11及び図12にも示すように、上記各スライドフォーク32は、昇降台本体23の縦フレーム21,21に固定されたベースフォーク33を備えてなり、該ベースフォーク33は平行に配置された2つのベースフレーム33a,33aをプレート33bで連結して構成され、上記各ベースフォーク33aの内側には複数個のガイドローラ34,35が所定間隔をあけて転動自在に取り付けられている。
【0025】
上記ベースフォーク33にはミドルフォーク36が移動可能に支持され、該ミドルフォーク36は、平行に配置された2つのミドルフレーム36a,36aをプレート36bで連結して構成され、該両ミドルフレーム36a,36aを上記ベースフォーク33の各ガイドローラ34,35に案内せしめてベースフォーク33に対し進退するようになっている。
【0026】
上記ミドルフォーク36には、空パレットP又は車載パレットPを搭載するトップフォーク37が移動可能に支持され、該トップフォーク37の両サイド外側には上記ベースフォーク33と同様に複数個のガイドローラ34,35が所定間隔をあけて転動自在に取り付けられ、上記トップフォーク37のミドルフォーク36に対する進退動作を上記各ガイドローラ34,35によって案内するようになっている。
【0027】
図13にも示すように、上記各ベースフォーク33の裏側には3個のスプロケット38,39,40が配置され、該各スプロケット38,39,40にはチェーン41が巻き掛けられ、該チェーン41の両端は上記ミドルフォーク36の前後両端にそれぞれ連結されている。また、上記ミドルフォーク36の裏側には2個のスプロケット42,43が配置され、そのうち先端側のスプロケット42にはチェーン44が巻き掛けられ、該チェーン44の両端は上記ベースフォーク33及びトップフォーク37の基端にそれぞれ連結されている一方、上記他の基端側のスプロケット43にも別のチェーン45が巻き掛けられ、該チェーン45の一端は上記ベースフォーク33及びトップフォーク37の先端にそれぞれ連結されている。
【0028】
上記一対の両ベースフォーク33,33のスプロケット38,38にはシャフト46の両端が連結され、該シャフト46には従動スプロケット47が取り付けられている一方、上記昇降台6の昇降台本体23には、出力軸48aに駆動スプロケット49が取り付けられた駆動モータ48が設置され、該駆動スプロケット49と上記従動スプロケット47にはエンドレスチェーン50が巻き掛けられている。そして、入出庫時、昇降台6を格納棚3側方に停止させ、駆動モータ48の正転・逆転動作によって3本のチェーン41,44,45を走行させることにより、ミドルフォーク36及びトップフォーク37をその両側の格納棚3,3の一方側で進退させ、この進退動作つまり両スライドフォーク32,32の伸縮動作及び後述する位置決め装置57による上下動作により、パレット長辺を格納棚3側に向けて車両Cを横向きにした姿勢で車載パレットPを上記昇降台6と格納棚3との間で横送りして移載するようになされている。
【0029】
上記各格納棚3側の両棚柱20,20には、転動自在なローラ51が取付金具52によって各格納棚3に対応して複数個取り付けられ、一方、上記昇降台6側の前後2つの支持フレーム28,28両端にはスライドガイド53が1つずつ取り付けられ、該各スライドガイド53の基端には流体圧シリンダ54が設置されている。図14に拡大詳示するように、該流体圧シリンダ54の水平方向に延びるピストンロッド54a先端にはプレート状の案内部材55が連結金具55aによって連結され、上記流体圧シリンダ54の伸縮作動により上記案内部材55をスライドガイド53の上下のガイド溝53a,53aに沿って水平方向に進退させるようになっている。
【0030】
上記案内部材55の先端には、上記ローラ51を係合案内する案内溝56が形成され、該案内溝56は、水平方向に延びる第1案内溝部56aと、該第1案内溝部56aに連続し溝奥に向かって斜め下方に延びる第2案内溝部56bとからなり、上記第1案内溝部56aの開放端部には溝幅を外側に向かって拡大する傾斜面56cが形成されている。
【0031】
そして、上記ローラ51、案内部材55及び流体圧シリンダ54により位置決め装置57が構成され、該位置決め装置57は、車両Cを搬出入しようとする格納棚3側とその反対側の格納棚3側とに2つずつ所定間隔をあけて設けられている。そして、昇降台6が格納棚3の側方に停止した状態で、上記昇降台6の四隅の4つの案内部材55,55,…を各流体圧シリンダ54の同期した伸長作動により進出させ、その進出動作に伴ってその案内溝56の傾斜面56cをガイドとして上記ローラ51を第1案内溝部56aに係合させることにより、図16(b)に示すように、両スライドフォーク32,32の各トップフォーク37の車両搭載レベルLf を格納棚3の車両載置レベルLt よりも低い位置に変位させて位置決めしたり、さらに、この位置決め状態から上記各流体圧シリンダ54の同期した伸長作動により上記案内部材55を進出させてローラ51を案内部材55の第2案内溝部56bに係合させることにより、図16(d)に示すように、両スライドフォーク32,32の各トップフォーク37の車両搭載レベルLf を格納棚3の車両載置レベルLt よりも高い位置に変位させて位置決めし、これにより昇降台6を上下方向に2段階に位置決めするようになっている。
【0032】
図1〜6に示すように、上記格納棚3の各棚レール3aには、本発明の特徴とするパレット落下防止装置Dが設置されている。該パレット落下防止装置Dは、上記各棚レール3aの移載方向中央寄りに回動軸58によって上下方向に回動自在に取り付けられた規制レバー59を備えてなり、該規制レバー59は、先端側に摺接板59aを有し、上記回動軸58によって回動中心Oがそのほぼ重心位置に対応するように取り付けられている。上記規制レバー59の回動中心O近くには、規制レバー59の回動を規制するストッパー60が取り付けられ、該ストッパー60には付勢手段としてのコイルスプリング61の一端が連結され、該コイルスプリング61の他端は上記棚レール3aにピン62によって連結され、上記規制レバー59を先端が棚レール3a上方に突出するようにコイルスプリング61のばね力によって回動付勢し、かつ規制レバー59がそれ以上回動しないようにストッパー60を棚レール3aの縦壁部3b下端の下壁部3cに下方から当接させている。この状態で、規制レバー59は格納棚3の奥部側に傾斜した姿勢でその先端を棚レール3aから上方に突出させている。そして、上記規制レバー59の先端が上方に突出した状態で、パレットPの2つの車輪乗入部p1,p1間の中央立上がり部p2を構成する裏面凹所p3の縦面p4に上記規制レバー59の先端をエレベータ昇降路4側から係合させてパレットPのエレベータ昇降路4側への移動を規制するようになっている。なお、これとは逆にパレットPの格納棚3奥部側への移動規制は、棚レール3a奥部側の端部に上方突出した張出部3eによって行うようになっている。図1及び図2中、64は棚レール3a前端を棚柱20に取り付けるためのブラケットであり、棚レール3a後端は梁19にブラケット65によって取り付けられている。
【0033】
一方、上記各スライドフォーク32の先端側であるトップフォーク37は、2つの断面「コ」の字形の鋼材からなるトップフレーム37a,37aを平行に配置し、該両トップフレーム37a,37aの上面は、パレットPを搭載する搭載板37bによって橋絡されている。該搭載板37bには、外側方に延出する押え込み手段としての延出部37cが一体に形成され、上記各スライドフォーク32の伸長動作により上記規制レバー59の先端(摺接板59a)を上記延出部37c下面で上記コイルスプリング61のばね力に抗して下方に押え込み、上記パレットPの裏面凹所p3の縦面p4から離脱させてパレットPの横送りを可能にするようになっている。
【0034】
また、上記パレットPの短辺側両端の下面には、移動規制手段としての内方に折れ曲がった規制フレーム63が取り付けられ、該規制フレーム63の上側水平フレーム部63a及び下側水平フレーム部63bを上記各棚レール3aの縦壁部3b上端の上壁部3dに係合させてパレットPの上下方向への移動を規制するとともに、規制フレーム63の縦フレーム部63cを各棚レール3aの上壁部3d外端に係合させてパレットPの移載方向と水平に直交する方向つまり左右方向への移動を規制するようになっている。
【0035】
次に、上述の如く構成されたエレベータ式立体駐車設備Aにおいて、車両Cを入出庫する要領と、その際におけるパレット落下防止装置Dの作動について説明する。
【0036】
<入庫>
まず、入出庫口12から車両入出庫スペース13に進入した入庫車両Cが下降待機中のエレベータ5の昇降台6上の空パレットPに乗り入れ、出庫に備えてつまり前進で退出できるように車両旋回装置17の作動により車両Cの向きを方向変換した後、上記昇降台6を入庫しようとする目的の格納棚3の側方に上昇させる(図15(a)参照)。この状態で、入庫車両Cは両スライドフォーク32,32つまり両トップフォーク37,37の搭載板37bに搭載され、両スライドフォーク32,32の各トップフォーク37の車両搭載レベルLf は、格納棚3(棚レール3a)の車両載置レベルLt よりも下方に位置している。なお、上記昇降台6の四隅に設けられた4つの案内部材55,55,…は、格納棚3側のローラ51,51,…に干渉しないように後退している。一方、パレット落下防止装置Dの規制レバー59は、コイルスプリング61のばね力とストッパー60の回動規制とにより格納棚3の奥部側に傾斜した姿勢でその先端を棚レール3aから上方に突出させている(図7(a)参照)。
【0037】
次いで、4基の流体圧シリンダ54,54,…を同期して伸長作動させ、4つの案内部材55,55,…を両側の格納棚3,3側に進出させ、該各案内部材55の第1案内溝部56aを経て第2案内溝部56bに一気に係合させる(図15(b)参照)。これにより、両スライドフォーク32,32の各トップフォーク37の車両搭載レベルLf が格納棚3の車両載置レベルLt よりも高くなり、この状態で昇降台6が4つの位置決め装置57,57,…によって四方から安定して水平に位置決めされる。
【0038】
その後、両スライドフォーク32,32を駆動モータ48の駆動により伸長させ、入庫車両CをパレットPごと格納スペース2に移載する(図15(c)参照)。この際、各トップフォーク37の搭載板37bの延出部37c下面が規制レバー59の先端(摺接板59a)を下方に押え込みながら摺動するので、パレットPは規制レバー59と干渉しない。また、両スライドフォーク32,32の各トップフォーク37は上述の如く格納棚3の棚レール3a上方に距離を隔てて位置しているので、移載時にパレットPは格納棚3(棚レール3a)と干渉しない(図7(b)参照)。
【0039】
しかる後、上記各案内部材55を各流体圧シリンダ54の収縮作動により後退させ、各ローラ51を各案内部材55の第2案内溝部56bから第1案内溝部56aに切換え係合させる(図15(d)参照)。これにより、両スライドフォーク32,32の各トップフォーク37の車両搭載レベルLf が格納棚3の車両載置レベルLt よりも低くなり、入庫車両CがパレットPごと格納棚3に受け渡される。このトップフォーク37の下降に伴い、規制レバー59の先端(摺接板59a)がさらに下方に押え込まれる(図7(c)参照)。
【0040】
その後、上記両スライドフォーク32,32を駆動モータ48の駆動により収縮させた後(図15(e)参照)、上記各案内部材55を各流体圧シリンダ54の収縮作動により後退させて各ローラ51を案内溝56から離脱させる(図15(f)参照)。これにより、トップフォーク37の搭載板37bの延出部37cが規制レバー59の先端(搭載板59a)から離れ、該規制レバー59がコイルスプリング61のばね力とストッパー60の回動規制とにより格納棚3の奥部側に傾斜した姿勢でその先端を棚レール3aから上方に突出し、パレットPの中央立上がり部p2の裏面凹所p3の縦面p4にエレベータ昇降路4側から係合してパレットPの落下を防止する(図7(d)参照)。また、この状態で、パレットP短辺側両端の規制フレーム63,63が各棚レール3aに係合し、パレットPの上下方向及び移載方向と水平に直交する方向(左右方向)への移動を規制している。続いて入庫がある場合には昇降台6を車両入出庫スペース13の側方まで下降させる一方、出庫がある場合には昇降台6を目的の出庫車両Cが格納されている格納棚3の側方まで昇降させる。
【0041】
<出庫>
まず、空の昇降台6を出庫車両Cが格納されている格納スペース2の格納棚3側方まで昇降させる。この状態で、両スライドフォーク32,32の各トップフォーク37の車両搭載レベルLf は、格納棚3(棚レール3a)の車両載置レベルLt よりも下方に位置している。なお、上記昇降台6の四隅に設けられた4つの案内部材55,55,…は、格納棚3側のローラ51,51,…に干渉しないように後退している(図16(a)参照)。一方、パレット落下防止装置Dの規制レバー59は、コイルスプリング61のばね力とストッパー60の回動規制とにより格納棚3の奥部側に傾斜した姿勢でその先端を棚レール3aから上方に突出し、パレットPの中央立上がり部p2の裏面凹所p3の縦面p4にエレベータ昇降路4側から係合してパレットPの落下を防止している(図8(a)参照)。
【0042】
次いで、4基の流体圧シリンダ54,54,…を同期して伸長作動させ、4つの案内部材55,55,…を両側の格納棚3,3側に進出させ、該各案内部材55の第1案内溝部56aに係合させる(図16(b)参照)。これにより、昇降台6が4つの位置決め装置57,57,…によって四方から安定して水平に位置決めされる。
【0043】
その後、両スライドフォーク32,32を駆動モータ48の駆動により伸長させる(図16(c)参照)。この際、トップフォーク37の搭載板37bの延出部37c下面が規制レバー59の先端(摺接板59a)を下方に押え込みながら摺動するので、パレットPは規制レバー59と干渉しない。また、両スライドフォーク32,32の各トップフォーク37は上述の如く格納棚3の下方に距離を隔てて位置しているので、伸長時にトップフォーク37はパレットPと干渉しない(図8(b)参照)。
【0044】
しかる後、上記各案内部材55を各流体圧シリンダ54の伸長作動によりさらに進出させ、各ローラ51を各案内部材55の第1案内溝部56aから第2案内溝部56bに切換え係合させる(図16(d)参照)。これにより、両スライドフォーク32,32の各トップフォーク37の車両搭載レベルLf が格納棚3の車両載置レベルLt よりも高くなり、出庫車両CがパレットPごとスライドフォーク32に受け渡され、トップフォーク37の搭載板37bに搭載される。このトップフォーク37の上昇に伴い、規制レバー59の先端(摺接板59a)が上方に僅かに起き上がる(図7(c)参照)。
【0045】
その後、上記両スライドフォーク32,32を駆動モータ48の駆動により収縮させて出庫車両Cを昇降台6に移載した後(図16(e)参照)、上記各案内部材55を各流体圧シリンダ54の収縮作動により後退させ、各ローラ51を案内溝56の第2案内溝部56bから第1案内溝部56aを経て一気に離脱させ(図16(f)参照)、昇降台6を車両入出庫スペース13の側方に下降させ、入出庫口12から退出させる。これにより、トップフォーク37の搭載板37bの延出部37cが規制レバー59の先端(摺接板59a)から離れ、該規制レバー59がコイルスプリング61のばね力とストッパー60の回動規制とにより格納棚3の奥部側に傾斜した姿勢でその先端を棚レール3aから上方に突出する(図8(d)参照)。引き続いて出庫がある場合には目的の出庫車両Cが格納されている格納棚3の側方まで上昇して上述の如き要領にて出庫車両Cを出庫する一方、入庫がある場合にはそのまま下降した状態で入庫車両Cを搭載して上記の<入庫>で説明した要領にて入庫する。
【0046】
このように、本例では、各トップフォーク37の伸長過程で規制レバー59を搭載板37bの延出部37cで押え込むようにしていることから、各スライドフォーク32の伸縮ストロークにムラがあって伸長時のストロークが正規の伸長ストロークに比べて短い場合でも、上記規制レバー59を十分に押え込むことができ、パレットPを昇降台6と格納棚3との間で確実にかつ安全に横送りして移載することができる。
【0047】
また、規制レバー59の回動中心Oとその重心位置とをほぼ同じ位置にしたので、地震等の衝撃でコイルスプリング61が外れても、規制レバー59を元の位置に動かないように保持してパレットPが落下しないように係合状態を確保することができる。
【0048】
さらに、規制レバー59を押え込む押え込み手段を搭載板37bの一部である延出部37cで構成したので、部品の共用化を図ってその分だけ費用を低減することができ、構造もシンプルにすることができる。
【0049】
また、パレットPの短辺側両端に設けた規制フレーム63を棚レール3aに係合させてパレットPの上下方向及び移載方向と水平に直交する方向への移動を規制するようにしたので、格納状態のさらなる安定化を図ることができる。
【0050】
なお、本例では、機械式立体駐車設備がエレベータ式立体駐車設備である場合を示したが、スライドフォークを備えたものであれば走行台車が搬送路を走行する場合にも適用することができるものである。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、規制レバーを格納棚の移載方向中央寄りに上下方向に回動自在に設け、該規制レバーの先端突出部をパレットの2つの車輪乗入部間の中央立上がり部を構成する裏面凹所の縦面に搬送路側から係合させてパレットの搬送路側への移動を規制するようにしたので、スライドフォークの伸長ストロークが短い場合でも、規制レバーを十分に押え込んでパレットを昇降台等の搬送手段と格納棚との間で確実にかつ安全に横送りして移載することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パレット落下防止装置が取り付けられた棚レールの側面図である。
【図2】パレット落下防止装置が取り付けられた棚レールの平面図である。
【図3】パレット落下防止装置の側面図である。
【図4】図3のIV−IV線における断面図である。
【図5】格納スペースに格納された状態のパレットの斜視図である。
【図6】格納スペースに格納された状態のパレットを一部破断してパレット落下防止装置を露呈させた斜視図である。
【図7】(a)〜(d)はパレットを昇降台から格納棚に払い出す時のパレット落下防止装置の作動図である。
【図8】(a)〜(d)はパレットを格納棚から昇降台に引き込む時のパレット落下防止装置の作動図である。
【図9】エレベータ式立体駐車設備の横断平面図である。
【図10】昇降台の側面図である。
【図11】スライドフォークの平面図である。
【図12】スライドフォークの側面図である。
【図13】スライドフォークの伸縮機構を示す斜視図である。
【図14】位置決め装置の側面図である。
【図15】(a)〜(f)は車両の入庫手順を示す説明図である。
【図16】(a)〜(f)は車両の出庫手順を示す説明図である。
【図17】エレベータ式立体駐車設備の概略構成図である。
【符号の説明】
3 格納棚
3a 棚レール
4 エレベータ昇降路(搬送路)
6 昇降台(搬送手段)
32 スライドフォーク
37b 搭載板
37c 延出部(押え込み手段)
59 規制レバー
61 コイルスプリング(付勢手段)
63 移動規制手段
A エレベータ式立体駐車設備(機械式立体駐車設備)
C 車両
D パレット落下防止装置
O 規制レバーの回動中心
P パレット
p1 車輪乗入部
p2 中央立上がり部
p3 裏面凹所
p4 縦面
【発明の属する技術分野】
本発明は、車載パレットを一対のスライドフォークの伸縮動作により昇降台等の搬送手段と格納棚との間で横送りして移載する機械式立体駐車設備のパレット落下防止装置の改良に関し、特にパレットの格納棚からの落下防止対策に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、エレベータ式立体駐車設備等の機械式立体駐車設備として、入出庫時、エレベータの昇降台等の搬送手段と格納棚との間で車両をパレットごとスライドフォークにて受け渡すようにした機械式立体駐車設備がある。このような機械式立体駐車設備には、格納したパレットが格納棚から落下しないようにパレット落下防止装置を備えている場合がある。
【0003】
例えば特公平4−11709号公報に開示されているパレット落下防止装置は、格納棚(収容ラック)の最奥部に回動自在に取り付けられた規制レバー(アーム部材)を備えてなり、該規制レバーの基端にウェイト部を取り付けてその重量により規制レバーの先端を上方に突出させ、パレット格納状態では、上記格納棚の奥部側であるパレット長辺側の端部に設けた係合部材に上記規制レバーの先端を搬送路側から係合させ、パレットの搬送路側への移動を規制してパレットが格納棚から落下しないようにしている。
【0004】
一方、パレットを昇降台と格納棚との間で移載する際には、上記昇降台を格納棚の側方に位置付けて該昇降台に設けられた3段式の一対のスライドフォークを伸長させ、先端側フォークであるトップフォークの先端で上記規制レバーの先端を下方に押え込んで上記係合部材から離脱させ、パレットの横送りを可能にしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の従来のパレット落下防止装置では、規制レバーは格納棚の最奥部に取り付けられていて、各スライドフォークのトップフォークは各スライドフォークが伸長途中にある時は未だ規制レバーに達せず、該規制レバーは作動しないが、各スライドフォークが完全に伸長しきると初めてトップフォークの先端が規制レバーに達し、該規制レバーがトップフォークで押え込まれて作動するようになっていることから、例えば各スライドフォークの伸縮ストロークにムラがあって伸長時のストロークが正規の伸長ストロークに比べて短い場合、上記規制レバーを十分に押え込むことができず、これでは、パレットを格納棚から昇降台に引き込む時、上記規制レバーが係合部材に係合したままとなっているため、パレットを格納棚から昇降台に引き込むことができなくなる。一方、パレットを昇降台から格納棚に払い出す時には、パレットが上記押え込み不十分な規制レバーに乗り上げて上下方向に変位するため、パレットの移載が不安定になる。
【0006】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、スライドフォークの伸長ストロークが短い場合でも、規制レバーを十分に押え込んでパレットを昇降台等の搬送手段と格納棚との間で確実にかつ安全に横送りして移載しようとすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、規制レバーの設置場所とパレットのレバー係合箇所とを特定したことを特徴とする。
【0008】
具体的には、本発明は、水平方向に伸縮可能な一対のスライドフォークを有し、該両スライドフォークに車両をパレットごと搭載して搬送路に沿って搬送する搬送手段と、上記搬送路の側方に設けられた格納棚とを備え、入出庫時、上記搬送手段を格納棚側方に停止させ、パレット長辺を格納棚側に向けて車両を横向きにした姿勢で車載パレットを上記両スライドフォークの伸縮動作により搬送手段と格納棚との間で横送りして移載する機械式立体駐車設備のパレット落下防止装置を対象とし、次のような解決手段を講じた。
【0009】
すなわち、本発明の第1の解決手段は、規制レバーを上記格納棚の移載方向中央寄りに上下方向に回動自在に設け、上記規制レバーの先端が上方に突出した状態でパレットの2つの車輪乗入部間の中央立上がり部を構成する裏面凹所の縦面に規制レバーを搬送路側から係合させてパレットの搬送路側への移動を規制する。さらに、上記規制レバーを先端が上方に突出するよう回動付勢する付勢手段を設ける。また、押え込み手段を上記各スライドフォーク先端側に設け、該各スライドフォークの伸長動作により上記規制レバーの先端を上記押え込み手段で上記付勢手段の付勢力に抗して下方に押え込み上記パレットの裏面凹所の縦面から離脱させてパレットの横送りを可能にしたことを特徴とする。
【0010】
上記の構成により、本発明の第1の解決手段では、パレットが格納された状態では、規制レバーは、格納棚の移載方向中央寄りで付勢手段により回動付勢されて先端を上方突出させ、パレットの中央立上がり部を構成する裏面凹所の縦面に搬送路側から係合してパレットの搬送路側への移動を規制している。この状態からパレットを格納棚から搬送手段に引き込む時には、一対のスライドフォークが伸長する過程で、該各スライドフォーク先端側に設けられた押え込み手段が上記規制レバーの先端を付勢手段の付勢力に抗して下方に押え込み、この規制レバーの押え込み状態で上記各スライドフォークがさらに伸長して受取り態勢を整え、パレットを搭載した後、今度は収縮してパレットを格納棚から搬送手段に引き込む。このパレット引込み時、上記規制レバーは、各スライドフォーク先端が通過するまで上記押え込み手段によって押え込まれており、各スライドフォーク先端が通過すると先端を上方突出させた元の姿勢に復帰する。
【0011】
このように、規制レバーが格納棚の移載方向中央寄りに設けられ、パレットの中央立上がり部を構成する裏面凹所の縦面に係合することから、各スライドフォークの伸縮ストロークにムラがあって伸長時のストロークが正規の伸長ストロークに比べて短い場合でも、上記規制レバーが押え込み手段によって十分に押え込まれ、規制レバーがパレットの中央立上がり部を構成する裏面凹所の縦面に係合したままとなることがなく、パレットが格納棚から昇降台に確実に引き込まれる。
【0012】
一方、パレットを昇降台から格納棚に払い出す時には、パレットを搭載した各スライドフォークが伸長する過程で、上記の引込みの時と同様に押え込み手段が規制レバーの先端を付勢手段の付勢力に抗して下方に押え込み、この規制レバーの押え込み状態で上記各スライドフォークがさらに伸長して受渡し態勢を整え、パレットを格納棚に移載した後、収縮する。この収縮時、上記規制レバーは、各スライドフォーク先端が通過するまで上記押え込み手段によって押え込まれており、各スライドフォーク先端が通過すると先端を上方突出させた元の姿勢に復帰する。この復帰状態で、上記規制レバーの先端がパレットの中央立上がり部を構成する裏面凹所の縦面に搬送路側から係合し、パレットが落下しないようにその搬送路側への移動を規制する。
【0013】
本発明の第2の解決手段は、第1の解決手段において、規制レバーの回動中心をそのほぼ重心位置に対応して設けたことを特徴とする。
【0014】
上記の構成により、本発明の第2の解決手段では、付勢手段の付勢力が規制レバーに作用しなくなっても、該規制レバーは回動中心と重心位置とがほぼ対応していることにより、基本的には静止状態が保たれることから、例えば縦揺れ地震が起こってそのはずみで付勢手段の付勢力が規制レバーに作用しなくなっても、規制レバーには回動力は働かず、突出姿勢を保ってパレットに対する係合が確保され、パレットが落下しないように移動規制される。なお、従来例として挙げた公報では、規制レバー(アーム部材)の基端にウェイト部を取り付けてその重量により規制レバーの先端を上方に突出させる偏荷重方式を採用しているため、地震等が発生すると上下方向に激しいバタつきが発生し、規制レバーがパレットから外れてパレットが落下するおそれがある。
【0015】
本発明の第3の解決手段は、第1の解決手段において、パレットを搭載する搭載板を各スライドフォーク先端側上面に設ける。さらに、該搭載板に外側方に延出する延出部を設け、該延出部でもって押え込み手段を構成したことを特徴とする。
【0016】
上記の構成により、本発明の第3の解決手段では、パレットを搭載する搭載板の一部で押え込み手段が構成されていることから、部品の共用化が図られてその分だけ費用が掛からず、構造もシンプルとなる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0018】
図17は本発明の実施の形態に係るパレット落下防止装置を備えた機械式立体駐車設備としての下部乗入れ方式のエレベータ式立体駐車設備Aを示す。同図において、1は建物、2,2,…は、該建物1内部の下端部分及び上端部分を除くスペースの左右両側に階層状に設けられた複数段の格納スペースであって、該各格納スペース2には格納棚3が設置され、該格納棚3には車両Cを搭載するパレットPが載置されている。
【0019】
上記左右両側の格納スペース2,2の間には、上下方向に延びる搬送路としてのエレベータ昇降路4が設けられ、上記各格納棚3がこのエレベータ昇降路4の両側方に上下方向に所定の間隔をあけて列設されている。上記エレベータ昇降路4には、エレベータ5を構成する搬送手段としての昇降台6がその四隅を4本のワイヤロープ7,7,…の一端に連結せしめて昇降可能に吊り下げられて配置され、入出庫時、上記昇降台6を目的の格納棚3の側方に上昇させて該格納棚3との間で車両CをパレットPごと受け渡すようになされている。なお、8,8,8は従動プーリ、9は図示しないモータにより駆動させる駆動プーリ、10はワイヤロープ7の他端に連結されたバランスウェイトであり、該各従動プーリ8、駆動プーリ9は建物1内部の上端部分のスペースを機械室11として該機械室11に設置されている。
【0020】
上記建物1の下端には、車両Cが入出庫する入出庫口12が形成され、該入出庫口12の奥部には、上記エレベータ昇降路4に続く車両入出庫スペース13が設けられている。上記エレベータ昇降路4下端の床面にはピット14が凹設され、該ピット14内には、ベース本体15に旋回台16が設けられた旋回装置17が設置され、該旋回装置17の作動により、旋回台16上のパレットPに乗り入れた車両Cの向きを方向変換するようになされている。そして、上記エレベータ5及び旋回装置17等により、車両Cを入出庫するエレベータ式立体駐車装置Bを構成している。
【0021】
図9に示すように、上記建物1は、地面に立設された4本の支柱18,18,…や、相隣る支柱18,18間に水平に橋絡された多数本の梁19,19,…等の鋼材によって組み付けられた鉄骨構造体と、該鉄骨構造体の外側に設けられた外装パネル(図示せず)等からなり、上記各格納棚3は、各格納スペース2の両サイドに水平に設けられた2本の棚レール3a,3aで構成され、パレットPの短辺側両端を該両棚レール3a,3aで下方から支持して車載パレットPを格納スペース2に格納するようになっている。図9中、20は上記各棚レール3aの一端が取り付けられる棚柱である。
【0022】
上記昇降台6は、2本の縦フレーム21,21と2本の横フレーム22,22とで枠組まれた昇降台本体23を備えてなり、該昇降台本体23の中程には、2本の縦フレーム24,24と2本の横フレーム25,25とで枠組まれた支持枠26が昇降台本体23に対して上方移動可能に取り付けられ、該支持枠26の四隅には上記旋回装置17で車両Cを方向変換する際にパレットPを旋回装置17との間で搭載支持する受け部27,27,…が取り付けられている。上記昇降台本体23の前後両端には支持フレーム28,28が取り付けられ、該各支持フレーム28の両端に上記各ワイヤロープ7の一端が連結され、昇降台6がエレベータ昇降路4に吊下げ支持されている。図10にも示すように、上記各支持フレーム28の両端にはガイドローラ29,29がブラケット30によって支持され、該各ガイドローラ29は上記各棚柱20であるH形鋼のフランジ20aに係合し、昇降台6の昇降動作に伴って該フランジ20aを上下方向に転動するようになっている。なお、上記昇降台本体23の車両乗降り側である前端(図9下端)には、車両C及び人が乗り降りする乗降デッキ31が設けられている。
【0023】
上記昇降台6(昇降台本体23)の両支持フレーム28,28の内側には、水平方向に伸縮可能な一対のスライドフォーク32,32がそれぞれ設置され、昇降台6は該両スライドフォーク32,32に車両CをパレットPごと搭載して上記エレベータ昇降路4を昇降するようになっている。
【0024】
図11及び図12にも示すように、上記各スライドフォーク32は、昇降台本体23の縦フレーム21,21に固定されたベースフォーク33を備えてなり、該ベースフォーク33は平行に配置された2つのベースフレーム33a,33aをプレート33bで連結して構成され、上記各ベースフォーク33aの内側には複数個のガイドローラ34,35が所定間隔をあけて転動自在に取り付けられている。
【0025】
上記ベースフォーク33にはミドルフォーク36が移動可能に支持され、該ミドルフォーク36は、平行に配置された2つのミドルフレーム36a,36aをプレート36bで連結して構成され、該両ミドルフレーム36a,36aを上記ベースフォーク33の各ガイドローラ34,35に案内せしめてベースフォーク33に対し進退するようになっている。
【0026】
上記ミドルフォーク36には、空パレットP又は車載パレットPを搭載するトップフォーク37が移動可能に支持され、該トップフォーク37の両サイド外側には上記ベースフォーク33と同様に複数個のガイドローラ34,35が所定間隔をあけて転動自在に取り付けられ、上記トップフォーク37のミドルフォーク36に対する進退動作を上記各ガイドローラ34,35によって案内するようになっている。
【0027】
図13にも示すように、上記各ベースフォーク33の裏側には3個のスプロケット38,39,40が配置され、該各スプロケット38,39,40にはチェーン41が巻き掛けられ、該チェーン41の両端は上記ミドルフォーク36の前後両端にそれぞれ連結されている。また、上記ミドルフォーク36の裏側には2個のスプロケット42,43が配置され、そのうち先端側のスプロケット42にはチェーン44が巻き掛けられ、該チェーン44の両端は上記ベースフォーク33及びトップフォーク37の基端にそれぞれ連結されている一方、上記他の基端側のスプロケット43にも別のチェーン45が巻き掛けられ、該チェーン45の一端は上記ベースフォーク33及びトップフォーク37の先端にそれぞれ連結されている。
【0028】
上記一対の両ベースフォーク33,33のスプロケット38,38にはシャフト46の両端が連結され、該シャフト46には従動スプロケット47が取り付けられている一方、上記昇降台6の昇降台本体23には、出力軸48aに駆動スプロケット49が取り付けられた駆動モータ48が設置され、該駆動スプロケット49と上記従動スプロケット47にはエンドレスチェーン50が巻き掛けられている。そして、入出庫時、昇降台6を格納棚3側方に停止させ、駆動モータ48の正転・逆転動作によって3本のチェーン41,44,45を走行させることにより、ミドルフォーク36及びトップフォーク37をその両側の格納棚3,3の一方側で進退させ、この進退動作つまり両スライドフォーク32,32の伸縮動作及び後述する位置決め装置57による上下動作により、パレット長辺を格納棚3側に向けて車両Cを横向きにした姿勢で車載パレットPを上記昇降台6と格納棚3との間で横送りして移載するようになされている。
【0029】
上記各格納棚3側の両棚柱20,20には、転動自在なローラ51が取付金具52によって各格納棚3に対応して複数個取り付けられ、一方、上記昇降台6側の前後2つの支持フレーム28,28両端にはスライドガイド53が1つずつ取り付けられ、該各スライドガイド53の基端には流体圧シリンダ54が設置されている。図14に拡大詳示するように、該流体圧シリンダ54の水平方向に延びるピストンロッド54a先端にはプレート状の案内部材55が連結金具55aによって連結され、上記流体圧シリンダ54の伸縮作動により上記案内部材55をスライドガイド53の上下のガイド溝53a,53aに沿って水平方向に進退させるようになっている。
【0030】
上記案内部材55の先端には、上記ローラ51を係合案内する案内溝56が形成され、該案内溝56は、水平方向に延びる第1案内溝部56aと、該第1案内溝部56aに連続し溝奥に向かって斜め下方に延びる第2案内溝部56bとからなり、上記第1案内溝部56aの開放端部には溝幅を外側に向かって拡大する傾斜面56cが形成されている。
【0031】
そして、上記ローラ51、案内部材55及び流体圧シリンダ54により位置決め装置57が構成され、該位置決め装置57は、車両Cを搬出入しようとする格納棚3側とその反対側の格納棚3側とに2つずつ所定間隔をあけて設けられている。そして、昇降台6が格納棚3の側方に停止した状態で、上記昇降台6の四隅の4つの案内部材55,55,…を各流体圧シリンダ54の同期した伸長作動により進出させ、その進出動作に伴ってその案内溝56の傾斜面56cをガイドとして上記ローラ51を第1案内溝部56aに係合させることにより、図16(b)に示すように、両スライドフォーク32,32の各トップフォーク37の車両搭載レベルLf を格納棚3の車両載置レベルLt よりも低い位置に変位させて位置決めしたり、さらに、この位置決め状態から上記各流体圧シリンダ54の同期した伸長作動により上記案内部材55を進出させてローラ51を案内部材55の第2案内溝部56bに係合させることにより、図16(d)に示すように、両スライドフォーク32,32の各トップフォーク37の車両搭載レベルLf を格納棚3の車両載置レベルLt よりも高い位置に変位させて位置決めし、これにより昇降台6を上下方向に2段階に位置決めするようになっている。
【0032】
図1〜6に示すように、上記格納棚3の各棚レール3aには、本発明の特徴とするパレット落下防止装置Dが設置されている。該パレット落下防止装置Dは、上記各棚レール3aの移載方向中央寄りに回動軸58によって上下方向に回動自在に取り付けられた規制レバー59を備えてなり、該規制レバー59は、先端側に摺接板59aを有し、上記回動軸58によって回動中心Oがそのほぼ重心位置に対応するように取り付けられている。上記規制レバー59の回動中心O近くには、規制レバー59の回動を規制するストッパー60が取り付けられ、該ストッパー60には付勢手段としてのコイルスプリング61の一端が連結され、該コイルスプリング61の他端は上記棚レール3aにピン62によって連結され、上記規制レバー59を先端が棚レール3a上方に突出するようにコイルスプリング61のばね力によって回動付勢し、かつ規制レバー59がそれ以上回動しないようにストッパー60を棚レール3aの縦壁部3b下端の下壁部3cに下方から当接させている。この状態で、規制レバー59は格納棚3の奥部側に傾斜した姿勢でその先端を棚レール3aから上方に突出させている。そして、上記規制レバー59の先端が上方に突出した状態で、パレットPの2つの車輪乗入部p1,p1間の中央立上がり部p2を構成する裏面凹所p3の縦面p4に上記規制レバー59の先端をエレベータ昇降路4側から係合させてパレットPのエレベータ昇降路4側への移動を規制するようになっている。なお、これとは逆にパレットPの格納棚3奥部側への移動規制は、棚レール3a奥部側の端部に上方突出した張出部3eによって行うようになっている。図1及び図2中、64は棚レール3a前端を棚柱20に取り付けるためのブラケットであり、棚レール3a後端は梁19にブラケット65によって取り付けられている。
【0033】
一方、上記各スライドフォーク32の先端側であるトップフォーク37は、2つの断面「コ」の字形の鋼材からなるトップフレーム37a,37aを平行に配置し、該両トップフレーム37a,37aの上面は、パレットPを搭載する搭載板37bによって橋絡されている。該搭載板37bには、外側方に延出する押え込み手段としての延出部37cが一体に形成され、上記各スライドフォーク32の伸長動作により上記規制レバー59の先端(摺接板59a)を上記延出部37c下面で上記コイルスプリング61のばね力に抗して下方に押え込み、上記パレットPの裏面凹所p3の縦面p4から離脱させてパレットPの横送りを可能にするようになっている。
【0034】
また、上記パレットPの短辺側両端の下面には、移動規制手段としての内方に折れ曲がった規制フレーム63が取り付けられ、該規制フレーム63の上側水平フレーム部63a及び下側水平フレーム部63bを上記各棚レール3aの縦壁部3b上端の上壁部3dに係合させてパレットPの上下方向への移動を規制するとともに、規制フレーム63の縦フレーム部63cを各棚レール3aの上壁部3d外端に係合させてパレットPの移載方向と水平に直交する方向つまり左右方向への移動を規制するようになっている。
【0035】
次に、上述の如く構成されたエレベータ式立体駐車設備Aにおいて、車両Cを入出庫する要領と、その際におけるパレット落下防止装置Dの作動について説明する。
【0036】
<入庫>
まず、入出庫口12から車両入出庫スペース13に進入した入庫車両Cが下降待機中のエレベータ5の昇降台6上の空パレットPに乗り入れ、出庫に備えてつまり前進で退出できるように車両旋回装置17の作動により車両Cの向きを方向変換した後、上記昇降台6を入庫しようとする目的の格納棚3の側方に上昇させる(図15(a)参照)。この状態で、入庫車両Cは両スライドフォーク32,32つまり両トップフォーク37,37の搭載板37bに搭載され、両スライドフォーク32,32の各トップフォーク37の車両搭載レベルLf は、格納棚3(棚レール3a)の車両載置レベルLt よりも下方に位置している。なお、上記昇降台6の四隅に設けられた4つの案内部材55,55,…は、格納棚3側のローラ51,51,…に干渉しないように後退している。一方、パレット落下防止装置Dの規制レバー59は、コイルスプリング61のばね力とストッパー60の回動規制とにより格納棚3の奥部側に傾斜した姿勢でその先端を棚レール3aから上方に突出させている(図7(a)参照)。
【0037】
次いで、4基の流体圧シリンダ54,54,…を同期して伸長作動させ、4つの案内部材55,55,…を両側の格納棚3,3側に進出させ、該各案内部材55の第1案内溝部56aを経て第2案内溝部56bに一気に係合させる(図15(b)参照)。これにより、両スライドフォーク32,32の各トップフォーク37の車両搭載レベルLf が格納棚3の車両載置レベルLt よりも高くなり、この状態で昇降台6が4つの位置決め装置57,57,…によって四方から安定して水平に位置決めされる。
【0038】
その後、両スライドフォーク32,32を駆動モータ48の駆動により伸長させ、入庫車両CをパレットPごと格納スペース2に移載する(図15(c)参照)。この際、各トップフォーク37の搭載板37bの延出部37c下面が規制レバー59の先端(摺接板59a)を下方に押え込みながら摺動するので、パレットPは規制レバー59と干渉しない。また、両スライドフォーク32,32の各トップフォーク37は上述の如く格納棚3の棚レール3a上方に距離を隔てて位置しているので、移載時にパレットPは格納棚3(棚レール3a)と干渉しない(図7(b)参照)。
【0039】
しかる後、上記各案内部材55を各流体圧シリンダ54の収縮作動により後退させ、各ローラ51を各案内部材55の第2案内溝部56bから第1案内溝部56aに切換え係合させる(図15(d)参照)。これにより、両スライドフォーク32,32の各トップフォーク37の車両搭載レベルLf が格納棚3の車両載置レベルLt よりも低くなり、入庫車両CがパレットPごと格納棚3に受け渡される。このトップフォーク37の下降に伴い、規制レバー59の先端(摺接板59a)がさらに下方に押え込まれる(図7(c)参照)。
【0040】
その後、上記両スライドフォーク32,32を駆動モータ48の駆動により収縮させた後(図15(e)参照)、上記各案内部材55を各流体圧シリンダ54の収縮作動により後退させて各ローラ51を案内溝56から離脱させる(図15(f)参照)。これにより、トップフォーク37の搭載板37bの延出部37cが規制レバー59の先端(搭載板59a)から離れ、該規制レバー59がコイルスプリング61のばね力とストッパー60の回動規制とにより格納棚3の奥部側に傾斜した姿勢でその先端を棚レール3aから上方に突出し、パレットPの中央立上がり部p2の裏面凹所p3の縦面p4にエレベータ昇降路4側から係合してパレットPの落下を防止する(図7(d)参照)。また、この状態で、パレットP短辺側両端の規制フレーム63,63が各棚レール3aに係合し、パレットPの上下方向及び移載方向と水平に直交する方向(左右方向)への移動を規制している。続いて入庫がある場合には昇降台6を車両入出庫スペース13の側方まで下降させる一方、出庫がある場合には昇降台6を目的の出庫車両Cが格納されている格納棚3の側方まで昇降させる。
【0041】
<出庫>
まず、空の昇降台6を出庫車両Cが格納されている格納スペース2の格納棚3側方まで昇降させる。この状態で、両スライドフォーク32,32の各トップフォーク37の車両搭載レベルLf は、格納棚3(棚レール3a)の車両載置レベルLt よりも下方に位置している。なお、上記昇降台6の四隅に設けられた4つの案内部材55,55,…は、格納棚3側のローラ51,51,…に干渉しないように後退している(図16(a)参照)。一方、パレット落下防止装置Dの規制レバー59は、コイルスプリング61のばね力とストッパー60の回動規制とにより格納棚3の奥部側に傾斜した姿勢でその先端を棚レール3aから上方に突出し、パレットPの中央立上がり部p2の裏面凹所p3の縦面p4にエレベータ昇降路4側から係合してパレットPの落下を防止している(図8(a)参照)。
【0042】
次いで、4基の流体圧シリンダ54,54,…を同期して伸長作動させ、4つの案内部材55,55,…を両側の格納棚3,3側に進出させ、該各案内部材55の第1案内溝部56aに係合させる(図16(b)参照)。これにより、昇降台6が4つの位置決め装置57,57,…によって四方から安定して水平に位置決めされる。
【0043】
その後、両スライドフォーク32,32を駆動モータ48の駆動により伸長させる(図16(c)参照)。この際、トップフォーク37の搭載板37bの延出部37c下面が規制レバー59の先端(摺接板59a)を下方に押え込みながら摺動するので、パレットPは規制レバー59と干渉しない。また、両スライドフォーク32,32の各トップフォーク37は上述の如く格納棚3の下方に距離を隔てて位置しているので、伸長時にトップフォーク37はパレットPと干渉しない(図8(b)参照)。
【0044】
しかる後、上記各案内部材55を各流体圧シリンダ54の伸長作動によりさらに進出させ、各ローラ51を各案内部材55の第1案内溝部56aから第2案内溝部56bに切換え係合させる(図16(d)参照)。これにより、両スライドフォーク32,32の各トップフォーク37の車両搭載レベルLf が格納棚3の車両載置レベルLt よりも高くなり、出庫車両CがパレットPごとスライドフォーク32に受け渡され、トップフォーク37の搭載板37bに搭載される。このトップフォーク37の上昇に伴い、規制レバー59の先端(摺接板59a)が上方に僅かに起き上がる(図7(c)参照)。
【0045】
その後、上記両スライドフォーク32,32を駆動モータ48の駆動により収縮させて出庫車両Cを昇降台6に移載した後(図16(e)参照)、上記各案内部材55を各流体圧シリンダ54の収縮作動により後退させ、各ローラ51を案内溝56の第2案内溝部56bから第1案内溝部56aを経て一気に離脱させ(図16(f)参照)、昇降台6を車両入出庫スペース13の側方に下降させ、入出庫口12から退出させる。これにより、トップフォーク37の搭載板37bの延出部37cが規制レバー59の先端(摺接板59a)から離れ、該規制レバー59がコイルスプリング61のばね力とストッパー60の回動規制とにより格納棚3の奥部側に傾斜した姿勢でその先端を棚レール3aから上方に突出する(図8(d)参照)。引き続いて出庫がある場合には目的の出庫車両Cが格納されている格納棚3の側方まで上昇して上述の如き要領にて出庫車両Cを出庫する一方、入庫がある場合にはそのまま下降した状態で入庫車両Cを搭載して上記の<入庫>で説明した要領にて入庫する。
【0046】
このように、本例では、各トップフォーク37の伸長過程で規制レバー59を搭載板37bの延出部37cで押え込むようにしていることから、各スライドフォーク32の伸縮ストロークにムラがあって伸長時のストロークが正規の伸長ストロークに比べて短い場合でも、上記規制レバー59を十分に押え込むことができ、パレットPを昇降台6と格納棚3との間で確実にかつ安全に横送りして移載することができる。
【0047】
また、規制レバー59の回動中心Oとその重心位置とをほぼ同じ位置にしたので、地震等の衝撃でコイルスプリング61が外れても、規制レバー59を元の位置に動かないように保持してパレットPが落下しないように係合状態を確保することができる。
【0048】
さらに、規制レバー59を押え込む押え込み手段を搭載板37bの一部である延出部37cで構成したので、部品の共用化を図ってその分だけ費用を低減することができ、構造もシンプルにすることができる。
【0049】
また、パレットPの短辺側両端に設けた規制フレーム63を棚レール3aに係合させてパレットPの上下方向及び移載方向と水平に直交する方向への移動を規制するようにしたので、格納状態のさらなる安定化を図ることができる。
【0050】
なお、本例では、機械式立体駐車設備がエレベータ式立体駐車設備である場合を示したが、スライドフォークを備えたものであれば走行台車が搬送路を走行する場合にも適用することができるものである。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、規制レバーを格納棚の移載方向中央寄りに上下方向に回動自在に設け、該規制レバーの先端突出部をパレットの2つの車輪乗入部間の中央立上がり部を構成する裏面凹所の縦面に搬送路側から係合させてパレットの搬送路側への移動を規制するようにしたので、スライドフォークの伸長ストロークが短い場合でも、規制レバーを十分に押え込んでパレットを昇降台等の搬送手段と格納棚との間で確実にかつ安全に横送りして移載することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パレット落下防止装置が取り付けられた棚レールの側面図である。
【図2】パレット落下防止装置が取り付けられた棚レールの平面図である。
【図3】パレット落下防止装置の側面図である。
【図4】図3のIV−IV線における断面図である。
【図5】格納スペースに格納された状態のパレットの斜視図である。
【図6】格納スペースに格納された状態のパレットを一部破断してパレット落下防止装置を露呈させた斜視図である。
【図7】(a)〜(d)はパレットを昇降台から格納棚に払い出す時のパレット落下防止装置の作動図である。
【図8】(a)〜(d)はパレットを格納棚から昇降台に引き込む時のパレット落下防止装置の作動図である。
【図9】エレベータ式立体駐車設備の横断平面図である。
【図10】昇降台の側面図である。
【図11】スライドフォークの平面図である。
【図12】スライドフォークの側面図である。
【図13】スライドフォークの伸縮機構を示す斜視図である。
【図14】位置決め装置の側面図である。
【図15】(a)〜(f)は車両の入庫手順を示す説明図である。
【図16】(a)〜(f)は車両の出庫手順を示す説明図である。
【図17】エレベータ式立体駐車設備の概略構成図である。
【符号の説明】
3 格納棚
3a 棚レール
4 エレベータ昇降路(搬送路)
6 昇降台(搬送手段)
32 スライドフォーク
37b 搭載板
37c 延出部(押え込み手段)
59 規制レバー
61 コイルスプリング(付勢手段)
63 移動規制手段
A エレベータ式立体駐車設備(機械式立体駐車設備)
C 車両
D パレット落下防止装置
O 規制レバーの回動中心
P パレット
p1 車輪乗入部
p2 中央立上がり部
p3 裏面凹所
p4 縦面
Claims (3)
- 水平方向に伸縮可能な一対のスライドフォークを有し、該両スライドフォークに車両をパレットごと搭載して搬送路に沿って搬送する搬送手段と、
上記搬送路の側方に設けられた格納棚とを備え、
入出庫時、上記搬送手段を格納棚側方に停止させ、パレット長辺を格納棚側に向けて車両を横向きにした姿勢で車載パレットを上記両スライドフォークの伸縮動作により搬送手段と格納棚との間で横送りして移載する機械式立体駐車設備のパレット落下防止装置であって、
上記格納棚の移載方向中央寄りに上下方向に回動自在に設けられ、先端が上方に突出した状態でパレットの2つの車輪乗入部間の中央立上がり部を構成する裏面凹所の縦面に搬送路側から係合してパレットの搬送路側への移動を規制する規制レバーと、
該規制レバーを先端が上方に突出するよう回動付勢する付勢手段と、
上記各スライドフォーク先端側に設けられ、該各スライドフォークの伸長動作により上記規制レバーの先端を上記付勢手段の付勢力に抗して下方に押え込み上記パレットの裏面凹所の縦面から離脱させてパレットの横送りを可能にする押え込み手段とを備えたことを特徴とする機械式立体駐車設備のパレット落下防止装置。 - 規制レバーの回動中心は、そのほぼ重心位置に対応して設けられていることを特徴とする請求項1記載の機械式立体駐車設備のパレット落下防止装置。
- 各スライドフォーク先端側上面には、パレットを搭載する搭載板が設けられ、該搭載板には、外側方に延出する延出部が設けられ、該延出部でもって押え込み手段を構成していることを特徴とする請求項1記載の機械式立体駐車設備のパレット落下防止装置。
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