JP3543670B2 - 列車制御システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、列車の車上位置検知装置と地上位置検知装置を組合せて列車の走行を制御する鉄道信号制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、鉄道では列車の安全運行を確保するために、線路脇に設置した信号機を用いたり、レールを信号伝送路として使用し、速度制御情報などを地上側の装置から列車に設置された車上装置に伝送するシステムが用いられている。これらの方式はいずれも、閉塞という考えに基づいて安全確保がなされている。閉塞とは路線をある一定の長さに分割し、閉塞区間として定義したものであり、1閉塞区間には、同時に2編成以上の進入を禁ずることにより、列車間隔を保つことで安全を確保している。
【0003】
この閉塞は、軌道回路によって実現されている。軌道回路とは、線路をある一定の長さで電気的に切断し、両方のレールに電流を流す方式である。列車が該当区間に進入していないときには、送信端よりレールに流された電流は受信端において検知される。列車が該当区間に進入した場合には、レールが車輪によって短絡されるため、受信端に電流が流れなくなり、在線と認識される。この列車検知用の電流に信号を重畳させると、列車に対して地上から速度制御情報などを伝送することが可能となる。この方式はATC(Automatic Train Control)と呼ばれ新幹線や山の手,京浜東北線等で実用化されている。
【0004】
この方式の基本となる位置検知は、軌道回路即ち地上側に設置された装置で行い、該検知情報を基に、地上側に設備された鉄道信号システムが列車を適切に間隔制御する信号システムである。ATC以外、ATS(Automatic Train Stop)と呼ばれるシステムでは、軌道回路で検知した位置情報から、列車間隔を適切に保ったり進路の開通状態を列車に通知するために道路の信号と同じように、路側に設置した信号機の色で列車の走行を制御するシステムもある。ところが、軌道回路はレールを電気的に切断し、各軌道回路の境界に設備を設置するため、設備や保守の費用が高くなるという欠点を持っている。
【0005】
このような背景から、軌道回路によらずに列車の位置を検知し、列車に対して安全確保のための制御情報を伝送する方式として、無線列車信号方式が検討されている。無線信号方式では列車の位置検知を、列車自身で行うことを基本にしている。検知した位置情報を無線によって地上側制御装置に伝送し、地上側では、その列車が安全に進行できる目標地点を求め列車に伝送する。目標地点を受け取った列車は、その目標地点までに安全に停止できるよう自列車の制御を行う。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
軌道回路等の設置コストやメンテナンスコスト低減のためには、車上位置検知装置を採用し、この情報を無線通信を通して地上側制御装置に伝達し列車の走行を制御するシステムが有望であるが、車上位置検知方式では、車上の位置検知精度に大きく安全が左右されてしまうため車上位置検知精度を如何に確保するかが一つの大きな問題となる。
【0007】
首都圏の通勤線や新幹線などは、高密度で運転されており、列車の発/着の時間間隔を短く押さえたいために、できるだけ列車間隔を詰めたいが、軌道回路による位置検知ではその分軌道回路を短く切らなければならず、コストアップとなってしまう。一方、車上位置検知方式では、列車間隔を詰めるためには、高精度な車上位置検知システムが要求されることになる。車上位置検知装置では、この必要な車上位置検知精度を確保するためのコストがかかってしまう。
【0008】
現状一般的に使用可能な車上位置検知装置と軌道回路位置検知方式を比較した場合、車上位置検知装置は精度のばらつきが大きいが細かく位置検知することができ、一方、軌道回路位置検知装置は軌道回路の長さの単位でしか位置を検知することはできないが、軌道回路境界の切れ目は確かであり、ある区間内に列車が存在することを間違いなく検知することができる。車上位置検知システムを導入する場合、駅構内では、特に列車がどの範囲に確実に存在するかということ、或いは存在しないことを検知できることが最重要事項となる。例えば、列車が転轍機上を通過中に転轍機の転換を指示してしまうと、列車の脱線事故につながるため、列車が転轍の上に存在しないことを確実に知ることができれば良い。即ち、列車位置検知単位は荒くても、転轍機とそれ以外の線路部分の切れ目で列車の存在の有無が確実に分かれば安全に転轍機の制御ができる。また、列車が何番線に在線しているかも確実に知ることができないと、列車衝突等の事故に繋がりかねない。自動車のナビゲーション装置等で用いられているGPS(グローバルポジショニングシステム)では、精度が劣化させられている等の要因もあり、立ち上げたときにその列車が何番線に在線しているかを間違いなくGPS装置単独で特定するには精度が不足するし、物陰では使用できない等の問題がある。このため、自動車でもそうであるが、車上位置検知装置としては、GPS等の衛星航法の他に、車輪の回転数と車輪の径から走行距離を求めて積算するタイプ,ミリ波等の電波の反射を利用するドップラーレーダ方式の速度計,複数の無線通信装置の電波の到着時間差から位置を確定する方式等の組合せが考えられている。但し、どの方式を用いても一長一短があり、高い精度を得るには、人的制御の介入が必要になる等のコスト増も含めて、それ相応のコスト増加が見込まれる。
【0009】
列車を安全に間隔制御して走行させることを念頭に置くと、位置精度の点で鉄道の線形に依存する部分がある。ここで、分岐のある駅と駅を結ぶ途中の区間を駅中間区間といい、分岐のある駅構内を駅構内と呼ぶことにする。駅構内では、駅中間に比較して、個別の列車が存在する境界の検知に高精度が要求されるという列車間隔を制御する上で、高精度が要求される個所に偏りがあることが分かってきた。
【0010】
本発明は、駅中間区間では、地上システムの建設コストやメンテナンスコストの低減を目的に車上位置検知装置だけとし、駅構内では正確に列車の通過状況や番線等が異なる場合の位置情報を確実に知ることができる正確性が要求される地上位置検知方式にて進路制御し、列車の間隔制御は継続して車上位置検知方式を用いて間隔制御する信号システムの実現のために、独立した位置検知装置を複数用いても、適切且つ安全に列車走行制御できるシステムを提供するものである。
【0011】
2つの独立した位置検知システムを動作させると、必ずその出力には不一致が発生する。例えば、車上位置検知装置からの情報は列車がまだ駅中間に存在する位置を示しているのに、地上位置検知装置からの情報は駅構内に列車が存在することを示しているような場合が発生することがある。この場合、地上位置検知装置からの情報だけで列車の走行を制御すると、列車が既に駅構内に進入したことを検知したので、後続の駅構内に向かう列車に対して、駅構内進入を抑止する制御が必要になるが、駅構内に進入しているにも係らず、車上の位置検知情報では駅構内に進入を示す情報を示していないので、ここで前提としているシステムでは、駅構内の直前で停止せよという指令を出力する矛盾が発生する可能性がある。このような矛盾を回避しないと、車上位置検知システムと地上位置検知システムの双方を混在させて列車を制御するシステムを実現できない。本発明の目的は、このような不一致が発生しても、列車を安全に且つ前提とする制御システムの本来目指す制御を実現できる位置誤差解消システムを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明が前提とするシステムとして、駅中間では車上位置検知システムを採用し、この位置を無線通信を通して地上側の制御装置に送信し、地上側から安全に走行できる限界位置情報を受信して走行する方式、駅構内では、地上側制御装置は、軌道回路等の地上側の位置検知装置の情報をもとにして列車の進路を制御し、進路状態と車上位置検知情報を基に生成する制御情報から列車に送信する走行可能な限界位置を生成し、無線通信を通して送信し、列車の間隔を制御する方式である。
【0013】
駅構内に列車が進入するときは、地上位置検知装置の出力結果に基づいて進路を制御する装置が適切に進路を確保し、進路の状態から走行可能な限界位置を算出し制御情報を列車に送信するが、このとき、車上位置情報と軌道回路位置情報を基にした進路状態が一致しなくとも、正常且つ安全に列車を制御できるように、進路を構成する装置で、どの列車に対して進路を引いたものであるかを関連付ける。当該進路を要求していた追跡中の列車の進入により、進路が閉鎖されたと判断できる場合は、該列車からの車上位置情報が該信号の位置より手前であったとしても、地上位置検知手段に従った進路閉鎖情報の変化を有効にしない制御を行う。
【0014】
一方、出発信号を受けて出発した列車に対しても同様に、当該出発進路をどの列車に引いたのか関係付け、地上位置検知システムでの信号の現示変化時に、列車からの車上位置情報がまだ当該信号の境界位置に達していなくても、安全と判断できる場合は、地上位置検知手段に従った信号の制御変化を有効にしない制御を行う。即ち、進路が分割される境界では、常に同様の方式で列車の間隔制御を行う。
【0015】
信号方式は、駅構内に進入しても、制御信号の出力手段を統合し、駅中間と同じ車上位置検知方式の場合に使用する通信手段を通して伝達し、列車の在線位置に関わらず同一の方式で車上に伝達する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施例を図面を用いて説明する。
【0017】
図1は本発明の全体機能概要を示している。前提とする鉄道信号システムは、車上に信号情報を無線伝送する車内信号システムである。現状使用されている鉄道信号システムは、路側に設置された信号で、進路の開通状態を検知して、列車の走行を許可するのか停車させるのかを判断し、列車が不安全側の走行をしようとした場合は、強制的に列車を停車させる機構を持つシステムである。このシステムは新幹線や首都圏の線区で採用されているレールを信号情報の伝送路として使用するATC(自動列車制御)システムも基本的に同じである。一方、本発明が対象とする信号システムは、速度信号方式ではなくルート信号方式、即ち、走行を許可する限界位置信号を伝送する信号システムであり、現状の新幹線等の
ATCシステムとも異なっている。
【0018】
そのため、図1に示すように、駅中間線路20−a,b(機能が同じもので複数示したものは英文字添え字を添付。以下同じ)や駅構内線路21−a,bの路側には、主信号を設置せず、列車に走行を許可する限界位置信号を無線伝送するための、通信基地局4−a,bを使用する。駅構内では、列車位置検知装置として、車上位置検知装置43による位置検知情報と、地上位置検知装置8−a,bの二つの情報を組合せて用いることにする。図に示すように、駅中間区間(B区間)の列車位置検知装置は車上位置検知装置のみで、駅構内(A区間)の進路境界では基本的に地上位置検知装置を優先させて用いる。このように、車上位置検知装置と地上位置検知装置を独立して用いると、車上位置検知情報と地上位置検知情報の間に誤差が発生することは避けられない。誤差を考慮せずに信号システムを稼働させると、課題の項で記述したように走行を許可する限界位置信号を伝送する際に矛盾した制御を行う可能性がある。このため、図2以降で詳しく説明するように、進路構成運転制御装置7−a,bに、位置検知誤差があっても、安全を確保できていれば、列車走行に支障を発生させないという本発明の中心となる制御処理を組み込んだ。
【0019】
まず、図1で列車の走行に従い本発明の機能概要を説明する。列車30−a,cとして示すように、列車がA区間、即ち、地上位置検知併用区間に在線している場合は、車上位置検知装置43の車上位置検知機能による位置情報よりも、地上位置検知装置8−a,bの情報を優先させて、地上側保安制御装置6−a,b内の進路構成運転制御装置7−a,bは、まず列車の走行を制御する情報を作成する。しかし、該信号を基にした進路の閉鎖情報はそのまま列車に対して送信されず、車上位置検知情報を基に生成された列車制御情報と比較し、後述する処理を行った後間隔制御情報として列車に送信される。
【0020】
列車30−a,bは、通信基地局4−a,b、アンテナ5−a,bを通して受信される該制御情報を、車載装置40で、車上アンテナ44,車上通信装置42を経由して受信する。該制御情報を受信した車上制御装置41は、該制御情報を処理し、例えば、必要ならばブレーキを作動させる、警報音を鳴動させる等の適切な処理を実行する。
【0021】
列車がB区間、即ち、車上位置検知区間に在線している場合は、車上位置検知装置43で検知した位置情報を基に、地上側保安制御装置6−a,b内の進路構成運転制御装置7−a,bは列車の走行を制御する情報を作成する。該制御情報は車上へ送信され、車上制御装置41での制御は、駅構内在線時と同様である。通信基地局4−a,bは駅構内に限定したものではなく、隣接する通信基地局間で本システムの制御下で走行する列車に対してすき間なく、連続通信できるように設置されることを基本とする。但し、本発明の対象システムは、地上位置検知区間が存在するところで、車上位置検知情報と不具合なく整合性をとる方式を提供するものであるので、通信の連続性を絶対的に必要とするものではない。通信の不連続区間があったとしても、本発明の方式は適用可能である。
【0022】
図1では、通常の鉄道運行管理システムでも使用する進路制御装置2−a,bを持つ形式を示している。人の操作で進路の構成を要求する場合は、人が扱うてこ装置等を具備した装置が接続される。例えば、列車30−aが出発時期になれば、進路制御装置2−aは出発用の進路を構成するように進路構成運転制御装置7に対して要求する。進路構成運転制御装置7は、列車の在線状況を検査して、進路構成が可能であれば転轍機50−a〜fを適切に転換鎖錠して進路を構成し、列車30−aに対して出発を許可すると同時に、当該列車に対する経路上の支障位置等を通信基地局4−aを通して出力する。列車30−bが次の駅に接近し、進路制御装置2−bが場内の進路を構成する時期になったと判断すると、進路構成運転制御装置7−bに対して進路構成の要求を出力し、進路構成運転制御装置7−bは転轍機50−g〜lを適切に転換鎖錠して進路を構成し、列車30−bに対して駅構内への進入を許可すると同時に、当該列車に対する経路上の支障位置等を通信基地局4−bを通して出力する。隣接通信装置3−a,bは、通信線10を通して隣接する拠点列車制御装置1−a,bと必要な列車制御情報を授受するための通信装置である。列車情報としては、例えば、列車の間隔を正しく制御するために、隣接する地上制御装置の制御下にある列車情報が必要な場合があり、互いに隣接する地上側保安制御装置8−a,bの制御下にある列車情報等を交換する。
【0023】
列車30が制御情報を受信して走行する過程で、地上位置検知装置が装備されているA区間とB区間の境界で、車上位置検知装置43の位置検知結果と地上位置検知装置8の検知結果が一致していれば問題ないが、不一致が発生した場合に、正常な制御ができないことが発生する可能性がある。図2は、本発明の基本である車上位置誤差に伴う制御の不一致を安全に解消するための機能ブロック構成である。内部の処理の流れに関しては、図4,図5を用いて詳しく説明する。まず、車上位置検知結果と地上位置検知結果に誤差が発生した場合どのような事態が発生するか、図3を用いて簡単に説明する。(1)は、列車30がまだB区間に在線中にも関わらず、A区間を示す車上位置検知情報を通信基地局4を通して地上側の制御装置に向けて送信してきた場合を示している。即ち、列車30の真の位置は位置100にも係らず、例えば、駅構内位置を示す位置101の情報を送信してきた状況を示している。この場合は、このまま列車が走行しても、駅構内と駅中間との進入境界102で、列車走行に関して特に大きな障害とはならない。しかし、例えば、このまま走行して、駅のホ−ムに列車が停車する場合に、車上位置検知誤差の結果、実際の列車位置よりも前方の位置に在線しているとして認識しているので、走行が許可されている限界位置以上に列車が進むことが許されなければ、列車は停車目標地点にまで到達できずに、本来の停車位置よりも手前に停車しなければならない等の障害が発生する可能性がある。一方、(2)に示す例では、(1)の場合とは逆に、列車30が既にA区間に在線しているにも関わらず、B区間を示す車上位置検知情報を通信基地局4を通して地上側の制御装置に向けて送信してきた場合を示している。この場合、従来から確立されている地上位置検知結果を基にした連動論理を用いると、地上側位置検知では位置111に列車の在線を検知し、開通させた進路に列車の在線を検知したので、後続の列車に対しては、進入境界102で停車するように指示を出力することになる。この結果をそのまま用いると、車上位置検知情報ではまだ位置110を示しているので、列車に走行を許可する限界位置を求める処理では、進入境界102より手前、即ち外方に在線している列車に対して、駅構内への進入を抑止するように制御しようとするので、自車で自車の駅構内への進入を阻害する事態が発生する。ここでは、一例を示したが、従来の軌道回路等を用いる地上側位置検知装置を基にした進路制御と、車上側位置検知による列車制御を混在させると、このような矛盾を発生する場合が、進路の開通の開始、或いは終了地点を規定する境界点で起こりえる。
【0024】
本発明では、図2に示すように、位置検知誤差回避制御/追跡処理部72を組み込み、列車を適切に間隔制御できるようにした。基本は、進路制御装置2の出力である進路要求に列車固有のIDを付加し、進路構成運転制御装置7でも該
IDと構成した進路を関連づけて記憶し、進路を支障した原因が該列車IDを持つ列車と断定できれば、たとえ車上位置検知情報が、進路の外方を示していても、走行を許可する列車前方の限界地点を、開通させた進路の終点から引き戻さない処理とするところである。概要を、図2を用いて、列車の進行に従い処理の流れを説明する。列車情報は、通信基地局4を通して送信される。送信された情報は、通信電文処理部70で一時的なバッファリングやヘッダ部の除去等必要な処理が行われ、次の処理部に送られる。進路構成運転制御装置7での最終的な処理出力は、列車から送信された情報と地上側に設置された軌道回路等の位置検知装置の位置検知結果とから、列車に対して適切な信号情報、即ち間隔制御部73で間隔制御情報を作成することである。
【0025】
そのために、車上の通信電文から位置検知情報を取り出す車上位置情報照査部71,地上位置検知装置の典型である軌道回路等を総称する現場機器77の出力を処理する地上位置検知出力処理部74の出力が、今回の発明のポイントである位置検知誤差回避制御/追跡処理部72に入力される。該機能部で、誤差を正しく評価し、追跡の矛盾を解消した後、間隔制御部73で正しく間隔制御情報が生成され、生成された結果は、通信電文処理部70を通して列車に向けて出力される。
【0026】
駅構内に向かう列車に対しては、列車が目的とする番線に到着できるように、適切な時期に、適切な向きに進路を転換する必要がある。進路の転換は、基本的にダイヤ情報に基づいており、進路制御装置2にあるダイヤ管理部情報61と進路構成装置I/F62を通して入力する位置情報から、進路制御部60で処理され適切な時期に進路要求を出力する。進路要求は、進路制御装置I/F75を通して進路構成処理部76に入力され、進路構成できる条件を満たしていれば、要求に従い該処理部で進路の転換を鉄転轍機等の現場機器77に指示し鎖錠する。この時、進路制御装置2からの出力は、要求した進路と該進路を走行しようとしている列車が一対一に対応できるように、列車固有のID番号とともに進路構成要求を行う。列車固有のID番号は、列車から無線通信を通して送ってもよいし、その他、地上側で進路制御装置2と確実に関連づける手段があれば手法は問わない。例えば、進路制御装置2と進路構成運転制御装置7と列車30の間で追跡を始めた列車はこのIDで管理することにし、連続性を常に監視し矛盾を発生させないように保証する。このように、構成した進路と列車IDを用いて、進路構成処理部76では、開通させた進路にどの列車が進入するのかを関係づける。
【0027】
即ち、進路制御装置2から進路構成運転制御装置7に対して表1に示すように、進路構成要求する進路情報と、要求する進路を走行する予定の列車IDを出力する。その他付加的な情報であるその他の制御情報が必要であれば、その他制御情報として出力する。その他の制御情報を必要とするかは、本発明の根本には何ら影響はなく、システム運用時必要であれば、付加する。要求する進路と要求する進路を走行する予定の列車ID情報は、必須である。
【0028】
【表1】
【0029】
次に図4を用いて、位置検知誤差回避制御/追跡処理部72内部の処理の流れの一例を説明する。当該処理例は、車上位置検知情報と地上位置検知情報の許容できる誤差範囲を予め決めておき、進路閉鎖の原因が当該列車であり規定した誤差範囲であれば、図3(2)に示す状態が発生しても、当該進路を走行予定であった列車に対しては、間隔制御部73で生成する走行を許可する限界位置信号を、開通していた進路の末端位置から進入境界102に引き戻さない制御方式を示している。本処理は、マイクロプロッセッサ等のソフトウェア処理で行っても良いし、LSIハードウェアロジックで処理しても構わない。
【0030】
順を追って説明すると、まず、車上位置情報処理部71と地上位置情報処理部74の出力,進路の開通状況を処理200で入力する。次に、処理201で、車上位置検知情報と地上位置検知情報の間に進路の区切りで位置誤差の矛盾がないか検査する。即ち、一方が進入する進路の外方(開通させていた進路の手前)に存在しているという位置を示しているのに対し、他方が進路の内方(開通させていた進路の内側)に存在するという矛盾の有無を検査する。従来、列車の進入は、追跡の結果内方軌道回路が確定落下したことで、検知しているだけであり、どの列車によって軌道回路が落下したのか関知していない。そして、軌道回路の落下を検知すれば、即、進路を閉鎖し、後続列車を当該進路の始端で停車させるように信号現示を変化させている。このため従来手法をそのまま適用してしまうと、車上位置検知情報の誤差で、まだ信号の手前の位置を示していた場合は、自車で自車の進路を阻害してしまうことになる。しかし、本発明では、表1に示すように、開通させた進路と該進路の開通を要求した列車とが紐付けされた情報となっている。このことを利用して、列車位置と進路開通状態を常にペアで監視できる。列車位置と進路の関係を進路構成運転制御装置7で常に把握しており、判定処理201が簡単確実に実行できるようになっている。もし、紐付けがされていなければ、当該進路に進行の可能性のある列車を探索し、その中から候補を選びだし、進路状態と列車位置関係の矛盾を検証することになり、進路の開通状態と検査すべき列車が何時でも確実に選定できるとは限らなくなる。例えば、進路にいちばん近い列車を選択するような論理では、隣接番線に在線している列車を位置関係の矛盾を検証する候補と選定する可能性がある。本発明では、常に正しい進路と列車の関係が保たれ、位置関係を検証すべき進路或いは列車が検出されると、紐付け情報から即座に他方が選定され、該選定された二つの位置関係に矛盾がなければ、処理202に示すように、本発明で前提としているそれまで通りの車上位置情報に従った間隔制御を継続するように指示をセットして処理を終了する。
【0031】
処理201で矛盾が検知された場合は、判定処理203以下の処理を実行する。ここでは、もちろん車上位置検知装置,地上位置検知双方とも従来から取り入れられているフェールセーフ思想を用いて作られているいることを仮定しているし、軌道回路位置検知の不正落下や不正扛上等の対策がされた後の、位置検知結果を用いることを想定している。さらに、車上位置検知結果の連続性も監視されており、個々には位置情報の正当性を保証する対策が図られているものとしている。これら位置検知装置内部の作りや列車を追跡する機能に、本発明の主旨は基本的に依存はしない。機能的にどちらの位置情報データに従っても安全が確保できていれば、処理201で矛盾ありと判断しても、引いた進路の閉鎖は絶対にその進路の走行を予定していた列車の進入によるものであり、それ以外にはあり得ないことが保証できれば、間隔制御処理で当該列車に対して開通した進路の引き戻しはないものとして制御しても安全は確保できる。しかし、矛盾は装置故障が原因とも考えられるし、他の車両の逸走等も考えられるので、これらの障害と単なる車上位置検知誤差に起因している矛盾なのかを区別し、適切に処理する必要がある。単なる車上位置検知誤差に伴う進路状態の矛盾であれば、図3(1)、或いは(2)の状態の発生であり、該列車を該列車のために開通させた進路に進入させる処理を実行するし、装置故障や他の車両の逸走による矛盾と判断される場合は、適切な安全側制御を実行する必要がある。
【0032】
そのために、まず判定処理203を行うが、ここでも進路と進路の開通を要求した列車とが紐付けされていることを用いて、該紐付けされた列車の車上位置検知情報と地上位置検知情報の差が許容範囲以内であるかどうか検証している。許容範囲に関しては、車上位置検知装置の当該位置での精度、車上位置検知処理時間と地上位置検知処理時間の差、通信障害等による通信遅れ時間等を考慮して、通常の許容範囲が決定される。許容範囲は、実際に使用する車上或いは地上の位置検知装置、さらに使用する無線通信装置や処理サイクル等を考慮して決定すればよい。許容範囲外であれば、装置故障の可能性があるので、即、当該進路に接近してくる列車に対して即時停止指示を処理209でセットする。許容範囲内であれば、図3(1)、或いは(2)の状態の発生の可能性が高いので、本当に位置検知誤差に伴う矛盾の発生なのか検証する。判定処理210では、図3(1)の場合の可能性が高いのか(2)の場合の可能性が高いのかを判定している。判定処理210でNに分岐する場合は、進路の閉鎖を伴わずに二つの位置検知結果に矛盾が発生した場合、即ち、車上位置検知情報が実際の列車位置よりも前にずれていて、図3(1)の状態である可能性が高い。
【0033】
図3(1)の場合は、列車が進行すれば、地上位置検知結果もある時間経過後列車の進路内進入を検知し矛盾が解消されることになる。そこで、進路の境界で車上と地上の列車検知結果に矛盾の発生を検知しても、即、システム故障とは判断せずに、位置情報の誤差が許容範囲内であれば、列車に対してそれまで送信していた進路の開通端を列車の走行を許可する限界位置信号として送信を続行する。そのための余裕時間をみる処理が、処理204,205,207である。即ち、処理204で、システム故障と判断するまでの判定猶予時間を設定し、判定処理205で時間の経過を監視し、超過していなければ、矛盾がなかった時の出力と同じ結果、車上位置情報に従った間隔制御を継続する指示を処理206でセットする。もし、監視時間以内に矛盾が解消されなかった場合は、処理208でシステム異常を出力する。システム異常を出力した場合の処理としては、当該列車を緊急停車させたり、当該列車に向かう他の列車に対してもある範囲で進入を禁止する等の防護を図る。システム構築時に、導入した線区の特徴を考慮して、適切な処置を実行すればよい。
【0034】
判定処理210でYに分岐する場合、即ち、図3(2)の状態の可能性が大きいと判断される場合は、さらに判定処理211を実行する。車上位置検知情報では、開通させた進路にまだ進入していない位置情報を送信してきているのに、進路が閉鎖される事態としては、図3(2)の場合のように自列車の位置検知誤差に伴うものと、他の列車が誤って逸走してしまい、進路を支障した場合が考えられる。判定処理211で考えている列車の動作状況について、図5を用いて説明する。列車が図面左側からA区間に進入した場合を示している。この時の、車上位置検知情報が120の位置を示していたとすると、図4の処理210でYに分岐する。従来の位置検知のための軌道回路等の分割方式を基に、地上位置検知装置が図示するように、各区間でAT,BT,CT,DTと分割されているものとする。ここで、列車進入前に、駅構内の進路がAT−BT−CTまで開通していたとすると、このいずれか一つの区間でも列車の在線が検知されれば、進路は進入境界102の位置で閉鎖され、この駅に左から右に近づいてくる直近の列車に対して、走行可能な限界位置は、進入境界102が設定される。位置誤差を何も考慮しないと、図5の状態では自車の進入で自車を停止させてしまうことになる。このため、判定処理211で、閉じた進路に付されていた列車IDと該IDに対応する列車の位置と、進路を閉鎖させた地上側位置検知装置の位置を検査する。進路を閉鎖させた原因が、進路の始端だけの区間で列車を検知していた場合、即ち、判定処理211の内容としては進路の始端の列車検知装置、例えば図5でATの軌道回路だけが落下し列車を検知していた場合、該IDを持つ列車の踏み込みによる進路の閉鎖と判断し、Yに分岐する。そこで、該IDを持つ列車に対して、既に説明したような処理204以下の処理を行い、即、引き戻し処理を実施するのではなく、矛盾を解消させるために一定時間を設け、この時間以内に矛盾が解消するかを監視する。AT以外に列車検知した場合は、Nに分岐し、システム異常か他の列車の逸走などが考えられるので、処理209で即当該進路に向かって進行中の列車を停車させる制御を実行する。
【0035】
次に、図6は、進路と該進路を開通させた列車との間で、地上位置検知結果と車上位置検知情報の許容誤差範囲を条件とせずに、安全に矛盾の原因を判定する手法を示している。地上位置検知装置は従来の保安を確保するための設計思想は満たしているものを前提とすると、列車が在線しているにも係らず在線を検知できないという事態は排除できる。このため、安全を考慮すべき事態は、地上位置検知情報にしたがって進路が閉鎖しているにも係らず、列車が進路の外方つまり手前にいるという在線情報を送信してきた場合に、図3(2)の事態による不具合なのか、それとも装置故障や車両逸走による進路閉鎖なのかを切り分ければ、安全は確保できる。この考え方に基づき、判定処理201で矛盾を検知した場合の次の処理として、誤差の判定は行わず、進路の閉鎖変化の判定処理210を実行する。図4で判定処理203とそれに伴う処理を全て取り除いた処理フローである。但し、車上位置検知が大きく手前に狂った場合や、大きく前方にずれた場合の検知は、処理204以下のある一定時間経過してから検出できることになるので、検出が遅れる。この簡略化処理でも、安全確保の観点では、問題はない。図7は、図4の判定処理フローを簡略化した方式を示している。即ち、車上での位置検知結果と地上での位置検知結果にある一定以内の誤差が発生した場合は、即、各位置検知結果の一致を待つ処理を動作させる。この考え方は、他の列車の逸走等は車両側で抑止し考慮の必要がない場合に適用可能である。即ち、進路構成運転制御装置7に入力される車上位置検知情報と地上位置検知情報の差から障害を検知し、安全を確保することに処理を集中させ安全を確保する簡単な方式である。
【0036】
図8は列車の出発進路境界でも同様の事態が発生することを示している。DTに停車している列車30が出発進路境界300を越えて進行する場合、やはり図3(1)或いは(2)に示したことは発生し得る。出発進路は、進路の始点である通常出発進路境界300から出発進路が確保する進路の終点301に他の列車が在線しないことや支障がないことをもって開通させる。列車30で車上位置検知誤差が発生すると、列車が該進路に進入した車上位置検知情報を送信してきているのに、地上では列車の進入を検知できておらず進路の閉鎖は発生していない図3(1)と同様の矛盾、逆に、地上では列車の進路への進入を検知しているのに、車上位置検知情報ではまだ進路の外方即ち手前の位置情報を送信してきている矛盾、即ち図3(2)と同様の事態が発生する。この場合も図4,図5,図6,図7で示した判定手法と同様の手法が使用できる。
【0037】
但し、図3(2)の場合と、他の列車等の逸走による進路支障によって、進路が引き戻されたのではないことを区別するには、注意が必要である。即ち、図4,図6中の判定処理211の中の処理に工夫が必要である。図8に示すように、地上位置検知装置を軌道回路とすると、最初に列車の進入が予想される軌道回路ETが複数の軌道回路(図8ではDTとCTからのETへ列車の進入が可能)に分岐している場合がある。この場合は、図3(2)の様な単なる位置検知誤差によって、進路が引き戻されたかのような事態になったのか、例えば図8でCT上に列車が在線していた場合は、CTで検知していた列車が逸走しDTに在線している列車の進路を支障して進路が引き戻されたのか区別しなければならないが、進路の最初の軌道回路のETの落下、即ちETでの列車在線検知だけでは、進路要求したDT上の列車30によるものと断定できない。このため、最初に踏み込む軌道回路が枝分かれしている場合は、判定処理211が図9に示すような処理になる。即ち、最初に判定処理350を実行し、進路の開通を要求した列車が最初に踏み込むはずの軌道回路が落下し列車を検知したのかどうか判断し、Yであれば、次に、この最初に踏み込むべき軌道回路の枝分かれの軌道回路上に列車の在線を検知していた場合は、線路上の他の列車が移動して図8で考えればETを落下させたのではないことを確認する判定処理351を実行する。移動の検知は、枝分かれした先の配線情報を予め進路ごとに進路構成運転制御装置7に記憶させておき、枝分かれ先に在線する列車との通信で列車の移動状態を検知する手法や、枝分かれ先の線路に軌道回路とは別に列車の移動を検知する車軸検知装置等の検問装置の検出結果を利用する等して実施可能である。手法としては、幾つか考えられ、その手法に関してはここではどれを用いるか特に断定するものではない。後ほど、図10を用いて説明する。とにかく判定処理211に示すように、進路を閉鎖した列車が、進路を要求した列車と断定するには確かな情報を持って行えれば、本発明の目的は十分に達成できる。
【0038】
図10はA区間を駅として、1番線410,2番線411として、図面左から右へ走る列車に対して、A区間への進入可否を判断する境界として、境界420,列車の出発の可否を判断する境界として、境界421,422が考えられる。進路としては、境界420から境界421に向かうものと境界422に向かう進入のための2進路、及び出発用として、境界421から境界423に向かうものと境界422から境界423に向かうものの4種類である。逆に列車が走る場合は、A区間への進入として境界423か境界424,境界423から境界425に向かうもの、出発は境界424か境界420、境界425から境界420に向かう4進路ある。この境界に、図中に示すような列車通過検知装置400−a,b,c,e,f,gを設置する。車軸検知装置のようなものでもかまわないし、同じような機能を実現し保安上問題なければ、使用する装置は問わない。例えば、図中に示すように境界420に向かう列車があり、1番線410に進入しようとする場合は、正常にシステムが稼働しており異常事態が発生しなければ、列車通過検知装置400−aだけが列車の通過を検知し、境界420から境界421即ち1番線410に向かう進路が閉鎖される。即ち、進入すべき進路始端以外からの車両などの進入がないことを保証する図9の判定処理351では、400−a,b,c,d,e,f,gの列車通過検知装置の出力を検査して行えばよい。本発明では、進路と当該進路の開通を要求した列車の紐付けを基本として、列車の進路状態変化時の矛盾を検証し安全を確保している。紐付けすることで、進路と進路の開通を要求した列車が確実に関係付けられ、位置検知誤差に伴う誤制御を安全に防止する手法を説明した。また、例では、位置検知装置として現在広く用いられている軌道回路と現状に合わせた軌道回路の分割に基づいて説明してきた。地上位置検知装置としては軌道回路だけでなく、列車の車軸を検知する装置や光の遮断状況を利用するものや、超音波,スポット的に通信する無線通信を利用する手法等もあるが、これらの方式も本発明に利用可能である。
【0039】
これまで、進路の閉鎖が発生した場合の矛盾を安全に見極めて列車を制御する手法として、車上位置検知情報に誤差が含まれる場合や、システム故障等を想定していたが、人の扱いやシステムの異常検知等で、故意に進路を引き戻した場合は即進路の引き戻しが行われることは当然である。また、車上位置検知情報と地上位置検知情報とが矛盾しても、その原因が図3(1)或いは(2)の状態であると判断された場合は、その後処理204,205,208で時間余裕を設定して、該二つの位置検知情報の一致を見ていたが、本発明では必ずしも必要ではなく、運用上から、列車の安全が確保できているのだから、列車を止めることはしないが、警報等の情報は即通知を必要とするかもしれない。この処理の部分は、システム運用の必要性から適切に行えばよい。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、車上位置検知装置の出力結果を基にする列車走行制御と地上位置検知結果に基づく進路制御結果に矛盾を検知した場合でも、その矛盾がシステムの異常による危険な事態なのか、単なる位置検知誤差に起因する何ら障害とならない事態なのかを安全かつ容易に判定できる。その結果、列車を走行させるべき本来の制御を実現させることが可能となる。
【0041】
不要なブレーキの作動を排除し、システムが期待する本来の列車走行制御を安全且つ確実に実現することを可能にしている。裏返せば、不要なブレーキ指令が出力される可能性があるままでは、列車を予定通りに走らせることはできないので、定時運行性を確保できなくなる。本発明は該課題の解を開示しており、サービス運用面の向上にも大きな効果がある。
【0042】
また、列車に対して不要なブレーキを作動させることがなくなるので、列車の乗り心地を向上させる効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の全体概要を示す説明図である。
【図2】本発明による車上位置誤差に伴う制御の不一致を解消する機能ブロック構成である。
【図3】車上位置検知と地上位置検知の誤差発生の場合の説明図である。
【図4】位置検知誤差回避制御/追跡処理部72の内部処理を示す。
【図5】判定処理211で考えられる列車の動作状況を説明する図である。
【図6】安全に矛盾の原因を判定する手法を説明する図である。
【図7】図4の判定処理フローを簡略化した方式を示す。
【図8】列車の出発進路境界での事態発生を示す図である。
【図9】進入すべき道路始端以外からの車両などの進入がないことを保証する処理図である。
【図10】本発明の状況説明図である。
【符号の説明】
1…拠点列車制御装置、2…進路制御装置、3…隣接通信装置、4…通信基地局、5…アンテナ、6…地上側保安制御装置、7…進路構成運転制御装置、8…地上位置検知装置、10…通信線、20…駅中間線路、21…駅構内線路、30…列車、40…車載装置、41…車上制御装置、42…車上通信装置、43…車上位置検知装置、44…車上アンテナ、50…転轍機、61…ダイヤ管理部情報、62…進路構成装置I/F、70…通信電文処理部、71…車上位置情報照査部、72…位置検知誤差回避制御/追跡処理部、73…間隔制御部、74…地上位置検知出力処理部、75…進路制御装置I/F、76…進路構成処理部、77…現場機器。
Claims (3)
- 駅中間区間では、無線伝送により入力した車上位置検知装置の出力情報に基づき列車の走行限界位置を決定し、駅構内では、前記車上位置検知装置の出力情報と、地上位置検知装置の出力情報の双方に基づき独立して列車の走行限界位置を決定する制御装置を有する列車制御システムであって、
要求された進路と列車IDを関連付けて記憶する記憶手段を有し、
前記制御装置は、前記記憶手段を参照し、車上位置検知装置の出力情報が当該進路の外方を示している列車の列車IDが、前記地上位置検知装置の出力情報に基づき走行限界位置を決定した列車の列車IDと一致している場合は、当該走行限界位置を、開通させた進路の終点から引き戻さない処理を行う列車制御システム。 - 請求項1記載の列車制御システムであって、
開通させた進路に進入した列車は、関係づけた列車以外ではないことを検知するために、進路の切れ目に設置した列車通過検知装置を利用し、その他の枝別れした線路の先からは列車が進入していないことを検知するか、或いは、駅に関係する列車を地上側列車制御装置が検索し、近傍に列車は在線していないことや該進路に進行している列車がいないことなどで、該進路の閉鎖は進路の開通を要求した列車IDを持つ列車以外にないことを保証する列車制御システム。 - 請求項1記載の列車制御システムであって、
進路の境界で、進路に関係づけた列車と進路の間で誤差による矛盾を検知しても、車上位置検知誤差に起因する危険ではない単なる誤差と判断される場合には、列車が進行すれば位置誤差が解消されるが、この解消を検知するまでに時間的余裕をみて、該時間以上経過しても矛盾が解消しない場合は異常認識する列車制御システム。
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