JP3541748B2 - 端子の中継構造 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一対のタブ片同士を中継端子によって導通させる端子の中継構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一対のタブ片同士を中継端子によって導通させる構造として、特開平9−102345号公報に開示されたものがある(図9及び図10参照)。この中継端子1は、断面略B字形に形成された一対の接続部2A,2Bを備えており、両接続部2A,2Bには一対のタブ片を互いに逆向きに差し込んで接続可能とされている。また、一方の接続部2Aには左右両側部から一対の弾性抜止め片3が内向きに突設されている。また、中継端子1と接続される一対のタブ片のうち一方のタブ片4には、弾性抜止め片3と係合可能な一対の抜止め凹部5が凹設されている。両タブ片を接続する場合には、接続部2Bに図示しない他方のタブ片(抜止め凹部の形成されていないもの)を差し込み、接続部2Aにはタブ片4を差し込んで弾性抜止め片3と抜止め凹部5とを係合させる。こうして弾性抜止め片3と抜止め凹部5とを係合させることによって、中継端子1とタブ片4とが抜止め状態となる。そのため、両タブ片を中継端子1によって接続した後に、他方のタブ片を引き抜くことがあった場合には、中継端子1が引き抜いたタブ片に連れ動きしてタブ片4から抜けることが防止されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の構造では、中継端子1の両接続部2A,2Bが互いによく似た形状となっているため、接続作業の際に誤って弾性抜止め片3のない接続部2B側にタブ片4を接続し、接続部2A側に他方のタブ片を接続してしまうことがあった。その場合には、一旦中継端子1と両タブ片とを外し、中継端子1を逆向きにしてから再び接続をやり直すという作業が必要になって、接続作業が煩雑になっていた。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、接続の際の作業性を向上できる端子の中継構造を提供するところにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための請求項1の発明に係る端子の中継構造は、ハウジングのキャビティの奥部に突設された抜止め側タブ片と、前記キャビティ内に収容される中継端子と、この中継端子を介して前記抜止め側タブ片と導通される抜差し側タブ片とを備える端子の中継構造であって、前記中継端子はその両側が前記両タブ片が差し込み可能な接続部となった略角筒状に形成されるとともに、前記両接続部の双方にはそれぞれ抜止め受部が設けられており、かつ前記抜差し側タブ片は前記両接続部の双方に対して抜き差し自在とされる一方、前記抜止め側タブ片には前記抜止め受部に連結されて抜止め側タブ片と接続部とを抜止状態となる抜止め部が備えられ、また、前記抜止め受部は、前記接続部に差し込まれた前記タブ片を押し付けるように付勢する弾性抜止め片であり、前記抜止め部は、この弾性抜止め片に係合可能な抜止め凹部であり、さらに、中継端子は三軸方向に対称構造となっていて、前記キャビティに対し差込み方向に関する前後反転、及び表裏反転のいずれの姿勢でも収容可能であるところに特徴を有する。
【0009】
【発明の作用および効果】
請求項1の発明によれば、一対のタブ片を中継端子の接続部に接続すると、中継端子の接続部に設けられた抜止め受部と、抜止め側タブ片に設けられた抜止め凹部とが連結され両者が抜止状態とされる。このため、中継端子に二つのタブ片を接続した後に、抜差し側タブ片を引き抜くと、中継端子は引き抜いたタブ片と連れ動きすることなく抜止め側タブ片に抜止め状態で保持される。このとき、中継端子は三軸方向に対称構造となっていて、前後・表裏反転させた姿勢でも使用できるため、接続の際の作業性がより向上する。
【0013】
【発明の実施の形態】
〈第1実施形態〉
以下、本発明の第1実施形態について、図1から図6を参照しつつ説明する。図1及び図2は本実施形態の端子の中継構造を適用した中継端子30及び一対のタブ片10,20の断面図であり、図3は中継端子30の斜視図を示している。なお、以下の説明においては、図中の矢印に示す符号によって、前(F)後(B)、左(L)右(R)、および上(Up)下(Lo)の各方向を示す。
【0014】
一対のタブ片のうちの一方は抜差し側タブ片20(本発明の「一方側のタブ片」に相当)とされており、全体としては図示しない端子金具の一端に備えられている。抜差し側タブ片20は、導電性の金属材によって平板状に形成されており、その長さ寸法は後述するキャビティ13の長さ寸法の半分よりもやや小さくされている。
【0015】
一対のタブ片のうちのもう一方は抜止め側タブ片10(本発明の「他方側のタブ片」に相当)とされており、合成樹脂製のハウジング11に埋設された端子金具(図示しない)の一部である。このハウジング11は、中継端子30を収容可能なキャビティ13を備えており、その前面(図1及び図2の下側)には挿入口12が開口されている。抜止め側タブ片10は、導電性の金属部材によって抜差し側タブ片20とほぼ同形の略平板状に形成されており、キャビティ13の奥部からキャビティ13の長さ方向に沿って半分よりやや短い寸法に突設されている。また、抜止め側タブ片10には、幅方向両側縁の先端付近に、コの字形に切欠された一対の抜止め凹部15(本発明の「抜止め部」に相当)が設けられている。両抜止め凹部15は、後述するように、中継端子30に設けられた弾性抜止め片36と係合可能とされている。
【0016】
一方、中継端子30は、導電性の金属板材を折り曲げ加工することによって左右側壁31と上下壁37とを備えた略角筒状に形成されている。この中継端子30は、以下に述べるように、前(F)後(B)方向(図1及び図2の上下方向)、左(L)右(R)方向(図1の左右方向)及び上(Up)下(Lo)方向(図2の左右方向)の3方向にほぼ対称構造となっている。中継端子30は、前後方向に沿ってキャビティ13内に収容可能とされており、その左右両側壁31の中央にはキャビティ13の内壁に当接可能ながたつき止めの突起32が設けられている。また、中継端子30の前側部分と後側部分とは、それぞれ両タブ片10,20のいずれをも接続可能な接続部33とされている。中継端子30の前後端面にはそれぞれタブ片挿入口34が開口されており、ここから両タブ片10,20が、図1及び図2に示す軸線Xに沿って、互いに逆方向から各接続部33内へ差し込み可能とされている。また、前後一対のタブ片挿入口34のそれぞれには、上下壁37のそれぞれの中央からタブ片挿入口34の内側に向けて折り返す一対の弾性接触片35が設けられている。これら上下一対の弾性接触片35はその間にタブ片(10または20)が差し込まれることで、先端部が互いに外側へ撓み変形して、タブ片に弾性的に接触可能とされている。
【0017】
また、前後一対の接続部33のそれぞれには、左右両側壁31にタブ片挿入口34の孔縁付近から中央へ向けて斜めに切り起こし形成された一対の弾性抜止め片36(本発明の「抜止め受部」に相当)が設けられている。左右一対の弾性抜止め片36は、接続部33に差し込まれたタブ片(10または20)に弾力を持って当接して、そのタブ片の幅方向から押し付けるように付勢可能とされている。また、左右一対の弾性抜止め片36は、抜止め側タブ片10の一対の抜止め凹部15に係合可能とされており、両者36,15が係合することによって抜止め側タブ片10と中継端子30とが抜止めされるようになっている。
【0018】
本実施形態は以上の構成であり、次にその作用を説明する。
両タブ片10,20を接続するには、まず、ハウジング11の挿入口12から中継端子30をキャビティ13内に挿入する。このとき、中継端子30に設けられている一対の接続部33は、同じ構成とされているため、どちらの接続部33を奥側にしてキャビティ13内に入れても良い。また、中継端子30は、上下方向及び左右方向でもほぼ対称構造となっている。即ち、中継端子30は、両タブ片10,20の差し込み方向の軸Xを中心としてほぼ点対称構造となっているため、左右方向(または上下方向)をキャビティ13の向きに合わせれば、この軸線X周りに反転した姿勢でキャビティ13に挿入しても良い。
【0019】
中継端子30をキャビティ13内に挿入していくと、抜止め側タブ片10の先端が奥側のタブ片挿入口34から接続部33内に進入し、上下の弾性接触片35を互いに外側に撓ませつつその間に入り込む。また、左右の弾性抜止め片36が抜止め側タブ片10の両側縁に当接して、互いに外側に撓み変形する。中継端子30をさらに押し込むと、弾性抜止め片36の先端が抜止め側タブ10の左右両側縁を滑っていき、抜止め凹部15に至るとともに、弾性抜止め片36が内側へ復帰変形してその先端が抜止め凹部15に係合する(図4参照)。これにより、中継端子30はキャビティ13の内部において抜止め側タブ片10に抜止め状態で保持されるとともに、弾性接触片35を介して両者10,30が電気的に接続される。
【0020】
次に、抜差し側タブ片20をキャビティ13の挿入口12を通して中継端子30の前面側のタブ片挿入口34へ差し込む。すると、上下一対の弾性接触片35は、互いに外側へ撓ませられて、その間に押し入れられた抜差し側タブ片20に弾性的に接触する。また、左右の弾性抜止め片36が抜差し側タブ片20の左右両側縁に当接して外側へ撓ませられ、抜差し側タブ片20が正規の長さ挿入されるまでその左右両側縁に摺接する(図5及び図6参照)。このようにして接続作業が完了し、両タブ片10,20が中継端子30を介して導通状態となる。
【0021】
さて、この接続状態においては、抜差し側タブ片20は、中継端子30に対して両弾性接触片35によって弾性的に挟み付けられてはいるが、特に抜止め用の構成は備えられていない。このため、両弾性接触片35の弾性力に対抗するように引き抜けば、抜差し側タブ片20を中継端子30から抜き出せるようになっている。すなわち、抜差し側タブ片20を引き抜くときには、両タブ片10,20と各弾性接触片35との間の摩擦力等によって、中継端子30と抜止め側タブ片10との間に引っ張り力が作用するが、左右弾性抜止め片36と抜止め凹部15との係合によって中継端子30が抜止めされているため、抜差し側タブ片20に中継端子30が連れ動きして、一緒にキャビティ13から抜き取られてしまうことはない。
【0022】
以上のように、本実施形態によれば、中継端子30の一方の接続部33に抜止め側タブ片10を差し込むと、弾性抜止め片36と抜止め凹部15とが係合して、抜止め側タブ片10と中継端子30とが抜止め状態となる。このため、中継端子30に2つのタブ片10,20を接続した後に、抜差し側タブ片20を引き抜くと、中継端子30は引き抜いたタブ片20に連れ動きすることなく、抜止め側タブ片10に抜止め状態で保持される。この中継端子30は、前後方向に対称構造となっており、2つの接続部33はいずれのタブ片10,20に対しても同じ作用をするため、いずれの方向に組み付けても良く、接続の際の作業性が向上する。
【0023】
また、中継端子30は両タブ片10,20の差し込み方向の軸Xを中心としてほぼ点対称構造となっているため、この軸線X周りに反転させた状態でも使用できる。従って、接続の際の作業性がより向上する。
【0024】
〈参考例〉
次に、本発明の第2実施形態について、図7及び図8を参照しつつ説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態においては、抜止め側タブ片40(本発明の「抜止め部」に相当)の幅寸法Aが、抜差し側タブ片20の幅寸法Bよりも大きく形成されている。一方、中継端子50には、前後一対の接続部51の左右両側壁52からリブ53(本発明の「狭持部」に相当)が内側へ打ち出し形成されている。各リブ53の先端面は平坦面となっており、左右のリブ53間の間隔Cは、抜止め側タブ片40の幅寸法Aよりも僅かに小さくかつ、抜差し側タブ片20の幅寸法Bよりも大きくされている(つまり、それぞれの間隔は、A>C>Bという大小関係を満足するようになっている。)。
なお、中継端子50は、第1実施形態のものと同様に、前後方向に対称構造とされるとともに、両タブ片20,40の差し込み方向の軸Yを中心としてほぼ点対称構造とされている。
【0025】
両タブ片20,40を接続するには、まず、中継端子50を挿入口12からキャビティ13内に挿入する。すると、抜止め側タブ片40が奥側のタブ片挿入口34より接続部51内に進入して、その左右両側縁が左右のリブ53に当接しそれらの間に抜止め側タブ片40が押し込まれる。そのまま、中継端子50を押し込むと、抜止め側タブ片40は、左右リブ53と擦れ合いながら内部へ進入するとともに、上下の弾性接触片35を互いに外側に撓ませつつその間に押し入れられる。こうして中継端子50全体をキャビティ13内に挿入すると、抜止め側タブ片40が左右のリブ53との摩擦力にって狭持されることで中継端子50と抜止め側タブ片40が抜止め状態で接続される。次に、抜差し側タブ片20を挿入口12を通して前面側のタブ片挿入口34内に挿入すると、抜差し側タブ片20は左右のリブ53とは当接せずに、上下の弾性接触片35の間に差し込まれ、両者が弾性的に接続される(図8参照)。これにより、両タブ片20,40が中継端子50を介して導通状態で接続される。
この接続状態において、キャビティ13から抜差し側タブ片20を引き抜いた場合には、抜止め側タブ片40が左右のリブ53によって狭持されているために、中継端子50は抜差し側タブ片20と連れ動きすることなく、抜止め側タブ片40に抜止め状態で保持される。
【0026】
上記参考例によっても、中継端子50は、いずれの接続部51を抜止め側タブ片40に接続する側にして組み付けても良く、また、両タブ片20,40の差し込み方向の軸Yを中心としてこの軸Y周りに反転させた状態でも組み付けることができる。従って、接続の際の作業性が向上する。また、本実施形態では、本発明の抜止め部に相当する部位が抜止め側タブ片40を抜差し側タブ片20よりも幅広にすることで形成されるため、製造が容易である。
【0027】
本発明の技術的範囲は、上記した実施形態によって限定されるものではなく、例えば、次に記載するようなものも本発明の技術的範囲に含まれる。また、その他、本発明の技術的範囲は、均等の範囲にまで及ぶものである。
(1)上記各実施形態では、中継端子30(または50)は前後方向に対称構造で、かつ両タブ片10,20(または10,40)の差し込み方向を軸として点対称構造とされているが、本発明によれば、接続部が両タブ片に対して同様の作用をすれば良く、必ずしも前後方向に対称構造でなくても良く、あるいは両タブ片の差し込み方向の軸に対して点対称構造でなくても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態における接続前の状態を示す平断面図
【図2】接続前の状態を示す側断面図
【図3】中継端子の斜視図
【図4】抜止め側タブ片に中継端子を組み付けた状態を示す平断面図
【図5】接続完了状態を示す平断面図
【図6】接続完了状態を示す側断面図
【図7】参考例における接続前の状態を示す平断面図
【図8】接続完了状態を示す平断面図
【図9】従来の端子の中継構造を示す斜視図
【図10】従来の中継端子とタブ片との接続状態を示す平断面図
【符号の説明】
10…抜止め側タブ片(他方側のタブ片)
15…抜止め凹部(抜止め部)
20…抜差し側タブ片(一方側のタブ片)
30…中継端子
33…接続部
36…弾性抜止め片(抜止め受部)
40…抜止め側タブ片(他方側のタブ片、抜止め部)
50…中継端子
51…接続部
52…リブ(狭持部、抜止め受部)
X,Y…両タブ片の差し込み方向の軸
【発明の属する技術分野】
本発明は、一対のタブ片同士を中継端子によって導通させる端子の中継構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一対のタブ片同士を中継端子によって導通させる構造として、特開平9−102345号公報に開示されたものがある(図9及び図10参照)。この中継端子1は、断面略B字形に形成された一対の接続部2A,2Bを備えており、両接続部2A,2Bには一対のタブ片を互いに逆向きに差し込んで接続可能とされている。また、一方の接続部2Aには左右両側部から一対の弾性抜止め片3が内向きに突設されている。また、中継端子1と接続される一対のタブ片のうち一方のタブ片4には、弾性抜止め片3と係合可能な一対の抜止め凹部5が凹設されている。両タブ片を接続する場合には、接続部2Bに図示しない他方のタブ片(抜止め凹部の形成されていないもの)を差し込み、接続部2Aにはタブ片4を差し込んで弾性抜止め片3と抜止め凹部5とを係合させる。こうして弾性抜止め片3と抜止め凹部5とを係合させることによって、中継端子1とタブ片4とが抜止め状態となる。そのため、両タブ片を中継端子1によって接続した後に、他方のタブ片を引き抜くことがあった場合には、中継端子1が引き抜いたタブ片に連れ動きしてタブ片4から抜けることが防止されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の構造では、中継端子1の両接続部2A,2Bが互いによく似た形状となっているため、接続作業の際に誤って弾性抜止め片3のない接続部2B側にタブ片4を接続し、接続部2A側に他方のタブ片を接続してしまうことがあった。その場合には、一旦中継端子1と両タブ片とを外し、中継端子1を逆向きにしてから再び接続をやり直すという作業が必要になって、接続作業が煩雑になっていた。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、接続の際の作業性を向上できる端子の中継構造を提供するところにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための請求項1の発明に係る端子の中継構造は、ハウジングのキャビティの奥部に突設された抜止め側タブ片と、前記キャビティ内に収容される中継端子と、この中継端子を介して前記抜止め側タブ片と導通される抜差し側タブ片とを備える端子の中継構造であって、前記中継端子はその両側が前記両タブ片が差し込み可能な接続部となった略角筒状に形成されるとともに、前記両接続部の双方にはそれぞれ抜止め受部が設けられており、かつ前記抜差し側タブ片は前記両接続部の双方に対して抜き差し自在とされる一方、前記抜止め側タブ片には前記抜止め受部に連結されて抜止め側タブ片と接続部とを抜止状態となる抜止め部が備えられ、また、前記抜止め受部は、前記接続部に差し込まれた前記タブ片を押し付けるように付勢する弾性抜止め片であり、前記抜止め部は、この弾性抜止め片に係合可能な抜止め凹部であり、さらに、中継端子は三軸方向に対称構造となっていて、前記キャビティに対し差込み方向に関する前後反転、及び表裏反転のいずれの姿勢でも収容可能であるところに特徴を有する。
【0009】
【発明の作用および効果】
請求項1の発明によれば、一対のタブ片を中継端子の接続部に接続すると、中継端子の接続部に設けられた抜止め受部と、抜止め側タブ片に設けられた抜止め凹部とが連結され両者が抜止状態とされる。このため、中継端子に二つのタブ片を接続した後に、抜差し側タブ片を引き抜くと、中継端子は引き抜いたタブ片と連れ動きすることなく抜止め側タブ片に抜止め状態で保持される。このとき、中継端子は三軸方向に対称構造となっていて、前後・表裏反転させた姿勢でも使用できるため、接続の際の作業性がより向上する。
【0013】
【発明の実施の形態】
〈第1実施形態〉
以下、本発明の第1実施形態について、図1から図6を参照しつつ説明する。図1及び図2は本実施形態の端子の中継構造を適用した中継端子30及び一対のタブ片10,20の断面図であり、図3は中継端子30の斜視図を示している。なお、以下の説明においては、図中の矢印に示す符号によって、前(F)後(B)、左(L)右(R)、および上(Up)下(Lo)の各方向を示す。
【0014】
一対のタブ片のうちの一方は抜差し側タブ片20(本発明の「一方側のタブ片」に相当)とされており、全体としては図示しない端子金具の一端に備えられている。抜差し側タブ片20は、導電性の金属材によって平板状に形成されており、その長さ寸法は後述するキャビティ13の長さ寸法の半分よりもやや小さくされている。
【0015】
一対のタブ片のうちのもう一方は抜止め側タブ片10(本発明の「他方側のタブ片」に相当)とされており、合成樹脂製のハウジング11に埋設された端子金具(図示しない)の一部である。このハウジング11は、中継端子30を収容可能なキャビティ13を備えており、その前面(図1及び図2の下側)には挿入口12が開口されている。抜止め側タブ片10は、導電性の金属部材によって抜差し側タブ片20とほぼ同形の略平板状に形成されており、キャビティ13の奥部からキャビティ13の長さ方向に沿って半分よりやや短い寸法に突設されている。また、抜止め側タブ片10には、幅方向両側縁の先端付近に、コの字形に切欠された一対の抜止め凹部15(本発明の「抜止め部」に相当)が設けられている。両抜止め凹部15は、後述するように、中継端子30に設けられた弾性抜止め片36と係合可能とされている。
【0016】
一方、中継端子30は、導電性の金属板材を折り曲げ加工することによって左右側壁31と上下壁37とを備えた略角筒状に形成されている。この中継端子30は、以下に述べるように、前(F)後(B)方向(図1及び図2の上下方向)、左(L)右(R)方向(図1の左右方向)及び上(Up)下(Lo)方向(図2の左右方向)の3方向にほぼ対称構造となっている。中継端子30は、前後方向に沿ってキャビティ13内に収容可能とされており、その左右両側壁31の中央にはキャビティ13の内壁に当接可能ながたつき止めの突起32が設けられている。また、中継端子30の前側部分と後側部分とは、それぞれ両タブ片10,20のいずれをも接続可能な接続部33とされている。中継端子30の前後端面にはそれぞれタブ片挿入口34が開口されており、ここから両タブ片10,20が、図1及び図2に示す軸線Xに沿って、互いに逆方向から各接続部33内へ差し込み可能とされている。また、前後一対のタブ片挿入口34のそれぞれには、上下壁37のそれぞれの中央からタブ片挿入口34の内側に向けて折り返す一対の弾性接触片35が設けられている。これら上下一対の弾性接触片35はその間にタブ片(10または20)が差し込まれることで、先端部が互いに外側へ撓み変形して、タブ片に弾性的に接触可能とされている。
【0017】
また、前後一対の接続部33のそれぞれには、左右両側壁31にタブ片挿入口34の孔縁付近から中央へ向けて斜めに切り起こし形成された一対の弾性抜止め片36(本発明の「抜止め受部」に相当)が設けられている。左右一対の弾性抜止め片36は、接続部33に差し込まれたタブ片(10または20)に弾力を持って当接して、そのタブ片の幅方向から押し付けるように付勢可能とされている。また、左右一対の弾性抜止め片36は、抜止め側タブ片10の一対の抜止め凹部15に係合可能とされており、両者36,15が係合することによって抜止め側タブ片10と中継端子30とが抜止めされるようになっている。
【0018】
本実施形態は以上の構成であり、次にその作用を説明する。
両タブ片10,20を接続するには、まず、ハウジング11の挿入口12から中継端子30をキャビティ13内に挿入する。このとき、中継端子30に設けられている一対の接続部33は、同じ構成とされているため、どちらの接続部33を奥側にしてキャビティ13内に入れても良い。また、中継端子30は、上下方向及び左右方向でもほぼ対称構造となっている。即ち、中継端子30は、両タブ片10,20の差し込み方向の軸Xを中心としてほぼ点対称構造となっているため、左右方向(または上下方向)をキャビティ13の向きに合わせれば、この軸線X周りに反転した姿勢でキャビティ13に挿入しても良い。
【0019】
中継端子30をキャビティ13内に挿入していくと、抜止め側タブ片10の先端が奥側のタブ片挿入口34から接続部33内に進入し、上下の弾性接触片35を互いに外側に撓ませつつその間に入り込む。また、左右の弾性抜止め片36が抜止め側タブ片10の両側縁に当接して、互いに外側に撓み変形する。中継端子30をさらに押し込むと、弾性抜止め片36の先端が抜止め側タブ10の左右両側縁を滑っていき、抜止め凹部15に至るとともに、弾性抜止め片36が内側へ復帰変形してその先端が抜止め凹部15に係合する(図4参照)。これにより、中継端子30はキャビティ13の内部において抜止め側タブ片10に抜止め状態で保持されるとともに、弾性接触片35を介して両者10,30が電気的に接続される。
【0020】
次に、抜差し側タブ片20をキャビティ13の挿入口12を通して中継端子30の前面側のタブ片挿入口34へ差し込む。すると、上下一対の弾性接触片35は、互いに外側へ撓ませられて、その間に押し入れられた抜差し側タブ片20に弾性的に接触する。また、左右の弾性抜止め片36が抜差し側タブ片20の左右両側縁に当接して外側へ撓ませられ、抜差し側タブ片20が正規の長さ挿入されるまでその左右両側縁に摺接する(図5及び図6参照)。このようにして接続作業が完了し、両タブ片10,20が中継端子30を介して導通状態となる。
【0021】
さて、この接続状態においては、抜差し側タブ片20は、中継端子30に対して両弾性接触片35によって弾性的に挟み付けられてはいるが、特に抜止め用の構成は備えられていない。このため、両弾性接触片35の弾性力に対抗するように引き抜けば、抜差し側タブ片20を中継端子30から抜き出せるようになっている。すなわち、抜差し側タブ片20を引き抜くときには、両タブ片10,20と各弾性接触片35との間の摩擦力等によって、中継端子30と抜止め側タブ片10との間に引っ張り力が作用するが、左右弾性抜止め片36と抜止め凹部15との係合によって中継端子30が抜止めされているため、抜差し側タブ片20に中継端子30が連れ動きして、一緒にキャビティ13から抜き取られてしまうことはない。
【0022】
以上のように、本実施形態によれば、中継端子30の一方の接続部33に抜止め側タブ片10を差し込むと、弾性抜止め片36と抜止め凹部15とが係合して、抜止め側タブ片10と中継端子30とが抜止め状態となる。このため、中継端子30に2つのタブ片10,20を接続した後に、抜差し側タブ片20を引き抜くと、中継端子30は引き抜いたタブ片20に連れ動きすることなく、抜止め側タブ片10に抜止め状態で保持される。この中継端子30は、前後方向に対称構造となっており、2つの接続部33はいずれのタブ片10,20に対しても同じ作用をするため、いずれの方向に組み付けても良く、接続の際の作業性が向上する。
【0023】
また、中継端子30は両タブ片10,20の差し込み方向の軸Xを中心としてほぼ点対称構造となっているため、この軸線X周りに反転させた状態でも使用できる。従って、接続の際の作業性がより向上する。
【0024】
〈参考例〉
次に、本発明の第2実施形態について、図7及び図8を参照しつつ説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態においては、抜止め側タブ片40(本発明の「抜止め部」に相当)の幅寸法Aが、抜差し側タブ片20の幅寸法Bよりも大きく形成されている。一方、中継端子50には、前後一対の接続部51の左右両側壁52からリブ53(本発明の「狭持部」に相当)が内側へ打ち出し形成されている。各リブ53の先端面は平坦面となっており、左右のリブ53間の間隔Cは、抜止め側タブ片40の幅寸法Aよりも僅かに小さくかつ、抜差し側タブ片20の幅寸法Bよりも大きくされている(つまり、それぞれの間隔は、A>C>Bという大小関係を満足するようになっている。)。
なお、中継端子50は、第1実施形態のものと同様に、前後方向に対称構造とされるとともに、両タブ片20,40の差し込み方向の軸Yを中心としてほぼ点対称構造とされている。
【0025】
両タブ片20,40を接続するには、まず、中継端子50を挿入口12からキャビティ13内に挿入する。すると、抜止め側タブ片40が奥側のタブ片挿入口34より接続部51内に進入して、その左右両側縁が左右のリブ53に当接しそれらの間に抜止め側タブ片40が押し込まれる。そのまま、中継端子50を押し込むと、抜止め側タブ片40は、左右リブ53と擦れ合いながら内部へ進入するとともに、上下の弾性接触片35を互いに外側に撓ませつつその間に押し入れられる。こうして中継端子50全体をキャビティ13内に挿入すると、抜止め側タブ片40が左右のリブ53との摩擦力にって狭持されることで中継端子50と抜止め側タブ片40が抜止め状態で接続される。次に、抜差し側タブ片20を挿入口12を通して前面側のタブ片挿入口34内に挿入すると、抜差し側タブ片20は左右のリブ53とは当接せずに、上下の弾性接触片35の間に差し込まれ、両者が弾性的に接続される(図8参照)。これにより、両タブ片20,40が中継端子50を介して導通状態で接続される。
この接続状態において、キャビティ13から抜差し側タブ片20を引き抜いた場合には、抜止め側タブ片40が左右のリブ53によって狭持されているために、中継端子50は抜差し側タブ片20と連れ動きすることなく、抜止め側タブ片40に抜止め状態で保持される。
【0026】
上記参考例によっても、中継端子50は、いずれの接続部51を抜止め側タブ片40に接続する側にして組み付けても良く、また、両タブ片20,40の差し込み方向の軸Yを中心としてこの軸Y周りに反転させた状態でも組み付けることができる。従って、接続の際の作業性が向上する。また、本実施形態では、本発明の抜止め部に相当する部位が抜止め側タブ片40を抜差し側タブ片20よりも幅広にすることで形成されるため、製造が容易である。
【0027】
本発明の技術的範囲は、上記した実施形態によって限定されるものではなく、例えば、次に記載するようなものも本発明の技術的範囲に含まれる。また、その他、本発明の技術的範囲は、均等の範囲にまで及ぶものである。
(1)上記各実施形態では、中継端子30(または50)は前後方向に対称構造で、かつ両タブ片10,20(または10,40)の差し込み方向を軸として点対称構造とされているが、本発明によれば、接続部が両タブ片に対して同様の作用をすれば良く、必ずしも前後方向に対称構造でなくても良く、あるいは両タブ片の差し込み方向の軸に対して点対称構造でなくても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態における接続前の状態を示す平断面図
【図2】接続前の状態を示す側断面図
【図3】中継端子の斜視図
【図4】抜止め側タブ片に中継端子を組み付けた状態を示す平断面図
【図5】接続完了状態を示す平断面図
【図6】接続完了状態を示す側断面図
【図7】参考例における接続前の状態を示す平断面図
【図8】接続完了状態を示す平断面図
【図9】従来の端子の中継構造を示す斜視図
【図10】従来の中継端子とタブ片との接続状態を示す平断面図
【符号の説明】
10…抜止め側タブ片(他方側のタブ片)
15…抜止め凹部(抜止め部)
20…抜差し側タブ片(一方側のタブ片)
30…中継端子
33…接続部
36…弾性抜止め片(抜止め受部)
40…抜止め側タブ片(他方側のタブ片、抜止め部)
50…中継端子
51…接続部
52…リブ(狭持部、抜止め受部)
X,Y…両タブ片の差し込み方向の軸
Claims (1)
- ハウジングのキャビティの奥部に突設された抜止め側タブ片と、前記キャビティ内に収容される中継端子と、この中継端子を介して前記抜止め側タブ片と導通される抜差し側タブ片とを備える端子の中継構造であって、
前記中継端子はその両側が前記両タブ片が差し込み可能な接続部となった略角筒状に形成されるとともに、
前記両接続部の双方にはそれぞれ抜止め受部が設けられており、かつ前記抜差し側タブ片は前記両接続部の双方に対して抜き差し自在とされる一方、前記抜止め側タブ片には前記抜止め受部に連結されて抜止め側タブ片と接続部とを抜止状態となる抜止め部が備えられ、
また、前記抜止め受部は、前記接続部に差し込まれた前記タブ片を押し付けるように付勢する弾性抜止め片であり、前記抜止め部は、この弾性抜止め片に係合可能な抜止め凹部であり、
さらに、中継端子は三軸方向に対称構造となっていて、前記キャビティに対し差込み方向に関する前後反転、及び表裏反転のいずれの姿勢でも収容可能であることを特徴とする端子の中継構造。
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