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JP3539928B2 - 埋設施設およびその施工方法、それに使用される成形体 - Google Patents

埋設施設およびその施工方法、それに使用される成形体 Download PDF

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JP3539928B2
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    • Y02W30/30Landfill technologies aiming to mitigate methane emissions

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  • Processing Of Solid Wastes (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃棄物を収容したピット等の周囲全体をベントナイト系材料で覆って地下水の透水を防止するように構成された埋設施設およびその施工方法、それに使用される成形体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
通常、高レベルな放射能を含む放射性廃棄物のように環境や人体に長期間に亘って悪影響を及ぼす廃棄物は、大深度等に設けられた埋設施設に搬入して処分される。また、放射能をあまり多く含まない放射性廃棄物は、表層を掘削して設けられた埋設施設に搬入して処分される。さらに中間的な放射能を含むものは、中間程度の深度に設けられた埋設施設に搬入して処分される。この際、廃棄物の処分後に、埋設施設内に地下水が浸入すると、地下水に接触した廃棄物中から放射性物質等の有害成分がイオン化して溶け出し、地下水と共に施設の外部に漏洩することになる。従って、埋設施設は、地下水の浸入およびイオン化した処分対象物の溶出を長期間に亘って防止する必要があるため、所望の止水性を発揮するように規定された所期充填乾燥密度のベントナイト系材料で廃棄物の周囲を覆った構造にされている。
【0003】
具体的には、ナトリウム型(Na型)やカルシウム型(Ca型)のベントナイト等の粘土鉱物を主成分とする充填材や、粘土鉱物とケイ砂等の砂を混合した充填材であるベントナイト系材料の粉体または粒体からなるベントナイト系流動体を準備する。そして、例えば図26に示すように、岩盤等からなる強固な地盤内に横穴51を形成し、横穴51の内面全体をコンクリート層56で補強する。この後、横穴51の底面にベントナイト系流動体を所期充填乾燥密度となるように敷きつめて底壁部52を形成した後、底壁部52上にピット53(またはサイロ)をコンクリートの打設により形成し、ピット53内に廃棄物54を搬入する。そして、ピット53と横穴51の側壁との間にベントナイト系流動体を所期充填乾燥密度となるように充填して側壁部55を形成した後、同様にベントナイト系流動体により上壁部57を形成する。この後、ピット53の上方となる横穴51の上側をベントナイト系流動体を含む混合土で埋めることによって、埋設施設として完成する。
【0004】
また、近年においては、乾燥状態のベントナイト系流動体を押し固めて作成されたブロック状の成形体を敷き詰めることにより上述の各壁部52・55・57を形成する方法も考えられている。即ち、ベントナイト系流動体を押し固めて成形体を作成する際に、乾燥状態にあるベントナイト系材料に換算した成形体自体の密度である成形体乾燥密度を所期充填乾燥密度に設定する。そして、この成形体を隙間無く配置して各壁部52・55・57を形成することによって、各壁部52・55・57の全体としての密度である充填乾燥密度を所期充填乾燥密度とする方法が考えられている。さらに、成形体を大型化して各壁部52・55・57を一体的に形成する方法も考えられている。
【0005】
これにより、従来の埋設施設は、ピット53の全体が止水性に優れたベントナイト系流動体やこの成形体で覆われた構成にされているため、例えば地震等によりコンクリート層56が破損して横穴51内に地下水が浸入するような事態になっても、地下水の廃棄物54への浸入を上記の流動体や成形体のベントナイト系材料により抑制することが可能になっている。また、長期的には浸入した地下水に廃棄物54の有害成分が溶け出すことになるが、上述のように各壁部52・55・57の充填乾燥密度が所期充填乾燥密度に設定されているため、外部の地下水流へのイオン化した有害成分の漏出も抑制することが可能になっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のようにベントナイト系流動体で各壁部52・55・57を形成した場合において、各壁部52・55・57の充填乾燥密度を例えば1.8g/cm3 等の所期充填乾燥密度にまで高めようとすると、各壁部52・55・57を突き固めて充填率を予め高くしておく必要がある。従って、各壁部52・55・57の充填密度を十分に管理しながら施工することが必要である。さらに、施工時においては、側壁部55の周囲に作業エリアを設け、この作業エリアに作業員が入って突き固め作業等を行うことが必要になる。この結果、作業に手間取った作業員が必要以上に被爆するおそれがあると共に、作業用エリアを設けたり埋め戻したりするための時間およびベントナイト系材料を余分に要することによって、埋設施設を完成するまでに多くの時間や費用がかかるという問題がある。
【0007】
また、ベントナイト系流動体で底壁部52を形成した場合には、ピット53や廃棄物54の重量に対して強度が不十分になり易いため、底壁部52が不均質に沈下する等の変形によりピット53が傾倒する場合がある。これにより、ピット53に廃棄物54を搬入する際に、廃棄物54を正確に位置決めすることができなかったり、底壁部52や側壁部55の一部が規格外にまで薄くなることによりイオン化した処分対象物(有害成分)が透過して漏出することがあるという問題がある。
【0008】
一方、成形体を隙間無く配置して各壁部52・55・57を形成する構成では、隣接する成形体同士を十分に当接させるように極めて慎重に施工作業を行う必要がある。従って、施工時においては、上述の突き固め作業の場合と同様に、側壁部55の周囲に設けられた作業エリアに作業員が入って成形体の正確な積み上げ作業等を行うことが必要になる。これにより、必要以上に被爆したり、埋設施設を完成するまでに多くの時間や費用がかかるという問題がある。
【0009】
また、各壁部52・55・57を成形体で一体的に形成した構成では、多くの廃棄物54を収容しようとすると、成形体のサイズや重量が過大になって運搬することが困難になるため、少ない廃棄物54を収容する場合にのみ使用可能であるという使用上の制約がある。
【0010】
従って、本発明は、ベントナイト系材料の充填乾燥密度を所期充填乾燥密度に容易にすることができると共に、各壁部52・55・57を十分に高い強度にでき、さらに、多くの廃棄物54を収容する場合にも好適な埋設施設およびその施工方法、それに使用される成形体を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、発明は、廃棄物を収容した収容部材の周囲全体を、所期充填乾燥密度以上に充填されたベントナイト系材料の外周充填壁で覆って地下水の透水を防止するように構成された埋設施設であって、前記外周充填壁は、前記所期充填乾燥密度を越えた成形体乾燥密度となるように前記ベントナイト系材料を等方圧加圧処理により圧密成形して形成され、前記収容部材を支持する複数の柱状成形体で形成された底壁部を備えており、前記柱状成形体は、底壁部の厚みと同一の長さに設定されており、軸心方向が鉛直方向に一致するように立設されていることを特徴としている。
【0012】
上記の構成によれば、底壁部に地下水が接触すると、接触当初においては、柱状成形体の周面に沿って地下水が浸入することになるが、暫くすると、柱状成形体が地下水を吸収して膨潤することによって、周囲の空隙を塞いで底壁部の全体を膨潤状態のベントナイト系材料で満たすことになる。この結果、ベントナイト系材料としての止水性の機能を発揮し、地下水の透水を阻止するため、廃棄物や廃棄物中の例えばイオン化した放射性物質が地下水と共に外部に漏出することを防止することができる。
【0013】
また、圧密成形により大きな圧縮強度を備えた柱状成形体が収容部材を支持しているため、収容部材や廃棄物の重量が底壁部に作用した場合でも、柱状成形体により底壁部の形状を保持して変形を防止することができる。これにより、底壁部が部分的に変形することによる収容部材の傾倒を防止することができるため、収容部材との間で一定の位置関係を要するハンドリング装置等の遠隔操作により廃棄物を収容部材に収容する場合でも、高い位置決め精度でもって廃棄物を容易に収容させることができる。また、柱状成形体は、成形体自体が高強度であるため、輸送や地下への搬送時に落下や衝突、振動により衝撃が付与された場合でも破損することがない。
【0014】
また、柱状成形体が所期充填乾燥密度を越えた成形体乾燥密度となるように形成されているため、柱状成形体の周囲に隙間がある場合でも、底壁部の充填乾燥密度を所期充填乾燥密度またはこの密度以上にすることができる。従って、従来のように成形体を隙間無く配置する場合よりも、柱状成形体を設置するときの位置決め精度を緩やかにすることができるため、底壁部を容易に形成することができる。さらに、柱状成形体の設置数を増減することによって、底壁部を任意のサイズに変更することができるため、多くの廃棄物を収容する収容部材の埋設施設に対しても容易に適用することができる。
【0015】
本発明は、廃棄物を収容した収容部材の周囲全体を、所期充填乾燥密度以上に充填されたベントナイト系材料の外周充填壁で覆って地下水の透水を防止するように構成された埋設施設であって、前記外周充填壁は、前記所期充填乾燥密度を越えた成形体乾燥密度となるように前記ベントナイト系材料を等方圧加圧処理により圧密成形して略球状に形成された多数の塊状成形体で形成された側壁部を備えていることを特徴としている。
【0016】
上記の構成によれば、側壁部に地下水が接触すると、接触当初においては、塊状成形体の周面に沿って地下水が浸入することになるが、暫くすると、塊状成形体が地下水を吸収して膨潤することによって、周囲の空隙を塞いで側壁部の全体を膨潤状態のベントナイト系材料で満たすことになる。この結果、ベントナイト系材料としての止水性の機能を発揮し、地下水の透水を阻止するため、廃棄物や廃棄物中の例えばイオン化した放射性物質が地下水と共に外部に漏出することを防止することができる。
【0017】
また、圧密成形により大きな圧縮強度を備えた塊状成形体により側壁部に対して所定以上の強度を付与することができると共に、所期充填乾燥密度またはこの密度以上の充填乾燥密度を出現させることができるため、従来のベントナイト系流動体のみで側壁部を形成する場合のように、側壁部を外部から突き固めるための作業エリアを設ける必要がない。この結果、作業エリアの形成や埋め戻しの作業が不要になると共に、突き固め時における作業員の被爆等を防止することができる。
【0018】
また、塊状成形体は、成形体自体が高強度であるため、輸送や地下への搬送時に落下や衝突、振動により衝撃が付与されたり、ピット等の上方位置から底壁部上面付近への施工時に衝撃が付与された場合でも破損することがない。これにより、例えば上方位置から塊状成形体を投入して自然落下により積み重ねながら側壁部とすることができるため、側壁部を極めて容易に形成することができる。さらに、塊状成形体の数量を増減することによって、側壁部を任意のサイズに変更することができるため、多くの廃棄物を収容する収容部材の埋設施設に対しても容易に適用することができる。
【0019】
本発明は、廃棄物を収容した収容部材の周囲全体を、所期充填乾燥密度以上に充填されたベントナイト系材料の外周充填壁で覆って地下水の透水を防止するように構成された埋設施設であって、前記外周充填壁は、前記所期充填乾燥密度を越えた成形体乾燥密度となるように前記ベントナイト系材料を等方圧加圧処理により圧密成形して形成され、底壁部の厚みと同一の長さに設定され、軸心方向が鉛直方向に一致するように立設されることにより前記収容部材を支持する複数の柱状成形体で形成された底壁部と、前記所期充填乾燥密度を越えた成形体乾燥密度となるように前記ベントナイト系材料を等方圧加圧処理により圧密成形して形成された多数の塊状成形体で形成された側壁部とを備えていることを特徴としている。
【0020】
上記の構成によれば、側壁部や底壁部に地下水が接触すると、接触当初においては、塊状成形体や柱状成形体の周面に沿って地下水が浸入することになるが、暫くすると、これらの成形体が地下水を吸収して膨潤することによって、周囲の空隙を塞いで側壁部および底壁部の全体を膨潤状態のベントナイト系材料で満たされることになる。この結果、ベントナイト系材料としての止水性の機能を発揮し、地下水の透水を阻止するため、廃棄物や廃棄物中の例えばイオン化した放射性物質が地下水と共に外部に漏出することを防止することができる。
【0021】
また、圧密成形により大きな圧縮強度を備えた柱状成形体が収容部材を支持しているため、収容部材や廃棄物の重量が底壁部に作用した場合でも、柱状成形体により底壁部の形状を保持して変形を防止することができる。これにより、底壁部が部分的に変形することによる収容部材の傾倒を防止することができるため、収容部材との間で一定の位置関係を要するハンドリング装置等の遠隔操作により廃棄物を収容部材に収容する場合でも、高い位置決め精度でもって廃棄物を容易に収容させることができる。また、柱状成形体は、成形体自体が高強度であるため、輸送や地下への搬送時に落下や衝突、振動により衝撃が付与された場合でも破損することがない。
【0022】
また、柱状成形体が所期充填乾燥密度を越えた成形体乾燥密度となるように形成されているため、柱状成形体の周囲に隙間がある場合でも、底壁部の充填乾燥密度を所期充填乾燥密度またはこの密度以上にすることができる。従って、従来のように成形体を隙間無く配置する場合よりも、柱状成形体を設置するときの位置決め精度を緩やかにすることができるため、底壁部を容易に形成することができる。さらに、柱状成形体を設置数を増減することによって、底壁部を任意のサイズに変更することができるため、多くの廃棄物を収容する収容部材の埋設施設に対しても容易に適用することができる。
【0023】
さらに、上記の構成によれば、圧密成形により大きな圧縮強度を備えた塊状成形体により側壁部に対して所定以上の強度を付与することができると共に、所期充填乾燥密度またはこの密度以上の充填乾燥密度を出現させることができるため、従来のベントナイト系流動体のみで側壁部を形成する場合のように、側壁部を外部から突き固めるための作業エリアを設ける必要がない。この結果、作業エリアの形成や埋め戻しの作業が不要になると共に、突き固め時における作業員の被爆等を防止することができる。
【0024】
また、塊状成形体は、成形体自体が高強度であるため、輸送や地下への搬送時に落下や衝突、振動により衝撃が付与されたり、ピット等の上方位置から底壁部上面付近への施工時に衝撃が付与された場合でも破損することがない。これにより、例えば上方位置から塊状成形体を投入して自然落下により積み重ねながら側壁部とすることができるため、側壁部を極めて容易に形成することができる。さらに、塊状成形体の数量を増減することによって、側壁部を任意のサイズに変更することができるため、多くの廃棄物を収容する収容部材の埋設施設に対しても容易に適用することができる。
【0025】
本発明は、前記底壁部は、前記所期充填乾燥密度を越えた成形体乾燥密度となるように前記ベントナイト系材料を等方圧加圧処理により圧密成形して形成された塊状成形体を有することを特徴としている。これにより、より高い充填乾燥密度を有することで優れた止水性を有し、有害成分の漏出を十分に抑制できる底壁部を容易に得ることができる。
【0026】
本発明は、前記側壁部は、前記所期充填乾燥密度を越えた成形体乾燥密度となるように前記ベントナイト系材料を等方圧加圧処理により圧密成形して形成され、底壁部の厚みと同一の長さに設定され、軸心方向が鉛直方向に一致するように立設された柱状成形体を有することを特徴としている。これにより、より高い充填乾燥密度を有することで優れた止水性を有し、有害成分の漏出を十分に抑制できる側壁部を容易に得ることができる。
【0027】
本発明は、前記外周充填壁は、前記所期充填乾燥密度を越えた成形体乾燥密度となるように前記ベントナイト系材料を等方圧加圧処理により圧密成形して形成された柱状成形体および塊状成形体の少なくとも一方で形成された上壁部を備えていることを特徴としている。これにより、上述のように、容易な作業でもって各種サイズに応じた優れた止水性を有し、有害成分の漏出を十分に抑制できる。
【0028】
発明は、前記外周充填壁は、前記ベントナイト系材料の粒体からなるベントナイト系流動体が加えられていることを特徴としている。
上記の構成によれば、底壁部や側壁部等を有した外周充填壁に地下水が接触すると、接触当初においては、塊状成形体や柱状成形体等の成形体の側面に沿って地下水が浸入することになるが、柱状成形体がベントナイト系流動体と同一の材質からなっているため、柱状成形体が地下水を吸収して周囲のベントナイト系流動体と同様の膨潤状態になる。この結果、柱状成形体とベントナイト系流動体とが短時間で同一化することによって、ベントナイト系材料としての止水性の機能を早期に発揮し、地下水の透水を阻止するため、廃棄物や廃棄物中の例えばイオン化した放射性物質が地下水と共に外部に漏出することを十分に防止することができる。
【0029】
発明は、前記収容部材に到達可能に形成された坑道部を備えており、該坑道部が、等方圧加圧処理により圧密成形して形成された塊状成形体を土砂に添加したベントナイト系混合土により埋め戻されていることを特徴としている。
上記の構成によれば、塊状成形体が大きな強度を有し、運搬が容易であるため、坑道部をベントナイト系混合土で埋め戻す際に、土砂と塊状成形体とを別個に埋め戻しの作業現場に運搬し、この現場でベントナイト系混合土を作成しながら作業を行うことができる。この結果、ベントナイト系混合土の運搬作業の無駄および運搬等に伴う喪失を最小限に抑制することができる。
【0030】
発明は、埋設施設に使用される等方圧加圧処理により圧密成形して形成された塊状成形体であって、1種の粒径からなることを特徴としている。これにより、各壁部における充填乾燥密度の調整を容易に行うことができる。発明は、埋設施設に使用される等方圧加圧処理により圧密成形して形成された塊状成形体であって、複数の粒径の組み合わせからなることを特徴としている。これにより、各壁部における充填乾燥密度の調整を細かく行うことができる。
【0031】
発明は、等方圧加圧処理により圧密成形して形成された塊状成形体であって、前記複数の粒径の組み合わせの中で最小粒径が設定されていることを特徴としている。これにより、所期充填乾燥密度にするために必要な塊状成形体の最小粒径およびその数量を調整することで充填乾燥密度を適切に設定することが可能になる。
【0032】
発明は、前記等方圧加圧処理により圧密成形して形成された塊状成形体は、多面体形状または楕円体形状であることを特徴としている。これにより、上方からの自然落下により設置した際の充填形状および構造を特定できると共に、充填乾燥密度を十分に高いものに制御することができる。
【0033】
発明は、前記等方圧加圧処理により圧密成形して形成された塊状成形体は、球形状、多面体形状および楕円体形状のうちの少なくとも2種類以上の形状の組み合わせからなることを特徴としている。これにより、充填乾燥密度をより高いものに規定することができる。
【0034】
本発明は、前記塊状成形体の粒径は、1〜50mmであることを特徴としている。また、本発明は、埋設施設に使用される等方圧加圧処理により圧密成形して形成された塊状成形体であって、粒径比が0.6以下の2種の粒径の組み合わせであることを特徴としている。本発明は、埋設施設に使用される等方圧加圧処理により圧密成形して形成された塊状成形体であって、前記塊状成形体は、2種の粒径の組み合わせであって、小粒径の混合割合が20〜70%であることを特徴としている。
【0035】
本発明は、廃棄物を収容した収容部材の周囲全体を、所期充填乾燥密度以上に充填されたベントナイト系材料の外周充填壁で覆って地下水の透水を防止するように構成された埋設施設の施工方法において、前記所期充填乾燥密度を越えた成形体乾燥密度となるように前記ベントナイト系材料を等方圧加圧処理により圧密成形して形成された複数の柱状成形体を立設することにより前記外周充填壁の底壁部を形成する第1壁部形成工程と、前記底壁部上に前記収容部材を形成する収容部材形成工程と、前記収容部材に廃棄物を搬入して蓋体により封止する搬入工程と、前記所期充填乾燥密度を越えた成形体乾燥密度となるように前記ベントナイト系材料を等方圧加圧処理により圧密成形して形成された多数の塊状成形体を前記収容部材の周囲に投入して前記外周充填壁の側壁部および上壁部を形成する第2壁部形成工程とを有することを特徴としている。
上記の構成によれば、柱状成形体および塊状成形体により各壁部の強度を所定以上の強度にすることができると共に、各壁部の充填乾燥密度を所期充填乾燥密度にすることができるため、作業員が各壁部を形成する際に、突き固める等の作業を行う必要がない。
【0036】
本発明は、廃棄物を収容した収容部材の周囲全体を、所期充填乾燥密度以上に充填されたベントナイト系材料の外周充填壁で覆って地下水の透水を防止するように構成された埋設施設の施工方法において、前記所期充填乾燥密度を越えた成形体乾燥密度となるように前記ベントナイト系材料を等方圧加圧処理により圧密成形して形成された複数の柱状成形体を立設した後、これら柱状成形体の上下端面が上下面となるように、前記所期充填乾燥密度を越えた成形体乾燥密度となるように前記ベントナイト系材料を等方圧加圧処理により圧密成形して形成された塊状成形体を充填することより前記外周充填壁の底壁部を形成する底壁部形成工程と、前記底壁部上に前記収容部材を形成する収容部材形成工程と、前記収容部材に廃棄物を搬入して蓋体により封止する搬入工程と、前記柱状成形体を前記収容部材の側面を囲むように設けた後、該柱状成形体の周囲に多数の前記塊状成形体を投入して前記外周充填壁の側壁部を形成する側壁部形成工程と、前記収容部材の上面を前記塊状成形体で覆うことにより前記外周充填壁の上壁部を形成する上壁部形成工程とを有することを特徴としている。
上記の構成によれば、柱状成形体および塊状成形体により各壁部の強度を所定以上の強度にすることができると共に、各壁部の充填乾燥密度を所期充填乾燥密度にすることができるため、作業員が各壁部を形成する際に、突き固める等の作業を行う必要がない。
【0037】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図1ないし図25に基づいて以下に説明する。
本実施の形態に係る埋設施設は、図1に示すように、岩盤等からなる強固な地盤内に形成された横穴1を備えている。尚、横穴1の代わりに縦穴であっても良い。横穴1は、縦断面が半円形状の坑道部2と、縦断面が長方形状の収容部3とを上側および下側にそれぞれ備えた構成にされている。横穴1の内壁面全体には、各部2・3の形状を保持するように、コンクリート層4が形成されていると共に、必要に応じて図示しないロックボルトが岩盤内に打ち込まれている。また、コンクリート層4の壁面には、止水壁17が設けられており、止水壁17は、地下水や雨水、雰囲気中の結露水分、コンクリートの自由水等が収容部3および後述の外周充填壁26(底壁部5、側壁部11、上壁部12)内に入り込まないようにしている。
【0038】
横穴1における収容部3の底面には、外周充填壁26の一部を構成する所定の厚みを有した底壁部5が形成されている。底壁部5は、ベントナイト系材料の粉体や粒体からなるベントナイト系流動体6と、円柱形状の柱状成形体7とを有している。そして、底壁部5の充填乾燥密度は、例えば1.8g/cm3 等の所期充填乾燥密度またはこの密度以上に設定されている。
【0039】
尚、充填乾燥密度とは、底壁部5等の所定の充填空間内に乾燥状態のベントナイト系材料(柱状成形体7やベントナイト系流動体6、塊状成形体13等)を充填した場合におけるベントナイト系材料の重量を充填空間の体積で除算した値である。また、所期充填乾燥密度とは、所望の止水性および有害成分の漏出抑制効果を発揮するように予め規定されたものであり、例えば1.4g/cm3 以上の所期充填乾燥密度であれば、ある程度の効果が認められ、1.9g/cm3 以上の所期充填乾燥密度であれば十分な効果を得ることができる。
【0040】
上記の柱状成形体7は、ベントナイト系流動体6を例えば数百MPaの成形応力でもって圧密成形(等方圧加圧処理)することにより形成されており、例えば200MPaの成形応力のときに約250kgf/cm2 のコンクリートと略同程度の一軸圧縮強度を発揮する。また、柱状成形体7は、底壁部5の厚みと同一の長さに設定されており、軸心方向が鉛直方向に一致するように立設されていると共に、後述のピット8を面状に支持するピット支持領域において均等に配置されている。また、柱状成形体7は、成形体乾燥密度が例えば1.8g/cm3 等の所期充填乾燥密度を越えるように設定されている。
【0041】
尚、成形体乾燥密度(g/cm3 )とは、ベントナイト系材料を圧密成形して形成された乾燥状態の柱状成形体7の重量(g)をその体積(cm3 )で除算した値である。また、ベントナイト系材料の理論的な圧密限界である真密度は、2.6〜2.7g/cm3 である。
【0042】
また、圧密成形(等方圧加圧処理)は、水等の液体を圧力媒体とし、例えば98MPa(1000kgf/cm2)以上の高い等方圧力を三次元的に粉体(ベントナイト系材料)に加えて様々な形状に成形する冷間等方圧加圧法(CIP法:Cold Isostatic Pressing 法)により行われる。具体的には、例えば図7に示すように、高圧円筒容器60の上面および下面を上蓋61および下蓋62でそれぞれ密封して内部に成形室63を形成し、この成形室63に対して水等の圧力媒体を供給して所望の圧力に加圧する構成にされた加圧装置を用いて圧密成形が行われる。これにより、等方圧加圧法による圧密成形は、図13(a)・(b)・(c)に示すように、ベントナイト系材料からなる成形体を三次元的に等方圧で全方向から加圧するため、非常に高密度で均一性のある成形体を大きな自由度の寸法および形状、即ち、充填時の摩擦を小さくできる球形をはじめ金型成形では作りにくい形状、サイズのものを作ることが可能になっている。さらに、等方圧加圧法による圧密成形によれば、三次元的に等方圧で全方向から高密度に加圧することができるため、高充填が可能であると共に充填率制御も容易になっている。
【0043】
そして、上記のようにして形成された柱状成形体7を備えた底壁部5は、大きな一軸圧縮強度を有した柱状成形体7で支持することにより後述のピット8の傾倒を防止する。また、地下水がコンクリート層4を介して浸入したときに、同材質からなるベントナイト系流動体6と柱状成形体7とは、地下水を吸収する際に膨潤すると共に弾塑性的に変形して空隙を塞ぐことから、同一化したベントナイト系材料として地下水の透水を防止する。さらに、底壁部5は、長期間に亘って所期充填乾燥密度以上に維持されることによって、イオン化した放射性物質等の有害物質の漏出を防止する。
【0044】
上記の底壁部5におけるピット支持領域の上面には、止水板14を介してピット8が設けられている。ピット8は、コンクリートを打設することによって、上面を開口した容器形状に形成されている。ピット8内には、放射性物質等の有害成分を含有した廃棄物9が積層されていると共に、この廃棄物9の積層構造を固定するようにモルタルが充填されている。そして、ピット8は、上面の開口部が蓋体10により封止されており、蓋体10およびピット8からなるコンクリート構造物は、廃棄物9を完全に覆うことによって、例えば放射線の外部への線量率を十分に低減している。
【0045】
上記のピット8の周囲には、外周充填壁26の一部を構成する側壁部11および上壁部12が設けられている。これらの壁部11・12は、上述の底壁部5の一部を構成するベントナイト系流動体6と、球形状の塊状成形体13とからなっている。尚、各壁部11・12は、塊状成形体13のみからなっていても良いし、ベントナイト系流動体6と塊状成形体13と柱状成形体7とを備えていても良い。
【0046】
上記の塊状成形体13は、各種の粒径を有しており、充填乾燥密度が所期充填乾燥密度またはこの密度以上に設定されている。即ち、塊状成形体13は、ベントナイト系流動体6を例えば数百MPaの成形応力でもって圧密成形(等方圧加圧処理)することにより形成されており、例えば2.0g/cm3 〜2.4g/cm3 の成形体乾燥密度を有している。そして、塊状成形体13は、粒径の組み合わせを変更することによって、各壁部11・12の充填乾燥密度を所期充填乾燥密度またはこの密度以上に設定している。
【0047】
これにより、側壁部11および上壁部12は、地下水を吸収する際に膨潤すると共に弾塑性的に変形して空隙を塞ぐことから、ベントナイト系流動体6のみの場合と同様に、地下水の透水を防止する。さらに、側壁部11および上壁部12は、長期間に亘って所期充填乾燥密度以上に維持することによって、イオン化した放射性物質等の有害物質の漏出を防止する。
【0048】
上記の上壁部12の上方には、坑道部2が形成されている。尚、坑道部2は、外部から収容部3のピット8に到達可能に形成されていれば、収容部3の側方や下方等の収容部3の周囲の任意の位置に形成されていれば良い。坑道部2は、廃棄物9のピット8への搬入時等においては空洞にされている一方、廃棄物9の搬入完了後においてはベントナイト系混合土15により埋め戻されている。ベントナイト系混合土15は、多量の土砂16(土壌や掘削ズリ等)に塊状成形体13を添加することにより形成されており、通常の土砂よりも良好な止水性を有している。尚、ベントナイト系混合土15は、坑道部2の他、図2に示すように、地上から地下を結ぶアクセス坑道21や、アクセス坑道21から地下の各廃棄物9の定置位置となるピット8等を備えた横穴1を結ぶ水平坑道22等の埋め戻しに使用することもできる。
【0049】
上記の構成において、埋設施設の施工方法について説明する。
先ず、圧密成形装置等を備えた工場内において、ベントナイト系流動体6を数百MPaの圧力で等方加圧処理することによって、所期充填乾燥密度として設定された1.8g/cm3 を越える成形体乾燥密度を有した円柱形状の柱状成形体7と各種の径を有した球形状の塊状成形体13とを作成および準備する。具体的には、ベントナイト系流動体6としてクニミネ工業製のクニゲルV1(Na型)やクニボンド(Ca型)、日商ベントナイト製のMX−80(Na型)等を用意すると共に、ケイ砂として三河珪石製の5号三河(平均粒径約0.4mm)や瓢屋製のN−30(平均粒径約1mm)を用意する。そして、ベントナイト系流動体とケイ砂と水とを例えば75wt%と20wt%と5wt%との割合で混合した後、400MPa等の成形圧力で図7の加圧装置により等方圧加圧処理することによって、柱状成形体7および塊状成形体13を作成する。尚、これらの成形体7・13の一軸圧縮強度や成形体乾燥密度の詳細については後述の試験に基づいて説明する。
【0050】
また、成形体7・13の作成と並行し、図1に示すように、岩盤を掘ることにより坑道部2と収容部3とからなる横穴1を形成する。そして、横穴1の内壁面全体にコンクリートを吹き付けてコンクリート層4を形成する。また、横穴1における坑道部2の上方に図示しないロックボルト(モルタル充填)を岩盤内に打ち込むことによって、坑道部2の強度を高める(図3(a))。
【0051】
次に、コンクリート層4の壁面に止水壁17を設けることによって、地下水や雨水、雰囲気中の結露水分、コンクリートの自由水等が収容部3内に入り込まないようにする。この後、収容部3の底面に複数の柱状成形体7を軸心が鉛直方向となるように立設する(図3(b))。そして、これらの柱状成形体7の上端面の高さ位置までベントナイト系流動体6を流し込むことによって、柱状成形体7とベントナイト系流動体6とで所期充填乾燥密度を越える充填乾燥密度を有した底壁部5を形成する(図3(c):第1壁部形成工程)。尚、塊状成形体13をベントナイト系流動体6に代えて充填しても良い。
【0052】
この後、柱状成形体7で支持されるように、底壁部5の上面に止水板14を載置すると共に、従来のピット8へのモルタル充填後に取り外し可能な仮止水板14' を止水板14の周囲全体に載置する(図3(d))。これらの止水板14および仮止水板14' で底壁部5の柱状成形体7およびベントナイト系流動体6を完全に覆うと、止水板14上にコンクリートを打設することによりピット8を形成する(図3(e):ピット形成工程)。この際、ピット8の形成時に、コンクリート等の水が底壁部5方向に流れ落ちる場合があるが、これらの水が止水板14および仮止水板14' で受け止められるため、底壁部5内の成形体7や流動体6がピット8の形成時に膨潤することはない。
【0053】
また、ピット8の形成に前後して、横穴1における坑道部2の上面壁にレール23を取り付けると共に、このレール23にクレーン等のハンドリング装置24を走行可能に取り付ける。そして、ハンドリング装置により廃棄物9を外部から運搬し、ピット8内の所定位置に位置決めしながら搬入して載置する(図3(f))。この際、ピット8が大きな一軸圧縮強度を有した複数の柱状成形体7により支持された状態であるため、この柱状成形体7を有する底壁部5がピット8や廃棄物9の重量で局部的に変形することはない。これにより、ピット8が底壁部5の変形により傾倒することがないため、ピット8とハンドリング装置24との位置関係を一定の状態に維持することが可能になり、結果としてハンドリング装置24を用いた廃棄物9の積み重ね作業の自動運転や遠隔操作を容易に行うことが可能になる。
【0054】
ピット8内への廃棄物9の積み重ね作業が完了すると、ピット8内にモルタル25を充填することによって、廃棄物9の積層構造を固定する(図4(a))。この後、ピット8の開口部に蓋体10を載置して封止することによって、廃棄物9をピット8および蓋体10からなるコンクリート構造物で完全に覆った状態にする(図4(b):搬入工程)。そして、横穴1の外部や内部に確保された作業場において、ベントナイト系流動体6と塊状成形体13とを混合することにより混合体を作成する。尚、混合体の作成時においては、予め規定された1.8g/cm3 等の所期充填乾燥密度を越えるように塊状成形体13とベントナイト系流動体6との混合率を決定すると共に、各種粒径の塊状成形体13の中から粒径の種類を決定する。
【0055】
この後、仮止水板を取り除いた後(図4(c))、上記の混合体をハンドリング装置でピット8の上方位置に運搬し、ピット8と収容部3との隙間に投入することによって、塊状成形体13・13間にベントナイト系流動体6を充填する。そして、所期充填乾燥密度を越える充填乾燥密度を有した側壁部11を形成する(図4(d):第2壁部形成工程)。この際、投入時に大きな衝撃が塊状成形体13に付与されることになっても、十分に圧縮固化された塊状成形体13が破損することはない。また、ベントナイト系流動体6のみで側壁部11を形成する場合には、側壁部11を所定の充填密度以上となるように突き固める必要があるため、図1の破線で示すような作業エリア20を設ける必要があるが、本実施形態においては、塊状成形体13の投入により十分に大きな充填密度を得ることができるため、従来のような作業エリア20を設けて突き固める作業を行う必要がない。
【0056】
尚、側壁部11の形成方法は、塊状成形体13とベントナイト系流動体6とを所定量づつ交互に投入することによって、最終的には全体として混合状態となるようにしても良い。また、側壁部11の形成タイミングは、図3(e)のピット8の形成後であっても良く、この場合には、ピット8の側面が塊状成形体13等で囲まれた後に、図3(f)における廃棄物9の充填が行われることになる。
【0057】
上記のようにして側壁部11を形成すると、続いて同様の動作によって、塊状成形体13およびベントナイト系流動体6からなる上壁部12を形成する(図4(e))。この後、坑道部2からレール23等を取り外し、横穴1の外部や内部に確保された作業場において、土砂(土壌や掘削ズリ等)16と塊状成形体13とを混合することによって、土砂16内に塊状成形体13を添加したベントナイト系混合土15を作成する。尚、混合土15の作成時においては、予め規定された所期充填乾燥密度を越えるように塊状成形体13と土砂16との混合率が決定されていると共に、各種粒径の塊状成形体13の中から粒径の種類が決定されている。
【0058】
そして、このようにして作成されたベントナイト系混合土15により坑道部2を埋め戻すことによって(図4(f))、廃棄物9を処分する埋設施設として完成する。この際、塊状成形体13が大きな強度を有し、運搬が容易であるため、坑道部2を混合土15で埋め戻す際に、土砂16と塊状成形体13とを別個に埋め戻しの作業現場に運搬し、この現場で混合土15を作成しながら作業を行うことができる。この結果、混合土15の運搬作業の無駄および運搬等に伴う喪失を最小限に抑制することができる。
【0059】
次に、図1に示すように、上記の埋設施設が長期間に亘って放置された結果、例えば地震等によりコンクリート層4および止水壁17が破損した場合には、破損した部分から地下水等が浸入し、各壁部5・11・12の周囲を覆うようにして横穴1を冠水させることになる。この後、冠水当初においては、各壁部5・11・12において地下水が成形体7・13の表面に沿って内部に浸入することになる。ところが、地下水と成形体7・13とが接触すると、成形体7・13が地下水を吸収して膨潤する結果、形状を変化および消失して空隙を塞いだ充填状態にする。また、地下水がコンクリート層4を介して浸入したときに、同材質からなるベントナイト系流動体6と成形体7・13とは、地下水を吸収する際に膨潤すると共に弾塑性的に変形して空隙を塞ぐことから、同一化したベントナイト系材料として地下水の透水を防止する。
【0060】
そして、図5のベントナイト系材料の充填密度と膨潤圧との関係および図6の密度と透水係数との関係に示すように、成形体7・13または混合体が例えば1.8g/cm3 の所期充填乾燥密度を越える充填乾燥密度で充填されているため、大きな膨潤圧により止水性の極めて優れた各壁部5・11・12でピット8が覆われた状態になる。この結果、ピット8に収容された廃棄物9中の例えばイオン化した放射性物質が地下水と共に各壁部5・11・12を浸透して外部に漏出することがない。
【0061】
次に、本実施形態の柱状成形体7および塊状成形体13が有する一軸圧縮強度や充填乾燥密度について調査するため、以下の試験を行った。
【0062】
先ず、ベントナイト系流動体としてクニミネ工業製のクニゲルV1(Na型)、クニボンド(Ca型)、および日商ベントナイト製のMX−80(Na型)の3種類を用意した。また、ケイ砂として三河珪石製の5号三河(平均粒径約0.4mm)と瓢屋製のN−30(平均粒径約1mm)との2種類を用意した。そして、これらの材料を表1のパラメータで均質混合し、図7に示すように、混合物を成形ゴム型64に投入した。この後、成形室63に成形ゴム型64をセットし、200MPa、400MPaおよび600MPaの3種類の圧力で等方圧加圧処理を行うことによって、各種パラメータに基づいた柱状成形体および塊状成形体を作成した。
【0063】
【表1】
Figure 0003539928
【0064】
この後、柱状成形体を機械加工することにより試験片を作成し、この試験片の寸法および重量を測定すると共に、島津製作所製の100tonf万能試験機により一軸圧縮強度を測定した。この結果、図8に示すように、ケイ砂混合なしの場合の一軸圧縮強度は、クニゲルV1とクニボンドが同程度であり、200MPaの成形応力で約250kgf/cm2 であった。そして、この強度であれば、コンクリートと同程度の圧縮強度であるため、強度部材として適用可能であることが判明した。尚、MX−80は、試験対象となった全成形体の中で最も低い一軸圧縮強度(同条件で150kgf/cm2 以下)であった。
【0065】
また、図8で成形体嵩密度として示した各成形体の成形体乾燥密度(含水率5〜9wt%)は、クニゲルV1およびMX−80が約2.2g/cm3 、クニボンドが約1.9g/cm3 であった。尚、成形体中に組成の偏在はなく、n=2で作製した成形体間で圧縮強度の偏差は少ないものであった。
【0066】
また、ケイ砂を20wt%混合した成形体は、圧縮強度が30%程低下していた。ケイ砂の種類(5号三河、N−30)間では有為な差はないが、砂混合無しの場合と比べると、混合有りの方がやや高い密度であった。そして、ケイ砂の有無に拘わらず水を数wt%添加することによって、高強度にできることが確認された。
【0067】
次に、一軸圧縮処理で圧密成形することにより円柱形状の柱状成形体を作成した。尚、球形状の塊状成形体については、後述の一軸圧縮を行う金型装置の構造上、圧縮方向に対して直交する水平方向の圧縮が困難であったため、作成することができなかった。
【0068】
具体的には、例えば図9に示すように、キャビティの形状が円柱形状となるように形成された上蓋部71、円筒部72、および昇圧部73からなる金型74を準備すると共に、この金型74が着脱可能にセットされ、上蓋部71を固定状態に保持しながら昇圧部73を油圧シリンダ75で昇降可能な金型装置76を準備した。
【0069】
この後、図10に示すように、文献や予備試験における成形圧力と成形体の密度との関係に基づいて圧密成形された形成体が図11の円柱形状の成形体(高さ:15mm、直径:40mm)となるようにベントナイト系材料の充填量を決定した。尚、ベントナイト系材料には、脱水処理を施していない自然状態のMX−80およびクニゲルを使用した(S1)。
【0070】
これらのベントナイト系材料を電子天秤(秤量範囲0〜200g、最小表示0.0001g)により計量し( S2) 、金型74のキャビティに投入した( S3) 。そして、金型74を金型装置76にセットし、一軸圧縮よる圧密成形を行った。このときの圧縮条件は、昇圧時間を約1分、所定圧力保持時間を1分、降圧時間を約1分とした( S4) 。
【0071】
圧密成形が完了すると、成形体を金型74から取り出し( S5) 、自然状態の成形体の寸法を測定すると共に重量を測定した。尚、寸法の測定は、直径方向および厚み方向の各2箇所(対角位置)について行った (S6) 。そして、成形体を乾燥する前の密度を算出した( S7) 。
【0072】
次に、成形体を乾燥器にセットし、150℃の環境下で約70時間放置することにより成形体に対する乾燥を行った( S8) 。この後、成形体を乾燥器から取り出し( S9) 、取り出してから1分以内に乾燥処理後の重量を計量した( S10) 。そして、この重量の変動幅が0.1%以内になるまで乾燥および計量( S8〜S10) を繰り返し、0.1%以内になったときに、圧縮成形時の体積で乾燥処理後の重量を除算することによって、乾燥密度を求めた( S11) 。
【0073】
上記の試験を行うことによって、自然状態および乾燥処理後のベントナイト系材料(クニゲルV1、MX−80)の圧力と密度とについて表2の結果を得た。これにより、表2の結果をグラフ化した図12に示すように、一軸圧縮による成形体においては、乾燥処理後の成形体密度(乾燥密度)の最大値が100MPaで1.94(g/ cm3)であり、且つグラフの曲線の状態から、100MPa以上で一軸圧縮を行っても、最大値が2.00(g/ cm3)以下になると予測された。
【0074】
【表2】
Figure 0003539928
【0075】
この結果、一軸圧縮による成形は、図8における乾燥密度が約2.2g/cm3 に到達する等方圧加圧処理による成形と比較した場合、等方圧加圧処理に対して成形体の乾燥密度が低くなることが判明した。尚、一軸圧縮の乾燥密度が等方圧加圧処理の乾燥密度よりも低くなる理由は、以下のメカニズムによると考えられる。
【0076】
即ち、図13に示すように、同図( a) のベントナイト系材料が圧縮される前においては、同図(b)のようにベントナイト系材料80の各構成要素(分子や粒等)70aが分散した状態で存在していると推測される。そして、同図(c)に示すように等方圧加圧処理(CIP)により全方向から三次元的に圧縮されると、上下方向および左右方向に隣接する構成要素80a同士が圧接されることによって、同図(d)に示すように、内部に空間が存在しないベントナイト系材料80の成形体となる。これに対し、一軸圧縮の場合には、同図(e )に示すように一方向からの圧縮であるため、この方向に一致した例えば上下方向に隣接する構成要素80a同士は圧接されるが、左右方向に隣接する構成要素80a同士は圧接されることがない。この結果、同図(f)に示すように内部に空間が存在するベントナイト系材料80の成形体となることから、一軸圧縮の乾燥密度が等方圧加圧処理の乾燥密度よりも低くなると考えられる。
【0077】
また、上述の試験において、図12に示すように、水分を含んだ自然状態の成形体密度が乾燥処理後の成形体密度よりも高い数値を示す結果が得られた。これにより、自然状態であったり、乾燥が不十分となっていて成形体に水分が含まれている場合には、密度が高い数値を示すことが確認された。尚、成形体の密度を高める要因としては、粉砕前の岩石状のベントナイト系材料を用いて成形体としたり、ケイ砂等の比重の大きな鉱物がベントナイト系材料中に含有していることが考えられるが、本試験においては水分量の相違を除いて同一の材料を用いて試験を行ったので、水分が成形体の密度に大きな影響を与える要因になることが明らかになった。
【0078】
次に、成形体と充填率との関係を調査した。
具体的には、各種の粒径を有した球形状の塊状成形体を成形体乾燥密度ρ0が2.0〜2.4g/cm3 となるように作成した。そして、これら各種の粒径を有した塊状成形体の中から特定(1種類)の粒径の塊状成形体を選択し、194D×194Wの試験容器に投入して充填率を調べた。この結果、表3および図14に示すように、1種の粒径を有した塊状成形体を用いた場合には、1〜50mmの粒径範囲において充填率を63%〜50%の範囲で調整できることが判明した。
【0079】
【表3】
Figure 0003539928
【0080】
また、上記のようにして作成した塊状成形体の中から、2種の粒径を有した塊状成形体を選択し、これらの塊状成形体を混合しながら194D×194Wの試験容器に投入して充填率を調べた。この結果、図15に示すように、2種の粒径を有した塊状成形体を組み合わせた場合には、粒径比を調整することによって、充填率を82%〜50%の範囲で調整できることが判明した。
【0081】
また、上記のようにして作成した塊状成形体の中から、最小粒径を規定しながら2種以上の粒径を有した塊状成形体を選択し、これらの塊状成形体を混合しながら194D×194Wの試験容器に投入して充填率を調べた。この結果、図16に示すように、最小粒径を例えば6mmと規定しながら2種の粒径を有した塊状成形体を組み合わせた場合には、1〜50mmの粒径範囲において充填率を50%〜79%の範囲で調整できることが判明した。
【0082】
さらに、各種の粒径および形状を有した塊状成形体(球体、楕円球体、正8面体、14面体)を作成し、試験容器に投入して充填率を調べた。この結果、『代表長/ 容器一辺長』と『充填率』との関係が表4のように得られた。そして、この関係を図17に示すようにグラフ化したところ、塊状成形体の粒径や形状が変更されても、充填率の最大値が64%になることが判明した。
【0083】
【表4】
Figure 0003539928
【0084】
また、上記の塊状成形体(球体、楕円球体、正8面体、14面体)のそれぞれについて、2種の粒径を有した塊状成形体を選択し、これらの塊状成形体を混合しながら試験容器に投入して充填率を調べた。尚、混合割合は、小粒径の塊状成形体が大粒径の塊状成形体に対して30〜50%の混合割合の範囲となるように調整した。この結果、『粒径比』と『充填率』との関係が表5のように得られた。そして、この関係を図18に示すようにグラフ化したところ、0.1以下の粒径比において最高の充填率が形状の違いに拘わらずに得られることが判明した。
【0085】
【表5】
Figure 0003539928
【0086】
さらに、上記の塊状成形体(球体、楕円球体、正8面体、14面体)のそれぞれについて、粒径比を0.4と0.12と0.06とに変更しながら充填率を調べた。この結果、小粒径の塊状成形体の『混合割合』と『充填率』との関係が表6のように得られた。そして、この関係を図19に示すようにグラフ化したところ、混合割合が30〜60%において最高充填域となることが判明した。
【0087】
【表6】
Figure 0003539928
【0088】
次に、ベントナイト系流動体としてクニゲルV1、クニボンド、およびMX−80を用意し、図20の示す膨潤圧測定試験用の拘束容器内充填密度を1.8g/cm3 となるように、第1〜第3成形体(No. 1〜No. 3)を作成した。尚、その他の密度を求めたところ、表7に示すようであった。そして、これらの第1〜第3成形体(No. 1〜No. 3)を図20の試験装置において水中に浸漬し、浸漬時間の経過に伴う膨潤圧の変化を測定した。この結果、図21に示すように、浸漬時間の経過に伴って膨潤圧が上昇することによって、最終的には成形前のベントナイト系流動体が膨潤された場合と変わらない状態になることが確認された。
【0089】
【表7】
Figure 0003539928
【0090】
これにより、以上の試験結果から、本実施形態の成形体7・13は、(1) 高強度、(2) 密度管理容易、(3) 搬送容易、(3) 施工用隙間掘削および隙間充填材不要、(4) ブロック組立て・位置決め不要、(5) 遠隔施工可能等の特性を有することが確認された。そして、これらの特性を有した成形体7・13であれば、地下処分場の廃棄体層内部や外周充填材、坑道ベントナイトプラグ、坑道埋め戻し材添加物等への用途に好適に使用可能であることが判明した。
【0091】
以上のように、本実施形態の埋設施設は、図1に示すように、廃棄物9を収容したピット8やサイロ等(収容部材)の周囲全体をベントナイト系材料の外周充填壁26(底壁部5、側壁部11、上壁部12)で覆って地下水の浸入を防止するように構成されたものである。そして、外周充填壁26の底壁部5は、上記の所期充填乾燥密度を越えた成形体乾燥密度となるようにベントナイト系材料を圧密成形して形成され、ピット8を支持する柱状成形体7を有した構成にされている。即ち、底壁部5は、ベントナイト系流動体6を圧密成形して形成され、上下端面がこの底壁部5の上下面となるように立設された柱状成形体7を有した構成にされている。また、外周充填壁26の側壁部11や上壁部12は、ベントナイト系材料を圧密成形して形成された多数の塊状成形体13を有した構成にされている。
【0092】
上記の構成によれば、圧密成形により大きな圧縮強度および高強度を備えた柱状成形体7がピット8を支持しているため、ピット8や廃棄物9の重量が底壁部5に作用した場合でも、柱状成形体7により底壁部5の形状を保持して変形を防止することができる。これにより、底壁部5が部分的に変形することによるピット8の傾倒を防止することができるため、ピット8との間で一定の位置関係を要するハンドリング装置等の遠隔操作により廃棄物9をピット8に収容する場合でも、高い位置決め精度でもって廃棄物9を容易に収容させることができる。一方、側壁部11においては、圧密成形により高密度に形成された塊状成形体13により側壁部11に対して所定以上の充填乾燥密度を付与することができるため、従来のベントナイト系流動体6のみで側壁部11を形成する場合のように、側壁部11を外部から突き固めるための作業エリアを設ける必要がない。この結果、作業エリアの形成や埋め戻しの作業が不要になると共に、突き固め時における作業員の被爆等を防止することができる。
【0093】
また、柱状成形体7が所期充填乾燥密度を越えた成形体乾燥密度となるように形成されているため、柱状成形体7の周囲に隙間がある場合でも、底壁部5の充填乾燥密度を所期充填乾燥密度またはこの密度以上にすることができる。従って、従来のように成形体を隙間無く配置する場合よりも、柱状成形体7を設置するときの位置決め精度を緩やかにすることができるため、底壁部5を容易に形成することができる。さらに、柱状成形体7の設置数を増減することによって、底壁部5を任意のサイズに変更することができるため、多くの廃棄物9を収容するピット8を備えた埋設施設に対しても容易に適用することができる。
【0094】
尚、本実施形態においては、外周充填壁26が底壁部5と側壁部11と上壁部12とで立方体形状に構成された場合について説明しているが、外周充填壁26は、側壁部11や上壁部12の有無が明確でない球体形状や砲弾形状、三角錐形状に構成されていても良いし、底壁部5が存在しない構成であっても良い。そして、これら各種の形状の外周充填壁26において、底壁部5とはピット8の下面よりも下方部分のことを意味し、側壁部11とはピット8の側方部分のことを意味し、上壁部12とはピット8の上方部分のことを意味する。
【0095】
また、本実施形態において、底壁部5が複数の柱状成形体7を備えた場合について説明しているが、充填乾燥密度を得ることができれば、大きな直径を有した単数の柱状成形体7を備えていても良い。また、柱状成形体7は、横断面が円形状とされているが、これに限定されるものではなく、横断面を楕円形状や三角形状、四角形状、五角形状以上の多角形状にされていても良い。また、本実施形態においては、柱状成形体7の周囲にベントナイト系流動体6を流し込んで底壁部5を形成しているが、これに限定されるものでもなく、柱状成形体7の周囲にベントナイト系流動体6と塊状成形体13との混合体を流し込むことにより底壁部5を形成しても良い。
【0096】
さらに、本実施形態においては、球形状の塊状成形体13を用いた場合について説明しているが、塊状成形体13は、略球状であれば良く、上述の球形状の他、6面体や8面体、14面体等の多面体形状であっても良いし、楕円体形状であっても良い。尚、略球状とは、球形状や、6面体や8面体、14面体等の多面体形状、楕円体形状等の全ての形状を含む立体的外形の状態を意味したものである。そして、多面体形状や楕円体形状の塊状成形体13を用いた場合には、球形状の塊状成形体13を用いた場合よりも、充填乾燥密度を高めることが可能になる。さらに、これら各種形状の塊状成形体13を組み合わせて用いても良く、この場合には、充填乾燥密度を一層高めることができる。
【0097】
また、本実施形態においては、底壁部5がベントナイト系流動体6と柱状成形体7とで形成され、側壁部11および上壁部12が塊状成形体13とベントナイト系流動体6との混合体で形成された場合について説明しているが、これに限定されるものでもない。
【0098】
即ち、底壁部5は、柱状成形体7のみで形成されていても良いし、柱状成形体7と塊状成形体13とで形成されていても良いし、さらに、柱状成形体7と塊状成形体13とベントナイト系流動体6とで形成されていても良い。また、側壁部11は、塊状成形体13のみで形成されていても良いし、柱状成形体7と塊状成形体13とで形成されていても良いし、さらに、柱状成形体7と塊状成形体13とベントナイト系流動体6とで形成されていても良い。また、上壁部12は、塊状成形体13のみで形成されていても良いし、柱状成形体7と塊状成形体13とで形成されていても良いし、柱状成形体7と塊状成形体13とベントナイト系流動体6とで形成されていても良い。
【0099】
具体的には、例えば図22に示すように、各壁部5・11・12が塊状成形体13とベントナイト系流動体6と柱状成形体7との混合体で形成されていても良い。
【0100】
即ち、上述の図3(a)〜(f)および図4(a)〜(c)と同様の施工方法によって、ベントナイト系材料を圧密成形して形成された柱状成形体7を立設した後、これら柱状成形体7の上下端面が上下面となるようにベントナイト系流動体6と塊状成形体13とを充填することより底壁部5を形成する(底壁部形成工程)。この後、底壁部5上にピット8(収容部材)を形成し(収容部材形成工程)、ピット8に廃棄物9を搬入して蓋体10により封止する(搬入工程)。
【0101】
この後、図24に示すように、ピット8の側面を囲むように柱状成形体7を積み重ねることにより設けた後(図23(a))、柱状成形体7の周囲に多数の塊状成形体13とベントナイト系流動体6とを投入して側壁部11を形成する(図23(b):側壁部形成工程)。そして、ピット8の上面を柱状成形体7で覆った後(図23(c))、柱状成形体7を多数の塊状成形体13とベントナイト系流動体6とで覆うことにより上壁部12を形成する(図23(d)):上壁部形成工程)。この後、ベントナイト系混合土15を坑道部2で埋め戻すことにより埋設施設として完成する(図23(e))。このように構成された側壁部11および上壁部12であれば、ベントナイト系材料の充填密度を一層高めることができる。
【0102】
さらに、埋設施設は、例えば図25に示すように、底壁部5がベントナイト系流動体6と柱状成形体7とで形成され、側壁部11が塊状成形体13のみで形成され、上壁部12が柱状成形体7と塊状成形体13とで形成された構成にされていても良い。そして、この構成であれば、埋設施設の施工時の作業性を極めて良好なものにすることができる。
【0103】
また、本実施形態においては、主に地下深部の埋設施設を前提として説明しているが、柱状成形体や塊状成形体、これら成形体を組み合わせたものは、表層より掘削した埋設施設や中間的な深度の埋設施設に適用することもできる。また、本実施形態においては、放射性物質を含有した廃棄物9を処分する埋設施設として説明しているが、例えば重金属類等の他の有害物質を含む廃棄物9を処分したり、長期間に亘って保管する埋設施設に適用することもできる。
【0104】
【発明の効果】
発明は、廃棄物を収容した収容部材の周囲全体を、所期充填乾燥密度以上に充填されたベントナイト系材料の外周充填壁で覆って地下水の透水を防止するように構成された埋設施設であって、前記外周充填壁は、前記所期充填乾燥密度を越えた成形体乾燥密度となるように前記ベントナイト系材料を等方圧加圧処理により圧密成形して形成され、前記収容部材を支持する複数の柱状成形体で形成された底壁部を備えており、前記柱状成形体は、底壁部の厚みと同一の長さに設定されており、軸心方向が鉛直方向に一致するように立設されている構成である。
【0105】
上記の構成によれば、底壁部に地下水が接触すると、接触当初においては、柱状成形体の周面に沿って地下水が浸入することになるが、暫くすると、柱状成形体が地下水を吸収して膨潤することによって、周囲の空隙を塞いで底壁部の全体を膨潤状態のベントナイト系材料で満たすことになる。この結果、ベントナイト系材料としての止水性の機能を発揮し、地下水の透水を阻止するため、廃棄物や廃棄物中の例えばイオン化した放射性物質が地下水と共に外部に漏出することを防止することができる。
【0106】
また、圧密成形により大きな圧縮強度を備えた柱状成形体が収容部材を支持しているため、収容部材や廃棄物の重量が底壁部に作用した場合でも、柱状成形体により底壁部の形状を保持して変形を防止することができる。これにより、底壁部が部分的に変形することによる収容部材の傾倒を防止することができるため、収容部材との間で一定の位置関係を要するハンドリング装置等の遠隔操作により廃棄物を収容部材に収容する場合でも、高い位置決め精度でもって廃棄物を容易に収容させることができる。また、柱状成形体は、成形体自体が高強度であるため、輸送や地下への搬送時に落下や衝突、振動により衝撃が付与された場合でも破損することがない。
【0107】
また、柱状成形体が所期充填乾燥密度を越えた成形体乾燥密度となるように形成されているため、柱状成形体の周囲に隙間がある場合でも、底壁部の充填乾燥密度を所期充填乾燥密度またはこの密度以上にすることができる。従って、従来のように成形体を隙間無く配置する場合よりも、柱状成形体を設置するときの位置決め精度を緩やかにすることができるため、底壁部を容易に形成することができる。さらに、柱状成形体の設置数を増減することによって、底壁部を任意のサイズに変更することができるため、多くの廃棄物を収容する収容部材の埋設施設に対しても容易に適用することができる。
【0108】
本発明は、廃棄物を収容した収容部材の周囲全体を、所期充填乾燥密度以上に充填されたベントナイト系材料の外周充填壁で覆って地下水の透水を防止するように構成された埋設施設であって、前記外周充填壁は、前記所期充填乾燥密度を越えた成形体乾燥密度となるように前記ベントナイト系材料を等方圧加圧処理により圧密成形して略球状に形成された多数の塊状成形体で形成された側壁部を備えている構成である。
【0109】
上記の構成によれば、側壁部に地下水が接触すると、接触当初においては、塊状成形体の周面に沿って地下水が浸入することになるが、暫くすると、塊状成形体が地下水を吸収して膨潤することによって、周囲の空隙を塞いで側壁部の全体を膨潤状態のベントナイト系材料で満たすことになる。この結果、ベントナイト系材料としての止水性の機能を発揮し、地下水の透水を阻止するため、廃棄物や廃棄物中の例えばイオン化した放射性物質が地下水と共に外部に漏出することを防止することができる。
【0110】
また、圧密成形により大きな圧縮強度を備えた塊状成形体により側壁部に対して所定以上の強度を付与することができると共に、所期充填乾燥密度またはこの密度以上の充填乾燥密度を出現させることができるため、従来のベントナイト系流動体のみで側壁部を形成する場合のように、側壁部を外部から突き固めるための作業エリアを設ける必要がない。この結果、作業エリアの形成や埋め戻しの作業が不要になると共に、突き固め時における作業員の被爆等を防止することができる。
【0111】
また、塊状成形体は、成形体自体が高強度であるため、輸送や地下への搬送時に落下や衝突、振動により衝撃が付与されたり、ピット等の上方位置から底壁部上面付近への施工時に衝撃が付与された場合でも破損することがない。これにより、例えば上方位置から塊状成形体を投入して自然落下により積み重ねながら側壁部とすることができるため、側壁部を極めて容易に形成することができる。さらに、塊状成形体の数量を増減することによって、側壁部を任意のサイズに変更することができるため、多くの廃棄物を収容する収容部材の埋設施設に対しても容易に適用することができる。
【0112】
本発明は、廃棄物を収容した収容部材の周囲全体を、所期充填乾燥密度以上に充填されたベントナイト系材料の外周充填壁で覆って地下水の透水を防止するように構成された埋設施設であって、前記外周充填壁は、前記所期充填乾燥密度を越えた成形体乾燥密度となるように前記ベントナイト系材料を等方圧加圧処理により圧密成形して形成され、底壁部の厚みと同一の長さに設定され、軸心方向が鉛直方向に一致するように立設されることにより前記収容部材を支持する複数の柱状成形体で形成された底壁部と、前記所期充填乾燥密度を越えた成形体乾燥密度となるように前記ベントナイト系材料を等方圧加圧処理により圧密成形して形成された多数の塊状成形体を有した側壁部とを備えている構成である。
【0113】
上記の構成によれば、側壁部や底壁部に地下水が接触すると、接触当初においては、塊状成形体や柱状成形体の周面に沿って地下水が浸入することになるが、暫くすると、これらの成形体が地下水を吸収して膨潤することによって、周囲の空隙を塞いで側壁部および底壁部の全体を膨潤状態のベントナイト系材料で満たされることになる。この結果、ベントナイト系材料としての止水性の機能を発揮し、地下水の透水を阻止するため、廃棄物や廃棄物中の例えばイオン化した放射性物質が地下水と共に外部に漏出することを防止することができる。
【0114】
また、圧密成形により大きな圧縮強度を備えた柱状成形体が収容部材を支持しているため、収容部材や廃棄物の重量が底壁部に作用した場合でも、柱状成形体により底壁部の形状を保持して変形を防止することができる。これにより、底壁部が部分的に変形することによる収容部材の傾倒を防止することができるため、収容部材との間で一定の位置関係を要するハンドリング装置等の遠隔操作により廃棄物を収容部材に収容する場合でも、高い位置決め精度でもって廃棄物を容易に収容させることができる。また、柱状成形体は、成形体自体が高強度であるため、輸送や地下への搬送時に落下や衝突、振動により衝撃が付与された場合でも破損することがない。
【0115】
また、柱状成形体が所期充填乾燥密度を越えた成形体乾燥密度となるように形成されているため、柱状成形体の周囲に隙間がある場合でも、底壁部の充填乾燥密度を所期充填乾燥密度またはこの密度以上にすることができる。従って、従来のように成形体を隙間無く配置する場合よりも、柱状成形体を設置するときの位置決め精度を緩やかにすることができるため、底壁部を容易に形成することができる。さらに、柱状成形体を設置数を増減することによって、底壁部を任意のサイズに変更することができるため、多くの廃棄物を収容する収容部材の埋設施設に対しても容易に適用することができる。
【0116】
さらに、上記の構成によれば、圧密成形により大きな圧縮強度を備えた塊状成形体により側壁部に対して所定以上の強度を付与することができると共に、所期充填乾燥密度またはこの密度以上の充填乾燥密度を出現させることができるため、従来のベントナイト系流動体のみで側壁部を形成する場合のように、側壁部を外部から突き固めるための作業エリアを設ける必要がない。この結果、作業エリアの形成や埋め戻しの作業が不要になると共に、突き固め時における作業員の被爆等を防止することができる。
【0117】
また、塊状成形体は、成形体自体が高強度であるため、輸送や地下への搬送時に落下や衝突、振動により衝撃が付与されたり、ピット等の上方位置から底壁部上面付近への施工時に衝撃が付与された場合でも破損することがない。これにより、例えば上方位置から塊状成形体を投入して自然落下により積み重ねながら側壁部とすることができるため、側壁部を極めて容易に形成することができる。さらに、塊状成形体の数量を増減することによって、側壁部を任意のサイズに変更することができるため、多くの廃棄物を収容する収容部材の埋設施設に対しても容易に適用することができる。
【0118】
本発明は、前記底壁部は、前記所期充填乾燥密度を越えた成形体乾燥密度となるように前記ベントナイト系材料を等方圧加圧処理により圧密成形して形成された塊状成形体を有する構成である。これにより、より高い充填乾燥密度を有することで優れた止水性を有し、有害成分の漏出を十分に抑制できる底壁部を容易に得ることができる。
【0119】
本発明は、前記側壁部は、前記所期充填乾燥密度を越えた成形体乾燥密度となるように前記ベントナイト系材料を等方圧加圧処理により圧密成形して形成され、底壁部の厚みと同一の長さに設定され、軸心方向が鉛直方向に一致するように立設された柱状成形体を有する構成である。これにより、より高い充填乾燥密度を有することで優れた止水性を有し、有害成分の漏出を十分に抑制できる側壁部を容易に得ることができる。
【0120】
本発明は、前記外周充填壁は、前記所期充填乾燥密度を越えた成形体乾燥密度となるように前記ベントナイト系材料を等方圧加圧処理により圧密成形して形成された柱状成形体および塊状成形体の少なくとも一方で形成された上壁部を備えている構成である。これにより、上述のように、容易な作業でもって各種サイズに応じた優れた止水性を有し、有害成分の漏出を十分に抑制できる。
【0121】
本発明は、前記外周充填壁は、前記ベントナイト系材料の粒体からなるベントナイト系流動体が加えられている構成である。
上記の構成によれば、底壁部や側壁部等を有した外周充填壁に地下水が接触すると、接触当初においては、塊状成形体や柱状成形体等の成形体の側面に沿って地下水が浸入することになるが、柱状成形体がベントナイト系流動体と同一の材質からなっているため、柱状成形体が地下水を吸収して周囲のベントナイト系流動体と同様の膨潤状態になる。この結果、柱状成形体とベントナイト系流動体とが短時間で同一化することによって、ベントナイト系材料としての止水性の機能を早期に発揮し、地下水の透水を阻止するため、廃棄物や廃棄物中の例えばイオン化した放射性物質が地下水と共に外部に漏出することを十分に防止することができる。
【0122】
本発明は、前記収容部材に到達可能に形成された坑道部を備えており、該坑道部が、等方圧加圧処理により圧密成形して形成された塊状成形体を土砂に添加したベントナイト系混合土により埋め戻されている構成である。
上記の構成によれば、塊状成形体が大きな強度を有し、運搬が容易であるため、坑道部をベントナイト系混合土で埋め戻す際に、土砂と塊状成形体とを別個に埋め戻しの作業現場に運搬し、この現場でベントナイト系混合土を作成しながら作業を行うことができる。この結果、ベントナイト系混合土の運搬作業の無駄および運搬等に伴う喪失を最小限に抑制することができる。
【0123】
本発明は、埋設施設に使用される等方圧加圧処理により圧密成形して形成された塊状成形体であって、1種の粒径からなる構成である。これにより、各壁部における充填乾燥密度の調整を容易に行うことができる。
【0124】
本発明は、埋設施設に使用される等方圧加圧処理により圧密成形して形成された塊状成形体であって、複数の粒径の組み合わせからなる構成である。これにより、各壁部における充填乾燥密度の調整を細かく行うことができる。
【0125】
本発明は、等方圧加圧処理により圧密成形して形成された塊状成形体であって、前記複数の粒径の組み合わせの中で最小粒径が設定されている構成である。これにより、所期充填乾燥密度にするために必要な塊状成形体の最小粒径およびその数量を調整することで充填乾燥密度を適切に設定することが可能になる。
【0126】
本発明は、前記等方圧加圧処理により圧密成形して形成された塊状成形体は、多面体形状または楕円体形状である構成である。これにより、上方からの自然落下により設置した際の充填形状および構造を特定できると共に、充填乾燥密度を十分に高いものに制御することができる。
【0127】
本発明は、前記等方圧加圧処理により圧密成形して形成された塊状成形体は、球形状、多面体形状および楕円体形状のうちの少なくとも2種類以上の形状の組み合わせからなる構成である。これにより、充填乾燥密度をより高いものに規定することができる。
【0128】
本発明は、前記塊状成形体の粒径は、1〜50mmである構成である。また、本発明は、埋設施設に使用される等方圧加圧処理により圧密成形して形成された塊状成形体であって、前記塊状成形体は、粒径比が0.6以下の2種の粒径の組み合わせである構成である。本発明は、埋設施設に使用される等方圧加圧処理により圧密成形して形成された塊状成形体であって、前記塊状成形体は、2種の粒径の組み合わせであって、小粒径の混合割合が20〜70%である構成である。
【0129】
本発明は、廃棄物を収容した収容部材の周囲全体を所期充填乾燥密度以上に充填されたベントナイト系材料の外周充填壁で覆って地下水の透水を防止するように構成された埋設施設の施工方法において、前記所期充填乾燥密度を越えた成形体乾燥密度となるように前記ベントナイト系材料を等方圧加圧処理により圧密成形して形成された複数の柱状成形体を立設することにより前記外周充填壁の底壁部を形成する第1壁部形成工程と、前記底壁部上に前記収容部材を形成する収容部材形成工程と、前記収容部材に廃棄物を搬入して蓋体により封止する搬入工程と、前記所期充填乾燥密度を越えた成形体乾燥密度となるように前記ベントナイト系材料を等方圧加圧処理により圧密成形して形成された多数の塊状成形体を前記収容部材の周囲に投入して前記外周充填壁の側壁部および上壁部を形成する第2壁部形成工程とを有する構成である。
上記の構成によれば、柱状成形体および塊状成形体により各壁部の強度を所定以上の強度にすることができると共に、各壁部の充填乾燥密度を所期充填乾燥密度にすることができるため、作業員が各壁部を形成する際に、突き固める等の作業を行う必要がない。
【0130】
本発明は、廃棄物を収容した収容部材の周囲全体を、所期充填乾燥密度以上に充填されたベントナイト系材料の外周充填壁で覆って地下水の透水を防止するように構成された埋設施設の施工方法において、前記所期充填乾燥密度を越えた成形体乾燥密度となるように前記ベントナイト系材料を等方圧加圧処理により圧密成形して形成された複数の柱状成形体を立設した後、これら柱状成形体の上下端面が上下面となるように、前記所期充填乾燥密度を越えた成形体乾燥密度となるように前記ベントナイト系流動体と等方圧加圧処理により圧密成形して形成された塊状成形体とを充填することより前記外周充填壁の底壁部を形成する底壁部形成工程と、前記底壁部上に前記収容部材を形成する収容部材形成工程と、前記収容部材に廃棄物を搬入して蓋体により封止する搬入工程と、前記柱状成形体を前記収容部材の側面を囲むように設けた後、該柱状成形体の周囲に多数の前記塊状成形体を投入して前記外周充填壁の側壁部を形成する側壁部形成工程と、前記収容部材の上面を前記塊状成形体で覆うことにより前記外周充填壁の上壁部を形成する上壁部形成工程とを有する構成である。上記の構成によれば、柱状成形体および塊状成形体により各壁部の強度を所定以上の強度にすることができると共に、各壁部の充填乾燥密度を所期充填乾燥密度にすることができるため、作業員が各壁部を形成する際に、突き固める等の作業を行う必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】埋設施設の縦断面図である。
【図2】埋設施設の全体構造を示す説明図である。
【図3】埋設施設の施工過程を示す説明図である。
【図4】埋設施設の施工過程を示す説明図である。
【図5】充填密度と膨潤圧との関係を示すグラフである。
【図6】充填密度と透水係数との関係を示すグラフである。
【図7】等方圧加圧処理を行う加圧装置の概略構成図である。
【図8】圧縮強度および嵩密度と成形応力との関係を示すグラフである。
【図9】一軸圧縮処理を行う金型装置の概略構成図である。
【図10】一軸圧縮処理により形成された成形体に対する試験手順を示すフローチャートである。
【図11】円柱形状の成形体の斜視図である。
【図12】一軸圧縮による成形圧力と成形体密度との関係を示すグラフである。
【図13】等方圧加圧および一軸圧縮によるあ圧縮状態を示す説明図である。
【図14】充填率と粒径との関係を示すグラフである。
【図15】充填率と粒径との関係を示すグラフである。
【図16】充填率と粒径との関係を示すグラフである。
【図17】充填率と粒径/ 容器1辺長さとの関係を示すグラフである。
【図18】充填率と粒径比との関係を示すグラフである。
【図19】充填率と混合割合との関係を示すグラフである。
【図20】膨潤圧測定試験機の概略図である。
【図21】成形体の膨潤圧の経時変化を示すグラフである。
【図22】埋設施設の縦断面図である。
【図23】埋設施設の施工過程を示す説明図である。
【図24】埋設施設の施工過程の一部を示す説明図である。
【図25】埋設施設の縦断面図である。
【図26】従来の埋設施設の縦断面図である。
【符号の説明】
1 横穴
2 坑道部
3 収容部
4 コンクリート層
5 底壁部
6 ベントナイト系流動体
7 柱状成形体
8 ピット
9 廃棄物
10 蓋体
11 側壁部
12 上壁部
13 塊状成形体
14 止水板
14' 仮止水板
15 ベントナイト系混合土
16 土砂
17 止水壁
20 作業エリア
21 アクセス坑道
22 水平坑道
23 レール
24 ハンドリング装置
25 モルタル
26 外周充填壁
60 高圧円筒容器
61 上蓋
62 下蓋
63 成形室
64 成形ゴム型
71 上蓋部
72 円筒部
73 昇圧部
74 金型
75 油圧シリンダ
76 金型装置
80 ベントナイト系材料
80a 構成要素

Claims (18)

  1. 廃棄物を収容した収容部材の周囲全体を、所期充填乾燥密度以上に充填されたベントナイト系材料の外周充填壁で覆って地下水の透水を防止するように構成された埋設施設であって、
    前記外周充填壁は、
    前記所期充填乾燥密度を越えた成形体乾燥密度となるように前記ベントナイト系材料を等方圧加圧処理により圧密成形して略球状に形成された多数の塊状成形体で形成された側壁部を備えていることを特徴とする埋設施設。
  2. 廃棄物を収容した収容部材の周囲全体を、所期充填乾燥密度以上に充填されたベントナイト系材料の外周充填壁で覆って地下水の透水を防止するように構成された埋設施設であって、
    前記外周充填壁は、
    前記所期充填乾燥密度を越えた成形体乾燥密度となるように前記ベントナイト系材料を等方圧加圧処理により圧密成形して形成され、前記収容部材を支持する複数の柱状成形体で形成された底壁部を備えており、
    前記柱状成形体は、底壁部の厚みと同一の長さに設定されており、軸心方向が鉛直方向に一致するように立設されていることを特徴とする埋設施設。
  3. 廃棄物を収容した収容部材の周囲全体を、所期充填乾燥密度以上に充填されたベントナイト系材料の外周充填壁で覆って地下水の透水を防止するように構成された埋設施設であって、
    前記外周充填壁は、
    前記所期充填乾燥密度を越えた成形体乾燥密度となるように前記ベントナイト系材料を等方圧加圧処理により圧密成形して形成され、底壁部の厚みと同一の長さに設定され、軸心方向が鉛直方向に一致するように立設されることにより前記収容部材を支持する複数の柱状成形体で形成された底壁部と、
    前記所期充填乾燥密度を越えた成形体乾燥密度となるように前記ベントナイト系材料を等方圧加圧処理により圧密成形して形成された多数の塊状成形体で形成された側壁部と
    を備えていることを特徴とする埋設施設。
  4. 前記底壁部は、
    前記所期充填乾燥密度を越えた成形体乾燥密度となるように前記ベントナイト系材料を等方圧加圧処理により圧密成形して形成された塊状成形体を有することを特徴とする請求項2または3に記載の埋設施設。
  5. 前記側壁部は、
    前記所期充填乾燥密度を越えた成形体乾燥密度となるように前記ベントナイト系材料を等方圧加圧処理により圧密成形して形成され、底壁部の厚みと同一の長さに設定され、軸心方向が鉛直方向に一致するように立設された柱状成形体を有することを特徴とする請求項1または3に記載の埋設施設。
  6. 前記外周充填壁は、
    前記所期充填乾燥密度を越えた成形体乾燥密度となるように前記ベントナイト系材料を等方圧加圧処理により圧密成形して形成された柱状成形体および塊状成形体の少なくとも一方で形成された上壁部を備えていることを特徴とする請求項1ないし5の何れか1項に記載の埋設施設。
  7. 前記外周充填壁は、
    前記ベントナイト系材料の粒体からなるベントナイト系流動体が加えられていることを特徴とする請求項1ないし6の何れか1項に記載の埋設施設。
  8. 前記収容部材に到達可能に形成された坑道部を備えており、該坑道部が、等方圧加圧処理により圧密成形して形成された塊状成形体を土砂に添加したベントナイト系混合土により埋め戻されていることを特徴とする請求項1ないし7の何れか1項に記載の埋設施設。
  9. 請求項1、3ないし6の何れか1項に記載の埋設施設に使用される等方圧加圧処理により圧密成形して形成された塊状成形体であって、1種の粒径からなることを特徴とする塊状成形体。
  10. 請求項1、3ないし6の何れか1項に記載の埋設施設に使用される等方圧加圧処理により圧密成形して形成された塊状成形体であって、複数の粒径の組み合わせからなることを特徴とする塊状成形体。
  11. 等方圧加圧処理により圧密成形して形成された塊状成形体であって、前記複数の粒径の組み合わせの中で最小粒径が設定されていることを特徴とする請求項10に記載の塊状成形体。
  12. 前記等方圧加圧処理により圧密成形して形成された塊状成形体は、多面体形状または楕円体形状であることを特徴とする請求項9ないし11の何れか1項に記載の塊状成形体。
  13. 前記等方圧加圧処理により圧密成形して形成された塊状成形体は、球形状、多面体形状および楕円体形状のうちの少なくとも2種類以上の形状の組み合わせからなることを特徴とする請求項9ないし11の何れか1項に記載の塊状成形体。
  14. 前記塊状成形体の粒径は、1〜50mmであることを特徴とする請求項9ないし13の何れか1項に記載の塊状成形体。
  15. 請求項1、3ないし6の何れか1項に記載の埋設施設に使用される等方圧加圧処理により圧密成形して形成された塊状成形体であって、
    前記塊状成形体は、粒径比が0.6以下の2種の粒径の組み合わせであることを特徴とする塊状成形体。
  16. 請求項1、3ないし6の何れか1項に記載の埋設施設に使用される等方圧加圧処理により圧密成形して形成された塊状成形体であって、
    前記塊状成形体は、2種の粒径の組み合わせであって、小粒径の混合割合が20〜70%であることを特徴とする塊状成形体。
  17. 廃棄物を収容した収容部材の周囲全体を、所期充填乾燥密度以上に充填されたベントナイト系材料の外周充填壁で覆って地下水の透水を防止するように構成された埋設施設の施工方法において、
    前記所期充填乾燥密度を越えた成形体乾燥密度となるように前記ベントナイト系材料を等方圧加圧処理により圧密成形して形成された複数の柱状成形体を立設することより前記外周充填壁の底壁部を形成する第1壁部形成工程と、
    前記底壁部上に前記収容部材を形成する収容部材形成工程と、
    前記収容部材に廃棄物を搬入して蓋体により封止する搬入工程と、
    前記所期充填乾燥密度を越えた成形体乾燥密度となるように前記ベントナイト系材料を等方圧加圧処理により圧密成形して形成された多数の塊状成形体を前記収容部材の周囲に投入して前記外周充填壁の側壁部および上壁部を形成する第2壁部形成工程と
    を有することを特徴とする埋設施設の施工方法。
  18. 廃棄物を収容した収容部材の周囲全体を、所期充填乾燥密度以上に充填されたベントナイト系材料の外周充填壁で覆って地下水の透水を防止するように構成された埋設施設の施工方法において、
    前記所期充填乾燥密度を越えた成形体乾燥密度となるように前記ベントナイト系材料を等方圧加圧処理により圧密成形して形成された複数の柱状成形体を立設した後、これら柱状成形体の上下端面が上下面となるように、前記所期充填乾燥密度を越えた成形体乾燥密度となるように前記ベントナイト系材料を等方圧加圧処理により圧密成形して形成された塊状成形体を充填することより前記外周充填壁の底壁部を形成する底壁部形成工程と、
    前記底壁部上に前記収容部材を形成する収容部材形成工程と、
    前記収容部材に廃棄物を搬入して蓋体により封止する搬入工程と、
    前記柱状成形体を前記収容部材の側面を囲むように設けた後、該柱状成形体の周囲に多数の前記塊状成形体を投入して前記外周充填壁の側壁部を形成する側壁部形成工程と、
    前記収容部材の上面を前記塊状成形体で覆うことにより前記外周充填壁の上壁部を形成する上壁部形成工程と
    を有することを特徴とする埋設施設の施工方法。
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