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JP3537793B2 - 車両床部の遮音構造 - Google Patents

車両床部の遮音構造

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JP3537793B2 JP2001306010A JP2001306010A JP3537793B2 JP 3537793 B2 JP3537793 B2 JP 3537793B2 JP 2001306010 A JP2001306010 A JP 2001306010A JP 2001306010 A JP2001306010 A JP 2001306010A JP 3537793 B2 JP3537793 B2 JP 3537793B2
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好洋 野口
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    • G10—MUSICAL INSTRUMENTS; ACOUSTICS
    • G10K—SOUND-PRODUCING DEVICES; METHODS OR DEVICES FOR PROTECTING AGAINST, OR FOR DAMPING, NOISE OR OTHER ACOUSTIC WAVES IN GENERAL; ACOUSTICS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は車両床部の遮音構造
の改良に関する。
【０００２】
【従来の技術】路面の反射音や、排気系の放射音は、鋼
製の床板を透過して車室内に至るが、乗員の快適さを考
えれば透過音は小さい方が良く、そのために床敷きカー
ペットに種々の遮音対策が講じられてきた（特公平６−
２９８８号公報参照）。
【０００３】図３は従来の車両床部の遮音構造説明図で
ある。（ａ）に車両の車体１０１の略図を示すが、この
車体１０１の床部に施した遮音構造を、（ｂ）で詳しく
説明する。（ｂ）は（ａ）のｂ部拡大図であり、従来の
車両床部の遮音構造は、鋼製車両床板１０２にウレタン
層１０３を載せ、このウレタン層１０３にマス層１０４
を介してカーペット１０５を載せてなる。
【０００４】（ｃ）は従来の遮音構造の弾性的モデル図
であり、上記（ｂ）はマス層１０４を質量ｍ１とし、そ
の下のウレタン層１０３をばね定数ｋ１のばねとした１
自由度系の遮音構造であることを示す。この１自由度系
の遮音構造の遮音特性を次図で説明する。
【０００５】図４は従来の車両構造の遮音性能曲線図で
あり、横軸は周波数、縦軸は透過損失を示す。透過損失
が大きいほど遮音性能が高いことになる。横軸のｆ１は
１次共振点であり、この１次共振点ｆ１より高周波数域
では、１オクターブ１２ｄＢの勾配で透過損失が増加す
る。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の構造
は１自由度系の遮音構造であるため、１オクターブ１２
ｄＢの遮音効果が見込めたが、粗い路面を車両が走行す
るときに生じるロードノイズに対してはより高い遮音性
能が要求される。すなわち、粗い路面を走行するときに
発生するロードノイズは、車両の床部を透過して車室に
至るため、車両床部の遮音構造の一層の改良が、ロード
ノイズ対策として不可欠である。そこで、本発明の目的
は車両床部の遮音構造において、遮音性能を高めること
のできる床部構造を提供することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項１は、鋼製車両床板（１２）上に、ウレタン層
（１３）、下部マス層（１４）、前記ウレタン層（１
３）より低弾性率からなる層（１５）、上部マス層（１
６）の順に積層させた４層構造を介してカーペット（１
７）を載せてなることを特徴とする。請求項２は、ウレ
タン層（１３）の上面に凹部を設け、この凹部内に前記
下部マス層（１４）を介して前記ウレタン層（１３）よ
り低弾性率からなる層（１５）を積層させたことを特徴
とする
【０００８】ウレタン層（１３）、下部マス層（１
４）、前記ウレタン層（１３）より低弾性率からなる層
（１５）、上部マス層（１６）の順に積層させた４層構
造で２自由度系遮音構造を確立する。これで、１オクタ
ーブ２４ｄＢもの高い遮音性能が得られる。ただし、２
自由度系遮音構造では、特に２次共振周波数での遮音性
能の落込みが著しい。その対策として、ウレタンより低
弾性率の層を採用することにより２次共振周波数を下げ
ると共に、床板に密着性の高いウレタンを沿わせて空気
隙間を無くし、音漏れを防止することにした。この結
果、より低周波数域から１オクターブ２４ｄＢの遮音性
能を発揮させることに成功した。
【０００９】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図に基
づいて以下に説明する。図１は本発明に係る車両床部の
遮音構造説明図である。（ａ）に車両の車体１１の略図
を示すが、この車体１１の床部に施した遮音構造を、
（ｂ）で詳しく説明する。（ｂ）は（ａ）のｂ部拡大図
であり、従来の車両床部の遮音構造は、鋼製車両床板１
２に床板１２との密着性が高いウレタン層１３を載せ、
このウレタン層１３に下部マス層１４を介してウレタン
より構造系弾性率（Structure Youngs Modulus）が低い
繊維質よりなる層１５を載せ、この繊維質よりなる層１
５に上部マス層１６を介してカーペット１７を載せてな
る。
【００１０】すなわち、床板１２との密着性が高いウレ
タン層１３を床板１２に載せることで、隙間を無くし、
音漏れを防止するようにした。具体的には、ウレタン層
１３に凹部を設け、そこへ下部マス層１４と繊維質より
なる層１５とを置き、その上から上部マス層１６を介し
てカーペット１７を接着する。下部マス層１４とフェル
ト１５とを接着剤を用いずにウレタン層１３に載せるこ
とができる。接着剤は遮音効果を弱めるので使わない方
が良い。従って、本実施例のように凹部に嵌合すること
で接着剤を不要にすることは望ましいことである。
【００１１】（ｃ）は本発明の遮音構造の弾性的モデル
図であり、上記（ｂ）は下部マス層１４を質量ｍ１と
し、その下のウレタン層１３をばね定数ｋ１のばねと
し、且つ上部マス層１６を質量ｍ２とし、その下の繊維
質よりなる層１５をばね定数ｋ２のばねとした２自由度
系の遮音構造であることを示す。この２自由度系の遮音
構造の遮音特性を次図で説明する。
【００１２】図２は本発明の車両構造の遮音性能曲線図
であり、横軸は周波数、縦軸は透過損失を示す。横軸の
ｆ１は１次共振点、ｆ２は２共振点であり、この２次共
振点ｆ２より高周波数域では、１オクターブ２４ｄＢの
勾配で透過損失が増加する。すなわち、横軸で２次共振
点ｆ２を越えた領域では、従来は１オクターブ１２ｄＢ
の遮音効果（図４参照）、本発明では１オクターブ２４
ｄＢの遮音効果が見込め、遮音性能は格段に向上した。
【００１３】一般に、２自由度系の遮音構造では、特に
２次共振点ｆ２で共振作用により遮音性能が著しくて低
下することが知られている。この現象を最小限度に抑え
るために、本発明では２次共振点ｆ２を下げる試みを実
施した。具体的には、２次共振点ｆ２＝（ｋ２／ｍ２）
0.5を下げる手段としてＫ２のばね要素部分に繊維質、
低弾性ウレタン、硬質フェルト又はその他の低弾性物を
使用する。加えて、上述した通りにウレタンを使用して
空気隙間を無くし、音漏れを防止した。従って、本発明
の構造によれば、２次共振周波数を低く抑え、１オクタ
ーブ２４ｄＢもの遮音効果を、低周波数域から発揮させ
ることに成功した。
【００１４】すなわち、図２に示す通りに２次共振点ｆ
２が低周波数側に寄っていること、並びに２次共振点ｆ
２における透過損失の落込みを軽微に留めた結果、１オ
クターブ２４ｄＢもの遮音効果を、低周波数域から発揮
させることができた。
【００１５】繊維質よりなる層１５は、低弾性ウレタ
ン、硬質フェルトなどの普通のウレタンより低弾性材で
構成したものであれば、材質は問わない。
【００１６】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。本発明は、鋼製車両床板（１２）上に、ウレタン
層（１３）、下部マス層（１４）、前記ウレタン層（１
３）より低弾性率からなる層（１５）、上部マス層（１
６）の順に積層させた４層構造を介してカーペット（１
７）を載せてなることを特徴とし、ウレタン層（１
３）、下部マス層（１４）、前記ウレタン層（１３）よ
り低弾性率からなる層（１５）、上部マス層（１６）の
順に積層させた４層構造で２自由度系遮音構造を確立し
た。これで、１オクターブ２４ｄＢもの高い遮音性能が
得られる。ただし、２自由度系遮音構造では、特に２次
共振周波数での遮音性能の落込みが著しい。その対策と
して、ウレタンより低弾性率の層を採用することにより
２次共振周波数を下げると共に、床板に密着性の高いウ
レタンを沿わせて空気隙間を無くし、音漏れを防止する
ことにした。この結果、より低周波数域から１オクター
ブ２４ｄＢの遮音性能を発揮させることができる。
【００１７】この結果、粗い路面に起因するロードノイ
ズをも有効に減衰することができ、より快適な車室空間
を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る車両床部の遮音構造説明図
【図２】本発明の車両構造の遮音性能曲線図
【図３】従来の車両床部の遮音構造説明図
【図４】従来の車両構造の遮音性能曲線図
【符号の説明】
１１…車両の車体、１２…床板、１３…ウレタン層、１
４…下部マス層、１５…繊維質よりなる層又は低弾性ウ
レタン層、１６…上部マス層、１７…カーペット。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今井 哲也 埼玉県和光市中央１丁目４番１号 株式 会社本田技術研究所内 (56)参考文献 特開 平９−95168（ＪＰ，Ａ) 特開 平７−81007（ＪＰ，Ａ) 特開 平10−236205（ＪＰ，Ａ) 特開 平７−175485（ＪＰ，Ａ) 実開 平４−104029（ＪＰ，Ｕ) 特公 平６−2988（ＪＰ，Ｂ２) 米国特許6102465（ＵＳ，Ａ) 米国特許5554830（ＵＳ，Ａ) 米国特許5266374（ＵＳ，Ａ) 米国特許5504282（ＵＳ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) B60R 13/08 B60N 3/04 G10K 11/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 鋼製車両床板（１２）上に、ウレタン層
    （１３）、下部マス層（１４）、前記ウレタン層（１
    ３）より低弾性率からなる層（１５）、上部マス層（１
    ６）の順に積層させた４層構造を介してカーペット（１
    ７）を載せてなることを特徴とする車両床部の遮音構
    造。
  2. 【請求項２】 前記ウレタン層（１３）の上面に凹部を
    設け、この凹部内に前記下部マス層（１４）を介して前
    記ウレタン層（１３）より低弾性率からなる層（１５）
    を積層させたことを特徴とする請求項１記載の車両床部
    の遮音構造。
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