JP3530673B2 - ポリスチレン系樹脂発泡積層シートとその製造方法及びその成形品 - Google Patents
ポリスチレン系樹脂発泡積層シートとその製造方法及びその成形品Info
- Publication number
- JP3530673B2 JP3530673B2 JP07042196A JP7042196A JP3530673B2 JP 3530673 B2 JP3530673 B2 JP 3530673B2 JP 07042196 A JP07042196 A JP 07042196A JP 7042196 A JP7042196 A JP 7042196A JP 3530673 B2 JP3530673 B2 JP 3530673B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sheet
- density
- foamed
- laminated
- thickness
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
- Molding Of Porous Articles (AREA)
Description
脂発泡積層シートとその製造方法及び該発泡積層シート
を材料とした成形品に関し、より詳しくは、高密度発泡
シートと低密度発泡シートとの2層構造からなるポリス
チレン系樹脂発泡積層シートとその製造方法、及びその
高密度発泡シート側を内面とした成形品に関する。
を得る方法として、ポリスチレン系樹脂発泡シートを成
形機内で加熱し、二次発泡させ軟化状態とし、種々の成
形方法により成形し打抜くまたは成形と同時に打抜くこ
とが行われている。また、成形品の必要機能の1つであ
る強度を得るために種々な方法が試みられており、例え
ば、成形品の厚みを厚くしたり、重量を重くしたり、成
形品に複数のリブを設ける等が行われている。
れフィルムをラップし、ラップしたままの状態で店頭に
並べられる場合が多い。このようなトレー容器の使用方
法においては、容器に大きく圧縮力が加わることから、
この圧縮力により変形しないために、容器にはこれらの
力に充分耐え得る圧縮強度と同時に容易に座屈しない機
能を有することが必要とされる。また、ラップしたフィ
ルムが引き伸ばされたままの包装状態を長時間保持でき
ることも必要であり、そのためにも一定時間以上にわた
ってその圧縮強度に耐え得ることも必要とされる。
のような機能を省材料下で付与する一つの方法として、
成形品の内側のみを高密度の表皮層とすることが提案さ
れている(実公昭63−6005号公報参照)。これ
は、トレーのような容器においては、ラッピング等をし
た場合に、その内側においては圧縮応力が側壁部と底部
との境界部分に生じ、一方外側は引張応力が側壁部から
底部にかけて広い範囲に生じることから、成形品の内側
のみを高密度の表皮層とすることにより、内面に生じる
極部的な圧縮応力に対する耐性を付与しようとするもの
である。
レン系樹脂発泡成形品に対して必要な強度を付与するの
に有効なものであるが、この方法は発泡シートの表面に
エアーを吹き付けることにより高密度の表皮層の形成を
行うようにしているために、成形性等も加味すると、高
密度層の厚みはたかだか0.05mm程度が限度であ
り、この厚みでは必要な圧縮強度を得るには必ずしも十
分でない場合があることから、さらにリブを付設するこ
とを必要としている。
い容器の成形ができなくなる場合があると共に、トレー
等を成形した場合に、その形状によっては成形品の重ね
高さ(容器の輸送のため、重ね合わせた時の嵩高さ) を
低くすることができず、嵩高になる不都合を伴う。
シート及びその成形品が有する上記のような不都合を解
決することを目的としており、より具体的には、発泡シ
ート全体としては、同じ厚さと同じ密度を持つポリスチ
レン系樹脂発泡シートを用いて成形した成形品と同様で
ありながら、より強い強度(特にリブ圧縮強度)を備え
た成形品を得ることができ、それにより、省材料かつ低
コスト化を可能とすることのできるポリスチレン系樹脂
発泡シートとその製造方法及びその成形品を得ることを
目的としている。
めに本発明者等は、ポリスチレン系樹脂発泡シート及び
その成形品について多くの実験と研究を行った結果、基
本的にポリスチレン系樹脂発泡シートを、少なくとも高
密度の発泡シート層と低密度の発泡シート層の2層構造
とすることにより、また高密度発泡シートの平均気泡径
を30μm以上で厚み方向のセル数が平均3個以上と
し、該発泡積層シートの高密度発泡シート側を内側とし
て容器などの成形品を成形することにより、上記の目的
が達成可能であることを知見し、本発明を完成するにい
たった。
ポリスチレン系樹脂発泡シートと同一坪量、同一密度で
あれば、該発泡シートに比較して強度ばかりでなく、成
形時における成形伸びも非常に良いことがわかった。
積層シートであって、該発泡積層シートは高密度発泡シ
ートと低密度発泡シートとが積層されており、高密度発
泡シートは密度0.7g/cc〜0.13g/cc、厚
み0.2mm〜2.8mm、平均気泡径30μm以上で
かつ厚み方向に平均3個以上の気泡が配列されたもので
あり、低密度発泡シートは密度が0.22g/cc〜
0.042g/ccで、厚みが3.0mm以下であり、
高密度発泡シートと低密度発泡シートとの合計厚みが
0.7〜3.5mmの範囲であることを特徴とするポリ
スチレン系樹脂発泡積層シート、及びポリスチレン系樹
脂発泡積層シートを用いた成形品であって、前記高密度
発泡シートが成形品の内側とされており、その側壁部と
底部の境界部分における前記高密度発泡シートの厚みが
0.2mm〜3.0mmの範囲となるようにされた成形
品、を要旨とするものである。
トは、少なくとの低密度発泡シートと高密度発泡シート
との積層構造を基本構成としている。本発明のポリスチ
レン系樹脂発泡積層シートを構成するポリスチレン系樹
脂としては、スチレン、メチルスチレン、エチルスチレ
ン、イソプロピルスチレン、ジメチルスチレン、パラメ
チルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ビニ
ルトルエン、ビニルキシレンの単独重合体又は共重合体
が挙げられる。共重合体としては、スチレン−無水マレ
イン酸共重合体、スチレン−アクリル酸重合体、耐衝撃
性ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合
体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体
等のポリスチレン系樹脂が挙げられる。
トを構成する高密度発泡シートは、密度が0.7g/c
c〜0.13g/ccであり、発泡シート表面からの厚
みが0.2mm〜2.8mmであり、その部分の平均気
泡径が30μm以上、好ましくは30μm〜250μm
であり、かつ厚み方向のセル数が3個以上である。
を越えると、高密度発泡シートと低密度発泡シートとを
共押出により押出す際に難しくなるので好ましくなく、
またほとんどフィルムに近くなり、圧縮応力が容器内面
にかかったとき高密度発泡シートが極部で折れやすく、
その結果低密度発泡シート側の気泡が座屈してしまい曲
げ強度が低下する。また、密度が0.13g/cc未満
の場合は、加熱成形して成形品を得る際に二次発泡が大
きくなり、成形後の成形品の密度が0.07g/ccを
越えてしまい、成形品の極部座屈に対する防止効果が小
さくなるので好ましくない。
の場合は、本発明のポリスチレン系樹脂発泡積層シート
を成形して成形品となしたとき、成形品の側壁部と底部
の境界部分の厚みが成形時に伸ばされて0.2mm未満
となることがあり、座屈防止効果が低減する。
ートの密度が0.13g/cc以下の場合、トレー等の
浅型の成形品を除き、本発明の発泡積層シートを用いて
加熱成形して得られた成形品の側壁部と底部との境界部
分の厚みが、成形時に伸ばされて必要以上に薄くなっ
て、本発明が目的とする座屈防止効果が良くなかった。
また、厚みが2.8mmを越えても座屈防止効果の増大
につながらずメリットが失われる。気泡径の強度に対す
る影響も大きく、平均気泡径が30μm以上、好ましく
は30μm〜250μmの範囲で、厚み方向の気泡数が
3個以上あれば座屈防止効果が大きく、高密度発泡シー
トの厚みが0.2mmあればよいことが判った。しか
し、気泡径が30μm未満だと強度がでない。
トを構成する低密度発泡シートは、密度が0.22g/
cc〜0.042g/ccの範囲であり、厚みは3.0
mm以下のものである。そして高密度発泡シートと低密
度発泡シートとを積層した合計厚みが0.7〜3.5m
mのものである。
cを越えると、成形後の成形品の引張り応力に打ち勝つ
に必要とする以上の張力となり、また経済性が低下す
る。また、低密度発泡シートの密度が0.042g/c
c未満の場合は、高密度発泡シートと低密度発泡シート
との積層発泡シートの共押出による製造時に、気泡の連
通化が多くなり、成形品を得る際の成形時の伸びが悪く
キレツが発生する。更に、気泡の連通のために、成形品
強度が弱くなると共に成形の際の成形機内での加熱時に
部分的加熱ムラが発生しやすく、成形条件幅が狭くな
る。共押出する場合は密度0.042g/ccが押出安
定上の限度である。
積層した合計厚みが0.7mm未満の場合は、成形した
とき、強度が不足する。即ち、一般の発泡ポリスチレン
シートと同程度の曲げ強度にしかならずメリットが少な
い。また、合計厚みが3.5mmを越えると、高密度発
泡シートと組合わせて容器を成形しても一般の発泡ポリ
スチレンシート程度の曲げ強度しか得られずメリットが
少ない。かかることから本発明における低密度発泡シー
トの厚みは、3.0mm以下、特に0.2mm〜2.8
mmが好適に使用される。
積層発泡シートの少なくとも片面に熱可塑性樹脂フィル
ムを積層してもよい。また、他の発泡体をも積層しても
よい。例えば、熱可塑性樹脂フィルム/高密度発泡シー
ト/低密度発泡シートの3層構造、熱可塑性樹脂フィル
ム/高密度発泡シート/低密度発泡シート/熱可塑性樹
脂フィルムの4層構造、熱可塑性樹脂フィルム/高密度
発泡シート/低密度発泡シート/高密度発泡体/熱可塑
性樹脂フィルムの5層構造等の組み合わせが挙げられ
る。なお、低密度発泡シート側に熱可塑性樹脂フィルム
を貼り合わせれば、引張り応力に対する表皮層全体の伸
びを抑制する機能を付与することができ、発泡シートの
強度が向上する。この場合には高密度発泡シート/低密
度発泡シート/熱可塑性樹脂フィルムの構成となる。本
発明では、低密度発泡シート/高密度発泡シート/高密
度発泡シート等の組み合わせの積層体であっても構わな
い。
を用いた成形品であって、前記高密度発泡シートが成形
品の内側とされ、好ましくは、成形品の側壁部と底部の
境界部分の前記高密度発泡シートの厚みが0.2mm以
上、さらに好ましくは0.2mm〜3.0mmとなるよ
うにされた成形品をも開示する。
を内側とされているので、強度に優れたものである。本
発明のポリスチレン系樹脂積層発泡シートを使用して、
従来の成型機を用いて成形を行ってトレー等の容器を得
たとき、フィルムでラップして長期間放置してもラップ
の力によって変形せず、かつ容易に座屈しない機能を有
している。また、補強リブを設けた成形品は、本発明の
ポリスチレン系樹脂積層発泡シートの伸びがよいため、
口径に比し深さの大きい容器にも拘わらず、強度があ
り、均一厚みのものである。そして成型品を積み重ねて
も嵩がかさばらないものである。
は、本発明の積層発泡シートを成形するに際して、加熱
成形により延伸する物性を持つことを条件にいずれのも
のも使用できるが、かかる樹脂としては、スチレン、メ
チルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレ
ン、ジメチルスチレン、パラメチルスチレン、クロロス
チレン、ブロモスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシ
レンの単独重合体又は共重合体、例えば樹脂としてはス
チレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル
酸共重合体、耐衝撃性ポリスチレン、スチレン−アクリ
ロニトリル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチ
レン樹脂が使用できる。特に、ポリスチレン樹脂及び耐
衝撃性ポリスチレン樹脂が好ましい。その他に、ポリス
チレン系樹脂と耐衝撃性ポリスチレンとの混合又は耐衝
撃性ポリスチレン単独であってかつ、耐衝撃性ポリスチ
レンにはスチレン−ブタジエン共重合体がサラミ構造状
に分散し、その粒径が0.3μm〜10μmのものを多
く含むものをあげることができる。
リエチレン、低密度ポリエチレン、プロピレンホモポリ
マー、エチレン−プロピレンランダムポリマー、エチレ
ン−プロピレンブロックポリマー、エチレン−プロピレ
ン−ブテン−ターポリマー、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、エチレン−不飽和カルボン酸エステル共重合体
(例えば、エチレン−メチルメタクリレート共重合
体)、エチレン−不飽和カルボン酸金属塩共重合体(例
えば、エチレン−アクリル酸マグネシウム(又は亜鉛)
共重合体)、プロピレン−塩化ビニルコポリマー、プロ
ピレン−ブテンコポリマー、プロピレン−無水マレイン
酸コポリマー、プロピレン−オレフィン共重合体(プロ
ピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共
重合体)ポリエチレン又はポリプロピレンの不飽和カル
ボン酸(例えば、無水マレイン酸)変性物、エチレン−
プロピレンゴム、アタクチックポリプロピレン等が挙げ
られ、ポレエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、
プロピレン−ブテン−1共重合体及びこれら2種以上の
混合物やポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテ
レフタレート等のフィルムが挙げられる。
ィルムを積層することも好ましい態様であり、かかるガ
スバリヤ性を有するフィルムとしては、エチレン−酢酸
ビニル系共重合体、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビ
ニリデン、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリロニ
トリル、塩化ビニリデン系・アクリロニトリル共重合
体、アクリロニトリル系メチルメタアクリレート−ブタ
ジエン共重合体、ナイロン、二軸延伸ナイロン、二軸延
伸ポリエチレンテレフタレート、二軸延伸ポリプロピレ
ン、高密度ポリエチレン、アイオノマー樹脂(例えば、
登録商標サーリン)或いは金属蒸着フィルムが挙げら
れ、これらは単独若しくはこれらフィルムの積層された
ものが用いられる。
密度発泡シートと熱可塑性樹脂フィルムとの積層にあた
っては、共押出法の他に熱を使用したラミネート法も用
い得る。その際には、熱ロールで接合面の反対側より熱
可塑性樹脂フィルムを加熱圧着する。この場合、加熱圧
着するロールの表面は、クロムメッキ又はテフロンコー
ティングを行い、加熱された熱可塑性樹脂フィルムとの
べたつきを防止する。また、熱ロールによる加熱圧着と
共に、接合面を加熱装置によって加熱するようにしても
よい。
ト間、あるいは、高密度発泡シート又は低密度発泡シー
トと熱可塑性樹脂フィルム間は、接着剤又は接着層を用
いて貼り合わせてもよい。この際に使用される接着剤
は、エチレン−酢酸ビニル共重合体、メタアクリル酸メ
チル重合体エラストマー(タフプレン、タフテック:旭
化成工業株式会社)等のような接着剤が好ましく、その
厚さは5μm〜150μm程度で使用される。
の厚みは、10μm〜500μm、好ましくは15μm
〜300μmである。10μ未満が限底で、それ以下だ
と容器に成形したときに該熱可塑性樹脂フィルムに穴明
きが発生する場合がある。なお、現在の押出技術では5
μm程度が安定して作れる限界である。一方厚みが、5
00μmより厚い場合、積層時にポリスチレン系樹脂発
泡シートに焼けやハクリが生じることとなる。また、共
押出では作ることがきないので、製造コストの観点で不
利である。
等の顔料を、フィルム製造時の原料100重量部に対し
て、5重量部以下混合してもよい。また、熱可塑性樹脂
フィルム、高密度発泡シート及び低密度発泡シートは、
着色剤等で予め着色されていてもよい。更に、熱可塑性
樹脂フィルムに予め印刷し、その印刷面を内側として積
層するようにすれば、外観に艶が出て表面の綺麗な成形
品を得ることができる。
泡シートの製造方法について説明する。なお、本発明で
は、所望の密度の発泡シートを得るために、発泡剤及び
添加剤の種類及び量と、発泡温度が適宜調節される。
ートは、公知の押出発泡法により形成することができ
る。押出発泡法は、所望の密度となるように押出機に基
材樹脂、発泡剤及び発泡に必要な添加剤を入れ、溶融混
練した後、押出機のダイから押し出すことにより行われ
る。なお、予め基材樹脂、発泡剤及び添加剤を均一に混
合した後、押出機に供給してもよい。また、添加剤は、
予め基材樹脂と同種の樹脂に高濃度に添加した所謂マス
ターバッチとしておいてもよい。
をいずれも使用でき、かかるものとして分解型発泡剤、
気体又は揮発性の発泡剤がある。分解型発泡剤として
は、例えば、炭酸アンモニウム、重炭酸ナトリウム、重
炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム、カルシウムア
ジド、ナトリウムアジド、ホウ水素ナトリウム等の無機
系分解性発泡剤、アゾジカルボンアミド、アゾビススル
ホルムアミド、アゾビスイソブチロニトリル及びジアゾ
アミノベンゼン等のアゾ化合物、N,N’−ジニトロソ
ペンタンメチレンテロラミン及びN,N’−ジメチル−
N,N’−ジニトロソテレフタルアミド等のニトロソ化
合物、ベンゼンスルホニルヒドラジド、p−トルエンス
ルホニルヒドラジド及びp,p’−オキシピスベンゼン
スフホニルセミカルバジド、p−トルエンスルホニルセ
ミカルバジド、トリヒドラジノトエイアジン、バリウム
アゾカルボキシレート等が挙げられる。これらの発泡剤
は、単独でも組み合わせてもよい。更に、分解温度、発
生ガス量及び分解速度を調節するために公知の発泡助剤
を添加することもできる。
プロパン、n−ブタン、i−ブタン、メチルエーテル等
が挙げられる。なお、ここで気体とは常温(25℃)、
常圧(1気圧)で気体であることを意味する。一方、揮
発性の発泡剤としては、エーテル、石油エーテル、アセ
トン、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、イソヘキサ
ン、ヘプタン、イソヘプタン、ベンゼン、トルエン等が
挙げられる。また、水も使用するこどができる。これら
を混合使用することもできる。
サイズを約40μm以下とすることを望む場合は、窒
素、炭酸ガス、水を使用又は併用することが好ましい。
また、窒素等は、空気から直接分離できるので安価であ
るという利点がある。
泡調節剤等が挙げられる。具体的には、タルク、シリカ
等の無機粉末、多価カルボン酸等の酸性塩、多価カルボ
ン酸と炭酸ナトリウム又は重炭酸ナトリウムとの反応混
合物等が挙げられる。これら気泡調節剤を増量すると、
気泡膜が熱に弱くなり、押出積層時に気泡膜が破れ、そ
の結果気泡が大きくなることがある。このような気泡の
増大を防ぐには、発泡剤として窒素、炭酸ガスを用いる
ことが好ましい。
防止剤、着色剤、滑剤、難燃剤、帯電防止剤等を添加し
てもよい。溶融混練された樹脂は、発泡に最も適する温
度に調節されたダイから、直接シート状又は一旦円筒状
に押し出した後、任意のラインで切断することによりシ
ート状にされる。
合、使用する押出機及び樹脂の種類等により異なるが、
押出機バレル温度は140〜260℃程度に保たれる。
また、基材樹脂100重量部に対して、発泡剤は、0.
07〜3.3重量部、気泡調節剤は0.01〜7.0重
量部添加することが好ましい。
使用する押出機及び樹脂の種類等により異なるが、押出
機バレル温度は140〜260℃程度に保たれる。ま
た、基材樹脂100重量部に対して、発泡剤は0.5〜
7.0重量部、気泡調節剤は0.01〜5.0重量部添
加することが好ましい。
出法、具体的には、押出機中でフィルム原料(樹脂、添
加剤等からなる)を溶融し、ダイ(Tダイ、コートハン
ガーダイ、スクリュウーダイ等)からフィルム状に押出
す方法により形成することができる。かくして得られた
高密度発泡シート及び低密度発泡シートは、共押出法、
接着剤を用いた張合わせ法又は熱を使用した融着法等の
公知の方法により積層してもよい。
に通すことにより融着し、シート状に形成する方法であ
る。また、共押出法にサーキュラーダイを用いる場合
は、高密度発泡シートを内側(プラグ側)に、低密度発
泡シートを外側になるようにして押し出すことが好まし
い。これは、低密度発泡シートを内側にするとプラグに
より気泡がつぶされる場合があり、発泡シートの厚みや
密度の調整が困難になることによる。
きる接着剤としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
メタアクリル酸メチル重合体エラストマー(タフプレ
ン、タフテック:旭化成工業社製)等が挙げられる。ま
た接着剤は、通常5μm〜150μm程度の厚さで使用
される。
及び/又は熱風により高密度発泡シート又は低密度発泡
シートに熱を加えた後、低密度発泡シート又は高密度発
泡シートに積層する方法である。熱ロールの表面は、ク
ロムメッキ又はテフロンコーティングを行い、加熱され
た発泡シートとのべたつきを防止しておくことが好まし
い。
トは、共押出法により得られたものがよい。共押出法に
より得られるポリスチレン系樹脂発泡積層シートは、経
済性に優れ、発泡積層シートの製品スペック幅も広く、
成形性にも優れている等の利点がある。成形後の高密度
発泡シートと低密度発泡シートとを貼り合わせる方法
は、貼り合わせ工程を別途必要とし経済性に劣ると共
に、高密度発泡シート又は低密度発泡シートの押出によ
り得られる厚みは250μm以下とすることは難しく、
また延伸コントロールが難しく、成形時の伸びに問題が
残るという不都合がある。また、得ようとするポリスチ
レン系樹脂発泡積層シートの厚みが薄い、すなわち、高
密度発泡シート及び/又は低密度発泡シートの厚みが薄
い場合には、貼り合わせ時に発泡シートが熱による収縮
を起こす恐れがあり、また接着剤等で貼り合わせたとし
ても延伸が制御できないことから、得られた発泡積層シ
ートの成型時の伸びが悪く、成形性に劣るという不都合
がある。共押出法による場合は、上記の不都合を容易に
回避することができる。
発泡シート及び低密度発泡シートの境界面は明確にわか
るが、共押出を用いた場合は境界面が不明確になる場合
がある。
記発泡シートと共押出してもよく、熱可塑性樹脂フィル
ムと高密度発泡シート(あるいは低密度発泡シート)を
共押出し、その後、低密度発泡シート(あるいは高密度
発泡シート)を接着剤を用いた張合わせ法又は融着法に
より積層してもよい。なお、接着剤を用いて熱可塑性樹
脂フィルムを貼り合わせる場合は、接着剤の厚みはフィ
ルム厚みに加えられる。
度発泡シートの表面にエアーを吹き付けて発泡シート表
面に表皮を付けるようにしてもよい。その際に、好まし
くは高密度発泡シート側には、5℃〜80℃、好ましく
は、5℃〜45℃(エアーリング入口エアー温度) のエ
アーを発泡シートの1m2 当り0.04m3 〜0.4m
3 吹付け、低密度発泡シート側には5℃〜80℃、好ま
しくは、5℃〜45℃のエアーを発泡シートの1m2 当
り0.02m3 〜0.3m3 吹付けるようにする。単層
で発泡シートを押出し、押出し後に積層を行う場合に
も、各発泡シートの片面及び/又は両面に同様にしてエ
アーを吹付けて表皮を付けたものを積層するようにして
もよい。そのようにして表皮を形成することにより、外
観を綺麗にしたり、印刷性を向上させたり、さらには、
リブの強度を向上させるというような効果がもたらされ
る。
スチレン樹脂100重量部に気泡調整剤として5〜15
μmのタルクの粉末0.6〜3.0重量部を添加し、又
はこれらをマスターバッチにより加え、これを内径90
mm〜150mmの押出機のホッパー上のバッチ式連続
混合装置に投入して均一混和した後、ホッパーより押出
機へ供給した。押出機のシリンダー温度は最高設定温度
230℃とし、発泡剤としてブタンガス(i−ブタン6
5%、n−ブタン35%) を約1.0〜3.5重量%及
び炭酸ガスを0〜2重量%加え、60〜80kg/時の
割合で合流ダイに流入した。
ルトインデックス(MI値と称す)を有するポリスチレ
ン樹脂をベースに気泡調整剤として5〜15μmのタル
クの粉末0.4〜1.5重量部と商品名:ハイドロセロ
ールCF−40S(大日本精化工業株式会社製) 0.2
〜1.0重量部とカラーのマスターバッチ(20%練混
み)を2部添加し、これを内径90mm〜150mmの
押出機のホッパー上のバッチ式連続混合装置に投入し、
均一混和し、ホッパーより押出機へ供給した。押出機の
シリンダー温度は最高設定温度245℃とし、発泡剤と
してブタンガス(i−ブタン60%、n−ブタン40
%) を約2.0〜7.0重量%加え、高密度発泡シート
を押出す押出機とのバランスで合流ダイに流入した。
共に口径126mm径の金型に流入され、スリットより
円筒形に押出された直後にバルーンの内側と外側にエア
ーをかけ、発泡シートを冷却して、本発明ポリスチレン
系樹脂発泡積層シートを得、この発泡積層シートを評価
に供すると共に実施例とした。
のポリスチレン樹脂(商品名:デンカスチロールHRM
−5:電気化学工業株式会社製) 100重量部に、気泡
調整剤として5〜15μmのタルクの粉末0.8重量部
を添加し、これを内径90mmの押出機のホッパー上の
バッチ式連続混合装置に投入して均一混和した後、ホッ
パーより押出機へ供給した。押出機のシリンダー温度は
最高設定温度230℃とし、発泡剤としてブタンガス
(i−ブタン65%、n−ブタン35%) を約2.5重
量%加え、76kg/時の割合で合流ダイに流入した。
スチレン樹脂(商品名:デンカスチロールHRM−2:
電気化学工業株式会社製)100重量部に、気泡調整剤
として5〜15μmのタルクの粉末0.8重量部と商品
名:ハイドロセロールCF−40S(大日本精化工業株
式会社製) 0.6重量部を添加し、これを内径90mm
押出機のホッパー上のバッチ式連続混合装置に投入し、
均一混和し、ホッパーより押出機へ供給した。押出機の
シリンダー温度は最高設定温度245℃とし発泡剤とし
てブタンガス(i−ブタン60%、n−ブタン40%)
を約6.5重量%加え、77kg/時の割合で合流ダイ
に流入した。
共に口径126mm径の金型に流入され、スリットより
円筒形に押出された直後にバルーンの内側と外側にエア
ーをかけ、発泡シートを冷却した。エアー温度は27℃
であり、吹きかけ量は、内側の高密度発泡シート側では
0.10m3 /m2 、外側の低密度発泡シート側では
0.07m3 /m2 であった。
みは約0.5mm、秤量106g/m2 (密度0.21
2g/cc)であり、低密度発泡シート厚みは約1.9
mm、秤量104g/m2 (密度0.055g/cc)
であった。即ち、得られた発泡積層シートの全体厚みは
2.4mmであり、秤量は210g/m2 であった。ま
た、高密度発泡シートの平均気泡径は71μmであり、
厚み方向に平均7.0個の気泡が存在する計算となっ
た。
定し、坪量は発泡シートから一辺1cm角を10個取
り、それをカミソリで高密度、低密度に分け測定した。
密度は坪量と厚みより算出した。なお、高密度発泡シー
ト又は低密度発泡シートのどちらかを着色しておけば分
離しやすくなり、作業が容易となる。
(MD)方向に対しクロスに切断し、厚み方向の長さを
Lとし、L間にある気泡数(表皮は除く)をNとすると
D=L/Nで表され、L間に存在する気泡の平均径を示
している。なお、前記L間にある気泡数は同様に顕微鏡
写真で測定した。
(長さ)×120(幅)×25(高さ)mmの成形型を
用い、単発成形機(積水化成品工業仕様) でオーブン温
度約280℃〜350℃、型締時間約3.5秒で成形し
た。成形品の側部、底部及びその境界部の厚み(mm)
を顕微鏡写真で測定した。また、リブ圧縮強度として A
IKOH ENGINEERING製荷重測定機 Model 1310DSを用いて
成形容器を10mm圧縮(400mm/分)した時の反
発力を測定した。さらに、成型品の高密度発泡シート側
を約300μmスライスして、密度を測定した。それら
の測定値を表1に示す。
1と同様な方法にて発泡積層シートを得、実施例1と同
じ成形型寸法で同成型機で成形し評価した。その際に、
発泡積層シートの全厚みと全体としての秤量は、実施例
1のものと実質的に同じ値とし、高密度発泡シートと低
密度発泡シートのそれぞれの厚み及び坪量を押出機の吐
出量を調節することにより異ならせた。但し、実施例2
の低密度側は市場使用済トレーを再ペレット化した樹脂
を使用した(MI値6.7)。また、比較例7は低密度
の発泡シートの単層構造とした場合である。
して各値を測定した。測定値を実施例1の値と共に表1
に示す。実施例1〜4及び比較例1〜7について見る
に、発泡積層シートとしての厚み及び秤量(従って、密
度)がほぼ同じものでありながら、比較例のもの、即
ち、本発明の発泡積層シートの前記各条件のうちのいず
れか1または複数のものを満たさないものは、いずれも
リブ圧縮強度が実施例のものよりも低い値を示してお
り、本発明の優位性が示される。
みが薄すぎることから成形品の側部と底部の境界部の厚
みが薄くなり、また、高密度発泡シートの厚み方向に存
在した気泡数が少ないことから、座屈も発生した。比較
例2においては高密度発泡シートが薄くかつその密度が
大きいこと、また、高密度発泡シートの厚み方向に存在
した気泡数が少ないことから、からやはり強度が低下し
て座屈が発生した。比較例4においては低密度発泡シー
トの密度が小さすぎたことから気泡の連通化が大となり
リブ強度が大きく低下した。さらに、比較例5、6では
高密度発泡シートの平均気泡径が小さく気泡が細かいこ
とも起因してリブ強度が低下したものと解される。
度発泡シートが容器側の内側になるように成形した場
合、容器のリブ圧縮強度は640gに低下した。これら
のことからほぼ同厚み同秤量で比較する場合、少なくと
も高密度側(成形品の内側にくる)の発泡シートの厚み
が0.2mm以上あれば単層発泡シートに比較して多層
シートの場合強度が大きく上がることがわかる。
と同様な方法にて発泡積層シートを得た。その際に同様
に、それぞれにつき、高密度発泡シートと低密度発泡シ
ートのそれぞれの厚み及び坪量を押出機の吐出量を調節
することにより異ならせた。但し、発泡積層シートの全
厚みは3.1mm〜3.5mmのほぼ同じ範囲とし、ま
た、全体としての坪量は301g/m2 〜308g/m
2 のほぼ同じ範囲とした。比較例9では低密度の発泡シ
ートの単層構造とした。
×132(幅)×54(深さ)mmの箱型容器を実施例
1と同様にして成形し、それぞれについての実施例1と
同じようにして各値を測定しかつ評価した。その結果を
表2に示す。
るに、この場合にも発泡シートとしての厚み及び坪量
(従って、密度)がほぼ同じものでありながら、比較例
のものはいずれもリブ圧縮強度が実施例のものよりも低
い値を示しており、本発明の優位性が示されている。特
に、比較例8では低密度発泡シートの厚みが厚すぎるこ
とから曲げ強度が一般PSPの曲げ強度と同じであり、
かつ、型のきまりが悪く、伸びも不足であった。
施例1と同様な方法にて発泡積層シートを得た。この場
合も、それぞれにつき、高密度発泡シートと低密度発泡
シートのそれぞれの厚み及び坪量を押出機の吐出量を調
節することにより異ならせた。発泡積層シートの全厚み
は2.15mm〜2.4mmのほぼ同じ範囲とし、また
全体としての坪量は210g/m2 〜214g/m2 の
ほぼ同じ範囲とした。
ト側にOPSフィルム(100μm厚)を熱ロールによ
り積層した。実施例9については低密度発泡シート側に
HIPSフィルム(100μm厚)を押出し法により積
層した。
に市販のバリヤフィルムであるスミライトCEL(住友
ベークライト社製)(80μm厚)を熱ロールにより積
層した。比較例10及び比較例11については低密度発
泡シート側にHIPSフィルム(約100μm)を押出
し法により積層した。
×132(幅)×54(深さ)mmの箱型容器を実施例
1と同様にして成形し、それぞれについての実施例1と
同じようにして各値を測定し評価した。その結果を表2
に示す。
いて見るに、この場合にも発泡シートとしての厚み及び
坪量(従って、密度)がほぼ同じものでありながら、比
較例のものはいずれもリブ圧縮強度が実施例のものより
も低い値を示しており、本発明の優位性がやはり示され
ている。特に、比較例10では比較例2の場合と同様に
高密度発泡シートが薄くかつその密度が大きいこと、ま
た、高密度発泡シートの厚み方向に存在した気泡数が少
ないことから、やはり強度が低下して低密度発泡シート
側の気泡が破壊してしまい座屈が発生した。また、実施
例8〜10においてはフィルムを積層したことから実施
例5〜7のものと比較して同じ寸法の成形品でありなが
ら高いリブ圧縮強度を示している。
チレン樹脂(商品名旭化成ポリスチレンG9001:旭化成
工業株式会社)95重量部:MI値13のエラストマー
樹脂(商品名タフプレンA:旭化成工業株式会社)5重
量部に、気泡調整剤として5〜15μmのタルクの粉末
を樹脂100重量部に対し0.6重量部を添加し、これ
を内径90mmの押出機に実施例1と同様にして供給し
た。押出機シリンダー温度は最高設定温度265℃と
し、発泡剤としてブタンガス(i−ブタン35%、n−
ブタン65%) を約3.1重量%加え、76kg/Hr
の割合で合流ダイに流入した。
(商品名旭化成ポリスチレンG9001:旭化成工業株式会
社) を100重量部に対して、気泡調整剤として5〜1
5μmのタルク粉末を0.8重量部と、タクル粉末20
重量部とステアリン酸カルシュウム5重量部を練り込ん
だ耐衝撃性樹脂のマスターバッチ2重量部とを添加し、
これを内径90mm〜150mm押出機に実施例1と同
様にして供給した。
75℃とし、発泡剤としてブタンガス(i−ブタン65
%、n−ブタン35%) を別々のダイヤフラム式高圧ポ
ンプで約6.1重量%加え、78kg/Hrの割合で合
流ダイに流入した。合流ダイで合流された2種類配合の
樹脂は共に口径120mm径の金型に流入され、スリッ
トより円筒形に押出された直後にバルーンの内側と外側
にエアーを掛け、発泡シートを冷却した。エアー温度は
31℃であり、吹き掛け量は、内側の高密度発泡シート
側では0.12m3 /m2 、外側の低密度発泡シート側
では0.08m3 /m2 であった。
厚み約0.8mm、坪量112g/m2 (密度0.14
g/cc)であり、低密度発泡シートは厚み約1.6m
m、坪量101g/m2 (密度0.063g/cc)で
あった。即ち、発泡シートの全厚みは2.4mmであ
り、坪量は213g/m2 であった。また、高密度発泡
シートの平均気泡径は221μmであり、厚み方向に平
均3.6個の気泡が存在いる計算となった。
ト側に、MI値1.4の旭化成ポリスチレンG9001とタ
フプレンA(MI値13)を9:1に混合しペレット化
した樹脂を用いて90mmの押出機でシリンダー最高温
度280℃とし、Tダイを用いて約100μmのフィル
ムを押出ラミネートした。このラミネート原反を用い、
高密度側が内側となるようにして寸法162(長さ)×
132(幅)×54(深さ)mmの箱型容器を成形し
た。成形は成形温度約300℃〜380℃、型締時間
4.9秒で行った。
部、及びその境界部の厚みを顕微鏡写真により測定し
た。また、リブ圧縮強度を測定した。それらの値を表2
に示した。この場合には、実施例9は低密度側にフィル
ムを貼ったために容器の内面に生じる局部的な圧縮応力
に対する力の増大が少なく、また、実施例10に用いた
積層バリヤフィルムは実施例11のフィルムよりも柔ら
かい理由から、同じ寸法の成形品でありながら実施例9
〜10のものと比較してさらに高いリブ圧縮強度を示し
ている。
実施例1と同様な方法にて発泡積層シートを得た。その
際に、それぞれにおける高密度発泡シートの厚みと密度
及び低密度発泡シートの厚みと密度をすべてほぼ等しく
なるようにし、高密度発泡シートの平均気泡径のみを異
なるようにして成形した。これらの原反を用い、寸法1
62(長さ)×132(幅)×54(高さ)mmの容器
を実施例1と同様にして成形し、それぞれについての実
施例1と同じようにして各値を測定しかつ評価した。そ
の結果を表3に示す。
の成形品であるにもかかわらず、実施例のものよりも比
較例のもののリブ強度は低い値を示している。これは、
比較例12では高密度発泡シートの厚み0.23mmに
対して平均気泡径が85μmであって高密度発泡シート
の厚み方向に存在する気泡が2.7個と少ないこと、ま
た、比較例13では高密度発泡シートの厚み0.28m
mに対して平均気泡径が23μmであり、気泡径が細か
すぎることに起因するものと解される。また、比較例1
4は低密度発泡シート単層であり、やはり強度が低下し
ている。
表3の実施例15〜16、比較例15〜16に示される
発泡積層シートを用いて、型のクリアランスを調整しな
がら95(口径)mm×65(深さ)mmのカップを成
形したところ、実施例15、16、比較例15の発泡積
層シートでは成形できたが、比較例16の発泡積層シー
トでは成形が難しかった。次に、95(口径)mm×8
5(深さ)mmのカップを成形したところ実施例15の
発泡積層シートでは成形できたが、実施例16と比較例
15の積層発泡シートでは成形が難しく、比較例16の
積層発泡シートでは成形ができなかった。
が成形性がよく、また、発泡シートにおいて、単層シー
トに比べ高密度発泡シートと低密度発泡シートの積層シ
ートの方が成形性がよいと言える。以上から、高密度発
泡シートと低密度発泡シートとが積層されてなるポリス
チレン系樹脂発泡積層シートにおいて、高密度発泡シー
トは密度0.7g/cc〜0.13g/cc、厚み0.
2mm〜2.8mm、平均気泡径は30μm以上で厚み
方向の気泡数が3個以上存在するシートであり、低密度
発泡シートは密度0.22g/cc〜0.042g/c
c、厚み3.0mm以下のものであれば、同じ厚みの単
層シートと比較して、強度の面で単層シートに比べ大き
な効力があり、また、2層シートと単層シートとではト
ータルでの倍率(密度)が同じであれば2層シートの方
が成形性もはるかによいことがわかった。
層シートを用いることにより、従来のポリスチレン系樹
脂発泡シートと同じ厚み、同じ密度の積層シートで成形
した場合であっても、リブ圧縮強度の高いかつ成形性の
良い成形品を得ることできる。それにより、省材料かつ
低コストで必要とされる強度を備えたポリスチレン系樹
脂発泡シート製の成形品を製造することが可能となる。
Claims (9)
- 【請求項1】 ポリスチレン系樹脂発泡積層シートであ
って、該発泡積層シートは高密度発泡シートと低密度発
泡シートとが積層されており、高密度発泡シートは密度
0.38g/cc〜0.13g/cc、厚み0.2mm
〜2.8mm、平均気泡径30μm以上でかつ厚み方向
に平均3個以上の気泡が配列されたものであり、低密度
発泡シートは密度が0.22g/cc〜0.042g/
ccで、厚みが3.0mm以下であり、高密度発泡シー
トと低密度発泡シートとの合計厚みが0.7mm〜3.
5mmの範囲であることを特徴とするポリスチレン系樹
脂発泡積層シート。 - 【請求項2】 請求項1の低密度発泡シートの厚みが、
0.2mm〜2.8mmであることを特徴とする請求項
1記載の発泡積層シート。 - 【請求項3】 請求項1記載の発泡積層シートの少なく
とも片面に、少なくとも一層の熱可塑性樹脂フィルムが
積層されていることを特徴とする請求項1記載の発泡積
層シート。 - 【請求項4】 高密度発泡シート又は低密度発泡シート
の少なくとも片方が着色されていることを特徴とする請
求項1ないし3いずれか記載の発泡積層シート。 - 【請求項5】 請求項1ないし4いずれか記載の発泡積
層シートを用いた成形品であって、前記高密度発泡シー
トが成形品の内側とされていることを特徴とする成形
品。 - 【請求項6】 請求項1ないし4いずれか記載の発泡積
層シートを用いた成形品であって、前記高密度発泡シー
トが成形品の内側とされており、その側壁部と底部の境
界部分における前記高密度発泡シートの厚みが0.2m
m〜3.0mmの範囲となるようにされた成形品。 - 【請求項7】 押出発泡により得られる密度0.38g
/cc〜0.13g/cc、厚み0.2mm〜2.8m
m、平均気泡径30μm以上でかつ厚み方向に平均3個
以上の気泡が配列されたポリスチレン系高密度発泡シー
トと、押出発泡により得られる密度が0.22g/cc
〜0.042g/cc、厚みが3.0mm以下であるポ
リスチレン系低密度発泡シートとを適宜の手段により積
層して製造することを特徴とするポリスチレン系樹脂発
泡積層シートの製造方法。 - 【請求項8】 請求項7記載の発泡積層シートの少なく
とも片面に、少なくとも一層の熱可塑性樹脂フィルムを
さらに積層して製造することを特徴とするポリスチレン
系樹脂発泡積層シートの製造方法。 - 【請求項9】 前記ポリスチレン系高密度発泡シートと
ポリスチレン系低密度発泡シートとを共押出により積層
することを特徴とする請求項7記載のポリスチレン系樹
脂発泡積層シートの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07042196A JP3530673B2 (ja) | 1996-03-26 | 1996-03-26 | ポリスチレン系樹脂発泡積層シートとその製造方法及びその成形品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07042196A JP3530673B2 (ja) | 1996-03-26 | 1996-03-26 | ポリスチレン系樹脂発泡積層シートとその製造方法及びその成形品 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17559199A Division JP3672768B2 (ja) | 1999-06-22 | 1999-06-22 | ポリスチレン系樹脂発泡積層シートの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09254225A JPH09254225A (ja) | 1997-09-30 |
JP3530673B2 true JP3530673B2 (ja) | 2004-05-24 |
Family
ID=13431005
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07042196A Expired - Fee Related JP3530673B2 (ja) | 1996-03-26 | 1996-03-26 | ポリスチレン系樹脂発泡積層シートとその製造方法及びその成形品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3530673B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4570224B2 (ja) * | 1999-09-29 | 2010-10-27 | 株式会社ジェイエスピー | 熱可塑性樹脂積層発泡シート及びポリスチレン系樹脂発泡シート、並びにそれらの容器 |
JP4545860B2 (ja) * | 1999-12-01 | 2010-09-15 | 株式会社ジェイエスピー | 多層発泡シート及び容器 |
AU774881B2 (en) * | 2000-02-04 | 2004-07-08 | Dow Chemical Company, The | A process for producing thermoformable foam sheet using a physical blowing agent |
JP5148263B2 (ja) * | 2007-12-26 | 2013-02-20 | 株式会社イノアックコーポレーション | 発泡ゴム積層体の製造方法 |
JP4966881B2 (ja) * | 2008-01-30 | 2012-07-04 | 積水化成品工業株式会社 | ポリスチレン系樹脂積層発泡シート及びその製造方法 |
KR102353732B1 (ko) * | 2015-02-16 | 2022-01-21 | 삼성디스플레이 주식회사 | 보호 필름 및 이의 제조 방법 |
-
1996
- 1996-03-26 JP JP07042196A patent/JP3530673B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09254225A (ja) | 1997-09-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
AP569A (en) | Polystyrene foam sheet and process of making same. | |
JP2638532B2 (ja) | ポリプロピレンフォームシートの硬質又は半硬質物品を成形する方法および多層フォームシート | |
EP0626255B1 (en) | Separable foamed thermoplastic resin laminate sheet, process for producing the same, and formings produced therefrom | |
KR101161599B1 (ko) | 폴리올레핀 발포층을 갖는 복합 시트의 제조 방법 | |
US6455148B1 (en) | Composite panel with a foamed plastic core | |
JP3486744B2 (ja) | 熱成形用発泡スチレン系樹脂積層シートとその製造方法及び成形品 | |
JPH0557779A (ja) | 同時押出し発泡複合体 | |
JPH0523589B2 (ja) | ||
JPS63288731A (ja) | ポリプロピレン樹脂系発泡体シ−トの製造方法 | |
JP4966881B2 (ja) | ポリスチレン系樹脂積層発泡シート及びその製造方法 | |
JPH09141773A (ja) | ポリスチレン系樹脂積層発泡シート及び成形品、並びに積層発泡シートの製造方法 | |
US6589646B1 (en) | Composite layered sheet of film for refrigerators | |
JP3530673B2 (ja) | ポリスチレン系樹脂発泡積層シートとその製造方法及びその成形品 | |
JP5427708B2 (ja) | 耐熱ポリスチレン系樹脂発泡積層シートを用いた食品用容器 | |
JP4540101B2 (ja) | 帯電防止性ポリプロピレン系樹脂積層発泡シート | |
JP3390304B2 (ja) | ポリスチレン系樹脂積層発泡シート、その成形品及びそれらの製造方法 | |
JP3672768B2 (ja) | ポリスチレン系樹脂発泡積層シートの製造方法 | |
JPH11129369A (ja) | 合成樹脂発泡シートおよびその製造方法 | |
JP2000062104A (ja) | ポリスチレン系樹脂発泡積層シ―ト及びその成形品 | |
JPH0694192B2 (ja) | ポリスチレン系樹脂積層シート及びその製造法 | |
JPH08119318A (ja) | ポリスチレン系樹脂発泡積層シート及びその成形品 | |
JP3432117B2 (ja) | ポリスチレン系樹脂積層発泡シート、成形品及び製造方法 | |
JP2001277442A (ja) | 耐熱ポリスチレン系樹脂発泡積層シートとそれを用いた成形品 | |
JP3448757B2 (ja) | 積層ポリスチレン系樹脂発泡容器 | |
US20040126560A1 (en) | Laminated polyethylene foam product |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040224 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20040301 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090305 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090305 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100305 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110305 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110305 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120305 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130305 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140305 Year of fee payment: 10 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |