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JP3524359B2 - 咀嚼・嚥下困難者用の摂食補助用糊料 - Google Patents

咀嚼・嚥下困難者用の摂食補助用糊料

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JP3524359B2
JP3524359B2 JP35984997A JP35984997A JP3524359B2 JP 3524359 B2 JP3524359 B2 JP 3524359B2 JP 35984997 A JP35984997 A JP 35984997A JP 35984997 A JP35984997 A JP 35984997A JP 3524359 B2 JP3524359 B2 JP 3524359B2
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Japan
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paste
food
swallowing
chewing
gum
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博紀 宮下
正明 小島
祐二 埋橋
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INA Food Industry Co Ltd
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INA Food Industry Co Ltd
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Publication date
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  • Jellies, Jams, And Syrups (AREA)
  • Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、摂食障害により
咀嚼・嚥下困難となった患者や高齢者の誤嚥防止のため
に食物に凝固或いは増粘用として添加される糊料に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ヒトの生命維持及び活動に必要な栄養補
給のために「食物を食べる」という行為は、エネルギー
補給という意味だけでなく、味覚、嗅覚、視覚、触覚
(食感)等がもたらす食欲という大脳活動が介在した、
人間にとって最も重要な行為である。この「食物を食べ
る」という人間にとって重要な行為の障害(摂食障害)
が、高齢化社会の進展と共に近年増加している。例え
ば、脳血管障害(脳卒中)、進行性ジストロフィ症、筋
萎縮性側策硬化症、知覚障害、高齢者の歯牙の欠損や筋
緊張の減弱、炎症による腫脹、腫瘍、気管切開等による
摂食障害である。ヒトの摂食・嚥下を司る器官は、呼吸
器官や構音器官の一部でもある。このため摂食障害は、
本来の栄養障害と共に、誤嚥による肺炎や窒息等を起こ
し、生命の危機にかかわることがあるため、非常に重要
な問題となっている。
【0003】この様な事情から、近年、咀嚼・嚥下困難
となった患者・高齢者に対する介護用・嚥下訓練用の食
品への関心が高まっている。咀嚼・嚥下困難となった患
者・高齢者は、唇、舌、口蓋、咽頭等の運動障害により
食塊の形成が悪くなり、口腔から咽頭、食道への送り込
みが悪くなり、更に嚥下反射の低下や遅れを伴う。従っ
て、咀嚼・嚥下困難者用の食品に要求される重要な要素
として、弾性が強くないこと、液体と固体が分離してし
まうことなく性状が均一であること、バラバラにならず
凝集性がよいこと、粘膜への付着が少なく滑りがよいこ
と、等が挙げられる。
【0004】最近、咀嚼・嚥下困難となった患者・高齢
者の食品を、上記の要求を満たすように増粘させたり凝
固させたりする技術が開発されている。例えば、コーン
や馬鈴薯等の澱粉を食品に加えて加熱し増粘させる方法
や、ゼラチンや寒天等の凝固剤を加熱溶解して食品に加
えて冷却凝固させる方法等である。更に別の方法とし
て、より簡便な増粘補助剤を用いて、澱粉をアルファ化
して水溶性に変える方法や、豆科の植物の種子で水溶性
のあるグアーガムを食品に加えて増粘させる方法等が考
えられている。
【0005】高齢化社会を迎えて、咀嚼・嚥下困難者が
急増する一方で、医療費を抑えるために咀嚼・嚥下困難
な患者の介護・治療・訓練に対する人的・物的なケアは
行き届かなくなりつつある。このために、より簡便に咀
嚼・嚥下困難者に対する介護用或いは摂食訓練用として
供される食物が求められている。しかし、そのような食
物も完成された商品として提供されると、メニューに幅
を持たせることが難しく、また商品の経時的安定性(品
質や微生物増殖からの安定性等)を考慮すると味を犠牲
にすることになる。更に包装材を含めると、食品のコス
トも高くなる。これらの事情を考慮すると、従来よりあ
る液性の強い食品を食べる時に二次的に増粘させたり、
凝固させたりすることが有効である。
【0006】この場合、液性の強い食品を二次的に増粘
或いは凝固させる糊料として要求される条件は、次のと
おりである。 食物に適切な増粘や凝固を発現させること、更に咀嚼
・嚥下困難者の障害の度合いに応じて増粘や凝固の調整
がきくこと。 ミキサーにかけて弾性を崩し、液性を強くしたものを
増粘や凝固により食感を変える場合に、食感に糊状感を
出さず、食物の味を変えず、味覚や嗅覚で楽しめるよう
な糊料であること。 食物の凝集性が高くなり、付着性が少なく滑りがよく
なるように改善されること。 簡便に使用できて、増粘や凝固の発現が速やかである
こと。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の方法では、この
様な条件を十分に満たすものはない。例えば、ゼラチン
や寒天等の凝固剤を加熱溶解して食物に添加し、冷却凝
固させる方法では、の調整が十分ではなく、特にゼラ
チンは経時的に凝固力が強くなるという変化を示す欠点
がある。またゼラチンは、いわゆるゼラチン臭を持つた
め、の条件に合わない。加熱や冷却等が必要であるた
め、の簡便性にも欠ける。
【0008】コーンや馬鈴薯等の澱粉を加えて加熱し増
粘させる方法は、加熱が必要であるための簡便性に欠
け、また目的とする増粘性を与えるためには使用濃度が
高くなり、食感に糊状感が出て味を包み込んでしまい、
の条件も満たさない。更に、糊状感が強く付着性があ
るため、の条件に合致しない。経時的には澱粉の老化
があるため、の条件も十分ではない。澱粉をアルファ
化して水溶性に変えたものや、豆科の植物種子で水溶性
のあるグアーガムを添加して増粘させる方法は、やはり
味を包み込んでしまい、の条件を満たさず、糊感が強
く付着性があるため、の条件にも合わない。またこの
方法は、最終食品に加えて増粘させる場合に増粘の発現
が遅く、摂食時には粘性が変化しているという欠点、更
にアルファ化澱粉は作り置きにより老化して粘性が落ち
るという欠点がある。
【0009】この発明は、咀嚼・嚥下困難者の食物に誤
嚥防止のために添加する糊料であって、簡便に増粘や凝
固を発現させ、増粘や凝固の調整も容易であり、糊状感
や味の変化をもたらすこともなく、付着性の少ない食物
を供することを可能とした糊料を提供することを目的と
している。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は、誤嚥防止の
ため咀嚼・嚥下困難者の食物に添加される糊料であっ
て、ジェランガム、カラギナン、ファーセレラン、キサ
ンタンガム、コンニャクマンナン、ローカストビーンガ
ム、タラガム、サイリュームシードガム、アルギン酸ナ
トリウム、ペクチン、メチルセルロース、カルボキシル
メチルセルロース、タマリンドガム及びアゾトバクター
ビネランジガムのなかから選ばれた少なくとも一種を含
有することを特徴とする。この発明はまた、誤嚥防止の
ため咀嚼・嚥下困難者の食物に添加される糊料であっ
て、カチオン含量が6.0重量%以下に抑えられたジェ
ランガムを主原料とすることを特徴とする。ここで用い
るジェランガムは、好ましくは、ネイティブ型であるこ
とを特徴とする。この発明は更に、誤嚥防止のため咀嚼
・嚥下困難者の食物に添加される糊料であって、その主
体がナトリウム・イオタ型、ナトリウム・カッパ型、ナ
トリウムラムダ型のいずれか又はこれらの混在であるカ
ラギナンを主原料とすることを特徴とする。この発明は
更に、誤嚥防止のため咀嚼・嚥下困難者の食物に添加さ
れる糊料であって、粉末状態で加熱処理することにより
水溶液の曳糸性を低下させると共に、濃度1%の水溶液
で温度25℃において1200cps以上の粘度を持つ
ように改質してなるキサンタンガムを主原料とすること
を特徴とする。この発明は更に、誤嚥防止のため咀嚼・
嚥下困難者の食物に添加される糊料であって、ジェラン
ガム、カラギナン、キサンタンガム及びアルギン酸ナト
リウム、ペクチン、メチルセルロース、カルボキシルメ
チルセルロース、アゾトバクタービネランジガム、コン
ニャクマンナン、タラガム、タマリンドガム、ファーセ
レラン、ローカストビーンガム及びサイリュームシード
ガムのなかから選ばれた少なくとも一種を含有し、食物
に添加して10分以内に溶解して所望の凝固又は増粘が
発現するように調製されていることを特徴とする。この
発明において好ましくは、糊料が顆粒化されているもの
とする。この発明によると、咀嚼・嚥下困難な患者・高
齢者の食事を、誤嚥防止のために二次的に増粘或いは凝
固させるための糊料として、先に挙げた条件〜を十
分に満たすことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】摂食障害により咀嚼・嚥下困難と
なった患者・高齢者に対する介護用・嚥下訓練用の食物
を増粘又は凝固させるための好ましい第1の糊料は、Ps
eodomonas elodeaを用いて産生されるジェランガムであ
る。ジェランガムは、水溶性多糖類で、熱水に溶解して
ランダムコイル状となり、冷却してダブルヘリックス構
造をとりゲル化する。従って、寒天等と同様に、加熱が
従来知られた溶解の条件であり、冷水時において水和し
難い基剤であった。なおこの明細書において、「水和」
とは、吸水しての膨潤や溶解して増粘・ゲル化する性質
を言う。しかし本発明者等の検討によれば、ジェランガ
ム中に存在するナトリウム、カリウム、カルシウム、マ
グネシウム等のカチオン合計含量をコントロールするこ
とにより、冷水において短時間に吸水し水和することが
明らかになった。また、ジェランガムの含量により、増
粘から凝固へと食物の物性を変えることもできる。更
に、ジェランガムのカチオンとの反応性を利用して、水
和されたジェランガムにナトリウムやカリウム、カルシ
ウム、マグネシウムを加えて更にゲル化させることがで
きる。
【0012】ジェランガム中のナトリウム、カリウム、
カルシウム、マグネシウム等のカチオンの合計濃度は好
ましくは、6.0重量%以下、より好ましくは3.0重
量%以下、更にカチオンのうち二価イオンの合計濃度は
0.5重量%以下に抑えることが、水和にとって有効で
ある。特に、ジェランガムのなかでも、ネイティブ型の
ジェランガムが冷水への水和性にとって好ましい。図1
は、ネイティブ型ジェランガム(0.5重量%)の冷水
での水和時間と得られる粘度の関係をカチオン濃度をパ
ラメータとして示している。この様なジェランガムを添
加した咀嚼・嚥下困難者の介護用或いは嚥下訓練用の食
品は、従来の糊料を用いた場合のような糊状感が出ず、
味の変化もなく、本来の食品の味覚を楽しむことができ
る。また、図1から明らかなように、冷水での水和が容
易になり、水和時間も従来のものに比べて短く、簡便な
使用が可能である。
【0013】摂食障害により咀嚼・嚥下困難となった患
者・高齢者に対する介護用・嚥下訓練用の食物を増粘又
は凝固させるための好ましい第2の糊料は、紅藻類より
抽出されるカラギナンである。またカラギナンに類似の
ファーセレランも有効である。カラギナンは水溶性多糖
類で、カッパタイプやイオタタイプは熱水に溶解してラ
ンダムコイル状となり、冷却してダブルヘリックス構造
をとりゲル化する。従ってゲルを形成するためには、寒
天と同様に加熱を行うことが従来知られた溶解の条件で
あった。しかし本発明者等の検討によると、カラギナン
中のカリウム、カルシウム及びマグネシウムイオンの合
計量を5.0重量%以下にコントロールすることによ
り、冷水への水和性がよくなることが明らかになった。
そのためにはナトリウム型のカラギナンとして製造する
ことが好ましい。より好ましくは、イオン交換樹脂によ
りイオン交換して、カラギナン中のカリウム、カルシウ
ム及びマグネシウムイオンを減少させた少なくしたもの
がよい。この様にカラギナンの主要部を、ナトリウム・
カッパ型、ナトリウム・イオタ型、ナトリウム・ラムダ
型のいずれか或いはこれらの混在とすることにより、冷
水において短時間に水和することが見出された。
【0014】特に、カッパ型やイオタ型のカラギナン
は、もともと凝固力を有する。従って、ナトリウム型の
カラギナンとしてこれを冷水に溶解した後、さらにカチ
オンやミルク蛋白を加えることにより、任意の凝固度合
いを得ることができる。図2は、ラムダ型カラギナン
(2.0重量%)の冷水での水和時間と得られる粘度の
関係をカチオン濃度をパラメータとして示している。ま
た、カラギナンを、これと反応性のあるローカストビー
ンガムやコンニャクマンナン、タラガム等と併用するこ
とにより、凝固力が増し、更に好ましいゲル状を得るこ
とができる。更にこれらを原料段階で適宜組み合わせて
混合して同時抽出し、脱水乾燥させることにより、使用
が簡便で水和性がよく凝固力の高い糊料が得られる。こ
の様なカラギナンを添加した咀嚼・嚥下困難者の介護用
或いは嚥下訓練用の食品は、従来の糊料を用いた場合の
ような糊状感が出ず、味の変化もなく、本来の食品の味
覚を楽しむことができる。また、図2から明らかなよう
に、冷水での水和が容易になり、水和時間も従来のもの
に比べて短く、簡便な使用が可能である。
【0015】摂食障害により咀嚼・嚥下困難となった患
者・高齢者に対する介護用・嚥下訓練用の食物を増粘又
は凝固させるための好ましい第3の糊料は、Xanthomona
s campestrisより産生されるキサンタンガムである。キ
サンタンガムは水溶性多糖類で、冷水に溶解してシュー
ドプラスチック性の粘性を示す。従来のキサンタンガム
でも有効であるが、本発明者等の検討結果によれば、特
に、粉末状態で加熱処理することにより水溶液の曳糸性
を低下させると共に、濃度1%の水溶液で温度25℃に
おいて1200cps以上の粘度を持つように改質して
なるキサンタンガムを主原料とすることが好ましい。こ
の様な改質キサンタンガムについては、本出願人が先に
特願平8−193055号において提案している。
【0016】更にこの様なキサンタンガムと、ローカス
トビーンガム、コンニャクマンナン、タラガム等を併用
することにより、凝固させることができ、凝固の度合い
を任意に調整することもできる。更にこれらを原料段階
で適宜組み合わせて混合して同時抽出し、脱水乾燥させ
ることにより、使用が簡便で水和性がよく凝固力の高い
糊料が得られる。図3は、上述した改質キサンタンガム
(0.5重量%)及び改質キサンタンガムとタラガム
(合計0.5重量%)の冷水での水和時間と得られる粘
度を示している。図には、比較例としてグアーガム
(0.7重量%)およびアルファ化デンプン(6重量
%)の場合を併せて示している。この様なキサンタンガ
ムを添加した咀嚼・嚥下困難者の介護用或いは嚥下訓練
用の食品は、従来の糊料を用いた場合のような糊状感が
出ず、味の変化もなく、本来の食品の味覚を楽しむこと
ができる。また、図3から明らかなように、冷水での水
和時間がグアーガムやアルファ化デンプンに比べて短
く、簡便な使用が可能である。
【0017】摂食障害により咀嚼・嚥下困難となった患
者・高齢者に対する介護用・嚥下訓練用の食物を増粘又
は凝固させるための好ましい第4の糊料は、コンニャク
芋から作られるコンニャクマンナンである。コンニャク
マンナンは、吸水力が強く膨潤性のよい基材であり、吸
水して低濃度で増粘剤として働き、濃度を上げることに
よりゲル様になる。この発明の目的により適合させるた
めには、コンニャクマンナンを更に抽出精製したり、ア
ルコール洗浄を行ったり、また粒度を微細にして吸水膨
潤性を高めることも有効である。更にこの様なコンニャ
クマンナンと、カラギナンやキサンタンガムを併用する
ことにより、凝固力が増し、より好ましいゲル状を得る
ことができる。この様なコンニャクマンナンを添加した
咀嚼・嚥下困難者の介護用或いは嚥下訓練用の食品は、
従来の糊料を用いた場合のような糊状感が出ず、味の変
化もなく、本来の食品の味覚を楽しむことができる。ま
た、冷水での水和が容易になり、水和時間も従来のもの
に比べて短く、簡便な使用が可能である。
【0018】摂食障害により咀嚼・嚥下困難となった患
者・高齢者に対する介護用・嚥下訓練用の食物を増粘或
いは凝固させるための好ましい第5の糊料は、果実や野
菜に含まれるペクチンである。ペクチンは、部分的にメ
チルエステル化されたポリガラクチュロン酸を主成分と
する水溶性多糖類で、冷水に溶解して粘性を発現する。
また、エステル化度の低いロウメトキシルペクチンは、
カルシウムイオンと反応してゲルを作る性質がある。そ
して、ペクチンを用いることにより、従来の糊料を用い
た場合のような糊状感が出ず、本来の食品の味覚を楽し
むことができる。特に、カルシウム反応性の高いロウメ
トキシルペクチン(例えば、市販のハーキュリーズ社製
スレンデツド)は、ハイメトキシルペクチンに比べて溶
解性に劣り、冷水において溶解というよりも膨潤水和し
介護用・嚥下訓練用の食物を増粘又は凝固させるための
好ましい状態になる。また水和されたペクチンにカルシ
ウムイオン等のカチオンを加えることによりゲル化させ
ることもできる。この様にペクチンは、冷水で水和し、
水和時間も従来のものに比べて短く、簡単な使用が可能
である。
【0019】以上に挙げた糊料は、好ましくは顆粒状と
して、例えば小袋に入れて、患者・高齢者の介護用・嚥
下訓練用の液状食物に添付する形で供される。以上に挙
げた糊料の他、ローカストビーンガム、タラガム、サイ
リュウムシードガム、アルギン酸ナトリウム、メチルセ
ルロース、カルボキシルメチルセルロース、タマリンド
ガム等も同様に、摂食障害により咀嚼・嚥下困難になっ
て患者・高齢者に対する介護用・嚥下訓練用の食品に添
加する糊料として有効である。
【0020】
【発明の効果】以上述べたようにこの発明によれば、咀
嚼・嚥下困難者の食物に誤嚥防止のために添加する糊料
であって、簡便に増粘や凝固を発現させ、増粘や凝固の
調整も容易であり、糊状感や味の変化をもたらすことも
なく、付着性の少ない食物を供することを可能とした糊
料を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ネイティブ型ジェランガムの水和時間と得ら
れる粘度の関係をカチオン濃度をバラメータとして示す
図である。
【図2】 ラムダ型カラギナンの水和時間と得られる粘
度の関係をカチオン濃度をパラメータとして示す図であ
る。
【図3】 キサンタンガムの水和時間と得られる粘度の
関係をグアーガム及びアルファ化デンプンの場合と比較
して示す図である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−274915(JP,A) 特開 平9−25301(JP,A) 特開 平4−16153(JP,A) 特開 平1−247049(JP,A) 特開 平1−273550(JP,A) 特開 平8−242785(JP,A) 国際公開93/004670(WO,A1) 静岡県静岡工業技術センター研究報 告,1997年 9月,第42号,第31〜38頁 応用糖質科学,1996年,第43巻、第3 号,第393〜402頁 食品工業,1988年 3月30日,第31 巻、第6号,第20〜31頁 臨床栄養,1996年11月,Vol.89、 No.6,第698頁 SAN−EI NEWS,1986年,N O.125,第8〜9頁 Food Hydrocolloid s,1996年,Vol.10、no.2,第 133〜136頁 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/05 C08B 37/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】誤嚥防止のため咀嚼・嚥下困難者の食物に
    添加される糊料であって、カチオン含量が6.0重量%
    以下に抑えられたジェランガムを主原料とし、冷水に水
    和させて用いることを特徴とする糊料。
  2. 【請求項2】ジェランガムがネイティブ型であることを
    特徴とする請求項1記載の糊料。
  3. 【請求項3】誤嚥防止のため咀嚼・嚥下困難者の食物に
    添加される糊料であって、その主体がナトリウム・イオ
    タ型、ナトリウム・カッパ型、ナトリウムラムダ型のい
    ずれか又はこれらの混在であるカラギナンを主原料とす
    ることを特徴とする糊料であって、該カラギナン中のカ
    リウム、カルシウム及びマグネシウムイオンの合計が
    5.0重量%以下にコントロールされており、冷水に水
    和させて用いることを特徴とする糊料。
  4. 【請求項4】誤嚥防止のため咀嚼・嚥下困難者の食物に
    添加される糊料であって、粉末状態で加熱処理すること
    により水溶液の曳糸性を低下させると共に、濃度1%の
    水溶液で温度25℃において1200cps以上の粘度
    を持つように改質してなるキサンタンガムを主原料と
    し、冷水に水和させて用いることを特徴とする糊料。
  5. 【請求項5】 ローカストビーンガム、コンニャクマン
    ナン及びタラガムの中から選ばれた少なくとも一種をさ
    らに含むことを特徴とする請求項3又は4記載の糊料。
  6. 【請求項6】誤嚥防止のため咀嚼・嚥下困難者の食物に
    添加される糊料であって、カラギナン及びキサンタンガ
    ムのなかから選ばれた少なくとも一種と、コンニャクマ
    ンナン、ローカストビーンガム及びタラガムのなかから
    選ばれた少なくとも一種とを組み合わせてなり、原料の
    段階で混合して同時抽出した後脱水乾燥されており、冷
    水に水和させて用いることを特徴とする糊料。
  7. 【請求項7】顆粒化されていることを特徴とする請求項
    1〜6のいずれかに記載の糊料。
  8. 【請求項8】食物に添加して10分以内に溶解して所望
    の凝固又は増粘が発現するように調製されていることを
    特徴とする請求項1乃至7いずれか記載の糊料。
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