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JP3517266B2 - グリース封入転がり軸受 - Google Patents

グリース封入転がり軸受

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JP3517266B2
JP3517266B2 JP02812194A JP2812194A JP3517266B2 JP 3517266 B2 JP3517266 B2 JP 3517266B2 JP 02812194 A JP02812194 A JP 02812194A JP 2812194 A JP2812194 A JP 2812194A JP 3517266 B2 JP3517266 B2 JP 3517266B2
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JP
Japan
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rolling
grease
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cage
filled
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JP02812194A
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義夫 加藤
基晴 仁木
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NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、軸受内に封入したグ
リースにより転動体を潤滑するグリース封入転がり軸受
に関し、特に、軸受の特殊な使用条件に起因する転走面
の特異性のある剥離現象を防止した構造に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年の自動車の小型・軽量化に伴い、そ
の電装部品や補機類には、小型・軽量化と共に高性能・
高出力化が求められているが、この要求に応えるため、
最近の補機類などは、小型化による出力低下分をその高
速化によって補っている。
【0003】このため、図3に示すような自動車エンジ
ンの駆動系において、例えば、パワーステアリング用の
ギヤポンプ21を駆動するベルト22のアイドラプーリ
23には、エンジンの作動中、高速回転と共に高荷重が
加わり、そのアイドラプーリ23を支持する軸受には、
高速回転と高温、高振動、高荷重が同時に作用するよう
になっている。
【0004】従来、上記のアイドラプーリのごとき補機
類の軸受には、内外の軌道輪の間に保持器で保持した転
動体を組込み、その転動体を軸受内に封入したグリース
で潤滑するグリース封入転がり軸受が多く使用されてい
るが、最近、この種の転がり軸受において、使用条件の
高速回転・高荷重化に伴なって、軌道輪の転走面に特異
性のある剥離が生じ、軸受が早期に寿命に至る事例が報
告されている。この剥離現象は、金属疲労による通常の
最大剪断応力位置に発生する剥離とは異なり、転走面よ
り一定の深さ位置からその深さ方向に亀裂が進行する点
で特徴がある。
【0005】このような剥離現象に対処するため、本出
願人は、特願平2−190615号公報において、上記
特異性剥離の発生原因を、鋼の内部にグリースから分解
した水素が侵入して起こる水素脆化にあると推定し、図
4に示すように、内外の軌道輪31、32の転走面3
3、34の表面を、酸化皮膜35で被覆して不活性処理
した転がり軸受を提案している。
【0006】このように、転走面33、34を化学的に
安定した酸化皮膜35で覆うことにより、グリースの化
学分解による水素の発生と、鋼内への侵入を防止でき、
特異性剥離の発生を防止できる作用がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記提案の
軸受において、転走面33、34を覆う酸化皮膜35
は、確かに特異性剥離の発生を防止する上で効果がある
が、その皮膜35の厚みが大きくなればなる程転走面3
3、34の表面粗さが悪化し、高速回転時において早期
に焼付き等を発生させる原因になる。
【0008】このため、酸化皮膜35の厚みは、水素の
発生や侵入を防止できると共に、転走面の表面粗さを悪
化させない範囲で設定する必要があるが、このような厚
みの設定範囲は極めて小さく、設定作業が難しい問題が
ある。すなわち、上記の適正な範囲内に皮膜の厚みをコ
ントロールするためには、皮膜の形成処理時間を厳密に
制御する必要があり、このため、軸受の生産工程が著し
く煩雑なものになり、コストアップが余儀なくされる不
具合がある。
【0009】この発明は、上述した課題を解決するため
になされたもので、高速回転・高荷重下での使用におい
て、転走面に形成する皮膜の厚みを厳密に調整すること
なく特異性剥離の発生を防止でき、安定した耐久寿命を
実現できるグリース封入転がり軸受を提供することを目
的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明は、内外の軌道輪の転走面間に組込んだ転
動体を、環状の鋼板製保持器のプレス打抜き加工により
形成されたポケットに収納して案内し、両軌道輪の間に
グリースを封入したグリース封入転がり軸受において、
保持器のポケット案内面に、水素の浸透を防止し自己潤
滑性をもつ軟質の金属を付加したのである。
【0011】また、この発明の転がり軸受は、両軌道輪
の転走面と保持器のポケット案内面に軟質の金属皮膜を
有し、転走面の金属皮膜が、保持器のポケット案内面に
付加した金属が転移したものとしたのである。
【0012】なお、上記保持器のポケット案内面に付加
する金属は、銅系金属のメッキ層とすることができる。
【0013】
【作用】上記の構成でなる軸受においては、転動体が回
転すると、保持器のポケット表面に付加された軟質の金
属が、その転動体を介し転走面の表面に転移して金属皮
膜を形成し、この金属皮膜が水素の鋼内への侵入を防止
する。
【0014】この構造では、軸受の組立時に転走面に皮
膜を設けず、軸受の回転により保持器から転移させるた
め、転走面に対して皮膜の形成処理や皮膜の厚みを厳密
に設定する必要がない。また、転走面の表面粗さによる
早期の焼付きは、軸受の回転開始初期に集中して起こる
ため、この回転開始初期に転走面に対する皮膜の影響を
小さくすることにより、焼付きの発生を有効に防止する
ことができる。
【0015】
【実施例】以下、添付の図1及び図2に基づいて、この
発明の実施例を説明する。図1に示す軸受は、図3に示
した自動車駆動系のアイドラプーリ23の支持に用いら
れる玉軸受1を示しており、図1の状態は、玉軸受1の
組立て状態(運転前の状態)を示している。
【0016】この玉軸受1は、内輪2と、外輪3と、そ
の内外輪2、3の間に介在する複数の鋼球4、及びその
各鋼球4を回転自在に保持する保持器5とから構成さ
れ、その内輪2と外輪3の対向する面に、鋼球4が転動
する転走面6、7が形成されている。
【0017】また、内輪2と外輪3の各対向面の両側部
には、一対の密封用シール8、8が取付けられ、そのシ
ール8、8の内側に、鋼球4と転走面6、7を潤滑する
グリース9が封入されている。
【0018】保持器5は、鋼板製の環状体とされ、その
周面に、プレスの打抜き加工により鋼球4を収納する複
数のポケット10を形成している。このポケット10の
内側には、円弧状の案内面11が形成され、その案内面
11が鋼球4の表面と接触して鋼球4の動きを案内す
る。
【0019】また、上記保持器5の表面には、軸受への
組立て前に予め銅メッキが施されており、その表面全体
に、20〜30μmの厚みの軟質な銅薄膜12が形成さ
れた状態になっている。
【0020】上記のように組立てた玉軸受1において
は、軸受の運転が開始され、鋼球4が回転すると、ポケ
ット10の案内面11に形成された銅薄膜12の一部が
鋼球4により削り取られ、その鋼球4を介して、内輪2
の転走面6或いは外輪3の転走面7に転移する。そし
て、この転移した銅が、図2に示すように転走面6、7
の表面に軟質の銅薄膜12’を形成する。
【0021】この転走面に転移した銅薄膜12’は、水
素分子の浸透を許さないため、グリース9から化学分解
した水素が内外輪2、3の鋼中に侵入することを阻止
し、特異性剥離の発生を防止する。
【0022】また、銅薄膜12’は、それ自体が優れた
自己潤滑作用を有するため、転走面6、7と鋼球4間の
摩擦抵抗を減少させ、運転開始初期に発生しやすい焼付
き現象を防止する効果がある。
【0023】このような銅薄膜12、12’は、鋼に比
べて数段軟質であるため、転移速度が速く、鋼球4の回
転によって極めて短時間で転走面6、7に転移され、か
つ、滑らかな薄膜を形成する。この種の特性を有する金
属薄膜としては、銅やその合金の他に、鉛、銀、金、
錫、或いはその合金等が挙げられる。
【0024】なお、上記の実施例では、保持器5の表面
全体に銅薄膜12を設けたが、少なくとも鋼球4と接触
するポケット10の案内面11だけに設けるようにして
も、上記と同様の鋼球による転移作用を得ることができ
る。
【0025】また、保持器5の型式は、上述した鋼板製
のものに限らず、もみ抜き加工によってポケットを形成
した削り出しの保持器としてもよい。この場合は、溶射
等の手段を用いてポケットの表面に銅の薄膜を形成する
ことができる。
【0026】
【効果】この発明は以上のような構成にしたので、グリ
ース封入転がり軸受として次のような格別な効果を有す
る。
【0027】(1)高速で回転する転動体の動きによ
り、転走面の表面が局部的に高温・高圧状態になる特殊
条件の場合、転走面に転移した金属皮膜が被覆作用を
し、グリースから発生した水素が軸受転走面から鋼内に
侵入するのを阻止するため、特異性剥離の発生を防止す
ることができる。
【0028】(2)軸受回転初期に保持器から剥がれた
軟質金属が鋼球を介して瞬時に転走面に転移し、滑らか
に薄膜を形成するので、軸受の初期の焼付きを防止する
ことができる。
【0029】(3)簡単な構成で軸受の特殊条件におけ
る特異性の剥離を効果的に防止することができるので、
大幅な軸受のコストアップはなく、又生産工程に与える
効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の玉軸受の組立て状態を示す部分断面図
【図2】同上の玉軸受の運転開始後の状態を示す部分断
面図
【図3】同上の玉軸受が使用される自動車補機の駆動系
を示す説明図
【図4】従来例を示す部分断面図
【符号の説明】
1 玉軸受 2 内輪 3 外輪 4 鋼球 5 保持器 6、7 転走面 8 シール 9 グリース 10 ポケット 11 案内面 12、12’ 銅薄膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−190615(JP,A) 特開 昭63−43024(JP,A) 特開 平4−282023(JP,A) 特開 平3−210394(JP,A) 特開 平4−160225(JP,A) 特開 平5−196047(JP,A) 特開 平7−91450(JP,A) 実開 昭63−78723(JP,U) 実開 昭56−62661(JP,U) 特公 昭37−4054(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16C 19/00 - 19/56 F16C 33/00 - 33/66

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内外の軌道輪の転送面間に組込んだ転動
    体を、環状の鋼板製保持器のプレス打抜き加工により形
    成されたポケットに収納して案内し、上記両軌道輪の間
    にグリースを封入したグリース封入転がり軸受におい
    て、上記保持器のポケット案内面に、水素の浸透を防止
    し自己潤滑性をもつ軟質の金属を付加したことを特徴と
    するグリース封入転がり軸受。
  2. 【請求項2】 上記両軌道輪の転走面と保持器のポケッ
    ト案内面に、軟質の金属皮膜を有し、転走面の金属皮膜
    が、保持器のポケット案内面に付加した金属が転移した
    ものであることを特徴とする請求項1に記載のグリース
    封入転がり軸受。
  3. 【請求項3】 上記保持器のポケット案内面に付加され
    た金属が、銅系金属のメッキ層であることを特徴とする
    請求項1又は2に記載のグリース封入転がり軸受。
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