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JP3512004B2 - 力学量検出装置 - Google Patents

力学量検出装置

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Publication number
JP3512004B2
JP3512004B2 JP2000387396A JP2000387396A JP3512004B2 JP 3512004 B2 JP3512004 B2 JP 3512004B2 JP 2000387396 A JP2000387396 A JP 2000387396A JP 2000387396 A JP2000387396 A JP 2000387396A JP 3512004 B2 JP3512004 B2 JP 3512004B2
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JP
Japan
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substrate
axis direction
vibration
vibrator
electrode
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JP2000387396A
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雅人 橋本
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体などで構成
され、基板上に浮かせて設けた振動子の変位により、角
速度などの力学量を検出するための力学量検出装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の装置は、例えば特許第30
77077号に示されているように、基板上に梁などを介し
て変位可能に支持された一つ若しくは複数の振動子を設
け、同振動子を第1方向に振動させておき、角速度に応
じたコリオリ力による前記第1方向と直角な第2方向へ
の振動子の振動を検出することにより、前記角速度を検
出するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の装
置では、振動子を第1方向に大きな振幅で安定して振動
させる工夫が十分になされていなかったり、振動子の各
種共振モードに対する十分な配慮がなされていなかった
り、振動子の第1方向への振動に伴う電圧発生に対する
十分な配慮がなされていなかったり、製造上の細部のば
らつきに対する十分な配慮がなされていなかったり、不
要な加速度による慣性の入力に対する十分な配慮がなさ
れていない。したがって、高精度で角速度を検出できな
かったり、不要な加速度の影響を受けて角速度の検出精
度が悪化するという問題がある。
【0004】
【発明の概略】本発明は、上記問題に対処するためにな
されたもので、その目的は、不要な加速度の影響を極力
抑えるとともに、角速度などの力学量の検出精度を向上
させるようにした力学量検出装置を提供することにあ
る。
【0005】前記目的を達成するために、本発明の特徴
は、基板上にて互いに対向して配置されるとともに前記
基板に対して前記基板表面と平行な第1方向に変位可能
に支持された第1及び第2フレームと、前記基板上にて
前記第1及び第2フレームの間に配置されて前記第1及
び第2フレームに対して前記基板表面と平行かつ前記第
1方向に直角な第2方向に変位可能に支持された第1振
動子と、前記基板上にて前記第1方向における前記第1
及び第2フレームの側方位置に互いに対向して配置され
るとともに前記基板に対して前記第1方向に変位可能に
支持された第3及び第4フレームと、前記基板上にて前
記第3及び第4フレームの間に配置されて前記第3及び
第4フレームに対して前記第2方向に変位可能に支持さ
れた第2振動子と、前記第1フレームと前記第3フレー
ムとを前記第1方向に変位し易くかつ前記第2方向に変
位し難く連結する第1連結手段と、前記第2フレームと
前記第4フレームとを前記第1方向に変位し易くかつ前
記第2方向に変位し難く連結する第2連結手段とを備
え、第1乃至第4フレームを前記第1方向に振動させる
とともに、前記第1及び第2振動子の前記第2方向の振
動を検出するようにしたことにある。
【0006】この場合、例えば、前記第1連結手段を、
各一端にて前記第1及び第3フレームに接続され前記基
板から浮かせて前記第2方向に互いに平行に延設された
第1及び第3リンク梁と、前記第1及び第3リンク梁の
各他端を連結するとともに前記基板から浮かせて設けた
第1リンクとで構成し、前記第2連結手段を、各一端に
て前記第2及び第4フレームに接続され前記基板から浮
かせて前記第2方向に互いに平行に延設された第2及び
第4リンク梁と、前記第2及び第4リンク梁の各他端を
連結するとともに前記基板から浮かせて設けた第2リン
クとで構成するとよい。
【0007】また、前記力学量検出装置において、さら
に、前記基板上に設けられ前記第1乃至第4フレームを
前記第1方向に駆動するための第1乃至第4駆動電極部
と、前記基板上に設けられ前記第1及び第2振動子の前
記第2方向の振動を検出するための第1乃至第4検出電
極部とを設けるとよい。
【0008】これらの構成においては、第1及び第2連
結手段(第1〜第4リンク梁、第1及び第2リンク)の
作用により、第1〜第4フレーム、第1及び第2振動子
が、基板に対して第1方向に変位し易くかつ第2方向に
変位し難く支持されることになる。したがって、第1及
び第2振動子を、比較的小さな駆動力で第1方向に大き
な振幅で安定して振動させることが可能になり、コリオ
リ力による第1及び第2振動子の第1〜第4フレームに
対する振動の振幅を大きくすることができるようにな
る。その結果、小さな角速度の検出が可能になることを
も含めて、角速度の検出精度を良好にすることができ
る。
【0009】また、本発明の特徴は、前記第1乃至第4
リンク梁を、それぞれ複数本の長尺状の梁で構成したこ
とにもある。これによれば、第1〜第4リンク梁のばね
定数を変えることなく、第1及び第2振動子の第1方向
の振動に伴う第1〜第4リンク梁一本当たりの応力を低
減することができ、第1及び第2振動子をより安定して
大振幅で振動させることができるようになる。
【0010】また、本発明の特徴は、前記した力学量検
出装置において、さらに、前記基板から浮かせて設けら
れ前記第1及び第2リンクの各一端を連結する第3連結
手段と、前記基板から浮かせて設けられ前記第1及び第
2リンクの各他端を連結する第4連結手段とを設けたこ
とにある。
【0011】これらの場合、例えば、前記第3連結手段
を、各一端にて前記第1及び第2リンクの各一端に接続
され前記基板から浮かせて前記第1方向に互いに平行に
延設された第1及び第2サブリンク梁と、前記第1及び
第2サブリンク梁の各他端を連結するとともに前記基板
から浮かせて設けた第1サブリンクとで構成し、前記第
4連結手段を、各一端にて前記第1及び第2リンクの各
他端に接続され前記基板から浮かせて前記第1方向に互
いに平行に延設された第3及び第4サブリンク梁と、前
記第3及び第4サブリンク梁の各他端を連結するととも
に前記基板から浮かせて設けた第2サブリンクとで構成
したことにある。
【0012】この構成においては、第3及び第4連結手
段(第1〜第4サブリンク梁、第1及び第2サブリン
ク)の作用により、第1及び第2リンクの第1方向の変
位が抑制されるとともに、第1及び第2リンクの第2方
向への変位が冗長される。これにより、第1及び第2振
動子は、第1及び第2リンクの第2方向の振動を伴いな
がら、第1〜第4リンク梁の作用により、より安定かつ
大振幅で振動可能となる。また、第1〜第4サブリンク
梁、第1及び第2サブリンクの作用により、第1〜第4リ
ンク梁のそれぞれに発生する軸力を低減することも可能
となり、第1及び第2振動子の第1方向への振動を安定
させることができる。さらに、第1〜第4サブリンク
梁、第1及び第2サブリンクを設けたことにより、角速
度の検出のために必要な第1及び第2振動子の振動モー
ド(共振周波数)から、ローテーションモード、パラレ
ルモードなどの前記角速度の検出のために不必要な振動
モード(共振周波数)を遠ざけることもでき、これによ
っても角速度の検出精度を向上させることになる。
【0013】また、本発明の他の構成上の特徴は、前記
本発明の構成に加えて、前記基板上に前記第1方向に非
対称配置され正負異なる電圧の付与によって前記第1及
び第2振動子を前記第1方向であって互いに反対方向に
振動させる第1及び第2駆動電極部と、前記基板上に設
けられ前記第1及び第2振動子の前記第2方向の振動を
検出するための検出用信号を前記第1及び第2振動子に
付与する第1及び第2検出電極部と、前第2連結手段
に接続されて前記第1及び第2振動子の前記第2方向の
振動を表す信号を取り出すための出力端子とを備えたこ
とにある。
【0014】この場合、例えば、前記第1及び第2駆動
電極部をそれぞれ一対の櫛歯状電極指で構成するととも
に、前記第1及び第2検出電極部をそれぞれ一対の櫛歯
状電極指で構成し、前記第1及び第2振動子の前記第2
方向の振動に伴う前記第1及び第2検出電極部の静電容
量の変化を表す信号を、前記第1及び第2振動子の前記
第2方向の振動を表す信号として前記出力端子から取り
出すようにするとよい。
【0015】また、この場合、前記第1及び第2駆動電
極部に、前記第1及び第2振動子の前記第1方向の共振
周波数にほぼ等しくかつ互いに逆相の交流成分を含む駆
動電圧信号を付与するとともに、前記第1及び第2検出
電極部に、前記第1及び第2振動子の前記第2方向の共
振周波数から離れた周波数領域の高周波信号を付与し、
前記出力端子に増幅器を接続して、前記出力端子から前
記第1及び第2振動子の前記第2方向の振動を表す信号
を取り出すようにするとよい。
【0016】これらの構成においては、駆動電極部に交
流成分を付与して第1及び第2振動子を第1方向に振動
させても、出力端子に現れる交流信号の振幅を小さく抑
えることができる。このことは、出力端子に接続される
増幅器の飽和を避けて、第1及び第2振動子の第1方向
の振動の振幅を大きくできることを意味し、角速度の検
出精度を向上させることができる。
【0017】また、本発明の他の特徴は、前記本発明の
構成に加えて、各一端にて前記第1及び第2フレームに
それぞれ接続されて前記第1方向に延設され、各他端に
て前記第1振動子にそれぞれ接続されて前記第1振動子
を前記第1及び第2フレームに対して前記基板表面と平
行かつ前記第1方向に直角な第2方向に変位可能に支持
する第1及び第2検出用梁と、前記基板上に設けられ前
記第1振動子の前記第2方向への振動を検出するための
第1検出電極部と、各一端にて前記第3及び第4フレー
ムにそれぞれ接続されて前記第1方向に延設され、各他
端にて前記第2振動子にそれぞれ接続されて前記第2振
動子を前記第3及び第4フレームに対して前記第2方向
に変位可能に支持する第3及び第4検出用梁と、前記基
板上に設けられ前記第2振動子の前記第2方向への振動
を検出するための第2検出電極部とを備え、前記第1及
び第2検出電極部を、前記基板にそれぞれ固定されると
ともに前記第1方向に延設された櫛歯状の固定電極指
と、前記第1及び第2振動子にそれぞれ接続されるとと
もに前記第1方向に延設されて前記固定電極指間に進入
させた櫛歯状の可動電極指とでそれぞれ構成し、前記第
1及び第2検出電極部の各固定電極指と各可動電極指と
の前記第2方向の各ギャップの幅と、前記第1乃至第4
検出用梁の前記第2方向の幅とを等しく設定したことに
ある。
【0018】この構成においては、第1及び第2検出電
極部の各固定電極指と各可動電極指との第2方向の各ギ
ャップの幅と、第1乃至第4検出用梁の第2方向の幅と
を等しく設定したことにより、第1及び第2検出用梁と
第3及び第4検出用梁との製造上の誤差があっても、第
2方向の加速度に対する感度が低くなる。これにより、
角速度の検出値に対する前記第2方向の加速度の影響が
小さくなり、同角速度の検出精度を向上させることがで
きる。
【0019】また、本発明の他の特徴は、前記本発明の
構成に加えて、前記第1及び第2フレームと前記第1
動子との各間の少なくとも一方の間に、前記第1振動子
の前記第1又は第2フレームに対する前記第2方向への
振動に対してダンピング機能を果たす第1ダンピング部
と、前記第3及び第4フレームと前記第2振動子との各
間の少なくとも一方の間に、前記第2振動子の前記第3
又は第4フレームに対する前記第2方向への振動に対し
てダンピング機能を果たす第2ダンピング部とを設けた
ことにある。
【0020】この場合、 前記第1ダンピング部を、前
記第1又は第2フレーム側に接続されるとともに前記第
1方向に延設された櫛歯状の第1フレーム側櫛歯部材
と、前記第1振動子側に接続されるとともに前記第1方
向に延設されて前記第1フレーム側櫛歯部材間に進入さ
せた櫛歯状の第1振動子側櫛歯部材とで構成するととも
に、前記第2ダンピング部を、前記第3又は第4フレー
ム側に接続されるとともに前記第1方向に延設された櫛
歯状の第2フレーム側櫛歯部材と、前記第2振動子側に
接続されるとともに前記第1方向に延設されて前記第2
フレーム側櫛歯部材間に進入させた櫛歯状の第2振動子
側櫛歯部材とで構成し、前記第1振動子の前記第1又は
第2フレームに対する前記第2方向への振動を減衰させ
とともに、前記第2振動子の前記第3又は第4フレー
ムに対する前記第2方向への振動を減衰させるようにす
るとよい。
【0021】これらの構成においては、第1及び第2
ンピング部により、第1及び第2振動子の第2方向の振
動が抑制され、第1及び第2振動子の第2方向の振動検
出のための共振のQ値を下げることができる。したがっ
て、第1及び第2振動子の第2方向の振動検出のための
共振周波数の近傍の周波数成分を有する同第2方向の加
速度が作用しても、同第1及び第2振動子の第2方向の
振動が抑制され、同加速度のために角速度の検出が不能
になることがなくなる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て図面を用いて説明すると、図1は、半導体で構成した
同実施形態に係る角速度検出素子の概略平面図である。
【0023】この角速度検出素子の各機能を果たす各部
の具体的構成を説明する前に、同素子の全体構成につい
て製造方法をまじえて説明しておく。まず、単結晶シリ
コン層の上面上にシリコン酸化膜(例えば、膜厚4.5
μm)を介して単結晶シリコン層(例えば、膜厚40μ
m)を設けたSOI(Silicon−On−Insulator)基板を用
意し、単結晶シリコン層にリン、ボロン等の不純物をド
ーピングして単結晶シリコン層の上表面部を低抵抗化す
なわち導電帯層とする。そして、最下層の単結晶シリコ
ン層を基板10とし、反応性エッチングなどにより中間
層であるシリコン酸化膜(絶縁層)及び最上層である導
電帯層を除去するとともに、フッ酸水溶液などを用いた
エッチングにより最上層である導電帯層を残してシリコ
ン酸化膜(絶縁層)のみを除去することにより、同基板
10上に各種機能部品を形成する。
【0024】図1において、前者の絶縁層(中間層)及
び導電帯層(最上層)の両方を除去した部分を白色のま
まで示し、後者の絶縁層(中間層)のみを除去した部分
を点模様で示す。この点模様の部分を、以下の説明で
は、基板10から浮いた部分として説明する。また、絶
縁層(中間層)及び導電帯層(最上層)の両方を基板1
0上に残した部分を網模様で示し、以下、この網模様の
部分を基板10に固着した部分として説明する。
【0025】基板10は、X軸方向に平行に延設された
2辺及びY軸方向に平行に延設された2辺を有する方形
状に形成されている。基板10上には、一対の振動子2
0−1,20−2が同基板10から浮かせてX軸方向対
称位置に配置されている。振動子20−1のY軸方向両
外側には、長尺かつ幅広のメインフレーム30−1,3
0−2が基板10から浮かせてX軸方向に延設して配置
されている。振動子20−2のY軸方向両外側にも、長
尺かつ幅広のメインフレーム30−3,30−4が基板
10から浮かせてX軸方向に延設して配置されている。
【0026】振動子20−1は、そのY軸方向両端にて
X軸方向外側にそれぞれ一体的に延設された長尺かつ幅
広のアーム部21a,21bを有している。アーム部2
1a,21bは、そのX軸方向両端にて、各一対の長尺
かつ幅狭の検出用梁31a,31bを介してメインフレ
ーム30−1,30−2のX軸方向両端にそれぞれ接続
されていて、検出用梁31a,31bは、振動子20−
1をメインフレーム30−1,30−2に対してX軸方
向に変位し難くかつY軸方向に変位し易く支持してい
る。検出用梁31a,31bは、アーム部21a,21
b及びメインフレーム30−1,30−2と一体的に基
板10から浮かせて形成され、X軸方向に延設されてい
る。
【0027】振動子20−2も前記アーム部21a,2
1bと同様なアーム部21c,21dを有し、同アーム
部21c,21dは前記検出用梁31a,31bと同様
な検出用梁31c,31dを介してメインフレーム30
−3,30−4のX軸方向両端にそれぞれ接続されてい
る。そして、これらの検出用梁31c,31dも、振動
子20−2をメインフレーム30−3,30−4に対し
てX軸方向に変位し難くかつY軸方向に変位し易く支持
している。
【0028】各メインフレーム30−1のY軸方向外側
には、長尺かつ幅広のサブフレーム32−1,32−2
が基板10から浮かせてX軸方向に延設されている。サ
ブフレーム32−1は、複数の長尺かつ幅狭の駆動用梁
33aを介してメインフレーム30−1に接続され、複
数の長尺かつ幅狭の駆動用梁34aを介して基板10に
固着された複数のアンカ35aにそれぞれ接続されてい
る。駆動用梁33a,34aは、メインフレーム30−
1及びサブフレーム32−1と一体的に基板10から浮
かせて形成されてY軸方向に延設されており、メインフ
レーム30−1を基板10に対してX軸方向に変位し易
くかつY軸方向に変位し難く支持している。
【0029】各メインフレーム30−2,30−3,3
0−4のY軸方向外側にも、前記メインフレーム30−
1の場合と同様に、サブフレーム32−2,32−3,
32−4がそれぞれ設けられている。そして、各メイン
フレーム30−2,30−3,30−4も、各複数の駆
動用梁33b〜33d、サブフレーム32−2,32−
3,32−4、各複数の駆動用梁34b〜34d及び各
複数のアンカ35b〜35dを介してそれぞれ基板10
にX軸方向に変位し易くかつY軸方向に変位し難く支持
されている。
【0030】また、メインフレーム30−1とメインフ
レーム30−3は、各複数の長尺かつ幅狭のリンク梁4
1a,41c及び長尺かつ幅広のリンク42aを介して
連結されている。リンク梁41a,41cは、メインフ
レーム30−1,30−3と一体的に基板10から浮か
せて形成され、各一端にてメインフレーム30−1,3
0−3にそれぞれ接続されるとともにY軸方向に延設さ
れて、各他端にてリンク42aにそれぞれ接続されてい
る。リンク42aも、メインフレーム30−1,30−
3と一体的に基板10から浮かせて形成され、X軸方向
に延設されている。
【0031】メインフレーム30−2とメインフレーム
30−4も、前記メインフレーム30−1,30−3の
場合と同様に、各複数の長尺かつ幅狭のリンク梁41
b,41d及び長尺かつ幅広のリンク42bを介して連
結されている。
【0032】リンク42a,42bは、各一端にて、各
複数の長尺かつ幅狭のサブリンク梁43a,43b及び
長尺かつ幅広のサブリンク44aを介して連結されてい
る。サブリンク梁43a,43bは、リンク42a,4
2bと一体的に基板10から浮かせて形成され、各一端
にてリンク42a,42bにそれぞれ接続されるととも
にX軸方向に延設されて、各他端にてサブリンク44a
にそれぞれ接続されている。サブリンク44aも、リン
ク42a,42bと一体的に基板10から浮かせて形成
され、Y軸方向に延設されている。また、これらのリン
ク42a,42bは、各他端にて、前記一端の場合と同
様な各複数の長尺かつ幅狭のサブリンク梁43c,43
d及び長尺かつ幅広のサブリンク44bを介して連結さ
れている。
【0033】また、基板10上には、メインフレーム3
0−1〜30−4を基板10に対してX軸方向に駆動す
るための駆動電極部51−1〜51−4と、前記メイン
フレーム30−1〜30−4の基板10に対するX軸方
向の振動をモニタするための駆動モニタ電極部52−1
〜52−4と、振動子20−1,20−2の基板10に
対するY軸方向の振動を検出するための検出電極部53
−1〜53−4と、振動子20−1,20−2のY軸方
向の共振周波数を調整するための調整電極部54−1〜
54−4と、振動子20−1,20−2のY軸方向の振
動を抑制するためのサーボ電極部55−1〜55−4と
が設けられている。
【0034】駆動電極部51−1,51−2は、メイン
フレーム30−1,30−2のX軸方向外側端部にて一
体的にY軸方向外側に基板10から浮かせて延設した突
出部36a,36bのX軸方向外側にそれぞれ設けられ
ている。これらの駆動電極部51−1,51−2は、X
軸方向に延設された櫛歯状の可動電極指51a1、51
a2と、X軸方向に延設された櫛歯状の固定電極指51
b1,51b2とによりそれぞれ構成されている。
【0035】各可動電極指51a1、51a2は、基板
10から浮かせて突出部36a,36bからX軸方向外
側に一体的に延設形成され、各固定電極指51b1,5
1b2間のY軸方向各中央位置に侵入して各隣合う固定
電極指51b1,51b2に対向している。各固定電極
51b1,51b2は、基板10上に一体的に固着した
配線部51c1,51c2を介して同基板10上に一体
的に固着したパッド部51d1,51d2に接続されて
いる。パッド部51d1,51d2の上面には、導電金
属(例えばアルミニウム)で形成された電極パッド51
e1,51e2がそれぞれ設けられている。
【0036】駆動電極部51−3,51−4は、メイン
フレーム30−3,30−4のX軸方向外側端部にて一
体的にY軸方向外側に基板10から浮かせて延設した突
出部36c,36dのX軸方向内側にそれぞれ設けられ
ている。これらの駆動電極部51−3,51−4は、X
軸方向に延設された櫛歯状の可動電極指51a3,51
a4と、X軸方向に延設された櫛歯状の固定電極指51
b3,51b4とによりそれぞれ構成されている。
【0037】各可動電極指51a3、51a4は、基板
10から浮かせて突出部36c,36dからX軸方向内
側に一体的に延設形成され、各固定電極指51b3,5
1b4のY軸方向各中央位置に侵入して各隣合う固定電
極指51b3,51b4に対向している。各固定電極指
51b3,51b4は、基板10上に一体的に固着した
配線部51c3,51c4を介して同基板10上に一体
的に固着したパッド部51d3,51d4に接続されて
いる。パッド部51d3,51d4の上面には、導電金
属(例えばアルミニウム)で形成された電極パッド51
e3,51e4がそれぞれ設けられている。
【0038】駆動モニタ電極部52−1,52−2は、
突出部36a,36bのX軸方向内側(駆動電極部51
−1,51−2とX軸方向反対側)にそれぞれ設けられ
ている。これらの駆動モニタ電極部52−1,52−2
は、X軸方向に延設された櫛歯状の可動電極指52a
1、52a2と、X軸方向に延設された櫛歯状の固定電
極指52b1,52b2とによりそれぞれ構成されてい
る。
【0039】各可動電極指52a1、52a2は、基板
10から浮かせて突出部36a,36bからX軸方向内
側に一体的に延設形成され、各固定電極指52b1,5
2b2間のY軸方向各中央位置に侵入して各隣合う固定
電極指52b1,52b2に対向している。各固定電極
指52b1,52b2は、基板10上に一体的に固着し
た配線部52c1,52c2を介して同基板10上に一
体的に固着したパッド部52d1,52d2に接続され
ている。パッド部52d1,52d2の上面には、導電
金属(例えばアルミニウム)で形成された電極パッド5
2e1,52e2がそれぞれ設けられている。
【0040】駆動モニタ電極部52−3,52−4は、
突出部36c,36dのX軸方向外側(駆動電極部51
−3,51−4とX軸方向反対側)にそれぞれ設けられ
ている。これらの駆動モニタ電極部52−3,52−4
は、X軸方向に延設された櫛歯状の可動電極指52a
3、52a4と、X軸方向に延設された櫛歯状の固定電
極指52b3,52b4とによりそれぞれ構成されてい
る。
【0041】各可動電極指52a3、52a4は、基板
10から浮かせて突出部36c,36dからX軸方向外
側に一体的に延設形成され、各固定電極指52b3,5
2b4間のY軸方向各中央位置に侵入して各隣合う固定
電極指52b3,52b4に対向している。各固定電極
指52b3,52b4は、基板10上に一体的に固着し
た配線部52c3,52c4を介して同基板10上に一
体的に固着したパッド部52d3,52d4に接続され
ている。パッド部52d3,52d4の上面には、導電
金属(例えばアルミニウム)で形成された電極パッド5
2e3,52e4がそれぞれ設けられている。
【0042】検出電極部53−1〜53−4は、アーム
部21a〜21dのY軸方向各内側にそれぞれ設けられ
ている。これらの検出電極部53−1〜53−4は、X
軸方向に延設された櫛歯状の可動電極指53a1〜53
a4と、X軸方向に延設された櫛歯状の固定電極指53
b1〜53b4とによりそれぞれ構成されている。
【0043】各可動電極指53a1〜53a4は、アー
ム部21a〜21dのY軸方向各内側に一体的に基板1
0から浮かせて延設させた複数の突出部及び振動子20
−1,20−2から、基板10に対して浮かせてX軸方
向に一体的に延設形成されている。これらの各可動電極
指53a1〜53a4は、各固定電極指53b1〜53
b4間に侵入して各隣合う固定電極指53b1〜53b
4に対向しているが、各固定電極指53b1〜53b4
間のY軸方向各中央位置よりもY軸方向内側に変位させ
て設けられている。各固定電極指53b1〜53b4
は、基板10上に一体的に固着した配線部53c1〜5
3c4を介して同基板10上に一体的に固着したパッド
部53d1〜53d4に接続されている。パッド部53
d1〜53d4の上面には、導電金属(例えばアルミニ
ウム)で形成された電極パッド53e1〜53e4がそ
れぞれ設けられている。
【0044】調整電極部54−1〜54−4は、振動子
20−1,20−2から一体的にX軸方向各外側に基板
10から浮かせて延設した長尺かつ幅広のアーム部22
a〜22dのY軸方向各内側にそれぞれ設けられてい
る。これらの調整電極部54−1〜54−4は、X軸方
向に延設された櫛歯状の可動電極指54a1〜54a4
と、X軸方向に延設された櫛歯状の固定電極指54b1
〜54b4とにより構成されている。
【0045】各可動電極指54a1〜54a4は、アー
ム部22a〜22dのY軸方向各内側に一体的に基板1
0から浮かせて延設させた複数の突出部及び振動子20
−1,20−2から、基板10に対して浮かせてX軸方
向に一体的に延設形成されている。これらの各可動電極
指54a1〜54a4は、各固定電極指54b1〜54
b4間に侵入して各隣合う固定電極指54b1〜54b
4に対向しているが、各固定電極指54b1〜54b4
間のY軸方向各中央位置よりもY軸方向外側に変位させ
て設けられている。
【0046】固定電極指54b1及び固定電極指54b
2は、基板10上に一体的に固着した配線部54c1を
介して同基板10上に一体的に固着したパッド部54d
1に共通に接続されている。固定電極指54b3及び固
定電極指54b4は、基板10上に一体的に固着した配
線部54c3を介して同基板10上に一体的に固着した
パッド部54d3に共通に接続されている。パッド部5
4d1,54d3の上面には、導電金属(例えばアルミ
ニウム)で形成された電極パッド54e1,54e3が
それぞれ設けられている。
【0047】サーボ電極部55−1〜55−4は、アー
ム部22a〜22dのY軸方向各外側にそれぞれ設けら
れている。これらのサーボ電極部55−1〜55−4
は、X軸方向に延設された櫛歯状の可動電極指55a1
〜55a4と、X軸方向に延設された櫛歯状の固定電極
指55b1〜55b4とにより構成されている。
【0048】各可動電極指55a1〜55a4は、アー
ム部22a〜22dのY軸方向各外側に一体的に基板1
0から浮かせて延設させた複数の突出部及び振動子20
−1,20−2から、基板10に対して浮かせてX軸方
向に一体的に延設形成されている。これらの各可動電極
指55a1〜55a4は、各固定電極指55b1〜55
b4間に侵入して各隣合う固定電極指55b1〜55b
4に対向しているが、各固定電極指55b1〜55b4
間のY軸方向各中央位置よりもY軸方向内側に変位させ
て設けられている。各固定電極指55b1〜55b4
は、基板10上に一体的に固着した配線部55c1〜5
5c4を介して同基板10上に一体的に固着したパッド
部55d1〜55d4に接続されている。パッド部55
d1〜55d4の上面には、導電金属(例えばアルミニ
ウム)で形成された電極パッド55e1〜55e4がそ
れぞれ設けられている。
【0049】さらに、基板10上には、振動子20−
1,20−2及びメインフレーム30−1〜30−4
に、駆動用梁33b,34b、サブフレーム32−2、
検出用梁31a〜31d、リンク梁41a〜41d、リ
ンク42a,42b、サブリンク梁43a〜43d、サ
ブリンク44a,44b、配線部23aなどを介して接
続されたパッド部23bが設けられている。配線部23
a及びパッド部23bは、共に基板10の上面に固着さ
れている。パッド部23bの上面には、導電金属(例え
ばアルミニウム)で形成された電極パッド23cが設け
られている。
【0050】次に、上記のように構成した角速度検出素
子を用いて角速度を検出するための電気回路装置につい
て説明すると、図2は同電気回路装置をブロック図によ
り示している。
【0051】検出電極部53−1,53−4の電極パッ
ド53e1,53e4には高周波発振器61が接続され
ており、同発振器61は、振動子20の共振周波数より
も極めて高い周波数f1を有する正弦波状の検出用搬送
波信号を同パッド53e1,53e4に供給する。この
高周波発振器61には位相反転回路61aが接続されて
おり、同回路61aは前記検出用搬送波信号の位相を反
転した反転信号を検出電極部53−2,53−3の電極
パッド53e2,53e3に供給する。
【0052】駆動モニタ電極部52−1,52−2の電
極パッド52e1,52e2には高周波発振器62が接
続されており、同発振器62は、振動子20の共振周波
数よりも極めて高くかつ前記周波数f1とは異なる周波
数f2を有する正弦波状のモニタ用搬送波信号を同パッ
ド52e1,52e2に供給する。高周波発振器62に
は位相反転回路62aが接続されており、同回路62a
はモニタ用搬送波信号の位相を反転した反転信号を駆動
モニタ電極部52−3,52−4の電極パッド52e
3,52e4に供給する。これにより、電極パッド23
cからは、振動子20−1、20−2のX軸方向の振動
により振幅変調されたモニタ用搬送波信号と、振動子2
0−1,20−2のY軸方向の振動により振幅変調され
た検出用搬送波信号が出力される。
【0053】駆動電極部51−1〜51−4の各電極パ
ッド51e1〜51e4には、駆動回路70が接続され
ている。駆動回路70は、電極パッド23cからチャー
ジアンプ63を介して入力した信号に基づいて駆動信号
を形成して各電極パッド51e1〜51e4に供給す
る。チャージアンプ63は演算増幅器で構成され、その
非反転入力端は接地されている。チャージアンプ63の
反転入力端は電極パッド23cに接続され、同反転入力
端と出力端との間にはコンデンサ64が接続されてい
る。
【0054】駆動回路70は、チャージアンプ63に直
列接続された復調回路71、移相回路72及び利得制御
回路73を備えているとともに、復調回路71に接続さ
れて利得制御回路73の利得を制御する整流回路74を
備えている。復調回路71は、電極パッド23cから出
力された信号を周波数f2で同期検波して(周波数f2
信号の振幅エンベロープを取り出して)、振動子20−
1,20−2のX軸方向の振動を表す信号を出力する。
移相回路72は、振動子20の振動を表す検出信号が振
動子20−1,20−2を駆動するための信号に対して
π/2だけ遅れることを補正するために、入力信号の位
相をπ/2だけ進めて出力する。整流回路74は、前記
復調回路71からの信号を全波整流して(振動子20−
1,20−2のX軸方向の振動成分の振幅エンベロープ
を取り出して)、振動子20−1,20−2のX軸方向
の振動の振幅を表す信号を出力する。ただし、整流回路
74の出力信号中に含まれるリップルは利得制御回路7
3で除去される。利得制御回路73は、移相回路72及
び整流回路74に入力される信号の振幅(振動子20−
1,20−2のX軸方向の振動の振幅)が一定となるよ
うに、移相回路72からの出力信号の振幅を制御した制
御信号を出力する、すなわち整流回路74からの信号が
大きくなるにしたがって利得制御回路73の出力信号の
振幅が小さくなるように制御して出力する。
【0055】利得制御回路73の出力端は加算器75−
1の一方の入力端に接続されているとともに、位相反転
回路76を介して加算器75−2の一方の入力端に接続
されている。位相反転回路76は、利得制御回路73か
らの制御信号を位相反転して出力する。加算器75−
1,75−2の各他方の入力端には可変調整される直流
電圧を出力する可変電圧源回路77が接続されている。
加算器75−1は、利得制御回路73からの制御信号と
可変電圧源回路77からの直流電圧信号とを加算して駆
動電極部51−1,51−2の電極パッド51e1,5
1e2に供給する。加算器75−2は、位相反転回路7
6からの信号と可変電圧源回路77からの直流電圧信号
とを加算して駆動電極部51−3,51−4の電極パッ
ド51e3,51e4に供給する。
【0056】調整電極部54−1,54−2のための共
通の電極パット54e1には直流可変電圧源65aが接
続されているとともに、調整電極部54−3,54−4
のための共通の電極パット54e3には直流可変電圧源
65bが接続されている。なお、これらの直流可変電圧
源65a,65bは、複数の電圧源で構成してもよい
が、単一の電圧源を共通に用いてもよい。
【0057】サーボ電極部55−1〜55−4の電極パ
ット55e1〜55e4には、サーボ制御回路80が接
続されている。サーボ制御回路80は、振動子20−
1,20−2のY軸方向の振動を抑制するためのもの
で、復調回路81、サーボアンプ82及び位相反転回路
83からなる。復調回路81は、電極パッド23cから
出力されている信号を周波数fで同期検波して(周波
数fの信号の振幅エンベロープを取り出して)、振動
子20−1,20−2のY軸方向の振動を表す信号を取
り出し、同信号を交流サーボ制御信号として出力する。
サーボアンプ82は、前記交流サーボ制御信号を所定の
ゲインで増幅して、振動子20−1,20−2のY軸方
向の振動(Z軸回りの角速度による振動子20−1,2
0−2のY軸方向の振動)を抑制するために、同ゲイン
制御された交流サーボ制御信号をサーボ電極部55−
2,55−3の電極パット55e2,55e3に供給す
る。位相反転回路83は、前記ゲインの制御された交流
サーボ制御信号の位相を反転して、同位相反転した逆相
の制御信号をサーボ電極部55−1,55−4の電極パ
ット55e1,55e4に供給する。
【0058】また、サーボ制御回路80には、検波回路
91及び増幅器92からなる出力回路90が接続されて
いる。検波回路91は、サーボアンプ82から交流サー
ボ制御信号を入力するとともに、移相回路72から駆動
による振動子20−1,20−2のX軸方向の振動を表
す信号を入力し、交流サーボ制御信号を前記X軸方向の
振動を表す信号で同期検波して振動子20−1,20−
2のY軸方向の振動の振幅すなわちZ軸回りの角速度に
よる振動子20−1,20−2のY軸方向の振動の振幅
(振動の大きさ)を表す直流信号を出力する。ここで、
移相回路72の出力信号を利用するのは、同信号が振動
子20−1,20−2のZ軸回りの角速度によりもたら
されるコリオリ力の位相と同期したものであり、交流サ
ーボ制御信号すなわち振動子20−1,20−2のZ軸
回りの角速度に同期したものであるからである。増幅器
92は、検波回路91からの信号を入力して出力端子O
UTから振動子20−1,20−2のY軸方向の振動の
大きさを表す直流信号を出力する。
【0059】次に、上記のように構成した角速度検出装
置の調整について説明すると、図2に示すように配線し
た後、可変電圧源回路77及び直流可変電圧源65a,
65bからの各出力直流電圧の大きさを調整する。ま
ず、可変電圧源回路77を調節することにより直流電圧
信号を適宜設定して、振動子20−1,20−2のX軸
方向の振動の大きさを調整する。また、直流可変電圧源
65a,65bの電圧を調整することにより、振動子2
0のY軸方向の共振周波数を調整する。すなわち、直流
可変電圧源65a,65bの電圧を変化させると、調整
電極部54−1〜54−4による静電引力の大きさが変
化し、Y軸方向の力に対する振動子20−1,20−2
の変位量すなわち検出用梁31a〜31dのばね定数が
変更される。これにより、振動子20−1,20−2の
Y軸方向の共振周波数が適宜調整される。
【0060】次に、上記のように構成した角速度検出装
置の動作を説明する。上記角速度検出装置においては、
駆動電極部51−1〜51−4は、駆動回路70から電
極パッド51e1〜51e4を介した駆動信号の供給に
より、メインフレーム30−1〜30−4をX軸方向に
振動させる。このメインフレーム30−1〜30−4の
振動は検出用梁31a〜31dを介して振動子20−
1,20−2にも伝達され、同振動子20−1,20−
2もX軸方向に振動する。この場合、駆動電極部51−
1,51−2には加算器75−1からの電圧信号が入力
されているとともに、駆動電極部51−3,51−4に
は加算器75−2からの電圧信号が入力されている。言
い換えれば、駆動電極部51−1,51−2に付与され
る電圧の交流成分の位相と、駆動電極部51−3,51
−4に付与される電圧の交流成分の位相とは互いに逆相
になる。
【0061】したがって、駆動電極部51−1,51−
2がメインフレーム30−1,30−2及び振動子20
−1を図1の右方向に押し出しているときには、駆動電
極部51−3,51−4はメインフレーム30−3,3
0−4及び振動子20−2を図1の左方向に引き込むよ
うに作用する。逆に、駆動電極部51−1,51−2が
メインフレーム30−1,30−2及び振動子20−1
を図1の左方向に引き込んでいるときには、駆動電極部
51−3,51−4はメインフレーム30−3,30−
4及び振動子20−2を図1の右方向に押し出すように
作用する。その結果、振動子20−1,20−2のX軸
方向の振動は互い逆相になる。
【0062】また、この振動子20−1,20−2のX
軸方向の振動は、駆動回路70によって常に一定振幅に
なるように制御される。高周波発振器62からのモニタ
用搬送波信号が、電極パッド51e1,51e2を介し
て駆動モニタ電極部52−1,52−2に付与されてい
る。一方、位相反転回路62aからの前記モニタ用搬送
波信号を位相反転した反転信号が、電極パッド51e
3,51e4を介して駆動モニタ電極部52−3,52
−4に付与されている。そして、これらの信号が振動子
20−1,20−2の振動により振幅変調されて、電極
パッド23cから取り出される。
【0063】振動子20−1,20−2のX軸方向の振
動は互いに逆相であり、振動子20−1が図1の右方向
に変位してモニタ電極部52−1,52−2の静電容量
が大きくなっているときには、振動子20−2は図1の
左方向に変位していてモニタ電極部52−3,52−4
の静電容量は小さくなっている。逆に、振動子20−1
が図1の左方向に変位してモニタ電極部52−1,52
−2の静電容量が小さくなっているときには、振動子2
0−2は図1の右方向に変位していてモニタ電極部52
−3,52−4の静電容量は大きくなっている。そし
て、電極パッド23cからは、振動子20−1,20−
2のX軸方向の各振動を合計した振動を表す信号が出力
される。したがって、電極パッド23cから出力される
信号は、振動子20−1,20−2の図1のX軸方向各
外側及び各内側への変位の合計値を表している。
【0064】そして、この電極パッド23cから出力さ
れた信号は、チャージアンプ63を介して駆動回路70
に供給される。駆動回路70は、復調回路71、整流回
路74、移相回路72及び利得制御回路73の作用によ
り、振動子20−1,20−2の振動をフィードバック
制御するための制御信号を出力する。これにより、振動
子20−1,20−2のX軸方向の各振動の振幅が常に
一定になる。なお、振動子20−1,20−2のX軸方
向の振動の振幅はほぼ同じであり、前記各振幅はほぼ等
しい。
【0065】この状態で、X軸及びY軸に直交するZ軸
回りに角速度が作用すると、検出用梁31a〜31dの
撓みを伴って、振動子20−1,20−2はコリオリ力
によって前記角速度に比例した振幅でY軸方向に振動し
始める。この場合、振動子20−1,20−2のX軸方
向の振動は互い逆相であるので、前記コリオリ力による
振動子20−1,20−2のY軸方向の振動も互いに逆
相になる。すなわち、振動子20−1が図1の上方に変
位しているときには、振動子20−2は図1の下方に変
位している。逆に、振動子20−1が図1の下方に変位
しているときには、振動子20−2は図1の上方に変位
している。
【0066】この振動子20−1,20−2のY軸方向
への振動により検出電極部53−1〜53−4の静電容
量が前記振動に応じて変化する。この場合、振動子20
−1が図1の上方に変位したときには、可動電極指53
a1は固定電極指53b1から離れる方向に変位するの
で検出電極部53−1の静電容量は減少し、可動電極指
53a2は固定電極指53b2に近づく方向に変位する
ので検出電極部53−2の静電容量は増加する。逆に、
振動子20−1が図1の下方に変位したときには、可動
電極指53a1は固定電極指53b1に近づく方向に変
位するので検出電極部53−1の静電容量は増加し、可
動電極指53a2は固定電極指53b2から離れる方向
に変位するので検出電極部53−2の静電容量は減少す
る。
【0067】また、振動子20−2が図1の上方に変位
したときには、可動電極指53a3は固定電極指53b
3から離れる方向に変位するので検出電極部53−3の
静電容量は減少し、可動電極指53a4は固定電極指5
3b4に近づく方向に変位するので検出電極部53−4
の静電容量は増加する。逆に、振動子20−2が図1の
下方に変位したときには、可動電極指53a3は固定電
極指53b3に近づく方向に変位するので検出電極部5
3−3の静電容量は増加し、可動電極指53a4は固定
電極指53b4から離れる方向に変位するので検出電極
部53−4の静電容量は減少する。
【0068】そして、これらの静電容量の変化は、高周
波発振器61及び位相反転回路61aから出力された搬
送波信号の振幅を変調した信号として電極パッド23c
に現れる。具体的には、振動子20−1のY軸方向の振
動を表す信号と、振動子20−2のY軸方向の振動を表
す信号とを加算した信号が電極パッド23cに現われ
る。この場合、高周波発振器61からの検出用搬送波信
号は電極パッド53e1,53e4を介して検出電極部
53−1,53−4に供給されているとともに、位相反
転回路61aからの搬送波信号は電極パッド53e2,
53e3を介して検出電極部53−2,53−3に供給
されている。また、振動子20−1,20−2のY軸方
向の振動は、前記のように互いに逆相である。したがっ
て、電極パッド23cからは、前記コリオリ力による振
動子20−1,20−2のY軸方向の各振動を表す信号
を加算した信号が出力される。
【0069】一方、この角速度検出装置に、コリオリ力
とは無関係な力が作用する場合がある。例えば、この角
速度検出装置を車両、航空機などに搭載した場合、車
両、航空機などの振動を含む加減速時には、慣性力が振
動子20−1,20−2に作用する場合がある。前記慣
性力によって振動子20−1,20−2がY軸方向に振
動した場合を想定すると、この場合の振動子20−1,
20−2のY軸方向の振動成分は互いに同相(図1の上
下方向の変位方向が同じ)になる。したがって、この振
動子20−1,20−2のY軸方向の各振動成分を表す
信号は互いに打ち消されて、電極パッド23cには現わ
れない。
【0070】また、前記慣性力によって振動子20−
1,20−2がX軸方向に振動した場合を想定すると、
この場合の振動子20−1,20−2のX軸方向の振動
成分も互いに同相(図1の左右方向の変位方向が同じ)
になる。したがって、この振動子20−1,20−2の
X軸方向の各振動成分に関係して、コリオリ力により振
動子20−1,20−2がY軸方向に振動しても、この
Y軸方向の振動子20−1,20−2の振動は互いに同
相になる。したがって、この振動子20−1,20−2
のX軸方向の振動に起因した信号も電極パッド23cに
は現われない。その結果、前記慣性力などによる振動子
20−1,20−2の振動を表す信号は電極パッド23
cには現われず、コリオリ力による振動子20−1,2
0−2の振動を表す信号のみが電極パッド23cには現
われる。なお、振動子20−1,20−2の前記振動の
振幅は、ほぼ等しい。
【0071】この電極パッド23cに現われた信号は、
チャージアンプ63を介して取り出されて、サーボ制御
回路80に供給される。サーボ制御回路80において
は、復調回路81によって復調された振動子20−1,
20−2のY軸方向の振動を表す信号が取り出される。
サーボアンプ82及び反転回路83は、前記復調された
信号に基づき、電極パッド55e1〜55e4を介して
サーボ電極部55−1〜55−4に交流サーボ制御信号
すなわち振動子20−1,20−2のY軸方向の振動を
抑制するための制御信号を供給するので、サーボ電極部
55−1〜55−4は振動子20−1,20−2のY軸
方向の振動すなわちZ軸回りの角速度による振動子20
のY軸方向の振動を抑制する。
【0072】また、サーボアンプ82からの交流サーボ
制御信号は出力回路90の検波回路91にも供給されて
いる。この交流サーボ制御信号は、振動子20−1,2
0−2のY軸方向の振動を表す信号に比例した信号であ
り、検波回路91は振動子の共振周波数で前記比例した
信号を検波するので、検波回路91からはY軸方向の振
動の大きさ(振幅)を表す直流信号が出力される。そし
て、この直流信号が増幅器92を介して出力される。し
たがって、実際には、振動子20−1,20−2はY軸
方向に小さな振幅で振動しているにもかかわらず、Z軸
回りの角速度の大きさを表す大きな信号が取り出される
ことになる。
【0073】これにより、Z軸回りの角速度による振動
子20−1,20−2のY軸方向の振動が基板10を介
して振動子20に再入力することがなくなり、この再入
力に伴うノイズの発生が抑えられ、角速度の検出精度を
向上させることができる。また、本実施形態において
は、振動子20−1,20−2をX軸方向に互いに逆相
で振動させておき、慣性力などによるコリオリ力とは無
関係な振動子20−1,20−2の振動を表す信号が電
極パッド23cに現われないようにしたので、角速度の
検出精度がより良好になる。
【0074】このように動作する角速度検出装置におい
ては、駆動信号の印加及び検出信号の取り出しのため
に、振動子20−1と振動子20−2とを電気的に連結
する必要がある。この電気的な接続機能は、本実施形態
では、振動子20−1と振動子20−2を、リンク梁4
1a〜41d及びリンク42a,42bにより連結する
ことで果たされている。また、一方では、コリオリ力に
よる振動子20−1,20−2のY軸方向の振動を大き
くするために、振動子20−1,20−2のX軸方向の
振動の振幅はなるべく大きいことが望ましい。そのため
に、本実施形態では、リンク42a,42bを基板10
から浮かせる構造としたことを一つの特徴としている。
【0075】これは、リンク42a,42bを基板10
に固定した場合には、振動子20−1,20−2のX軸
方向の振動の際に、リンク梁41a〜41dを軸方向に
伸ばす力が必要になる。しかし、前記特徴のようにリン
ク42a,42bを基板10から浮かせることにより、
リンク42a,42bのY軸方向の変位が許容され、比
較的小さな力により、振動子20−1,20−1のX軸
方向の振動の振幅を大きくすることができる。
【0076】また、この振動子20−1,20−2のX
軸方向の振動の振幅の増大化によって、リンク梁41a
〜41dに発生する応力が大きくなり、同応力が大きく
なると同リンク梁41a〜41dの非線形性が発生し
て、振動子20−1,20−2の振動が安定しなくな
り、さらに応力が大きくなるとリンク梁41a〜41d
が破壊される場合もある。また、一方では、リンク梁4
1a〜41dの強度を高めるために同リンク梁41a〜
41dのばね定数を大きくすることは、振動子20−
1,20−2のX軸方向の振動の振幅が小さくなること
を意味し、好ましいことではない。これらの理由によ
り、本実施形態では、リンク梁41a〜41dを複数本
で構成したことも一つの特徴としている。
【0077】この構成上の特徴の利点を、リンク梁41
a〜41dを各1本ずつで構成した場合と、複数本(n
本)ずつで構成した場合とを例にして説明すると、前者
のリンク梁1本当たりの応力σ1及び後者のリンク梁1
本当たりの応力σ2は下記数1,2のように表される。
ただし、Aはリンク梁41a〜41dの振動の振幅であ
り、L1,L2は各場合のリンク梁41a〜41dの長さ
である。
【0078】
【数1】σ1∝A/L1 2
【0079】
【数2】σ2∝A/L2 2
【0080】一方、リンク梁41a〜41d全体のばね
定数k1,k2は、下記数3,4で表される。
【0081】
【数3】k1∝1/L1 3
【0082】
【数4】k2∝n/L2 3
【0083】ここで、両場合におけるばね定数k1,k2
を等しくすると、前記応力σ1,σ2との間には下記数5
の関係が成立する。
【0084】
【数5】σ2/σ1=1/n2/3
【0085】これにより、リンク梁41a〜41dの本
数を複数(n本)で構成することにより、リンク梁41
a〜41d全体のばね定数を変えることなく、振動子2
0−1,20−2のX軸方向の振動に伴うリンク梁41
a〜41d一本当たりの応力を低減することができ、振
動子20−1,20−2の安定した振動を期待できる。
【0086】さらに、上記実施形態においては、基板1
0から浮かせたサブリンク梁43a,〜43d及びサブ
リンク44a,44bを設けることにより、振動子20
−1,20−2のX軸方向の振動を安定させることをも
特徴の一つにしている。例えば、サブリンク梁43a〜
43d及びサブリンク44a,44bを設けない場合に
は、振動子20−1,20−2のX軸方向の振動に伴っ
てリンク42a,42b自体がX軸方向に振動し易い。
これに対して、サブリンク梁43a〜43d及びサブリ
ンク44a,44bはリンク42a,42bのX軸方向
の変位を抑制するとともに、リンク42a,42bのY
軸方向への変位を冗長する。これにより、振動子20−
1,20−2は、リンク42a,42bのY軸方向の振
動を伴いながら、リンク梁41a〜41dの作用によ
り、X軸方向に安定かつ大振幅で振動可能となる。
【0087】また、サブリンク梁43a〜43d及びサ
ブリンク44a,44bを設けることにより、リンク梁
41a〜41dに発生する軸力σTを低減することも可
能である。サブリンク梁43a〜43d及びサブリンク
44a,44bを設けない場合には、リンク梁41a〜
41dのそれぞれに発生する軸力σTは下記数6で表さ
れる。ただし、Aはリンク梁41a〜41dの振動の振
幅であり、Lはリンク梁41a〜41dの長さであり、
Eはヤング率を表す予め決めた定数である。
【0088】
【数6】σT≒E・A2/2・L2
【0089】これに対して、サブリンク梁43a〜43
d及びサブリンク44a,44bを設けたことにより、
振動子20−1,20−2のX軸方向への駆動時におけ
るY軸方向への軸力σTは、サブリンク梁43a〜43
dのY軸方向の撓みによって開放されて低下する。すな
わち、サブリンク梁43a〜43dのY軸方向への撓み
量をΔLsとすると、前記数6の軸力σTは、下記数7
に示すように、低減される。
【0090】
【数7】σT≒E・(A2/2・L2−ΔLs/L)
【0091】また、サブリンク梁43a〜43d及びサ
ブリンク44a,44bを設けたことにより、振動子2
0−1,20−2の共振モード(共振周波数)を調整し
て角速度の検出精度を向上させることもできる。本実施
形態の角速度検出素子においては、振動子20−1,2
0−2がX軸方向に互いに逆相で振動する共振周波数
(駆動モード)fdと、コリオリ力により振動子20−
1,20−2がY軸方向に振動する共振周波数(検出モ
ード)fsと、各振動子20−1,20−2のY軸方向
両端が互いにX軸方向の逆方向に変位して各振動子20
−1,20−2が回転する共振周波数(ローテーション
モード)frと、振動子20−1,20−2がX軸方向
に互いに同相で振動する共振周波数(パラレルモード)
fpとが存在する。
【0092】そして、サブリンク梁43a〜43d及び
サブリンク44a,44bを設けない場合には、これら
の各モードfd,fs,fr,fpは、図3に示すように、
比較的近傍の周波数領域に位置している。しかし、上記
実施形態のように、サブリンク梁43a〜43d及びサ
ブリンク44a,44bを設けたことにより、リンク4
2a,42b間の相対変位の抑制、ひいてはメインフレ
ーム30−1,30−3が一緒になってX方向の一方
に、メインフレーム30−2,30−4が一緒になって
X方向の他方に動くことが抑制され、各振動子20−
1,20−2は独立して回転する傾向が増し、ローテー
ションモードfrが高共振点化して、駆動モードfd及び
検出モードfsから離れる。また、サブリンク44a,
44bを基板10から浮かせたことにより、各振動子2
0−1,20−2はX軸方向に互いに同相に一体的に変
位する傾向が増し、パラレルモードfpが低共振点化し
て、駆動モードfd及び検出モードfsから離れる。これ
により、振動子20−1,20−2の不要な共振振動を
抑制することができるとともに、同不要な共振振動を角
速度によるものと区別して取り出し易くなり、角速度の
検出精度が向上する。
【0093】また、上記実施形態においては、駆動電極
部51−1,51−2をメインフレーム30−1,30
−2の突出部36a,36bのX軸方向外側に設けると
ともに、駆動電極部51−3,51−4をメインフレー
ム30−3,30−4の突出部36c,36dのX軸方
向内側に設けたこと、及び駆動モニタ電極部52−1,
52−2をメインフレーム30−1,30−2の突出部
36a,36bのX軸方向内側に設けるとともに、駆動
モニタ電極部52−3,52−4をメインフレーム30
−3,30−4の突出部36c,36dのX軸方向外側
に設けたことも特徴の一つとしている。言い換えれば、
駆動電極部51−1〜51−4及び駆動モニタ電極部5
2−1〜52−4を、X軸方向に非対称配置したことも
特徴の一つとしている。これにより、チャージアンプ6
3の飽和を避けた上で、駆動電圧の増大を図ることがで
きる。
【0094】以下、この点について説明する。図2の駆
動電極部51−1〜51−4、チャージアンプ63及び
コンデンサ64の機能を模擬的に表すと、図4(A)のよ
うになる。ただし、図4(A)においては、駆動電極部5
1−1〜51―4をコンデンサ51−1〜51―4とし
て示している。一方、駆動電極部51−1〜51−4及
び駆動モニタ電極部52−1〜52−4をX軸方向に対
称配置した場合、すなわち全ての駆動電極部51−1〜
51−4をメインフレーム30−1〜30−4の突出部
36a〜36dのX軸方向内側又は外側に設けた場合、
図4(A)の模擬的機能図は図4(B)に示すようになる。
【0095】この対称配置の場合、振動子20−1,2
0−2のX軸方向の振動を互い逆相にするためには、全
ての駆動電極部51−1〜51−4に同相の交流成分を
付与する必要がある。言い換えれば、図2の反転回路7
6が省略されて、利得制御回路73からの交流電圧信号
と可変電圧源回路77からの直流電圧とを加算した同一
の電圧信号が、全ての駆動電極部51−1〜51―4
(コンデンサ51−1〜51―4)に付与される。前記
交流電圧信号をV1cosωtとするとともに、前記直流電
圧をV0とすると、電極パッド51e1〜51e4を介
して駆動電極部51−1〜51―4(コンデンサ51−
1〜51―4)に付与される電圧信号は、それぞれV0
+V1cosωtとなる。なお、ωは、振動子20−1,2
0−2及びメインフレーム30−1〜30−4のX軸方
向の共振角周波数にほぼ等しい。
【0096】また、この場合、駆動電極部51−1,5
1―2の可動電極指51a1,51a2が固定電極指5
1b1,51b2から離れる方向に変位するときには、
駆動電極部51−3,51―4の可動電極指51a3,
51a4も固定電極指51b3,51b4から離れる方
向に変位する。逆に、駆動電極部51−1,51―2の
可動電極指51a1,51a2が固定電極指51b1,
51b2に近づく方向に変位するときには、駆動電極部
51−3,51―4の可動電極指51a3,51a4も
固定電極指51b3,51b4に近づく方向に変位す
る。したがって、駆動電極部51−1〜51―4(コン
デンサ51−1〜51―4)の静電容量は、それぞれC
0+C1cos(ωt−π/2)のように変化する。なお、
0,C1は、駆動電極部51−1〜51―4(コンデン
サ51−1〜51―4)の構成及び可動電極指51a1
〜51a4の振動の振幅によって決まる定数である。
【0097】これらの付与電圧V0+V1cosωt及び静
電容量C0+C1cos(ωt−π/2)からチャージアンプ6
3の出力電圧Voutを計算すると、同電圧Voutは下記数
8のようになる。なお、コンデンサ64の静電容量をC
fとする。また、φは、tan-1(C01/C10)である。
【0098】
【数8】Vout=2C00/Cf+C11/Cfsin2ωt+
[2{(C10)2+(C01)2}1/2/Cf]sin(ωt+φ)
【0099】これに対して、本実施形態のように駆動電
極部51−1,51−2と駆動電極部51−3,51−
4をX軸方向に非対称に配置した場合には、前述のよう
に、振動子20−1,20−2のX軸方向の振動を互い
逆相にするために、図4(A)に示すように、駆動電極部
51−1,51−2と駆動電極部51−3,51−4と
に逆相の交流成分を付与することになる。駆動電極部5
1−1,51―2(コンデンサ51−1,51―2)に
は、電極パッド51e1,51e2を介して駆動電圧V
0+V1cosωtが付与されるとともに、駆動電極部51
−3,51―4(コンデンサ51−3,51―4)に
は、電極パッド51e3,51e4を介して駆動電圧V
0−V1cosωtが付与される。
【0100】また、この場合、駆動電極部51−1,5
1―2の可動電極指51a1,51a2が固定電極指5
1b1,51b2から離れる方向に変位するときには、
駆動電極部51−3,51―4の可動電極指51a3,
51a4は固定電極指51b3,51b4に近づく方向
に変位する。逆に、駆動電極部51−1,51―2の可
動電極指51a1,51a2が固定電極指51b1,5
1b2に近づく方向に変位するときには、駆動電極部5
1−3,51―4の可動電極指51a3,51a4は固
定電極指51b3,51b4から離れる方向に変位す
る。したがって、駆動電極部51−1,51―2(コン
デンサ51−1,51―2)の静電容量がC 0+C1cos
(ωt−π/2)のように変化するとき、駆動電極部51
−3,51―4(コンデンサ51−3,51―4)の静
電容量はC0−C1cos(ωt−π/2)のように変化する。
【0101】これらの付与電圧V0±V1cosωt及び静
電容量C0±C1cos(ωt−π/2)からチャージアンプ6
3の出力電圧Voutを計算すると、同電圧Voutは下記数
9のようになる。なお、この場合もコンデンサ64の静
電容量をCfとする。
【0102】
【数9】Vout=2C00/Cf+C11/Cfsin2ωt
【0103】この数9を前記数8と比べると、数9は数
8の第3項である[2{(C10)2+(C01)2}1/2/Cf]s
in(ωt+φ)が除去されたものに等しい。この第3項
は、駆動電圧の直流電圧分V0及び駆動電極部51−
1,51―2(コンデンサ51−1,51―2)の定常
的な静電容量分C0を含むものであって、前記数8,9
の第2項であるC11/Cfsin2ωtに比べてかなり大
きく、チャージアンプ63の飽和の原因になる。また、
前記数8,9の第1項である2C00/Cfは直流成分で
あって、交流信号を取り出すためのチャージアンプ63
では無視されるものである。これらに対し、前記数8,
9の第2項であるC11/Cfsin2ωtが純粋に駆動電
極部51−1〜51―4の可動電極指51a1〜51a
4のX軸方向の振動に関係したものであるが、この値は
小さくてチャージアンプ63の飽和には至らない。
【0104】したがって、本実施形態のように駆動電極
部51−1,51−2と駆動電極部51−3,51−4
をX軸方向に非対称に配置することにより、駆動電極部
51−1〜51−4の可動電極指51a1〜51a4の
X軸方向の振動の振幅を大きくすることが可能となる。
このことは、振動子20−1,20−2のX軸方向の振
動の振幅を大きくできることを意味し、その結果、角速
度の検出精度を向上できる。
【0105】また、本実施形態に係る角速度検出装置に
おいては、振動子20−1,20−2のX軸方向の振動
を互いに逆相にしたことにより、Y軸方向の加速度の影
響を小さくするようにしたことは上述したとおりである
が、このY軸方向の加速度の影響をさらに小さくするよ
うにした工夫もなされている。この工夫とは、検出電極
部53−1〜53−4の各検出電極ギャップdsと検出
用梁31a〜31dの幅Wを一致させることであり、同
工夫も本実施形態の特徴の一つである。なお、検出電極
ギャップdsとは、検出電極部53−1〜53−4の一
部を拡大して示す図5(A)のように、各可動電極指53
a1〜53a4と各固定電極指53b1〜53b4との
距離の短い方のギャップである。また、検出用梁31a
〜31dの幅Wとは、振動子20−1,20−2のアー
ム部21a〜21dの一部を拡大して示す図5(B)のよ
うに、検出用梁31a〜31dのY軸方向の幅である。
【0106】この特徴について説明すると、本角速度検
出素子に作用するY軸方向の加速度がGであったとする
と、一つの可動電極指53a1〜53a4と一つの固定
電極指53b1〜53b4とによって構成されるコンデ
ンサの容量変化Cg0は下記数10で与えられる。ただ
し、εは各可動電極指53a1〜53a4と各固定電極
指53b1〜53b4との間の物質の誘電率である。S
sは各可動電極指53a1〜53a4と各固定電極指5
3b1〜53b4との対向面積である。gは重力加速度
である。ωsは検出用共振角周波数(振動子20−1、
20−2のY軸方向の共振角周波数)である。
【0107】
【数10】Cg0=εSsgG/(ωs 2s 2)
【0108】そして、製造上の寸法のばらつきΔWによ
り、dsがds−ΔWになり、かつWがW+ΔWになった
とすると、本角速度検出素子に作用するY軸方向の加速
度Gに対して、一つの可動電極指53a1〜53a4と
一つの固定電極指53b1〜53b4とによって構成さ
れるコンデンサの容量変化の差ΔCgは前記容量変化C
g0を用いた下記数11で与えられる。
【0109】
【数11】ΔCg=−2ΔW(1/W−1/ds)Cg0
【0110】したがって、前述のように、検出電極部5
3−1〜53−4の各検出電極ギャップdsと検出用梁
31a〜31dの幅Wを一致させれば、寸法のばらつき
ΔWが発生しても、前記容量変化の差ΔCgは常に
「0」となる。したがって、このように各検出電極ギャ
ップdsと幅Wとを一致させるように設計すれば、本角
速度検出素子に作用するY軸方向の加速度の影響を極め
て小さくできる。
【0111】次に、上記実施形態の変形例について説明
する。この変形例は、図6に示すように、メインフレー
ム30−1〜30−4と振動子20−1,20−2との
各間に、振動子20−1,20−2のY軸方向の振動検
出のための共振のQ値を下げる機能を果たすダンピング
部24−1〜24−4をそれぞれ設けたものである。他
の部分に関しては、上記図1の実施形態と同じであり、
また図2の電気回路装置への接続方法も同じである。
【0112】ダンピング部24−1,24−2は、X軸
方向に基板10から浮かせて延設され振動子20−1と
一体的に変位する複数の櫛歯24a1,24a2と、X
軸方向に基板10から浮かせて延設され前記櫛歯24a
1,24a2の各間のY軸方向中央位置に侵入して同櫛
歯24a1,24a2に対向するとともにメインフレー
ム30−1,30−2とそれぞれ一体的に変位する複数
の櫛歯24b1,24b2とを備えている。複数の櫛歯
24a1,24a2は、振動子20−1のアーム部21
a,21bからそれぞれY軸方向外側に基板10から浮
かせて延設した突出部に接続されている。複数の櫛歯2
4b1,24b2は、メインフレーム30−1,30−
2からそれぞれY軸方向内側に一体的に基板10から浮
かせて延設した突出部に接続されている。
【0113】ダンピング部24−3,24−4は、X軸
方向に基板10から浮かせて延設され振動子20−2と
一体的に変位する複数の櫛歯24a3,24a4と、X
軸方向に基板10から浮かせて延設され前記櫛歯24a
3,24a4の各間のY軸方向中央位置に侵入して同櫛
歯24a3,24a4に対向するとともにメインフレー
ム30−3,30−4とそれぞれ一体的に変位する複数
の櫛歯24b3,24b4とを備えている。複数の櫛歯
24a3,24a3は、振動子20−2のアーム部21
c,21dからそれぞれY軸方向外側に基板10から浮
かせて延設した突出部に接続されている。複数の櫛歯2
4b3,24b4は、メインフレーム30−3,30−
4からそれぞれY軸方向内側に一体的に基板10から浮
かせて延設した突出部に接続されている。
【0114】このように構成した変形例においては、駆
動電極部51−1〜51−4への駆動電圧の付与によ
り、振動子20−1,20−2及びメインフレーム30
−1〜30−4がX軸方向に振動する際には、櫛歯24
a1〜24a4と櫛歯24b1〜24b4とは共にX軸
方向に一体的に変位する。したがって、ダンピング部2
4−1〜24−4は、振動子20−1,20−2のX軸
方向の振動に対してはダンピング作用を発揮することな
く、同振動子20−1,20−2は上記実施形態の場合
と同様にX軸方向に振動する。
【0115】一方、振動子20−1,20−2がコリオ
リ力及びY軸方向の加速度に関係した慣性力によってY
軸方向に振動する際には、同振動子20−1,20−2
は検出用梁31a〜31dの作用によりメインフレーム
30−1〜30−2に対してY軸方向に振動する。した
がって、この場合には、櫛歯24a1〜24a4が櫛歯
24b1〜24b4に対してY軸方向に振動することに
なり、同振動時には、櫛歯24a1〜24a4と櫛歯2
4b1〜24b4と間の気体が移動することになる。こ
れにより、ダンピング部24−1〜24−4は、振動子
20−1,20−2のY軸方向の振動に対してダンピン
グ作用を発揮し、同振動子20−1,20−2のY軸方
向の振動を抑制する。すなわち、ダンピング部24−1
〜24−4を振動子20−1,20−2のY軸方向の振
動検出のための共振のQ値を下げる機能を果たすように
構成できる。
【0116】その結果、この変形例に係る角速度検出素
子に関しては、振動子20−1,20−2のY軸方向の
振動検出のための共振周波数の近傍の周波数成分を有す
るY軸方向の加速度(詳しくは、加速度による慣性力)
が作用しても、同振動子20−1,20−2のY軸方向
の振動が抑制され、同加速度のために角速度の検出が不
能になることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る角速度検出素子の
概略平面図である。
【図2】 前記角速度検出素子を用いて角速度を検出す
るための電気回路装置のブロック図である。
【図3】 前記角速度検出素子の各種共振モード(共振
周波数)の周波数軸上の位置を説明するための図であ
る。
【図4】 (A)は図2の駆動電極部、チャージアンプ及
びコンデンサの機能を表す模式図であり、(B)は前記
(A)の駆動電極部をX軸方向に対称配置した場合の模式
図である。
【図5】 (A)は図1における検出電極部の一部を拡大
して示す平面図であり、(B)は図1における振動子のア
ーム部の一部を拡大して示す平面図である。
【図6】 前記実施形態の変形例に係りY軸方向中央部
を省略して示す角速度検出素子の概略平面図である。
【符号の説明】
10…基板、20−1,20−2…振動子、24−1〜
24−4…ダンピング部、30−1〜30−4…メイン
フレーム、33a〜33d,34a〜34d…駆動用
梁、31a〜31d…検出用梁、41a〜41d…リン
ク梁、42a,42b…リンク、43a〜43d…サブ
リンク梁、44a,44b…サブリンク、51−1〜5
1−4…駆動電極部、52−1〜52−4…駆動モニタ
電極部、53−1〜53−4…検出電極部、54−1〜
54−4…調整電極部、55−1〜55−4…サーボ電
極部、63…チャージアンプ、70…駆動回路、80…
サーボ制御回路、90…出力回路。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−170276(JP,A) Kei Ishihara ,An Inertial Sensor Te chnology using DRI E and Wafer Bondin g with Enhanced In terconnect Capabil ity,Transducers’99, 日本,1999年 6月,P.254−P.257 Byeung−Leul Lee,A Novel Resonant Ac celerometer; Varia ble Electrostatic Stiffeness Type,Tr ansducers’99,日本,1999年 6月,P.1546−P.1549 Zhihong Li,A Bulk Micromachined Vib ratory Lateral Gyr oscope Fabricated with Wafer Bonding and Deep Trench E tc..,Traansducers’ 99,日本,1999年 6月,P.1594− P.1597,Etching(タイトル続 き) Kun Wang,Frequenc y Trimming and Q−F actor Enhancement of Micromechanical Resonators Via Lo calized Filament ...,Transducers’ 97,米国,1997年 6月,P.109−P. 112,Annealing(タイトル続 き) Ki Bang Lee,Frequ ency Tuning of a L aterally Driven Mi croresonator Using an Electrostatic Comb Array of Line arly ,Transducers’ 97,米国,1997年 6月,P.113−P. 116,Varied Length(タ イトル続き) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01C 19/56 G01P 9/04 H01L 29/84

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上にて互いに対向して配置されるとと
    もに前記基板に対して前記基板表面と平行な第1方向に
    変位可能に支持された第1及び第2フレームと、 前記基板上にて前記第1及び第2フレームの間に配置さ
    れて前記第1及び第2フレームに対して前記基板表面と
    平行かつ前記第1方向に直角な第2方向に変位可能に支
    持された第1振動子と、 前記基板上にて前記第1方向における前記第1及び第2
    フレームの側方位置に互いに対向して配置されるととも
    に前記基板に対して前記第1方向に変位可能に支持され
    た第3及び第4フレームと、 前記基板上にて前記第3及び第4フレームの間に配置さ
    れて前記第3及び第4フレームに対して前記第2方向に
    変位可能に支持された第2振動子と、 前記第1フレームと前記第3フレームとを前記第1方向
    に変位し易くかつ前記第2方向に変位し難く連結する第
    1連結手段と、 前記第2フレームと前記第4フレームとを前記第1方向
    に変位し易くかつ前記第2方向に変位し難く連結する第
    2連結手段とを備え、 第1乃至第4フレームを前記第1方向に振動させるとと
    もに、前記第1及び第2振動子の前記第2方向の振動を
    検出するようにしたことを特徴とする力学量検出装置。
  2. 【請求項2】前記請求項1に記載した力学量検出装置に
    おいて、 前記第1連結手段を、 各一端にて前記第1及び第3フレームに接続され前記基
    板から浮かせて前記第2方向に互いに平行に延設された
    第1及び第3リンク梁と、 前記第1及び第3リンク梁の各他端を連結するとともに
    前記基板から浮かせて設けた第1リンクとで構成し、 前記第2連結手段を、 各一端にて前記第2及び第4フレームに接続され前記基
    板から浮かせて前記第2方向に互いに平行に延設された
    第2及び第4リンク梁と、 前記第2及び第4リンク梁の各他端を連結するとともに
    前記基板から浮かせて設けた第2リンクとで構成した力
    学量検出装置。
  3. 【請求項3】前記請求項2に記載した力学量検出装置に
    おいて、 前記第1乃至第4リンク梁を、それぞれ複数本の長尺状
    の梁で構成したことを特徴とする力学量検出装置。
  4. 【請求項4】前記請求項2又は請求項3に記載した力学
    量検出装置において、さらに、 前記基板から浮かせて設けられ前記第1及び第2リンク
    の各一端を連結する第3連結手段と、 前記基板から浮かせて設けられ前記第1及び第2リンク
    の各他端を連結する第4連結手段とを設けたことを特徴
    とする力学量検出装置。
  5. 【請求項5】前記請求項4に記載した力学量検出装置に
    おいて、 前記第3連結手段を、 各一端にて前記第1及び第2リンクの各一端に接続され
    前記基板から浮かせて前記第1方向に互いに平行に延設
    された第1及び第2サブリンク梁と、 前記第1及び第2サブリンク梁の各他端を連結するとと
    もに前記基板から浮かせて設けた第1サブリンクとで構
    成し、 前記第4連結手段を、 各一端にて前記第1及び第2リンクの各他端に接続され
    前記基板から浮かせて前記第1方向に互いに平行に延設
    された第3及び第4サブリンク梁と、 前記第3及び第4サブリンク梁の各他端を連結するとと
    もに前記基板から浮かせて設けた第2サブリンクとで構
    成した力学量検出装置。
  6. 【請求項6】前記請求項1乃至請求項5のうちのいずれ
    か一つに記載した力学量検出装置において、さらに、 前記基板上に設けられ前記第1乃至第4フレームを前記
    第1方向に駆動するための第1乃至第4駆動電極部と、 前記基板上に設けられ前記第1及び第2振動子の前記第
    2方向の振動を検出するための第1乃至第4検出電極部
    とを設けた力学量検出装置。
  7. 【請求項7】前記請求項1に記載した力学量検出装置に
    おいて、 記基板上に前記第1方向に非対称配置され正負異なる
    電圧の付与によって前記第1及び第2振動子を前記第1
    方向であって互いに反対方向に振動させる第1及び第2
    駆動電極部と、 前記基板上に設けられ前記第1及び第2振動子の前記第
    2方向の振動を検出するための検出用信号を前記第1及
    び第2振動子に付与する第1及び第2検出電極部と、第2連結手段に接続されて前記第1及び第2振動子
    の前記第2方向の振動を表す信号を取り出すための出力
    端子とを備えたことを特徴とする力学量検出装置。
  8. 【請求項8】前記請求項7に記載した力学量検出装置に
    おいて、 前記第1及び第2駆動電極部をそれぞれ一対の櫛歯状電
    極指で構成するとともに、前記第1及び第2検出電極部
    をそれぞれ一対の櫛歯状電極指で構成し、前記第1及び
    第2振動子の前記第2方向の振動に伴う前記第1及び第
    2検出電極部の静電容量の変化を表す信号を、前記第1
    及び第2振動子の前記第2方向の振動を表す信号として
    前記出力端子から取り出すようにしたことを特徴とする
    力学量検出装置。
  9. 【請求項9】前記請求項7又は請求項8に記載した力学
    量検出装置において、 前記第1及び第2駆動電極部に、前記第1及び第2振動
    子の前記第1方向の共振周波数にほぼ等しくかつ互いに
    逆相の交流成分を含む駆動電圧信号を付与するととも
    に、 前記第1及び第2検出電極部に、前記第1及び第2振動
    子の前記第2方向の共振周波数から離れた周波数領域の
    高周波信号を付与し、 前記出力端子に増幅器を接続して、前記出力端子から前
    記第1及び第2振動子の前記第2方向の振動を表す信号
    を取り出すようにしたことを特徴とする力学量検出装
    置。
  10. 【請求項10】前記請求項1に記載した力学量検出装置
    において、 一端にて前記第1及び第2フレームにそれぞれ接続さ
    れて前記第1方向に延設され、各他端にて前記第1振動
    子にそれぞれ接続されて前記第1振動子を前記第1及び
    第2フレームに対して前記基板表面と平行かつ前記第1
    方向に直角な第2方向に変位可能に支持する第1及び第
    2検出用梁と、 前記基板上に設けられ前記第1振動子の前記第2方向へ
    の振動を検出するための第1検出電極部と、 一端にて前記第3及び第4フレームにそれぞれ接続さ
    れて前記第1方向に延設され、各他端にて前記第2振動
    子にそれぞれ接続されて前記第2振動子を前記第3及び
    第4フレームに対して前記第2方向に変位可能に支持す
    る第3及び第4検出用梁と、 前記基板上に設けられ前記第2振動子の前記第2方向へ
    の振動を検出するための第2検出電極部とを備え、 前記第1及び第2検出電極部を、 前記基板にそれぞれ固定されるとともに前記第1方向に
    延設された櫛歯状の固定電極指と、 前記第1及び第2振動子にそれぞれ接続されるとともに
    前記第1方向に延設されて前記固定電極指間に進入させ
    た櫛歯状の可動電極指とでそれぞれ構成し、 前記第1及び第2検出電極部の各固定電極指と各可動電
    極指との前記第2方向の各ギャップの幅と、前記第1乃
    至第4検出用梁の前記第2方向の幅とを等しく設定した
    ことを特徴とする力学量検出装置。
  11. 【請求項11】前記請求項1に記載した力学量検出装置
    において、 記第1及び第2フレームと前記第1振動子との各間の
    少なくとも一方の間に、前記第1振動子の前記第1又は
    第2フレームに対する前記第2方向への振動に対してダ
    ンピング機能を果たす第1ダンピング部と、 前記第3及び第4フレームと前記第2振動子との各間の
    少なくとも一方の間に、前記第2振動子の前記第3又は
    第4フレームに対する前記第2方向への振動に対してダ
    ンピング機能を果たす第2ダンピング部と を設けたこと
    を特徴とする力学量検出装置。
  12. 【請求項12】前記請求項11に記載した力学量検出装
    置において、 前記第1ダンピング部を、 前記第1又は第2フレーム側に接続されるとともに前記
    第1方向に延設された櫛歯状の第1フレーム側櫛歯部材
    と、 前記第1振動子側に接続されるとともに前記第1方向に
    延設されて前記第1フレーム側櫛歯部材間に進入させた
    櫛歯状の第1振動子側櫛歯部材とで構成するとともに、 前記第2ダンピング部を、 前記第3又は第4フレーム側に接続されるとともに前記
    第1方向に延設された櫛歯状の第2フレーム側櫛歯部材
    と、 前記第2振動子側に接続されるとともに前記第1方向に
    延設されて前記第2フレーム側櫛歯部材間に進入させた
    櫛歯状の第2振動子側櫛歯部材とで構成し、 前記第1振動子の前記第1又は第2フレームに対する前
    記第2方向への振動を減衰させるとともに、前記第2振
    動子の前記第3又は第4フレームに対する前記第2方向
    への振動を減衰させるようにしたことを特徴とする力学
    量検出装置。
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