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JP3504382B2 - 多層積層体 - Google Patents

多層積層体

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JP3504382B2
JP3504382B2 JP13427295A JP13427295A JP3504382B2 JP 3504382 B2 JP3504382 B2 JP 3504382B2 JP 13427295 A JP13427295 A JP 13427295A JP 13427295 A JP13427295 A JP 13427295A JP 3504382 B2 JP3504382 B2 JP 3504382B2
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JP
Japan
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ethylene
weight
copolymer
layer
propylene
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JP13427295A
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宏孝 田越
策好 中上
裕司 吉良
Original Assignee
昭和電工株式会社
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Publication date
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車、車両、船舶等
の内装用材料として好適に用いられる、耐熱性及び軟性
に優れ、比較的容易に発泡成形する事が可能で、かつ積
層も容易な多層積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車、車両、船舶等の床、壁、
天井等の内装材やドア、椅子、ソファー等の表皮材料と
しては、一般にポリ塩化ビニルが最上層に用いられてお
り、これにポリウレタン或いはポリプロピレン系架橋発
泡層及び必要に応じて基板材で順次裏打ちされた多層積
層体が従来から用いられている。近年、環境問題への関
心が高まり、燃焼処理時に有毒ガスを生じない材料や再
利用の容易な材料への代替が進んでいる。このような流
れの中で従来使用されてきた塩化ビニル系材料を非塩素
系材料であるポリオレフィン系材料に代替する提案が多
数出されている(例えば、特開昭55−71738号公
報、特開昭55−71739号公報、特開昭58−12
9006号公報、特開昭62−81443号公報、特開
平1−292065号公報など)。
【0003】一方、上記の表皮材料にクッション性を持
たせるためのバッキング材料として発泡材料が使用され
るが、該発泡材料としては、性能的にみて発泡ウレタン
もしくは架橋発泡ポリプロピレンのほぼ2種類に限られ
ているのが実状である。その上、地球資源保護の観点か
らリサイクル利用の要求が高まってきている現在におい
ては、後者の架橋発泡ポリプロピレンがこれらの要求を
満たす唯一の発泡材料となっており、積極的な開発、改
良が進められている(例えば、特開昭56−34732
号公報、特開昭62−34930号公報など)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記架
橋発泡ポリプロピレンは、樹脂組成及び発泡剤の選択は
勿論樹脂の架橋方法、発泡条件等極めて高度な技術が要
求される上に、電子線照射装置、連続加熱発泡炉等特殊
な設備が必要であるという問題があった。また、他材料
との接着性に劣るため接着剤を使用する必要があり、熱
プレス法あるいは遠赤外線加熱法等の熱溶着ができない
という問題があった。本発明は、かかる状況に鑑みてな
されたものであり、耐熱性および柔軟性に優れ、比較的
容易に発泡成形する事が可能で、かつ、積層も容易な多
層積層体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
の解決のため種々検討し、下記構成による多層積層体を
発明するに至った。即ち、本発明はショアA硬度が55
〜96である熱可塑性エラストマーからなる表皮層
(I)と、(a1)エチレンと、不飽和カルボン酸、不
飽和ジカルボン酸、不飽和ジカルボン酸無水物及び不飽
和ジカルボン酸ハーフエステルからなる群から選ばれた
少なくとも1種の単量体を共重合して得られ、かつエチ
レンに由来する単位の含有量が30〜99.5重量%で
あるエチレン系共重合体 1〜99重量%並びに(a
2)エチレンと、エポキシ基含有不飽和化合物、アミノ
基含有不飽和化合物及び水酸基含有不飽和化合物からな
る群から選ばれた少なくとも1種の単量体を共重合して
得られ、かつエチレンに由来する単位の含有量が30〜
99.5重量%であるエチレン系共重合体 99〜1重
量%からなるエチレン系樹脂組成物(A)に、(A)成
分100重量部に対し100〜250℃において分解し
得る有機系発泡剤(B) 0.1〜50重量部を配合し
た樹脂組成物を発泡させて得られる発泡層(II) と、木
質系フェノール樹脂材料からなる基材層(III)の少なく
とも3層からなる多層積層体を提供するものである。以
下、本発明を詳細に説明する。
【0006】本発明の多層積層体を構成する表皮層
(I)は、ショアA硬度が55〜96である熱可塑性エ
ラストマーである。ショアA硬度は60〜95が好まし
く、特に65〜90が好適である。ショアA硬度が55
未満では樹脂が柔軟になりすぎ、ベタツキ感が出たり、
耐傷つき性が低下する。一方、96を超えると樹脂が硬
くなりすぎて触感を損ねるために好ましくない。
【0007】なお、ショアA硬度はASTM D224
0に準拠して測定される値である。本発明に用いる熱可
塑性エラストマーとしては、スリットダイ法を用いて1
70℃で測定した際の剪断速度101 sec-1における
溶融粘度η1 と剪断速度102 sec-1における溶融粘
度η2 との比(η1 /η2 )が3.5〜8、とりわけ
4.5〜7であるものが好ましい。なお、スリットダイ
法とは、温度170℃において幅20mm、高さ1.5
mm、長さ60mmのスリットダイを用いて溶融粘度を
測定する方法である。この方法については、C. D. Han,
Rheology in Polymer Processing, Academic, NewYor
k, (1976) 或いは J. L. White, Principles of Polyme
r Engineering Rheology, John Wiley, New York, (199
0)に詳しい記載がある。具体的には、市販のスリットダ
イを有する粘度計(東洋精機製作所製ラボプラストミル
D20−20型)を用いて測定することができる。
【0008】本発明の表皮層(I)に好ましく用いられ
る熱可塑性エラストマーの具体例としては、ポリプロピ
レンブロックと、プロピレンとエチレン及び/叉は炭素
数4〜12のα−オレフィンとの共重合体ブロックから
なるプロピレン−α−オレフィン共重合体(以下「PP
共重合体」と略す)を挙げることができる。ここで用い
られるα−オレフィンとしては、1−ブテン、3−メチ
ル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチ
ル−1−ペンテン、4−ジメチル−1−ペンテン、ビニ
ルシクロペンタン、ビニルシクロヘキサン等が挙げられ
る。これらのα−オレフィンは1種でもよく、2種以上
を混合して用いてもよい。このようなPP共重合体は、
後に述べる発泡層と直接接着させる場合においてより強
い接着強度を得ることが可能になる。
【0009】さらに、上記PP共重合体において、プロ
ピレンとエチレン及び/叉は炭素数4〜12のα−オレ
フィンとの共重合体からなる共重合体ブロックがPP共
重合体全体に占める割合は、一般に35〜75重量%が
好ましく、さらに38〜70重量%が好ましく、とりわ
け40〜65重量%が好適である。
【0010】本発明に用いるPP共重合体としては、特
に下記(a)および(b)の特性を有するものが好まし
い。すなわち、(a)温度25℃におけるパラキシレン
不溶分が25〜65重量%の範囲にあること、および
(b)温度25℃におけるパラキシレンに可溶分は、
(i)2サイトモデルによる平均のプロピレンに由来す
る単位の含量(FP)が35〜80重量%、(ii)2サ
イトモデルにおいてプロピレンを優先的に重合する活性
点で生成する共重合体(PH )のプロピレンに由来する
単位の含量(PP)が65〜95重量%および(iii)PH
がパラキシレン可溶分1.00中に占める割合
(Pf1)が、0.60〜0.90の範囲である。
【0011】(a)パラキシレン不溶分とは、PP共重
合体を温度130℃でパラキシレンに約1重量%溶解し
た後、25℃まで冷却したときの不溶分であり、本発明
のPP共重合体中のパラキシレン不溶分は25〜65重
量%が好ましく、特に30〜60重量%が好適である。
【0012】また、(b)パラキシレン可溶分は上記操
作により溶解した成分であり、2サイトモデルにより求
められる性状が前記範囲にあることが好ましい。PP
びPH を求める方法としては、まずPP共重合体の温度
25℃でのパラキシレンに可溶した成分を、1,2,4
−トリクロロベンゼン/重水素化ベンゼンの混合溶媒に
ポリマー濃度が10重量%となるように温度120℃で
加温して溶解する。この溶液を10mmφガラス製試料
管に入れ、13C−NMRスペクトルを測定することによ
り求められる。
【0013】2サイトモデルは、重合反応機構を仮定す
るモデルであり、H. N. CHENG, Jounal of Applied Pol
ymer Sience, Vol.35, 1639-1650(1988)に記載がある。
すなわち、触媒を用いてプロピレンとエチレンを共重合
するモデルにおいて、プロピレンを優先的に重合する活
性点で生成する共重合体(PH )のプロピレン含量(P
P )とエチレンを優先的に重合する活性点で生成する共
重合体のプロピレン含量(P’P )の2つを仮定し、さ
らにPH の共重合体全体に占める割合(Pf1)をパラメ
ータとすると表1に示す確率方程式が得られる。
【0014】
【表1】
【0015】得られた13C−NMRスペクトルの各ピー
クの相対強度比と、表1に示す確率方程式から求められ
る強度比が一致するようにPP 、P’P およびPf1の3
個のパラメータを最適化することにより求められる。
尚、13C−NMRスペクトルの各ピークの帰属は C. J.
Carman, et al, Macromolecules, Vol.10, 536-544(19
77) に記載がある。
【0016】本発明のPP共重合体における、パラキシ
レン可溶分の(i)平均プロピレン含量(FP)は、上
記3個のパラメーターを用いて次式(1)で求められ
る。 FP=PP ×Pf1+PP ’×(1−Pf1) (1) 上記式(1)で求められるFPは35〜80重量%が好
ましく、特に40〜70重量%が好適である。また、
(ii)PP は65〜95重量%が好ましく、とりわけ7
0〜90重量%が好適である。さらに、(iii)Pf1
0.50〜0.90が好ましく、とりわけ0.55〜
0.85が好適である。
【0017】本発明に関わるPP共重合体の重合は、ヘ
キサン、ヘプタン、灯油などの不活性炭化水素またはプ
ロピレンなどの液化α−オレフィン溶媒の存在下で行う
スラリー法、無溶媒下の気相重合法などにより、温度条
件としては室温〜130℃、好ましくは50〜90℃、
圧力2〜50Kg/cm2 の条件で行われる。重合工程
における反応器は、当該技術分野で通常用いられる物が
適宜使用でき、例えば撹拌槽型反応器、流動床型反応
器、循環式反応器を用いて連続式、反回分式、回分式の
いずれかの方法でも良い。具体的には、公知の多段重合
法を用いて得られる。すなわち、第1段の反応器でプロ
ピレン及び/またはプロピレン−α−オレフィン共重合
体を重合した後、第2段の反応でプロピレンとα−オレ
フィンとの共重合を行う方法であり、例えば、特開平3
−97747号公報、特開平3ー205439号公報、
特開平4−153203号公報、特開平5−93024
号公報、特開平4−261423号公報などに記載され
ている。
【0018】本発明に用いるPP共重合体は、メルトフ
ローレート(JIS K7210に準拠し、表1、条件
14にて測定、以下「MFR」という)が一般に0.0
5〜50g/10分、好ましくは0.1〜10g/10
分、さらに好ましくは0.5〜5g/10分である。
【0019】さらに、本発明の表皮層(I)に用いられ
る他の熱可塑性エラストマーとしては、例えばポリオレ
フィンとエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムの部
分架橋物との混合物を挙げることができる。具体的には
次のようなものが例示できる。 1)エチレンまたはプロピレンの単独重合体または少量
の他のコモノマーとの共重合体で代表される各種ポリオ
レフィン樹脂、及びエチレンと炭素数3〜14のα−オ
レフィンとの2元共重合体ゴム、またはこれに各種ポリ
エン化合物を更に共重合させた3元共重合体ゴムである
エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムの部分架橋物
の混合物からなる、熱可塑性樹脂組成物。 2)ポリオレフィン樹脂とエチレン・α−オレフィン系
共重合体ゴムとの組成物を、動的に熱処理して得られた
熱可塑性樹脂組成物。 3)ポリオレフィン樹脂とエチレン・α−オレフィン系
共重合体ゴムとの組成物を、動的に熱処理して得られた
物に、さらにポリオレフィンをブレンドして得られた熱
可塑性樹脂組成物。 4)エチレンまたはプロピレンの単独重合体、またはこ
れらと少量のコモノマーとの共重合体で代表される各種
ペルオキシド非架橋型ポリオレフィン樹脂とエチレン・
α−オレフィン系共重合体ゴムとの組成物を、動的に熱
処理して得られる熱可塑性組成物、等を挙げる事ができ
る。
【0020】ポリオレフィン系樹脂とエチレン・α−オ
レフィン系共重合体ゴムの部分架橋物とは、80/20
〜20/80の重量比、好ましくは70/30〜30/
70の重量比となるように混合して用いられる。ポリオ
レフィン系樹脂としては、シートの成形し易さ、シート
の耐傷付き性等の点からポリエチレンが用いられる。特
に低密度ポリエチレンとポリプロピレンとを10/90
〜70/30の重量比で混合して用いることが好まし
い。また、部分架橋されるエチレン・α−オレフィン系
共重合体ゴムとしては、主として強度面から、エチレン
とα−オレフィンとが50/50〜90/10のモル
比、好ましくは70/30〜85/15のモル比で、ま
たムーニー粘度ML1+ 4 (121℃)が約20以上、更
には約40〜80のものが好ましい。エチレン・α−オ
レフィン系共重合体ゴムの部分架橋は、一般に原料樹脂
100重量部に対し0.1〜2重量部のペルオキシドを
用いて、動的に熱処理して行われる。
【0021】以上に例示した表皮層(I)に用いられる
熱可塑性エラストマーには、必要に応じてゴム状重合体
を混合することもできる。ゴム状重合体としては、例え
ば、天然ゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロ
ロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、イソブテン
−イソプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴ
ム、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プ
ロピレン−非共役ジエン共重合体ゴム、プロピレン−ブ
テンゴム、ブチルゴム、シリコンゴム、クロロシリコン
ゴム、ニトリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、スチレ
ン/イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン
−エチレン/イソプレン−スチレンブロック共重合体、
スチレン/ブタジエン−スチレンブロック共重合体等が
挙げられる。或いは、ゴム用軟化剤を混合した物も用い
ることができる。ゴム用軟化剤は、通常ゴムをロール加
工する際に、ゴムの分子間力を弱め、加工を容易にする
と共に、カーボンブラック、ホワイトカーボン等の分散
を促し、または加硫ゴムの硬さを低下せしめて、柔軟
性、ゴム弾性を増す目的で使用されている石油留分で、
パラフィン系、ナフテン系、芳香族系等に区別されてい
る。好適には、パラフィン系のプロセスオイルが用いら
れる。
【0022】また、本発明に関わる熱可塑性エラストマ
−には、フタル酸エステル系可塑剤やシリコーンオイル
を加えて用いることもできる。ここで用いられるフタル
酸エステル系可塑剤とは、塩化ビニル樹脂の可塑剤とし
て一般に使用されているものが挙げられる。フタル酸エ
ステル系可塑剤の具体例としては、フタル酸ジメチル、
フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジ
ブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ2−エチルヘ
キシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジn−オク
チル、フタル酸ジノリル、フタル酸ジイソデシル、フタ
ル酸ジトリデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル
酸ブチルベンジル、フタル酸ブチルラウリル、フタル酸
メチルオレイル等を例示することができる。これらの中
でも、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸
ジイソブチルを用いることが推奨される。また、ここで
用いられるシリコーンオイルとは、Si基を含有するオ
イルであり、作動油、離型剤、消泡剤、塗料添加剤、化
粧品添加剤として利用されているものが挙げられる。シ
リコーンオイルの具体例としては、ジメチルポリシロキ
サン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフ
ェニルポリシロキサンやアルキル変性シリコーン、アミ
ノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボキ
シル変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、クロ
ロアルキル変性シリコーン、アルキル高級アルコール変
性シリコーン、アルコール変性シリコーン、ポリエーテ
ル変性シリコーン、フッ素変性シリコーン等を例示する
ことができる。これらの中でも、ジメチルポリシロキサ
ン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェ
ニルポリシロキサンを用いることが推奨される。以上に
述べた、ゴム状重合体、ゴム用軟化剤、フタル酸エステ
ル系可塑剤或いはシリコーンオイルは、PP共重合体に
対し、60重量%以下、好ましくは30重量%以下、さ
らに好ましくは20重量%以下の割合で加えることがで
きる。
【0023】本発明の表皮層(I)に用いられる熱可塑
性エラストマーには、該材料の特徴を損なわない範囲で
他の添加剤、配合剤、充填剤を使用する事が可能であ
る。これらを具体的に示せば、ガラス、カーボンブラッ
ク、酸化亜鉛、クレー、タルク、重質炭酸カルシウム、
カオリン、けいそう土、シリカ、アルミナ、アスベス
ト、グラファイト等の無機充填剤の他、有機充填剤、酸
化防止剤(耐熱安定剤)、紫外線吸収剤(光安定剤)、
帯電防止剤、、難燃剤、滑剤(スリップ剤、アンチブロ
ッキング剤)、補強剤、着色剤(染料、顔料)、発泡
剤、香料等が挙げられる。
【0024】本発明の発泡層(II)に用いられるエチレ
ン系共重合体(a1)は、エチレンと、不飽和カルボン
酸、不飽和ジカルボン酸、不飽和ジカルボン酸無水物及
び不飽和ジカルボン酸ハーフエステルからなる群から選
ばれた少なくとも1種の単量体(以上総称して「第二成
分(1)」という)を共重合して得られ、かつエチレン
に由来する単位の含有量が30〜99.5重量%である
共重合体である。第二成分(1)の代表例としては、
(メタ)アクリル酸、α−エチルアクリル酸等の炭素数
が多くとも25個の不飽和モノカルボン酸、或はマレイ
ン酸、イタコン酸、テトラヒドロフタル酸、シトラコン
酸等の炭素数が4〜50個の不飽和ジカルボン酸や、無
水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無
水エンディック酸、ドデセニル無水コハク酸、1−ブテ
ン−3,4−ジカルボン酸無水物、炭素数が多くとも1
8である末端に二重結合を有するアルカジエニル無水コ
ハク酸等の炭素数が4〜50個の不飽和ジカルボン酸無
水物が挙げられる。これらは単独で、あるいは2種類以
上を組み合わせて用いても差し支えない。
【0025】本発明に用いるエチレン系共重合体(a
1)としては、エチレンと第二成分(1)の他に、エチ
レンと共重合可能なその他のモノマーを加えて共重合し
た多元共重合体ならびにこれらの共重合体中の酸無水物
基を加水分解および/またはアルコール変性させること
によって得られるものを用いることができる。その他の
モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プ
ロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル
酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)ア
クリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ベンジル、フマ
ル酸ジメチル、マレイン酸ジメチル等の不飽和カルボン
酸アルキルエステル、酢酸ビニルエステル、プロピオン
酸ビニルエステル等のビニルエステル、(メタ)アクリ
ルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N
−ジメチルメタクリルアミド等の不飽和アミド化合物、
(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和
カルボン酸、メチルビニルエーテル、エチルビニルエー
テル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル
等のエチレン系不飽和エーテル化合物、スチレン、α−
メチルスチレン、ノルボルネン、ブタジエン等のエチレ
ン系不飽和炭化水素化合物、(メタ)アクリル酸ジメチ
ルアミノエチルエステル等の三級アミノ基含有エチレン
系不飽和化合物、その他(メタ)アクリロニトリル、ア
クロレイン、クロトンアルデヒド、トリメトキシビニル
シラン、(メタ)アクリル酸トリメトキシシリルプロピ
ルエステル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、N−ビニル
アセトアミド、N−ビニルホルムアミド等を挙げること
ができる。これらは単独で、あるいは2種類以上を組み
合わせて用いても差し支えない。
【0026】エチレン系共重合体(a1)のエチレンに
由来する単位の含有量は30〜99.5重量%であり、
30〜99.0重量%が好ましく、特に35〜99.0
重量%が好適である。エチレンに由来する単位の含有量
が30重量%未満では製造が困難になる上、経済的でも
ない。一方、99.5重量%を超えると耐熱性が低下す
るので好ましくない。また、該共重合体に用いる第二成
分(1)の共重合割合は、それらの合計量として一般に
30重量%以下である。
【0027】さらに、発泡層(II) に用いられるエチレ
ン系共重合体(a2)は、エチレンと、エポキシ基含有
不飽和化合物、アミノ基含有不飽和化合物及び水酸基含
有不飽和化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種
の単量体(以上総称して「第二成分(2)」という)を
共重合して得られ、かつエチレンに由来する単位の含有
量が30〜99.5重量%であるエチレン系共重合体で
ある。第二成分(2)のエポキシ基含有不飽和化合物の
例としては下記の一般式(I)〜(III)に示される化合
物が挙げられる。
【0028】
【化1】
【化2】
【化3】 (式中、R1 はエチレン系不飽和結合を有する炭素数2
〜18の炭化水素基を、R2 は炭素数が1〜12の直鎖
状もしくは分岐アルキレン基を、Xは−O−または−N
H−を、Yは−CH2 −O−または
【化4】 [ただし、R3 は水素またはメチル基を表す]をそれぞ
れ表す)
【0029】これらの代表例としては、グリシジル(メ
タ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリルアミ
ド、グリシジルアルキル(メタ)アクリレート、イタコ
ン酸グリシジルエステル類、アリルグリシジルエーテ
ル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、スチレン−
p−グリシジルエーテル、(4−グリシジルオキシ−
3,5−ジメチルフェニル)メチル(メタ)アクリルア
ミド等が挙げられる。
【0030】また、アミノ基含有不飽和化合物として
は、炭素数3〜25のラジカル重合性不飽和アミン、炭
素数3〜25の(アルキル)アミノアルキル(メタ)ア
クリレート、炭素数3〜25の(アルキル)アミノアル
キル(メタ)アクリルアミド等が用いられ、例えばビニ
ルベンジルアミン、(アミノカルボニル)メチル(メ
タ)アクリレート、7−アミノ−3,7−ジメチルオク
チル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、
N−(2−モルホリノエチル)(メタ)アクリルアミ
ド、N−(3−プロピルアミノプロピル)(メタ)アク
リルアミド等が挙げられる。
【0031】さらに、水酸基含有不飽和化合物として
は、炭素数3〜25の水酸基含有ラジカル重合性不飽和
化合物、炭素数3〜25のヒドロキシアルキル(メタ)
アクリレート、炭素数3〜25のヒドロキシアルキル
(メタ)アクリルアミド等が用いられ、例えば2−ヒド
ロキシエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシシクロヘキシル
(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レート、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリ
レート等が挙げられる。
【0032】本発明に用いるエチレン系共重合体(a
2)については、エチレンと第二成分(2)の他に、エ
チレンと共重合可能なその他のモノマーを加えて共重合
した多元共重合体であってもよい。その他のモノマーと
しては、上記エチレン系共重合体(a1)で使用される
その他のモノマーとして例示した化合物群から選ぶこと
ができる。さらに、エチレン系共重合体(a2)のその
他の例としては、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体
の鹸化物(第二成分(2)としてビニルアルコールを用
いたことと同じである)、エチレン−ビニルホルムアミ
ド共重合体の鹸化物(第二成分(2)としてビニルアミ
ンを用いたことと同じである)等が挙げられる。
【0033】エチレン系共重合体(a2)のエチレンに
由来する単位の含有量は30〜99.5重量%であり、
30〜99.0重量%が好ましく、特に35〜99.0
重量%が好適である。エチレンに由来する単位の含有量
が30重量%未満では製造が困難になる上、経済的でも
ない。一方、99.5重量%を超えると耐熱性が低下す
るので好ましくない。また、該共重合体に用いる第二成
分(2)の共重合割合は、それらの合計量として一般に
30重量%以下である。前記エチレン系共重合体(a
1)およびエチレン系共重合体(a2)のMFR(JI
S K7210の表1、条件4で測定)は、一般に0.
01〜1000g/10分であり、0.05〜500g
/10分が好ましく、特に0.1〜500g/10分が
好適である。
【0034】これらのエチレン系共重合体のうち、共重
合法によって製造する場合では、通常500〜2500
kg/cm2 の高圧下で120〜260℃の温度でラジ
カル重合開始剤(例えば、有機過酸化物)の存在下でエ
チレンと第二成分(1)もしくは第二成分(2)または
これらと他のモノマーを共重合させることによって製造
することができ、それらの方法については良く知られて
いるものである。また、前記エチレン系共重合体(a
1)のうち加水分解および/アルコールによる変性によ
って製造する方法についても良く知られている。
【0035】さらに、本発明の発泡層(II)に用いられ
る発泡剤(B)は、前記エチレン系共重合体(a1)お
よび(a2)の溶解温度より高い分解温度を有するもの
であって、100〜250℃の温度範囲で分解するもの
であれば特別な制限はないが、分解温度が110℃以上
のものが望ましく、特に130℃以上のものが好適であ
る。発泡剤の好適な例としては、例えば、ジニトロソペ
ンタメチレンテトラミン、アゾビスイソブチロニトリ
ル、アゾジカルボンアミド、パラトルエンスルホニルヒ
ドラジド、4,4’−オキシビスベンゼンスルホニルヒ
ドラジド、ヒドラジン等の化合物或いはこれらの混合物
が挙げられる。
【0036】これらの発泡剤は、さらに発泡助剤を併用
することによって、一層発泡効果を上げることができ
る。発泡助剤は、使用する発泡剤の種類により異なるた
めに、一概に規定することはできないが、例えば、発泡
剤としてアゾジカルボンアミドを用いる場合には、発泡
助剤としては、酸化亜鉛(亜鉛華)、硫酸鉛、尿素、ス
テアリン酸亜鉛等が用いられる。また、発泡剤がジニト
ロソペンタメチレンテトラミンの場合には、発泡助剤と
しては、サリチル酸、フタル酸、ホウ酸、尿素樹脂等が
用いられる。本発明の発泡層に用いるエチレン系樹脂組
成物(A)中に占めるエチレン系共重合体(a1)の割
合は1〜99重量%であり、5〜95重量%が好まし
く、とりわけ10〜90重量%が好適である。(a1)
が1重量%未満あるいは99重量%を超える場合には耐
熱性が低下するので好ましくない。また、発泡剤の配合
量は、エチレン系樹脂組成物(A)100重量部に対し
て、0.1〜50重量部であり、1.0〜40重量部が
好ましく、とりわけ2.0〜30重量部が好適である。
発泡剤の組成割合が0.1重量部未満では発泡倍率が不
十分となる。一方、50重量部を超えるとクッション性
が低下するので好ましくない。
【0037】こうして得られる発泡性組成物は、電子線
照射装置等の特別な装置を用いることなく比較的容易に
架橋構造を導入することが可能でありまた、発泡方法に
ついても特段の加熱発泡炉等の装置を必要としない。ま
た、本発明に関わる発泡性樹脂組成物は他の材料と良好
な接着性を示すという特長を有する。最も特徴的なの
は、発泡性樹脂組成物を加熱して発泡させる際に同時に
他の材料、例えば前記の熱可塑性エラストマ−はもちろ
ん、後に述べる種々の基板材等と熱成形プレスなどの熱
接着法を用いて積層することが可能になり、その接着強
度も良好なことである。
【0038】さらに、本発明における基材層(III) は、
木質系フェノール樹脂からなる板材である。木質系フェ
ノール樹脂板は、パルプ繊維、パルプチップ、オガクズ
等木質系材料にフェノール樹脂を含浸させ加熱圧縮成形
して得られる。この樹脂板は単層で用いることもできる
し、合成樹脂フィルム、ダンボール紙或は金属箔等の材
料で作られたハニカム構造や樹脂材料を用いた発泡構造
等を中間層として使用した多層構造体にして用いること
もできる。本基材は軽量で、かつ強度がありコストも比
較的安価である等多くの利点を有している。
【0039】本発明の多層積層体においては、表皮層
(I)の厚さは0.1〜2mmが好ましく、さらに好ま
しくは0.2〜1.5mm、特に0.3〜1mmが好適
である。発泡層(II)の厚さは1〜10mmが好まし
く、更には1〜8mm、特に2〜8mmが好適である。
また、発泡倍率は1.5〜50倍が好ましく、より好ま
しくは2〜40倍、特に好ましくは2〜30倍である。
基材層(III)の厚さは0.5〜25mmが好ましく、更
には1〜20mm、特に2〜15mmが好適である。
【0040】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、むろん本発明はこれらによって限定されるもの
ではない。。各物性の測定方法及び多層積層体の評価方
法を以下に記す。 (1)溶融粘度 幅20mm、高さ1.5mm、長さ60mmのスリット
ダイを有する(株)東洋精機製作所製ラボプラストミル
D20−20型を用いて測定した。 (2)パラキシレン不溶分 温度130℃でポリマーを濃度約1重量%になるように
パラキシレンにいったん溶解し、その後温度25℃まで
冷却し、析出したものをパラキシレン不溶分とした。 (3)13C−NMRスペクトル パラキシレン可溶分については次の条件で測定した。 測定器機 : 日本電子(株)製 JNM−GS
X400 測定モード : プロトンデカップリング法 パルス幅 : 8.0μsec パルス繰返時間: 5.0sec 積算回数 : 20000回 溶媒 : 1,2,4−トリクロロベンゼン/
重水素化ベンゼンの混合溶媒(75/25容量%) 内部標準 : ヘキサメチルジシロキサン 試料濃度 : 300mg/3.0ml溶媒 測定温度 : 120℃
【0041】(4)耐熱平均シボ変化率 表皮にシボ加工した多層積層体を100℃で24時間ギ
アオーブン中で加熱し、この加熱試験前後における平均
シボ深度を表面粗さ計で測定しその変化率(%)で表し
た。 (5)耐熱寸法変化 多層積層体シート(大きさ10cm×10cm)を12
0℃で1時間ギヤオーブン中で加熱した後、厚さ及び面
積を測定し、その体積変化率(%)で表した。 (6)触感及びクッション性 触感は、自動車内装用塩化ビニル表皮との比較で評価
し、ベタツキがなくほぼ同等の温感、スベリ性、柔軟感
があるものを良好とした。クッション性は自動車内装用
積層体(表皮:厚さ0.5mm塩化ビニル,発泡層:厚
さ2mmの架橋ポリプロピレン発泡体)との比較で評価
し、ほぼ同等のクッション感があるものを良好とした。 (7)接着強度 試験片(25mm幅)を引張試験機を用いて、表皮層−
発泡層間及び発泡層−基材層間のT型剥離強度(引張り
速度200mm/分)を測定した。本試験で発泡層或は
基材層が材料破壊したものは、「材料破壊」とした。
【0042】また、熱可塑性エラストマーとして、参考
例1〜4及び表2に示すエチレン・α−オレフィン系共
重合体ゴムの部分架橋物とポリオレフィンとの混合物、
および表2に示すプロピレン−α−オレフィン共重合体
を用いた。さらに、基材として次の2種類のものを用い
た。 基材A:パルプ繊維にフェノール樹脂を含浸させ、15
0℃で1分間熱プレスし圧縮硬化させた厚さ3mmの樹
脂板 基材B:中間層にダンボール紙を用いたハニカム構造を
有し、両外層がパルプ繊維にフェノール樹脂を含浸さ
せ、150℃で1分間熱プレスし圧縮硬化させた厚さ1
mmの樹脂板からなる全厚さが15mmである多層構造
【0043】<参考例1>エチレン・プロピレン・エチ
リデンノルボルネン3元共重合体〔エチレン/プロピレ
ンモル比が70/30、沃素価14、ムーニー粘度(M
1+4 ,121℃)59〕49重量%、ポリプロピレン
〔MFR(JIS K7210,表1,条件14)15
g/10分〕20重量%、ナフテン系プロセスオイル3
0重量%、及び1,3−ビス(第3ブチルペルオキシイ
ソプロピル)ベンゼン/トリメチロールプロパントリア
クリラート/パラフィン系鉱物油が重量比2/3/5で
ある混合物1重量%を、ヘンシェルミキサーで混合し、
その後この混合物を120〜140℃に予熱されたバン
バリーミキサーに投入し、180〜190℃で10分間
混練し架橋反応を行った。これを熱可塑性エラストマー
(1)とした。ショアA硬度は71、溶融粘度比(η1
/η2 )は4.9であった。
【0044】<参考例2>エチレン・プロピレン・エチ
リデンノルボルネン3元共重合体〔エチレン/プロピレ
ンモル比が70/30、沃素価14、ムーニー粘度(M
1+4 ,121℃)59〕69重量%、ポリプロピレン
〔MFR(JIS K7210,表1,条件14)15
g/10分〕30重量%、及び1,3−ビス(第3ブチ
ルペルオキシイソプロピル)ベンゼン/トリメチロール
プロパントリアクリラート/パラフィン系鉱物油が重量
比2/3/5である混合物1重量%を、ヘンシェルミキ
サーで混合し、その後この混合物を120〜140℃に
予熱されたバンバリーミキサーに投入し、180〜19
0℃で10分間混練し架橋反応を行った。これを熱可塑
性エラストマー(2)とした。ショアA硬度は82、溶
融粘度比は5.4であった。
【0045】<参考例3>エチレン・プロピレン2元共
重合体〔エチレン/プロピレンモル比が70/30、M
FR(JIS K7210,表1,条件14)0.02
g/10分,MW /MN =3.5,デカリン中135℃
の極限粘度は5.4dl/g〕43重量%、ポリプロピ
レン〔MFR(JIS K7210,表1,条件14)
0.5g/10分,結晶融点160℃〕19重量%、パ
ラフィン系プロセスオイル36重量%及び2,5−ジメ
チル−2,5ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン/ト
リアリルイソシアヌレートが重量比5/5である混合物
2重量%を、ヘンシェルミキサーで混合し、その後この
混合物を120〜140℃に余熱されたバンバリーミキ
サーに投入し、180〜190℃で10分間混練し架橋
反応を行った。これを熱可塑性エラストマー(3)とし
た。ショアA硬度は67、溶融粘度比は4.6であっ
た。
【0046】<参考例4>エチレン・プロピレン・エチ
リデンノルボルネン3元共重合体〔エチレン/プロピレ
ンモル比が60/40、沃素価18、ムーニー粘度(M
1+4 ,121℃)63〕を熱可塑性エラストマー
(4)とした。ショアA硬度は50、溶融粘度比は4.
1であった。
【0047】
【表2】
【0048】エチレン系共重合体(a1)として表3に
示す共重合体(ECA1〜7)を用いた。また、エチレ
ン系共重合体(a2)として表4に示す共重合体(EC
B1〜5)を用いた。また、上記ECA、ECBおよび
発泡剤を37mmφ−同方向二軸押出機を用いて樹脂温
110℃で混練し、表5に示す発泡性樹脂組成物(PO
F1〜16)を調製した。
【0049】
【表3】
【0050】
【表4】
【0051】
【表5】
【0052】発泡剤A:アゾジカルボンアミド/ZnO
=50/50(重量比)の混合物 発泡剤B:アゾジカルボンアミド/p,p’−オキソビ
ス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)=50/50(重
量比)の混合物 発泡剤C:アゾジカルボンアミド/ジニトロソペンタテ
トラミン/尿素=50/25/25(重量比)の混合物 発泡剤D:炭酸水素ナトリウム/クエン酸=90/10
(重量比)の混合物
【0053】実施例1 熱可塑性エラストマ−(1)を25mmφ−Tダイ押出
機を用いて樹脂温度210℃で厚さ0.5mmのシート
を成形し、150mm×150mmの大きさにしカット
した。次いで、表5に示したPOF1を、前記Tダイ押
出機を用いて樹脂温度110℃で厚さ1mmのシートを
成形し、150mm×150mmの大きさにしカットし
た。上下の金型を180℃に調整したプレス機に、アル
ミ製プレス平板、大きさ200×200mmにカットし
た基材A、POF1シート、熱可塑性エラストマ−
(1)シートを順次のせ、更に基材Aの上に3mmのス
ペーサーをはさんで剥離剤を塗布したシボつきアルミ製
プレス板をのせて上金型の自重のみで加熱プレスした。
5分間加熱した後プレス機から取り出し、直ちに水で冷
却して多層積層体を得た。
【0054】得られた多層積層体の発泡層の厚さは3m
mで、その発泡層を切りとりアルキメデス法で密度を測
定し発泡倍率を計算したところ4.3倍であった。ま
た、得られた多層積層体の耐熱性を評価したところ、平
均シボ変化率は5%、体積変化は3%未満であった。ま
た、触感及びクッション性も良好であった。さらに、多
層積層体の各層間接着強度を測定したところ、表皮層−
発泡層間では発泡層が材料破壊し、発泡層−基材層間で
は基材層が材料破壊し良好な接着性を有していることが
確認された。以上の結果を表6に示す。
【0055】実施例2〜20 参考例1〜3或いは表2に示した熱可塑性エラストマ
−、表5に示した発泡性樹脂組成物基材を用い、実施例
1と同様にしてそれぞれシートを成形した。但し、熱可
塑性エラストマ−(9)を用いた場合はシート厚さを
1.0mmとした。また、表6に示した組み合わせで表
皮層、発泡層及び基材を選択し、実施例1と同様にして
多層積層体を得た。但し、実施例4及び13では、プレ
ス時のスペーサー厚みを5mmとし、実施例7〜11で
はプレス時のスペーサー厚みを2mmとした。得られた
多層積層体の評価は、実施例1と同様に行った。それら
の結果を表6に示す。何れの場合も良好な多層積層体が
得られた。
【0056】比較例1〜8 表7に示した表皮層、発泡層及び基材層を用いて実施例
1と同様の方法で多層積層体を作製した。それらの評価
結果を表7に示す。熱可塑性エラストマー(4)或いは
(12)を用いた場合には、熱可塑性エラストマ−が柔
軟すぎて耐熱性が不足し、また、触感もベタツキが感じ
られ不良であった。熱可塑性エラストマー(10)或い
は(11)を用いた場合には、熱可塑性エラストマ−が
硬すぎて、触感が不良であった。また、発泡性樹脂組成
物としてPOF13〜16を用いた場合は、耐熱性が不
足し発泡層が溶融した。
【0057】比較例9 発泡層として、東レ製架橋発泡ポリプロピレンシート、
ペフ(発泡倍率25倍、厚さ2mm)を用いた。その結
果を表7に示す。表皮層と発泡層の層間接着強度が不足
し、界面剥離となった。
【0058】
【表6】
【0059】
【表7】
【0060】
【発明の効果】本発明の多層積層体は、耐熱性および柔
軟性に優れ、且つ比較的容易に発泡成形し積層する事が
可能であるので、自動車、車両、船舶等の内装用材料等
として有用である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−316016(JP,A) 特開 昭57−20344(JP,A) 特開 平5−329983(JP,A) 実開 昭64−3423(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ショアA硬度が55〜96である熱可塑
    性エラストマーからなる表皮層(I)と、(a1)エチ
    レンと、不飽和カルボン酸、不飽和ジカルボン酸、不飽
    和ジカルボン酸無水物及び不飽和ジカルボン酸ハーフエ
    ステルからなる群から選ばれた少なくとも1種の単量体
    を共重合して得られ、かつエチレンに由来する単位の含
    有量が30〜99.5重量%であるエチレン系共重合体
    1〜99重量%並びに(a2)エチレンと、エポキシ
    基含有不飽和化合物、アミノ基含有不飽和化合物及び水
    酸基含有不飽和化合物からなる群から選ばれた少なくと
    も1種の単量体を共重合して得られ、かつエチレンに由
    来する単位の含有量が30〜99.5重量%であるエチ
    レン系共重合体 99〜1重量%からなるエチレン系樹
    脂組成物(A)に、(A)成分100重量部に対し10
    0〜250℃において分解し得る有機系発泡剤(B)
    0.1〜50重量部を配合した樹脂組成物を発泡させて
    得られる発泡層(II) と、木質系フェノール樹脂材料か
    らなる基材層(III)の少なくとも3層からなる多層積層
    体。
  2. 【請求項2】 表皮層(I)の熱可塑性エラストマー
    が、スリットダイ法により測定した剪断速度101 se
    -1における溶融粘度η1 と剪断速度102 sec-1
    おける溶融粘度η2 との比(η1 /η2 )が3.5〜8
    である請求項1記載の多層積層体。
  3. 【請求項3】 表皮層(I)の熱可塑性エラストマー
    が、プロピレン−α−オレフィン共重合体であって、且
    つ該プロピレン−α−オレフィン共重合体がポリプロピ
    レンブロック65〜25重量%とプロピレンとエチレン
    及び/叉は炭素数4〜12のα−オレフィンとの共重合
    体ブロック35〜75重量%からなる請求項1または請
    求項2記載の多層積層体。
  4. 【請求項4】 表皮層(I)の厚さが0.1〜2mmで
    あり、発泡層(II)の厚さが1〜10mmであり、かつ
    基材層(III)の厚さが0.5〜25mmである請求項1
    〜3のいずれか1項に記載の多層積層体。
  5. 【請求項5】 発泡層(II)の発泡倍率が1.5〜50
    倍である請求項1〜4のいずれか1項に記載の多層積層
    体。
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