JP3497030B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
空気入りタイヤInfo
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- JP3497030B2 JP3497030B2 JP31442395A JP31442395A JP3497030B2 JP 3497030 B2 JP3497030 B2 JP 3497030B2 JP 31442395 A JP31442395 A JP 31442395A JP 31442395 A JP31442395 A JP 31442395A JP 3497030 B2 JP3497030 B2 JP 3497030B2
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- JP
- Japan
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- elastic modulus
- organic fiber
- tire
- layer
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-
- D—TEXTILES; PAPER
- D02—YARNS; MECHANICAL FINISHING OF YARNS OR ROPES; WARPING OR BEAMING
- D02G—CRIMPING OR CURLING FIBRES, FILAMENTS, THREADS, OR YARNS; YARNS OR THREADS
- D02G3/00—Yarns or threads, e.g. fancy yarns; Processes or apparatus for the production thereof, not otherwise provided for
- D02G3/44—Yarns or threads characterised by the purpose for which they are designed
- D02G3/48—Tyre cords
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Textile Engineering (AREA)
- Ropes Or Cables (AREA)
- Tires In General (AREA)
- Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高速耐久性とユニ
フォミティーとに優れた空気入りタイヤに関し、さらに
詳しくは、タイヤの扁平化によってベルト部への負荷が
増大した場合でも、軽量な有機繊維コードだけの補強層
によって優れた高速耐久性とユニフォミティーを達成す
る空気入りタイヤに関する。
フォミティーとに優れた空気入りタイヤに関し、さらに
詳しくは、タイヤの扁平化によってベルト部への負荷が
増大した場合でも、軽量な有機繊維コードだけの補強層
によって優れた高速耐久性とユニフォミティーを達成す
る空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、乗用車用空気入りタイヤでは、操
縦性能や高速性能を一層高めるため、タイヤの偏平化が
進んでいる。また、トラック,バス用タイヤにおいて
も、車両の積載量増大を低床化によって達成するための
対応としてタイヤの偏平化が進められている。このよう
に空気入りタイヤの扁平化が進むと、特にトレッド部に
ベルト層を配置した空気入りラジアルタイヤでは、ベル
ト層に対する負荷が増大し、高速走行時のベルト層端部
のせり上がり現象によるベルト層エッジ部のセパレーシ
ョンや、タイヤ外周の成長等が発生しやすくなって、タ
イヤの耐久性が著しく低下する。
縦性能や高速性能を一層高めるため、タイヤの偏平化が
進んでいる。また、トラック,バス用タイヤにおいて
も、車両の積載量増大を低床化によって達成するための
対応としてタイヤの偏平化が進められている。このよう
に空気入りタイヤの扁平化が進むと、特にトレッド部に
ベルト層を配置した空気入りラジアルタイヤでは、ベル
ト層に対する負荷が増大し、高速走行時のベルト層端部
のせり上がり現象によるベルト層エッジ部のセパレーシ
ョンや、タイヤ外周の成長等が発生しやすくなって、タ
イヤの耐久性が著しく低下する。
【0003】このような問題の対策としては、ベルト部
の剛性を向上させるようにしなければならない。乗用車
用空気入りタイヤの場合には、ベルト層の外側にナイロ
ンコードをタイヤ周方向にほぼ平行に連続的に周回させ
るようにしたベルトカバー層を設けるのが一般的であっ
た。しかし、ナイロンコードは引張弾性率が小さいた
め、近時の超扁平化に伴うベルト部への負荷の増大に対
応するほどのタイヤ周方向の引張剛性を確保するには限
界があった。
の剛性を向上させるようにしなければならない。乗用車
用空気入りタイヤの場合には、ベルト層の外側にナイロ
ンコードをタイヤ周方向にほぼ平行に連続的に周回させ
るようにしたベルトカバー層を設けるのが一般的であっ
た。しかし、ナイロンコードは引張弾性率が小さいた
め、近時の超扁平化に伴うベルト部への負荷の増大に対
応するほどのタイヤ周方向の引張剛性を確保するには限
界があった。
【0004】このため引張弾性率が大きいスチールコー
ドを使用する提案もあるが、スチールコードはタイヤの
重量を増加させるということや、外傷により錆を発生し
て耐久性を低下するという欠点を有している。また、引
張弾性率の大きいスチールコードは伸び難いため、タイ
ヤ周方向に平行に周回させた場合には、タイヤ加硫時の
リフト(グリーンタイヤのトレッド部を金型内面に向け
て半径方向に押し上げる操作)に追従することが難しく
なり、実質的には加硫タイヤを得ることはできない。
ドを使用する提案もあるが、スチールコードはタイヤの
重量を増加させるということや、外傷により錆を発生し
て耐久性を低下するという欠点を有している。また、引
張弾性率の大きいスチールコードは伸び難いため、タイ
ヤ周方向に平行に周回させた場合には、タイヤ加硫時の
リフト(グリーンタイヤのトレッド部を金型内面に向け
て半径方向に押し上げる操作)に追従することが難しく
なり、実質的には加硫タイヤを得ることはできない。
【0005】このため、軽量で引張弾性率の高いアラミ
ド繊維等の高弾性率有機繊維を使用することが考えられ
るが、アラミド繊維もスチールコードと同様に高弾性率
であるため伸びが小さく、加硫時のリフトに追従するこ
とができないという問題がある。そのため、無理にリフ
トしても加硫後のタイヤのベルト層が不均一に乱れてタ
イヤユニフォミティーを悪化し、満足な耐久性を得るこ
とができなくなる。
ド繊維等の高弾性率有機繊維を使用することが考えられ
るが、アラミド繊維もスチールコードと同様に高弾性率
であるため伸びが小さく、加硫時のリフトに追従するこ
とができないという問題がある。そのため、無理にリフ
トしても加硫後のタイヤのベルト層が不均一に乱れてタ
イヤユニフォミティーを悪化し、満足な耐久性を得るこ
とができなくなる。
【0006】このような高弾性率有機繊維の問題を解決
する方法として、例えば特開平1ー247204号公報
や特開平5ー139112号公報には、高弾性率有機繊
維フィラメント糸と低弾性率有機繊維フィラメント糸と
を撚り合わせた複合コードを使用し、また特開平7ー1
49110号公報、特開平7ー149111号公報、特
開平7ー149112号公報では、弾性率の異なる有機
繊維フィラメント糸を撚り合わせた1+N構造、1×N
構造などの複合コードをベルトカバー層に使用する提案
なされている。
する方法として、例えば特開平1ー247204号公報
や特開平5ー139112号公報には、高弾性率有機繊
維フィラメント糸と低弾性率有機繊維フィラメント糸と
を撚り合わせた複合コードを使用し、また特開平7ー1
49110号公報、特開平7ー149111号公報、特
開平7ー149112号公報では、弾性率の異なる有機
繊維フィラメント糸を撚り合わせた1+N構造、1×N
構造などの複合コードをベルトカバー層に使用する提案
なされている。
【0007】これらの提案は、図6に示すように、いず
れも高弾性率繊維フィラメントfhの束に撚りを加えた
下撚糸Faと、低弾性率繊維フィラメントfiの束に撚
りを加えた下撚糸Fbとを合わせて、さらに上撚りを加
えて形成した複合コード80を使用するようにしたもの
である。しかし、このような構成からなる複合コードで
は、タイヤ加硫時のリフトに追従するように低荷重時の
伸度を高くしなければならないため、タイヤ加硫に設定
されたリフト率に応じて個々に下撚り数や上撚り数を調
整する必要があり、リフト率が異なるタイヤ毎に撚り構
造を合わせなければならないという煩雑さがある。
れも高弾性率繊維フィラメントfhの束に撚りを加えた
下撚糸Faと、低弾性率繊維フィラメントfiの束に撚
りを加えた下撚糸Fbとを合わせて、さらに上撚りを加
えて形成した複合コード80を使用するようにしたもの
である。しかし、このような構成からなる複合コードで
は、タイヤ加硫時のリフトに追従するように低荷重時の
伸度を高くしなければならないため、タイヤ加硫に設定
されたリフト率に応じて個々に下撚り数や上撚り数を調
整する必要があり、リフト率が異なるタイヤ毎に撚り構
造を合わせなければならないという煩雑さがある。
【0008】また、高弾性率繊維フィラメントfhの糸
束と低弾性率繊維フィラメントfiの糸束とをそれぞれ
個々に下撚りを加えた後に合糸して上撚りを加えるた
め、大きな引張張力が与えられた場合に多段糸切れが発
生しやいという欠点がある。また、このような構成の複
合コードでは、引張張力が加えられると高弾性率繊維フ
ィラメントも低弾性率繊維フィラメントも一体的に変形
するため、複合コードの引張弾性率はそれぞれの繊維の
弾性率の総和平均になってしまう。すなわち、タイヤ加
硫時の高いリフト率に対応するため低荷重時の伸びを大
きくしようとすると、低弾性率繊維フィラメントが複合
コードに占める体積分率をより多くするか、複合コード
の撚り数を高める必要がある。その結果として、高荷重
域での弾性率は低下するので、タイヤの高速走行時のベ
ルト層のせり上がりを十分抑制することは難しく、高速
耐久性の改善効果は不十分になる。
束と低弾性率繊維フィラメントfiの糸束とをそれぞれ
個々に下撚りを加えた後に合糸して上撚りを加えるた
め、大きな引張張力が与えられた場合に多段糸切れが発
生しやいという欠点がある。また、このような構成の複
合コードでは、引張張力が加えられると高弾性率繊維フ
ィラメントも低弾性率繊維フィラメントも一体的に変形
するため、複合コードの引張弾性率はそれぞれの繊維の
弾性率の総和平均になってしまう。すなわち、タイヤ加
硫時の高いリフト率に対応するため低荷重時の伸びを大
きくしようとすると、低弾性率繊維フィラメントが複合
コードに占める体積分率をより多くするか、複合コード
の撚り数を高める必要がある。その結果として、高荷重
域での弾性率は低下するので、タイヤの高速走行時のベ
ルト層のせり上がりを十分抑制することは難しく、高速
耐久性の改善効果は不十分になる。
【0009】これに対して、低弾性率繊維フィラメント
が複合コードに占める割合を少なくし、高弾性率繊維フ
ィラメントの割合を多くするとか、或いは複合コードの
撚り数を低減すると、今度は低荷重時の伸びが小さくな
るため、加硫時のリフトに追従することが困難になる。
その結果、ベルト層が変形してユニフォミティーが悪化
し、高速耐久性の改善効果も不十分になる。
が複合コードに占める割合を少なくし、高弾性率繊維フ
ィラメントの割合を多くするとか、或いは複合コードの
撚り数を低減すると、今度は低荷重時の伸びが小さくな
るため、加硫時のリフトに追従することが困難になる。
その結果、ベルト層が変形してユニフォミティーが悪化
し、高速耐久性の改善効果も不十分になる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
した従来の問題を解消し、タイヤ重量の増大を招くこと
なく、かつタイヤ加硫時のリフトに容易に追従するよう
にしながら、加硫後のタイヤに高い引張弾性率を発現さ
せてタイヤベルト部に優れたユニフォミティーと高速耐
久性とを与えることができる空気入りタイヤを提供する
ことにある。
した従来の問題を解消し、タイヤ重量の増大を招くこと
なく、かつタイヤ加硫時のリフトに容易に追従するよう
にしながら、加硫後のタイヤに高い引張弾性率を発現さ
せてタイヤベルト部に優れたユニフォミティーと高速耐
久性とを与えることができる空気入りタイヤを提供する
ことにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の空気入りタイヤは、カーカス層の外周側に互いに補
強コードを交差したベルト層を配置したラジアル構造の
空気入りタイヤにおいて、引張弾性率が300g/d以上の高
弾性率有機繊維フィラメントと熱収縮性有機繊維フィラ
メントとを引き揃えて加撚した下撚糸Aを複数本引き揃
え、これら下撚糸Aの撚り方向と逆方向に上撚りを加え
て形成され、かつ弛緩熱処理が施された複合コードを、
前記カーカス層より外側の踏面側にタイヤ周方向に略平
行に連続的に周回させて補強層を形成したものであり、
或いは、カーカス層の外周側に互いに補強コードを交差
したベルト層を配置したラジアル構造の空気入りタイヤ
において、引張弾性率が300g/d以上の高弾性率有機繊維
フィラメントと熱収縮性有機繊維フィラメントとを引き
揃えて加撚した少なくとも1本の下撚糸Aと、引張弾性
率が300g/d以上の高弾性率有機繊維フィラメントを引き
揃えて下撚糸Aと同方向に加撚した少なくとも1本の下
撚糸Bとを引き揃え、これら下撚糸A,Bの撚り方向と
逆方向に上撚りを加えて形成され、かつ弛緩熱処理が施
された複合コードを、前記カーカス層より外側の踏面側
にタイヤ周方向に略平行に連続的に周回させて補強層を
形成したことを特徴とするものである。
明の空気入りタイヤは、カーカス層の外周側に互いに補
強コードを交差したベルト層を配置したラジアル構造の
空気入りタイヤにおいて、引張弾性率が300g/d以上の高
弾性率有機繊維フィラメントと熱収縮性有機繊維フィラ
メントとを引き揃えて加撚した下撚糸Aを複数本引き揃
え、これら下撚糸Aの撚り方向と逆方向に上撚りを加え
て形成され、かつ弛緩熱処理が施された複合コードを、
前記カーカス層より外側の踏面側にタイヤ周方向に略平
行に連続的に周回させて補強層を形成したものであり、
或いは、カーカス層の外周側に互いに補強コードを交差
したベルト層を配置したラジアル構造の空気入りタイヤ
において、引張弾性率が300g/d以上の高弾性率有機繊維
フィラメントと熱収縮性有機繊維フィラメントとを引き
揃えて加撚した少なくとも1本の下撚糸Aと、引張弾性
率が300g/d以上の高弾性率有機繊維フィラメントを引き
揃えて下撚糸Aと同方向に加撚した少なくとも1本の下
撚糸Bとを引き揃え、これら下撚糸A,Bの撚り方向と
逆方向に上撚りを加えて形成され、かつ弛緩熱処理が施
された複合コードを、前記カーカス層より外側の踏面側
にタイヤ周方向に略平行に連続的に周回させて補強層を
形成したことを特徴とするものである。
【0012】このように補強層を構成する複合コードを
有機繊維コードをベースに構成したので、スチールコー
ドを使用する場合のようなタイヤ重量の増大はなく、か
つ錆の発生による耐久性の問題もない。また、複合コー
ドには、高弾性率有機繊維フィラメントと熱収縮性有機
繊維フィラメントとを引き揃えて加撚して得た下撚糸A
をメインに使用したので、弛緩熱処理を加えた場合に高
弾性率有機繊維フィラメントを熱収縮性有機繊維フィラ
メントと共に一体的に且つ形態的に縮めることができ
る。したがって、このような構成の複合コードは、低荷
重域で容易に高い伸びを示し、加硫時のリフトに容易に
追従することができるのでベルト層に乱れを与えること
がなく、タイヤのユニフォミティーを向上することがで
きる。さらに、この複合コードが加硫時のリフトによっ
て形態的に引き伸ばされた後は、高弾性率繊維フィラメ
ントの高い引張弾性率が作用するので、ベルト部の外周
成長やベルト層端部のせり上がりの抑制効果が増大し、
タイヤの高速耐久性を向上することができる。
有機繊維コードをベースに構成したので、スチールコー
ドを使用する場合のようなタイヤ重量の増大はなく、か
つ錆の発生による耐久性の問題もない。また、複合コー
ドには、高弾性率有機繊維フィラメントと熱収縮性有機
繊維フィラメントとを引き揃えて加撚して得た下撚糸A
をメインに使用したので、弛緩熱処理を加えた場合に高
弾性率有機繊維フィラメントを熱収縮性有機繊維フィラ
メントと共に一体的に且つ形態的に縮めることができ
る。したがって、このような構成の複合コードは、低荷
重域で容易に高い伸びを示し、加硫時のリフトに容易に
追従することができるのでベルト層に乱れを与えること
がなく、タイヤのユニフォミティーを向上することがで
きる。さらに、この複合コードが加硫時のリフトによっ
て形態的に引き伸ばされた後は、高弾性率繊維フィラメ
ントの高い引張弾性率が作用するので、ベルト部の外周
成長やベルト層端部のせり上がりの抑制効果が増大し、
タイヤの高速耐久性を向上することができる。
【0013】また、上記複合コードは、低荷重時の伸び
特性を熱収縮性有機繊維フィラメントの熱収縮によって
発現するので、前述した従来の複合コードのように高弾
性率有機繊維フィラメントに高い撚りを付与する必要が
ない。そのため高弾性率繊維フィラメントの引張弾性率
を一層有効に活用することができ、ベルト部の外周成長
やベルト層端部のせり上がりの抑止効果を一層増大する
ことができる。
特性を熱収縮性有機繊維フィラメントの熱収縮によって
発現するので、前述した従来の複合コードのように高弾
性率有機繊維フィラメントに高い撚りを付与する必要が
ない。そのため高弾性率繊維フィラメントの引張弾性率
を一層有効に活用することができ、ベルト部の外周成長
やベルト層端部のせり上がりの抑止効果を一層増大する
ことができる。
【0014】また、複合コードに使用される熱収縮性有
機繊維フィラメントは、従来の複合コードにおける低弾
性率繊維のように低弾性率を利用して低荷重時の伸び特
性を得るのではなく、熱収縮性を利用して高弾性率有機
繊維フィラメントを形態的に縮めるだけの目的で使用さ
れているので、その複合割合としては高弾性率有機繊維
フィラメントを形態的に縮めることができる最小限を複
合すればよい。したがって、高弾性率有機繊維フィラメ
ントの複合割合を可及的に多くし、タイヤ加硫後の引張
弾性率を一層高めることができる。
機繊維フィラメントは、従来の複合コードにおける低弾
性率繊維のように低弾性率を利用して低荷重時の伸び特
性を得るのではなく、熱収縮性を利用して高弾性率有機
繊維フィラメントを形態的に縮めるだけの目的で使用さ
れているので、その複合割合としては高弾性率有機繊維
フィラメントを形態的に縮めることができる最小限を複
合すればよい。したがって、高弾性率有機繊維フィラメ
ントの複合割合を可及的に多くし、タイヤ加硫後の引張
弾性率を一層高めることができる。
【0015】なお、前述した従来の複合コードを熱収縮
により形態的に縮めて使用することも考えられるが、従
来の複合コードでは、低弾性率繊維フィラメントの糸束
と高弾性率繊維フィラメントの糸束とをそれぞれ個別に
加撚して下撚糸にしたのち、これら下撚糸を合糸して上
撚りを加えて構成するようにしているので、たとえ低弾
性率繊維フィラメントが熱収縮性を有していても、弛緩
熱処理を施したときに複合コードが一体的に縮むように
はならず、単に高弾性率有機繊維フィラメントの下撚糸
を低弾性率有機繊維フィラメントの下撚糸が蔓巻き状に
締めつける効果だけが大きくなって、形態的にコード全
体を縮めるようにはならない。したがって、このような
複合コードを弛緩熱処理してベルトカバー層に使用した
としても、高速耐久性を改善する効果は得られない。
により形態的に縮めて使用することも考えられるが、従
来の複合コードでは、低弾性率繊維フィラメントの糸束
と高弾性率繊維フィラメントの糸束とをそれぞれ個別に
加撚して下撚糸にしたのち、これら下撚糸を合糸して上
撚りを加えて構成するようにしているので、たとえ低弾
性率繊維フィラメントが熱収縮性を有していても、弛緩
熱処理を施したときに複合コードが一体的に縮むように
はならず、単に高弾性率有機繊維フィラメントの下撚糸
を低弾性率有機繊維フィラメントの下撚糸が蔓巻き状に
締めつける効果だけが大きくなって、形態的にコード全
体を縮めるようにはならない。したがって、このような
複合コードを弛緩熱処理してベルトカバー層に使用した
としても、高速耐久性を改善する効果は得られない。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の空気入りタイヤ
の一例を示す断面図であり、図2はこのタイヤのトレッ
ド部の内部構造を示す展開平面図である。図1におい
て、左右一対のビード部1には、それぞれ左右一対のサ
イドウオール部2が連なり、この左右のサイドウオール
部2の外周部間に跨がるようにトレッド部3が形成され
ている。タイヤ内部には、カーカス層4が左右のビード
部1間にタイヤ周方向に対するコード角度が70°〜9
0°であるように装架され、またトレッド部3における
カーカス層4の外周側には2枚のベルト層5が、図2に
示すように補強コード7を互いに交差させるように配置
されている。この補強コード7には、スチールコード、
アラミドコード等の高弾性率のコードが使用されてい
る。
の一例を示す断面図であり、図2はこのタイヤのトレッ
ド部の内部構造を示す展開平面図である。図1におい
て、左右一対のビード部1には、それぞれ左右一対のサ
イドウオール部2が連なり、この左右のサイドウオール
部2の外周部間に跨がるようにトレッド部3が形成され
ている。タイヤ内部には、カーカス層4が左右のビード
部1間にタイヤ周方向に対するコード角度が70°〜9
0°であるように装架され、またトレッド部3における
カーカス層4の外周側には2枚のベルト層5が、図2に
示すように補強コード7を互いに交差させるように配置
されている。この補強コード7には、スチールコード、
アラミドコード等の高弾性率のコードが使用されてい
る。
【0017】さらにベルト層5のトレッド部3側には2
層の補強層6が配置されている。この補強層6は、図2
に示すように、1〜10本の引き揃えられた補強コード
8にゴムが含浸されたストリップをタイヤ周方向に対し
て実質的に0°、好ましくは0°〜10°のコード角度
で連続的にエンドレスに周回して形成されている。この
補強層6を形成する補強コード8には、詳細を後述する
構成から複合コードが使用されている。
層の補強層6が配置されている。この補強層6は、図2
に示すように、1〜10本の引き揃えられた補強コード
8にゴムが含浸されたストリップをタイヤ周方向に対し
て実質的に0°、好ましくは0°〜10°のコード角度
で連続的にエンドレスに周回して形成されている。この
補強層6を形成する補強コード8には、詳細を後述する
構成から複合コードが使用されている。
【0018】この補強層6の層数は特に限定されるもの
ではなく、図示のように2層であってもよく、或いは1
層また3層以上でもよい。また、補強層6は、図示のよ
うにベルト層5の全幅を覆うように設けてもよく、或い
はベルト層5の端部のみを覆うようにしたものでもよ
い。また、補強層6はカーカス層4より踏面側に配置さ
れていれば特に限定されるものではなく、図示のように
ベルト層5の外周側に配置する場合のほか、カーカス層
4とベルト層5との間に配置してもよく、或いは複数の
ベルト層5の中間に挿入されるようになっていてもよ
い。
ではなく、図示のように2層であってもよく、或いは1
層また3層以上でもよい。また、補強層6は、図示のよ
うにベルト層5の全幅を覆うように設けてもよく、或い
はベルト層5の端部のみを覆うようにしたものでもよ
い。また、補強層6はカーカス層4より踏面側に配置さ
れていれば特に限定されるものではなく、図示のように
ベルト層5の外周側に配置する場合のほか、カーカス層
4とベルト層5との間に配置してもよく、或いは複数の
ベルト層5の中間に挿入されるようになっていてもよ
い。
【0019】補強層6を構成する補強コードは、図3に
例示するような複合コード8から構成されている。複合
コード8は、2本またはそれ以上の下撚糸8aが引き揃
えられ、その複数本の下撚糸8aに下撚り方向とは逆方
向の上撚りが施されて形成されている。複合コード8を
構成する下撚糸8aの本数としては、生産性の観点から
は図示のように2本が好ましいが、当然3本以上であっ
てもよい。
例示するような複合コード8から構成されている。複合
コード8は、2本またはそれ以上の下撚糸8aが引き揃
えられ、その複数本の下撚糸8aに下撚り方向とは逆方
向の上撚りが施されて形成されている。複合コード8を
構成する下撚糸8aの本数としては、生産性の観点から
は図示のように2本が好ましいが、当然3本以上であっ
てもよい。
【0020】上記のように複合コード8を構成する下撚
糸8aは、図4(a)に示すように、高弾性率有機繊維
フィラメントfhと熱収縮性有機繊維フィラメントfs
とが1本の糸束に引き揃えられ、その1本の糸束に撚
(下撚)が加えられて形成されている。この下撚糸1本
当たりにおける高弾性率有機繊維フィラメントfhと熱
収縮性有機繊維フィラメントfsとの配置状態は、8a
で示す下撚糸のようにそれぞれのフィラメントfh,f
sが束の単位で混ざっていてもよく、或いは、図4
(c)に8a’で示す下撚糸のように、フィラメントf
hとフィラメントfsの個々のフィラメントが互いにラ
ンダムに入り交じった混繊状態になったものでもよい。
糸8aは、図4(a)に示すように、高弾性率有機繊維
フィラメントfhと熱収縮性有機繊維フィラメントfs
とが1本の糸束に引き揃えられ、その1本の糸束に撚
(下撚)が加えられて形成されている。この下撚糸1本
当たりにおける高弾性率有機繊維フィラメントfhと熱
収縮性有機繊維フィラメントfsとの配置状態は、8a
で示す下撚糸のようにそれぞれのフィラメントfh,f
sが束の単位で混ざっていてもよく、或いは、図4
(c)に8a’で示す下撚糸のように、フィラメントf
hとフィラメントfsの個々のフィラメントが互いにラ
ンダムに入り交じった混繊状態になったものでもよい。
【0021】複合コード8を構成する複数本の下撚糸の
うち、少なくとも1本は必ず上述した下撚糸8aや8
a’のように、高弾性率有機繊維フィラメントfhと熱
収縮性有機繊維フィラメントfsとが混在するものでな
ければならないが、残りの下撚糸としては、同じ下撚糸
8aや8a’であってもよく、或いは図4(b)に示す
下撚糸8bのように、高弾性率有機繊維フィラメントf
hだけの糸束が加撚されたものであってもよい。
うち、少なくとも1本は必ず上述した下撚糸8aや8
a’のように、高弾性率有機繊維フィラメントfhと熱
収縮性有機繊維フィラメントfsとが混在するものでな
ければならないが、残りの下撚糸としては、同じ下撚糸
8aや8a’であってもよく、或いは図4(b)に示す
下撚糸8bのように、高弾性率有機繊維フィラメントf
hだけの糸束が加撚されたものであってもよい。
【0022】したがって、いま高弾性率有機繊維フィラ
メントfhと熱収縮性有機繊維フィラメントfsとが混
在する下撚糸8aや8a’を下撚糸Aとして分類し、ま
た高弾性率有機繊維フィラメントfhだけからなる下撚
糸8bを下撚糸Bとして分類すると、本発明の空気入り
タイヤに使用される複合コード8は、複数本の下撚糸A
同士を1束に引き揃え、それに下撚り方向とは逆方向の
上撚りを施したコードとするか、または少なくとも1本
の下撚糸Aと少なくとも1本の下撚糸Bとを1束に引き
揃え、これに下撚糸A,Bの下撚り方向とは逆方向の上
撚りを施したコードとするものである。
メントfhと熱収縮性有機繊維フィラメントfsとが混
在する下撚糸8aや8a’を下撚糸Aとして分類し、ま
た高弾性率有機繊維フィラメントfhだけからなる下撚
糸8bを下撚糸Bとして分類すると、本発明の空気入り
タイヤに使用される複合コード8は、複数本の下撚糸A
同士を1束に引き揃え、それに下撚り方向とは逆方向の
上撚りを施したコードとするか、または少なくとも1本
の下撚糸Aと少なくとも1本の下撚糸Bとを1束に引き
揃え、これに下撚糸A,Bの下撚り方向とは逆方向の上
撚りを施したコードとするものである。
【0023】上述した構成からなる複合コードは、その
複合コードに弛緩熱処理を施すと、高弾性率有機繊維フ
ィラメントfhが熱収縮性有機繊維フィラメントfsの
熱収縮と一体的に均一に縮むような挙動を行う。このよ
うに一体的かつ均一に縮む挙動を円滑に行わせるために
は、図4(a)や(c)の下撚糸の組み合わせのよう
に、高弾性率有機繊維フィラメントfhと熱収縮性有機
繊維フィラメントfsとの両方を含む下撚糸8aと8a
同士や8a’と8a’同士とするか、或いは8aと8
a’同士の組み合わせにして上撚りを加えた構成のもの
が好ましい。
複合コードに弛緩熱処理を施すと、高弾性率有機繊維フ
ィラメントfhが熱収縮性有機繊維フィラメントfsの
熱収縮と一体的に均一に縮むような挙動を行う。このよ
うに一体的かつ均一に縮む挙動を円滑に行わせるために
は、図4(a)や(c)の下撚糸の組み合わせのよう
に、高弾性率有機繊維フィラメントfhと熱収縮性有機
繊維フィラメントfsとの両方を含む下撚糸8aと8a
同士や8a’と8a’同士とするか、或いは8aと8
a’同士の組み合わせにして上撚りを加えた構成のもの
が好ましい。
【0024】本発明の補強層に使用される複合コード8
は、上述のように高弾性率有機繊維フィラメントと熱収
縮性有機繊維フィラメントとが混合された下撚糸Aを使
用するので、弛緩熱処理をすると高弾性率有機繊維フィ
ラメントを熱収縮性有機繊維フィラメントと共に一体的
かつ形態的に縮めることができるため、これに引張り荷
重を負荷したときの伸びの挙動は、図5の「引張強さ−
伸び曲線」に示す曲線Eのようになる。
は、上述のように高弾性率有機繊維フィラメントと熱収
縮性有機繊維フィラメントとが混合された下撚糸Aを使
用するので、弛緩熱処理をすると高弾性率有機繊維フィ
ラメントを熱収縮性有機繊維フィラメントと共に一体的
かつ形態的に縮めることができるため、これに引張り荷
重を負荷したときの伸びの挙動は、図5の「引張強さ−
伸び曲線」に示す曲線Eのようになる。
【0025】すなわち、図6に示す構造の従来例複合コ
ードでは曲線F、またアラミド繊維(高弾性率有機繊
維)だけのコードでは曲線Gのように、いずれも低荷重
から高荷重域にかけてほぼ直線的な低い伸びしか示さな
いが、本発明の複合コード8では、低荷重域では高い伸
びを示し、高荷重域になると高弾性率繊維フィラメント
の高い引張弾性率が作用して低い伸びを示すようにな
る。
ードでは曲線F、またアラミド繊維(高弾性率有機繊
維)だけのコードでは曲線Gのように、いずれも低荷重
から高荷重域にかけてほぼ直線的な低い伸びしか示さな
いが、本発明の複合コード8では、低荷重域では高い伸
びを示し、高荷重域になると高弾性率繊維フィラメント
の高い引張弾性率が作用して低い伸びを示すようにな
る。
【0026】したがって、本発明の複合コードは加硫時
のリフトに容易に追従することができることになり、そ
れによってベルト層に乱れを発生させないため、タイヤ
のユニフォミティーを向上することができる。また、複
合コードが加硫時のリフトによって形態的に引き伸ばさ
れた後は伸びが小さくなるため、高速走行時のベルト部
の外周成長やベルト層端部のせり上がりを抑制し、タイ
ヤの高速耐久性を向上する。
のリフトに容易に追従することができることになり、そ
れによってベルト層に乱れを発生させないため、タイヤ
のユニフォミティーを向上することができる。また、複
合コードが加硫時のリフトによって形態的に引き伸ばさ
れた後は伸びが小さくなるため、高速走行時のベルト部
の外周成長やベルト層端部のせり上がりを抑制し、タイ
ヤの高速耐久性を向上する。
【0027】これに対して、図6の従来例複合コードの
場合は、加硫時のリフトに追従するようにするために
は、高弾性率有機繊維フィラメントに高い撚りを付与す
る必要があるため、この高弾性率繊維フィラメントの引
張弾性率を有効に活用することができず、本発明の複合
コードに比べてベルト部の外周成長やベルト層端部のせ
り上がりの抑止効果を低減せざるを得なくなる。
場合は、加硫時のリフトに追従するようにするために
は、高弾性率有機繊維フィラメントに高い撚りを付与す
る必要があるため、この高弾性率繊維フィラメントの引
張弾性率を有効に活用することができず、本発明の複合
コードに比べてベルト部の外周成長やベルト層端部のせ
り上がりの抑止効果を低減せざるを得なくなる。
【0028】上述した作用効果をもたらす本発明におい
て、複合コードに使用する高弾性率有機繊維としては引
張弾性率300g/d以上のものを対象になる。300
g/d未満の有機繊維では、複合コードのタイヤ周方向
の引張剛性が低下し、タイヤの高速耐久性の改善効果が
不十分になる。300g/d以上の高弾性率繊維として
は、アラミド繊維、ポリアリレート繊維、ポリビニルア
ルコール繊維、ポリーPーフェニレンベンズビスオキサ
ゾール繊維等を挙げることができる。
て、複合コードに使用する高弾性率有機繊維としては引
張弾性率300g/d以上のものを対象になる。300
g/d未満の有機繊維では、複合コードのタイヤ周方向
の引張剛性が低下し、タイヤの高速耐久性の改善効果が
不十分になる。300g/d以上の高弾性率繊維として
は、アラミド繊維、ポリアリレート繊維、ポリビニルア
ルコール繊維、ポリーPーフェニレンベンズビスオキサ
ゾール繊維等を挙げることができる。
【0029】また、複合コードに使用する熱収縮性有機
繊維としては、熱によって収縮挙動を示す繊維であり、
例えばポリエステル繊維、6ナイロン繊維、66ナイロ
ン繊維、46ナイロン繊維等を挙げることができる。こ
れらのなかでも、熱収縮のし易さからポリエステル繊維
は最適である。これら熱収縮性有機繊維は、150℃で
の熱収縮率が5%以上のものが好ましく、さらに好まし
くは8%以上のものがよい。熱収縮率が5%未満の場合
は、弛緩熱処理を施しても複合コードを形態的に十分縮
めることが出来にくく、加硫時のリフトが大きい場合に
はリフトの追従性が低下することになる。8%以上であ
ると広範囲なリフト率に対応させることができる。
繊維としては、熱によって収縮挙動を示す繊維であり、
例えばポリエステル繊維、6ナイロン繊維、66ナイロ
ン繊維、46ナイロン繊維等を挙げることができる。こ
れらのなかでも、熱収縮のし易さからポリエステル繊維
は最適である。これら熱収縮性有機繊維は、150℃で
の熱収縮率が5%以上のものが好ましく、さらに好まし
くは8%以上のものがよい。熱収縮率が5%未満の場合
は、弛緩熱処理を施しても複合コードを形態的に十分縮
めることが出来にくく、加硫時のリフトが大きい場合に
はリフトの追従性が低下することになる。8%以上であ
ると広範囲なリフト率に対応させることができる。
【0030】なお、ここで「150℃での熱収縮率」
は、JIS L1017に規定された測定方法に従って
自由収縮させて測定したものである。複合コードを構成
する熱収縮性有機繊維フィラメントの複合割合は、その
総デニール数が、複合コードを構成する高弾性率有機繊
維の総デニール数の50%以下であることが好ましい。
より好ましくは35%以下、10%以上である。熱収縮
性有機繊維フィラメントの複合割合が、高弾性率有機繊
維の総デニール数の50%を超えると、上記の様に弛緩
熱処理した複合コードの加硫タイヤでの引張剛性が低下
するため、タイヤの外周成長の抑制やベルト部耐久性の
改善効果が低減する。また、10%未満では、弛緩熱処
理による複合コードの収縮効果が少なく、加硫時のリフ
トに追従しにくくなるため、加硫タイヤのベルト部のユ
ニフォミティーが低下する。
は、JIS L1017に規定された測定方法に従って
自由収縮させて測定したものである。複合コードを構成
する熱収縮性有機繊維フィラメントの複合割合は、その
総デニール数が、複合コードを構成する高弾性率有機繊
維の総デニール数の50%以下であることが好ましい。
より好ましくは35%以下、10%以上である。熱収縮
性有機繊維フィラメントの複合割合が、高弾性率有機繊
維の総デニール数の50%を超えると、上記の様に弛緩
熱処理した複合コードの加硫タイヤでの引張剛性が低下
するため、タイヤの外周成長の抑制やベルト部耐久性の
改善効果が低減する。また、10%未満では、弛緩熱処
理による複合コードの収縮効果が少なく、加硫時のリフ
トに追従しにくくなるため、加硫タイヤのベルト部のユ
ニフォミティーが低下する。
【0031】本発明において、複合コードに加える上撚
りは、下記式で表される撚り係数Kが500〜1900
の範囲になるように設定することが好ましい。 K=TD1/2 ただし、D:高弾性率繊維の総デニール数 T:複合コードの上撚り数(回/10cm) 撚り係数Kが500未満の場合にはコードの収束性が低
下し、ゴムとの接着性が低下する。そのため、タイヤの
ベルト部の耐久性向上の効果も低減する。一方、190
0を超えると、加硫タイヤでの複合コードの引張剛性が
低下するため、ベルト部の耐久性向上の効果が低減す
る。
りは、下記式で表される撚り係数Kが500〜1900
の範囲になるように設定することが好ましい。 K=TD1/2 ただし、D:高弾性率繊維の総デニール数 T:複合コードの上撚り数(回/10cm) 撚り係数Kが500未満の場合にはコードの収束性が低
下し、ゴムとの接着性が低下する。そのため、タイヤの
ベルト部の耐久性向上の効果も低減する。一方、190
0を超えると、加硫タイヤでの複合コードの引張剛性が
低下するため、ベルト部の耐久性向上の効果が低減す
る。
【0032】各下撚糸に加える下撚りの撚り数は特に限
定するものではないが、好ましくは上撚り数の50%〜
150%の範囲内にすることが生産性の観点からよい。
上述した本発明は、乗用車用タイヤおよび重荷重用タイ
ヤのいずれにも適用可能であり、特に扁平率の小さいタ
イヤにおいて有効である。例えば、乗用車用タイヤであ
れば扁平率60%以下のもの、重荷重用タイヤであれば
扁平率70%以下のものに対して極めて有効である。
定するものではないが、好ましくは上撚り数の50%〜
150%の範囲内にすることが生産性の観点からよい。
上述した本発明は、乗用車用タイヤおよび重荷重用タイ
ヤのいずれにも適用可能であり、特に扁平率の小さいタ
イヤにおいて有効である。例えば、乗用車用タイヤであ
れば扁平率60%以下のもの、重荷重用タイヤであれば
扁平率70%以下のものに対して極めて有効である。
【0033】
【実施例】タイヤサイズ、タイヤ構造:カーカス層およ
びベルト層を、それぞれ下記のような仕様、すなわち タイヤサイズ :195/60R15 タイヤ構造 :図1および図2 カーカス層 :1500d/2のポリエステル繊維コードからなる1層 ベルト層 :2+2(0.25)のスチールコードを用いたベルト層2枚を層 間においてコードを互いに交差するように配置 補強層(ベルトカバー層): 1cm幅に補強コードを8本の打ち込み数となるようにゴ ムに埋設したストリップをタイヤ周方向ほぼ平行に連続的 に周回し、2層となるように構成 とする点を共通とし、上記補強層(ベルトカバー層)に
仕様する補強コードを、それぞれ次のように異ならせた
10種類のラジアルタイヤ(本発明タイヤ1〜7、比較
例タイヤ、従来例タイヤ)を製作した。
びベルト層を、それぞれ下記のような仕様、すなわち タイヤサイズ :195/60R15 タイヤ構造 :図1および図2 カーカス層 :1500d/2のポリエステル繊維コードからなる1層 ベルト層 :2+2(0.25)のスチールコードを用いたベルト層2枚を層 間においてコードを互いに交差するように配置 補強層(ベルトカバー層): 1cm幅に補強コードを8本の打ち込み数となるようにゴ ムに埋設したストリップをタイヤ周方向ほぼ平行に連続的 に周回し、2層となるように構成 とする点を共通とし、上記補強層(ベルトカバー層)に
仕様する補強コードを、それぞれ次のように異ならせた
10種類のラジアルタイヤ(本発明タイヤ1〜7、比較
例タイヤ、従来例タイヤ)を製作した。
【0034】本発明タイヤ1:アラミド繊維1000d と熱
収縮率(150℃)9.5%のポリエステル繊維1000d
とを引き揃えて撚りを加えた下撚糸と、アラミド繊維10
00d に撚りを加えて用意した下撚糸とを合わせて上撚り
を加えた複合コード。 本発明タイヤ2:アラミド繊維1000d と熱収縮率(15
0℃)9.5%のポリエステル繊維 500d とを引き揃えて撚
りを加えた下撚糸を2本合わせて上撚りを加えた複合コ
ード。
収縮率(150℃)9.5%のポリエステル繊維1000d
とを引き揃えて撚りを加えた下撚糸と、アラミド繊維10
00d に撚りを加えて用意した下撚糸とを合わせて上撚り
を加えた複合コード。 本発明タイヤ2:アラミド繊維1000d と熱収縮率(15
0℃)9.5%のポリエステル繊維 500d とを引き揃えて撚
りを加えた下撚糸を2本合わせて上撚りを加えた複合コ
ード。
【0035】本発明タイヤ3:本発明タイヤ2の複合コ
ードにおいて、上撚りの撚り係数のみを表1のように異
ならせた複合コード。 本発明タイヤ4:本発明タイヤ2の複合コードにおい
て、上撚りの撚り係数のみを表1のように異ならせた複
合コード。 本発明タイヤ5:本発明タイヤ2の複合コードにおい
て、ポリエステル繊維500dの代わりに、ポリエステル繊
維250dを使用し、また高弾性率有機繊維の総デニール数
に対し、熱収縮性有機繊維の総デニール数を25%とし
た複合コード。
ードにおいて、上撚りの撚り係数のみを表1のように異
ならせた複合コード。 本発明タイヤ4:本発明タイヤ2の複合コードにおい
て、上撚りの撚り係数のみを表1のように異ならせた複
合コード。 本発明タイヤ5:本発明タイヤ2の複合コードにおい
て、ポリエステル繊維500dの代わりに、ポリエステル繊
維250dを使用し、また高弾性率有機繊維の総デニール数
に対し、熱収縮性有機繊維の総デニール数を25%とし
た複合コード。
【0036】本発明タイヤ6:本発明タイヤ2の複合コ
ードにおいて、熱収縮性有機繊維を熱収縮率(150
℃)4.5%のものに変えた複合コード。 本発明タイヤ7:アラミド繊維1500d と乾熱収縮率9.
5%のポリエステル繊維 500d とを引き揃えて撚りを加
えた下撚糸を2本合わせて上撚りを加えた複合コード。
ードにおいて、熱収縮性有機繊維を熱収縮率(150
℃)4.5%のものに変えた複合コード。 本発明タイヤ7:アラミド繊維1500d と乾熱収縮率9.
5%のポリエステル繊維 500d とを引き揃えて撚りを加
えた下撚糸を2本合わせて上撚りを加えた複合コード。
【0037】従来例タイヤ :アラミド繊維1000d に撚
りを加えた下撚糸2本と、ポリエステル繊維1000d に撚
りを加えた下撚糸1本との計3本を合わせて上撚りを加
えた複合コード。 比較例タイヤ :従来例タイヤの複合コードにおいて、
タイヤに埋設する前に弛緩熱処理を施した複合コード。 このようにして得られた10種類のラジアルタイヤにつ
いて、下記の試験条件により高速耐久性とユニフォーミ
ティを評価したところ、表1に示す結果が得られた。
りを加えた下撚糸2本と、ポリエステル繊維1000d に撚
りを加えた下撚糸1本との計3本を合わせて上撚りを加
えた複合コード。 比較例タイヤ :従来例タイヤの複合コードにおいて、
タイヤに埋設する前に弛緩熱処理を施した複合コード。 このようにして得られた10種類のラジアルタイヤにつ
いて、下記の試験条件により高速耐久性とユニフォーミ
ティを評価したところ、表1に示す結果が得られた。
【0038】(高速耐久性)試験タイヤをリムサイズ1
5×6JJ、空気圧260kPa、荷重4.6kNの条
件下に、ドラム径1707mmの回転ドラムを使用して
JATMA高速耐久性試験に従って走行させた後、10
分毎に速度を10km/hrずつ増加して、タイヤが故
障するまで試験を続行した。
5×6JJ、空気圧260kPa、荷重4.6kNの条
件下に、ドラム径1707mmの回転ドラムを使用して
JATMA高速耐久性試験に従って走行させた後、10
分毎に速度を10km/hrずつ増加して、タイヤが故
障するまで試験を続行した。
【0039】この試験結果を、従来例タイヤの測定値を
100とする指数で示した。指数の大きいほど高速耐久
性に優れていることを意味する。 (ユニフォーミティ−RFV)JASO C607「自
動車タイヤのユニフォミティー試験方法」に準拠して、
タイヤ周方向のユニフォミティーを測定した。従来タイ
ヤの測定値を100とする指数で示した。指数の大きい
ほどユニフォーミティ−に優れていることを意味する。
100とする指数で示した。指数の大きいほど高速耐久
性に優れていることを意味する。 (ユニフォーミティ−RFV)JASO C607「自
動車タイヤのユニフォミティー試験方法」に準拠して、
タイヤ周方向のユニフォミティーを測定した。従来タイ
ヤの測定値を100とする指数で示した。指数の大きい
ほどユニフォーミティ−に優れていることを意味する。
【0040】
【表1】
表1から明らかなように本発明タイヤは、従来例タイヤ
比較して良好な高速耐久性を示すと同時にタイヤのユニ
フォミティーも明らかに向上していることがわかる。
比較して良好な高速耐久性を示すと同時にタイヤのユニ
フォミティーも明らかに向上していることがわかる。
【0041】
【発明の効果】上述したように、本発明の空気入りタイ
ヤは、カーカス層の外側に配置する補強層の補強コード
として、高弾性率有機繊維フィラメントと熱収縮性有機
繊維フィラメントとを引き揃えて加撚した下撚糸を主体
にした複合コードを使用することによって、タイヤ加硫
時にはリフトに追従する低荷重時の伸びが得られるため
ベルト部のユニフォミティーを向上することができると
共に、高荷重時には高引張弾性率が得られるため高速耐
久性を著しく向上することができる。
ヤは、カーカス層の外側に配置する補強層の補強コード
として、高弾性率有機繊維フィラメントと熱収縮性有機
繊維フィラメントとを引き揃えて加撚した下撚糸を主体
にした複合コードを使用することによって、タイヤ加硫
時にはリフトに追従する低荷重時の伸びが得られるため
ベルト部のユニフォミティーを向上することができると
共に、高荷重時には高引張弾性率が得られるため高速耐
久性を著しく向上することができる。
【0042】また、複合コードは有機繊維コードをベー
スに構成されているので、スチールコードのようにタイ
ヤ重量の増大はなく、かつ錆の発生による耐久性低下の
問題もない。
スに構成されているので、スチールコードのようにタイ
ヤ重量の増大はなく、かつ錆の発生による耐久性低下の
問題もない。
【図1】本発明の実施例からなる空気入りタイヤの子午
線断面図である。
線断面図である。
【図2】図1のタイヤのトレッド部におけるベルト層と
補強層の部分展開図である。
補強層の部分展開図である。
【図3】本発明の空気入りタイヤの補強層に使用される
複合コードの側面図である。
複合コードの側面図である。
【図4】(a),(b),(c)は、それぞれ図3の複
合コードの異なる態様を示す横断面図である。
合コードの異なる態様を示す横断面図である。
【図5】補強コードの荷重・伸び曲線を示すグラフであ
る。
る。
【図6】(a),(b)は従来例の複合コードを示す横
断面図である。
断面図である。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI
D07B 1/02 D07B 1/02
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
B60C 9/00
B60C 9/18 - 9/22
D02G 3/48
D07B 1/02
Claims (6)
- 【請求項1】 カーカス層の外周側に互いに補強コード
を交差したベルト層を配置したラジアル構造の空気入り
タイヤにおいて、 引張弾性率が300g/d以上の高弾性率有機繊維フィラメン
トと熱収縮性有機繊維フィラメントとを引き揃えて加撚
した下撚糸Aを複数本引き揃え、これら下撚糸Aの撚り
方向と逆方向に上撚りを加えて形成され、かつ弛緩熱処
理が施された複合コードを、前記カーカス層より外側の
踏面側にタイヤ周方向に略平行に連続的に周回させて補
強層を形成した空気入りタイヤ。 - 【請求項2】 カーカス層の外周側に互いに補強コード
を交差したベルト層を配置したラジアル構造の空気入り
タイヤにおいて、 引張弾性率が300g/d以上の高弾性率有機繊維フィラメン
トと熱収縮性有機繊維フィラメントとを引き揃えて加撚
した少なくとも1本の下撚糸Aと、引張弾性率が300g/d
以上の高弾性率有機繊維フィラメントを引き揃えて下撚
糸Aと同方向に加撚した少なくとも1本の下撚糸Bとを
引き揃え、これら下撚糸A,Bの撚り方向と逆方向に上
撚りを加えて形成され、かつ弛緩熱処理が施された複合
コードを、前記カーカス層より外側の踏面側にタイヤ周
方向に略平行に連続的に周回させて補強層を形成した空
気入りタイヤ。 - 【請求項3】 前記複合コードを構成する全熱収縮性有
機繊維フィラメントの総デニール数を、該複合コードを
構成する全高弾性率有機繊維フィラメントの総デニール
数の50%以下、10%以上にした請求項1又は2に記
載の空気入りタイヤ。 - 【請求項4】 前記複合コードの上撚りの下記式で表さ
れる撚り係数Kが500〜1900である請求項1〜3
のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。 K=TD1/2 ただし、D:高弾性率有機繊維の総デニール数 T:複合コードの上撚り数(回/10cm) - 【請求項5】 前記熱収縮性有機繊維フィラメントの1
50℃での乾熱収縮率が5%以上である請求項1〜4の
いずれか1項に記載に記載の空気入りタイヤ。 - 【請求項6】 前記カーカス層の外周に少なくとも2枚
のベルト層をその補強コードを互いに交差させるように
配置し、該ベルト層の最外側に前記複合コードからなる
補強層を配置した請求項1〜5のいずれか1項に記載の
空気入りタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31442395A JP3497030B2 (ja) | 1995-12-01 | 1995-12-01 | 空気入りタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31442395A JP3497030B2 (ja) | 1995-12-01 | 1995-12-01 | 空気入りタイヤ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09156312A JPH09156312A (ja) | 1997-06-17 |
JP3497030B2 true JP3497030B2 (ja) | 2004-02-16 |
Family
ID=18053179
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31442395A Expired - Fee Related JP3497030B2 (ja) | 1995-12-01 | 1995-12-01 | 空気入りタイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3497030B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
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---|---|---|---|---|
JP2001233073A (ja) * | 2000-02-24 | 2001-08-28 | Mitsubishi Motors Corp | バス構造 |
US7337817B2 (en) | 2002-11-08 | 2008-03-04 | Fuji Seiko Co., Ltd. | Radial tire with circumferential spirally wound belt layer |
US6799618B2 (en) * | 2002-12-18 | 2004-10-05 | The Goodyear Tire & Rubber Company | Pneumatic tire having an overlay reinforcement |
BR112015015376A2 (pt) * | 2012-12-25 | 2017-07-11 | Kordsa Global Endustriyel Iplik Ve Kord Bezi Sanayi Ve Ticaret As | material de reforço de pneu |
JP6523094B2 (ja) * | 2015-07-29 | 2019-05-29 | Toyo Tire株式会社 | 空気入りタイヤ |
EP3898276B1 (en) * | 2018-12-20 | 2023-11-01 | Pirelli Tyre S.p.A. | Tyre for vehicle wheels |
-
1995
- 1995-12-01 JP JP31442395A patent/JP3497030B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09156312A (ja) | 1997-06-17 |
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