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JP3495751B2 - 光情報記録媒体 - Google Patents

光情報記録媒体

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Publication number
JP3495751B2
JP3495751B2 JP29662392A JP29662392A JP3495751B2 JP 3495751 B2 JP3495751 B2 JP 3495751B2 JP 29662392 A JP29662392 A JP 29662392A JP 29662392 A JP29662392 A JP 29662392A JP 3495751 B2 JP3495751 B2 JP 3495751B2
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Japan
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sub
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layer
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洋子 林
眞一郎 田村
隆夫 室岡
吉長 柳沢
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Sony Corp
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Sony Corp
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Publication date
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Priority to US08/002,410 priority patent/US5445853A/en
Priority to EP93106144A priority patent/EP0620549B1/en
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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光磁気記録装置によっ
て情報信号の記録又は再生が可能な光情報記録媒体に関
する。
【0002】
【従来の技術】光情報記録媒体としては、コンパクトデ
ィスク(CD)やビデオ信号を記録した光ディスク等の
光ディスクがが広く用いられている。これら光情報記録
媒体は、情報信号に対応する凹凸が予め形成された基板
上にレーザ光の反射層と、必要に応じて保護層が設けら
れてなるものであって、予め記録された情報信号の再生
のみが行われる再生専用型の光ディスクである。上記反
射層には、Al、Au等の高反射率、すなわち低吸収率
の材料が用いられている。
【0003】一方、CD等の再生専用型の光ディスクと
異なり、情報の書き込み、消去が可能な光情報記録媒体
として光磁気ディスクが提案されている。この光磁気デ
ィスクは、基板上に、膜面と垂直方向に磁化容易軸を有
し且つ磁気光学効果の大きな記録磁性層、例えば、Tb
FeCo等の希土類−遷移金属合金非晶質薄膜や反射
層、誘電体層を積層することにより記録部を形成してな
るものである。このような光磁気ディスクとして、直径
を64mmとする光磁気ディスクが提案され実用化され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、再生専用型
の光ディスクが光磁気ディスク用記録再生装置によって
も再生が行えれば、再生専用型光ディスク、光磁気ディ
スクシステムの普及及び実用性を高める上で好ましい。
しかし、Al,Au等を反射層とする再生専用型の光デ
ィスクでは、レーザ光に対する反射率が70%以上と、
反射率が15〜25%の光磁気ディスクに比し極めて高
く、また、信号変調度も光磁気ディスクと異なっている
ため、光磁気ディスクを対象とする記録再生装置によっ
て信号再生することができない。記録再生装置内に、再
専用型の光ディスク及び光磁気ディスクに記録された情
報信号の再生をそれぞれ可能とする2種類のアンプを搭
載すれば、信号再生を行うことは可能であるが、この場
合には記録再生装置の回路構成が複雑となってしまい実
用的ではない。
【0005】そこで、本発明はこのような従来の実情に
鑑みて提案されたものであり、光磁気ディスク等の反射
率が15〜25%程度の媒体を対象とする記録再生装置
によって再生を行うことが可能な光情報記録媒体を提供
し、このような低反射率反射層を有する媒体の記録再生
装置の小型軽量化を図ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明は、ランド部に凹又は凸のピット部により情
報信号が記録された基板の上記ピット部が形成された面
側に反射層を形成した光情報記録媒体において、上記反
射層は、反射率が15〜25%の色素含有層であり、上
記色素含有層は、色素、高分子材料、添加剤を組み合わ
せてなり、上記色素含有層に含有されるシアニン色素の
カウンターイオンは、少なくともI 、ClO 、B
のいずれか1のイオンを含み、上記基板側から入
射され上記ランド部により反射される反射光量と上記基
板側から入射されて最大長の上記ピット部により反射さ
れる反射光量の比である情報信号の信号変調度は0.3
〜0.6であり、式4より求められる上記基板側から照
射され反射層により反射されるレーザ光の上記ピット部
と上記ランド部の光学的位相差ΔSは、 ΔS=2dsub 〔nsub −nabs (1−d
abs /dSub )〕/λ・・・式4 dsub :ピット部に対応する基板と光反射層の界面
と、ピット部の周囲に対応 する基板と反射層の界面
の距離 dabs :ピット部に対応する反射層と空気の界面
と、ピット部の周囲に対応す る反射層と空気の界面
の距離 nsub :基板の複素屈折率の実数部 nabs :反射層の複素屈折率の実数部 λ :レーザ光の波長 式5より求められる上記ランド部と上記ピット部の光学
的距離差NDと、 ND=(nsub・dsub+nabs・dln)−n
abs・dgr ・・・式5 nsub :基板の複素屈折率の実数部 dsub :ピット部における第1界面とランド部にお
ける第1界面の距離 nabs :反射層の複素屈折率の実数部 dln :ランド部における光反射層の膜厚 gr :ピット部における光反射層の膜厚 式6とにより決定され、 ΔS=2ND/λ ・・・式6 上記光学的位相差ΔSが 0.21≦ΔS≦0.94 である。
【0007】ここで、反射層の複素屈折率の実数部n
が、1.84≦n≦2.87の範囲に選定される。
【0008】 ここで、色素含有層に含有されるシアニ
ン色素のカウンターイオンは、少なくともI 、ClO
、BF のいずれか1のイオンを含む。
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】本発明が適用される光情報記録媒体は、図
1に示すように、情報信号や案内溝,番地符号ピットに
対応する凹状のピット部2aと凸状のランド部2bが形
成された基板1上に、反射層3が形成されて成るもので
ある。このような光情報記録媒体は、基板側から反射層
3にレーザ光を照射したときのピット部2aとランド部
2bとの反射光量の差異を観測することによって情報が
読み取られる。
【0019】本発明においては、このような光情報記録
媒体を、例えば光磁気ディスクような反射率が15〜2
5%の媒体を対象とする記録再生装置によって再生を行
うことが可能なものとするために、情報信号の読み取り
若しくは書き込みようのこの光情報記録媒体に入射され
るレーザ光の反射層3として色素含有層を用いる。
【0020】色素含有層は、反射率が膜厚dや光学定数
等を調整することにより、上記記録再生装置の再生反射
率範囲である15〜25%となる。このような色素含有
層をレーザ光の反射層として使用することにより、上記
目的が達成される。
【0021】なお、色素含有層のうち、特に複素屈折率
の実数部nが1.84≦n≦2.87の範囲にあること
が望ましい。複素屈折率の実数部nが上記範囲に選定さ
れることにより、色素含有層は、膜厚dの調整のみでレ
ーザ光の反射率を15〜25%とすることができ、反射
層成膜条件の設定が容易である。
【0022】色素含有層は、色素と高分子材料より構成
される。この場合、複素屈折率の実数部nは、色素と高
分子材料の混合比を制御することにより、所望の値に調
整することができる。
【0023】 なお、色素含有層に含有させる色素とし
ては、色素含有層としたときに複素屈折率の実数部nが
1.84≦n≦2.87の範囲に選定されるものであれ
ば、有機色素、無機色素のいずれでもよい。有機色素と
しては、化13、化14に示すシアニン色素等が挙げら
れる。化13に示すシアニン色素としては、NK52
9、NK3750、NK2670(以上、日本感光色素
社製,商品名)、化14に示すシアニン色素としてはS
RC−8(ソニー社製,商品名)等がある。
【0024】
【化学式13】
【0025】
【化14】
【0026】また、色素含有層に含有させる色素を2種
類以上とすると、特に再生光波長(780nm)付近に
おいて、照射光波長に依存した反射率変動が抑えられ、
再生信号が安定する。
【0027】すなわち、色素含有層は、照射光の波長に
よって反射率が変動する性質がある。一方、再生用レー
ザ光は、通常、波長780nm付近に設定されるが、±
10nmの範囲で変動する。このため、色素含有層の照
射光波長に依存した反射率変動量が780nm付近にお
いて大きい場合には、再生に際して反射率が変動し、再
生信号が不安定になる。色素含有層に有機色素を2種類
以上含有させると、照射光波長に依存した反射率変動が
小さくなり、再生用レーザ光の波長変動に起因した反射
率変動が抑えられる。
【0028】なお、色素含有層において高分子材料とし
ては、色素との相溶性を考慮して選択することが望まし
く、例えば色素として上記有機色素を使用する場合には
ポリビニルブチラール等が用いられる。
【0029】また、色素含有層には、色素の光退色を防
止する目的で添加剤を添加するようにしてもよい。添加
剤としては、アミン類等の電子供与性のあるもの、ニッ
ケル錯体等の色素の励起状態のエネルギー準位より低い
エネルギー準位を有する材料等が使用される。
【0030】以上のような反射層を設けることにより、
反射率の点では光磁気ディスク用記録再生装置に適応し
たものとなるが、記録再生装置によって再生可能ともの
とするためには、反射率とともにピット部とランド部の
反射光量の差異量,すなわち信号変調度が該記録再生装
置に適応することが重要となる。
【0031】ここでいう信号変調度とは、ランド部の反
射光量ITop と最大長のピット部の反射光量I11
の比I11/ITop であり、例えば、光磁気ディス
クのうち直径を64mmとするディスクは、この信号変
調度I11/ITop が0.3〜0.6である。この
ような信号変調度の媒体を対象とする記録再生装置によ
って再生可能なものとするためには、やはり同様に信号
変調度I11/ITop が0.3〜0.6であること
が必要となる。
【0032】本発明の光情報記録媒体では、光磁気ディ
スクのうち特に直径を64mmとするディスクを対象と
する記録再生装置による再生を目的として、反射率を1
5〜25%に規定するとともに、信号変調度I11/I
Top を0.3〜0.6とする。
【0033】以下、信号変調度I11/ITop を、
0.3〜0.6に調整するための条件を示す。
【0034】まず、このような光情報記録媒体において
信号変調度I11/ITop は、ピット部とランド部
の基板2側からレーザ光L2を照射したときの反射層よ
り反射される光の光学的位相差ΔSによって決まり、信
号変調度I11/ITopが0.3〜0.6となるのは
この光学的位相差ΔSが0.21〜0.94の場合であ
る。
【0035】この信号変調度を決定する光学的位相差Δ
Sは、基板と光反射層との界面を第1界面A 、光反
射層と空気との界面を第2界面A としたときに、ピ
ット部2aに対応する第1界面A とランド部2bに
対応する第1界面A の距離dsub 、ピット部2a
に対応する第2界面A とランド部2bに対応する第
2界面A の距離dabs 、基板の複素屈折率の実数
部nsub 、光反射層の複素屈折率の実数部nabs
によって決まる。この根拠となる関係式を以下に示す。
【0036】すなわち、ランド部2bでのピット部2a
における第1界面A を基準とした場合の第2界面A
までの光学的距離Xは、 X=nsub ・dsub +nabs ・dln
・・・式7 nsub :基板の複素屈折率の実数部 dsub :ピット部における第1界面とランド部にお
ける第1界面の距離 nabs :反射層の複素屈折率の実数部 dln :ランド部における光反射層の膜厚 で表される。ピット部2aでのピット部2aにおける第
1界面A を基準とした場合の第2界面までの光学的
距離Xは、 X=nabs ・dgr ・・・式8 nabs :反射層の複素屈折率の実数部 dgr :ピット部における光反射層の膜厚 で表される。したがって、式3,式4よりピット部とラ
ンド部の光学的距離差NDは、 ND=(nsub ・dsub +nabs ・dln
−nabs ・dgr・・・式9 で表される。ここで、 dgr+dabs =dln+dsub であり、これは、 dgr−dln=dsub −dabs ・・・式10 と置き換えられる。この式10を用いると式9のNDの
算出式(式9)は、 ND=nsub ・dsub −nsub (dsub
abs )・・・式11 と置き換えられる。一方、基板2側からレーザ光を照射
し、反射層3より反射される光のピット部2aとランド
部2bの光学的位相差ΔSは、 ΔS=2ND/λ で表され、この式は式7のNDの算出式を用いることに
より、 ΔS=2dsub 〔nsub −nabs (1−d
abs /dSub )〕/λ・・・式12 と置き換えられる。
【0037】この式12から、光学的位相差ΔSは、n
sub ,nabs ,dsub ,dabs によって決
まることがわかる。
【0038】したがって、信号変調度を0.3〜0.6
にするには、光学的位相差ΔSが0.21〜0.94と
なるようにnsub ,nabs ,dsub ,d
abs を設定し、この設定値に合わせてピット部2a
の深さ、光反射層の膜厚等を調整すればよい。これによ
り、反射率、信号変調度がともに直径を64mmとする
光磁気ディスク用の記録再生装置に適応するものとな
る。
【0039】なお、上記構成の光情報記録媒体は、反射
層にレーザ光を照射して情報信号を書き込む追記型光情
報記録媒体にも適用できる。ただし、この場合は、基板
上には情報ピットを形成せず、案内溝や番地符号ピット
のみを形成しておく。
【0040】追記型光情報記録媒体として使用する場
合、反射層にレーザ光を照射すると、反射層に含有され
る色素がレーザ光を吸収して発熱する。これにより、反
射層が部分的に熱膨張してピット部となる隆起部が形成
される。このようにしてピット部を形成した場合にも、
反射層の反射率が15〜25%であるので、光磁気ディ
スク用記録再生装置によって情報の読み取りが可能であ
る。
【0041】このような構成の追記型光情報記録媒体
は、反射率が適正であるとともに従来の追記型光情報記
録媒体に比べて厚みが薄く、例えば直径を64mmとな
す光磁気ディスクの規格厚みである1.2mm程度とす
ることも可能である。この点においても普及性、実用性
の高いものとなる。
【0042】因みに、従来の追記型光情報記録媒体の構
成を図13に示す。
【0043】すなわち、従来の追記型光情報記録媒体
は、基板21上に色素のみよりなる色素層22が形成さ
れ、この色素層22上に空気層23を介して保護カバー
24を覆ってなるものであり、色素層22にレーザ光を
照射して部分的に色素を除去することによってピット部
が形成される。
【0044】上記光情報記録媒体においては、たとえば
各構成要素の厚みは、基板21が1.0mm、色素層2
2が40nm、空気層23が0.5mm、保護カバー2
4が1.0mmとされ、この場合、全体の厚みは2.5
mm以上となる。このような光情報記録媒体においても
各構成要素を薄膜化すればある程度、全体の厚みを薄く
することができるが、空気層23を形成する必要上、薄
膜化には限界があり、直径を64mmとする光磁気ディ
スクの規格厚み1.2mmに合わせるのは困難である。
【0045】以上、本発明の光情報記録媒体の基本的な
構成について説明したが、本発明の光情報記録媒体に
は、再生専用型,追記型いずれの用途で使用する場合に
も反射層4上に該反射層4を保護するための保護膜を設
けることができる。上記保護膜としては、フッ素系樹
脂、シリコン樹脂等が使用される。
【0046】
【作用】ランド部に凹又は凸のピット部により情報信号
が記録された基板の上記ピット部が形成された面側に反
射層を形成した光情報記録媒体において、反射層として
反射率が15〜25%の色素含有層を用いると、光磁気
ディスクのような反射率が15〜25%の媒体を対象と
する記録再生装置によって再生を行うことが可能なもの
となる。
【0047】色素含有層として複素屈折率の実数部nを
1.84≦n≦2.87の範囲に選定すると、色素含有
層は膜厚を制御するだけで上記範囲の反射率となるの
で、反射層成膜条件の設定が容易である。
【0048】そして、信号変調度が、0.3〜0.6と
されることにより直径を64mmとする光磁気ディスク
を記録媒体に用いる記録再生装置による再生が可能なも
のとなる。ここで、信号変調度は、最大長のピット部と
ランド部の基板側からレーザ光を照射したときの反射層
より反射される光の光学的位相差ΔSによって決まり、
信号変調度I11/ITop が0.3〜0.6となる
のはこの光学的位相差ΔSが0.21〜0.94の場合
である。
【0049】なお、上記構成の光情報記録媒体は、基板
の表面に予め情報信号を書き込んでおく再生専用型の光
情報記録媒体の他、反射層にレーザ光を照射して情報信
号を書き込む追記型光情報記録媒体としても使用され
る。このような構成の追記型光情報記録媒体は、従来の
追記型光情報記録媒体に比べて厚みが薄く、直径を64
mmとする光磁気ディスクの規格厚みである1.2mm
程度とするのに有利である。
【0050】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例を実験結果に
基づいて説明する。
【0051】なお、本実施例において光情報記録媒体の
作製に際して使用した色素,バインダー,添加物は下記
の通りである。
【0052】 色素A:NK529(日本感光色素社製,商品名) 色素B:SRC−8(ソニー社製,商品名) バインダー:ポリビニルアセトアセタール、例えばPVB−2000AS(電 (材料C) 気化学工業社製,商品名) 添加剤:アミン化合物(日本化薬社製,商品名 IRG003) (材料D) 溶剤:ヒドロキシメチルブタノン(東京化成工業社製) (材料E) 材料Dの化学式を化15に示す。
【0053】
【化15】
【0054】実験例1 本実験例では、予め情報信号や案内溝,番地符号ピット
に対応するピット部とランド部が形成された基板上に反
射層が形成されてなる再生専用型光ディスクに本発明を
適用する場合について実験を行った。なお、以下の実験
において測定した反射率はいずれもレーザ光を基板側か
ら照射したときに反射される光の反射率である。
【0055】(1)光情報記録媒体の反射率特性の検討 色素A,Bと、材料C,D,Eを下記の組成比で混合し
て色素含有組成物を調製した。
【0056】(A+B+C):D:E=3:0.2:1
00 なお、色素A、Bおよび材料Cの組成比は表1に示すよ
うに変化させた。
【0057】 そして、この色素含有組成物をポリカー
ポネート基板上にスピンコートして反射層を形成し、光
学的情報媒体(試料1〜試料5)を作製した。ここで、
色素含有組成物は、試料1〜5において一定の膜厚10
0nmで被着されて反射層を形成している。
【0058】このようにして作成した光情報記録媒体の
複素屈折率の実数部n及び反射率を表1に併せて示す。
また、これら試料1〜試料5について、複素屈折率の実
数部nに対する反射率の変化を表した結果を図2に示
す。
【0059】
【表1】
【0060】図2からわかるように、複素屈折率の実数
部nと反射率とはほぼ比例関係となり、上述したように
膜厚を100nmとする場合には複素屈折率の実数部n
を1.8〜2.3程度の範囲とすると反射率が15〜2
5%となることがわかる。
【0061】また参考として、前述の光情報記録媒体1
0の表面の記録がなされていないミラー面において、光
学定数即ち屈折率及び消衰係数の波長分散を測定した。
図3において、実線nはこの屈折率nの変化、実線kは
消衰係数kの変化を示す。
【0062】更に、この光情報記録媒体10の一例とし
て、その反射層3の複素屈折率の実数部nを2.48と
し、再生光の波長λを780nmとしたときに反射率が
15〜25%となる膜厚の範囲を調べた結果を図4に示
す。図4において領域Sは反射率が15〜25%となる
範囲を示し、膜厚dが30nm〜60程度、100〜1
30nm程度の範囲となっている。
【0063】次に、反射層の色素の組成を調整して、複
素屈折率の実数部nが1.84の場合と2.87となる
場合について、反射率の膜厚依存性を調べた。この結果
を図5及び図6に示す。
【0064】図5は、複素屈折率の実数部nが1.84
のときの反射層3の反射率の膜厚依存性を示し、膜厚を
100nmとする場合にかろうじて反射率15%が得ら
れることがわかる。
【0065】一方図6は、複素屈折率の実数部nが2.
87の場合で、膜厚がほぼ20〜30nm程度、100
〜110nm程度のときに15〜25%の反射率が得ら
れることがわかる。
【0066】これらの結果から、複素屈折率の実数部n
を1.84以上とし、その反射層の膜厚を適正に選定す
ることによって、反射層の反射率を確実に15%以上2
5%以下とすることができることがわかる。
【0067】次に、反射層の色素A、Bの組成比が色素
A:色素B=1:1の光情報記録媒体、色素A単独の光
情報記録媒体、色素B単独の光情報記録媒体、色素A:
色素B=2:1の光情報記録媒体、色素A:色素B=
1:2の光情報記録媒体について、情報信号が形成され
ていない部分いわゆるミラー面において、その反射率の
波長依存性を自記分光光度計U3210(日立製作所社
製、商品名)によって測定した。この結果を図7〜図1
1に示す。
【0068】まず、図7から、反射層の色素Aと色素B
とが1:1の組成比で含有されている光情報記録媒体
は、反射率の波長依存性が小さく、特に再生用光の波長
である780±10nmの範囲で、20%程度の一定の
反射率を有することがわかる。一方、図8〜図11を見
てわかるように、それ以外の光情報記録媒体では、反射
率に波長依存性があり、特に現行の再生光波長である7
80nm±10nm付近において反射率が急激に変化す
る。
【0069】このことから、反射層中に複数の色素を適
正な組成比で含有させることにより、反射率の波長依存
性が解消され、より安定な再生信号が得られる光情報記
録媒体となることがわかった。
【0070】(2)光情報記録媒体の信号変調度の検討 ピット部が1.6μmのトラックピッチで形成された厚
さ1.2mmのポリカーボネート基板を射出成形により
作製した。なお、ピット部の寸法は、表2に示す通りで
ある。
【0071】
【表2】
【0072】次に、色素A,Bと、材料C,D,Eを下
記に示す組成比で混合して色素含有組成物を調製した。
【0073】A:B:C:D:E=1:1:1.5:
0.2:100 そして、該色素含有組成物を上記ポリカーボネート基板
上にスピンコート法にて塗布して反射層を成膜し、光情
報記録媒体を作製した。
【0074】なお、反射層を成膜するに際して、反射層
のランド部における膜厚dln,ピット部における膜厚
grはスピンコートの基板回転数を制御することによ
り表3に示すように調整した。
【0075】作製された光情報記録媒体のピット部に対
応する基板と光反射層の界面と該凹部の周囲に対応する
基板と光反射層の界面の距離dsub ,ピット部に対
応する光反射層と空気の界面と該凹部の周囲に対応する
光反射層と空気の界面の距離dabs ,基板の複素屈
折率の実数部nsub ,光反射層の複素屈折率の実数
部nabs およびこれら各値から算出した光学的位相
差ΔSを上記dln,dabs とともに表3に示す。
さらに、測定した信号変調度の結果も併せて表3に示す
とともにΔSと信号変調度の関係を図12に示す。
【0076】
【表3】
【0077】表3及び図12からわかるように、上記光
情報記録媒体において信号変調度は光学的位相差ΔSに
依存して比例的に増加する。このことから、光学的位相
差を制御することにより信号変調度が所望の値に調整で
きることがわかる。
【0078】例えば信号変調度をMDの信号変調度であ
る0.3〜0.6にする場合にはΔSを0.21〜0.
94とすればよい。
【0079】実験例2 本実験例では、本発明を案内溝,番地符号ピットのみが
形成された基板上に情報信号が記録される反射層が形成
されてなる追記型光ディスクに適用する場合について実
験を行った。色素A,Bと材料C,D,Eを下記に示す
組成比で混合して色素含有組成物を調整した。
【0080】A:B:C:D:E=1:1:1:0.
2:100 そして、この色素含有組成物を厚さ1.0mmのポリカ
ーボネート基板上にスピンコートして膜厚0.130μ
mの反射層を形成し、光情報記録媒体を作成した。
【0081】このようにして作成した光情報記録媒体に
ついて波長780±10nmのレーザ光で情報の書き込
み/読み出しを行い再生信号変調度を調べた。
【0082】その結果、上記光情報記録媒体は、再生信
号を得るのに十分な信号変調度がとれることが確認され
た。しかも、この信号変調度は直径を64mmとなす光
磁気ディスクにおいて規格変調度として規定される0.
3〜0.6の範囲にあった。
【0083】したがって、このことから、本発明の光情
報記録媒体は、追記型光情報記録媒体としても使用で
き、記録された情報信号は、直径を64mmとなす光磁
気ディスク等のMOディスク用記録再生装置によって再
生可能であることがわかった。
【0084】また、上記光情報記録媒体は、媒体全体の
厚みが薄く、直径を64mmとなす光磁気ディスクの規
格厚み1.2mmに合わせることが可能であることがわ
かった。
【0085】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明では、ランド部に凹又は凸のピット部により情報信号
が記録された基板の上記ピット部が形成された面側に反
射層を形成した光情報記録媒体、又は、基板上に、情報
信号の記録によって凹又は凸のランド部とピット部が形
成される反射層が設けられた光情報記録媒体において、
反射層として15〜25%の色素含有層を用い、信号変
調度を0.3〜0.6とすることにより、再生専用型の
光情報記録媒体、追記型の光情報記録媒体を光磁気ディ
スクを用いる記録再生装置によって再生可能なものとす
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光情報記録媒体の一構成例を示す要部
概略断面図である。
【図2】光情報記録媒体の複素屈折率の実数部nと反射
率の関係を示す特性図である。
【図3】光情報記録媒体の反射層の複素屈折率の実数部
nおよびkの波長分散を示す特性図である。
【図4】反射層において、複素屈折率の実数部nが2.
48の場合の反射率の膜厚依存性を示す特性図である。
【図5】反射層において、複素屈折率の実数部nが1.
84の場合の反射率の膜厚依存性を示す特性図である。
【図6】反射層において、複素屈折率の実数部nが2.
87の場合の反射率の膜厚依存性を示す特性図である。
【図7】反射層において、色素の組成比が色素A:色素
B=1:1の場合の照射光波長と反射率の関係を示す特
性図である。
【図8】反射層において、色素の組成比が色素A:色素
B=1:0の場合の照射光波長と反射率の関係を示す特
性図である。
【図9】反射層において、色素の組成比が色素A:色素
B=0:1の場合の照射光波長と反射率の関係を示す特
性図である。
【図10】反射層において、色素の組成比が色素A:色
素B=2:1の場合の照射光波長と反射率の関係を示す
特性図である。
【図11】反射層において、色素の組成比が色素A:色
素B=1:2の場合の照射光波長と反射率の関係を示す
特性図である。
【図12】光学的位相差ΔSと信号変調度の関係を示す
特性図である。
【図13】従来の光情報記録媒体の一構成例を示す要部
概略断面図である。
【符号の説明】
1 基板、 2 凹凸のピット部及びランド部、 2a
ピット、 2b ランド、 3 反射層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 室岡 隆夫 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソ ニー株式会社内 (72)発明者 柳沢 吉長 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソ ニー株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−125331(JP,A) 特開 平6−122276(JP,A) 特開 平2−139733(JP,A) 特開 平4−147449(JP,A) 特開 平2−42652(JP,A) 特開 平4−289532(JP,A) 特開 平3−54744(JP,A) 特開 昭58−224448(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ランド部に凹又は凸のピット部により情
    報信号が記録された基板の上記ピット部が形成された面
    側に反射層を形成した光情報記録媒体において、 上記反射層は、反射率が15〜25%の色素含有層であ
    り、 上記色素含有層は、色素、高分子材料、添加剤を組み合
    わせてなり、 上記色素含有層に含有されるシアニン色素のカウンター
    イオンは、少なくともI 、ClO 、BF のい
    ずれか1のイオンを含み、 上記基板側から入射され上記ランド部により反射される
    反射光量と上記基板側から入射されて最大長の上記ピッ
    ト部により反射される反射光量の比である情報信号の信
    号変調度は0.3〜0.6であり、 式1より求められる上記基板側から照射され反射層によ
    り反射されるレーザ光の上記ピット部と上記ランド部の
    光学的位相差ΔSは、 ΔS=2dsub 〔nsub −nabs (1−d
    abs /dSub )〕/λ・・・式1 dsub :ピット部に対応する基板と光反射層の界面
    と、ピット部の周囲に対応 する基板と反射層の界面
    の距離 dabs :ピット部に対応する反射層と空気の界面
    と、ピット部の周囲に対応す る反射層と空気の界面
    の距離 nsub :基板の複素屈折率の実数部 nabs :反射層の複素屈折率の実数部 λ :レーザ光の波長 式2より求められる上記ランド部と上記ピット部の光学
    的距離差NDと、 ND=(nsub・dsub+nabs・dln)−n
    abs・dgr ・・・式2 nsub :基板の複素屈折率の実数部 dsub :ピット部における第1界面とランド部にお
    ける第1界面の距離 nabs :反射層の複素屈折率の実数部 dln :ランド部における光反射層の膜厚 gr :ピット部における光反射層の膜厚 式3とにより決定され、 ΔS=2ND/λ ・・・式3 上記光学的位相差ΔSが 0.21≦ΔS≦0.94 であることを特徴とする光情報記録媒体。
  2. 【請求項2】 反射層の複素屈折率の実数部nが、 1.84≦n≦2.87 と選定されて成ることを特徴とする請求項1記載の光情
    報記録媒体。
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