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JP3493640B2 - 車両用電子制御装置 - Google Patents

車両用電子制御装置

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JP3493640B2
JP3493640B2 JP2000103187A JP2000103187A JP3493640B2 JP 3493640 B2 JP3493640 B2 JP 3493640B2 JP 2000103187 A JP2000103187 A JP 2000103187A JP 2000103187 A JP2000103187 A JP 2000103187A JP 3493640 B2 JP3493640 B2 JP 3493640B2
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signal
cpu
backup
control
main
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JP2000103187A
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真 村田
孝夫 黒澤
晃治 笹嶋
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
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  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)
  • Power Steering Mechanism (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、制御回路基板が車
室内のフロア近傍に配設される車両用電子制御装置に関
し、詳しくは、車室内の浸水により制御回路基板が被水
した場合にも、確実にフェールセーフ制御機能を発揮す
ることが可能な車両用電子制御装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、車両においては、エンジンの燃料
噴射制御、自動変速機の変速制御、車輪への駆動力配分
制御を始めとして、EPS(Electric Pow
erSteering)と略称される電動パワーステア
リング装置の補助操舵トルク制御、VGS(Varia
ble Gear ratio Steering)と
略称される可変舵角比操舵装置の舵角比の変化特性制御
などを行う各種の車両用電子制御装置が搭載されてい
る。
【0003】この種の車両用電子制御装置の制御回路基
板には、通常、メインCPU(Central Pro
cessing Unit)と、このメインCPUの異
常時のフェールセーフ制御機能を有するバックアップC
PUとが配設されている。そして、この種の制御回路基
板は、通常、防水対策が施された状態でエンジンルーム
内などに配置されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記EPS
制御装置やVGS制御装置の制御回路基板においては、
防水対策が施されない状態で車室内のフロア近傍に配置
される例も見られる。この場合、ルーフ付き車両では降
雨による車室内の浸水の虞れがないので問題はないが、
サンルーフ付き車両やオープンカー等では、夕立などの
激しい降雨によって車室内が浸水した場合、制御回路基
板が被水して故障する虞がある。
【0005】ここで、車両用電子制御装置の制御回路基
板が完全に被水した場合、メインCPUおよびバックア
ップCPUの双方とも故障して機能停止してしまうが、
メインCPUが先に被水して機能停止する場合には、バ
ックアップCPUは自己が被水して機能停止するまでの
間にフェールセーフ制御機能を発揮することが可能であ
る。反対に、バックアップCPUが先に被水して機能停
止すると、もはやメインCPUが被水して故障した場合
のフェールセーフ制御機能は実行不能となる。
【0006】そこで、本発明は、車室内の浸水により制
御回路基板が被水した場合にも、確実にフェールセーフ
制御機能を発揮することが可能な車両用電子制御装置を
提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
め、本発明は、少なくともメインCPUおよびバックア
ップCPUを有する制御回路基板が車室内のフロア近傍
に配設される車両用制御装置であって、前記メインCP
Uの異常時のフェールセーフ制御機能を有する前記バッ
クアップCPUが、メインCPUより上方に配置されて
いる構成としたことを手段としている。
【0008】本発明の車両用制御装置では、車室内の浸
水により制御回路基板が被水する場合、メインCPUが
バックアップCPUより先に被水するため、バックアッ
プCPUは自己が被水する前にメインCPUの異常時の
フェールセーフ制御機能を確実に発揮することが可能と
なる。
【0009】本発明の車両用制御装置において、前記メ
インCPUがVGS制御機能を有し、前記バックアップ
CPUが前記VGS制御のフェールセーフ制御機能を有
していると、バックアップCPUは自己が被水する前に
VGS制御のフェールセーフ制御機能を発揮することが
可能となる。
【0010】また、本発明の車両用制御装置において、
前記メインCPUとの間の相互監視機能を有するサブC
PUがバックアップCPUより下方に配置して前記制御
回路基板に設けられていると、メインCPUまたはサブ
CPUの何れか一方が被水した場合、被水したCPUを
監視する他方のCPUの監視機能に応じ、バックアップ
CPUは自己が被水する前にフェールセーフ制御機能を
発揮することが可能となる。例えばVGS制御のフェー
ルセーフ制御機能を発揮することが可能となる。
【0011】さらに、本発明の車両用制御装置におい
て、前記バックアップCPUの電源が前記メインCPU
より上方に配置され、メインCPUの電源がバックアッ
プCPUおよびその電源より下方に配置されていると、
メインCPUおよびその電源がバックアップCPUおよ
びその電源より先に被水するため、バックアップCPU
およびその電源は自己が被水する前に確実にフェールセ
ーフ制御機能、例えばVGS制御のフェールセーフ制御
機能を発揮することが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明に係
る車両用電子制御装置の実施の形態を説明する。参照す
る図面において、図1は一実施形態に係る車両用電子制
御装置の制御回路基板の車室内における配置構成図、図
2は車両用電子制御装置の制御回路基板上でのメインC
PU、バックアップCPU等の配置構成図である。
【0013】一実施形態に係る車両用電子制御装置は、
例えばオープンカーを対象としたものであり、図1に示
すように、車室内RのフロアFの近傍に配置された制御
回路基板1を備えている。この制御回路基板1は、助手
席シートSの前方のフロアFから立ち上がるトーボード
Tに沿って斜めに設置されたECU(Electric
Control Unit)用のケースC内に収容さ
れている。前記制御回路基板1は、その下縁がフロアF
の上面からHの高さに位置するように配置されている。
【0014】前記制御回路基板1上には、図2に示すよ
うに、メインCPU2、バックアップCPU3、サブC
PU4、メインCPU2およびサブCPU4に共用のメ
イン電源5、バックアップCPU3用のバックアップ電
源6、被水センサ7,8等が配設されている。ここで、
前記被水センサ7,8は、制御回路基板1の下縁付近に
左右に離間して配置され、サブCPU4およびメイン電
源5は、被水センサ7,8の若干上方に左右に並べて配
置されている。また、メインCPU2は制御回路基板1
の中央部に配置され、バックアップ電源6は制御回路基
板1の上縁付近に臨んでメインCPU2の上方に配置さ
れている。そして、バックアップCPU3は、バックア
ップ電源6と並んでメインCPU2の上方に配置されて
いる。
【0015】前記メインCPU2は、後述する電動パワ
ーステアリング装置の補助操舵トルクを可変に制御する
EPS制御機能と、後述する可変舵角比操舵装置の舵角
比の変化特性を可変に制御するVGS制御機能と、バッ
クアップCPU3の作動を監視する監視機能と、サブC
PU4との間で相互に作動を監視する相互監視機能とを
正常時の機能として備えている。また、このメインCP
U2は、自己およびサブCPU4の異常時の機能とし
て、サブCPU4との間の相互監視機能を停止し、バッ
クアップCPU3にVGS制御のフェールセーフ制御を
実行させる機能を有する。さらに、このメインCPU2
は、バックアップCPU3の異常時の機能として、EP
S制御を基本的な制御に限定するアシスト補完制御機能
と、VGS制御のフェールセーフ制御機能とを備えてい
る。
【0016】一方、バックアップCPU3は、通常時の
機能として、VGS制御のフェールセーフ制御機能を即
座に発揮できるように準備する準備機能を備えている。
また、このバックアップCPU3は、メインCPU2ま
たはサブCPU4の異常時の機能として、VGS制御の
フェールセーフ制御機能を備えている。そして、このバ
ックアップCPU3は、自己の異常時にはその機能を停
止する。
【0017】そして、サブCPU4は、通常時の機能と
して、メインCPU2との間で相互に作動を監視する相
互監視機能を有する。また、このサブCPU4は、自己
およびメインCPU2の異常時の機能として、メインC
PU2との間の相互監視機能を停止し、バックアップC
PU3にVGS制御のフェールセーフ制御を実行させる
機能を有する。
【0018】なお、前記被水センサ7,8は、制御回路
基板1の通電状態において被水を検出し、その検出信号
をメインCPU2に出力することで、短時間の被水時に
必要な適宜の処置をメインCPU2に行わせるものであ
る。
【0019】ここで、前記制御回路基板1のメインCP
U2等によりEPS制御を受ける電動パワーステアリン
グ装置およびVGS制御を受ける可変舵角比操舵装置が
組み込まれたステアリング系の構成を図3により説明す
る。このステアリング系10は、いわゆるラック・ピニ
オン式のステアリング系であり、ステアリングホイール
11に一体に連結されたステアリングシャフト12の下
端部は、連結軸13を介して相互に連結された一対のユ
ニバーサルジョイント14,14を介して舵角比可変装
置15の入力軸15Aに連結されている。そして、この
舵角比可変装置15の出力軸には、ラック・ピニオン機
構16のピニオン16Aが一体に形成されている。
【0020】前記ラック・ピニオン機構16は、ピニオ
ン16Aに噛み合うラック歯16Bが形成されたラック
軸16Cを備え、このラック軸16Cの両端部には、車
両の左右の操舵輪W,Wに付設されたナックルアーム1
7がタイロッド18,18を介してそれぞれ連結されて
いる。そして、前記ラック軸16Cには、これと同軸に
ボールネジ機構19のボールネジ部19Aが形成されて
いる。このボールネジ部19Aに噛み合うボールナット
19Bは、電動パワーステアリング装置のEPS制御用
のEPSモータ20のロータ20Aに固定されている。
そして、前記EPSモータ20は、前記ラック軸16C
が貫通する状態でその周囲に配設されている。
【0021】ここで、図4〜図6を参照して前記可変舵
角比操舵装置を構成する舵角比可変装置15について説
明する。この舵角比可変装置15は、図4および図5に
示すように、前記ユニバーサルジョイント14に連結さ
れる入力軸15Aと、前記ピニオン16Aが一体に形成
された出力軸15Bとを偏心状態で回転自在に連結した
所謂一種のオルダム継手を内蔵しており、入力軸15A
の回転に伴ない出力軸15Bが不等速で追従回転するよ
うに構成されている。この舵角比可変装置15は、図6
に示すように、前記出力軸15Bに対する入力軸15A
の偏心量を可変に制御するVGS制御用のVGSモータ
21を備えている。
【0022】図5に示すように、入力軸15Aの下端部
には、その軸方向と直交するガイド溝15Cに沿ってス
ライダ15Dを移動自在に案内するカップリング15E
が設けられている。一方、出力軸15Bの上端面には、
前記スライダ15Dに円錐ころ軸受15Fを介して相対
回転自在に嵌合する中間軸15Gが突設されている。な
お、前記スライダ15Dには、カップリング15Eのガ
イド溝15Cに沿って転動する平型ニードル軸受15H
が付設されている。
【0023】前記入力軸15Aは、図4に示すように、
回動支持部材15Jの回動中心から偏心した位置に玉軸
受15Kを介して回転自在に嵌合している。前記回動支
持部材15Jは、舵角比可変装置15のケーシング15
Lに玉軸受15Mを介して回動自在に支持されており、
ウォーム減速機構22を介して回動操作軸23により正
逆方向に回動されるように構成されている。
【0024】一方、図6に示すように、前記VGSモー
タ21の回転軸21Aは、ウォーム減速機構24を介し
て前記回動操作軸23に伝動構成されている。この回動
操作軸23は、前記ウォーム減速機構22を介して前記
回動支持部材15Jを回動操作するように構成されてい
る。そして、VGSモータ21の回転により回動操作軸
23を介して回動支持部材15Jを回動操作することに
より、前記出力軸15Bに対する入力軸15Aの偏心量
が可変に制御されるように構成されている。
【0025】また、前記出力軸15Bに対する入力軸1
5Aの偏心量を検出して前記VGSモータ21の回転を
フィードバック制御するため、前記回動支持部材15J
の上面にはピン24が突設され、前記ケーシング15L
にはピン24の移動量を検出する変位センサ25が固定
されている。この変位センサ25は、前記入力軸15A
の偏心量をピン24の移動量により検出し、その偏心量
信号AEを前記制御回路基板1上に構成された電子制御
装置40に出力する。
【0026】図7は、前記舵角比可変装置15の入力軸
15Aの回転角αと、出力軸15Bの回転角βとの関係
を示している。出力軸15Bに対する入力軸15Aの偏
心量eをゼロのときe0とし、また、e0<e1<e2
としたとき、偏心量e0の場合、入力軸15Aに対して
出力軸15Bが等速で追従回転し、舵角比β/αは1と
なる。偏心量e1の場合は、入力軸15Aに対して出力
軸15Bが不等速で追従回転し、舵角比β/αは1より
小さくなる。偏心量e2の場合も同様であるが、この場
合は、偏心量e1の場合に較べて、舵角比β/αがさら
に小さくなる。この偏心量e2の場合の舵角比β/αの
変化特性は、入力軸15Aの回転角αが小さい領域で特
に舵角比β/αが小さく、キビキビした操舵フィーリン
グは期待できない代わりに、軽くて安定した操舵フィー
リングが得られる、所謂ダル傾向の強い特性である。
【0027】そこで、VGS制御においては、車両の低
速走行時にはキビキビした操舵フィーリングを得るため
に偏心量eを小さくし、高速走行時には特に安定した操
舵フィーリングを得るために偏心量eを大きくするよう
にVGSモータ21の回転を制御する。そして、メイン
CPU2が故障した場合のバックアップCPU3による
VGS制御のフェールセーフ制御に際しては、特に軽い
操舵フィーリングを得るために偏心量eを最大値に固定
するようにVGSモータ21の回転を制御する。
【0028】つぎに、図8を参照して前記制御回路基板
1上に構成される電子制御装置40について説明する。
この電子制御装置40は、前記メインCPU2、バック
アップCPU3、サブCPU4、メイン電源(メイン系
電源回路)5、バックアップ電源(バックアップ系電源
回路)6の他に、操舵トルク入力回路41、車速入力回
路42、実偏心量入力回路43、ゲート駆動回路44、
EPSブリッジ回路45、VGSブリッジ回路46、切
替回路50を備えている。そして、この電子制御装置4
0には、操舵トルクセンサ30からの操舵トルク信号T
S、車速センサ31からの車速信号VP、EPSモータ
電流センサ32からのEPSモータ電流信号EIMO、
VGSモータ電流センサ33からのVGSモータ電流信
号VIMO、前記変位センサ25からの偏心量信号AE
が入力される。
【0029】前記操舵トルクセンサ30は、図3に示す
舵角比可変装置15に組み込まれており、ステアリング
系10に加えられる手動操舵トルクの方向および大きさ
を示す操舵トルク信号TSを電子制御装置40の操舵ト
ルク入力回路41に出力する。この操舵トルク入力回路
41は、前記操舵トルク信号TSをアナログ信号からデ
ィジタル信号に変換して前記メインCPU2およびサブ
CPU4に出力する。
【0030】前記車速センサ31は、図示しない変速機
出力軸の回転数を検出し、その検出信号を車速信号VP
として電子制御装置40の車速入力回路42に出力す
る。この車速入力回路42は、前記車速信号VPをアナ
ログ信号からディジタル信号に変換して前記メインCP
U2、バックアップCPU3およびサブCPU4に出力
する。
【0031】前記EPSモータ電流センサ32は、前記
EPSモータ20に直列に接続された抵抗またはホール
素子を備えており、EPSモータ20に流れる電流の方
向および大きさに応じたEPSモータ電流信号EIMO
を電子制御装置40のメインCPU2に出力する。ま
た、VGSモータ電流センサ33は、前記VGSモータ
21に直列に接続された抵抗またはホール素子を備えて
おり、VGSモータ21に流れる電流の方向および大き
さに応じたVGSモータ電流信号VIMOを電子制御装
置40のメインCPU2に出力する。
【0032】前記変位センサ25は、前記舵角比可変装
置15の出力軸15Bに対する入力軸15Aの偏心量を
示す偏心量信号AEを電子制御装置40の実偏心量入力
回路43に出力する。この実偏心量入力回路43は、前
記偏心量信号AEをアナログ信号からディジタル信号に
変換して前記メインCPU2、バックアップCPU3お
よびサブCPU4に出力する。
【0033】前記電子制御装置40を稼動させるため、
前記メイン電源(メイン系電源回路)5は、メインCP
U2およびサブCPU4によって前記EPSモータ20
およびVGSモータ21を制御するのに必要な電源電圧
を電子制御装置40の各部に供給する。すなわち、メイ
ン電源5は、メインCPU2、サブCPU4、操舵トル
ク入力回路41、車速入力回路42、実偏心量入力回路
43、ゲート駆動回路44、切替回路50等に電源電圧
+5Vを供給し、EPSブリッジ回路45およびVGS
ブリッジ回路46に電源電圧+12Vを供給する。
【0034】一方、バックアップ電源(バックアップ系
電源回路)6は、メインCPU2またはサブCPU4が
故障した時、バックアップCPU3によってVGSモー
タ21を制御するのに必要な電源電圧を電子制御装置4
0の各部に供給する。すなわち、バックアップ電源6
は、バックアップCPU3、実偏心量入力回路43、切
替回路50等に電源電圧+5Vを供給し、VGSブリッ
ジ回路46に電源電圧+12Vを供給する。
【0035】以下、前記電子制御装置40の主要部を構
成するメインCPU2、サブCPU4、バックアップC
PU3、ゲート駆動回路44、切替回路50について順
次説明する。まず、メインCPU2は、電動パワーステ
アリング装置の補助操舵トルクを可変に制御するEPS
制御機能を備えている。このEPS制御においては、前
記操舵トルクセンサ30からの操舵トルク信号TSおよ
び車速センサ31からの車速信号VPに基づいて決定し
た目標電流値と、前記EPSモータ電流センサ32から
のEPSモータ電流信号EIMOに基づいて検出したE
PSモータ20に実際に流れているEPSモータ電流E
IMとを一致させるように、フィードバック制御によっ
てEPSモータ20の回転を制御する。
【0036】すなわち、EPS制御において、メインC
PU2は、予め実験値または設計値に基づいて設定した
操舵トルク信号TSおよび車速信号VPと、これらに対
応する目標電流値とのデータに基づいて、操舵トルク信
号TSおよび車速信号VPをアドレスとして目標電流値
を読み出す。そして、メインCPU2は、この目標電流
値からEPSモータ電流信号EIMOを減算してその偏
差を算出する。さらに、メインCPU2は、この偏差に
P(比例)、I(積分)およびD(微分)制御を行い、
偏差を0に近づけるためにEPSモータ20に供給する
電流の向きと電流値とを示すPID(Proporti
onal Integral Differentia
l)制御信号を生成する。続いて、メインCPU2は、
このPID制御信号に基づいて、EPSモータ20に供
給する電流の向きと電流値に対応したPWM(Puls
e Width Modulation)信号、オン信
号、オフ信号を生成する。
【0037】前記PWM信号は、EPSブリッジ回路4
5のパワーFET(Field Effect Tra
nsistor)45aのゲートG1またはパワーFE
T45bのゲートG2に入力され、偏差の大きさに応じ
てパワーFET45aまたはパワーFET45bをPW
M駆動する。
【0038】なお、PWM信号がゲートG1かゲートG
2のどちらのゲートに入力されるかは、偏差(PID制
御信号)の極性によって決まる。そして、ゲートG1に
PWM信号が入力される場合には、パワーFET45d
のゲートG4にオン信号が入力され、パワーFET45
dがオン駆動される。他方、ゲートG2にPWM信号が
入力される場合には、パワーFET45cのゲートG3
にオン信号が入力され、パワーFET45cがオン駆動
される。その際、ゲートG1またはゲートG2のうちP
WM信号が入力されないゲートにはオフ信号が入力さ
れ、パワーFET45aまたはパワーFET45bはオ
フされる。このとき、ゲートG1にオフ信号が入力され
た場合には、パワーFET45dのゲートG4にもオフ
信号が入力され、パワーFET45dもオフされる。他
方、ゲートG2にオフ信号が入力された場合には、パワ
ーFET45cのゲートG3にもオフ信号が入力され、
パワーFET45cもオフされる。
【0039】前記メインCPU2によるEPSモータ2
0のメイン駆動制御信号MEMSは、ゲートG1〜G4
に出力するPWM信号、オン信号、オフ信号で構成さ
れ、ゲート駆動回路44を介してEPSブリッジ回路4
5に供給される。
【0040】また、メインCPU2は、可変舵角比操舵
装置の舵角比の変化特性を可変に制御するVGS制御機
能を備えている。このVGS制御においては、前記車速
センサ31からの車速信号VPに基づいて決定した目標
偏心量(目標舵角比に相当)と、前記変位センサ25か
らの偏心量信号AEに基づいて検出した実偏心量(実舵
角比に相当)とを一致させるように、フィードバック制
御によって舵角比可変装置15のVGSモータ21の回
転を制御する。
【0041】すなわち、VGS制御において、メインC
PU2は、予め実験値または設計値に基づいて設定した
車速信号VPと、これに対応する目標偏心量のデータ
(変換テーブル)に基づいて、車速信号VPをアドレス
として目標偏心量を読み出す。ちなみに、目標偏心量
は、車速信号VPに対して、路面反力の大きい低速の場
合には小さい値が対応づけられ、走行時の安定性を確保
するために高速の場合には大きい値が対応づけられてい
る。そして、メインCPU2は、前記目標偏心量から偏
心量信号AEに基づく実偏心量AEを減算してその偏差
を算出する。さらに、メインCPU2は、この偏差にP
(比例)、I(積分)およびD(微分)制御を行い、偏
差を0に近づけるためにVGSモータ21に供給する電
流の向きと電流値とを示すPID制御信号を生成する。
続いて、メインCPU2は、このPID制御信号に基づ
いて、VGSモータ21に供給する電流の向きと電流値
に対応したPWM信号、オン信号、オフ信号を生成す
る。
【0042】前記メインCPU2によるVGSモータ2
1のメイン駆動制御信号MVMSは、VGSブリッジ回
路46のゲートG1〜G4に出力するPWM信号、オン
信号、オフ信号で構成され、切替回路50を介してVG
Sブリッジ回路46に供給される。なお、電動機制御信
号MVMSによるVGSブリッジ回路46の駆動制御
は、前記したメイン駆動制御信号MEMSによるEPS
ブリッジ回路45の駆動制御と同様なので、詳細な説明
を省略する。
【0043】さらに、メインCPU2は、サブCPU4
との間で相互に作動を監視する機能と、バックアップC
PU3の作動を監視する機能とを有する。サブCPU4
との相互監視機能において、メインCPU2は、サブC
PU4で演算された車速等を自己が演算した車速等と比
較してサブCPU4の作動を監視し、サブCPU4が正
常か故障かを判定する。そして、メインCPU2は、サ
ブCPU4にサブCPU監視情報を送信する。また、メ
インCPU2は、サブCPU4からのメインCPU監視
情報等を利用し、ウォッチドッグタイマによる自己監視
機能によってメイン信号SMを生成し、これを切替回路
50に出力する。
【0044】前記メイン信号SMは、メインCPU2が
正常の場合にはH信号、メインCPU2が故障の場合に
はL信号であり、メインCPU2の故障時にバックアッ
プCPU3にフェールセーフ制御機能を実行させるため
の信号である。メインCPU2は、メインCPU2また
はサブCPU4の故障時には、メイン信号SMをL信号
として切替回路50に出力し、舵角比可変装置15のV
GSモータ21のフェールセーフ制御をバックアップC
PU3に切り替え、自己の全機能を停止する。
【0045】一方、バックアップCPU3の監視機能で
は、メインCPU2は、バックアップCPU3で演算さ
れた車速等を自己が演算した車速等と比較してバックア
ップCPU3の作動を監視し、バックアップCPU3が
正常か故障かを判定する。そして、メインCPU2は、
バックアップCPU3にバックアップCPU監視情報を
送信する。
【0046】バックアップCPU3または切替回路50
の故障時には、メインCPU2は、電動パワーステアリ
ング装置のEPSモータ20に対する制御として、EP
S制御を基本的な制御に限定するアシスト補完制御を行
う。また、舵角比可変装置15のVGSモータ21に対
する制御として、舵角比可変装置15の目標偏心量を最
大量に設定する。そして、メインCPU2は、舵角比可
変装置15の実偏心量AEが最大偏心量になるようにV
GSモータ21を制御し、その舵角比の変化特性を最も
ダル傾向の強い特性、すなわち、ステアリングホイール
11を大きく回転しても操舵輪Wあまり転舵されない特
性であって、軽くて安定した操舵フィーリングが得られ
る特性に移行させる。
【0047】バックアップCPU3または切替回路50
の故障判定では、メインCPU2は、車両の停車時に切
替回路50にメイン信号SMとしてL信号を擬似的に出
力した時にVGSモータ電流センサ33からのVGSモ
ータ電流信号VIMOが1A以下の状態が10mS継続
した場合(すなわち、VGSモータ21にVGSモータ
電流VIMが流れていない場合)、バックアップCPU
3または切替回路50が故障と判定する。
【0048】つまり、メインCPU2またはサブCPU
4が故障した場合、バックアップCPU3が、舵角比可
変装置15の舵角比特性をダル側に移行させるために、
VGSモータ21の回転を制御する。このとき、バック
アップCPU3は、目標偏心量を最大量に設定して制御
を行うので、VGSモータ21には大きなVGSモータ
電流VIMが流れる。したがって、メインCPU2が自
身の故障を示すためにメイン信号SMとしてL信号を擬
似的に出力した時にVGSモータ21にVGSモータ電
流VIMが流れていない場合は、切替回路50が正常に
メイン駆動制御信号MVMSをバックアップ駆動制御信
号BVMSに切り替えていないか、あるいはバックアッ
プCPU3が正常なバックアップ駆動制御信号BVMS
を出力していないと判定できる。ちなみに、メインCP
U2は、この故障判定をイニシャルチェックとして行っ
ている。
【0049】さらに、切替回路50の故障判定では、メ
インCPU2は、切替回路50にメイン信号SMとして
L信号を擬似的に出力した時に切替回路50からのメイ
ン用リターン信号RM1がH信号(または、メイン用リ
ターン信号RM2がL信号)の状態が10mS継続した
場合、切替回路50が故障と判定する。また、メインC
PU2は、サブCPU4に切替回路50をチェックする
ためのリクエスト信号を送信し、サブCPU4からサブ
信号SSとして擬似的にL信号を切替回路50に出力さ
せる。そして、メインCPU2は、切替回路50からの
メイン用リターン信号RM1がH信号(または、メイン
用リターン信号RM2がL信号)の状態が10mS継続
した場合、切替回路50が故障と判定する。ちなみに、
メインCPU2は、これらの故障判定もイニシャルチェ
ックとして行っている。
【0050】次に、サブCPU4について説明する。サ
ブCPU4は、メインCPU2による電動パワーステア
リング装置に対する制御の禁止判定をする。また、サブ
CPU4は、メインCPU2を監視するとともに、自己
監視する。さらに、サブCPU4は、メインCPU2ま
たはサブCPU4の故障時には、切替回路50によって
VGSモータ21に対する制御をバックアップCPU3
に切り替え、全機能を停止する。
【0051】メインCPU2の制御の禁止判定では、サ
ブCPU4は、例えば、メインCPU2からのメイン駆
動制御信号MEMS等を監視してEPSモータ20が異
常駆動されるか否かを判定あるいは操舵トルク信号TS
とEPSモータ電流信号EIMOの関係を監視してメイ
ンCPU2の異常出力を判定し、補助禁止信号SBをゲ
ート駆動回路44に出力する。補助禁止信号SBは、メ
インCPU2による制御を禁止する場合にはH信号であ
り、メインCPU2による制御を禁止しない場合にはL
信号である。
【0052】メインCPU2に対する監視では、サブC
PU4は、メインCPU2で演算された車速等を自己で
演算した車速等と比較し、メインCPU2を監視し、メ
インCPU2が正常か故障かを判定する。そして、サブ
CPU4は、メインCPU2にメインCPU監視情報を
送信する。
【0053】サブCPU4は、メインCPU2からのサ
ブCPU監視情報等を利用して、ウォッチドッグタイマ
による自己監視機能によってサブ信号SSを生成し、切
替回路50に出力する。なお、サブ信号SSは、サブC
PU4が正常の場合にはH信号であり、サブCPU4が
故障の場合にはL信号である。
【0054】メインCPU2またはサブCPU4の故障
時には、サブCPU4は、サブ信号SSとしてL信号を
切替回路50に出力してバックアップCPU3にVGS
モータ21の制御を切り替え、全機能を停止する。
【0055】次に、バックアップCPU3について説明
する。バックアップCPU3は、常時、偏心量が安全側
に移行するように舵角比可変装置15のVGSモータ2
1を制御するために、VGSモータ21のバックアップ
駆動制御信号BVMSを生成する。また、バックアップ
CPU3は、メインCPU2またはサブCPU4の故障
時には、偏心量eが安全側に移行するように舵角比可変
装置15のVGSモータ21を制御する。さらに、バッ
クアップCPU3は、自己の故障時には全機能を停止す
る。
【0056】続いて、図9を参照してバックアップCP
U3の内部構成を説明する。バックアップCPU3は、
主として、目標偏心量設定部3a、偏差演算部3b、P
ID制御部3cおよびPWM信号発生部3dから構成さ
れる。
【0057】前記目標偏心量設定部3aは、ROM(R
ead Only Memory)等の記憶手段を備
え、目標偏心量CEとして最大偏心量を記憶している。
そして、目標偏心量設定部3aは、目標偏心量CEを偏
心演算部3bに出力する。ちなみに、舵角比可変装置1
5の偏心量eを最大偏心量にすることによって、舵角比
可変装置15の舵角比の変化特性は最高のダル特性とな
り、ステアリングホイール11のニュートラル位置から
の操舵に対して操舵輪W,Wが緩やかに追従して転舵す
る。また、EPSモータ20による補助操舵トルクが作
用していない状態でもステアリングホイール11を軽く
操作することができる。
【0058】偏差演算部3bは、減算器またはソフト制
御の減算機能を備え、目標偏心量設定部3aからの目標
偏心量CEと実偏心量入力回路43からの偏心量信号A
Eが入力され、PID制御部3cに偏差ΔEを出力す
る。偏差演算部3bは、目標偏心量CEから実偏心量A
Eを減算し、偏差ΔE(=CE−AE)を算出する。
【0059】PID制御部3cは、偏差演算部3cから
の偏差ΔEが入力され、PWM信号発生部3dに偏差Δ
Eに対するPID制御信号PSを出力する。PID制御
部3cは、この偏差ΔEにP(比例)、I(積分)およ
びD(微分)制御を行い、偏差を0に近づけるためにV
GSモータ21に供給する電流の向きと電流値とを示す
PID制御信号PSを生成する。
【0060】PWM信号発生部3dは、PID制御部3
cからのPID制御信号PSが入力され、切替回路50
にバックアップ駆動制御信号BVMSを出力する。PW
M信号発生部3dは、PID制御信号PSに基づいて、
VGSモータ21に供給する電流の向きと電流値に対応
したPWM信号、オン信号、オフ信号を生成する。な
お、バックアップ駆動制御信号BVMSは、VGSブリ
ッジ回路46のゲートG1〜G4に出力するPWM信
号、オン信号、オフ信号で構成される。なお、バックア
ップ駆動制御信号BVMSによるVGSブリッジ回路4
6の駆動制御は、前記したメイン駆動制御信号MVMS
によるVGSブリッジ回路46の駆動制御と同様なの
で、詳細な説明を省略する。
【0061】バックアップCPU3は、メインCPU2
によって舵角比可変装置15が制御されている時でも、
バックアップ駆動制御信号BVMSを生成し、切替回路
50に出力する。そして、このバックアップ駆動制御信
号BVMSは、切替回路50によって、メインCPU2
またはサブCPU4が故障あるいは電子制御装置40が
外部からハードリセットされた時のみ、VGSブリッジ
回路46に供給される。なお、バックアップCPU3
は、切替回路50からのバックアップ用リターン信号R
B1がL信号(または、バックアップ用リターン信号R
B2がH信号)の場合、メインCPU2またはサブCP
U4が故障あるいは電子制御装置40が外部からハード
リセットであると判断できる。
【0062】バックアップCPU3は、メインCPU2
からのバックアップCPU監視情報等を利用して、ウォ
ッチドッグタイマによる自己監視機能によって故障か正
常かを判定する。そして、バックアップCPU3は、自
己が故障していると判定すると、全機能を停止する。
【0063】次に、図8を参照してゲート駆動回路44
について説明する。このゲート駆動回路44は、EPS
ブリッジ回路45の各ゲートG1〜G4にEPSゲート
制御信号EMSを出力する。さらに、ゲート駆動回路4
4は、補助禁止信号SBがH信号の時、メインCPU2
による電動パワーステアリング装置のEPSモータ20
の制御を禁止する。そこで、ゲート駆動回路44には、
メインCPU2からのメイン駆動制御信号MEMSとサ
ブCPU4からの補助禁止信号SBが入力され、EPS
ゲート制御信号EMSをEPSブリッジ回路45に出力
する。
【0064】ゲート駆動回路44は、4つのNOT回路
と4つのAND回路を備える。そして、ゲート駆動回路
44は、補助禁止信号SBを4つのNOT回路で4つの
AND回路に反転出力する。さらに、ゲート駆動回路4
4の4つのAND回路には、EPSブリッジ回路45の
ゲートG1〜G4に対するメイン駆動制御信号MEMS
と、NOT回路の反転出力とが各々入力され、4つのA
ND回路からEPSブリッジ回路45のゲートG1〜G
4に対してEPSゲート制御信号EMSを出力する。そ
して、ゲート駆動回路44は、補助禁止信号SBがH信
号の時には、EPSゲート制御信号EMSとして全てオ
フ信号を出力し、補助禁止信号SBがH信号の時には、
EPSゲート制御信号EMSとしてメイン駆動制御信号
MEMSをそのまま出力する。
【0065】次に、図10を参照して切替回路50につ
いて説明する。この切替回路50は、メインCPU2ま
たはサブCPU4が故障時あるいは電子制御装置40が
ハードリセット時に、舵角比可変装置15の制御をメイ
ンCPU2からバックアップCPU3に切り替える。そ
こで、切替回路50は、メインCPU2からのメイン駆
動制御信号MVMSおよびメイン信号SM、サブCPU
4からのサブ信号SS、ハードリセット信号SHおよび
バックアップCPU3からのバックアップ駆動制御信号
BVMSが入力され、VGSブリッジ回路46にVGS
ゲート制御信号VMSを出力する。そのために、切替回
路50は、故障判定部51、メイン出力判定部52、バ
ックアップ出力判定部53およびリターン信号出力部5
4を備える。
【0066】故障判定部51は、メインCPU2、サブ
CPU4の故障、正常、および、電子制御装置40に対
するハードリセットの有無を判定する。そのために、故
障判定部51は、3つのAND回路51a,51b,5
1cおよびNOT回路51d,51e,51fを備え
る。AND回路51aは、メイン信号SMとハードリセ
ット信号SHが入力され、この2つの信号の論理積をA
ND回路51cに出力する。なお、ハードリセット信号
SHは、通常時にはH信号であり、電子制御装置40の
外部からハードリセットされている時にはL信号であ
る。AND回路51bは、サブ信号SSとハードリセッ
ト信号SHが入力され、この2つの信号の論理積をAN
D回路51cに出力する。AND回路51cは、AND
回路51aとAND回路51bからの論理積の信号が各
々入力され、この2つの信号の論理積をNOT回路51
d,51eに各々出力する。
【0067】前記NOT回路51dは、AND回路51
cからの論理積出力をメイン出力判定部52およびリタ
ーン信号出力部54に各々反転出力する。NOT回路5
1eは、AND回路51cからの論理積出力をNOT回
路51fに反転出力する。NOT回路51fは、NOT
回路51eからの反転出力をバックアップ出力判定部5
3およびリターン信号出力部54に各々反転出力する。
したがって、メイン信号SM、サブ信号SSおよびハー
ドリセット信号SHが全てH信号の場合、故障判定部5
1は、AND回路51cからH信号を出力し、メインC
PU2およびサブCPU4が正常かつハードリセット無
しと判定する。
【0068】そして、故障判定部51は、メイン出力判
定部52からメイン駆動制御信号MVMSをそのままV
GSゲート制御信号VMSとして出力させるために、A
ND回路51cからのH信号をNOT回路51dによっ
てL信号としてメイン出力判定部52に出力する。さら
に、故障判定部51は、バックアップ出力判定部53で
バックアップ駆動制御信号BVMSの出力を停止するた
めに、AND回路51cからのH信号をNOT回路51
e,51fによってH信号としてバックアップ出力判定
部53に出力する。
【0069】他方、メイン信号SM、サブ信号SSおよ
びハードリセット信号SHの少なくとも1つの信号がL
信号の場合、故障判定部51は、AND回路51cから
L信号を出力し、メインCPU2またはサブCPU4が
故障あるいはハードリセット有りと判定する。そして、
故障判定部51は、メイン出力判定部52でメイン駆動
制御信号MVMSの出力を停止するために、AND回路
51cからのL信号をNOT回路51dによってH信号
としてメイン出力判定部52に出力する。さらに、故障
判定部51は、バックアップ出力判定部53からバック
アップ駆動制御信号BVMSをそのままVGSゲート制
御信号VMSとして出力させるために、AND回路51
cからのL信号をNOT回路51e,51fによってL
信号としてバックアップ出力判定部53に出力する。
【0070】ちなみに、2つのNOT回路51e,51
fによって信号の論理を元の論理に戻しているが、これ
は、電子制御装置40が有するメイン電源5とバックア
ップ電源6との2つの電源回路間の絶縁性を確保するた
めであり、NOT回路51e,51fをトランジスタ等
のスイッチング素子で構成し、一方がショートしても電
気的に他方を絶縁するためである。
【0071】メイン出力判定部52は、メイン駆動制御
信号MVMSをVGSブリッジ回路46に出力するか否
かを判定する。そのために、メイン出力判定部52は、
4つのNOT回路52a,52b,52c,52dと4
つのAND回路52e,52f,52g,52hを備え
る。NOT回路52a,52b,52c,52dは、N
OT回路51dからの信号が入力され、この信号をAN
D回路52e,52f,52g,52hに各々反転出力
する。AND回路52e,52f,52g,52hに
は、NOT回路52a,52b,52c,52dからの
信号と、VGSブリッジ回路46の各ゲートG1〜G4
に対するメイン駆動制御信号MVMSとが各々入力さ
れ、この信号の論理積を出力する。そして、NOT回路
52a,52b,52c,52dに入力される信号がH
信号の場合(すなわち、メインCPU2またはサブCP
U4が故障あるいはハードリセット有りの場合)、AN
D回路52e,52f,52g,52hは、全てL信号
を出力する。
【0072】他方、NOT回路52a,52b,52
c,52dに入力される信号がL信号の場合(すなわ
ち、メインCPU2およびサブCPU4が正常かつハー
ドリセット無しの場合)、AND回路52e,52f,
52g,52hは、入力されたメイン駆動制御信号MV
MSをそのまま出力する。そして、メイン駆動制御信号
MVMSが、VGSゲート制御信号VMSとしてVGS
ブリッジ回路46の各ゲートG1〜G4に入力される。
【0073】バックアップ出力判定部53は、バックア
ップ駆動制御信号BVMSをVGSブリッジ回路46に
出力するか否かを判定する。そのために、バックアップ
出力判定部53は、4つのNOT回路53a,53b,
53c,53dと4つのAND回路53e,53f,5
3g,53hを備える。NOT回路53a,53b,5
3c,53dは、NOT回路51fからの信号が入力さ
れ、この信号をAND回路53e,53f,53g,5
3hに各々反転出力する。AND回路53e,53f,
53g,53hには、NOT回路53a,53b,53
c,53dからの信号と、VGSブリッジ回路46の各
ゲートG1〜G4に対するバックアップ駆動制御信号B
VMSとが各々入力され、この信号の論理積を出力す
る。そして、NOT回路53a,53b,53c,53
dに入力される信号がL信号の場合(すなわち、メイン
CPU2またはサブCPU4が故障あるいはハードリセ
ット有りの場合)、AND回路53e,53f,53
g,53hは、入力されたバックアップ駆動制御信号B
VMSをそのまま出力する。そして、バックアップ駆動
制御信号BVMSが、VGSゲート制御信号VMSとし
てVGSブリッジ回路46の各ゲートG1〜G4に入力
される。
【0074】他方、NOT回路53a,53b,53
c,53dに入力される信号がH信号の場合(すなわ
ち、メインCPU2およびサブCPU4が正常かつハー
ドリセット無しの場合)、AND回路52e,52f,
52g,52hは、全てL信号を出力する。
【0075】リターン信号出力部54は、故障判定等に
利用するために、メイン用リターン信号RM1,RM2
およびバックアップ用リターン信号RB1,RB2を出
力する。そのために、リターン信号出力部54は、4つ
のNOT回路54a,54b54c,54dを備える。
NOT回路54aは、NOT回路51dからの信号をメ
イン用リターン信号RM1としてメインCPU2に反転
出力する。NOT回路54bは、NOT回路51dから
の信号をバックアップ用リターン信号RB1としてバッ
クアップCPU3に反転出力する。NOT回路54c
は、NOT回路51fからの信号をメイン用リターン信
号RM2としてメインCPU2に反転出力する。NOT
回路54dは、NOT回路51fからの信号をバックア
ップ用リターン信号RB2としてバックアップCPU3
に反転出力する。
【0076】したがって、切替回路50は、メイン信号
SM、サブ信号SSおよびハードリセット信号が全てH
信号の場合、メイン駆動制御信号MVMSをVGSゲー
ト制御信号VMSとしてVGSブリッジ回路46に出力
する。他方、切替回路50は、メイン信号SM、サブ信
号SSおよびハードリセット信号の少なくとも1つの信
号がL信号の場合、バックアップ駆動制御信号BVMS
をVGSゲート制御信号VMSとしてVGSブリッジ回
路46に出力する。
【0077】次に、図8を参照してEPSブリッジ回路
45について説明する。EPSブリッジ回路45は、ゲ
ート駆動回路44からEPSゲート制御信号EMSが入
力され、このEPSゲート制御信号EMSに基づいてE
PSモータ電圧EVMをEPSモータ20に印加し、E
PSモータ20にEPSモータ電流EIMを出力する。
EPSブリッジ回路45は、4個のパワーFET(電界
効果トランジスタ)45a,45b,45c,45dの
スイッチング素子からなるブリッジ回路で構成され、1
2Vの電圧が供給される。さらに、EPSブリッジ回路
45は、EPSモータ20がパワーFET45aとパワ
ーFET45dの間に直列に、かつ、パワーFET45
bとパワーFET45cの間に直列に接続される。
【0078】前記パワーFET45a,45bは、各ゲ
ートG1,G2にPWM信号またはオフ信号が入力さ
れ、PWM信号が入力されて論理レベル1の時にオンす
る。パワーFET45c,45dには、各ゲートG3,
G4にオン信号またはオフ信号が入力され、オン信号が
入力された時にオンする。そして、EPSブリッジ回路
45は、パワーFET45a,45b,45c,45d
の各ゲートG1,G2,G3,G4にEPSゲート制御
信号EMSが各々入力されると、EPSゲート制御信号
EMSに基づいてEPSモータ20にEPSモータ電圧
EVMを印加する。すると、EPSモータ20にはEP
Sモータ電流EIMが流れ、EPSモータ20は正転駆
動または逆転駆動してEPSモータ電流EIMに比例し
たトルクを発生する。
【0079】なお、EPSモータ20に印加されるEP
Sモータ電圧EVMは、PWM信号のデューティ比によ
って決定される。そして、EPSモータ20に流れるE
PSモータ電流EIMは、EPSモータ電圧EVMに対
応する。例えば、PWM信号のデューティ比が7(論理
レベル1):3(論理レベル0)の場合、12V×(7
/10)=8.4VがEPSモータ電圧EVMとなり、
EPSモータ20に連続して8.4Vが印加されている
ことになる。
【0080】次に、図8を参照してVGSブリッジ回路
46について説明する。VGSブリッジ回路46には、
切替回路50からVGSゲート制御信号VMSが入力さ
れ、このVGSゲート制御信号VMSに基づいてVGS
モータ電圧VVMをVGSモータ21に印加し、VGS
モータ21にVGSモータ電流VIMを出力する。VG
Sブリッジ回路46は、4個のパワーFET(電界効果
トランジスタ)46a,46b,46c,46dのスイ
ッチング素子からなるブリッジ回路で構成され、12V
の電圧が供給される。なお、VGSブリッジ回路46
は、EPSブリッジ回路45と同様の構成および動作を
するので、詳細な説明は省略する。
【0081】以上のように構成された一実施形態車両用
電子制御装置では、メインCPU2およびサブCPU4
が正常の場合、電子制御装置40は、メインCPU2に
よって、EPS制御とVGS制御とを実行する。そのた
めに、メインCPU2は、操舵トルク信号TSおよび車
速信号VPに基づいて目標電流値を設定し、この目標電
流値とEPSモータ電流センサ32からのEPSモータ
電流信号EIMOとに基づいて生成したメイン駆動制御
信号MEMSをゲート駆動回路44に出力する。さら
に、ゲート駆動回路44は、補助禁止信号SBに基づい
て、EPSゲート制御信号EMSをEPSブリッジ回路
45の各ゲートG1〜G4に出力する。そして、EPS
ブリッジ回路45は、EPSゲート制御信号EMSに基
づいてEPSモータ20にEPSモータ電圧EVMを印
加し、EPSモータ電流EIMを供給する。すると、こ
のEPSモータ20の回転駆動力によって、電動パワー
ステアリング装置の補助操舵トルクが発生し、ドライバ
の操舵力をアシストする。
【0082】また、電子制御装置40は、メインCPU
2によって、車速信号VP等に基づいて目標偏心量を設
定し、この目標偏心量と実偏心量入力回路43からの実
偏心量AEに基づいて生成したメイン駆動制御信号MV
MSを出力する。さらに、切替回路50は、メインCP
U2およびサブCPU4が正常(すなわち、メイン信号
SMおよびサブ信号SSが共にH信号)であるため、メ
イン駆動制御信号MVMSをVGSゲート制御信号VM
SとしてVGSブリッジ回路46の各ゲートG1〜G4
に出力する。そして、VGSブリッジ回路46は、VG
Sゲート制御信号VMSに基づいてVGSモータ21に
VGSモータ電圧VVMを印加し、VGSモータ電流V
IMを供給する。すると、このVGSモータ21の回転
駆動力によって回動支持部材15Jが回転させられ、舵
角比可変装置15の偏心量eが目標偏心量CEとなり、
その舵角比の変化特性が最適となる。なお、バックアッ
プCPU3は、VGS制御のフェールセーフ制御機能を
瞬時に発揮できる準備機能として、常時、バックアップ
駆動制御信号BVMSを切替回路50に出力している。
【0083】メインCPU2またはサブCPU4が故障
時、電子制御装置40は、メインCPU2およびサブC
PU4による全機能を停止する。したがって、電動パワ
ーステアリング装置の制御が停止されるので、補助操舵
トルクが発生しないためにドライバの操舵力がアシスト
されない。しかし、舵角比可変装置15はバックアップ
CPU3によって舵角比の変化特性が最高のダル側に移
行するように制御される。そのため、ステアリングホイ
ール11は操作量が多くなるが、操作力は軽くなる。ち
なみに、メインCPU2とサブCPU4は、相互通信を
行っているので、お互いに故障したことを認識できる。
【0084】つまり、メインCPU2が故障した場合に
はメインCPU2がメイン信号SMとしてL信号を、ま
たサブCPU4が故障した場合にはサブCPUがサブ信
号SSとしてL信号を出力する。すると、切替回路50
は、故障判定部51で故障判定を行い、NOT回路51
dからH信号を出力し、NOT回路51fからL信号を
出力する。この信号によって、切替回路50は、メイン
出力判定部52でメイン駆動制御信号MVMSの出力を
停止するとともに、バックアップ出力判定部53でバッ
クアップ駆動制御信号BVMSをそのまま出力し、この
バックアップ駆動制御信号BVMSをVGSゲート制御
信号VMSとしてVGSブリッジ回路46の各ゲートG
1〜G4に出力する。
【0085】なお、バックアップCPU3は、常時、最
大偏心量に設定された目標偏心量と実偏心量入力回路4
3からの実偏心量AEに基づいて生成したバックアップ
駆動制御信号BVMSを出力している。そして、VGS
ブリッジ回路46は、VGSゲート制御信号VMSに基
づいてVGSモータ21にVGSモータ電圧VVMを印
加し、VGSモータ電流VIMを供給する。ちなみに、
舵角比可変装置15を最大偏心量に移行させるので、V
GSモータ21には大きなVGSモータ電流VIMが流
れる。すると、このVGSモータ21の回転駆動力によ
って回動支持部材15Jが回転させられ、舵角比可変装
置15の偏心量が最大偏心量となる。
【0086】メインCPU2によるイニシャルチェック
では、メインCPU2は、電子制御装置40内の各部が
正常に機能しているかを電子制御装置40の起動時にチ
ェックしている。ここでは、バックアップCPU44お
よび切替回路50が正常に機能しているか否かのイニシ
ャルチェックについて説明する。
【0087】まず、メインCPU2が、メイン信号SM
として擬似的にL信号を出力し、VGSモータ電流セン
サ33からのVGSモータ電流信号VIMOを監視し、
バックアップCPU3および切替回路50が正常に機能
しているか否かをチェックする。つまり、メイン信号S
MがL信号の場合、前記したように、切替回路50は、
VGSゲート制御信号VMSとしてバックアップ駆動制
御信号BVMSを出力する。すると、バックアップCP
U3の制御では舵角比可変装置15を最大偏心量に移行
させるので、VGSモータ21には大きなVGSモータ
電流VIMが流れる。しかし、切替回路50が正常に切
り替えを行っていなかったり、バックアップCPU3が
正常にバックアップ駆動制御信号BVMSを出力してい
なかった場合、VGSモータ21にはVGSモータ電流
VIMが流れない。そこで、メインCPU2は、メイン
信号SMとしてL信号を擬似的に出力した時にVGSモ
ータ電流信号VIMOが1A以下の状態が10mS継続
した場合(すなわち、VGSモータ21にVGSモータ
電流VIMが流れていない場合)、バックアップCPU
3または切替回路50が故障と判定する。そして、メイ
ンCPU2は、舵角比可変装置15の舵角比の変化特性
を最高のダル特性に移行させるとともに、電動パワース
テアリング装置に対してアシスト補完制御を行う。
【0088】さらに、メインCPU2は、メイン信号S
MとしてL信号を出力し、切替回路50からのメイン用
リターン信号RM1,RM2を監視し、切替回路50が
正常に機能しているか否かをチェックする。つまり、メ
イン信号SMがL信号の場合、切替回路50は、故障判
定部51およびリターン信号出力部54によって、メイ
ン用リターン信号RM1としてL信号を、メイン用リタ
ーン信号RM2としてH信号を出力する。しかし、切替
回路50が正常に機能していない場合、メイン信号SM
がL信号でも、メイン用リターン信号RM1としてH信
号あるいはメイン用リターン信号RM2としてL信号を
出力する。そこで、メインCPU2は、メイン信号SM
としてL信号を出力した時に切替回路50からのメイン
用リターン信号RM1がH信号(または、メイン用リタ
ーン信号RM2がL信号)の状態が10mS継続した場
合、切替回路50が故障と判定する。そして、メインC
PU2は、舵角比可変装置15の舵角比の変化特性を最
高のダル特性に移行させるとともに、電動パワーステア
リング装置に対してアシスト補完制御を行う。
【0089】また、メインCPU2は、サブCPU4に
サブ信号SSとしてL信号を出力するようにリクエスト
信号を出力し、切替回路50からのメイン用リターン信
号RM1,RM2を監視し、切替回路50が正常に機能
しているか否かをチェックする。つまり、サブ信号SS
がL信号の場合、前記したメイン信号SMがL信号の場
合と同様に、切替回路50が動作する。そこで、メイン
CPU2は、サブCPU4にサブ信号SSとしてL信号
を出力するようにリクエスト信号を出力した時、切替回
路50からのメイン用リターン信号RM1がH信号(ま
たは、メイン用リターン信号RM2がL信号)の状態が
10mS継続した場合、切替回路50が故障と判定す
る。そして、メインCPU2は、可変舵角比操舵装置1
の舵角比特性を最高のダル特性に移行させるとともに、
電動パワーステアリング装置に対してアシスト補完制御
を行う。
【0090】すなわち、一実施形態の車両用電子制御装
置においては、制御回路基板1上のメインCPU2、バ
ックアップCPU3、サブCPU4等が正常に作動して
いる通常時、電動パワーステアリング装置のEPS制御
および可変舵角比操舵装置のVGS制御がメインCPU
2により行われる。その際、メインCPU2はサブCP
U4およびバックアップCPU3の作動が正常であるか
否かを監視し、サブCPU4はメインCPU2の作動が
正常であるか否かを監視し、バックアップCPU3はV
GS制御のフェールセーフ制御機能を即座に発揮できる
ように準備している。
【0091】ここで、バックアップCPU3に異常が発
生すると、バックアップCPU3はその機能を停止す
る。その際、メインCPU2はバックアップCPU3の
監視機能によりその異常を検出し、EPS制御を基本的
な制御に限定したアシスト補完制御を実行すると共に、
VGS制御のフェールセーフ制御を実行する。すなわ
ち、アシスト補完制御として、操舵トルクセンサ30の
検出信号にのみ応じて増減する補助操舵トルクをEPS
モータ20に発生させる。また、VGS制御のフェール
セーフ制御として、舵角比可変装置15の舵角比の変化
特性を所謂ダル感が強く操舵力が軽い変化特性となるよ
うに、すなわち、出力軸15Bに対する入力軸15Aの
偏心量eが最大となるようにVGSモータ21の回転を
制御する。
【0092】一方、サブCPU4に異常が発生すると、
サブCPU4はメインCPU2と間の相互監視機能を停
止し、バックアップCPU3にVGS制御のフェールセ
ーフ制御を実行させるための信号を送出する。その際、
メインCPU2はサブCPU4の監視機能によりその異
常を検出し、バックアップCPU3にVGS制御のフェ
ールセーフ制御を実行させる信号を送出する。
【0093】ここで、夕立などの激しい降雨により図1
に示す車室内Rが浸水し、フロアF上に雨水が溜まって
制御回路基板1が被水する場合、制御回路基板1の下部
に配置されたメインCPU2がバックアップCPU3よ
り先に被水する。そして、メインCPU2が被水により
故障すると、メインCPU2はサブCPU4と間の相互
監視機能を停止し、バックアップCPU3にVGS制御
のフェールセーフ制御を実行させる信号を送出する。そ
こで、VGS制御のフェールセーフ制御機能を即座に発
揮できるように準備しているバックアップCPU3は、
舵角比可変装置15の舵角比の変化特性が所謂ダル感の
強い安定した変化特性となるように、すなわち、出力軸
15Bに対する入力軸15Aの偏心量が最大となるよう
にVGSモータ21の回転を制御する。
【0094】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の車両用電子
制御装置によれば、車室内の浸水により制御回路基板が
被水する場合、メインCPUがバックアップCPUより
先に被水するため、バックアップCPUは自己が被水す
る前にメインCPUの異常時のフェールセーフ制御機能
を確実に発揮することが可能となる。
【0095】本発明の車両用制御装置において、前記メ
インCPUがVGS制御機能を有し、前記バックアップ
CPUが前記VGS制御のフェールセーフ制御機能を有
していると、バックアップCPUは自己が被水する前に
VGS制御のフェールセーフ制御機能を発揮することが
可能となる。例えば、VGS制御のフェールセーフ制御
機能として、操舵角に対する転舵角の舵角比の変化特性
を所謂ダル感の強い安定した変化特性に変更することが
可能となる。
【0096】また、本発明の車両用制御装置において、
前記メインCPUとの間の相互監視機能を有するサブC
PUがバックアップCPUより下方に配置して前記制御
回路基板に設けられていると、メインCPUまたはサブ
CPUの何れか一方が被水した場合、被水したCPUを
監視する他方のCPUの監視機能に応じ、バックアップ
CPUは自己が被水する前にフェールセーフ制御機能を
発揮することが可能となる。例えばVGS制御のフェー
ルセーフ制御機能を発揮して、操舵角に対する転舵角の
舵角比の変化特性を所謂ダル感の強い安定した変化特性
に変更することが可能となる。
【0097】さらに、本発明の車両用制御装置におい
て、前記バックアップCPUの電源が前記メインCPU
より上方に配置され、メインCPUの電源がバックアッ
プCPUおよびその電源より下方に配置されていると、
メインCPUおよびその電源がバックアップCPUおよ
びその電源より先に被水するため、バックアップCPU
およびその電源は自己が被水する前に確実にフェールセ
ーフ制御機能を発揮することが可能となる。例えばVG
S制御のフェールセーフ制御機能を発揮して、操舵角に
対する転舵角の舵角比の変化特性を所謂ダル感の強い安
定した変化特性に変更することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る車両用電子制御装置
の制御回路基板の車室内における配置構成図である。
【図2】一実施形態に係る車両用電子制御装置の制御回
路基板上でのメインCPU、バックアップCPU等の配
置構成図である。
【図3】一実施形態に係る車両用電子制御装置により制
御されるステアリング系の全体構成図である。
【図4】一実施形態に係る車両用電子制御装置により制
御される舵角比可変装置の縦断面図である。
【図5】一実施形態に係る車両用電子制御装置により制
御される舵角比可変装置の入力軸および出力軸の連結構
造を示す分解斜視図である。
【図6】図4のA−A線に沿う横断面図である。
【図7】一実施形態に係る車両用電子制御装置により制
御される舵角比可変装置での入力軸の回転角と出力軸の
回転角との関係を示すグラフである。
【図8】一実施形態に係る車両用電子制御装置を構成す
る電子制御装置のブロック構成図である。
【図9】一実施形態に係る車両用電子制御装置を構成す
るバックアップCPUの内部ブロック構成図である。
【図10】一実施形態に係る車両用電子制御装置を構成
する切替回路の論理回路図である。
【符号の説明】
1 :制御回路基板 2 :メインCPU 3 :バックアップCPU 4 :サブCPU 5 :メイン電源 6 :バックアップ電源 10 :ステアリング系 15 :舵角比可変装置 20 :EPSモータ 21 :VGSモータ 25 :変位センサ 30 :操舵トルクセンサ 31 :車速センサ 32 :EPSモータ電流センサ 33 :VGSモータ電流センサ 41 :操舵トルク入力回路 42 :車速入力回路 43 :実偏心量入力回路 44 :ゲート駆動回路 50 :切替回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B62D 119:00 B62D 119:00 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60R 16/02 660 B62D 5/04 B62D 6/00 B62D 101:00 B62D 113:00 B62D 119:00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともメインCPUおよびバックア
    ップCPUを有する制御回路基板が車室内のフロア近傍
    に配設される車両用電子制御装置であって、前記メイン
    CPUの異常時のフェールセーフ制御機能を有する前記
    バックアップCPUが、メインCPUより上方に配置さ
    れていることを特徴とする車両用電子制御装置。
  2. 【請求項2】 前記メインCPUはVGS制御機能を有
    し、前記バックアップCPUは前記VGS制御のフェー
    ルセーフ制御機能を有することを特徴とする請求項1に
    記載の車両用電子制御装置。
  3. 【請求項3】 前記制御回路基板には、前記メインCP
    Uとの間の相互監視機能を有するサブCPUが前記バッ
    クアップCPUより下方に配置して設けられていること
    を特徴とする請求項1または2に記載の車両用電子制御
    装置。
  4. 【請求項4】 前記バックアップCPUの電源が前記メ
    インCPUより上方に配置され、メインCPUの電源が
    バックアップCPUおよびその電源より下方に配置され
    ていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の
    車両用電子制御装置。
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