[go: up one dir, main page]

JP3490584B2 - 鉄道車両の走行位置補正方法及び誤補正防止方法 - Google Patents

鉄道車両の走行位置補正方法及び誤補正防止方法

Info

Publication number
JP3490584B2
JP3490584B2 JP05689797A JP5689797A JP3490584B2 JP 3490584 B2 JP3490584 B2 JP 3490584B2 JP 05689797 A JP05689797 A JP 05689797A JP 5689797 A JP5689797 A JP 5689797A JP 3490584 B2 JP3490584 B2 JP 3490584B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
curve
correction
traveling position
vehicle
point
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP05689797A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10236305A (ja
Inventor
浩一 佐々木
康志 西岡
宏明 名倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
East Japan Railway Co
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
East Japan Railway Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd, East Japan Railway Co filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP05689797A priority Critical patent/JP3490584B2/ja
Publication of JPH10236305A publication Critical patent/JPH10236305A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3490584B2 publication Critical patent/JP3490584B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Vehicle Body Suspensions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、曲線通過時の車体
傾斜制御を正確に行うために必要な鉄道車両の走行位置
補正方法及び誤補正防止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄道車両における強制車体傾斜式は、ア
クチュエータで強制的に車体を傾斜させる方法であり、
車両の曲線路進入に合わせて傾斜させるには曲線路位置
の検知が必要である。
【0003】曲線路位置の検知方法としては、車両に設
置したジャイロ計や加速度計から検知する方法と、軌道
に沿って設置した地上子を利用する方法がある。しか
し、前者の方法は、曲線路進入時点でその位置を検知す
るため、曲線に対する車体傾斜の追従に遅れを生じやす
い。これに対し、後者の方法は、曲線路進入直前の地点
を検知することにより、曲線に対して車体傾斜を追従さ
せるのが容易である。
【0004】上記後者の地上子を用いた曲線路位置の検
知方法は、車両が走行する線路のデータ(地上子の位
置、曲線路の位置等)を制御装置内に読み込んでおき、
車輪の回転数をカウントして車両の走行距離を算出し、
車両が地上子を通過するごとに走行距離を線路データに
基づいて補正し、走行距離と線路データ内の曲線路位置
を照合することで曲線路位置を検知するのである(例え
ば特公平3−73511号公報参照)。
【0005】また、地上子を用いることなく走行位置を
補正する方法として台車のボギー角から曲線位置を検出
し、曲線データの曲線位置との差を補正量とする方法
(例えば特開平6−211132号公報参照)がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記地上子を用いるこ
となく走行位置を補正する方法において、台車のボギー
角から曲線位置を検出し、曲線データの曲線位置との差
を補正量とする方法では、補正精度の向上と誤補正を如
何に防止するかが課題となる。
【0007】本発明は、上記の現状に鑑みて、列車の曲
線路通過時における車体傾斜制御を曲線路に対し遅れる
ことなく正確に行うのに必要な車両の走行位置を検知す
る際、高精度で走行位置を補正すると共に、走行位置の
誤補正を防止する方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の目
的を達成するため種々の実験、研究を重ねた結果次の発
明を完成するに至った。
【0009】(1) 台車のボギーによる車体と台車間
の相対回転変位を検出する装置と、車輪の回転数を検出
する装置と、これら装置からの検出信号を予め入力し記
録されている線路データと比較し演算する制御装置を備
えた鉄道車両において、車体と台車間の相対回転変位よ
り算出した曲線半径と、車輪回転数より積算した走行距
離に基づく車両の走行位置とを、上記線路データの曲線
半径、曲線位置と比較し、線路データ中に該当する曲線
が存在する場合に、車輪回転数より積算した走行位置と
線路データの曲線位置との差を補正量として車両の走行
位置を補正する方法において、相対回転変位より算出し
た曲線半径rが予め設定したしきい値r0以下になった
ときの曲線進入地点 1 前記しきい値r0以上になった
ときの曲線脱出地点 2 の中間 m に対し、線路デー
タ中の該当する曲線の中間 m の差を補正量とし
て車両の走行位置を補正することを特徴とする。
【0010】(2) 体と台車間の相対回転変位より
算出した曲線半径rが予め設定したしきい値r0以下に
なったときの曲線進入地点d1と前記しきい値r0以上に
なったときの曲線脱出地点d2の差が、線路データ中の
該当する曲線の入口緩和曲線始点と出口緩和曲線終点と
の間の距離である曲線長DTより長い場合、または線路
データ中の該当する曲線の円曲線始点と円曲線終点との
間の距離である円曲線長DCより短い場合は、請求項1
記載の走行位置補正方法による車両の走行位置補正
行わず、誤補正を防ぐことを特徴とする。
【0011】(3) 前記(1)の鉄道車両の走行位置
補正方法または(2)の走行位置誤補正防止方法におい
て、しきい値r0の値を、直線に近い値(1/r 0 =0)
と曲線半径rに近い値から離して設定することを特徴と
する。
【0012】(4) 前記(1)の鉄道車両の走行位置
補正方法または(2)の走行位置誤補正防止方法におい
て、走行する各曲線の曲率半径の大きさに応じてしきい
値r0の値を変更することを特徴とする。
【0013】(5) 請求項2記載の鉄道車両の走行位
置誤補正防止方法において、線路データの曲線中、補正
対象曲線を曲線長のしきい値r 0 以上の曲線に限定し、
かつ補正量が該当する曲線長 T の1/2以上の場合は
車両の走行位置を補正しないことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】図1に示すように、車体4と台車
5の間に設置した台車のボギーによる車体と台車間の相
対回転変位を検知する変位計1からの検知信号6は制御
器2に入力され、ここで相対回転変位に基づいて曲線半
径が求められる。また、車輪の回転数を検出するための
速度発電機3より発生するパルス信号7は制御器2に入
力され、パルス数が積算され、車輪の回転数と車輪径よ
り走行位置が計算される。そして、この走行位置と検知
信号6から計算された曲線半径は図5に示すように、予
め制御器2に記録されている線路データと照合し、線路
データ中に該当する曲線が存在した場合に走行位置の補
正をする。
【0015】図5、図6及び図8(A)(B)に基づい
て鉄道車両の走行位置補正方法を説明する。変位計の値
より算出された曲線半径rが予め設定したしきい値r0
以下になった地点を曲線進入地点d1とする。次いで、
算出された曲線半径rが前記しきい値r0以上になった
地点を曲線脱出地点d2とする。そして、d2−d1で求
められた地点を曲線中間地点dmとする。
【0016】引続き、線路データ中の曲線より曲線中間
地点 mを求める。曲線中間地点 mの算出には、線路デ
ータ中の該当する曲線の4地点、すなわち入口緩和曲線
始点BTC、円曲線始点BCC、円曲線終点ECC、出
口緩和曲線終点ETCの距離と曲線半径r及びしきい値
0を用いて次の1式により求められる。
【0017】
【数1】
【0018】次いで、d1、d2 の値を線路データと照合
し、一致している場合はDm−dmを補正量として走行位
置を補正する。また、一致しない場合は誤補正または補
正精度が悪い場合であるから、この曲線では走行位置の
補正はしない。
【0019】次に、曲線データとの照合方法を図7に基
づいて説明する。曲線進入地点d1及び曲線脱出地点d2
より求められるしきい値通過地点間距離d=d2−d1
線路データ中の円曲線長DCよりも短い場合または曲線
長DTよりも長い場合は、d1またはd2の精度が悪いこ
と、または線路データ上の該当地点にある曲線ではない
ことが考えられるため照合不一致とする。
【0020】また、曲線が連続している場合には、線路
データ中の本来照合すべき曲線の前後に存在する曲線と
照合し、誤補正が行われるのを防ぐため、補正対象曲線
をある一定の曲線長DT以上の範囲に絞り込む。
【0021】曲線長のしきい値をd0とすると、d<d0
の曲線または線路データ中の曲線長に対してもDT<d0
となる曲線は補正対象外とする。また、補正量の絶対値
|Dm−dm|が該当する曲線の曲線長DTの1/2以上
の場合も、該当する曲線の前後の曲線で照合される可能
性があるため照合不一致とするる
【0022】以上の方法により、鉄道車両の走行位置の
補正を該当する曲線で繰り返すことにより、走行位置の
累積誤差も小さくできる。その結果、車両の計測走行位
置に基づく曲線位置と実際の曲線位置との誤差を僅少に
でき、曲線位置検知の精度が向上する。また、誤補正を
防止できるため、曲線検知の信頼性が向上する。以上に
より、曲線に対して車体傾斜を追従させるのが容易とな
り、曲線路における車体傾斜制御が正確にできる。
【0023】
【実施例】本発明の走行位置補正方法の実施例を、その
補正方法を実施するための装置例に基づいて説明する。
図1に示すように、車体4と台車5との間に、台車のボ
ギーによる車体と台車間の相対回転変位を検知する変位
計1を設置し、その検知信号6を制御器2に入力するよ
うに設ける。一方、輪軸には速度発電機3が設置され、
そのパルス信号7を制御器2に入力するように設ける。
上記変位計1は、軌道の直線区間では図2に示すよう
に、中立状態にあり、曲線区間では図3に示すように、
作動して変位量xだけ伸縮する。
【0024】変位計1の変位量xと曲線半径rとの関係
は、図4においてaは変位計の取付け位置(車体中心か
らの距離)、Lは台車中心間距離の1/2とすればr/
a=L/xとなり、簡略化すればr=aL/xとなる。
なお、図1では、一つの車両に変位計1と速度発電機3
を各一つづつ設けた場合を示したが、これらは必ずしも
各車両に取り付ける必要はなく、1編成の列車に1組設
ければ機能する。
【0025】次に、走行位置補正量を求める方法を図
5、図6のフローチャートに基づいて説明する。変位計
の値より算出された曲線半径rは、車両が直線区間から
曲線区間に進入すると時々刻々と値が変わり、予め設定
したしきい値r0以下になったときに速度発電機のパル
ス信号の積算値と車輪径から求められる車両の曲線進入
地点をメモリ上にd1として記録する。また、車両が曲
線区間から直線区間に脱出すると、曲線半径rの値は次
第に大きくなり、前記しきい値r0以上になったときの
車両の曲線脱出地点をメモリ上にd2として記録する。
1とd2が記録された時点で今通過した曲線の中間地点
mを下記2式で求める。
【0026】
【数2】
【0027】そして、制御器内に予め入力してある線路
データから曲線中間地点を求める。この線路データ上の
曲線中間地点Dmは前記1式より求めることができる。
【0028】車両の走行位置の補正量は、(曲線データ
上の曲線中間地点Dm)−(測定値より算出した曲線中
間地点dm)で求める。この補正量をパルス信号の積算
と車輪径から求められる車両の走行位置に加算すること
により車両の走行位置が補正される。この補正により、
次に接近する曲線に対してデータ上の曲線位置と実際の
曲線位置が大きくずれるのを避けることができる。以後
前記の補正を繰り返すことにより、データ上の曲線位置
と実際の曲線位置を一致させることができる。
【0029】前記のごとく、曲線半径rは、r=aL/
xの式により求められるが、実際には車輪とレール間の
左右方向に存在する遊間や軌道の通り狂いの影響を受
け、走行中は台車のヨーイング動揺となって、曲線半径
rは常に変動している。
【0030】このため、変動している曲線半径rの値に
よって、しきい値r0 以上または以下となったとき、曲
線でない地点で曲線と認識してしまい誤補正する可能性
がある。これを防止するには、しきい値r0は直線に近
い値(1/r0=0)と曲線半径に近い値から離すべき
であり、補正対象曲線の曲線半径をr1とすると1/r0
=1/2r1が良い。
【0031】しかし、実際の路線は、曲線半径の異なる
多数の曲線で構成されるため、しきい値r0は種々の曲
線半径を考慮して設定しなければならない。例えば、構
造企画より新幹線を除く一般本線の最小曲線半径は20
0mであることから、しきい値r0は400mが下限と
なる。また、しきい値r0の上限は、図9(A)(B)
に示す測定結果を基に、直線区間で曲線半径rの変動の
影響を受けないために2000mとする。
【0032】また、走行路線が前半は曲線半径r 2の曲線
が多く、後半は曲線半径r 3の曲線が多いような場合に
は、区間に応じてしきい値r0を前半の区間をr0=2r 2、後
半の区間をr0=2r 3となるように可変にする。このように
すれば、より多くの補正対象曲線で1/r0=1/2r 1にするこ
とができる。例えば、A-B-Cの走行区間で、A-B間は曲線
半径1000m程度の比較的緩やかな曲線が多く、B-C間は曲
線半径400m程度のきつい曲線が多い場合、A-B間はr0=20
00m、B-C間はr0=800mと設定値を変える。
【0033】更に、図7及び図8(A)(B)により、
測定した中間地点と線路データを照合し、誤補正を防止
する方法を説明する。曲線進入地点d1と曲線脱出地点
2間のしきい値通過地点間距離をdとするとd=d2
1となる。図7より、このしきい値通過地点間距離d
は線路データ上の該当する曲線の曲線長DTより短く、
円曲線長DCより長いのは明らかである。もし、しきい
値通過地点間距離dが曲線の曲線長DTより長い場合ま
たは円曲線長DCより短い場合は、線路データ中の照合
した曲線が実際の曲線と相違しているか、もしくは曲線
進入地点d1や曲線脱出地点d2の値に大きな誤差がある
場合である。したがって、d>DTまたはd<DCの場合
は、誤補正を防止するため車両の走行位置を補正しな
い。
【0034】また、よく似た曲線半径、曲線長をもつ曲
線が連続する場合には、線路データ中の該当する曲線の
前後の曲線と照合してしまう誤補正が起こりかねない。
更に、曲線の前後に分岐器がある場合には、分岐器の分
岐側通過を曲線と判断して誤補正をしかねない。
【0035】このため、まず補正対象曲線をある曲線長
(しきい値d0)以上の曲線に限定する。したがって、
補正対象曲線を線路データの曲線中でDT>d0の曲線の
みに限定する。同様に測定した値である地点d1と地点
2間の距離dについてもd>d0となる曲線のみに補正
対象を限定する。曲線長のしきい値d0は、例えば20
番分岐器長さを考慮すると50m以上は必要である。
【0036】また、線路データ中の該当する曲線の前後
の曲線と照合することを防止するには、補正量の絶対値
|Dm−d0|が該当する曲線長の1/2の長さ以内であ
ることが必要である。例えば、曲線長DT=100m、
曲線長のしきい値d0=80mとした場合、補正量の絶
対値|Dm−d0|=30mならば、測定した中間地点d
mの位置は、線路データ上の該当する曲線のBTCから
ETCの間にあるため、線路データの該当する曲線の前
後の曲線を照合することはない。
【0037】しかし補正量の絶対値|Dm−d0|=60
mの場合は、|Dm−d0|>DT/2となり、測定した
曲線中間地点dmの位置は、線路データ上の該当する曲
線のBTCからETCの間からはずれる。もしこの場
合、該当する曲線の前後の曲線が近接していると、この
前後の曲線と照合してしまい誤補正をする可能性があ
る。以上の理由により、補正量の絶対値|Dm−d0|>
T/2の場合は、誤補正を防止するために車両の走行
位置を補正しない。
【0038】本発明の実施により地点補正を行なった場
合と比較のため地点補正を行なわない場合のそれぞれに
ついて、線路データ上の曲率と測定した曲率とを比較し
て図9に示す。図9(A)の結果より、本発明の実施に
よれば線路データ上の曲率がずれていても走行位置が補
正されることにより、次の曲線からは線路データと実際
の曲線位置が一致することがわかる。しかし、比較例の
図9(B)に示すように、地点補正をしない場合は、曲
線データと実際の曲線位置がずれていることがわかる。
【0039】計測位置検知の精度比較例として、本発明
法と比較例(従来の技術としてあげた特開平6−211
132号公報記載の発明)について、4種類の計測した
曲率で補正量を比較した例を図10(A)〜(E)に、
またその際の補正量をまとめて表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】図10(A)は、データ上の曲率を示す線
図であり、d1は30m地点、d2は170m地点で、d
=170−30=140m、したがって曲線の中間点は
100m地点である。図10(B)のNo.1と図10
(C)のNo.2の場合は、いずれも5m補正してい
る。そして、図10(D)のNo.3のと図10(E)
のNo.4の場合は、比較例は5m補正しているが、本
発明は補正量が零である。
【0042】次に、2つの曲線が近接し、車両の走行距
離の累積誤差が大きくなり、車両はNo.1曲線を通過
したにもかかわらず、曲線データ上はNo.2曲線を通
過中と判断しかねない場合の例を図11(A)(B)に
示す。この場合、請求項1に記載した発明のみによれ
ば、No.2曲線を通過中と判断し誤補正が行なわれ
る。その結果、(No.2曲線地点)−(No.1曲線
地点)=140−30=110mの地点のずれを生じ
る。
【0043】また、請求項1の発明に請求項2の発明の
方法を加えて行なえば、図11(B)に示すように、し
きい値r0をまたぐ距離d=55mであることから、測
定による曲線はNo.1曲線であることを判断し、正常
に走行位置を補正する。そのため、地点のずれは零とな
る。
【0044】なお、請求項1の発明に請求項5の発明の
方法を加えて行なえば、No.2曲線を通過中と判断
し、誤補正が行われる。そのため、110mmの地点の
ずれが生じる。
【0045】更に、短い曲線に近接して分岐器があり、
車両が分岐側へ走行することによって、分岐器通過時に
測定した曲率に短い曲線と同様な波形が現れた場合を図
12(A)に示す。この場合、請求項1に記載した発明
のみによれば、分岐器通過を短い曲線を通過中と判断し
誤補正が行われる。その結果、(短い曲線地点)−(3
50m地点)=400−350=50mの走行地点のず
れを生じる。
【0046】また、請求項1の発明に請求項2の発明の
方法を加えて行なえば、図12(B)に示すように、し
きい値r0をまたぐ距離d=35mで、誤補正防止の条
件に合致するため、短い曲線通過と判断し、誤補正が行
われる。その結果、50mの走行地点のずれを生じる。
【0047】なお、請求項1の発明に請求項5の発明の
方法を加えて行なえば、短い曲線の曲線長が40mと短
く、曲線長のしきい値50m以上の条件を満足しないた
め、分岐器で誤補正しない。
【0048】更に、短い曲線の場合について別の例を図
12(C)に示す。短い曲線の曲線長が60mで、曲線
長のしきい値50m以上の条件を満足している。しか
し、補正量が510−350=60mとなり、もう一つ
の条件である補正量が該当する曲線長の1/2以上の条
件を満たすため補正せず、この分岐器では誤補正が生じ
ない。
【0049】
【発明の効果】本発明の実施によれば、車両の計測走行
位置に基づく曲線位置と実際の曲線位置との誤差を僅少
にでき、曲線位置検知の精度が向上する。また、誤補正
を防止できるため、曲線検知の信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を実施するのに必要な装置を備えた鉄
道車両の一例を示す説明図である。
【図2】図1の車両が直線路を走行している際の車体と
台車との位置関係を示す説明図である。
【図3】図1の車両が曲線路を走行している際の車体と
台車との位置関係を示す説明図である。
【図4】図1の車両における変位計の変位量と曲線半径
との関係を簡略化して示す説明図である。
【図5】この発明の実施により走行位置を補正する際の
操作の前半を示すフローチャートである。
【図6】この発明の実施により走行位置を補正する際の
図5に引き続いて行われる操作の後半を示すフローチャ
ートである。
【図7】本発明の実施において図6に示す線路データと
の照合をする際のフローチャートである。
【図8】(A)は地点補正量の求め方を示す説明図、
(B)は図7中の符号を示した説明図である。
【図9】(A)は本発明の実施により地点補正をした場
合の線路データ上の曲率と測定した曲率とを比較して示
すグラフ、(B)は地点補正をしない場合の線路データ
上の曲率と測定した曲率とを比較して示すグラフであ
る。
【図10】本発明法と従来法による比較例とにより、曲
線位置検知の精度を補正量で示した線図で、(A)は曲
線データ上の曲率を示し、(B)〜(E)は計測した曲
率1〜4の場合を示す。
【図11】本発明により誤補正防止法を実施した場合の
線図で、(A)は曲線データ上の曲率を示し、(B)は
計測した曲率を示す。
【図12】本発明を短い曲線に分岐器が近接した場合に
実施した際の誤補正の発生を説明する線図で、(A)は
曲線データ上の曲率を、(B)は測定した曲率を、
(C)は他の短い曲線のみを示す。
【符号の説明】 1 変位計 2 制御器 3 速度発電機 4 車体 5 台車 6 検知信号 7 パルス信号 a 変位計の取付け位置 L 台車中心間距離の1/2長さ r 曲線半径 x 変位計の変位量 r0 しきい値 d d1とd2間の距離 d1 曲線進入地点 d2 曲線脱出地点 dm 測定曲線の中間地点 DT 曲線長 DC 円曲線長 Dm 線路データ上の曲線の中間地点 BTC 入口緩和曲線始点 BCC 円曲線始点 ECC 円曲線終点 ETC 出口緩和曲線終点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 名倉 宏明 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−211132(JP,A) 特開 昭48−46013(JP,A) 特開 平8−26109(JP,A) 特公 平3−73511(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B61F 5/22

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 台車のボギーによる車体と台車間の相対
    回転変位を検出する装置と、車輪の回転数を検出する装
    置と、これら装置からの検出信号を予め入力し記録され
    ている線路データと比較し演算する制御装置を備えた鉄
    道車両において、車体と台車間の相対回転変位より算出
    した曲線半径と、車輪回転数より積算した走行距離に基
    づく車両の走行位置とを、上記線路データの曲線半径、
    曲線位置と比較し、線路データ中に該当する曲線が存在
    する場合に、車輪回転数より積算した走行位置と線路デ
    ータの曲線位置との差を補正量として車両の走行位置を
    補正する方法において、相対回転変位より算出した曲線
    半径rが予め設定したしきい値r0以下になったときの
    曲線進入地点d1と前記しきい値r0以上になったときの
    曲線脱出地点d2の中間地点dmに対し、線路データ中の
    該当する曲線の中間地点Dmとの差を補正量として車両
    の走行位置を補正することを特徴とする鉄道車両の走行
    位置補正方法。
  2. 【請求項2】 車体と台車間の相対回転変位より算出し
    た曲線半径rが予め設定したしきい値r0以下になった
    ときの曲線進入地点d1と前記しきい値r0以上になった
    ときの曲線脱出地点d2の差が、線路データ中の該当す
    る曲線の入口緩和曲線始点と出口緩和曲線終点との間の
    距離である曲線長DTより長い場合、または線路データ
    中の該当する曲線の円曲線始点と円曲線終点との間の距
    離である円曲線長DCより短い場合は、請求項1記載の
    走行位置補正方法による車両の走行位置の補正を行わ
    ず、誤補正を防ぐことを特徴とする鉄道車両の走行位置
    誤補正防止方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2において、しき
    い値r0の値を、直線に近い値(1/r0=0)と曲線半
    径rに近い値から離して設定することを特徴とする鉄道
    車両の走行位置補正方法または誤補正防止方法。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2において、走行
    する各曲線の曲率半径の大きさに応じてしきい値r0
    値を変更することを特徴とする鉄道車両の走行位置補正
    方法または誤補正防止方法。
  5. 【請求項5】 線路データの曲線中、補正対象曲線を曲
    線長のしきい値r0以上の曲線に限定し、かつ補正量が
    該当する曲線長DTの1/2以上の場合は車両の走行位
    置の補正を行わず、誤補正を防ぐことを特徴とする請求
    項2記載の鉄道車両の走行位置誤補正防止方法。
JP05689797A 1997-02-24 1997-02-24 鉄道車両の走行位置補正方法及び誤補正防止方法 Expired - Fee Related JP3490584B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05689797A JP3490584B2 (ja) 1997-02-24 1997-02-24 鉄道車両の走行位置補正方法及び誤補正防止方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05689797A JP3490584B2 (ja) 1997-02-24 1997-02-24 鉄道車両の走行位置補正方法及び誤補正防止方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10236305A JPH10236305A (ja) 1998-09-08
JP3490584B2 true JP3490584B2 (ja) 2004-01-26

Family

ID=13040248

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP05689797A Expired - Fee Related JP3490584B2 (ja) 1997-02-24 1997-02-24 鉄道車両の走行位置補正方法及び誤補正防止方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3490584B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2794707B1 (fr) * 1999-06-11 2003-03-14 Alstom Procede et dispositif de commande de l'inclinaison d'un vehicule ferroviaire pendulaire
US7283897B2 (en) * 2002-05-31 2007-10-16 Quantum Engineering, Inc. Method and system for compensating for wheel wear on a train
WO2014128889A1 (ja) * 2013-02-21 2014-08-28 三菱重工業株式会社 軌道式車両、および、その車体傾斜制御方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10236305A (ja) 1998-09-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101157752B1 (ko) 자기 유도 차량의 이동을 측정하는 장치
EP0794887B1 (en) Storage of track data in a position-controlled tilt system
KR101157756B1 (ko) 자기 유도 차량의 운동을 측정하는 장치
KR100666519B1 (ko) 레일 차량의 제어 소자들을 제어하기 위한 방법 및 디바이스
JPH11503520A (ja) 道路又はレールのゆがみの非接触測定のための方法と装置
JP2007533878A (ja) 走行路の測定方法
US10780905B2 (en) Position determination method and system
JP3463207B2 (ja) 車両が運動する走行路曲線を検出する少なくとも1つのセンサの信号を修正する方法
JP3490584B2 (ja) 鉄道車両の走行位置補正方法及び誤補正防止方法
JP3238012B2 (ja) 軌道形状データ処理方法
JP3015725B2 (ja) 鉄道線路状態検知装置および方法ならびに車体姿勢制御装置
JP4660842B2 (ja) 振子制御式鉄道車両の車輪径自動補正方法
JP2007015483A (ja) 鉄道車両の走行位置検出方法
JP3262154B2 (ja) 鉄道車両の走行位置補正方法
JP2507691B2 (ja) 車体の傾斜制御装置の異常検出方法
JP6231906B2 (ja) 鉄道車両の車体傾斜制御システム及び車体傾斜制御方法
RU2629485C2 (ru) Способ оценки диаметра колеса и соответствующий блок оценки
JP3422341B2 (ja) 鉄道車両の車体傾斜制御方法
JP2000168552A (ja) 鉄道車両の走行位置検知方法
JP3231377B2 (ja) 列車姿勢制御装置
JP3509599B2 (ja) 軌道形状データの更新方法
JP2948806B1 (ja) 鉄道車両の車体傾斜制御装置
JPS6144316A (ja) 走行経路表示方法
JP2897576B2 (ja) 鉄道車両の走行位置補正方法
JP4381288B2 (ja) 高速鉄道車両の車体傾斜制御システム

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071107

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081107

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091107

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091107

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101107

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111107

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111107

Year of fee payment: 8

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111107

Year of fee payment: 8

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121107

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131107

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131107

Year of fee payment: 10

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131107

Year of fee payment: 10

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees