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JP3481791B2 - 硼素測定方法及び装置並びに超純水製造装置及びその運転方法 - Google Patents

硼素測定方法及び装置並びに超純水製造装置及びその運転方法

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JP3481791B2
JP3481791B2 JP24262396A JP24262396A JP3481791B2 JP 3481791 B2 JP3481791 B2 JP 3481791B2 JP 24262396 A JP24262396 A JP 24262396A JP 24262396 A JP24262396 A JP 24262396A JP 3481791 B2 JP3481791 B2 JP 3481791B2
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polyhydric alcohol
boron
conductivity
resistivity
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円 田辺
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Organo Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試料液中の硼素濃
度の測定方法及び装置に関し、さらに詳述すると、純
水、超純水等に含まれるppbオーダー、pptオーダ
ーといった微量の硼素の測定に好適に用いられる方法及
び装置に関する。また、本発明は、上記硼素測定装置を
用いた超純水(純水を含む)の製造装置及びその運転方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体産業におけるシリコンウエハの洗
浄等には、不純物を高度に除去した超純水が使用されて
いるが、近年の半導体デバイスの高集積度化に伴い、超
純水をさらに高い水質とすることが求められている。そ
の中で、原水に含まれる硼素が難除去性物質として注目
され、超純水中の硼素濃度を可能な限り低減することが
望まれている。そのため、超純水製造プラントにおいて
は、プラントを構成する各装置における処理水中の硼素
濃度を監視しながら運転を行うことが必要になりつつあ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】試料液中に含まれるp
pbオーダー、pptオーダーの微量の硼素を測定する
手段としては、ICP−MS(誘導結合プラズマ−質量
分析装置)や、ICP発光分析装置(誘導結合プラズマ
発光分析装置)を用いる方法がある。しかし、これらの
装置は、いずれも大型で高価であるとともに、取り扱い
が面倒であり、しかもオンライン化が困難である上、装
置の校正に手間がかかるという問題があるため、超純水
製造プラント等の工業プラントにおいて、運転状態を監
視するために装置各所に配置する監視計器としては適当
でない。
【0004】また、JISには、試料液にマンニトール
を添加してから中和滴定を行う硼素測定方法が規定され
ているが、この方法はppmオーダーの硼素を測定する
ことはできるものの、ppbオーダー(特に一桁)、p
ptオーダーの微量の硼素を測定することは難しく、ま
たオンライン化が困難である。
【0005】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、試料液中に含まれるppbオーダー、pptオーダ
ーの微量の硼素濃度を小型の装置を用いて簡便かつ安価
に測定することができるとともに、オンライン化、装置
の校正が容易であり、したがって超純水製造プラント等
の工業プラントにおいて各装置の処理水中の硼素濃度を
監視する場合などに好適に使用することができる硼素測
定方法及び装置、並びに、該硼素測定装置を用いた超純
水製造装置及びその運転方法を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するため、硼酸イオンと反応して錯体を形成する多価
アルコールを試料液に添加するとともに、該試料液の導
電率又は抵抗率に基づいて試料液中の硼素濃度を求める
に当たり、前記多価アルコール又はその溶液の脱塩処理
を行ってから該多価アルコール又はその溶液を試料液に
添加することを特徴とする硼素測定方法を提供する。ま
た、本発明は、硼酸イオンと反応して錯体を形成する多
価アルコールを試料液に添加する多価アルコール添加機
構と、試料液の導電率又は抵抗率を検出する導電率/抵
抗率検出機構と、導電率/抵抗率検出機構で検出した試
料液の導電率又は抵抗率に基づいて試料液中の硼素濃度
を求める演算部とを具備するとともに、前記多価アルコ
ール添加機構が多価アルコール又はその溶液の脱塩処理
を行う脱塩処理部を備え、多価アルコール添加機構によ
り多価アルコールを試料液に添加するに当たり、前記脱
処理部で多価アルコール又はその溶液の脱塩処理を行
ってから該多価アルコール又はその溶液を試料液に添加
することを特徴とする硼素測定装置を提供する。さら
に、本発明は、上記硼素測定装置を用いた超純水製造装
置及びその運転方法を提供する。
【0007】本発明において、硼酸イオンと反応して錯
体を形成する多価アルコールとしては、必ずしも限定さ
れないが、下記式(A)で示されるマンニトール、下記
式(B)で示されるソルビトール又は下記式(C)で示
されるグリセリンを好適に用いることができる。なお、
下記式においてマンニトール及びソルビトールはいずれ
もD体を示したが、L体を使用することもできる。
【化1】
【0008】マンニトール、ソルビトール、グリセリン
といった多価アルコールを試料液中に添加した場合、上
記多価アルコールが試料液中に存在する硼酸イオンと反
応して強酸性の錯体を形成し、試料液のpHが低下す
る。このとき、試料液中の硼素が微量であっても、多価
アルコールを添加することによって試料液のpHが変動
し、試料液の導電率又は抵抗率が大きく変化する。した
がって、試料液中の硼素濃度と試料液の導電率又は抵抗
率との関係を予め求めておけば、試料液中の硼素が微量
の場合でも、試料液の導電率又は抵抗率に基づいて試料
液中の硼素濃度を求めることができる。また、本発明の
硼素測定装置は、多価アルコール添加機構と、小型の装
置である導電率計又は抵抗率計を備えた導電率/抵抗率
検出機構とを用いて作製できるため、小型で安価である
とともに、取り扱いが簡単であり、しかもオンライン
化、装置の校正が容易である。
【0009】この場合、本発明において多価アルコール
と反応して錯体を形成する硼酸イオンは、BO3 3-、B
2 2-、[B363-、B(OH)4 -である。硼酸イオ
ンと多価アルコールが反応すると、例えば下記に示した
ように硼酸イオンと多価アルコールとが結合し強酸とな
る。なお、(A)はマンニトールに硼酸イオンが結合し
たもの、(B)はソルビトールに硼酸イオンが結合した
もの、(C)はグリセリンに硼酸イオンが結合したもの
を示す。
【化2】
【0010】本発明では、試料液に多価アルコール又は
その溶液(以下これらをまとめて多価アルコール液とい
うこともある)を添加するものであるが、多価アルコー
ル液はイオン性不純物を含まないことがその不純物由来
の抵抗率変動による硼酸イオン濃度の測定誤差をおさえ
る点で望ましい。したがって、多価アルコール液を試料
液に添加するに際しては、多価アルコール液を予め脱塩
処理し、試料液に添加するまで外気を遮断して保管して
おく手段、あるいは、多価アルコール液を試料液に添加
する流路に脱塩処理部を設置し、多価アルコール液を試
料液に添加する前に上記脱塩処理部によって多価アルコ
ール液の脱塩処理を行う手段を採用することが好まし
い。これらの手段において、多価アルコール液の脱塩処
理には、イオン交換装置、電気再生型脱塩装置といった
液中のイオン性不純物を除去する公知の装置を利用する
ことができる。
【0011】本発明においては、多価アルコールを試料
液に添加するとともに、試料液の導電率又は抵抗率に基
づいて試料液中の硼素濃度を求める。この場合、ベース
の導電率又は抵抗率がほぼ一定の試料液であれば、多価
アルコールを添加した後(錯体形成後)の試料液の導電
率又は抵抗率を検出するだけで試料液中の硼素濃度を求
めることができるが、通常は、多価アルコールの添加前
及び添加後(錯体形成後)における試料液の導電率又は
抵抗率を検出し、それらの差に基づいて試料液中の硼素
濃度を求めることが適当である。
【0012】試料液の導電率又は抵抗率の検出には、公
知の導電率計又は抵抗率計を用いることができるが、試
料液中の硼素が微量の場合には、低導電率域を正確に測
定することが可能な抵抗率計を用いることが測定精度の
点でより好ましい。また、試料液の導電率又は抵抗率を
正確に検出するためには、試料液の導電率が2μS/c
m以下であること望ましい。これは、多価アルコール添
加前後の導電率又は抵抗率の変化が小さいため、これを
正確に検出するためには、バックグラウンドとなる試料
液の導電率を低くおさえておくことが必要であるという
理由からである。
【0013】本発明においては、試料液中の硼素量と添
加する多価アルコール量とのモル比が1:1〜1:10
00000の範囲、好ましくは1:2〜1:1000の
範囲となるように試料液に多価アルコールを添加するこ
とが適当である。多価アルコールが少なすぎると試料液
中の硼素と多価アルコールとが十分に反応しないため導
電率又は抵抗率の変化が少なくなることがあり、逆に多
価アルコールが多すぎると多価アルコールが無駄にな
る。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明に係る硼素測定装置及び超
純水製造装置を実施形態例として示すが、本発明の硼素
測定装置及び超純水製造装置は下記例に限定されるもの
ではない。図1〜図3はそれぞれ本発明に係る硼素測定
装置の一実施形態例を示すフロー図である。
【0015】図1の硼素測定装置は、試料液2が導入さ
れる試料液導入管4と、試料液導入管4に連結された多
価アルコール添加機構6と、多価アルコール添加機構6
の連結箇所より下流側に存して試料液導入管4に設けら
れた導電率/抵抗率検出機構8と、導電率/抵抗率検出
機構8と連絡する演算部10とを備えている。多価アル
コール添加機構6は、多価アルコール液貯留部12と、
流入端が多価アルコール液貯留部12に連結され、流出
端が試料液導入管4に連結された注入ライン13とを備
えている。注入ライン13には、多価アルコール液注入
ポンプ14及び多価アルコール液中のイオン性不純物を
除去する脱塩処理部16が介装されている。
【0016】図1の装置では、硼酸イオンと反応して錯
体を形成する多価アルコール又はその溶液が多価アルコ
ール液貯留部12に貯留されている。この多価アルコー
ル液は、脱塩処理部16で脱塩処理された後、注入ライ
ン13から試料液導入管4を流れる試料液に添加され
る。そして、多価アルコール液添加後の試料液の導電率
又は抵抗率が導電率/抵抗率検出機構8で検出されると
ともに、その出力に基づいて演算部10で試料液中の硼
素濃度が演算され、出力される。本装置は、試料液のベ
ースの導電率又は抵抗率がほぼ一定である場合に好適に
使用される。
【0017】図2の硼素測定装置は、図1の装置と同様
の試料液導入管4及び多価アルコール添加機構6と、多
価アルコール添加機構6の連結箇所より上流側に存して
試料液導入管4に設けられた第1の導電率/抵抗率検出
機構20と、上記連結箇所より下流側に存して試料液導
入管4に設けられた第2の導電率/抵抗率検出機構22
と、両導電率/抵抗率検出機構20,22と連絡する演
算部10とを備えている。
【0018】図2の装置では、多価アルコール添加前の
試料液の導電率又は抵抗率が第1の導電率/抵抗率検出
機構20で検出され、多価アルコール添加後の試料液の
導電率又は抵抗率が第2の導電率/抵抗率検出機構22
で検出されるとともに、両導電率/抵抗率検出機構2
0,22の出力の差に基づいて演算部10で試料液中の
硼素濃度が演算され、出力される。
【0019】図3の硼素測定装置は、試料液2が導入さ
れる試料液導入管4と、試料液導入管4に連結された多
価アルコール添加機構30と、多価アルコール添加機構
30の連結箇所より下流側に存して試料液導入管4に設
けられた導電率/抵抗率検出機構32と、導電率/抵抗
率検出機構32と連絡する演算部10とを備えている。
多価アルコール添加機構30は、両端が多価アルコール
液貯留部12に連結された循環ライン34と、流入端が
循環ライン34に連結され、流出端が試料液導入管4に
連結された注入ライン36とを備えている。循環ライン
34には循環ポンプ38及び脱塩処理部16が介装さ
れ、注入ライン36には多価アルコール液注入ポンプ1
4及び電磁弁40が介装されている。また、電磁弁40
は制御部42と連絡し、制御部42は演算部10と連絡
している。
【0020】図3の装置では、制御部42の制御によっ
て電磁弁40を閉じ、試料液に多価アルコール液を添加
することなく試料液を導電率/抵抗率検出機構32に導
入することにより、多価アルコール添加前の試料液の導
電率又は抵抗率が導電率/抵抗率検出機構32で検出さ
れる。また、制御部42の制御によって電磁弁40を開
き、この状態で多価アルコール添加機構30から試料液
導入管4を流れる試料液に多価アルコール液を添加した
後、試料液を導電率/抵抗率検出機構32に導入するこ
とにより、多価アルコール添加後の試料液の導電率又は
抵抗率が導電率/抵抗率検出機構32で検出される。そ
して、上記のようにして多価アルコールの添加の前後に
おける試料液の導電率又は抵抗率が導電率/抵抗率検出
機構32で順次又は交互に検出されるとともに、その多
価アルコールの添加の前後における導電率又は抵抗率の
出力の差に基づいて演算部10で試料液中の硼素濃度が
演算され、出力される。なお、図3の装置では、循環ポ
ンプ38を常時作動させて多価アルコール液が循環ライ
ン34を常時循環するようにしてある。このようにした
のは、多価アルコール液を循環させつつ脱塩処理部16
で処理することにより、液質の安定した多価アルコール
液が得られるからである。
【0021】図1〜図3の硼素測定装置において、導電
率/抵抗率検出機構としては、試料液中の導電率若しく
は抵抗率又は導電率若しくは抵抗率に対応する物理量を
出力するものを使用することができる。また、多価アル
コール添加機構の脱塩処理部としては、例えば、非再生
型混床式イオン交換装置、電気再生式イオン交換装置等
のイオン交換装置を用いることができる。
【0022】また、図1〜図3の装置においては、例え
ば、下記のような変更又は付加を行うことが可能であ
る。 図1〜図3の装置では、導電率/抵抗率検出機構の出
力から試料液中の硼素濃度を演算する演算部を設けた
が、演算部は必ずしも必要ではなく、導電率/抵抗率検
出機構の出力値を用いて測定者等が試料液中の硼素濃度
を計算するようにしてもよい。 試料液中の硼素濃度が一定値以上となったとき、ある
いは、多価アルコールの添加の前後における試料液の導
電率又は抵抗率の差が一定値以上となったときに警報出
力を出す機構を設けることができる。警報出力は、例え
ばリレーの開閉を行うなどの手段によって出すことがで
きる。これにより、本発明の硼素測定装置を自動の監視
計器として使用することが可能となる。 試料液中の硼素濃度に対応した信号を出力する機構を
設けることができる。出力としては、計器に指示値を表
示させる出力の他、アナログ又はデジタルの伝送出力と
いった従来の各種監視計器に備えられているいずれの態
様でも採用することができる。これにより、試料液中の
硼素濃度を簡便に知ることができるようになる。 本発明の硼素測定装置の出力は、必ずしも硼素濃度を
直接表示する必要はなく、多価アルコール添加後の導電
率又は抵抗率の変化、あるいは、多価アルコール添加前
後の導電率又は抵抗率の差の変化を出力可能なものであ
れば足りる。ただし、この場合には、測定者等が導電率
/抵抗率検出機構の出力値から硼素濃度を計算する必要
がある。 多価アルコール添加機構の連結箇所とその下流の導電
率/抵抗率検出機構との間において試料液導入管にスパ
イラル管等の撹拌部を設け、多価アルコールと硼素との
反応を進行させることができる。
【0023】図4及び図5はそれぞれ本発明に係る超純
水製造装置の一実施形態例を示すフロー図である。図4
の超純水製造装置において、52は原水貯槽、54は前
処理系システム、56は濾過水槽、58は一次純水系シ
ステム、60は二次純水系システムを示す。一次純水系
システム58には、脱塩装置62、脱塩水槽64、逆浸
透膜装置66、逆浸透膜透過水層68、真脱気装置7
0、再生型混床式イオン交換装置72が順次設置されて
いる。二次純水系システム60には、純水貯槽74、紫
外線酸化装置76、カートリッジポリッシャ78、限外
濾過膜装置80が順次設置されている。また、本装置で
は、一次純水系システム58において、再生型混床式脱
塩装置72の下流側に本発明の硼素測定装置90が設置
されている。
【0024】図4の装置では、以下の手順で処理が行わ
れる。まず、原水中に含まれる懸濁物質及び有機物の一
部が前処理システム54で除去された後、その処理水が
濾過水槽56を経て一次純水系システム58に供給さ
れ、脱塩装置62、逆浸透膜装置66、真脱気装置7
0、再生型混床式イオン交換装置72に順次通水され
る。脱塩装置62は、例えば2床3塔式イオン交換装置
等のイオン交換装置であって、水中の不純物イオンの除
去を行う。逆浸透膜装置66は、水中の無機イオン、有
機物、微粒子等の除去を行う。真空脱気装置70は、水
中の溶存酸素の除去を行う。再生型混床式イオン交換装
置72は、残存するイオン等を除去して高純度の純水を
製造する。
【0025】一次純水系システム58の処理水(一次純
水)は、二次純水系システム60の純水貯槽74に供給
される。純水貯槽74には、不活性ガスである窒素ガス
が封入されている。純水貯槽74を出た純水は、紫外線
酸化装置76、カートリッジポリッシャ78、限外濾過
膜装置80に順次通水される。紫外線酸化装置76は、
純水貯槽74からの純水に紫外線を照射し、純水中の有
機物を酸化分解するとともに、バクテリアの殺菌を行
う。カートリッジポリッシャ78は、非再生型混床式イ
オン交換装置であって、供給されるイオン負荷がほとん
どない超純水に近い純水中のイオンをさらに除去する。
限外濾過膜装置80は、水中の残存微粒子等を除去して
超純水を製造する。得られた超純水は、使用場所82に
供給される。なお、超純水は、使用場所82で使用して
いる時及び使用していない時のいずれの場合でも二次純
水循環配管84を通って純水貯槽74に戻り、常時循環
している。
【0026】図5の超純水製造装置は、図4の超純水製
造装置において、一次純水系システム58に、逆浸透膜
装置66、電気再生式脱塩装置(EDI)92、硼素選
択性イオン交換樹脂を用いたイオン交換装置である硼素
ポリッシャ94を順次設置するとともに、一次純水系シ
ステム58において硼素ポリッシャ94の下流側に本発
明の硼素測定装置90を設置したものである。電気再生
式脱塩装置92は水中の不純物イオンの除去を行うも
の、硼素ポリッシャ94は水中の硼酸イオンを選択的に
除去するものである。その他の点は図4の装置と同じで
あるため、同一の構成部分には同一参照符号を付して説
明を省略する。
【0027】イオン交換樹脂を用いたイオン交換装置、
例えば2床3塔式イオン交換装置、再生型混床式イオン
交換装置、非再生型混床式イオン交換装置等を設置した
超純水(純水を含む)の製造装置では、上記イオン交換
装置からの硼素の漏出が早期に生じることが多い。した
がって、イオン交換樹脂を用いたイオン交換装置の運転
状況を監視して健全な運転を行うためには、該イオン交
換装置の処理水中の硼素濃度を監視することが好まし
い。また、イオン交換装置以外の脱塩装置でも、健全な
運転を行うためには、該装置の処理水中の硼素濃度を監
視することが好ましい。さらに、硼素ポリッシャ等のポ
リッシャ装置は、すでに脱塩処理がなされている純水か
らさらに微量の不純物イオンを取り除く装置であり、健
全な運転のためにはその処理水中の硼素濃度の自動測定
装置を設置し、処理水中の硼素濃度が所定の値以上とな
った時にイオン交換樹脂の再生又は交換を行うことが望
ましい。
【0028】図4及び図5の超純水製造装置は、上記観
点から好ましいものである。すなわち、図4及び図5の
超純水製造装置は、イオン交換樹脂を用いたイオン交換
装置の後段に本発明の硼素測定装置90を設置し、この
硼素測定装置でイオン交換装置の処理水中の硼素濃度を
測定することにより、処理水中の硼素濃度を監視した
り、処理水中の硼素濃度が所定の値以上となった時にイ
オン交換樹脂の再生又は交換を行ったりすることがで
き、イオン交換装置の適切なメンテナンスを行うことが
できるものである。
【0029】したがって、本発明は、被処理水からイオ
ン性不純物を除去する脱塩装置を具備するとともに、該
脱塩装置の出口又は下流側に本発明の硼素測定装置が設
置され、前記脱塩装置の処理水中の硼素濃度を前記硼素
測定装置で測定する超純水製造装置を提供する。この場
合、脱塩装置としては、イオン交換樹脂を用いたイオン
交換装置が特に適当である。また、本発明は、脱塩装置
としてイオン交換装置を備えた前記本発明超純水製造装
置の運転方法であって、前記イオン交換装置の出口又は
下流側に設置した本発明の硼素測定装置で測定した硼素
濃度が所定値以上となったときに、イオン交換装置のイ
オン交換樹脂の再生又は交換を行う超純水製造装置の運
転方法を提供する。
【0030】
【実施例】図2に示した装置を用い、試料液中の硼素濃
度と試料液の抵抗率との関係を調べた。この場合、試料
液として硼素を含まない純水及び所定濃度の硼素を含む
純水を用い、各試料液に多価アルコールとしてマンニト
ールを添加した場合の試料液の抵抗率を測定した。多価
アルコール液としては、マンニトールを12.5g/l
の濃度で含む多価アルコール水溶液を用い、試料液への
多価アルコールの添加量は、試料液中の硼素量と添加す
る多価アルコール量とのモル比が1:1000となるよ
うにした。試料液の流量は15リットル/hr、多価ア
ルコール液の流量は1.44リットル/hrであった。
また、第1及び第2の両導電率/抵抗率検出機構20,
22の抵抗率計としてはオルガノ(株)製MH−4を用
い、脱塩処理部16にはロームアンドハース社製アンバ
ーライトEG−4を充填したイオン交換樹脂塔を用い
た。結果を表1に示す。表1より、本発明の硼素測定方
法及び装置によれば、ppbオーダーの微量の硼素を測
定できることが確認された。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る硼素
測定方法及び装置は、試料液中に含まれるppbオーダ
ー、pptオーダーの微量の硼素濃度を小型の装置を用
いて簡便かつ安価に測定することができるとともに、オ
ンライン化、装置の校正が容易であり、したがって超純
水製造プラント等の工業プラントにおいて各装置の処理
水中の硼素濃度を監視する場合などに好適に使用するこ
とができる。また、本発明に係る超純水製造装置によれ
ば、イオン交換装置等の脱塩装置の処理水中に含まれる
硼素濃度を監視して、脱塩装置の健全な運転を行うこと
ができる。さらに、本発明に係る超純水製造装置の運転
方法によれば、処理水中の硼素濃度が所定の値以上とな
った時にイオン交換樹脂の再生又は交換を行うことによ
り、イオン交換装置の適切なメンテナンスを行うことが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る硼素測定装置の一実施形態例を示
すフロー図である。
【図2】本発明に係る硼素測定装置の一実施形態例を示
すフロー図である。
【図3】本発明に係る硼素測定装置の一実施形態例を示
すフロー図である。
【図4】本発明に係る超純水製造装置の一実施形態例を
示すフロー図である。
【図5】本発明に係る超純水製造装置の一実施形態例を
示すフロー図である。
【符号の説明】
2 試料液 4 試料液導入管 6 多価アルコール添加機構 8 導電率/抵抗率検出機構 10 演算部 12 多価アルコール液貯留部 14 多価アルコール液注入ポンプ 16 脱塩処理部 20 第1の導電率/抵抗率検出機構 22 第2の導電率/抵抗率検出機構 30 多価アルコール添加機構 32 導電率/抵抗率検出機構 58 一次純水系システム 60 二次純水系システム 72 再生型混床式イオン交換装置 90 硼素測定装置 94 硼素ポリッシャ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−138894(JP,A) 特開 昭64−21344(JP,A) 特開 平7−260725(JP,A) 特開 昭56−135154(JP,A) 特開 平8−117744(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/00 - 27/10 C02F 1/42

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硼酸イオンと反応して錯体を形成する多
    価アルコールを試料液に添加するとともに、該試料液の
    導電率又は抵抗率に基づいて試料液中の硼素濃度を求め
    に当たり、前記多価アルコール又はその溶液の脱塩処
    理を行ってから該多価アルコール又はその溶液を試料液
    に添加することを特徴とする硼素測定方法。
  2. 【請求項2】 多価アルコールの添加の前後における試
    料液の導電率又は抵抗率の差に基づいて試料液中の硼素
    濃度を求める請求項1に記載の硼素測定方法。
  3. 【請求項3】 多価アルコールがマンニトール、ソルビ
    トール又はグリセリンである請求項1又は2に記載の硼
    素測定方法。
  4. 【請求項4】 硼酸イオンと反応して錯体を形成する多
    価アルコールを試料液に添加する多価アルコール添加機
    構と、試料液の導電率又は抵抗率を検出する導電率/抵
    抗率検出機構と、導電率/抵抗率検出機構で検出した試
    料液の導電率又は抵抗率に基づいて試料液中の硼素濃度
    を求める演算部とを具備するとともに、前記多価アルコ
    ール添加機構が多価アルコール又はその溶液の脱塩処理
    を行う脱塩処理部を備え、多価アルコール添加機構によ
    り多価アルコールを試料液に添加するに当たり、前記脱
    処理部で多価アルコール又はその溶液の脱塩処理を行
    ってから該多価アルコール又はその溶液を試料液に添加
    することを特徴とする硼素測定装置。
  5. 【請求項5】 導電率/抵抗率検出機構が、多価アルコ
    ールの添加の前後における試料液の導電率又は抵抗率を
    それぞれ検出するものである請求項4に記載の硼素測定
    装置
  6. 【請求項6】 多価アルコールとしてマンニトール、ソ
    ルビトール又はグリセリンを用いる請求項4又は5に記
    載の硼素測定装置。
  7. 【請求項7】 被処理水からイオン性不純物を除去する
    脱塩装置を具備するとともに、該脱塩装置の出口又は下
    流側に請求項4、5又は6に記載の硼素測定装置が設置
    され、前記脱塩装置の処理水中の硼素濃度を前記硼素測
    定装置で測定する超純水製造装置。
  8. 【請求項8】 脱塩装置としてイオン交換装置を備えた
    請求項に記載の超純水製造装置の運転方法であって、
    前記イオン交換装置の出口又は下流側に設置した請求項
    4、5又は6に記載の硼素測定装置で測定した硼素濃度
    が所定値以上となったときに、イオン交換装置のイオン
    交換樹脂の再生又は交換を行う超純水製造装置の運転方
    法。
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