JP3672455B2 - 異常水質検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、浄水場や下水処理場等に流入する被処理水の水質異常を検出する異常水質検出装置に係り、とりわけ、微生物膜を備え被処理水に対する微生物膜の反応から被処理水の水質異常を検出する異常水質検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
浄水場は、河川水を取水、処理して、飲料水等を供給しているが、有害物質が河川水中に混入する等して通常の処理では除去できないような水質異常が検出されると、取水停止という非常事態に至る。
【0003】
同様に、下水処理場は流入下水を活性汚泥処理しているが、流入下水への有害物質の混入等による水質異常は、処理の量や精度等に大きく影響する。
【0004】
このため、浄水場や下水処理場では、流入水の水質を事前に検出するか、遅くとも流入水の流入時までに検出する必要がある。
【0005】
従来は、流入水が導入される水槽に魚類を飼育し、当該魚類の行動の変化あるいは致死等の状態を観察することによって、流入水の水質異常を検出していた。さらに、魚類観察者の負荷を低減するために、画像処理を利用して魚類を自動監視する装置も提供されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前述のような異常水質検出方法では、魚類が異常水質の流入水により異常行動を起こすまでに、あるいは死亡するまでに時間がかかるため、結果として異常水質の検出にも長時間がかかっている。また、魚類飼育用の水槽及び監視用装置は比較的大型であり、構造も複雑である。
【0007】
さらに、魚類の種々の行動には、当該魚類の種別に基づく性質の他、個々の魚類の健康状態や水槽の周囲の環境等による影響も反映され得る。従って、異常水質の判別が困難で、結果的に異常検出の感度が低くなったり、異常水質の誤検出を生じることもある。
【0008】
本件発明者らは、本件発明に至る過程において、鉄バクテリアを保持する微生物膜と電極装置とを用いることによって、流入水の異常水質を、短時間に正確かつ高感度に検出することができることを知見した。しかしながら、流入水を微生物膜に噴流(直交する水流)として直接衝突させると、電極装置から得られる測定値の変動やふらつきが大きく、検出測定が困難であることも知見した。
【0009】
本発明は、このような点を考慮してなされたのであり、浄水場や下水処理場等への流入水の異常水質を、短時間に正確かつ高感度に検出することができると共に、当該検出測定を安定に持続できるような異常水質検出装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、導入口を有する測定槽と、導入口に接続され、導入口に被測定液を導入する導入管と、導入管に接続され、導入管内に第1鉄含有溶液を導入する試薬配管と、測定槽内に、導入管から導入口を経て測定槽内に導入される被測定液の流れ方向に対して略平行に設けられた、鉄バクテリアを保持する微生物膜と、微生物膜に接続された電極装置と、を備え、導入管は、空気あるいは酸素濃度を一定に調整した気体を供給するための気体供給器に接続されていると共に、酸溶液を導入するための酸供給配管に接続されており、酸溶液は、PH4以下に調整した溶液であることを特徴とする異常水質検出装置である。
【0011】
本発明によれば、鉄バクテリアによる第1鉄の酸化作用を利用することにより、測定槽内に導入される被測定液の異常水質を短時間に、高感度で正確に検出することができると共に、微生物膜が被測定液の流れ方向に対して略平行に設けられているため、当該検出測定を安定に持続することができる。また、本発明によれば、PH4以下の強酸溶液によって、異常水質検出測定の継続により導入管及び測定槽内部に徐々に付着体積する汚濁物質を除去することができる。これは、特に有機性のものには効果的である。また、第2鉄も再溶解して容易に除去される。さらに、微生物膜への付着物も除去される。このため、長期間の安定な高精度な測定が可能となる。このような酸洗浄は、鉄バクテリアがPH4以下の強酸性溶液中でも活性を維持できるという特異な性質に基づくものである。
【0012】
本発明は、内部側が大径の略円錐状に形成された導入口を有する測定槽と、導入口の小径側の端部に接続され、導入口に被測定液を導入する導入管と、導入管に接続され、導入管内に第1鉄含有溶液を導入する試薬配管と、測定槽内に設けられた、鉄バクテリアを保持する微生物膜と、微生物膜に接続された電極装置と、を備えたことを特徴とする異常水質検出装置である。
【0013】
本発明によれば、鉄バクテリアによる第1鉄の酸化作用を利用することにより、測定槽内に導入される被測定液の異常水質を短時間に、高感度で正確に検出することができると共に、被測定液が円錐状の導入管を経て緩やかな流速で微生物膜に接触するため、当該検出測定を安定に持続することができる。
【0014】
本発明は、導入口を有する測定槽と、導入口に接続され、導入口に被測定液を導入する導入管と、導入管に接続され、導入管内に第1鉄含有溶液を導入する試薬配管と、測定槽内に、導入口から2mm以上離れた位置に設けられた、鉄バクテリアを保持する微生物膜と、微生物膜に接続された電極装置と、を備え、導入管は、空気あるいは酸素濃度を一定に調整した気体を供給するための気体供給器に接続されていると共に、酸溶液を導入するための酸供給配管に接続されており、酸溶液は、PH4以下に調整した溶液であることを特徴とする異常水質検出装置である。
【0015】
本発明によれば、鉄バクテリアによる第1鉄の酸化作用を利用することにより、測定槽内に導入される被測定液の異常水質を短時間に、高感度で正確に検出することができると共に、被測定液の導入口と微生物膜とが2mm以上離れているため、当該検出測定を安定に持続することができる。また、本発明によれば、PH4以下の強酸溶液によって、異常水質検出測定の継続により導入管及び測定槽内部に徐々に付着体積する汚濁物質を除去することができる。これは、特に有機性のものには効果的である。また、第2鉄も再溶解して容易に除去される。さらに、微生物膜への付着物も除去される。このため、長期間の安定な高精度な測定が可能となる。このような酸洗浄は、鉄バクテリアがPH4以下の強酸性溶液中でも活性を維持できるという特異な性質に基づくものである。
【0016】
本発明は、導入口を有する測定槽と、導入口に接続され、導入口に被測定液を導入する導入管と、導入管に接続され、導入管内に第1鉄含有溶液を導入する試薬配管と、測定槽内に設けられた、鉄バクテリアを保持する微生物膜と、微生物膜に接続された電極装置と、導入口と微生物膜との間に設けられた液流妨害部と、を備えたことを特徴とする異常水質検出装置である。
【0017】
本発明によれば、鉄バクテリアによる第1鉄の酸化作用を利用することにより、測定槽内に導入される被測定液の異常水質を短時間に、高感度で正確に検出することができると共に、液流妨害部によって被測定液が直接微生物膜と衝突することが防止されるため、当該検出測定を安定に持続することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0019】
図1は、本発明の第1の実施の形態による異常水質検出装置を示す構成概略図であり、図2は、測定槽部分の拡大図である。図1及び図2に示すように、本発明の第1の実施の形態の異常水質検出装置20は、浄水場や下水処理場への流入水などの被測定液が導入される導入口11と、被測定液が排出される排出口12と、を有する測定槽10を備えている。測定槽10は、温度調整器5内に設けられて、所望の温度に調整可能となっている。
【0020】
導入口11には導入管1が接続され、排出口12には排出管2が接続されている。導入管1には、被測定液を供給するための被測定液供給ポンプ1pが設けられている。
【0021】
図2に示すように、測定槽10内には、導入管1から導入口11を経て測定槽10内に導入される被測定液の流れ方向Aに対して略平行に、酸素を利用して第1鉄を第2鉄に変えることができる鉄バクテリアを保持する微生物膜4が設けられている。微生物膜4は、着脱ホルダ4hを介して、測定槽10に着脱可能に固定されている。
【0022】
本実施の形態で微生物膜4に保持される鉄バクテリアは、Thiobacillus ferrooxidansである。
【0023】
本実施の形態の導入管1には、第1鉄含有溶液とPH調整用緩衝液との混合試薬溶液を導入するための試薬配管1tが接続している。試薬配管1tは、試薬供給ポンプ1qを介して試薬タンク7に接続されている。
【0024】
また本実施の形態の導入管1は、空気あるいは酸素濃度を一定に調整した気体を導入管1に供給する気体供給器14にも接続されている。
【0025】
微生物膜4には、電極装置3が接続されている。電極装置3は、図2に示すように、微生物膜4の測定槽10内部側と逆側に重ねられた気体透過性膜32と、気体透過性膜32に当接する検出電極33とを有している。検出電極33は、支持柱38によって保持されている。支持柱38の周囲には、検出電極33の周囲で気体透過性膜32に当接する内部液を収容するための内部室35が、溶存酸素電極36によって区画形成されている。また、支持柱38の外周には、対極34が設けられている。
【0026】
電極装置3の検出電極33及び対極34には、電線33a、34aを介して、電極装置3の出力を増幅、変換すると共に、被測定液の異常水質を判別する変換演算手段13が接続されている。
【0027】
次に、このような構成よりなる本実施の形態の作用について説明する。
【0028】
本実施の形態では、被測定液供給ポンプ1pにより送液された被測定液が、試薬タンク7から試薬供給ポンプ1qにより試薬配管1tを介して送られてくる第1鉄含有溶液とPH調整用緩衝液との混合溶液と、導入管1内で混合される。この混合液は、その後、気体供給管14から供給される気体によって溶存酸素濃度が飽和され、さらに導入管1を通って導入口11から測定槽10内に流入する。
【0029】
まず、有害物質が混入していない被測定液が単独で測定槽10内に流入した場合について説明する。この場合、当該被測定液が微生物膜4に接すると、被測定液中の溶存酸素濃度に対応した酸素が気体透過性膜32を透過して溶存酸素電極36の内部液中を拡散するため、検出電極33と対極34との間に電流が流れる。
【0030】
例えば、被測定液中の溶存酸素濃度を空気により飽和させた場合の測定では、図3のa部に示したような電流が流れる。この場合、微生物膜4の鉄バクテリアによる酸素消費は極めて僅かである。
【0031】
次に、有害物質が混入していない被測定液が、第1鉄含有溶液及びPH調整用緩衝液の混合液と混合されて測定槽10内に流入した場合について説明する。この場合、微生物膜4の鉄バクテリアが、溶存酸素を利用して第1鉄を第2鉄に酸化するため、気体透過性膜32を透過する酸素が減少する。この化学反応式は以下のようになる。
【0032】
Fe2+(第1鉄)+02(酸素) → Fe3+(第2鉄)
この場合、検出電極33と対極34との間に流れる電流は、図3のb部のようになる。
【0033】
この測定例は、微生物膜4に保持される鉄バクテリアがThiobacillus ferrooxidansの場合の結果であるが、鉄バクテリアとしては、前記化学式の働きを持つすべての微生物が本発明に適用できる。もっとも、本件発明者らは、入手の容易性と多くの実験における取り扱いの容易性から、Thiobacillus ferrooxidans、Gallionella ferruginea、Leptospirillum ferrooxidans、Leptothrix、Sphaerotilusがより適していることを確認している。
【0034】
さて、図3のa部の電流とb部の電流との差が、異常水質のない被測定液を測定した場合の、微生物膜4の鉄バクテリアによる、鉄の酸化における酸素消費量に対応している。ただし、鉄バクテリアの活性すなわち鉄の酸化量は、温度の影響によっても変化する可能性があるため、測定槽10は、温度調整器5によって、鉄バクテリアの活性が安定するような温度に維持されることが望ましい。
【0035】
また、図3のa部の電流値は、被測定液中の溶存酸素濃度によっても変化する。このため、測定槽10に被測定液を供給する前に、空気あるいは酸素濃度を一定に調整した気体を気体供給器14から供給して、常に被測定液を飽和溶存酸素濃度にすることが望ましい。ここで飽和溶存酸素濃度は液温度により変化するため、この点においても、温度調節器5によって測定槽10を一定の温度に維持することは重要である。
【0036】
次に、被測定液中にシアン、フェノール、農薬等の有害物質が混入した場合について説明する。この場合、鉄バクテリアは活性低下を生じたり死亡したりするため、酸素消費量は少なくなる。例えば、シアン濃度0.1mg/Lの場合には、図3のc部のような電流が流れる。この時の酸素消費量の変化は、有害物質の濃度と相関があり、シアン濃度0.05mg/Lでは図3のd部のようになる。
【0037】
従って、(a部の電流値−b部の電流値)と、(a部の電流値−c部の電流値)または(a部の電流値−d部の電流値)との比較、あるいは(c部の電流値−b部の電流値)と、(d部の電流値−b部の電流値)との比較から、異常水質を検出することが可能となる。例えば、変換演算手段13によって、異常水質の検出結果を自動的に警報、ガイダンス等の態様で出力することが可能である。
【0038】
ここで本件発明者は、被測定液と第1鉄含有溶液及びPH調整用緩衝液との混合液を微生物膜4の至近距離から微生物膜4の膜面に噴流(直交する水流)として衝突させた場合、短時間で検出電極33の測定値が変化することを確認した。具体的には、混合液を測定槽10に導入した場合、始めは図3のb部のような低い電流が流れるが、数時間で電流値が上昇し始める。また、指示値のふらつきも大きく、測定が困難である。
【0039】
本実施の形態では、図2に示すように、被測定液と第1鉄含有溶液及びPH調整用緩衝液との混合液が、微生物膜4の膜面に対し平行流、または平行に近い水流として流入するようになっているため、前述のような測定値の変動、ふらつきがなく、安定した測定が長期間持続できる。
【0040】
以上のように、本実施の形態によれば、微生物膜4の鉄バクテリアによる第1鉄の酸化作用を利用することにより、測定槽10内に導入される被測定液の異常水質を、短時間に高感度で正確に検出することができる。
【0041】
また本実施の形態によれば、微生物膜4が被測定液の流れ方向に対して略平行に設けられているため、当該検出測定を安定に持続することができる。
【0042】
また本実施の形態によれば、気体供給器14から空気あるいは酸素濃度を一定に調整した気体が導入管1に供給されるため、被測定液を常に飽和溶存酸素濃度にすることができ、水質検出測定の精度が向上する。
【0043】
また本実施の形態によれば、温度調整器5によって測定槽10が温度調整されるため、鉄バクテリアの活性が安定し、水質検出測定の精度が向上する。
【0044】
また本実施の形態によれば、微生物膜4が着脱ホルダ4hを介して着脱可能に測定槽10に取付けられているため、取付けの際に微生物膜4がよじれたり、破けたり、気泡が残留するなどして、測定の精度を低下させる要因となることが防止される。また、微生物膜4の交換が容易に行える。
【0045】
なお、長期間未使用状態にあった微生物膜4を使用すると、測定が安定するまでに長時間を要したり、安定な測定が困難な場合がある。本件発明者らは、微生物膜4(が保持する鉄バクテリア)を凍結乾燥処理することによって、数ヶ月という長期間保管した後でも、短時間で安定な測定が可能な状態になることを確認した。
【0046】
次に、本発明の第2の実施の形態の異常水質検出装置について図4を用いて説明する。図4は、第2の実施の形態の異常水質検出装置の構成概略図である。
【0047】
図4に示すように、本実施の形態の異常水質検出装置20は、導入管1に、酸溶液を導入するための酸供給配管1aが接続され、酸供給配管1aは、酸供給ポンプ1rを介して酸タンク8に接続されている他は、図1及び図2に示す第1の実施の形態と同様の構成である。第2の実施の形態において、図1及び図2に示す第1の実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0048】
酸溶液は、PH4以下に調整された硫酸または塩酸等の強酸溶液となっている。
【0049】
本実施の形態では、図4に示すように、被測定液と第1鉄含有溶液とPH調整用緩衝液の混合溶液が送液される導入管1に、酸溶タンク8から強酸溶液を供給することができるようになっている。
【0050】
本実施の形態では、酸供給配管1aに、酸溶液を1時間に1回乃至1週間に1回の頻度で供給するような第1酸供給制御装置1dと、酸溶液を15分以上連続供給するような第2酸供給制御装置1cとが設けられ、これにより定期的な強酸溶液の定量の導入が実現されている。
【0051】
異常水質検出測定は、前述の第1の実施の形態の異常水質検出装置20と略同様に行われる。
【0052】
異常水質検出測定を継続すると、被測定液中の汚濁物質が導入管1及び測定槽10内部に徐々に付着堆積してくる。また、試薬溶液中の第1鉄の一部が第2鉄に酸化されて析出するが、これも導入管1及び測定槽10内部に徐々に付着堆積してくる。これらは、導入管1の閉塞や、水質検出測定の感度低下につながり得る。
【0053】
本実施の形態の異常水質検出装置20は、これらの問題を解消するものであり、定期的に酸タンク8から強酸溶液を導入管1に供給し、導入管1内や測定槽10内に付着堆積している汚濁物質および第2鉄を除去、排出する「酸洗浄」を行う。強酸溶液による汚濁物質の除去は、有機性のものには特に効果的である。また、第2鉄も再溶解して容易に除去される。さらに、微生物膜4への付着物も除去され、長期間の安定な高精度な測定が可能となる。
【0054】
なお、このような酸洗浄は、鉄バクテリアがPH4以下の強酸性溶液中でも活性を維持できるという特異な性質に基づくものである。他のタイプの微生物膜では、このような酸洗浄は実施不可能である。
【0055】
次に、本発明の第3の実施の形態の異常水質検出装置について図5を用いて説明する。図5は、第3の実施の形態の異常水質検出装置の測定槽部分の構成概略図である。
【0056】
図5に示すように、本実施の形態の異常水質検出装置20は、導入管1が螺旋状に形成されている他は、図1及び図2に示す第1の実施の形態と同様の構成である。第3の実施の形態において、図1及び図2に示す第1の実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0057】
本実施の形態によれば、被測定液が螺旋状の導入管1を介して測定槽10内に導入されるため、被測定液は微生物膜4に対して極めて穏やかに接触する。このため、水質検出測定が安定する。
【0058】
次に、本発明の第4の実施の形態の異常水質検出装置について図6を用いて説明する。図6は、第4の実施の形態の異常水質検出装置の測定槽部分の構成概略図である。
【0059】
図6に示すように、本実施の形態の異常水質検出装置20は、導入口11が測定槽10の底部に内部側を大径にした略円錐状に形成され、小径側の端部で導入管11に接続されている。この場合、微生物膜4は、導入口11を経て測定槽10内に導入される被測定液の流れ方向Bに対して直交する向きに配置されている。
【0060】
その他の構成は、図1及び図2に示す第1の実施の形態と同様の構成である。第4の実施の形態において、図1及び図2に示す第1の実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0061】
本実施の形態では、導入口11の形状は、軸を含んで軸方向に平行な断面の頂角が120度以上の円錐状である。
【0062】
本実施の形態によれば、微生物膜4が被測定液の流れ方向Bに対して直交する向きに設けられているが、被測定液が略円錐状の導入口11を介して測定槽10内に導入されるため、被測定液が微生物膜4に対して極めて緩やかな流速で接する。このため、水質検出測定が安定する。
【0063】
次に、本発明の第5の実施の形態の異常水質検出装置について図7を用いて説明する。図7は、第5の実施の形態の異常水質検出装置の測定槽部分の構成概略図である。
【0064】
図7に示すように、本実施の形態の異常水質検出装置20は、微生物膜4が導入口11を経て測定槽10内に導入される被測定液の流れ方向Bに対して直交する向きに、導入口から2mm以上離れた位置に設けられている他は、図1及び図2に示す第1の実施の形態と同様の構成である。第5の実施の形態において、図1及び図2に示す第1の実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0065】
本実施の形態によれば、微生物膜4が被測定液の流れ方向Bに対して直交する向きに設けられているが、被測定液の導入口と微生物膜とが2mm以上離れているため、当該検出測定を安定に持続することができる。ここで「2mm」という距離は、本件発明者が多くの実験結果に基づいて知見した値であるが、この値は正確には流入する溶液の流速に影響されるため、流速に合わせて更に余裕を持たせることが好ましい。
【0066】
次に、本発明の第6の実施の形態の異常水質検出装置について図8を用いて説明する。図8は、第6の実施の形態の異常水質検出装置の測定槽部分の構成概略図である。
【0067】
図8に示すように、本実施の形態の異常水質検出装置20は、導入口11と微生物膜4との間に液流妨害部17が設けられている他は、図7に示す第5の実施の形態と同様の構成である。第6の実施の形態において、図7に示す第5の実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0068】
本実施の形態によれば、微生物膜4が被測定液の流れ方向Bに対して直交する向きに設けられているが、液流妨害部17によって被測定液が直接微生物膜4と衝突することが防止されるため、水質検出測定を安定に持続することができる。
【0069】
なお、被測定液の微生物膜4への接触状態を制御するために、測定槽10の内部に被測定液を攪拌するための攪拌装置を設けることも有効である。
【0070】
以上説明したように、本発明によれば、鉄バクテリアによる第1鉄の酸化作用を利用することにより、測定槽内に導入される被測定液の異常水質を短時間に、高感度で正確に検出することができると共に、微生物膜が被測定液の流れ方向に対して略平行に設けられているため、当該検出測定を安定に持続することができる。また、本発明によれば、PH4以下の強酸溶液によって、異常水質検出測定の継続により導入管及び測定槽内部に徐々に付着体積する汚濁物質を除去することができる。これは、特に有機性のものには効果的である。また、第2鉄も再溶解して容易に除去される。さらに、微生物膜への付着物も除去される。このため、長期間の安定な高精度な測定が可能となる。
【0071】
あるいは本発明によれば、鉄バクテリアによる第1鉄の酸化作用を利用することにより、測定槽内に導入される被測定液の異常水質を短時間に、高感度で正確に検出することができると共に、被測定液が円錐状の購入管を経て緩やかな流速で微生物膜に接触するため、当該検出測定を安定に持続することができる。
【0072】
あるいは本発明によれば、鉄バクテリアによる第1鉄の酸化作用を利用することにより、測定槽内に導入される被測定液の異常水質を短時間に、高感度で正確に検出することができると共に、被測定液の導入口と微生物膜とが2mm以上離れているため、当該検出測定を安定に持続することができる。また、本発明によれば、PH4以下の強酸溶液によって、異常水質検出測定の継続により導入管及び測定槽内部に徐々に付着体積する汚濁物質を除去することができる。これは、特に有機性のものには効果的である。また、第2鉄も再溶解して容易に除去される。さらに、微生物膜への付着物も除去される。このため、長期間の安定な高精度な測定が可能となる。
【0073】
あるいは本発明によれば、鉄バクテリアによる第1鉄の酸化作用を利用することにより、測定槽内に導入される被測定液の異常水質を短時間に、高感度で正確に検出することができると共に、液流妨害部によって被測定液が直接微生物膜と衝突することが防止されるため、当該検出測定を安定に持続することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による異常水質検出装置の第1の実施の形態を示す構成概略図。
【図2】図1の測定槽部分を示す構成概略図。
【図3】図1の電極装置が検出する電流値を示す図。
【図4】本発明による異常水質検出装置の第2の実施の形態を示す構成概略図。
【図5】本発明による異常水質検出装置の第3の実施の形態の測定槽部分を示す構成概略図。
【図6】本発明による異常水質検出装置の第4の実施の形態の測定槽部分を示す構成概略図。
【図7】本発明による異常水質検出装置の第5の実施の形態の測定槽部分を示す構成概略図。
【図8】本発明による異常水質検出装置の第6の実施の形態の測定槽部分を示す構成概略図。
【符号の説明】
1 導入管
1a 酸供給配管
1t 試薬配管
1p 被測定液供給ポンプ
1q 試薬供給ポンプ
1r 酸供給ポンプ
2 排出管
3 電極装置
4 微生物膜
4h 着脱ホルダ
5 温度調整器
7 試薬タンク
8 酸タンク
10 測定槽
11 導入口
12 排出口
13 変換演算手段
14 気体供給器
17 液流妨害部
20 異常水質検出装置
32 気体透過性膜
33 検出電極
34 対極
35 内部室
36 溶存酸素電極
Claims (12)
- 導入口を有する測定槽と、
導入口に接続され、導入口に被測定液を導入する導入管と、
導入管に接続され、導入管内に第1鉄含有溶液を導入する試薬配管と、
測定槽内に、導入管から導入口を経て測定槽内に導入される被測定液の流れ方向に対して略平行に設けられた、鉄バクテリアを保持する微生物膜と、
微生物膜に接続された電極装置と、
を備え、
導入管は、空気あるいは酸素濃度を一定に調整した気体を供給するための気体供給器に接続されていると共に、酸溶液を導入するための酸供給配管に接続されており、
酸溶液は、PH4以下に調整した溶液である
ことを特徴とする異常水質検出装置。 - 導入管は、螺旋状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の異常水質検出装置。
- 内部側が大径の略円錐状に形成された導入口を有する測定槽と、
導入口の小径側の端部に接続され、導入口に被測定液を導入する導入管と、
導入管に接続され、導入管内に第1鉄含有溶液を導入する試薬配管と、
測定槽内に設けられた、鉄バクテリアを保持する微生物膜と、
微生物膜に接続された電極装置と、
を備えたことを特徴とする異常水質検出装置。 - 導入口の形状は、軸を含んで軸方向に平行な断面の頂角が120度以上の円錐状であることを特徴とする請求項3に記載の異常水質検出装置。
- 導入口を有する測定槽と、
導入口に接続され、導入口に被測定液を導入する導入管と、
導入管に接続され、導入管内に第1鉄含有溶液を導入する試薬配管と、
測定槽内に、導入口から2mm以上離れた位置に設けられた、鉄バクテリアを保持する微生物膜と、
微生物膜に接続された電極装置と、
を備え、
導入管は、空気あるいは酸素濃度を一定に調整した気体を供給するための気体供給器に接続されていると共に、酸溶液を導入するための酸供給配管に接続されており、
酸溶液は、PH4以下に調整した溶液である
ことを特徴とする異常水質検出装置。 - 導入口を有する測定槽と、
導入口に接続され、導入口に被測定液を導入する導入管と、
導入管に接続され、導入管内に第1鉄含有溶液を導入する試薬配管と、
測定槽内に設けられた、鉄バクテリアを保持する微生物膜と、
微生物膜に接続された電極装置と、
導入口と微生物膜との間に設けられた液流妨害部と、
を備えたことを特徴とする異常水質検出装置。 - 導入管は、空気あるいは酸素濃度を一定に調整した気体を供給するための気体供給器に接続されていることを特徴とする請求項3、4及び6のいずれかに記載の異常水質検出装置。
- 導入管は、酸溶液を導入するための酸供給配管に接続されていることを特徴とする請求項7に記載の異常水質検出装置。
- 酸溶液は、PH4以下に調整した溶液であることを特徴とする請求項8に記載の異常水質検出装置。
- 測定槽は、内部に導入される被測定液を攪拌するための攪拌装置を有していることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の異常水質検出装置。
- 微生物膜は、着脱可能に設けられていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の異常水質検出装置。
- 測定槽は、温度調整器内に設けられていることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の異常水質検出装置。
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